安倍首相・国連演説
- 2017/09/21
- 18:41
安倍首相・国連演説

副題:「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」
国連総会が始まり、恒例の冒頭での各国による一般討論演説がなされている。
先日は、アメリカ・トランプ大統領の演説では、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんへの言及があり、それが我が国の外交成果である事は明らかなのだが、それを我が国首相は自慢したりしない。
本日、9月21日未明(現地ニューヨーク時間20日午後)には、安倍首相が一般討論演説をした。(*1:毎日新聞記事)
現状、演説からまだ時間が経っておらず、その文字情報は見当たらないが、報道(*2:産経新聞記事)によれば、演説は、北朝鮮問題に集中したものになったそうだ。
その報道で、安倍首相の発言として紹介されているものを以下に抜粋引用する。
<産経新聞記事から安倍首相発言部分を抜粋引用>
①(北朝鮮の)「脅威はかつてなく重大だ。眼前に差し迫ったものだ」
②(KEDOや6ヶ国協議を例示して)「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」
③(核・弾道ミサイル計画の放棄)「そのため必要なのは対話ではない。圧力だ」と述べた。
④(横田めぐみさんの名前を挙げ)「一日も早く祖国の土を踏み、父や母、家族と抱き合うことができる日が来るよう全力を尽くす」
⑤「拉致、核、ミサイル問題の解決なしに開ける未来などあろうはずもない」
<抜粋引用終わり>
これら安倍首相の発言は、まったくに、その通りである。
先ず、①の北朝鮮が我が国にとって脅威であるとの指摘は、ただ単に、最近の水爆実験や射程距離を延伸させた弾道ミサイルの乱射(*3)だけを根拠に「脅威」と言っている訳ではないことは、後半④で横田めぐみさんの拉致事件という、人道に反し、我が国主権を平気で蹂躙する行為を継続しているのが北朝鮮である。
北朝鮮という国家(国連加盟国なので国家と表している)がやっていることは、国際常識や自由民主主義とは全然違う、欧州中世絶対王政に相似したものである。
その実態は、支那文明圏で培われた朝鮮式専制であるのだが、そういう専制文化背景がある国なのである。
ソ連傀儡の金日成が、信託統治中の戦後朝鮮半島で、南半部アメリカ傀儡李承晩が拙速で信託統治を終了させる「南半部だけでの選挙」を実施したことから、北半部で北朝鮮を建国でき、北朝鮮建国後、僅か数年で南半部に武力侵攻して朝鮮戦争を起こし、戦後は自国内での権力闘争で、延安派や南労党等を粛清し独裁体制を作り、部自称「共産主義国」なのに自分の息子・金正日に「権力」を世襲させた「金王朝」(*3)で、その間、国民を中世欧州の農奴と相似の扱いし続けた。金正日亡き後、その権力は、金日成の孫・金正日の息子である金正恩が継承して現在に至っている。
この様に北朝鮮は、自国内では、中世絶対王朝・農奴体制の様な支配を行い続け、対外的には我が国の少女を拉致し、「蜂谷真由美」との日本人偽名を用いた工作員が航空機爆破テロを行った様に、我が国に対して様々な謀略・情報工作をし続け、1990年代からは核開発・弾道ミサイル開発をし続け、幾度も弾道ミサイルを、我が国上空を通過させたり、近隣海域に着弾させ続けている。
正に、北朝鮮は、我が国・日本人にとっての脅威であり、それが今や核を用いての脅迫を付帯的にしてくるのだから、それを「脅威はかつてなく重大」「眼前に差し迫ったもの」と表現することは的確である。
次の②の部分は、我が国マスコミや共産党等の日本人の命など二の次と考える集団が常用する「話し合え」との言葉の欺瞞性を実際の経緯を以て、あり得ないものだと明確にしたものだ。
「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」
実に簡素に的確に事実を指揮している。
北朝鮮は「対話」をしながら、「対話の目的」と真逆の行動をしていたのが、実際の経緯である。「対話」の影で核と弾道ミサイルを開発し続け、今や、160キロトンの核爆発実験をしており、弾道ミサイルは我が国上空を通過して、かなりの遠方まで到達する性能を有するまでになった。
北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今なのである。(*4)
北朝鮮と「対話」しても無駄。彼等には対話は通用しないのである(*5)
国連という対話の場で、対話を否定することは一筋縄ではいかないのだが、1994年の金日成-カーター会談から始まったKEDOは、北朝鮮の裏切り・約束反故で破綻した。
KEDOの次の対話の枠組みの6ヶ国協議も、やはり北朝鮮の裏切り・約束反故で破綻した。
こういう2度の「対話」破綻の原因は、北朝鮮が最初から、日米他を欺いて、核開発・弾道ミサイル開発の時間稼ぎをする事を意図していたからである。
そういう相手と、今から「対話しろ」と言ってしまえるのは、過去20数年の経緯を知らないか、北朝鮮の代弁者でしかない。
我が国マスコミは「報道をしない自由」を濫用しており、過去20数年の経緯を隠したまま「対話しろ」とだけ「報道」しているのである。
過去20数年の経緯は文末脚注(*4)の論考で、その概要を紹介しているので、是非とも、ご一読いただきたい。
北朝鮮とは、そういう相手なのであるからこそ、核・弾道ミサイル計画の放棄「そのため必要なのは対話ではない。圧力だ」との安倍首相の発言は、至極当たり前の指摘であることがわかるであろう。
また、最後になるが、安倍首相は、ちゃんと横田めぐみさんを演説で取り上げている。
その前日にトランプ大統領が横田めぐみさん(たった13歳のいたいけな日本の女の子)が拉致されている事に言及した(*6)ことと無関係ではない。
もし、トランプ演説と安倍演説が、無関係に、たまたま横田めぐみさんに言及したと考えている方がいるのだったら、それは、余りにも世間知らずである。
今、盛んに「北朝鮮への圧力は戦争を誘発する」などと主客転倒したことを言っている、所謂「サヨク」達は、その昔、「武力行使よりも平和外交で解決を」と叫んでいたが、今、安倍首相がやっている「対話と圧力」を基本とする圧力重視は、対話だけでは何も解決する気がない無頼の北朝鮮に対して「武力行使していない」「平和外交そのもの」である。
こ北朝鮮が、これ以上の挑発を続けると、世界各国は「武力行使に至るに充分な責任が北朝鮮にある」と認知することになる。そういう情勢を国連という舞台で、日米が足並みを揃えての演説を通じて作り上げているのである。
虚心坦懐に安倍外交を評価すると、また凄い成果を上げてくれている、となるのである。
逆に言えば、これ以上の策があるのなら、教えていただきたい。
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【文末脚注】
(*1):安倍首相が国連総会で一般討論演説をしたことを伝えるニュース
毎日新聞
2017年9月21日 05時15分(最終更新 9月21日 05時27分)
見出し:◆安倍首相 国連で演説 北朝鮮の核放棄「必要なのは圧力」
https://mainichi.jp/articles/20170921/k00/00e/010/214000c
記事本文:○安倍晋三首相は20日午後(日本時間21日未明)、米ニューヨークで国連総会の一般討論演説をした。北朝鮮による6回目の核実験と日本列島越えの弾道ミサイル発射に言及し「脅威はかつてなく重大で、眼前に差し迫ったものだ」と強調。過去の対話の試みは「無に帰した」とした上で、核・ミサイル開発放棄のため「必要なのは圧力だ」と訴え、世界各国に結束を求めた。日本人拉致問題も提起し、解決への決意を表明した。
<引用終わり>
(*2):安倍首相の一般討論演説の概要を伝えるニュース
産経ニュース 2017.9.21 09:01更新
見出し:◆安倍晋三首相、北朝鮮一色の異例の国連演説 「差し迫った脅威。論点を集中せざるを得ない」
http://www.sankei.com/politics/news/170921/plt1709210018-n1.html
記事本文:○【ニューヨーク=杉本康士】訪米中の安倍晋三首相は20日午後(日本時間21日未明)の国連総会で一般討論演説を行った。核・ミサイル開発を進める北朝鮮について、全加盟国に「必要なのは行動だ」と述べ、安全保障理事会の制裁決議を完全履行するよう求めた。演説のほぼ全てを北朝鮮問題に費やす異例の内容で「脅威はかつてなく重大だ。眼前に差し迫ったものだ」として危機感の共有を図った。
○演説冒頭で首相は、開発や法の支配、安保理改革など多岐にわたるテーマを挙げた上で「論点をただ一点、北朝鮮に関して集中せざるを得ない」と切り出し、以降は北朝鮮一色の内容となった
○:首相は1994年の米朝枠組み合意、2005年の6カ国合意の裏で北朝鮮が核開発を続けてきたと説明し「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」と批判。北朝鮮との対話は、完全で検証可能で不可逆的な核・弾道ミサイル計画の放棄が条件となるとした上で「そのため必要なのは対話ではない。圧力だ」と述べた。
○:また、トランプ米政権の「全ての選択肢はテーブルの上にある」とする対北朝鮮政策について米国の「一貫して支持する」と強調。北朝鮮の脅威に対して「日本は日米同盟、日米韓3カ国の結束によって立ち向かう」と語った。
○:一方、首相は北朝鮮による拉致問題にも言及した。19日の一般討論演説で拉致された「13歳の少女」に触れたトランプ米大統領と同様に横田めぐみさんの名前を挙げ「一日も早く祖国の土を踏み、父や母、家族と抱き合うことができる日が来るよう全力を尽くす」と宣言した。
○:国連総会には北朝鮮の代表も出席した。これを意識してか、首相は「北朝鮮はアジア太平洋の成長圏に隣接し、立地条件に恵まれている。勤勉な労働力があり、地下には資源がある」と、あえて北朝鮮の潜在的な経済力に言及した。だが同時に「拉致、核、ミサイル問題の解決なしに開ける未来などあろうはずもない」とも述べ、核・ミサイル計画の放棄を求めた。
<引用終わり>
(*3):中世絶対王政相似の北朝鮮「金王朝」
2017/03/17投稿:
北朝鮮「金王朝」との皮肉
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-630.html
(*4):「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」
2017/03/17投稿:
北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-649.html
2017/03/18投稿:
続・北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-650.html
(*5):「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」2
2017/06/05投稿:
話し合い至上主義が通用しない相手
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-745.html
(*6):アメリカ・トランプ大統領の国連演説より抜粋
CNN 「Updated 1711 GMT (0111 HKT) September 19, 2017」
見出し:◆READ: President Trump's speech to the UN General Assembly
(トランプ大統領の国連総会での演説)(和訳は当方による意訳)
http://edition.cnn.com/2017/09/19/politics/president-trump-united-nations-speech/index.html
<横田めぐみさんに言及した部分の前後段落を含めた抜粋引用>
The scourge of our planet today is a small group of rogue regimes that violate every principle on which the United Nations is based. They respect neither their own citizens nor the sovereign rights of their countries.
(我々が住む惑星の惨禍は、国連の根本的原則を尽く踏みにじる少数集団の正統性なき「政権」により引き起こされます。彼らは自国民の尊厳を踏みにじるのと同様に、国家主権の尊厳も尊重しない。)
If the righteous many do not confront the wicked few, then evil will triumph. When decent people and nations become bystanders to history, the forces of destruction only gather power and strength.
(正義の人々の多くが、邪悪な少数者と対峙しなければ、悪は勝利することになる。まともな人々や国家が「歴史の傍観者」になるのならば、邪悪な少数者の破壊力は、力と強さを強化するだけである。)
No one has shown more contempt for other nations and for the wellbeing of their own people than the depraved regime in North Korea. It is responsible for the starvation deaths of millions of North Koreans, and for the imprisonment, torture, killing, and oppression of countless more.
(北朝鮮以外の国々は、自国民の幸福のために、北朝鮮の腐敗した体制に対して、批判することは稀である。しかし、それは、何百万人もの北朝鮮国民の飢餓死、無数の刑務所での懲役、拷問、殺害、抑圧に対して無責任である。)
We were all witness to the regime's deadly abuse when an innocent American college student, Otto Warmbier, was returned to America only to die a few days later. We saw it in the assassination of the dictator's brother using banned nerve agents in an international airport. We know it kidnapped a sweet 13-year-old Japanese girl from a beach in her own country to enslave her as a language tutor for North Korea's spies.
(我々は、アメリカの大学生・オットー・ワームビアがアメリカに帰国して僅か数日後に死んでしまった時、あの政権の決定的な虐待を目の当たりにしたのだ。独裁者の兄が国際空港で、禁止された神経薬剤によって暗殺されたのを見た。我々は知って居る。たった13歳のいたいけな日本の女の子が、自分の国で暮らしていながら、その海岸から誘拐し連れ出し、スパイの語学教師として拉致して、北朝鮮に奴隷的にと間置かれていることを我々は知っている。)
If this is not twisted enough, now North Korea's reckless pursuit of nuclear weapons and ballistic missiles threatens the entire world with unthinkable loss of human life.
(もしも、これらの事を我々が充分に糾えていない場合、北朝鮮による無謀なる核兵器と弾道ミサイルへの追求は、人類に想像を絶する犠牲を強いる程の脅威となる。)
<引用終わり>
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副題:「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」
国連総会が始まり、恒例の冒頭での各国による一般討論演説がなされている。
先日は、アメリカ・トランプ大統領の演説では、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんへの言及があり、それが我が国の外交成果である事は明らかなのだが、それを我が国首相は自慢したりしない。
本日、9月21日未明(現地ニューヨーク時間20日午後)には、安倍首相が一般討論演説をした。(*1:毎日新聞記事)
現状、演説からまだ時間が経っておらず、その文字情報は見当たらないが、報道(*2:産経新聞記事)によれば、演説は、北朝鮮問題に集中したものになったそうだ。
その報道で、安倍首相の発言として紹介されているものを以下に抜粋引用する。
<産経新聞記事から安倍首相発言部分を抜粋引用>
①(北朝鮮の)「脅威はかつてなく重大だ。眼前に差し迫ったものだ」
②(KEDOや6ヶ国協議を例示して)「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」
③(核・弾道ミサイル計画の放棄)「そのため必要なのは対話ではない。圧力だ」と述べた。
④(横田めぐみさんの名前を挙げ)「一日も早く祖国の土を踏み、父や母、家族と抱き合うことができる日が来るよう全力を尽くす」
⑤「拉致、核、ミサイル問題の解決なしに開ける未来などあろうはずもない」
<抜粋引用終わり>
これら安倍首相の発言は、まったくに、その通りである。
先ず、①の北朝鮮が我が国にとって脅威であるとの指摘は、ただ単に、最近の水爆実験や射程距離を延伸させた弾道ミサイルの乱射(*3)だけを根拠に「脅威」と言っている訳ではないことは、後半④で横田めぐみさんの拉致事件という、人道に反し、我が国主権を平気で蹂躙する行為を継続しているのが北朝鮮である。
北朝鮮という国家(国連加盟国なので国家と表している)がやっていることは、国際常識や自由民主主義とは全然違う、欧州中世絶対王政に相似したものである。
その実態は、支那文明圏で培われた朝鮮式専制であるのだが、そういう専制文化背景がある国なのである。
ソ連傀儡の金日成が、信託統治中の戦後朝鮮半島で、南半部アメリカ傀儡李承晩が拙速で信託統治を終了させる「南半部だけでの選挙」を実施したことから、北半部で北朝鮮を建国でき、北朝鮮建国後、僅か数年で南半部に武力侵攻して朝鮮戦争を起こし、戦後は自国内での権力闘争で、延安派や南労党等を粛清し独裁体制を作り、部自称「共産主義国」なのに自分の息子・金正日に「権力」を世襲させた「金王朝」(*3)で、その間、国民を中世欧州の農奴と相似の扱いし続けた。金正日亡き後、その権力は、金日成の孫・金正日の息子である金正恩が継承して現在に至っている。
この様に北朝鮮は、自国内では、中世絶対王朝・農奴体制の様な支配を行い続け、対外的には我が国の少女を拉致し、「蜂谷真由美」との日本人偽名を用いた工作員が航空機爆破テロを行った様に、我が国に対して様々な謀略・情報工作をし続け、1990年代からは核開発・弾道ミサイル開発をし続け、幾度も弾道ミサイルを、我が国上空を通過させたり、近隣海域に着弾させ続けている。
正に、北朝鮮は、我が国・日本人にとっての脅威であり、それが今や核を用いての脅迫を付帯的にしてくるのだから、それを「脅威はかつてなく重大」「眼前に差し迫ったもの」と表現することは的確である。
次の②の部分は、我が国マスコミや共産党等の日本人の命など二の次と考える集団が常用する「話し合え」との言葉の欺瞞性を実際の経緯を以て、あり得ないものだと明確にしたものだ。
「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」
実に簡素に的確に事実を指揮している。
北朝鮮は「対話」をしながら、「対話の目的」と真逆の行動をしていたのが、実際の経緯である。「対話」の影で核と弾道ミサイルを開発し続け、今や、160キロトンの核爆発実験をしており、弾道ミサイルは我が国上空を通過して、かなりの遠方まで到達する性能を有するまでになった。
北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今なのである。(*4)
北朝鮮と「対話」しても無駄。彼等には対話は通用しないのである(*5)
国連という対話の場で、対話を否定することは一筋縄ではいかないのだが、1994年の金日成-カーター会談から始まったKEDOは、北朝鮮の裏切り・約束反故で破綻した。
KEDOの次の対話の枠組みの6ヶ国協議も、やはり北朝鮮の裏切り・約束反故で破綻した。
こういう2度の「対話」破綻の原因は、北朝鮮が最初から、日米他を欺いて、核開発・弾道ミサイル開発の時間稼ぎをする事を意図していたからである。
そういう相手と、今から「対話しろ」と言ってしまえるのは、過去20数年の経緯を知らないか、北朝鮮の代弁者でしかない。
我が国マスコミは「報道をしない自由」を濫用しており、過去20数年の経緯を隠したまま「対話しろ」とだけ「報道」しているのである。
過去20数年の経緯は文末脚注(*4)の論考で、その概要を紹介しているので、是非とも、ご一読いただきたい。
北朝鮮とは、そういう相手なのであるからこそ、核・弾道ミサイル計画の放棄「そのため必要なのは対話ではない。圧力だ」との安倍首相の発言は、至極当たり前の指摘であることがわかるであろう。
また、最後になるが、安倍首相は、ちゃんと横田めぐみさんを演説で取り上げている。
その前日にトランプ大統領が横田めぐみさん(たった13歳のいたいけな日本の女の子)が拉致されている事に言及した(*6)ことと無関係ではない。
もし、トランプ演説と安倍演説が、無関係に、たまたま横田めぐみさんに言及したと考えている方がいるのだったら、それは、余りにも世間知らずである。
今、盛んに「北朝鮮への圧力は戦争を誘発する」などと主客転倒したことを言っている、所謂「サヨク」達は、その昔、「武力行使よりも平和外交で解決を」と叫んでいたが、今、安倍首相がやっている「対話と圧力」を基本とする圧力重視は、対話だけでは何も解決する気がない無頼の北朝鮮に対して「武力行使していない」「平和外交そのもの」である。
こ北朝鮮が、これ以上の挑発を続けると、世界各国は「武力行使に至るに充分な責任が北朝鮮にある」と認知することになる。そういう情勢を国連という舞台で、日米が足並みを揃えての演説を通じて作り上げているのである。
虚心坦懐に安倍外交を評価すると、また凄い成果を上げてくれている、となるのである。
逆に言えば、これ以上の策があるのなら、教えていただきたい。
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【文末脚注】
(*1):安倍首相が国連総会で一般討論演説をしたことを伝えるニュース
毎日新聞
2017年9月21日 05時15分(最終更新 9月21日 05時27分)
見出し:◆安倍首相 国連で演説 北朝鮮の核放棄「必要なのは圧力」
https://mainichi.jp/articles/20170921/k00/00e/010/214000c
記事本文:○安倍晋三首相は20日午後(日本時間21日未明)、米ニューヨークで国連総会の一般討論演説をした。北朝鮮による6回目の核実験と日本列島越えの弾道ミサイル発射に言及し「脅威はかつてなく重大で、眼前に差し迫ったものだ」と強調。過去の対話の試みは「無に帰した」とした上で、核・ミサイル開発放棄のため「必要なのは圧力だ」と訴え、世界各国に結束を求めた。日本人拉致問題も提起し、解決への決意を表明した。
<引用終わり>
(*2):安倍首相の一般討論演説の概要を伝えるニュース
産経ニュース 2017.9.21 09:01更新
見出し:◆安倍晋三首相、北朝鮮一色の異例の国連演説 「差し迫った脅威。論点を集中せざるを得ない」
http://www.sankei.com/politics/news/170921/plt1709210018-n1.html
記事本文:○【ニューヨーク=杉本康士】訪米中の安倍晋三首相は20日午後(日本時間21日未明)の国連総会で一般討論演説を行った。核・ミサイル開発を進める北朝鮮について、全加盟国に「必要なのは行動だ」と述べ、安全保障理事会の制裁決議を完全履行するよう求めた。演説のほぼ全てを北朝鮮問題に費やす異例の内容で「脅威はかつてなく重大だ。眼前に差し迫ったものだ」として危機感の共有を図った。
○演説冒頭で首相は、開発や法の支配、安保理改革など多岐にわたるテーマを挙げた上で「論点をただ一点、北朝鮮に関して集中せざるを得ない」と切り出し、以降は北朝鮮一色の内容となった
○:首相は1994年の米朝枠組み合意、2005年の6カ国合意の裏で北朝鮮が核開発を続けてきたと説明し「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」と批判。北朝鮮との対話は、完全で検証可能で不可逆的な核・弾道ミサイル計画の放棄が条件となるとした上で「そのため必要なのは対話ではない。圧力だ」と述べた。
○:また、トランプ米政権の「全ての選択肢はテーブルの上にある」とする対北朝鮮政策について米国の「一貫して支持する」と強調。北朝鮮の脅威に対して「日本は日米同盟、日米韓3カ国の結束によって立ち向かう」と語った。
○:一方、首相は北朝鮮による拉致問題にも言及した。19日の一般討論演説で拉致された「13歳の少女」に触れたトランプ米大統領と同様に横田めぐみさんの名前を挙げ「一日も早く祖国の土を踏み、父や母、家族と抱き合うことができる日が来るよう全力を尽くす」と宣言した。
○:国連総会には北朝鮮の代表も出席した。これを意識してか、首相は「北朝鮮はアジア太平洋の成長圏に隣接し、立地条件に恵まれている。勤勉な労働力があり、地下には資源がある」と、あえて北朝鮮の潜在的な経済力に言及した。だが同時に「拉致、核、ミサイル問題の解決なしに開ける未来などあろうはずもない」とも述べ、核・ミサイル計画の放棄を求めた。
<引用終わり>
(*3):中世絶対王政相似の北朝鮮「金王朝」
2017/03/17投稿:
北朝鮮「金王朝」との皮肉
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-630.html
(*4):「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」
2017/03/17投稿:
北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-649.html
2017/03/18投稿:
続・北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-650.html
(*5):「対話とは北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」2
2017/06/05投稿:
話し合い至上主義が通用しない相手
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-745.html
(*6):アメリカ・トランプ大統領の国連演説より抜粋
CNN 「Updated 1711 GMT (0111 HKT) September 19, 2017」
見出し:◆READ: President Trump's speech to the UN General Assembly
(トランプ大統領の国連総会での演説)(和訳は当方による意訳)
http://edition.cnn.com/2017/09/19/politics/president-trump-united-nations-speech/index.html
<横田めぐみさんに言及した部分の前後段落を含めた抜粋引用>
The scourge of our planet today is a small group of rogue regimes that violate every principle on which the United Nations is based. They respect neither their own citizens nor the sovereign rights of their countries.
(我々が住む惑星の惨禍は、国連の根本的原則を尽く踏みにじる少数集団の正統性なき「政権」により引き起こされます。彼らは自国民の尊厳を踏みにじるのと同様に、国家主権の尊厳も尊重しない。)
If the righteous many do not confront the wicked few, then evil will triumph. When decent people and nations become bystanders to history, the forces of destruction only gather power and strength.
(正義の人々の多くが、邪悪な少数者と対峙しなければ、悪は勝利することになる。まともな人々や国家が「歴史の傍観者」になるのならば、邪悪な少数者の破壊力は、力と強さを強化するだけである。)
No one has shown more contempt for other nations and for the wellbeing of their own people than the depraved regime in North Korea. It is responsible for the starvation deaths of millions of North Koreans, and for the imprisonment, torture, killing, and oppression of countless more.
(北朝鮮以外の国々は、自国民の幸福のために、北朝鮮の腐敗した体制に対して、批判することは稀である。しかし、それは、何百万人もの北朝鮮国民の飢餓死、無数の刑務所での懲役、拷問、殺害、抑圧に対して無責任である。)
We were all witness to the regime's deadly abuse when an innocent American college student, Otto Warmbier, was returned to America only to die a few days later. We saw it in the assassination of the dictator's brother using banned nerve agents in an international airport. We know it kidnapped a sweet 13-year-old Japanese girl from a beach in her own country to enslave her as a language tutor for North Korea's spies.
(我々は、アメリカの大学生・オットー・ワームビアがアメリカに帰国して僅か数日後に死んでしまった時、あの政権の決定的な虐待を目の当たりにしたのだ。独裁者の兄が国際空港で、禁止された神経薬剤によって暗殺されたのを見た。我々は知って居る。たった13歳のいたいけな日本の女の子が、自分の国で暮らしていながら、その海岸から誘拐し連れ出し、スパイの語学教師として拉致して、北朝鮮に奴隷的にと間置かれていることを我々は知っている。)
If this is not twisted enough, now North Korea's reckless pursuit of nuclear weapons and ballistic missiles threatens the entire world with unthinkable loss of human life.
(もしも、これらの事を我々が充分に糾えていない場合、北朝鮮による無謀なる核兵器と弾道ミサイルへの追求は、人類に想像を絶する犠牲を強いる程の脅威となる。)
<引用終わり>



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