南北会談は、どうせ「終戦宣言」とか言っちゃうんでしょ
- 2018/04/26
- 19:45
南北会談は、どうせ「終戦宣言」とか言っちゃうんでしょ

副題:明日の南北会談は、文在寅が盧武鉉政権の秘書室長だった時に行われた2007年10月の2回目の南北会談の際に発表された「10.4南北首脳宣言」の焼き直し宣言をするんでしょ。その「10.4南北首脳宣言」の宣言項目は、現在、未実現または中止されているので、今度も同じで、結局は何も実現しないんでしょ。
前回からの続きである。
前回は、北朝鮮の核・弾道ミサイル問題の解決に向けた「大きく捉えた図式」を提示した。
日米G7国連が一致して求めている「完全で検証可能かつ不可逆的な方法による生物・化学兵器も含む大量破壊兵器と全ての射程のミサイル廃棄」を実現する為の本線である「対話と圧力のロードマップ」と、それに朝鮮流遷延策で抗う北朝鮮という図式である。
その図式の中で韓国は、自由主義国家であるはずなのに、日米G7国連側ではなく、むしろ北朝鮮の抗いを支援・補完する側にいる旨を提示した。
そして同時に、我が国偏向マスコミは韓国マスコミと同様の、北朝鮮の抗い策のお先棒を担ぐ役割を担っていることも提示した。
その上で、4月27日に行われる予定の南北会談が、北朝鮮の朝鮮流遷延策の大きな仕掛けとして行われるものだと指摘した。
そして、その仕掛けは、多分、知っている人から見れば陳腐な焼き直しであろうと記した。
その際、「焼き直し」の類型として、以下の2点を一緒に示している。
1点目:南北朝鮮の茶番に関する以前の論考
2018/04/07投稿:
朝鮮流遷延策・「高麗連邦」とのリバイバル
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-901.html
2点目:文在寅が関わった、以前の南北の茶番
(10.4南北首脳宣言)
https://thekoreanpolitics.com/archives/216
今回は、「以前の茶番を知らない方」を対象に、会談直前の現状で、「南北会談で示されるであろうもの」への免疫を増すことを目的に、2007年10月に行われた2回目の南北会談の際に発表された「10.4南北首脳宣言」を主たる題材にして、そのインチキぶり、結局は朝鮮流遷延策でしかないことを紹介するものである。
明日開催される南北会談は、既に論じた様に、北の工作員である韓国・文在寅と金正恩の二人三脚での政治ショーである。
そういうモノなので、結局は北朝鮮の遷延策を補完・強化するものになろうが、どの様な事をやってくるのかを「当て物」として予想していても、それは詮無いことである。
しかしながら、「以前の茶番を知らない方」の情報戦への免疫力を高める為に、また、この間の南北の動きから蓋然性の高い予測が可能な状態になっていることから、論考するものである。
蓋然性が高い予測として、その要素・ファクターを先ず、以下に示す。
①:南北会談は、北の遷延策を補完・強化するものになるであろう。
②:内容としては、日米以外の国際社会が「経済制裁をゆるめてもいいかな」と思わせる「看板」となるであろう。
③:今年になってから韓国・北朝鮮が提示・実行してきた「策」からは、まったく新しい「策」を提示するとは思えないので、以前の策の焼き直しを提示するであろう。
この様な事が予測される。
この事については、4月7日に投稿した以前の論考「朝鮮流遷延策・「高麗連邦」とのリバイバル」他で既に述べていたファクターである。
これらファクターは、今も変わらない。この「高麗連邦」の論考以降、新たに生じた情報が4月20日の「核実験中止・核実験施設の破棄」=実態は核兵器保有継続宣言(*1)である。
この宣言の方向性自体は、今迄の朝鮮流遷延策そのものであるのだが、扱っているモノが「核実験中止」でり、「核実験施設の破棄」であること、また、出された日時が日米首脳会談の記者会見(*2)の翌日であるとのタイミングから、これは、南北会談との大きな仕掛けの為の仕掛けであることがわかる。
この新ファクターを加えての予測をすると、「過去の策の中」から、2007年10月に行われた2回目の南北会談の際に発表された「10.4南北首脳宣言」(*2)が浮かび上がってくるのである。
多分、多くの方が「10.4南北首脳宣言」など記憶に残っていないと思う。
それは、この南北会談が2回目であること、その内容が基本的には「1国・2政府・2制度」の「高麗連邦」なるインチキスローガンを基礎とした焼き直しであり、案の定の「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」だったからであろう。
尚、南北会談の1回目は、2000年6月の金大中・金正日によるものである。こんな茶番に騙され、この2人はノーベル平和賞を受賞した。笑止千万である。
2回目の南北会談は、2007年10月に盧武鉉・金正日により行われた。
その際に発表されたのが、「10.4南北首脳宣言」である。
この宣言には、当時、盧武鉉政権の秘書室長(大統領側近)であった現大統領・文在寅が深くかかわっていたとされており、その中にある「朝鮮戦争停戦体制の終息」、「朝鮮戦争終戦宣言推進(平和宣言・終戦宣言)」は文在寅によるものだとされている。
今回、その文在寅と金正恩による第3敬目の南北会談をするのだが、文在寅が、自身の手による以前の「平和宣言・終戦宣言」との「策」を持ち出さない事はないであろうと予測されるのである。
この様な事から、北朝鮮が準備している「大きな仕掛け」である南北会談では、多分、再度の平和宣言が出されることになろうと予測できるのである。
この「平和宣言・終戦宣言」の焼き直しをする際の「障害」となるのが、近年の度重なる北の核実験であることは誰にでも分かることだ。そこで、大きな仕掛けの為に「核実験中止」、「核実験施設の破棄」とのインチキ宣言を仕掛けてきたのだと解することも難しい事ではない。
さて、仮に、この様な予測が的確であった場合、南北会談では「平和宣言・終戦宣言」が出される。もしかしたら、エスカレートして、「南北統一・高麗連邦」との「看板」まで登場するかもしれない。
そうなると「以前の茶番を知らない方」は、この手の朝鮮流遷延策に対する免疫がないので、あたかも「停戦状態だった朝鮮戦争が平和裏に解決する」とか「朝鮮半島の危機が和らいだ」とかのデマに騙されてしまう可能性がある。
そうならない様に、既に10年前の2007年10月に出された「平和宣言・終戦宣言」が、いつものパターンである無価値で影響力がない「雰囲気スローガンでしかなかった」ことを知っていただきたい。
そうすれば、今回も同じ「単なる雰囲気スローガン」であり、やがては「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」になってしまうものだと理解いただけると思う。
2007年10月の盧武鉉・金正日の名前で出された「10.4南北首脳宣言」には8つの項目があるのだが、実質的には統一、終戦、経済協力、その他の4項目である。
訳文を読めば良いのだが、そこには過去の南北共同宣言がリファーされていたりと、訳文を読むだけでは経緯や内容が分からないものなどが幾つも含まれているので、意訳して、8つの項目を紹介する。
<2007年盧武鉉・金正日会談での「10.4南北首脳宣言」の8項目>
1.<祖国平和統一>
(2000年の金大中・金正日会談での宣言にある「祖国平和統一」(高麗連邦コンセプト)の基本堅持、具現化推進の再宣言項目)
2.<祖国統一・「1国・2制度・2政府」との高麗連邦コンセプト>
(「祖国平和統一」は高麗連邦コンセプトである旨の項目)
3.<「軍事的敵対関係の終息」との方向性の提示>
4.<停戦体制の終息・終戦宣言実現化との「平和宣言」>
(※訳文原文全部は引用)
【4.南と北は現在の停戦体制を終息させ、恒久的な平和体制を構築しなければならないという認識を共にし、直接関連する三者、もしくは四者の首脳が朝鮮半島地域で会い、終戦を宣言する問題を推進するために協力していくことにした】
○南と北は朝鮮半島の核問題の解決のために、六者会談「9.19共同声明」と「2.13合意」が順調に履行されるよう共同して努力していくことにした。
5.<経済協力>
(具体的地域などがズラズラと小項目に書かれている)
6.<その他・文化交流>
7.<その他・人道主義協力事業>
8.<その他・海外での「民族利益」・海外同胞支援
<要約終わり>
2007年10月のこれらの宣言の総てが、現在、何等の機能もしていないことはご存じの通りである。
1.2.の祖国統一は、相変わらずの「単なる雰囲気スローガン」でしかない。
高麗連邦コンセプトを繰り返しているだけである。
3.4.の停戦状態の終了・終戦宣言実現化も「単なる雰囲気スローガン」で終わっている。当たり前である。そもそも韓国は、朝鮮戦争の停戦協定の当事者ではない。
ファビョッた李承晩が署名しなかったのである。また、現在も、韓国の統帥権(指揮権)は在韓米軍が保持しており、韓国は終戦協定を自国のみで締結できる資格要件が満たしていない。要するに、韓国だけが北朝鮮と停戦状態終了宣言や終戦宣言をしても、それは図書館にある本を隣人に売却する様なもので、その資格が、そもそもないと言うものだ。
5.の経済協力には、具体的地域などがズラズラと小項目に書かれているのだが、そこに出てくる「西海平和協力特別地帯」などは、境界線の変更に該当し、韓国内部でさえ話がまとまらず、何等の現実的動きをせずにポシャっている。
2000年の金大中・金正日会談での経済の目玉だった開城工業団地は、2007年時点でも完成しておらず、その早期完工を宣言しているのだが、開城工業団地は、その後運用を開始したものの、2013年4月の約3ヶ月の閉鎖(韓国人従業員の立入禁止)を経て、2016年2月には、北朝鮮は開城工業団地地区を軍事統制地域に指定して韓国人の全員追放と資産凍結をして、結局はポシャっている。「やがて尻つぼみ」の実例である。
また、開城工業団地に関連して、韓国の汶山と北朝鮮の鳳東を定期運行するとした西海線・京義線貨物列車は2007年12月に運行を開始したのだが、1年も経たない2008年11月には運行中止となっている。1年間での貨物輸送実績がゼロとの話もあり、要するに実質的なものではなく、「単なる雰囲気スローガン」、「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」の典型例である。
後の案件も同様の「未実現案件」ばかりである。
また、6.~8.のその他3項目が実現した話など聞いたことはない。
これが「南北会談」の実際である。
出来もしないことを宣言した後、それが実現化することはない。
何等かの形で何かが「実現」しても、それが機能して、続いたことはない。
そういう現実があるので、「単なる雰囲気スローガン」、「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」であると指摘しているのである。
そうであるにも関わらず、我が国の反日偏向マスコミは、北朝鮮の仕掛けのお先棒を担ぎ、南北対談で提示されるインチキ宣言を、あたかも平和的動きとして、大きく報じるであろう。
実際、今朝(2018年4月26日)の毎日新聞朝刊には、【◆南北首脳会談 あす 朝鮮戦争終戦、意思確認へ 最終調整】との見出しの提灯記事が掲載されている。(*3)
忙しくて、見出ししか見ない方々をターゲットにした見出し詐欺の手法を用いている。
実際は、上記した通り、韓国と北朝鮮だけで「朝鮮戦争の終戦」など決められないのである。
さすがに記事本文の後半には、その旨が書いてあるが、この記事には、見出し及び記事本文に「朝鮮戦争終戦」「終戦宣言」等の語句が、以下の様に3回も登場しているのである。
1)見出し:◆南北首脳会談 あす 朝鮮戦争終戦、意思確認へ 最終調整
2)記 事:休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の終戦の意思を両首脳が確認する内容を盛り込む方向で最終調整を進めている。
3)記 事:終戦宣言についても、文大統領は安倍晋三首相との電話協議で「最低でも南北と米国の3者による合意が必要だ」と述べており、今回の会談は6月初旬までの開催が予定される米朝首脳会談に向けた環境整備としての性格が強い。
しかし、本論考で紹介した様に、そんなものは実現してこなかったのである。
実現し得ないスローガンを「今度は実現する」と考えているのだったら、2007年の宣言時と現状の何がその様に変わったのかを具体的に示し、「今度は実現する」を論証する必要がある。それが出来ないのなら、現実的結論としては「今度も出来ない」であり、今度も、何時もの通りの「単なる雰囲気スローガン」、「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」と見る方が的確なのである。
こんな茶番に騙されてはいけない。
マスコミの絶賛記事に騙されてはいけない。
日米G7国連との国際社会が求めているのは「完全で検証可能かつ不可逆的な方法による生物・化学兵器も含む大量破壊兵器と全ての射程のミサイル廃棄」の実現である。
長くなったので、今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):「核実験中止・核実験施設の破棄」=実態は核兵器保有継続宣言
2018/04/24投稿:
核実験中止との朝鮮流遷延策には乗らないのである
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-914.html
(*2):文在寅が関わった南北の茶番
(10.4南北首脳宣言)
https://thekoreanpolitics.com/archives/216
表題:◆南北関係の発展と平和繁栄のための宣言(10.4南北首脳宣言)
○大韓民国・盧武鉉大統領と朝鮮民主主義人民共和国・金正日国防委員長の間での合意により、盧武鉉大統領が2007年10月2日から4日まで平壌を訪問した。
○訪問期間中、歴史的な出会いと会談があった。
○出会いと会談では6.15共同宣言の精神を再確認し、南北関係の発展と朝鮮半島の平和、民族共同の繁栄と統一を実現するための諸般の問題について虚心坦懐に協議した。
○双方はわが民族同士、意志と力を合わせれば民族繁栄の時代、自主統一の新時代を拓いていけるという確信を表明しながら、6.15共同宣言に基礎し、南北関係を拡大・発展させていくために次のように宣言する。
【1.南と北は6.15共同宣言を固守し、積極的に具現していく】
○南と北はわが民族同士の精神に従い、統一問題を自主的に解決していき、民族の尊厳と利益を重視し、すべてのものをこれに合わせ指向していくことにした。
○南と北は6.15共同宣言を変わりなく履行していく意志を反映し、6月15日を記念する方案を講じることにした。
【2.南と北は思想と制度の差を超越し、南北関係を相互尊重と信頼関係として確固と転換していくことにした】
○南と北は内部問題に干渉せず、南北関係の問題を和解と協力、統一に符合するよう、解決していくことにした。
○南と北は南北関係を統一指向的に発展させていくために、各自、法律的・制度的装置を整備していくことにした。
○南と北は南北関係の拡大と発展のための問題を民族の念願に合わせ解決するために、双方の議会など、各分野の対話と接触を積極的に推進していくことにした。
【3.南と北は軍事的な敵対関係を終息させ、朝鮮半島で緊張緩和と平和を保障するため緊密に協力することにした】
○南と北は互いに敵対視せず、軍事的緊張を緩和し、紛争問題を対話と交渉を通じ解決することにした。
○南と北は朝鮮半島でのいかなる戦争も反対し、不可侵義務を確固と遵守することにした。
○南と北は西海での偶発的な衝突防止のため、共同漁労地域を指定し、この水域を平和水域にするための方案と各種協力事業に対する軍事的な保障措置の問題など、軍事的な信頼構築措置を協議するために、南側の国防部長官と北側の人民武力部部長との間の会談を今年11月中に平壌で開催することにした。
【4.南と北は現在の停戦体制を終息させ、恒久的な平和体制を構築しなければならないという認識を共にし、直接関連する三者、もしくは四者の首脳が朝鮮半島地域で会い、終戦を宣言する問題を推進するために協力していくことにした】
○南と北は朝鮮半島の核問題の解決のために、六者会談「9.19共同声明」と「2.13合意」が順調に履行されるよう共同して努力していくことにした。
【5.南と北は民族経済の均衡的発展と共同の繁栄のため、経済協力事業を共利共栄と有無相通の原則の下、積極的に活性化させ持続的に拡大、発展させていくことにした】
○南と北は経済協力のための投資を奨励し、基盤施設の拡充と資源開発を積極的に推進し、民族内部協力事業の特殊性に合わせ、各種の優待条件と特恵を優先的に付与することにした。
○南と北は海州地域と周辺海域を包括する「西海平和協力特別地帯」を設置し、共同漁労区域と平和水域設定、経済特区建設と海州(ヘジュ)港の活用、民間船舶の海州直航路通過、漢江河口の共同利用などを積極的に推進していくことにした。
○南と北は開城工団地区一段階の建設を早い時期に完工し、二段階の開発に着手し、汶山(ムンサン)-鳳東(ポンドン)間の鉄道貨物輸送を開始し、通行・通信・通関問題をはじめとする諸般の制度的保障措置を早急に完備していくことにした。
○南と北は開城(ケソン)-新義州(シニジュ)鉄道と、開城-平壌高速道路を共同で利用するために改補修問題を協議・推進していくことにした。
○南と北は安辺(アンビョン)と南浦(ナムポ)に造船協力団地を建設し、農業、保健医療、環境保護など様々な分野での協力事業を進めていくことにした。
○南と北は南北経済協力事業の円滑な推進のために、現在の「南北経済協力推進委員会」を、副総理級の「南北経済協力共同委員会」に格上げすることにした。
【6.南と北は民族の悠久の歴史と優秀な文化を輝かせるために、歴史、言語、教育、科学技術、文化芸術、体育など社会文化分野の交流と協力を発展させていくことにした】
○南と北は白頭山観光を実施し、このために白頭山-ソウル直航路を開設することにした。
○南と北は2008年北京オリンピック競技大会に南北応援団が京義線列車を初めて利用し参加することにした。
【7.南と北は人道主義協力事業を積極的に推進していくことにした】
○南と北は離れ離れになった家族と親戚たちの再開を拡大し、ビデオレター交換事業を推進することにした。
○このために金剛山面会所が完工し次第、双方の代表を常駐させ、離れ離れになった家族と親戚の再開を常時行うことにした。
○南と北は自然災害をはじめ、災難が発生する場合、同胞愛と人道主義、相扶相助の原則にしたがい積極的に協力していくことにした。
【8.南と北は国際舞台で民族の利益と海外同胞たちの権利と利益のための協力を強化していくことにした】
○南と北はこの宣言の履行のために南北総理会談を開催することにし、第一次会議を今年11月中にソウルで持つことにした。
○南と北は南北関係の発展のために、首脳たちが随時会って、懸案と問題を協議することにした。
2007年10月4日 平壌
●大韓民国 大統領 盧武鉉
●朝鮮民主主義人民共和国 国防委員長 金正日
<引用終わり>
(*3):北朝鮮の遷延策のお先棒を担ぐ
毎日新聞 東京朝刊 2018年4月26日
見出し:◆南北首脳会談 あす 朝鮮戦争終戦、意思確認へ 最終調整
https://mainichi.jp/articles/20180426/ddm/001/030/124000c
記事本文:○【ソウル米村耕一】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による27日の首脳会談に向け、南北当局は首脳会談でまとめる共同宣言に、休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の終戦の意思を両首脳が確認する内容を盛り込む方向で最終調整を進めている。焦点となっている非核化については取り扱いが決まっておらず、首脳会談での直談判になる見通し。
○また、韓国側は、南北首脳会談の定例化や、偶発的な衝突防止のため南北連絡事務所の設置も提案する。北朝鮮側と合意できた場合、設置場所としては南北軍事境界線付近、板門店(パンムンジョム)の韓国側が最有力という。
○共同宣言については、これまでの閣僚級会談などで内容に関する議論が一定程度進められているが、非核化に関連する文言については調整が進んでおらず、最終的に両首脳間の協議で詰められるとみられる。
○韓国側は北朝鮮に非核化を促す一方で、北朝鮮が望む体制保証につながる終戦宣言や平和体制の構築についても提案する。ただ、北朝鮮側は核問題を米国との交渉議題と位置づけているため、韓国側との協議で踏み込んだ回答は期待できない。また、終戦宣言についても、文大統領は安倍晋三首相との電話協議で「最低でも南北と米国の3者による合意が必要だ」と述べており、今回の会談は6月初旬までの開催が予定される米朝首脳会談に向けた環境整備としての性格が強い。
○韓国の青瓦台(大統領府)は25日、南北首脳会談後すぐに文大統領はトランプ米大統領と電話で協議すると発表した。両大統領による早期の首脳会談も調整中だという。
<引用終わり>
【ご参考】
2018/04/07投稿:
朝鮮流遷延策・「高麗連邦」とのリバイバル
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-901.html
2018/04/24投稿:
核実験中止との朝鮮流遷延策には乗らないのである
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-914.html
2018/04/11投稿:
入口を出口にすり換えたい・朝鮮流遷延策
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-904.html
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副題:明日の南北会談は、文在寅が盧武鉉政権の秘書室長だった時に行われた2007年10月の2回目の南北会談の際に発表された「10.4南北首脳宣言」の焼き直し宣言をするんでしょ。その「10.4南北首脳宣言」の宣言項目は、現在、未実現または中止されているので、今度も同じで、結局は何も実現しないんでしょ。
前回からの続きである。
前回は、北朝鮮の核・弾道ミサイル問題の解決に向けた「大きく捉えた図式」を提示した。
日米G7国連が一致して求めている「完全で検証可能かつ不可逆的な方法による生物・化学兵器も含む大量破壊兵器と全ての射程のミサイル廃棄」を実現する為の本線である「対話と圧力のロードマップ」と、それに朝鮮流遷延策で抗う北朝鮮という図式である。
その図式の中で韓国は、自由主義国家であるはずなのに、日米G7国連側ではなく、むしろ北朝鮮の抗いを支援・補完する側にいる旨を提示した。
そして同時に、我が国偏向マスコミは韓国マスコミと同様の、北朝鮮の抗い策のお先棒を担ぐ役割を担っていることも提示した。
その上で、4月27日に行われる予定の南北会談が、北朝鮮の朝鮮流遷延策の大きな仕掛けとして行われるものだと指摘した。
そして、その仕掛けは、多分、知っている人から見れば陳腐な焼き直しであろうと記した。
その際、「焼き直し」の類型として、以下の2点を一緒に示している。
1点目:南北朝鮮の茶番に関する以前の論考
2018/04/07投稿:
朝鮮流遷延策・「高麗連邦」とのリバイバル
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-901.html
2点目:文在寅が関わった、以前の南北の茶番
(10.4南北首脳宣言)
https://thekoreanpolitics.com/archives/216
今回は、「以前の茶番を知らない方」を対象に、会談直前の現状で、「南北会談で示されるであろうもの」への免疫を増すことを目的に、2007年10月に行われた2回目の南北会談の際に発表された「10.4南北首脳宣言」を主たる題材にして、そのインチキぶり、結局は朝鮮流遷延策でしかないことを紹介するものである。
明日開催される南北会談は、既に論じた様に、北の工作員である韓国・文在寅と金正恩の二人三脚での政治ショーである。
そういうモノなので、結局は北朝鮮の遷延策を補完・強化するものになろうが、どの様な事をやってくるのかを「当て物」として予想していても、それは詮無いことである。
しかしながら、「以前の茶番を知らない方」の情報戦への免疫力を高める為に、また、この間の南北の動きから蓋然性の高い予測が可能な状態になっていることから、論考するものである。
蓋然性が高い予測として、その要素・ファクターを先ず、以下に示す。
①:南北会談は、北の遷延策を補完・強化するものになるであろう。
②:内容としては、日米以外の国際社会が「経済制裁をゆるめてもいいかな」と思わせる「看板」となるであろう。
③:今年になってから韓国・北朝鮮が提示・実行してきた「策」からは、まったく新しい「策」を提示するとは思えないので、以前の策の焼き直しを提示するであろう。
この様な事が予測される。
この事については、4月7日に投稿した以前の論考「朝鮮流遷延策・「高麗連邦」とのリバイバル」他で既に述べていたファクターである。
これらファクターは、今も変わらない。この「高麗連邦」の論考以降、新たに生じた情報が4月20日の「核実験中止・核実験施設の破棄」=実態は核兵器保有継続宣言(*1)である。
この宣言の方向性自体は、今迄の朝鮮流遷延策そのものであるのだが、扱っているモノが「核実験中止」でり、「核実験施設の破棄」であること、また、出された日時が日米首脳会談の記者会見(*2)の翌日であるとのタイミングから、これは、南北会談との大きな仕掛けの為の仕掛けであることがわかる。
この新ファクターを加えての予測をすると、「過去の策の中」から、2007年10月に行われた2回目の南北会談の際に発表された「10.4南北首脳宣言」(*2)が浮かび上がってくるのである。
多分、多くの方が「10.4南北首脳宣言」など記憶に残っていないと思う。
それは、この南北会談が2回目であること、その内容が基本的には「1国・2政府・2制度」の「高麗連邦」なるインチキスローガンを基礎とした焼き直しであり、案の定の「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」だったからであろう。
尚、南北会談の1回目は、2000年6月の金大中・金正日によるものである。こんな茶番に騙され、この2人はノーベル平和賞を受賞した。笑止千万である。
2回目の南北会談は、2007年10月に盧武鉉・金正日により行われた。
その際に発表されたのが、「10.4南北首脳宣言」である。
この宣言には、当時、盧武鉉政権の秘書室長(大統領側近)であった現大統領・文在寅が深くかかわっていたとされており、その中にある「朝鮮戦争停戦体制の終息」、「朝鮮戦争終戦宣言推進(平和宣言・終戦宣言)」は文在寅によるものだとされている。
今回、その文在寅と金正恩による第3敬目の南北会談をするのだが、文在寅が、自身の手による以前の「平和宣言・終戦宣言」との「策」を持ち出さない事はないであろうと予測されるのである。
この様な事から、北朝鮮が準備している「大きな仕掛け」である南北会談では、多分、再度の平和宣言が出されることになろうと予測できるのである。
この「平和宣言・終戦宣言」の焼き直しをする際の「障害」となるのが、近年の度重なる北の核実験であることは誰にでも分かることだ。そこで、大きな仕掛けの為に「核実験中止」、「核実験施設の破棄」とのインチキ宣言を仕掛けてきたのだと解することも難しい事ではない。
さて、仮に、この様な予測が的確であった場合、南北会談では「平和宣言・終戦宣言」が出される。もしかしたら、エスカレートして、「南北統一・高麗連邦」との「看板」まで登場するかもしれない。
そうなると「以前の茶番を知らない方」は、この手の朝鮮流遷延策に対する免疫がないので、あたかも「停戦状態だった朝鮮戦争が平和裏に解決する」とか「朝鮮半島の危機が和らいだ」とかのデマに騙されてしまう可能性がある。
そうならない様に、既に10年前の2007年10月に出された「平和宣言・終戦宣言」が、いつものパターンである無価値で影響力がない「雰囲気スローガンでしかなかった」ことを知っていただきたい。
そうすれば、今回も同じ「単なる雰囲気スローガン」であり、やがては「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」になってしまうものだと理解いただけると思う。
2007年10月の盧武鉉・金正日の名前で出された「10.4南北首脳宣言」には8つの項目があるのだが、実質的には統一、終戦、経済協力、その他の4項目である。
訳文を読めば良いのだが、そこには過去の南北共同宣言がリファーされていたりと、訳文を読むだけでは経緯や内容が分からないものなどが幾つも含まれているので、意訳して、8つの項目を紹介する。
<2007年盧武鉉・金正日会談での「10.4南北首脳宣言」の8項目>
1.<祖国平和統一>
(2000年の金大中・金正日会談での宣言にある「祖国平和統一」(高麗連邦コンセプト)の基本堅持、具現化推進の再宣言項目)
2.<祖国統一・「1国・2制度・2政府」との高麗連邦コンセプト>
(「祖国平和統一」は高麗連邦コンセプトである旨の項目)
3.<「軍事的敵対関係の終息」との方向性の提示>
4.<停戦体制の終息・終戦宣言実現化との「平和宣言」>
(※訳文原文全部は引用)
【4.南と北は現在の停戦体制を終息させ、恒久的な平和体制を構築しなければならないという認識を共にし、直接関連する三者、もしくは四者の首脳が朝鮮半島地域で会い、終戦を宣言する問題を推進するために協力していくことにした】
○南と北は朝鮮半島の核問題の解決のために、六者会談「9.19共同声明」と「2.13合意」が順調に履行されるよう共同して努力していくことにした。
5.<経済協力>
(具体的地域などがズラズラと小項目に書かれている)
6.<その他・文化交流>
7.<その他・人道主義協力事業>
8.<その他・海外での「民族利益」・海外同胞支援
<要約終わり>
2007年10月のこれらの宣言の総てが、現在、何等の機能もしていないことはご存じの通りである。
1.2.の祖国統一は、相変わらずの「単なる雰囲気スローガン」でしかない。
高麗連邦コンセプトを繰り返しているだけである。
3.4.の停戦状態の終了・終戦宣言実現化も「単なる雰囲気スローガン」で終わっている。当たり前である。そもそも韓国は、朝鮮戦争の停戦協定の当事者ではない。
ファビョッた李承晩が署名しなかったのである。また、現在も、韓国の統帥権(指揮権)は在韓米軍が保持しており、韓国は終戦協定を自国のみで締結できる資格要件が満たしていない。要するに、韓国だけが北朝鮮と停戦状態終了宣言や終戦宣言をしても、それは図書館にある本を隣人に売却する様なもので、その資格が、そもそもないと言うものだ。
5.の経済協力には、具体的地域などがズラズラと小項目に書かれているのだが、そこに出てくる「西海平和協力特別地帯」などは、境界線の変更に該当し、韓国内部でさえ話がまとまらず、何等の現実的動きをせずにポシャっている。
2000年の金大中・金正日会談での経済の目玉だった開城工業団地は、2007年時点でも完成しておらず、その早期完工を宣言しているのだが、開城工業団地は、その後運用を開始したものの、2013年4月の約3ヶ月の閉鎖(韓国人従業員の立入禁止)を経て、2016年2月には、北朝鮮は開城工業団地地区を軍事統制地域に指定して韓国人の全員追放と資産凍結をして、結局はポシャっている。「やがて尻つぼみ」の実例である。
また、開城工業団地に関連して、韓国の汶山と北朝鮮の鳳東を定期運行するとした西海線・京義線貨物列車は2007年12月に運行を開始したのだが、1年も経たない2008年11月には運行中止となっている。1年間での貨物輸送実績がゼロとの話もあり、要するに実質的なものではなく、「単なる雰囲気スローガン」、「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」の典型例である。
後の案件も同様の「未実現案件」ばかりである。
また、6.~8.のその他3項目が実現した話など聞いたことはない。
これが「南北会談」の実際である。
出来もしないことを宣言した後、それが実現化することはない。
何等かの形で何かが「実現」しても、それが機能して、続いたことはない。
そういう現実があるので、「単なる雰囲気スローガン」、「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」であると指摘しているのである。
そうであるにも関わらず、我が国の反日偏向マスコミは、北朝鮮の仕掛けのお先棒を担ぎ、南北対談で提示されるインチキ宣言を、あたかも平和的動きとして、大きく報じるであろう。
実際、今朝(2018年4月26日)の毎日新聞朝刊には、【◆南北首脳会談 あす 朝鮮戦争終戦、意思確認へ 最終調整】との見出しの提灯記事が掲載されている。(*3)
忙しくて、見出ししか見ない方々をターゲットにした見出し詐欺の手法を用いている。
実際は、上記した通り、韓国と北朝鮮だけで「朝鮮戦争の終戦」など決められないのである。
さすがに記事本文の後半には、その旨が書いてあるが、この記事には、見出し及び記事本文に「朝鮮戦争終戦」「終戦宣言」等の語句が、以下の様に3回も登場しているのである。
1)見出し:◆南北首脳会談 あす 朝鮮戦争終戦、意思確認へ 最終調整
2)記 事:休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の終戦の意思を両首脳が確認する内容を盛り込む方向で最終調整を進めている。
3)記 事:終戦宣言についても、文大統領は安倍晋三首相との電話協議で「最低でも南北と米国の3者による合意が必要だ」と述べており、今回の会談は6月初旬までの開催が予定される米朝首脳会談に向けた環境整備としての性格が強い。
しかし、本論考で紹介した様に、そんなものは実現してこなかったのである。
実現し得ないスローガンを「今度は実現する」と考えているのだったら、2007年の宣言時と現状の何がその様に変わったのかを具体的に示し、「今度は実現する」を論証する必要がある。それが出来ないのなら、現実的結論としては「今度も出来ない」であり、今度も、何時もの通りの「単なる雰囲気スローガン」、「単発アピール・やったら御仕舞・やがて尻つぼみ」と見る方が的確なのである。
こんな茶番に騙されてはいけない。
マスコミの絶賛記事に騙されてはいけない。
日米G7国連との国際社会が求めているのは「完全で検証可能かつ不可逆的な方法による生物・化学兵器も含む大量破壊兵器と全ての射程のミサイル廃棄」の実現である。
長くなったので、今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):「核実験中止・核実験施設の破棄」=実態は核兵器保有継続宣言
2018/04/24投稿:
核実験中止との朝鮮流遷延策には乗らないのである
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-914.html
(*2):文在寅が関わった南北の茶番
(10.4南北首脳宣言)
https://thekoreanpolitics.com/archives/216
表題:◆南北関係の発展と平和繁栄のための宣言(10.4南北首脳宣言)
○大韓民国・盧武鉉大統領と朝鮮民主主義人民共和国・金正日国防委員長の間での合意により、盧武鉉大統領が2007年10月2日から4日まで平壌を訪問した。
○訪問期間中、歴史的な出会いと会談があった。
○出会いと会談では6.15共同宣言の精神を再確認し、南北関係の発展と朝鮮半島の平和、民族共同の繁栄と統一を実現するための諸般の問題について虚心坦懐に協議した。
○双方はわが民族同士、意志と力を合わせれば民族繁栄の時代、自主統一の新時代を拓いていけるという確信を表明しながら、6.15共同宣言に基礎し、南北関係を拡大・発展させていくために次のように宣言する。
【1.南と北は6.15共同宣言を固守し、積極的に具現していく】
○南と北はわが民族同士の精神に従い、統一問題を自主的に解決していき、民族の尊厳と利益を重視し、すべてのものをこれに合わせ指向していくことにした。
○南と北は6.15共同宣言を変わりなく履行していく意志を反映し、6月15日を記念する方案を講じることにした。
【2.南と北は思想と制度の差を超越し、南北関係を相互尊重と信頼関係として確固と転換していくことにした】
○南と北は内部問題に干渉せず、南北関係の問題を和解と協力、統一に符合するよう、解決していくことにした。
○南と北は南北関係を統一指向的に発展させていくために、各自、法律的・制度的装置を整備していくことにした。
○南と北は南北関係の拡大と発展のための問題を民族の念願に合わせ解決するために、双方の議会など、各分野の対話と接触を積極的に推進していくことにした。
【3.南と北は軍事的な敵対関係を終息させ、朝鮮半島で緊張緩和と平和を保障するため緊密に協力することにした】
○南と北は互いに敵対視せず、軍事的緊張を緩和し、紛争問題を対話と交渉を通じ解決することにした。
○南と北は朝鮮半島でのいかなる戦争も反対し、不可侵義務を確固と遵守することにした。
○南と北は西海での偶発的な衝突防止のため、共同漁労地域を指定し、この水域を平和水域にするための方案と各種協力事業に対する軍事的な保障措置の問題など、軍事的な信頼構築措置を協議するために、南側の国防部長官と北側の人民武力部部長との間の会談を今年11月中に平壌で開催することにした。
【4.南と北は現在の停戦体制を終息させ、恒久的な平和体制を構築しなければならないという認識を共にし、直接関連する三者、もしくは四者の首脳が朝鮮半島地域で会い、終戦を宣言する問題を推進するために協力していくことにした】
○南と北は朝鮮半島の核問題の解決のために、六者会談「9.19共同声明」と「2.13合意」が順調に履行されるよう共同して努力していくことにした。
【5.南と北は民族経済の均衡的発展と共同の繁栄のため、経済協力事業を共利共栄と有無相通の原則の下、積極的に活性化させ持続的に拡大、発展させていくことにした】
○南と北は経済協力のための投資を奨励し、基盤施設の拡充と資源開発を積極的に推進し、民族内部協力事業の特殊性に合わせ、各種の優待条件と特恵を優先的に付与することにした。
○南と北は海州地域と周辺海域を包括する「西海平和協力特別地帯」を設置し、共同漁労区域と平和水域設定、経済特区建設と海州(ヘジュ)港の活用、民間船舶の海州直航路通過、漢江河口の共同利用などを積極的に推進していくことにした。
○南と北は開城工団地区一段階の建設を早い時期に完工し、二段階の開発に着手し、汶山(ムンサン)-鳳東(ポンドン)間の鉄道貨物輸送を開始し、通行・通信・通関問題をはじめとする諸般の制度的保障措置を早急に完備していくことにした。
○南と北は開城(ケソン)-新義州(シニジュ)鉄道と、開城-平壌高速道路を共同で利用するために改補修問題を協議・推進していくことにした。
○南と北は安辺(アンビョン)と南浦(ナムポ)に造船協力団地を建設し、農業、保健医療、環境保護など様々な分野での協力事業を進めていくことにした。
○南と北は南北経済協力事業の円滑な推進のために、現在の「南北経済協力推進委員会」を、副総理級の「南北経済協力共同委員会」に格上げすることにした。
【6.南と北は民族の悠久の歴史と優秀な文化を輝かせるために、歴史、言語、教育、科学技術、文化芸術、体育など社会文化分野の交流と協力を発展させていくことにした】
○南と北は白頭山観光を実施し、このために白頭山-ソウル直航路を開設することにした。
○南と北は2008年北京オリンピック競技大会に南北応援団が京義線列車を初めて利用し参加することにした。
【7.南と北は人道主義協力事業を積極的に推進していくことにした】
○南と北は離れ離れになった家族と親戚たちの再開を拡大し、ビデオレター交換事業を推進することにした。
○このために金剛山面会所が完工し次第、双方の代表を常駐させ、離れ離れになった家族と親戚の再開を常時行うことにした。
○南と北は自然災害をはじめ、災難が発生する場合、同胞愛と人道主義、相扶相助の原則にしたがい積極的に協力していくことにした。
【8.南と北は国際舞台で民族の利益と海外同胞たちの権利と利益のための協力を強化していくことにした】
○南と北はこの宣言の履行のために南北総理会談を開催することにし、第一次会議を今年11月中にソウルで持つことにした。
○南と北は南北関係の発展のために、首脳たちが随時会って、懸案と問題を協議することにした。
2007年10月4日 平壌
●大韓民国 大統領 盧武鉉
●朝鮮民主主義人民共和国 国防委員長 金正日
<引用終わり>
(*3):北朝鮮の遷延策のお先棒を担ぐ
毎日新聞 東京朝刊 2018年4月26日
見出し:◆南北首脳会談 あす 朝鮮戦争終戦、意思確認へ 最終調整
https://mainichi.jp/articles/20180426/ddm/001/030/124000c
記事本文:○【ソウル米村耕一】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による27日の首脳会談に向け、南北当局は首脳会談でまとめる共同宣言に、休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の終戦の意思を両首脳が確認する内容を盛り込む方向で最終調整を進めている。焦点となっている非核化については取り扱いが決まっておらず、首脳会談での直談判になる見通し。
○また、韓国側は、南北首脳会談の定例化や、偶発的な衝突防止のため南北連絡事務所の設置も提案する。北朝鮮側と合意できた場合、設置場所としては南北軍事境界線付近、板門店(パンムンジョム)の韓国側が最有力という。
○共同宣言については、これまでの閣僚級会談などで内容に関する議論が一定程度進められているが、非核化に関連する文言については調整が進んでおらず、最終的に両首脳間の協議で詰められるとみられる。
○韓国側は北朝鮮に非核化を促す一方で、北朝鮮が望む体制保証につながる終戦宣言や平和体制の構築についても提案する。ただ、北朝鮮側は核問題を米国との交渉議題と位置づけているため、韓国側との協議で踏み込んだ回答は期待できない。また、終戦宣言についても、文大統領は安倍晋三首相との電話協議で「最低でも南北と米国の3者による合意が必要だ」と述べており、今回の会談は6月初旬までの開催が予定される米朝首脳会談に向けた環境整備としての性格が強い。
○韓国の青瓦台(大統領府)は25日、南北首脳会談後すぐに文大統領はトランプ米大統領と電話で協議すると発表した。両大統領による早期の首脳会談も調整中だという。
<引用終わり>
【ご参考】
2018/04/07投稿:
朝鮮流遷延策・「高麗連邦」とのリバイバル
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-901.html
2018/04/24投稿:
核実験中止との朝鮮流遷延策には乗らないのである
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-914.html
2018/04/11投稿:
入口を出口にすり換えたい・朝鮮流遷延策
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-904.html
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