続・動かぬゴールポストに苛つく韓国・肝心な事を報道しない我が国マスコミ
- 2018/01/13
- 18:52
続・動かぬゴールポストに苛つく韓国・肝心な事を報道しない我が国マスコミ

副題:問題解決の当事者でいたくない韓国が悪足掻きしている。当事者責任から逃れたくて、あたかもゴールポストが動いたかの様な虚偽を演出しているのが文在寅。それを広めているのが我が国偏向マスコミ。
前回からの続きである。前回は、日韓慰安婦合意内容のおさらいをしながらの論考であった。今回は、色々「報道」されている文在寅政権の悪い足掻きを伝える日韓両国の記事を題材にする。
知っての通り、韓国紙も我が国偏向マスコミも「韓国側の言い分」、「韓国の特殊な感覚」をベースに「報道」しているので、「両国の報道を見ている」つもりが、実際は「単一・同一の価値観での記事」を見ているに過ぎない。
そういう「発想の誤謬」に陥らない様にすることを目的に、色々な「報道」を題材にして論考する。
題材は、2018年1月9日の韓国・康京和外相の会見を「報道」している日韓両国の記事である。
日韓慰安婦合意に関しての韓国・康京和外相の会見を、韓国紙中央日報の日本語HP「報道」は短く、以下だけであった。(*1)
<韓国・中央日報記事引用>
見出し:◆韓国外交部長官「日本に慰安婦再協議を要求しない」
記事本文:○ 韓国の康京和(外交カン・ギョンファ)外交部長官が9日、韓日慰安婦合意に対して「2015年に日本との間で行われた慰安婦合意は韓日間の公式合意だったという事実を否定することはできない。日本政府に再協議を要求しない」と述べた。
<引用終わり>
中央日報の記事で言われていることは、たった2点だけである。
その2点とは、「慰安婦合意は韓日間の公式合意」「日本政府に再協議を要求しない」である。ざっくりと言えば「公式の再協議申し入れは出来ないことが分かりました」である。
文在寅は、選挙戦の最中から「日韓慰安婦合意は無効」などと韓国社会に流通する歴史事実は異なるものの、韓国人の間では共有されている「情緒的正義」で韓国の有権者達を煽り、ポピュリズム(*2)にて大統領に当選し、現在も、それを「高い支持率」の基盤にしている。
それ故に、韓国・中央日報の記事は、「日本政府に再協議を要求しない」との部分を第一の注目点として報道しているものである。
中央日報日本語版が、それ以外の部分をバッサリ報道していない理由は不明であるが、よっぽど「日本政府に再協議を要求しない」との外交敗北宣言が衝撃的だったのであろう。
一方、我が国偏向マスコミの「会見」を伝える記事は、かなり長い。
題材の1つにしたNHK NEWS WEB記事(*3)は、普段のNHK記事に比べても、かなりの長さになっており、その見出しは◆「慰安婦問題の合意 韓国が新方針を発表」である。
前回の論考及び以前の論考でも指摘したが、文在寅がやっていることは、何かしらの引っ掛かりを期待して、我が国に向けて「撒き餌」を撒いているものである。
その「撒き餌」を拡散して、文在寅をバックアップしているのが、我が国偏向マスコミのこれら印象操作記事である。それを実際の記事で確認する。
NHK NEWS WEB記事の見出しには「新方針」との語句がある事に注目いただきたい。
これは「見出し詐欺」の一種である。あたかも韓国の外相が、韓国の外交方針を変えたが如き誤解を誘導する表現となっている。
韓国紙が第一の注目点として報道した康京和韓国外相発言「日本政府に再協議を要求しない」=正式の外交ルートでの再協議要求はしないとの肝心な事の明示はNHK NEWS WEB記事にはない。
韓国・中央日報記事にある様に、韓国外相・康京和は「正式の外交ルートでの再協議要求は出来ないことがわかりました」と述べているのであるが、その肝心な部分をNHK NEWS WEBはニューストップにしていないのである。
文在寅が選挙中から煽った日韓慰安婦合意に対して、彼は政権獲得後に「検証TF」まで作って「検証」したのだが、その結果が先の会見であり、「2015年に日本との間で行われた慰安婦合意は韓日間の公式合意だったという事実を否定することはできない」との結論でしかなく、文在寅政権は、完全敗北宣言するしか道はなくなり、「日本政府に再協議を要求しない」と諦めざるを得ない状態となったのである。
つまり、NHK NEWS WEBが「報道」している「新方針」とは、韓国が韓国国内だけで通用する悪足掻きパフォーマンスのやり方・方向性の事でしかないのである。
そういう事を理解せずに、NHK NEWS WEBの「報道」が意図している「誤解誘導」に乗ってしまい、韓国人側の言い分を前提に「我が国として何等かの対応が必要だ」などと誤解を発展させてしまう発想は、自分から、まんまと韓国側の罠にはまりに行く様なものなのである。
今の状況は、正式な外交ルートとの王道から外れて動いたら日本の負け、正式外交ルートでの世界標準での王道を日本が進めば韓国の負け、という構造なのである。
そうであるから、我が国の汚鮮された偏向マスコミは、誤解を誘導する様な偏向をしていると思われる。
NHK NEWS WEB記事の中には、他にも典型的な騙しのテクニックを使用している部分があるので、ちょっと横道にそれるが、その部分も紹介したい。
<NHK NEWS WEB記事から抜粋引用>
小見出し:◆外相「国と国の約束は政権代わっても実施されるべき」
○河野外務大臣は、韓国が慰安婦問題をめぐる日韓合意に関する新たな方針を発表したことについて、「日韓合意は国と国との約束であり、たとえ政権が代わったからといって責任をもって実施されなければならないというのが、国際的かつ普遍的な原則だ。合意の着実な履行は、国際社会に対する両国の責務だと認識している」と述べました。
○そのうえで、河野大臣は「日韓合意で、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したにもかかわらず、韓国側が、日本側に対し、さらなる措置を求めることは全く受け入れることはできない」と述べ、韓国側に直ちに抗議する意向を明らかにしました。
<抜粋引用終わり>
何処が「騙しのテクニック」なのかと言うと、河野外相の発言部分以外にある。
NHK NEWS WEB記事は、最低限の原則として河野外相の発言部分は括弧内の表示としている。
そういう事なので、括弧内表示と、括弧なし表示を分けて、以下の様に並べると、記事がどんな印象操作をしたがっているのかが分かる。
<河野外相発言部分>
・「日韓合意は国と国との約束であり、たとえ政権が代わったからといって責任をもって実施されなければならないというのが、国際的かつ普遍的な原則だ。合意の着実な履行は、国際社会に対する両国の責務だと認識している」
・「日韓合意で、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したにもかかわらず、韓国側が、日本側に対し、さらなる措置を求めることは全く受け入れることはできない」
↓
河野外相の発言は、従前からの我が国の姿勢の表明であり、国際常識・国際慣例に基づく外交の原則を述べているものである。
<NHK NEWS WEB記者が書き加えている部分>
・河野外務大臣は、韓国が慰安婦問題をめぐる日韓合意に関する新たな方針を発表したことについて・・・
・...と述べ、韓国側に直ちに抗議する意向を明らかにしました。
<抜粋引用終わり>
↓
NHK NEWS WEBの記者が書き加えた部分の前半部は、あたかも韓国の外相が、外交方針を変えたが如き誤解を誘導する表現となっていることがわかるであろう。
韓国・康京和外相の会見内容を河野外相が「日韓合意に関する新たな方針」だと定義して理解しているとの証拠は一切ない。むしろ、そんな誤解を河野外相がしているとは思えない、と考える方が、蓋然性が高いのに、あたかも我が国外相が、この様な理解をしえいるが如きの誤解誘導する書き方である。
また、後半部分は、あたかも河野外相が、あの会見に対して、「抗議する」との「反応を示したかの様な書き方」になっているが、それに騙されてはいけない。
韓国・康京和外相の会見の実態は「敗北宣言」である。
国際常識・国際慣例に基づく正規の外交では手も足も出ないと白状しているのである。
それでは韓国国内が済まないので、色々と言っているだけで、それは韓国内部の話なのである。
英語で言えば、It’s your job.であり、日本には、それを忖度したり、手助けをする必要など何もないのである。
それを誤解して、わざわざ韓国側の土俵に乗りに行くのは、安倍政権以前のグダグダ対韓外交に戻るだけなのである。
いくら慰安婦問題で韓国のやっている事が許せないからと言って、安倍政権を支えている日本国民側から、「韓国側の土俵に乗りに行け」と騒ぐのは、むしろ利敵行為に等しいとの大局感を忘れてはならない。
今回は以上である。
1日1回ポチっとな ↓
FC2 Blog Ranking 
【文末脚注】
(*1):韓国・康京和外相の会見を伝える韓国・中央日報日本語版記事
中央日報日本語版HP 2018年01月09日14時19分
見出し:◆韓国外交部長官「日本に慰安婦再協議を要求しない」
http://japanese.joins.com/article/322/237322.html?servcode=a00§code=a10&cloc=jp%7Cmain%7Ctop_news
記事本文:○ 韓国の康京和(外交カン・ギョンファ)外交部長官が9日、韓日慰安婦合意に対して「2015年に日本との間で行われた慰安婦合意は韓日間の公式合意だったという事実を否定することはできない。日本政府に再協議を要求しない」と述べた。
<引用終わり>
(*2):ポピュリズム
2016/07/13投稿:
【コラム】造反有理・革命無罪の罪深さ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-455.html
(*3):韓国・康京和外相の会見を伝えるNHK記事
NHK NEWS WEB 2018年1月9日 18時49分
見出し:◆慰安婦問題の合意 韓国が新方針を発表
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180109/k10011282671000.html
記事本文:○韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相は、慰安婦問題をめぐる日韓合意について、再交渉は求めないものの、日本政府が拠出した10億円の代わりに、韓国政府の予算を充てるとする新たな方針を発表しました。具体的には今後、日本政府と協議していくとしています。
○慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年12月の日韓両政府の合意について、韓国外務省の作業部会は、先月、「被害者の意見を十分に集約しなかった」などと批判する検証結果を示し、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が、問題は解決されていないという立場を表明しました。
○こうした動きを踏まえて、韓国のカン・ギョンファ外相は9日午後、合意に関する韓国政府の新たな方針を発表し、「公式な合意だった事実は否定できない」として、日本政府に対し再交渉は求めないことを明らかにしました。ただ、「日本側に被害者たちの名誉や尊厳の回復と心の傷を癒やすための努力を続けるよう促す。被害者たちが望んでいるのは自発的かつ心からの謝罪だ」と強調しました。
○そのうえで、元慰安婦への支援事業を行うため韓国政府が設立した財団に対し、日本政府が拠出した10億円の代わりに、韓国政府の予算を充てるとする考えを示し、具体的には今後、日本政府と協議していくとしています。
○このあと行われた韓国外務省のノ・ギュドク(魯圭悳)報道官の記者会見では、「すでに日本政府から拠出された分は返還するのか」とか、「日本政府は協議に応じない可能性が高いのではないか」などといった質問が相次ぎました。
○これに対して、ノ報道官は「元慰安婦や関連する団体、韓国国民の意見を広く集約して後続措置を準備する。日本側とは、さまざまな接触を通じて協議が進むことを期待したい」と述べるにとどめました。
○また、韓国外務省の当局者は、日本政府が拠出した10億円のうち、およそ6億円が残っているとしたうえで、「財団の口座にそのまま置いておく」と述べ、当面凍結されることになるという認識を示しました。
○ムン政権としては、合意に反対する根強い国内世論と、日本との外交関係との間でバランスをとろうとしたものと見られますが、「問題は解決されていない」という基本姿勢は崩していないため、今後の日韓関係に影響を与えることも予想されます。
小見出し:◆外務省が韓国側に抗議
○外務省の金杉アジア大洋州局長は9日夕方、東京にある韓国大使館のイ・ヒソプ次席公使を外務省に呼び、「日韓合意は政府間で合意したものであり、政権が代わっても着実に実施されるべきだ。韓国側が、日本側にさらなる措置を求めることは受け入れられない」と抗議しました。
○また、ソウルの日本大使館を通じて、韓国外務省に対しても同様の抗議を行ったということです。
小見出し:◆外相「国と国の約束は政権代わっても実施されるべき」
○河野外務大臣は、韓国が慰安婦問題をめぐる日韓合意に関する新たな方針を発表したことについて、「日韓合意は国と国との約束であり、たとえ政権が代わったからといって責任をもって実施されなければならないというのが、国際的かつ普遍的な原則だ。合意の着実な履行は、国際社会に対する両国の責務だと認識している」と述べました。
○そのうえで、河野大臣は「日韓合意で、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したにもかかわらず、韓国側が、日本側に対し、さらなる措置を求めることは全く受け入れることはできない」と述べ、韓国側に直ちに抗議する意向を明らかにしました。
○さらに、河野大臣は「北朝鮮の脅威に対じしている中で、日韓両国がさまざまな分野で協力を進め、未来志向の関係を築くうえで、日韓合意は欠くべからざる基盤となっているはずだ」と述べたうえで、韓国政府が合意を着実に実施するよう、引き続き強く求めていく考えを示しました。
○また、河野大臣は、韓国側が、日本政府が拠出した10億円の代わりに韓国政府の予算を充てるとしていることについて、「南北会談の中身とあわせてなるべく早く聞きたい」と述べ、説明を求める考えを示しました。
小見出し:◆慰安婦合意の検証結果とは
○慰安婦問題をめぐる日韓合意に至る過程を検証してきた韓国外務省の作業部会は、大学教授やメディア関係者など9人のメンバーで構成され、およそ5か月間かけて韓国政府の当局者や元慰安婦の女性から聞き取りを行い、検証結果をまとめた30ページ余りの報告書を先月27日に発表しました。
○報告書では、「被害者の意見を十分に集約せずに、政府の立場を中心に考えて合意を結んだ。被害者が受け入れないまま解決を宣言しても、問題は繰り返されるほかない」として前のパク・クネ(朴槿恵)政権の対応を批判しました。
○また、ハイレベルの交渉を秘密裏に進めたうえ、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像などをめぐって、韓国に重荷となる内容を公開しなかったと指摘し、日本側の了承なく非公開となっていた合意内容や交渉過程を明らかにしました。
○さらに、パク前大統領と韓国外務省の間で意思の疎通が不足していたとも結論づけました。
○報告書の内容は、主に、前の政権の対応に問題があったとするもので、日本政府の姿勢については踏み込んでいませんが、「被害者の立場では、責任問題が完全に解消されないかぎり、カネを受け取っても根本的な解決にはならない」として、元慰安婦や世論の理解が得られる解決策の必要性を強調しています。
小見出し:◆財団の支援金 元慰安婦の4分の3以上が受け入れ
○韓国政府は慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づいておととし7月、元慰安婦への支援事業を行う「和解・癒やし財団」を設立しました。
○財団は、合意の当時生存していた元慰安婦の女性に1人当たり1000万円程度、すでに亡くなっていた元慰安婦の遺族に200万円程度の支援金を支給しています。
○このうち、合意の当時生存していた47人の元慰安婦の女性のうち、これまでに4分の3以上に当たる36人が支援事業を受け入れていて、34人にはすでに支援金の支払いが完了しています。
また、すでに亡くなっていた元慰安婦199人のうち、68人の遺族が支援事業を受け入れています。
○一方で、韓国では慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決するとした日韓合意への批判的な世論が根強く、支援事業を受け入れた元慰安婦について報じられることはほとんどありません。
○財団の設立から1年となった去年7月には、事業を中心となって進めてきた理事長が辞任したほか、先月には8人の理事のうち5人が、韓国政府に辞表を提出したことが明らかになるなど、活動が停滞しています。
○また、韓国政府は来年度の政府予算に財団の運営費を計上しておらず、日本政府から拠出された10億円の一部を使って活動を維持している状況です。
<引用終わり>
【ご参考】
<日韓慰安婦合意を誤読してしまっている方々への一連の解説>
タグ【今北産業慰安婦合意】の2016年1月頃に解説投稿をしている。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-category-6.html
1日1回ポチっとな ↓
FC2 Blog Ranking


副題:問題解決の当事者でいたくない韓国が悪足掻きしている。当事者責任から逃れたくて、あたかもゴールポストが動いたかの様な虚偽を演出しているのが文在寅。それを広めているのが我が国偏向マスコミ。
前回からの続きである。前回は、日韓慰安婦合意内容のおさらいをしながらの論考であった。今回は、色々「報道」されている文在寅政権の悪い足掻きを伝える日韓両国の記事を題材にする。
知っての通り、韓国紙も我が国偏向マスコミも「韓国側の言い分」、「韓国の特殊な感覚」をベースに「報道」しているので、「両国の報道を見ている」つもりが、実際は「単一・同一の価値観での記事」を見ているに過ぎない。
そういう「発想の誤謬」に陥らない様にすることを目的に、色々な「報道」を題材にして論考する。
題材は、2018年1月9日の韓国・康京和外相の会見を「報道」している日韓両国の記事である。
日韓慰安婦合意に関しての韓国・康京和外相の会見を、韓国紙中央日報の日本語HP「報道」は短く、以下だけであった。(*1)
<韓国・中央日報記事引用>
見出し:◆韓国外交部長官「日本に慰安婦再協議を要求しない」
記事本文:○ 韓国の康京和(外交カン・ギョンファ)外交部長官が9日、韓日慰安婦合意に対して「2015年に日本との間で行われた慰安婦合意は韓日間の公式合意だったという事実を否定することはできない。日本政府に再協議を要求しない」と述べた。
<引用終わり>
中央日報の記事で言われていることは、たった2点だけである。
その2点とは、「慰安婦合意は韓日間の公式合意」「日本政府に再協議を要求しない」である。ざっくりと言えば「公式の再協議申し入れは出来ないことが分かりました」である。
文在寅は、選挙戦の最中から「日韓慰安婦合意は無効」などと韓国社会に流通する歴史事実は異なるものの、韓国人の間では共有されている「情緒的正義」で韓国の有権者達を煽り、ポピュリズム(*2)にて大統領に当選し、現在も、それを「高い支持率」の基盤にしている。
それ故に、韓国・中央日報の記事は、「日本政府に再協議を要求しない」との部分を第一の注目点として報道しているものである。
中央日報日本語版が、それ以外の部分をバッサリ報道していない理由は不明であるが、よっぽど「日本政府に再協議を要求しない」との外交敗北宣言が衝撃的だったのであろう。
一方、我が国偏向マスコミの「会見」を伝える記事は、かなり長い。
題材の1つにしたNHK NEWS WEB記事(*3)は、普段のNHK記事に比べても、かなりの長さになっており、その見出しは◆「慰安婦問題の合意 韓国が新方針を発表」である。
前回の論考及び以前の論考でも指摘したが、文在寅がやっていることは、何かしらの引っ掛かりを期待して、我が国に向けて「撒き餌」を撒いているものである。
その「撒き餌」を拡散して、文在寅をバックアップしているのが、我が国偏向マスコミのこれら印象操作記事である。それを実際の記事で確認する。
NHK NEWS WEB記事の見出しには「新方針」との語句がある事に注目いただきたい。
これは「見出し詐欺」の一種である。あたかも韓国の外相が、韓国の外交方針を変えたが如き誤解を誘導する表現となっている。
韓国紙が第一の注目点として報道した康京和韓国外相発言「日本政府に再協議を要求しない」=正式の外交ルートでの再協議要求はしないとの肝心な事の明示はNHK NEWS WEB記事にはない。
韓国・中央日報記事にある様に、韓国外相・康京和は「正式の外交ルートでの再協議要求は出来ないことがわかりました」と述べているのであるが、その肝心な部分をNHK NEWS WEBはニューストップにしていないのである。
文在寅が選挙中から煽った日韓慰安婦合意に対して、彼は政権獲得後に「検証TF」まで作って「検証」したのだが、その結果が先の会見であり、「2015年に日本との間で行われた慰安婦合意は韓日間の公式合意だったという事実を否定することはできない」との結論でしかなく、文在寅政権は、完全敗北宣言するしか道はなくなり、「日本政府に再協議を要求しない」と諦めざるを得ない状態となったのである。
つまり、NHK NEWS WEBが「報道」している「新方針」とは、韓国が韓国国内だけで通用する悪足掻きパフォーマンスのやり方・方向性の事でしかないのである。
そういう事を理解せずに、NHK NEWS WEBの「報道」が意図している「誤解誘導」に乗ってしまい、韓国人側の言い分を前提に「我が国として何等かの対応が必要だ」などと誤解を発展させてしまう発想は、自分から、まんまと韓国側の罠にはまりに行く様なものなのである。
今の状況は、正式な外交ルートとの王道から外れて動いたら日本の負け、正式外交ルートでの世界標準での王道を日本が進めば韓国の負け、という構造なのである。
そうであるから、我が国の汚鮮された偏向マスコミは、誤解を誘導する様な偏向をしていると思われる。
NHK NEWS WEB記事の中には、他にも典型的な騙しのテクニックを使用している部分があるので、ちょっと横道にそれるが、その部分も紹介したい。
<NHK NEWS WEB記事から抜粋引用>
小見出し:◆外相「国と国の約束は政権代わっても実施されるべき」
○河野外務大臣は、韓国が慰安婦問題をめぐる日韓合意に関する新たな方針を発表したことについて、「日韓合意は国と国との約束であり、たとえ政権が代わったからといって責任をもって実施されなければならないというのが、国際的かつ普遍的な原則だ。合意の着実な履行は、国際社会に対する両国の責務だと認識している」と述べました。
○そのうえで、河野大臣は「日韓合意で、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したにもかかわらず、韓国側が、日本側に対し、さらなる措置を求めることは全く受け入れることはできない」と述べ、韓国側に直ちに抗議する意向を明らかにしました。
<抜粋引用終わり>
何処が「騙しのテクニック」なのかと言うと、河野外相の発言部分以外にある。
NHK NEWS WEB記事は、最低限の原則として河野外相の発言部分は括弧内の表示としている。
そういう事なので、括弧内表示と、括弧なし表示を分けて、以下の様に並べると、記事がどんな印象操作をしたがっているのかが分かる。
<河野外相発言部分>
・「日韓合意は国と国との約束であり、たとえ政権が代わったからといって責任をもって実施されなければならないというのが、国際的かつ普遍的な原則だ。合意の着実な履行は、国際社会に対する両国の責務だと認識している」
・「日韓合意で、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したにもかかわらず、韓国側が、日本側に対し、さらなる措置を求めることは全く受け入れることはできない」
↓
河野外相の発言は、従前からの我が国の姿勢の表明であり、国際常識・国際慣例に基づく外交の原則を述べているものである。
<NHK NEWS WEB記者が書き加えている部分>
・河野外務大臣は、韓国が慰安婦問題をめぐる日韓合意に関する新たな方針を発表したことについて・・・
・...と述べ、韓国側に直ちに抗議する意向を明らかにしました。
<抜粋引用終わり>
↓
NHK NEWS WEBの記者が書き加えた部分の前半部は、あたかも韓国の外相が、外交方針を変えたが如き誤解を誘導する表現となっていることがわかるであろう。
韓国・康京和外相の会見内容を河野外相が「日韓合意に関する新たな方針」だと定義して理解しているとの証拠は一切ない。むしろ、そんな誤解を河野外相がしているとは思えない、と考える方が、蓋然性が高いのに、あたかも我が国外相が、この様な理解をしえいるが如きの誤解誘導する書き方である。
また、後半部分は、あたかも河野外相が、あの会見に対して、「抗議する」との「反応を示したかの様な書き方」になっているが、それに騙されてはいけない。
韓国・康京和外相の会見の実態は「敗北宣言」である。
国際常識・国際慣例に基づく正規の外交では手も足も出ないと白状しているのである。
それでは韓国国内が済まないので、色々と言っているだけで、それは韓国内部の話なのである。
英語で言えば、It’s your job.であり、日本には、それを忖度したり、手助けをする必要など何もないのである。
それを誤解して、わざわざ韓国側の土俵に乗りに行くのは、安倍政権以前のグダグダ対韓外交に戻るだけなのである。
いくら慰安婦問題で韓国のやっている事が許せないからと言って、安倍政権を支えている日本国民側から、「韓国側の土俵に乗りに行け」と騒ぐのは、むしろ利敵行為に等しいとの大局感を忘れてはならない。
今回は以上である。
1日1回ポチっとな ↓



【文末脚注】
(*1):韓国・康京和外相の会見を伝える韓国・中央日報日本語版記事
中央日報日本語版HP 2018年01月09日14時19分
見出し:◆韓国外交部長官「日本に慰安婦再協議を要求しない」
http://japanese.joins.com/article/322/237322.html?servcode=a00§code=a10&cloc=jp%7Cmain%7Ctop_news
記事本文:○ 韓国の康京和(外交カン・ギョンファ)外交部長官が9日、韓日慰安婦合意に対して「2015年に日本との間で行われた慰安婦合意は韓日間の公式合意だったという事実を否定することはできない。日本政府に再協議を要求しない」と述べた。
<引用終わり>
(*2):ポピュリズム
2016/07/13投稿:
【コラム】造反有理・革命無罪の罪深さ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-455.html
(*3):韓国・康京和外相の会見を伝えるNHK記事
NHK NEWS WEB 2018年1月9日 18時49分
見出し:◆慰安婦問題の合意 韓国が新方針を発表
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180109/k10011282671000.html
記事本文:○韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相は、慰安婦問題をめぐる日韓合意について、再交渉は求めないものの、日本政府が拠出した10億円の代わりに、韓国政府の予算を充てるとする新たな方針を発表しました。具体的には今後、日本政府と協議していくとしています。
○慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年12月の日韓両政府の合意について、韓国外務省の作業部会は、先月、「被害者の意見を十分に集約しなかった」などと批判する検証結果を示し、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が、問題は解決されていないという立場を表明しました。
○こうした動きを踏まえて、韓国のカン・ギョンファ外相は9日午後、合意に関する韓国政府の新たな方針を発表し、「公式な合意だった事実は否定できない」として、日本政府に対し再交渉は求めないことを明らかにしました。ただ、「日本側に被害者たちの名誉や尊厳の回復と心の傷を癒やすための努力を続けるよう促す。被害者たちが望んでいるのは自発的かつ心からの謝罪だ」と強調しました。
○そのうえで、元慰安婦への支援事業を行うため韓国政府が設立した財団に対し、日本政府が拠出した10億円の代わりに、韓国政府の予算を充てるとする考えを示し、具体的には今後、日本政府と協議していくとしています。
○このあと行われた韓国外務省のノ・ギュドク(魯圭悳)報道官の記者会見では、「すでに日本政府から拠出された分は返還するのか」とか、「日本政府は協議に応じない可能性が高いのではないか」などといった質問が相次ぎました。
○これに対して、ノ報道官は「元慰安婦や関連する団体、韓国国民の意見を広く集約して後続措置を準備する。日本側とは、さまざまな接触を通じて協議が進むことを期待したい」と述べるにとどめました。
○また、韓国外務省の当局者は、日本政府が拠出した10億円のうち、およそ6億円が残っているとしたうえで、「財団の口座にそのまま置いておく」と述べ、当面凍結されることになるという認識を示しました。
○ムン政権としては、合意に反対する根強い国内世論と、日本との外交関係との間でバランスをとろうとしたものと見られますが、「問題は解決されていない」という基本姿勢は崩していないため、今後の日韓関係に影響を与えることも予想されます。
小見出し:◆外務省が韓国側に抗議
○外務省の金杉アジア大洋州局長は9日夕方、東京にある韓国大使館のイ・ヒソプ次席公使を外務省に呼び、「日韓合意は政府間で合意したものであり、政権が代わっても着実に実施されるべきだ。韓国側が、日本側にさらなる措置を求めることは受け入れられない」と抗議しました。
○また、ソウルの日本大使館を通じて、韓国外務省に対しても同様の抗議を行ったということです。
小見出し:◆外相「国と国の約束は政権代わっても実施されるべき」
○河野外務大臣は、韓国が慰安婦問題をめぐる日韓合意に関する新たな方針を発表したことについて、「日韓合意は国と国との約束であり、たとえ政権が代わったからといって責任をもって実施されなければならないというのが、国際的かつ普遍的な原則だ。合意の着実な履行は、国際社会に対する両国の責務だと認識している」と述べました。
○そのうえで、河野大臣は「日韓合意で、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したにもかかわらず、韓国側が、日本側に対し、さらなる措置を求めることは全く受け入れることはできない」と述べ、韓国側に直ちに抗議する意向を明らかにしました。
○さらに、河野大臣は「北朝鮮の脅威に対じしている中で、日韓両国がさまざまな分野で協力を進め、未来志向の関係を築くうえで、日韓合意は欠くべからざる基盤となっているはずだ」と述べたうえで、韓国政府が合意を着実に実施するよう、引き続き強く求めていく考えを示しました。
○また、河野大臣は、韓国側が、日本政府が拠出した10億円の代わりに韓国政府の予算を充てるとしていることについて、「南北会談の中身とあわせてなるべく早く聞きたい」と述べ、説明を求める考えを示しました。
小見出し:◆慰安婦合意の検証結果とは
○慰安婦問題をめぐる日韓合意に至る過程を検証してきた韓国外務省の作業部会は、大学教授やメディア関係者など9人のメンバーで構成され、およそ5か月間かけて韓国政府の当局者や元慰安婦の女性から聞き取りを行い、検証結果をまとめた30ページ余りの報告書を先月27日に発表しました。
○報告書では、「被害者の意見を十分に集約せずに、政府の立場を中心に考えて合意を結んだ。被害者が受け入れないまま解決を宣言しても、問題は繰り返されるほかない」として前のパク・クネ(朴槿恵)政権の対応を批判しました。
○また、ハイレベルの交渉を秘密裏に進めたうえ、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像などをめぐって、韓国に重荷となる内容を公開しなかったと指摘し、日本側の了承なく非公開となっていた合意内容や交渉過程を明らかにしました。
○さらに、パク前大統領と韓国外務省の間で意思の疎通が不足していたとも結論づけました。
○報告書の内容は、主に、前の政権の対応に問題があったとするもので、日本政府の姿勢については踏み込んでいませんが、「被害者の立場では、責任問題が完全に解消されないかぎり、カネを受け取っても根本的な解決にはならない」として、元慰安婦や世論の理解が得られる解決策の必要性を強調しています。
小見出し:◆財団の支援金 元慰安婦の4分の3以上が受け入れ
○韓国政府は慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づいておととし7月、元慰安婦への支援事業を行う「和解・癒やし財団」を設立しました。
○財団は、合意の当時生存していた元慰安婦の女性に1人当たり1000万円程度、すでに亡くなっていた元慰安婦の遺族に200万円程度の支援金を支給しています。
○このうち、合意の当時生存していた47人の元慰安婦の女性のうち、これまでに4分の3以上に当たる36人が支援事業を受け入れていて、34人にはすでに支援金の支払いが完了しています。
また、すでに亡くなっていた元慰安婦199人のうち、68人の遺族が支援事業を受け入れています。
○一方で、韓国では慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決するとした日韓合意への批判的な世論が根強く、支援事業を受け入れた元慰安婦について報じられることはほとんどありません。
○財団の設立から1年となった去年7月には、事業を中心となって進めてきた理事長が辞任したほか、先月には8人の理事のうち5人が、韓国政府に辞表を提出したことが明らかになるなど、活動が停滞しています。
○また、韓国政府は来年度の政府予算に財団の運営費を計上しておらず、日本政府から拠出された10億円の一部を使って活動を維持している状況です。
<引用終わり>
【ご参考】
<日韓慰安婦合意を誤読してしまっている方々への一連の解説>
タグ【今北産業慰安婦合意】の2016年1月頃に解説投稿をしている。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-category-6.html
1日1回ポチっとな ↓



スポンサーサイト