国連決議を「報道しない自由」
- 2017/09/28
- 20:13
国連決議を「報道しない自由」

副題:「人権」「国連」との「大好物」が2つ揃っても見向きもしない「人権派」「平和主義者」。それって適用対象が意図的に分別されている不当なる差別、ダブル・スタンダード(二重基準)ですよね。
既に多くの方が気付いている様に、「人権派」とか、「平和主義者」とかを自称する勢力が、実はまったく人権や平和に関心がなく、「人権」や「平和」の看板に利用するだけの人種である。
その証拠に、「人権」を声高に叫ぶ対象が偏っており、彼等は、横田めぐみさんへの人権侵害を解決することに熱心であったことはない。
同様、「平和」に関しても、言っていることは「武力事態回避」だけであり、武力事態を回避した結果、我々日本人が他国勢力に隷属する事態、即ち、チベットの様な民族浄化対象扱いになることを問わない本末転倒したものとなっている。
そういう「看板人権屋さん」が用いるロジック・基準が総ての分野に適用されるのなら、それはそれで良いと思うのだが、彼等はダブル・スタンダード(二重基準)であり、適用対象が意図的に峻別されている不当なる差別主義者である。
そういう勢力が良く口にするのが「国連」である。
「国連」を、あたかも「水戸黄門の印籠」の様に利用して、彼等の主張に「権威づけ」をする手法であるのだが、最近は、その仕掛けがインチキであることが知られ、印籠効果は薄れている。
具体的には、今迄は「国連人権ナンチャラ会で沖縄基地問題が・・・」と、あたかも国連が懸念を表明しているが如く「報道」される事例として、一昨年9月の話を紹介しておく。
2015年9月22日、翁長沖縄県知事はジュネーブにて、国連人権理事会で相変わらずの「物語」を述べ、日本国政府は、自国民の自由・平等・人権・民主主義を保証していない、とのトンデモ主張をしたのである。従来と決定的に違った事は、この様なトンデモ主張に対して、沖縄県民である我那覇真子さんが、「どうかプロパガンダを信じないでください」とカウンタースピーチをしたことである。
翁長スポーチと我那覇スピーチの全文は以前に紹介しているので、興味あれば、そちらを御一読いただきたい。(*1)
別の「国連印籠事例」としては、「国連特別報告者」を悪用する事例である。
「国連特別報告者」との文字列からは、あたかも国連組織の一員であるかの様な印象を受けるが、その資格は、あくまでも個人であり、国連組織の一員ではない。
その個人の感想が、まるで「国連の御意向」であるかの様に喧伝する「国連詐欺」の事例(*2)としては、「共謀罪は人権侵害」だと「報道」された「国連特別報告者・ケナタッチ」の事例や、「報道の自由が侵害されている。放送法第4条は問題条文」だと「報道」された「国連特別報告者・デービット・ケイ」の事例がある。
このうち、明確なる結末の事例としては、イタリアG7サミット時に国連事務総長が共謀罪成立に「懸念」を表明した個人資格ケナタッチの「感想」が国連の総意ではないと明言してしまった事例がある。(*3)
まったくに間抜けな「国連詐欺」である。
さて、個人資格者の感想ではなく、国連が正式に懸念を表明している人権状況事案に「北朝鮮の人権状況」がある。
我が国の「看板人権屋さん」がお好きな「人権」の問題なのだが、これを取り上げたとの話を知らない。
「他国の事なので、日本と関係ないので取り上げていない」とでも言いたいのだろうが、この国連の報告資料(*4)には、拉致問題が明示されており、我が国と無関係だとは言えない。
北朝鮮は、核・弾道ミサイルで我が国を脅迫してくる無頼の国である。
国連加盟国なので、一応、国家扱いをするが、その実態は、国家として認められていないISISと大同小異であろう。
その北朝鮮を「人権」との視点で眺めると、核兵器と戦略ミサイル計画を先に進めるために、自国民の人道状況と人権状況に関する資源を転用しており、その影響については深刻な懸念がある。(*5)
北朝鮮の人権状況に関しては、普通の日本人からしたら、にわかには信じられない様な悲惨な状態にある。
出版から既に20年が経過しているので書籍検索には出てこないが、収容所から出て脱北した姜哲煥・安赫等の経験談や、1980年代に出版された「凍土の共和国」等の文献などから、「人の心」を喪失した状況は以前からあることは分かっていたが、それらが広く知られることはなく、北朝鮮の異常性が一般に認知されたのは、金正日が拉致を認めた、あの時からであろう。
そういう「普通の日本人からしたら、にわかには信じられない様な悲惨な状態」の事例としては、例示するのもおぞましい、拷問、拘禁、レイプ、公開処刑、恣意的な処刑、有罪とされた本人以外も、その三世代も同様とする連帯罰などの人権侵害が継続して報告されている。
前述した姜哲煥は、元総連活動家の祖父が何等かの罪に問われ、その家族の一員として収容所送りとなったが、その様な政治犯収容所制度が北朝鮮には存在しており、人々は自由を奪われ、強制労働を含む嘆かわしい条件に服従させられている旨の報告もされている。
北朝鮮住民は、国内を自由に移動することが出来ない。ましてや、海外に旅行することなど一般の北朝鮮国民には不可能である。
我々が知る「基本的人権」である、思想・良心・宗教の自由などはなく、言論の自由、表現の自由などあるはずもない。これらの制限は、 違法・恣意的な監視、迫害、拷問、投獄等により、実効性を以て厳しく統制されている。
また、北朝鮮は「共産主義国家」だとされているが、その実は、中世的な厳しい身分制度が存在する。3階層・51分類と言われる出身成分制度は、北朝鮮国家が与えた社会的階級・出生に基づいた人々を分類するもので、この「出身成分」に基づく不当なる差別が存在している。3階層・51分類の詳細は、Wiki「出身成分」で確認していただければ、それが、如何に歪んだ発想に基づくものかが分かると思う。
朝鮮半島文化は女性に対して厳しい。
朝鮮半島近代史で、李氏朝鮮滅亡の大きな要因であった「閔妃」は、その没後に、日本人が付した諡号「明成星皇」との名称で、史実とはまったく違うフィクションドラマで知られているが、その名前は不明で「閔妃」=「閔氏出身の妃」としか記録されていない。
「閔妃」は、朝鮮王・高宗の妻であり、その長男はその後、「大韓帝国・第2代皇帝」となる純宗の実母であるのだが、「閔氏出身の妃」としか記録されていない。
そういう文化なのである。
我が国の文化では、天皇の妻・皇后であり、後の天皇の実母に対して「藤原妃」の様な記録にはしない。今から千数百年前の皇后の名前がわかる文化である。
どっちが良いという話ではない。文化の違いの話である。
我が国の文化からは、「閔妃」=「閔氏出身の妃」では忍びないとの「日本人的善意での身勝手さ」から「明成星皇」との諡号が、後になってから付されたのである。
ここでの話のポイントは「朝鮮半島文化は女性に対して厳しい」にある。
それ故に、北朝鮮での「女性の人権状況」もかなり厳しい様である。
女性に地方を離れることを強制し。買春、家庭内強制労働、強制結婚の目的のための人身取引に対して、女性達は極めて脆弱な状態にあるという。
強制堕胎やその他の形態の性的暴力に対する女性の服従を強いている様である。
これらの指摘は、当方が勝手に書いているのではない。
「「普通の日本人からしたら、にわかには信じられない様な悲惨な状態」の事例」として例示してきたものは、総て前回の国連総会にて配布された報告資料である「朝鮮民主主義人民共和国における人権状況」の12ページから14ページ(*6)に書かれているものばかりであり、それからの抜粋引用である。
国連資料を提示しての事実指摘は、この程度で充分であろう。
この様な国連資料が今年1月に国連総会に資料提示されていた、との報道を当方は知らない。
「人権」と「国連」との「大好物」が2つ揃っていても、見向きもしないかったと思われる。
「人権派」とか、「平和主義者」とかを自称する勢力声高に騒ぐ「人権」は対象が偏っており、彼等は、横田めぐみさんへの人権侵害はもとより、北朝鮮の一般国民の人権にも興味がないらしい。
彼等が取り上げる「人権」は、例えば、70数年前の職業慰安婦であったり、高給を受け取る為に応募した炭鉱労働者であったりと偏っている。
彼等の事をネットでは、その非論理性から「パヨク」と通称したり、専ら我が国を貶め在日韓国・朝鮮人を利することをしているので「反日在日勢力」とか、「敗戦利得者」などと表現されている様だが、そういう通称が存在しているのは、「基準」がダブル・スタンダード(二重基準)であり、適用対象が意図的に峻別されている不当なる差別主義者であるからだと考えている。
人権に軸足を置くのなら、その一貫性を確保していなければ、けして「人権を真面目に考える」という事にはならないのだということだ。
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【文末脚注】
(*1):2015年9月22日・国連人権理事会スピーチ
2015/10/02投稿:
【コラム】翁長のデマゴーグと我那覇の正論
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-221.html
(*2):「国連特別報告者」との「国連詐欺」に関する論考
2017/09/08投稿:
国連総会開幕とロヒンギャ「問題」の一考察
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-748.html
2017/08/19投稿:
国民の知る権利
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-734.html
(*3):「国連特別報告者」ケナタッチの感想は国連と関係ない
毎日新聞2017年5月27日 23時53分(最終更新 5月28日 09時56分)
見出し:◆国連事務総長 共謀罪への懸念「総意ではない」
https://mainichi.jp/articles/20170528/k00/00m/010/142000c
記事本文:○【タオルミーナ(イタリア南部)高山祐】安倍晋三首相は27日午前(日本時間27日午後)、グテレス国連事務総長とタオルミーナ市内で会談した。共謀罪の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、ケナタッチ国連特別報告者が「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と懸念を示したことに対し、グテレス氏は「個人の資格で活動しており、必ずしも国連の総意を反映するものではない」と述べた。
<引用終わり>
(*4):前回の国連総会にて配布された報告資料
総会 配布:一般 2017年1月26日 第71会期 議事日程議題68(c)
2016年12月19日に総会により採択された決議
〔第三委員会の報告書に基づく(A/71/484/Add.3)〕
71/202.朝鮮民主主義人民共和国における人権状況
http://www.unic.or.jp/files/a_res_71_202.pdf
<同資料11ページより抜粋引用>
全ての国際的な拉致被害者の即刻返還の重要性に留意し、2014年5月の朝鮮民主主義人民共和国と日本との間の政府レベルの協議に基づいて始められた全ての日本国民に関する調査以来朝鮮民主主義人民共和国による積極的な活動が無いことに深刻な懸念を表明し、そして日本国民に関連する全ての問題、特に全ての拉致被害者の返還の解決が、できるだけ早い日に達成されることを期待し、(後略)
<引用終わり>
(*5):上記の国連資料の10ページより抜粋引用
核兵器と戦略ミサイル計画を先に進めるために、朝鮮民主主義人民共和国の国民の人道状況と人権状況に関する資源を転用していることの影響について深刻な懸念を表明し、(後略)
<引用終わり>
(*6):上記の国連資料「朝鮮民主主義人民共和国における人権状況」」の12ページから14ページにある「普通の日本人からしたら、にわかには信じられない様な悲惨な状態」
http://www.unic.or.jp/files/a_res_71_202.pdf
(ⅰ) 拷問および拘禁の非人道的状況を含む、その他の残虐な、非人間的なまたは品位を落とす取り扱い若しくは刑罰;レイプ;公開処刑;裁判外のまた恣意的な拘禁;公正な裁判の保証および独立した司法制度を含む、適法手続や法の支配の欠如;裁判外の、即決のそして恣意的な処刑;政治的や宗教的な理由により死刑を課すること;三世代まで広がる連帯罰;および強制労働の広範囲にわたる使用。
(ⅱ) 膨大な数の人々がその自由を奪われそして強制労働を含む、嘆かわしい条件に服従させられ、そしてそこでは憂慮すべき人権侵害が実行されている、政治犯収容所の広範囲にわたる制度の存在。
(ⅲ) 住民の強制移送および許可無く同国を離れるかまたは離れることを試みる者の刑罰を含む、同国内を自由に移動することや海外に旅行することを望むあらゆる人、またはその家族に課された制限並びに帰国した者の刑罰。
(ⅳ) 朝鮮民主主義人民共和国に追放されたかまたは帰国した難民および亡命希望者の状況並びに投獄、拷問、その他の残虐な、非人道的なまたは品位を落とす取り扱い、性的暴力または死刑の刑罰に至る、海外から本国送還されてきた朝鮮民主主義人民共和国国民に課された制裁、およびこれに関連して全ての国家に対し、保護を求める者の人権を保護することを目的に、ノン・ルフールマンの基本的原則を尊重すること、保護を求める者を人間らしく取り扱うことそして国際連合難民高等弁務官および同事務所に妨害のないアクセスを確保することを強く促し、そして再び、締約国に対し、難民の地位に関する1951年条約12およびその1967年の議定書13が適用される朝鮮民主主義人民共和国からの難民に関して、これらの文書の下での自らの義務を遵守することを促す。
(ⅴ) 違法なまた恣意的な監視、迫害、拷問、投獄および、時には、言論および表現、宗教または信念の自由を行使した個人、やその家族の、即決処刑の様な手段による思想、良心、宗教または信念、言論および表現、平和的集会および結社の自由、私生活に対する権利および情報への平等なアクセス、並びに直接または自由に選ばれた代表を通して、自分の地方の公共の事柄の実施に参加するみんなの権利に関する、ネットワークに繋がっているものと繋がっていないもの両方の、やたらに広がるそして厳しい制限。
(ⅵ) 朝鮮民主主義人民共和国の住民、とりわけ女性、子ども、障がい者や高齢者に対し、厳しい飢餓、栄養失調、広範な健康問題およびその他の苦難の結果をもたらしてきた、経済的、社会的および文化的権利の侵害。
(ⅶ) 女性の人権および基本的自由の侵害、とりわけ女性に地方を離れることを強制しそして買春、家庭内強制労働または強制結婚の目的のための人身取引に対し彼女たちを、極めて脆弱にする内部事情の創造および政治的や社会的な側面におけるものを含む、ジェンダーに基づく差別、強制堕胎並びにその他の形態の性的およびジェンダーに基づく暴力に対する女性の服従。
(ⅷ) 子どもの人権および基本的自由の侵害、とりわけ多くの子どもにとっての基本的な経済的、社会的および文化的権利に対するアクセスの継続した欠如、またこれに関連して、特に、帰国したかまたは本国に強制送還された子ども、ストリート・チルドレン、障がいをもつ子ども、親が拘禁された子ども、拘禁されてまたは施設内で暮らしている子どもおよび法に抵触した子どもが直面している特に脆弱な状況に留意する。
(ⅸ) 障がい者の人権および基本的自由の侵害、特に集団キャンプの使用や自らの子どもの数や間隔を自由に且つ責任をもって決める障がい者の権利を標的とする強制的措置の使用および医療検査、農村地区への強制的な移転および障がいを持つ子どもの親からの分離における障がい者のふさわしい使用の主張。
(ⅹ) 結社の自由に対する権利および団体交渉に対する権利の効果的な承認、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約5の下での朝鮮民主主義人民共和国の義務により明確にされたようにストライキに対する権利、および児童の権利条約6の下での朝鮮民主主義人民共和国の義務により明確にされたように子どもの経済的搾取並びに子どものあらゆる有害なまた危険な作業の禁止、並びに伝えられているところによれば強制労働に相当する条件の下で働くために、朝鮮民主主義人民共和国から海外に送られた労働者の搾取を含む、労働者の権利の侵害。
(xi) 国家が与えた社会的階級および出生に基づいて人々を分類している、そしてまた政治的意見や宗教の考慮も含む、出身成分制度に基づく差別。
<引用終わり>
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既に多くの方が気付いている様に、「人権派」とか、「平和主義者」とかを自称する勢力が、実はまったく人権や平和に関心がなく、「人権」や「平和」の看板に利用するだけの人種である。
その証拠に、「人権」を声高に叫ぶ対象が偏っており、彼等は、横田めぐみさんへの人権侵害を解決することに熱心であったことはない。
同様、「平和」に関しても、言っていることは「武力事態回避」だけであり、武力事態を回避した結果、我々日本人が他国勢力に隷属する事態、即ち、チベットの様な民族浄化対象扱いになることを問わない本末転倒したものとなっている。
そういう「看板人権屋さん」が用いるロジック・基準が総ての分野に適用されるのなら、それはそれで良いと思うのだが、彼等はダブル・スタンダード(二重基準)であり、適用対象が意図的に峻別されている不当なる差別主義者である。
そういう勢力が良く口にするのが「国連」である。
「国連」を、あたかも「水戸黄門の印籠」の様に利用して、彼等の主張に「権威づけ」をする手法であるのだが、最近は、その仕掛けがインチキであることが知られ、印籠効果は薄れている。
具体的には、今迄は「国連人権ナンチャラ会で沖縄基地問題が・・・」と、あたかも国連が懸念を表明しているが如く「報道」される事例として、一昨年9月の話を紹介しておく。
2015年9月22日、翁長沖縄県知事はジュネーブにて、国連人権理事会で相変わらずの「物語」を述べ、日本国政府は、自国民の自由・平等・人権・民主主義を保証していない、とのトンデモ主張をしたのである。従来と決定的に違った事は、この様なトンデモ主張に対して、沖縄県民である我那覇真子さんが、「どうかプロパガンダを信じないでください」とカウンタースピーチをしたことである。
翁長スポーチと我那覇スピーチの全文は以前に紹介しているので、興味あれば、そちらを御一読いただきたい。(*1)
別の「国連印籠事例」としては、「国連特別報告者」を悪用する事例である。
「国連特別報告者」との文字列からは、あたかも国連組織の一員であるかの様な印象を受けるが、その資格は、あくまでも個人であり、国連組織の一員ではない。
その個人の感想が、まるで「国連の御意向」であるかの様に喧伝する「国連詐欺」の事例(*2)としては、「共謀罪は人権侵害」だと「報道」された「国連特別報告者・ケナタッチ」の事例や、「報道の自由が侵害されている。放送法第4条は問題条文」だと「報道」された「国連特別報告者・デービット・ケイ」の事例がある。
このうち、明確なる結末の事例としては、イタリアG7サミット時に国連事務総長が共謀罪成立に「懸念」を表明した個人資格ケナタッチの「感想」が国連の総意ではないと明言してしまった事例がある。(*3)
まったくに間抜けな「国連詐欺」である。
さて、個人資格者の感想ではなく、国連が正式に懸念を表明している人権状況事案に「北朝鮮の人権状況」がある。
我が国の「看板人権屋さん」がお好きな「人権」の問題なのだが、これを取り上げたとの話を知らない。
「他国の事なので、日本と関係ないので取り上げていない」とでも言いたいのだろうが、この国連の報告資料(*4)には、拉致問題が明示されており、我が国と無関係だとは言えない。
北朝鮮は、核・弾道ミサイルで我が国を脅迫してくる無頼の国である。
国連加盟国なので、一応、国家扱いをするが、その実態は、国家として認められていないISISと大同小異であろう。
その北朝鮮を「人権」との視点で眺めると、核兵器と戦略ミサイル計画を先に進めるために、自国民の人道状況と人権状況に関する資源を転用しており、その影響については深刻な懸念がある。(*5)
北朝鮮の人権状況に関しては、普通の日本人からしたら、にわかには信じられない様な悲惨な状態にある。
出版から既に20年が経過しているので書籍検索には出てこないが、収容所から出て脱北した姜哲煥・安赫等の経験談や、1980年代に出版された「凍土の共和国」等の文献などから、「人の心」を喪失した状況は以前からあることは分かっていたが、それらが広く知られることはなく、北朝鮮の異常性が一般に認知されたのは、金正日が拉致を認めた、あの時からであろう。
そういう「普通の日本人からしたら、にわかには信じられない様な悲惨な状態」の事例としては、例示するのもおぞましい、拷問、拘禁、レイプ、公開処刑、恣意的な処刑、有罪とされた本人以外も、その三世代も同様とする連帯罰などの人権侵害が継続して報告されている。
前述した姜哲煥は、元総連活動家の祖父が何等かの罪に問われ、その家族の一員として収容所送りとなったが、その様な政治犯収容所制度が北朝鮮には存在しており、人々は自由を奪われ、強制労働を含む嘆かわしい条件に服従させられている旨の報告もされている。
北朝鮮住民は、国内を自由に移動することが出来ない。ましてや、海外に旅行することなど一般の北朝鮮国民には不可能である。
我々が知る「基本的人権」である、思想・良心・宗教の自由などはなく、言論の自由、表現の自由などあるはずもない。これらの制限は、 違法・恣意的な監視、迫害、拷問、投獄等により、実効性を以て厳しく統制されている。
また、北朝鮮は「共産主義国家」だとされているが、その実は、中世的な厳しい身分制度が存在する。3階層・51分類と言われる出身成分制度は、北朝鮮国家が与えた社会的階級・出生に基づいた人々を分類するもので、この「出身成分」に基づく不当なる差別が存在している。3階層・51分類の詳細は、Wiki「出身成分」で確認していただければ、それが、如何に歪んだ発想に基づくものかが分かると思う。
朝鮮半島文化は女性に対して厳しい。
朝鮮半島近代史で、李氏朝鮮滅亡の大きな要因であった「閔妃」は、その没後に、日本人が付した諡号「明成星皇」との名称で、史実とはまったく違うフィクションドラマで知られているが、その名前は不明で「閔妃」=「閔氏出身の妃」としか記録されていない。
「閔妃」は、朝鮮王・高宗の妻であり、その長男はその後、「大韓帝国・第2代皇帝」となる純宗の実母であるのだが、「閔氏出身の妃」としか記録されていない。
そういう文化なのである。
我が国の文化では、天皇の妻・皇后であり、後の天皇の実母に対して「藤原妃」の様な記録にはしない。今から千数百年前の皇后の名前がわかる文化である。
どっちが良いという話ではない。文化の違いの話である。
我が国の文化からは、「閔妃」=「閔氏出身の妃」では忍びないとの「日本人的善意での身勝手さ」から「明成星皇」との諡号が、後になってから付されたのである。
ここでの話のポイントは「朝鮮半島文化は女性に対して厳しい」にある。
それ故に、北朝鮮での「女性の人権状況」もかなり厳しい様である。
女性に地方を離れることを強制し。買春、家庭内強制労働、強制結婚の目的のための人身取引に対して、女性達は極めて脆弱な状態にあるという。
強制堕胎やその他の形態の性的暴力に対する女性の服従を強いている様である。
これらの指摘は、当方が勝手に書いているのではない。
「「普通の日本人からしたら、にわかには信じられない様な悲惨な状態」の事例」として例示してきたものは、総て前回の国連総会にて配布された報告資料である「朝鮮民主主義人民共和国における人権状況」の12ページから14ページ(*6)に書かれているものばかりであり、それからの抜粋引用である。
国連資料を提示しての事実指摘は、この程度で充分であろう。
この様な国連資料が今年1月に国連総会に資料提示されていた、との報道を当方は知らない。
「人権」と「国連」との「大好物」が2つ揃っていても、見向きもしないかったと思われる。
「人権派」とか、「平和主義者」とかを自称する勢力声高に騒ぐ「人権」は対象が偏っており、彼等は、横田めぐみさんへの人権侵害はもとより、北朝鮮の一般国民の人権にも興味がないらしい。
彼等が取り上げる「人権」は、例えば、70数年前の職業慰安婦であったり、高給を受け取る為に応募した炭鉱労働者であったりと偏っている。
彼等の事をネットでは、その非論理性から「パヨク」と通称したり、専ら我が国を貶め在日韓国・朝鮮人を利することをしているので「反日在日勢力」とか、「敗戦利得者」などと表現されている様だが、そういう通称が存在しているのは、「基準」がダブル・スタンダード(二重基準)であり、適用対象が意図的に峻別されている不当なる差別主義者であるからだと考えている。
人権に軸足を置くのなら、その一貫性を確保していなければ、けして「人権を真面目に考える」という事にはならないのだということだ。
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【文末脚注】
(*1):2015年9月22日・国連人権理事会スピーチ
2015/10/02投稿:
【コラム】翁長のデマゴーグと我那覇の正論
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-221.html
(*2):「国連特別報告者」との「国連詐欺」に関する論考
2017/09/08投稿:
国連総会開幕とロヒンギャ「問題」の一考察
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-748.html
2017/08/19投稿:
国民の知る権利
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-734.html
(*3):「国連特別報告者」ケナタッチの感想は国連と関係ない
毎日新聞2017年5月27日 23時53分(最終更新 5月28日 09時56分)
見出し:◆国連事務総長 共謀罪への懸念「総意ではない」
https://mainichi.jp/articles/20170528/k00/00m/010/142000c
記事本文:○【タオルミーナ(イタリア南部)高山祐】安倍晋三首相は27日午前(日本時間27日午後)、グテレス国連事務総長とタオルミーナ市内で会談した。共謀罪の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、ケナタッチ国連特別報告者が「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と懸念を示したことに対し、グテレス氏は「個人の資格で活動しており、必ずしも国連の総意を反映するものではない」と述べた。
<引用終わり>
(*4):前回の国連総会にて配布された報告資料
総会 配布:一般 2017年1月26日 第71会期 議事日程議題68(c)
2016年12月19日に総会により採択された決議
〔第三委員会の報告書に基づく(A/71/484/Add.3)〕
71/202.朝鮮民主主義人民共和国における人権状況
http://www.unic.or.jp/files/a_res_71_202.pdf
<同資料11ページより抜粋引用>
全ての国際的な拉致被害者の即刻返還の重要性に留意し、2014年5月の朝鮮民主主義人民共和国と日本との間の政府レベルの協議に基づいて始められた全ての日本国民に関する調査以来朝鮮民主主義人民共和国による積極的な活動が無いことに深刻な懸念を表明し、そして日本国民に関連する全ての問題、特に全ての拉致被害者の返還の解決が、できるだけ早い日に達成されることを期待し、(後略)
<引用終わり>
(*5):上記の国連資料の10ページより抜粋引用
核兵器と戦略ミサイル計画を先に進めるために、朝鮮民主主義人民共和国の国民の人道状況と人権状況に関する資源を転用していることの影響について深刻な懸念を表明し、(後略)
<引用終わり>
(*6):上記の国連資料「朝鮮民主主義人民共和国における人権状況」」の12ページから14ページにある「普通の日本人からしたら、にわかには信じられない様な悲惨な状態」
http://www.unic.or.jp/files/a_res_71_202.pdf
(ⅰ) 拷問および拘禁の非人道的状況を含む、その他の残虐な、非人間的なまたは品位を落とす取り扱い若しくは刑罰;レイプ;公開処刑;裁判外のまた恣意的な拘禁;公正な裁判の保証および独立した司法制度を含む、適法手続や法の支配の欠如;裁判外の、即決のそして恣意的な処刑;政治的や宗教的な理由により死刑を課すること;三世代まで広がる連帯罰;および強制労働の広範囲にわたる使用。
(ⅱ) 膨大な数の人々がその自由を奪われそして強制労働を含む、嘆かわしい条件に服従させられ、そしてそこでは憂慮すべき人権侵害が実行されている、政治犯収容所の広範囲にわたる制度の存在。
(ⅲ) 住民の強制移送および許可無く同国を離れるかまたは離れることを試みる者の刑罰を含む、同国内を自由に移動することや海外に旅行することを望むあらゆる人、またはその家族に課された制限並びに帰国した者の刑罰。
(ⅳ) 朝鮮民主主義人民共和国に追放されたかまたは帰国した難民および亡命希望者の状況並びに投獄、拷問、その他の残虐な、非人道的なまたは品位を落とす取り扱い、性的暴力または死刑の刑罰に至る、海外から本国送還されてきた朝鮮民主主義人民共和国国民に課された制裁、およびこれに関連して全ての国家に対し、保護を求める者の人権を保護することを目的に、ノン・ルフールマンの基本的原則を尊重すること、保護を求める者を人間らしく取り扱うことそして国際連合難民高等弁務官および同事務所に妨害のないアクセスを確保することを強く促し、そして再び、締約国に対し、難民の地位に関する1951年条約12およびその1967年の議定書13が適用される朝鮮民主主義人民共和国からの難民に関して、これらの文書の下での自らの義務を遵守することを促す。
(ⅴ) 違法なまた恣意的な監視、迫害、拷問、投獄および、時には、言論および表現、宗教または信念の自由を行使した個人、やその家族の、即決処刑の様な手段による思想、良心、宗教または信念、言論および表現、平和的集会および結社の自由、私生活に対する権利および情報への平等なアクセス、並びに直接または自由に選ばれた代表を通して、自分の地方の公共の事柄の実施に参加するみんなの権利に関する、ネットワークに繋がっているものと繋がっていないもの両方の、やたらに広がるそして厳しい制限。
(ⅵ) 朝鮮民主主義人民共和国の住民、とりわけ女性、子ども、障がい者や高齢者に対し、厳しい飢餓、栄養失調、広範な健康問題およびその他の苦難の結果をもたらしてきた、経済的、社会的および文化的権利の侵害。
(ⅶ) 女性の人権および基本的自由の侵害、とりわけ女性に地方を離れることを強制しそして買春、家庭内強制労働または強制結婚の目的のための人身取引に対し彼女たちを、極めて脆弱にする内部事情の創造および政治的や社会的な側面におけるものを含む、ジェンダーに基づく差別、強制堕胎並びにその他の形態の性的およびジェンダーに基づく暴力に対する女性の服従。
(ⅷ) 子どもの人権および基本的自由の侵害、とりわけ多くの子どもにとっての基本的な経済的、社会的および文化的権利に対するアクセスの継続した欠如、またこれに関連して、特に、帰国したかまたは本国に強制送還された子ども、ストリート・チルドレン、障がいをもつ子ども、親が拘禁された子ども、拘禁されてまたは施設内で暮らしている子どもおよび法に抵触した子どもが直面している特に脆弱な状況に留意する。
(ⅸ) 障がい者の人権および基本的自由の侵害、特に集団キャンプの使用や自らの子どもの数や間隔を自由に且つ責任をもって決める障がい者の権利を標的とする強制的措置の使用および医療検査、農村地区への強制的な移転および障がいを持つ子どもの親からの分離における障がい者のふさわしい使用の主張。
(ⅹ) 結社の自由に対する権利および団体交渉に対する権利の効果的な承認、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約5の下での朝鮮民主主義人民共和国の義務により明確にされたようにストライキに対する権利、および児童の権利条約6の下での朝鮮民主主義人民共和国の義務により明確にされたように子どもの経済的搾取並びに子どものあらゆる有害なまた危険な作業の禁止、並びに伝えられているところによれば強制労働に相当する条件の下で働くために、朝鮮民主主義人民共和国から海外に送られた労働者の搾取を含む、労働者の権利の侵害。
(xi) 国家が与えた社会的階級および出生に基づいて人々を分類している、そしてまた政治的意見や宗教の考慮も含む、出身成分制度に基づく差別。
<引用終わり>



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