韓国 北朝鮮に9億円相当の「人道支援」2
- 2017/09/22
- 19:59
韓国 北朝鮮に9億円相当の「人道支援」2

副題:「人道支援」との抜け穴を利用したつもりの韓国・文在寅政権。異文化・韓国の価値観は理解し難いが考えてみた。
前回は【速報】として、韓国・文在寅政権が、国連で北朝鮮の核兵器に対しての「対話と圧力」のうちの圧力強化をしている最中に、800万ドルを北朝鮮に「人道支援」名目で渡す決定をした、とのトンデモ行動を紹介した。
その事実を紹介することが目的の速報なので、その様なトンデモ行動をした理由等に関しての分析・論考までは踏み込んでおらず、ただ「当事者としての行動がとれない」「日清戦争前夜の李氏朝鮮の遷延策と相似形を成している」「時代を経ても変わらないのが、その民族の魂なのであろう」との、文明論的な指摘のみにとどまった。
今回は、この様なトンデモ行動に関しての論考である。
先ず、事実として、現状は以下の通りであると認識している。
1.北朝鮮は160キロトンの核爆発実験を今月3日に強行している。
2.北朝鮮は先月29日に続いて今月10日にも、射程数千km級の弾道ミサイルを我が国上空を通過する軌道で発射している。
3.これらを以て、北朝鮮は我が国及びアメリカに対して、核兵器を用いての脅迫をしている。(*1)
4.我が国は、これら最近の北朝鮮のヤクザまがいの脅迫がエスカレートする以前から対話による核・弾道ミサイル放棄の道筋を模索してきたが、それら一切が無駄な努力であったとの事実(*2)から、「対話と圧力」との基本姿勢のうち、圧力に軸足を移している。
5.現状、安倍首相の国連演説(*3)に「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」とある様に、従前の「対話だけ」では北朝鮮は核・弾道ミサイルを放棄してこなかった事実から、国際社会が圧力を強めることで北朝鮮が音を上げ、核・弾道ミサイルを放棄する、との道筋で、武力事態に至らない様な平和外交での核・弾道ミサイル危機回避を目指している。
6.そういう状況下、韓国・文在寅政権は、「人道支援」名目で800万ドルを北朝鮮に渡す決定をした。
7.これは「対話と圧力」との基本姿勢の圧力を強めることで、武力事態に至らない状態での核・弾道ミサイル放棄への誘導策を妨害している状態であり、北朝鮮が核・弾道ミサイルを放棄しない事を補助するものである。
8.北朝鮮が核・弾道ミサイルを放棄しない状態を放置する事は、我が国のみならずアメリカにとっても安全保障上の危機に該当し容認できない。そうなると、平和裏に核・弾道ミサイル放棄する道筋への誘導が出来ないとなると、対話と圧力の圧力レベルを上げざるを得ず、武力事態へと進みことを意味する。
9.文在寅がやっている「人道支援」とは、朝鮮半島で武力事態を発生させるものである。
事実認定としては以上である。1.から6.については、安倍首相もトランプ台大統領も明言していることなのだが、我が国の「汚鮮されたマスコミ」は、そういう報道をしてきていないので、違和感を持つ方もいると思う。そういう方は、文末脚注で紹介した論考を御一読いただきたい。それら論考は公的資料を紹介して、それに基づいての論考である。
また、上記の8.及び9.は、既に幾人もの方が想起している蓋然性ある未来事態予測であり、妥当だと判断している部分である。
さて、世界標準で見れば、韓国・文在寅のやっている「人道支援」とは、自国を戦場にするリスクをはらむトンデモ行動なのだが、彼等の主観に於いては違う様だと推定される。
そこで、先ずは、前回【速報】で引用した日経、産経等5社の記事から、「韓国側の言い分内容」を拾ってみた。
拾ってみたのだが、あるのは、以下の様な「こういう決定だ」「こういう方針だ」との「通達」ばかりであり、その様に決定した理由、そういう方針を採用した理由などはまったくなく、「どうして?」とのWhyの疑問に答える様なものは見当たらなかった。
<前回【速報】から「韓国側の言い分」を抜粋引用>
①:時期の話
(日経)「実際の支援の時期と規模は、南北関係など環境を総合的に判断して決める」
(産経)「支援の時期と規模は南北関係の状況などを総合的に考慮し進めていく」
②:「人道支援は別」だとする方針
(日経)「人道支援は政治的状況と関係なく進めていくのが基本的な立場」
(NHK)「北朝鮮の住民への人道支援は政治状況と切り離して進める方針だ」
(産経)「政治状況と人道支援は別」
(TBS)「制裁と北朝鮮の住民に対する人道支援は分けて対処するのが、国際社会が共有する普遍的な原則です」
③:国連制裁決議が出ている状態での「人道支援」決定に関する見解
(日経)北朝鮮への圧力を強める国際社会の足並みを乱すことはない
<抜粋引用終わり。朝日には特になかった>
こんな「方針」や「見解」を「通達」するだけて、その理由を示さすに国際社会が、取り分け日米が納得する訳がない。それ位の事は、韓国政府とてわかっている。
分かっているのに、800万ドル=約9億円相当を北朝鮮にプレゼントする事を決定している。
我が国マスコミは「報道しない自由」を濫用しているので、何かを言っているのに、それを報道していない、との可能性が捨て切れないので、韓国紙がどの様に「報道」しているのかを念の為に調べてみた。当方は諺文を解しないので、韓国紙の日本語サイトを検索してみた。
韓国紙の日本語サイトは、日本人に読ませたくない記事はオミットするそうだが、今回の北朝鮮核・弾道ミサイル問題は、韓国自身と米国を含めた国際社会が相手の問題なので、掲載されているのではないかと検索してみた。韓国紙の論調はアレであることを知っているので、余り期待は出来ないが、「「決め付け」は愚者の行為」であることも知っているので、一応調べてみた。
対象は、韓国の日刊紙の中央日報(*4)と朝鮮日報(*5)の2紙とした。他には東亜日報、連合ニュース等があるが、時間的問題から、検索で上位にきた、この2紙に絞った。
その結果は、我が国マスコミの報道と大同小異であった。
一例として、中央日報の「韓国政府が北朝鮮人道支援が急ぐべきだと判断した根拠」との見出しの記事(*6)を用いて論考を続ける。尚、この記事の日付は「2017年09月15日14時20分」であり、決定発表前の方針発表時の記事である。
先ずは、同記事から「根拠」と思われる部分を以下に抜粋引用する。
①:韓国統一部が北朝鮮に対する人道的支援が急がれる理由として国連安全保障理事会の制裁を挙げた。
②a:「歴代の決議の中で最も強力な制裁決議案が採択された」
↓
②b:「このような強力な制裁に伴う北朝鮮への経済的打撃は避けられないものと予測される」
↓
②c「我々も経済が最も厳しかったIMF時期当時、真っ先に打撃を受けた階層は脆弱階層だった。北朝鮮にも幼児がいて子どもたちがいて、妊産婦がいて老弱者層もある」
↓
②d「制裁に伴って打撃を受けざるを得ない脆弱階層に対するシリアルやワクチンが含まれる問題なので、国連精神に反しない決定だと考える」
以上だけである。
そもそも記事の見出しが「「韓国政府が北朝鮮人道支援が急ぐべきだと判断した根拠」であり、「人道支援」をすることは所与のこと、それが前提であり「時期の問題」との内容だ。
最初から、「何故、核・弾道ミサイルで恫喝している北朝鮮を支援するのか?」との疑問は存在していない様だ。
仕方がないが「根拠」を探すと、最初の①にある様に、「国連の北朝鮮制裁決議があったからだ」とある。その詳細が②aから②dに書いてある.
②aと②bは、まさに国連決議が期待する初期の現象そのものである。
北朝鮮に経済的打撃を与え、それに音を上げた北朝鮮が核・弾道ミサイルの放棄をせざるを得ない状態に追い込み、武力を用いないで、目的である「核と弾道ミサイルの放棄」を達成するとの道筋だ。
逆に言えば、この②aと②bの様な状態の現出がなければ、非軍事的圧力にはなり得ず、圧力のオプションは、武力事態へと移行せざるを得ない。
韓国統一部は、これに続き③cで、この様な国連決議に基づく経済的手段での圧力で最初に打撃を受けるのが「幼児や子ども、妊産婦の脆弱階層と老弱者層」だとして、③dで、これら脆弱階層・老弱者層への「人道支援」を「急ぐべき」だとしている。
しかしちょっと待って欲しい。
我が国は、北朝鮮の核・弾道ミサイルで脅されており、そのミサイルが我が国に着弾した場合、我々日本人の「幼児や子ども、妊産婦」が死ぬのである。
だからこそ、そういう事態を避ける為に、核ミサイルを我が国に打ち込む能力と少なからぬ意志を持つ北朝鮮に対して、核と弾道ミサイルを放棄さえようとしているのである。
韓国統一部は、日本人の「幼児や子ども、妊産婦の脆弱階層と老弱者層」には興味がなく、北朝鮮の「幼児や子ども、妊産婦の脆弱階層と老弱者層」だけを見ていることがわかる。
韓国統一部は、まったく思考していないことも③dの部分で明らかである。
「国連精神に反しない決定だと考える」と称しているが、「人道支援=支援してもOK」との実に単純化した、パターン発想をしている事がわかる。
彼等は「国連決議が出ている状況」でも、「人道支援ならOK」とだけ考えていることがわかるであろう。いや、むしろ「国連決議が出ているから人道支援する」とさえ、言っている。
こういう「パターン発想」では、「国連決議に反しての支援」が現況でどういう意味を持つのかを検討をすることさえ想起できないのであろう。実際、Ⅰ5日のこの記事以降、我が国のみならず、諸外国からも、韓国内からも「何故、この時期に?」との疑問がだされている。
短銃化した等号パターンである「人道支援=支援してもOK」でのみ発想していると確信する、もう1つの理由が「800万ドル」との金額だ。
彼等は、何故、「800万ドル」との金額の「人道支援」をするのか?
どういう根拠で、この金額を算出したのか?
何故、10万ドルではなくて800万ドルなのか?
因みに、昨年2016年の台湾地震の義援金として韓国が出したのは10万ドルである。
そんな説明は一切ない。ただただ「人道支援=支援してもOK」で御仕舞であり、金額根拠など考えていないと思われる。
何が言いたいのかと言うと、韓国政府は、「北朝鮮支援ありき」で考えていることがバレバレであると言う事だ。
今の時期に北朝鮮へ支援することが国際社会でどの様に受け取られるのかを韓国政府は考えているとは思えない行動をしている。韓国人一般の中には、この800万ドル支援をする文在寅に対してかなり批判的な意見を述べている事例もあり、中央日報・朝鮮日報も社説や記事で苦言を呈しているのだが、その視点には違和感を持たざるを得ない。
どの様な違和感かと言うと、子供が公共の場でキャーキャー言いながら走り回っている時に注意された母親が自分の子供に向かって「怖いオジサンに怒られるから止めなさい」と注意する姿にうり二つなのである。子供の躾を「怒られるか怒られないか」で考えているのだったら、それは、その親自体に公徳心の認識がないことを白状しているのと同じであり、そういう躾では、「怒られない状態なら、なにをやっても良い」と誤解させる事になる。
こういう「公徳心なき利己主義目線」の発想に感じる「ちがうでしょ」との違和感と同じ感覚を韓国紙からは感じるのである。
そういうレベルなので、「北を支援したから、ドル決済停止」と言われるのが恐くて「支援時期は未定」とか言っているが、「人道支援」をすること自体も、800万ドルとの金額も取り上げていない。
こういう「事の本質」とは違う部分での言い訳でしかないやり方を見ると、既視感にとらわれる。こういう遷延策は、李氏朝鮮時代の当事者意識ゼロの対応と相似形をなしていることからの既視感である。
かなり長くなったが、前回の最後に書いた「当事者としての行動がとれない」「日清戦争前夜の李氏朝鮮の遷延策と相似形を成している」「時代を経ても変わらないのが、その民族の魂なのであろう」との、文明論的指摘は、今回の論考後も変わりがない。
実は、文在寅の国連総会演説が、こういうパターン思考で出来上がっていることの論証だとか、まだまだ書くべきことは多々あるのだが、韓国に関しては、対北朝鮮問題では、むしろ警戒レベルを上げるべき相手だと言う事を最後に述べて、今回の論考を御仕舞としたい。
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【文末脚注】
(*1):以下の論考の文末脚注(*3)に北朝鮮の脅迫内容を提示してある。
2017/09/09投稿:
核拡散防止条約(NPT)第10条
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-749.html
(*2):対話による核・弾道ミサイル放棄の道筋を模索してきたが、それら一切が無駄な努力であったとの事実
2017/03/17投稿:
北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-649.html
2017/03/18投稿:
続・北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-650.html
(*3):日本時間9月21日未明の国産総会での安倍首相演説
2017/09/21投稿:
安倍首相・国連演説
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-758.html
※従前の「対話だけ」では北朝鮮は核・弾道ミサイルを放棄してこなかった上記(*2)の事実から、「対話と圧力」との基本姿勢のうち、圧力に軸足を移し、国際社会が圧力を強めることで北朝鮮が音を上げ、核・弾道ミサイルを放棄する、との道筋で、武力事態に至らない様な平和外交での核・弾道ミサイル危機回避を目指している。
その言葉が「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」である。
(*4):韓国日刊紙・中央日報日本語サイト
http://japanese.joins.com/
9月22日の昼休み時点で「人道支援」をキーワードにした検索結果、新着順。
(注:表示順は「新着順」を設定しているのだが、検索結果として出てくる記事の「時間」が前後している。)
1:日米首脳「韓国の対北人道支援、慎重に対応を」(2017.09.22 11:13:40)
2:韓国大統領の支持率65.7%、4週連続下落(2017.09.21 11:41:45)
3:北朝鮮政権を肥えさせるだけの支援は「堕落天使」(2)(2017.09.20 15:00:40)
4:文大統領「北朝鮮の核解決に国連が積極的仲裁を」(2017.09.19 12:18:30)
<以下略>
(*5):韓国日刊紙・朝鮮日報日本語サイト
http://www.chosunonline.com/svc/news_search.html
9月22日の昼休み時点で「人道支援」をキーワードにした検索結果。
1:【社説】対北支援決定、韓国だけが完全にずれている(2017.09.22 09:27)
2.米紙「トランプと安倍、文大統領をのけ者にする可能性も」(2017.09.21 22:18)
3.韓国政府が9億円の対北人道支援決定 実施時期は未定(2017.09.21 13:05)
4.北朝鮮危機:韓国政府、安保理決議違反の「南北協力基金」に予算編成(2017.09.21 09:59)
5.【社説】トランプ大統領「北完全破壊」発言が意味するもの(2017.09.21 09:27)
6.対北安保理決議に積極的に参加 独自制裁は検討中=韓国政府(2017.09.20 14:07)
<以下略>
(*6):韓国日刊紙・中央日報記事
見出し:◆韓国政府が北朝鮮人道支援が急ぐべきだと判断した根拠
中央日報日本語版 2017年09月15日14時20分
http://japanese.joins.com/article/480/233480.html?servcode=200§code=200
記事本文:○ 韓国統一部が北朝鮮に対する人道的支援が急がれる理由として国連安全保障理事会の制裁を挙げた。
○15日、統一部の定例記者会見で、イ・ユジン統一部副報道官は、韓国政府が北朝鮮への人道支援が急がれると判断した根拠について「歴代の決議の中で最も強力な制裁決議案が採択された」としながら「このような強力な制裁に伴う北朝鮮への経済的打撃は避けられないものと予測される」と述べた。
○ 続いて「我々も経済が最も厳しかったIMF時期当時、真っ先に打撃を受けた階層は脆弱階層だった。北朝鮮にも幼児がいて子どもたちがいて、妊産婦がいて老弱者層もある」としながら「制裁に伴って打撃を受けざるを得ない脆弱階層に対するシリアルやワクチンが含まれる問題なので、国連精神に反しない決定だと考える」と述べた。
○14日、韓国政府は北朝鮮の脆弱階層のために800万ドル(約8億8000万円)規模の支援計画を発表した。しかし、このような韓国政府の態度が、国連制裁を通じて北朝鮮経済を圧迫しようとする国際社会の取り組みから外れるものだとして批判も起きている。
<引用終わり>
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副題:「人道支援」との抜け穴を利用したつもりの韓国・文在寅政権。異文化・韓国の価値観は理解し難いが考えてみた。
前回は【速報】として、韓国・文在寅政権が、国連で北朝鮮の核兵器に対しての「対話と圧力」のうちの圧力強化をしている最中に、800万ドルを北朝鮮に「人道支援」名目で渡す決定をした、とのトンデモ行動を紹介した。
その事実を紹介することが目的の速報なので、その様なトンデモ行動をした理由等に関しての分析・論考までは踏み込んでおらず、ただ「当事者としての行動がとれない」「日清戦争前夜の李氏朝鮮の遷延策と相似形を成している」「時代を経ても変わらないのが、その民族の魂なのであろう」との、文明論的な指摘のみにとどまった。
今回は、この様なトンデモ行動に関しての論考である。
先ず、事実として、現状は以下の通りであると認識している。
1.北朝鮮は160キロトンの核爆発実験を今月3日に強行している。
2.北朝鮮は先月29日に続いて今月10日にも、射程数千km級の弾道ミサイルを我が国上空を通過する軌道で発射している。
3.これらを以て、北朝鮮は我が国及びアメリカに対して、核兵器を用いての脅迫をしている。(*1)
4.我が国は、これら最近の北朝鮮のヤクザまがいの脅迫がエスカレートする以前から対話による核・弾道ミサイル放棄の道筋を模索してきたが、それら一切が無駄な努力であったとの事実(*2)から、「対話と圧力」との基本姿勢のうち、圧力に軸足を移している。
5.現状、安倍首相の国連演説(*3)に「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」とある様に、従前の「対話だけ」では北朝鮮は核・弾道ミサイルを放棄してこなかった事実から、国際社会が圧力を強めることで北朝鮮が音を上げ、核・弾道ミサイルを放棄する、との道筋で、武力事態に至らない様な平和外交での核・弾道ミサイル危機回避を目指している。
6.そういう状況下、韓国・文在寅政権は、「人道支援」名目で800万ドルを北朝鮮に渡す決定をした。
7.これは「対話と圧力」との基本姿勢の圧力を強めることで、武力事態に至らない状態での核・弾道ミサイル放棄への誘導策を妨害している状態であり、北朝鮮が核・弾道ミサイルを放棄しない事を補助するものである。
8.北朝鮮が核・弾道ミサイルを放棄しない状態を放置する事は、我が国のみならずアメリカにとっても安全保障上の危機に該当し容認できない。そうなると、平和裏に核・弾道ミサイル放棄する道筋への誘導が出来ないとなると、対話と圧力の圧力レベルを上げざるを得ず、武力事態へと進みことを意味する。
9.文在寅がやっている「人道支援」とは、朝鮮半島で武力事態を発生させるものである。
事実認定としては以上である。1.から6.については、安倍首相もトランプ台大統領も明言していることなのだが、我が国の「汚鮮されたマスコミ」は、そういう報道をしてきていないので、違和感を持つ方もいると思う。そういう方は、文末脚注で紹介した論考を御一読いただきたい。それら論考は公的資料を紹介して、それに基づいての論考である。
また、上記の8.及び9.は、既に幾人もの方が想起している蓋然性ある未来事態予測であり、妥当だと判断している部分である。
さて、世界標準で見れば、韓国・文在寅のやっている「人道支援」とは、自国を戦場にするリスクをはらむトンデモ行動なのだが、彼等の主観に於いては違う様だと推定される。
そこで、先ずは、前回【速報】で引用した日経、産経等5社の記事から、「韓国側の言い分内容」を拾ってみた。
拾ってみたのだが、あるのは、以下の様な「こういう決定だ」「こういう方針だ」との「通達」ばかりであり、その様に決定した理由、そういう方針を採用した理由などはまったくなく、「どうして?」とのWhyの疑問に答える様なものは見当たらなかった。
<前回【速報】から「韓国側の言い分」を抜粋引用>
①:時期の話
(日経)「実際の支援の時期と規模は、南北関係など環境を総合的に判断して決める」
(産経)「支援の時期と規模は南北関係の状況などを総合的に考慮し進めていく」
②:「人道支援は別」だとする方針
(日経)「人道支援は政治的状況と関係なく進めていくのが基本的な立場」
(NHK)「北朝鮮の住民への人道支援は政治状況と切り離して進める方針だ」
(産経)「政治状況と人道支援は別」
(TBS)「制裁と北朝鮮の住民に対する人道支援は分けて対処するのが、国際社会が共有する普遍的な原則です」
③:国連制裁決議が出ている状態での「人道支援」決定に関する見解
(日経)北朝鮮への圧力を強める国際社会の足並みを乱すことはない
<抜粋引用終わり。朝日には特になかった>
こんな「方針」や「見解」を「通達」するだけて、その理由を示さすに国際社会が、取り分け日米が納得する訳がない。それ位の事は、韓国政府とてわかっている。
分かっているのに、800万ドル=約9億円相当を北朝鮮にプレゼントする事を決定している。
我が国マスコミは「報道しない自由」を濫用しているので、何かを言っているのに、それを報道していない、との可能性が捨て切れないので、韓国紙がどの様に「報道」しているのかを念の為に調べてみた。当方は諺文を解しないので、韓国紙の日本語サイトを検索してみた。
韓国紙の日本語サイトは、日本人に読ませたくない記事はオミットするそうだが、今回の北朝鮮核・弾道ミサイル問題は、韓国自身と米国を含めた国際社会が相手の問題なので、掲載されているのではないかと検索してみた。韓国紙の論調はアレであることを知っているので、余り期待は出来ないが、「「決め付け」は愚者の行為」であることも知っているので、一応調べてみた。
対象は、韓国の日刊紙の中央日報(*4)と朝鮮日報(*5)の2紙とした。他には東亜日報、連合ニュース等があるが、時間的問題から、検索で上位にきた、この2紙に絞った。
その結果は、我が国マスコミの報道と大同小異であった。
一例として、中央日報の「韓国政府が北朝鮮人道支援が急ぐべきだと判断した根拠」との見出しの記事(*6)を用いて論考を続ける。尚、この記事の日付は「2017年09月15日14時20分」であり、決定発表前の方針発表時の記事である。
先ずは、同記事から「根拠」と思われる部分を以下に抜粋引用する。
①:韓国統一部が北朝鮮に対する人道的支援が急がれる理由として国連安全保障理事会の制裁を挙げた。
②a:「歴代の決議の中で最も強力な制裁決議案が採択された」
↓
②b:「このような強力な制裁に伴う北朝鮮への経済的打撃は避けられないものと予測される」
↓
②c「我々も経済が最も厳しかったIMF時期当時、真っ先に打撃を受けた階層は脆弱階層だった。北朝鮮にも幼児がいて子どもたちがいて、妊産婦がいて老弱者層もある」
↓
②d「制裁に伴って打撃を受けざるを得ない脆弱階層に対するシリアルやワクチンが含まれる問題なので、国連精神に反しない決定だと考える」
以上だけである。
そもそも記事の見出しが「「韓国政府が北朝鮮人道支援が急ぐべきだと判断した根拠」であり、「人道支援」をすることは所与のこと、それが前提であり「時期の問題」との内容だ。
最初から、「何故、核・弾道ミサイルで恫喝している北朝鮮を支援するのか?」との疑問は存在していない様だ。
仕方がないが「根拠」を探すと、最初の①にある様に、「国連の北朝鮮制裁決議があったからだ」とある。その詳細が②aから②dに書いてある.
②aと②bは、まさに国連決議が期待する初期の現象そのものである。
北朝鮮に経済的打撃を与え、それに音を上げた北朝鮮が核・弾道ミサイルの放棄をせざるを得ない状態に追い込み、武力を用いないで、目的である「核と弾道ミサイルの放棄」を達成するとの道筋だ。
逆に言えば、この②aと②bの様な状態の現出がなければ、非軍事的圧力にはなり得ず、圧力のオプションは、武力事態へと移行せざるを得ない。
韓国統一部は、これに続き③cで、この様な国連決議に基づく経済的手段での圧力で最初に打撃を受けるのが「幼児や子ども、妊産婦の脆弱階層と老弱者層」だとして、③dで、これら脆弱階層・老弱者層への「人道支援」を「急ぐべき」だとしている。
しかしちょっと待って欲しい。
我が国は、北朝鮮の核・弾道ミサイルで脅されており、そのミサイルが我が国に着弾した場合、我々日本人の「幼児や子ども、妊産婦」が死ぬのである。
だからこそ、そういう事態を避ける為に、核ミサイルを我が国に打ち込む能力と少なからぬ意志を持つ北朝鮮に対して、核と弾道ミサイルを放棄さえようとしているのである。
韓国統一部は、日本人の「幼児や子ども、妊産婦の脆弱階層と老弱者層」には興味がなく、北朝鮮の「幼児や子ども、妊産婦の脆弱階層と老弱者層」だけを見ていることがわかる。
韓国統一部は、まったく思考していないことも③dの部分で明らかである。
「国連精神に反しない決定だと考える」と称しているが、「人道支援=支援してもOK」との実に単純化した、パターン発想をしている事がわかる。
彼等は「国連決議が出ている状況」でも、「人道支援ならOK」とだけ考えていることがわかるであろう。いや、むしろ「国連決議が出ているから人道支援する」とさえ、言っている。
こういう「パターン発想」では、「国連決議に反しての支援」が現況でどういう意味を持つのかを検討をすることさえ想起できないのであろう。実際、Ⅰ5日のこの記事以降、我が国のみならず、諸外国からも、韓国内からも「何故、この時期に?」との疑問がだされている。
短銃化した等号パターンである「人道支援=支援してもOK」でのみ発想していると確信する、もう1つの理由が「800万ドル」との金額だ。
彼等は、何故、「800万ドル」との金額の「人道支援」をするのか?
どういう根拠で、この金額を算出したのか?
何故、10万ドルではなくて800万ドルなのか?
因みに、昨年2016年の台湾地震の義援金として韓国が出したのは10万ドルである。
そんな説明は一切ない。ただただ「人道支援=支援してもOK」で御仕舞であり、金額根拠など考えていないと思われる。
何が言いたいのかと言うと、韓国政府は、「北朝鮮支援ありき」で考えていることがバレバレであると言う事だ。
今の時期に北朝鮮へ支援することが国際社会でどの様に受け取られるのかを韓国政府は考えているとは思えない行動をしている。韓国人一般の中には、この800万ドル支援をする文在寅に対してかなり批判的な意見を述べている事例もあり、中央日報・朝鮮日報も社説や記事で苦言を呈しているのだが、その視点には違和感を持たざるを得ない。
どの様な違和感かと言うと、子供が公共の場でキャーキャー言いながら走り回っている時に注意された母親が自分の子供に向かって「怖いオジサンに怒られるから止めなさい」と注意する姿にうり二つなのである。子供の躾を「怒られるか怒られないか」で考えているのだったら、それは、その親自体に公徳心の認識がないことを白状しているのと同じであり、そういう躾では、「怒られない状態なら、なにをやっても良い」と誤解させる事になる。
こういう「公徳心なき利己主義目線」の発想に感じる「ちがうでしょ」との違和感と同じ感覚を韓国紙からは感じるのである。
そういうレベルなので、「北を支援したから、ドル決済停止」と言われるのが恐くて「支援時期は未定」とか言っているが、「人道支援」をすること自体も、800万ドルとの金額も取り上げていない。
こういう「事の本質」とは違う部分での言い訳でしかないやり方を見ると、既視感にとらわれる。こういう遷延策は、李氏朝鮮時代の当事者意識ゼロの対応と相似形をなしていることからの既視感である。
かなり長くなったが、前回の最後に書いた「当事者としての行動がとれない」「日清戦争前夜の李氏朝鮮の遷延策と相似形を成している」「時代を経ても変わらないのが、その民族の魂なのであろう」との、文明論的指摘は、今回の論考後も変わりがない。
実は、文在寅の国連総会演説が、こういうパターン思考で出来上がっていることの論証だとか、まだまだ書くべきことは多々あるのだが、韓国に関しては、対北朝鮮問題では、むしろ警戒レベルを上げるべき相手だと言う事を最後に述べて、今回の論考を御仕舞としたい。
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【文末脚注】
(*1):以下の論考の文末脚注(*3)に北朝鮮の脅迫内容を提示してある。
2017/09/09投稿:
核拡散防止条約(NPT)第10条
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-749.html
(*2):対話による核・弾道ミサイル放棄の道筋を模索してきたが、それら一切が無駄な努力であったとの事実
2017/03/17投稿:
北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-649.html
2017/03/18投稿:
続・北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-650.html
(*3):日本時間9月21日未明の国産総会での安倍首相演説
2017/09/21投稿:
安倍首相・国連演説
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-758.html
※従前の「対話だけ」では北朝鮮は核・弾道ミサイルを放棄してこなかった上記(*2)の事実から、「対話と圧力」との基本姿勢のうち、圧力に軸足を移し、国際社会が圧力を強めることで北朝鮮が音を上げ、核・弾道ミサイルを放棄する、との道筋で、武力事態に至らない様な平和外交での核・弾道ミサイル危機回避を目指している。
その言葉が「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」である。
(*4):韓国日刊紙・中央日報日本語サイト
http://japanese.joins.com/
9月22日の昼休み時点で「人道支援」をキーワードにした検索結果、新着順。
(注:表示順は「新着順」を設定しているのだが、検索結果として出てくる記事の「時間」が前後している。)
1:日米首脳「韓国の対北人道支援、慎重に対応を」(2017.09.22 11:13:40)
2:韓国大統領の支持率65.7%、4週連続下落(2017.09.21 11:41:45)
3:北朝鮮政権を肥えさせるだけの支援は「堕落天使」(2)(2017.09.20 15:00:40)
4:文大統領「北朝鮮の核解決に国連が積極的仲裁を」(2017.09.19 12:18:30)
<以下略>
(*5):韓国日刊紙・朝鮮日報日本語サイト
http://www.chosunonline.com/svc/news_search.html
9月22日の昼休み時点で「人道支援」をキーワードにした検索結果。
1:【社説】対北支援決定、韓国だけが完全にずれている(2017.09.22 09:27)
2.米紙「トランプと安倍、文大統領をのけ者にする可能性も」(2017.09.21 22:18)
3.韓国政府が9億円の対北人道支援決定 実施時期は未定(2017.09.21 13:05)
4.北朝鮮危機:韓国政府、安保理決議違反の「南北協力基金」に予算編成(2017.09.21 09:59)
5.【社説】トランプ大統領「北完全破壊」発言が意味するもの(2017.09.21 09:27)
6.対北安保理決議に積極的に参加 独自制裁は検討中=韓国政府(2017.09.20 14:07)
<以下略>
(*6):韓国日刊紙・中央日報記事
見出し:◆韓国政府が北朝鮮人道支援が急ぐべきだと判断した根拠
中央日報日本語版 2017年09月15日14時20分
http://japanese.joins.com/article/480/233480.html?servcode=200§code=200
記事本文:○ 韓国統一部が北朝鮮に対する人道的支援が急がれる理由として国連安全保障理事会の制裁を挙げた。
○15日、統一部の定例記者会見で、イ・ユジン統一部副報道官は、韓国政府が北朝鮮への人道支援が急がれると判断した根拠について「歴代の決議の中で最も強力な制裁決議案が採択された」としながら「このような強力な制裁に伴う北朝鮮への経済的打撃は避けられないものと予測される」と述べた。
○ 続いて「我々も経済が最も厳しかったIMF時期当時、真っ先に打撃を受けた階層は脆弱階層だった。北朝鮮にも幼児がいて子どもたちがいて、妊産婦がいて老弱者層もある」としながら「制裁に伴って打撃を受けざるを得ない脆弱階層に対するシリアルやワクチンが含まれる問題なので、国連精神に反しない決定だと考える」と述べた。
○14日、韓国政府は北朝鮮の脆弱階層のために800万ドル(約8億8000万円)規模の支援計画を発表した。しかし、このような韓国政府の態度が、国連制裁を通じて北朝鮮経済を圧迫しようとする国際社会の取り組みから外れるものだとして批判も起きている。
<引用終わり>



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