ニュース落穂拾い・島根-広島-愛媛-高知
- 2017/08/21
- 23:51
ニュース落穂拾い・島根-広島-愛媛-高知

副題:北朝鮮の宣言には何故、愛媛が登場しない? 北朝鮮からグアムの方向に弾道ミサイルが飛べば、島根-広島-愛媛-高知のはず。マイナーだからかな?
題名にある通り、取り上げなかったニュースを題材にした落穂拾いである。
「落穂拾い」なので、題材とするニュースは少々古いが、それは予めご承知いただきたい。
今回取り上げるのは、以前論評した「島根、広島、高知上空通過」の話である。
8月10日、産経、朝日他のネットニュースでは北朝鮮弾道ミサイルのグアム近海へ向けての発射予定のニュースが報道された。
北朝鮮の「人民軍戦略軍司令官」が弾道ミサイルをグアム近海に打ち込む、その際、弾道ミサイルは島根、広島、高知上空を通過することになるとした話を北朝鮮メディアが伝えた。そのことから、同日の衆院安全保障委員会でも議題になったものである。本件については、我国マスコミの報道姿勢が歪んでいるとの視点で論評済(*1)だが、その論評の資料のうち、論評で使用しなかったものがある。
それが今回の「落穂」である。
先ずは、その落穂記事の抜粋を紹介する。
記事全文は文末脚注(*2)にて引用してある。
<落穂記事から抜粋>
(前略)香川県選出の玉木氏は、北朝鮮の司令官がミサイルについて島根、広島、高知3県の上空を通過すると予告したことに言及。航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が中国・四国に配備されていないことを挙げて「明確に上空通過を明示しているのに空白地域なのは問題だ」と指摘し、PAC3の配置変更を小野寺氏に求めた。
○これに対し、小野寺氏は「日本全国が安心できる態勢を構築したい」と述べるにとどめた。
<抜粋引用終わり>
抜粋引用した「香川県選出の玉木氏」とは、同記事前段では「民進党の玉木雄一郎幹事長代理」とあり、あの加計学園騒ぎで獣医師会・文科省の既得権益側の立場で、あたかも戦略特区選定過程に不正常なプロセスがあったかの様な「質問」を国会でしていた人物である。
この民進党玉木の質問を記事だけで見ると、自分の地元・香川の近隣である島根、広島、高知の上空を通過すると北朝鮮に名指しされたので、弾道ミサイル防衛(*3)のうちの終末防衛用のパトリオットPAC-3を配備せよという趣旨のことを言っているのである。
これは表面的には随分とまともで、「国民が被るリスクの軽減」との視点からは正しい指摘である。
民進党には、国民が餓死するまで何をするなと国民の命を蔑ろにする枝野(*4)の様な人物もいるのに、今回の北朝鮮ミサイルの上空通過に関しては、玉木は表面的には正しいことを言っているのである。その種明かしは後ほどとしよう。
野党議員の中には、弾道ミサイルに対する政府のリスク対策に対して「悪戯に不安を煽るな」と言っている議員もいる。
その典型的議員が社民党の福嶋瑞穂である。
我国のミサイル防衛は宇宙空間が迎撃するイージス艦のSM-3と地上配備型の終末防衛用のパトリオットPAC-3の2段構えである。宇宙空間で迎撃された弾道ミサイルの破片は、大気圏突入時に燃え尽き、落ちてくる可能性はほぼない。ここで「ほぼない」と表現したのは、何事も100%はあり得ないという意味だけで、実質的には「破片が危険」とかはあり得ない。
一方、パトリオットPAC-3の迎撃高度は、概ね1万5千mから2万mだと言われている。
旅客機の巡航高度は概ね1万mだから、それよりもかなり高いものの、大気圏内である。
大気圏内で破片化されるので、燃え尽きないのだが、実際は、バラバラになった破片は、破壊前のミサイル本体が与える被害に比べ、まったくに軽微であり、事実上、人間が破片に当り落命する確率は極端に低い。要する、「迎撃したら破片が危険」なる話は、あたかも破片が家屋や車両に多大な被害をもたらすカタマリであるかの様な間違った印象操作の上に築かれた妄想話である。
この「迎撃したら破片が危険」なる地球上の物理法則と確率をマルっと無視した妄想を、国会で質問していたのは、あの福島瑞穂である。(*5)
2009年(平成21年)3月26日の参議院・予算委員会の議事録に、それは記録されている。
常識的な物理法則や確率論の一切を吹っ飛ばしての福嶋瑞穂の印象操作に易々と乗っているのが、当時の防衛大臣である浜田靖一である。オヤジの浜田幸一は、良くも悪くも古い政治家で、それなりに面白い面もあったが、浜田靖一は小物である。小物・浜田靖一が福嶋瑞穂の妄想に付き合って答弁したので、未だに「迎撃すると破片が危険」なる非常識な言説が流通していると解している。
尚、浜田靖一は、防衛大臣当時、マスコミが騒ぐと、田母神統合幕僚長候補(当時は航空幕僚長)を、有無を言わさず解任した防衛大臣だ。「問題」だとされた田母神論文(*6)を当時実際に読んだ感想は、「全体の流れ・構成は、史実通り。ただ説明が端折り過ぎで、分かる人にしか分からない」であった。
閑話休題 話を戻す
北朝鮮が、グアムに向けて弾道ミサイルを発射する、とのチンピラの脅しは、後先考えればやる訳がない単なる虚勢だ、とずる後知恵ではなく、発表当日の午前中の時点では、リスクマネジマントの発想(*7)から、対応体制を敷く必要があるものである。
そんな難しいことではなくても、民進党・玉木が直観的に感じたであろう危険性の話である。
弾道ミサイルが上空を通過するのに、弾道ミサイル防衛目的のPAC-3が中国・四国に配備されていない空白地域なのは問題だと考えるのは自然である。
その際、過去、民進党(その前身の民主党、社会党)が防衛問題に冷淡だったことは関係がない。そういう状態になれば、誰しもが危険性を感じるのである。
逆に言えば、そういう危険性を感じることがない様に未然に防止する策(*8)や、弾道ミサイル防衛体制整備に反対する方がリスク想定を間違っていたと言えるのである。
改造内閣で防衛大臣に返り咲いた小野寺大臣は、我国ミサイル防衛の主幹がイージス艦搭載のSM-3にあることを知っており、そういう答弁をしているが、確かに、国民の不安の払拭という点も重要なので、名指しされた、島根、広島、高知の3県にある自衛隊駐屯地にパトリオットPAC-3部隊を移動・展開させた。
加えて、愛媛の松山駐屯地にもパトリオットPAC-3部隊を展開した。
これは、地図を見ればわかる通り、北朝鮮からグアムに向けて弾道ミサイルを撃った場合、<朝鮮半島-日本列島の中国・四国-マリアナ諸島・グアム島>との飛行ルートとなり、広島と高知の間には、西側に愛媛、東側に香川・徳島が存在しているが、射線方向からは、それが愛媛であることが分かるので、リスク対策として、名指しされた3県のみならず、愛媛にも展開したものだと思われる。
今回の民進党・玉木の「中国・四国にパトリオットを!」との話は、名指しされた県の県民の安心の為には有用であろうが、この玉木の発言は、実は「悪戯に煽るな」を自分自身でやっていることには気が付かないのであろう。
我国BMDの主役はイージス艦のSM-3ミサイルでの迎撃である。それが分かっている小野寺防衛大臣はその旨を答弁している。民進党・玉木は上空通過県の近隣ではあるが、射線方向が違う香川県選出議員だ。
一方、名指しされた島根、広島、高知の各県出身の議員は、何故、「PAC-3を配備せよ」とは騒いでいないのか?
それは、実態が分かっているからであろう。因みに島根、広島、高知の各県出身の代表的議員を以下に紹介する。
・島根:細田博之 前自民党総務会長
・広島:岸田文雄 前外務大臣
・高知:中谷元 元防衛大臣
これら、所謂「大物議員」が、玉木に様に騒ぐことはない。
本当に必要ならば、粛々と配備するであろう。
要するにそういうことだ。
我国には、パトリオットPAC-3部隊は18しかない。
その内の4を島根、広島、愛媛、高知に集中した。その分、他が手薄になる。
PAC-3部隊を、日本全国の都道府県に1つづつ配備することは出来ない数しか、防衛予算で認められてこなかったし、その必要性も低いが、如何せん少ない。
そうであるにも関わらず、中国・四国4県に1つづつ展開することとなった。
安心感の為には賛成するが、どうなのだろう。
さて、一番最初の副題を思い出していただきたい。
<副題:北朝鮮の宣言には何故、愛媛が登場しない? 北朝鮮からグアムの方向に弾道ミサイルが飛べば、島根-広島-愛媛-高知のはず。マイナーだからかな?>
ここで言う「マイナーだからかな?」とは、愛媛がマイナーなのではなく、選出議員の顔ぶれのことだ。そんなことを考えさせる記事であった。
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【文末脚注】
(*1):上空通過北朝鮮弾道ミサイルに関するニュースへの論評
2017/08/14投稿:
北朝鮮ミサイル上空通過計画に関する報道
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-730.html
2017/08/15投稿:
続・北朝鮮ミサイル上空通過計画に関する報道
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-731.html
(*2)<落穂記事>産経記事
産経ニュース 2017.8.10 12:24更新
見出し:◆小野寺五典防衛相「万一に備え態勢整えている」
http://www.sankei.com/politics/news/170810/plt1708100021-n1.html
記事本文:○小野寺五典防衛相は10日午前の衆院安全保障委員会で、北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍司令官が米領グアムの「包囲射撃」計画を表明したことについて「防衛省・自衛隊は、万が一のさまざまな事態に備え、日ごろからしっかりした態勢を整えている」と述べた。民進党の玉木雄一郎幹事長代理の質問に答えた。
○小野寺氏は、米国のティラーソン国務長官が外交的解決の優先を表明しているとも指摘し「ロシアや中国も参加した経済制裁の強化が決まっている。このメッセージを北朝鮮が受け止め、核・ミサイルや拉致問題を解決できるよう努力していきたい」と語った。
○一方、香川県選出の玉木氏は、北朝鮮の司令官がミサイルについて島根、広島、高知3県の上空を通過すると予告したことに言及。航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が中国・四国に配備されていないことを挙げて「明確に上空通過を明示しているのに空白地域なのは問題だ」と指摘し、PAC3の配置変更を小野寺氏に求めた。
○これに対し、小野寺氏は「日本全国が安心できる態勢を構築したい」と述べるにとどめた。
<引用終わり>
(*3):弾道ミサイル防衛の概要
2017/04/04投稿:
BMD・弾道ミサイル防衛
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-639.html
(*4):国民の命を蔑ろにする枝野
2015/03/04投稿:
【コラム】民主党・枝野の国会発言「日本人が餓死するまで何もするな」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-42.html
(*5):ミサイルを迎撃したら破片が落ちてきて危険との妄言
参議院 予算委員会 18号 平成21年03月26日
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/171/0014/17103260014018.pdf
※発言者:社民党、福嶋瑞穂
(*6):田母神論文pdf
日本は侵略国家であったのか
http://seinensha.com/ronbun.pdf
※アパグループ主催の「真の近現代史観」懸賞論文の第一回最優秀賞受賞作。2008年10月31日に公表
(*7):リスクマネジメント発想での対応
2017/04/19投稿:
リスクマネジメント
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-651.html
(*8):危険性を感じることがない様に未然に防止する策
2017/05/25投稿:
憲法議論2・憲法9条・議論の出発点
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-677.html
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副題:北朝鮮の宣言には何故、愛媛が登場しない? 北朝鮮からグアムの方向に弾道ミサイルが飛べば、島根-広島-愛媛-高知のはず。マイナーだからかな?
題名にある通り、取り上げなかったニュースを題材にした落穂拾いである。
「落穂拾い」なので、題材とするニュースは少々古いが、それは予めご承知いただきたい。
今回取り上げるのは、以前論評した「島根、広島、高知上空通過」の話である。
8月10日、産経、朝日他のネットニュースでは北朝鮮弾道ミサイルのグアム近海へ向けての発射予定のニュースが報道された。
北朝鮮の「人民軍戦略軍司令官」が弾道ミサイルをグアム近海に打ち込む、その際、弾道ミサイルは島根、広島、高知上空を通過することになるとした話を北朝鮮メディアが伝えた。そのことから、同日の衆院安全保障委員会でも議題になったものである。本件については、我国マスコミの報道姿勢が歪んでいるとの視点で論評済(*1)だが、その論評の資料のうち、論評で使用しなかったものがある。
それが今回の「落穂」である。
先ずは、その落穂記事の抜粋を紹介する。
記事全文は文末脚注(*2)にて引用してある。
<落穂記事から抜粋>
(前略)香川県選出の玉木氏は、北朝鮮の司令官がミサイルについて島根、広島、高知3県の上空を通過すると予告したことに言及。航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が中国・四国に配備されていないことを挙げて「明確に上空通過を明示しているのに空白地域なのは問題だ」と指摘し、PAC3の配置変更を小野寺氏に求めた。
○これに対し、小野寺氏は「日本全国が安心できる態勢を構築したい」と述べるにとどめた。
<抜粋引用終わり>
抜粋引用した「香川県選出の玉木氏」とは、同記事前段では「民進党の玉木雄一郎幹事長代理」とあり、あの加計学園騒ぎで獣医師会・文科省の既得権益側の立場で、あたかも戦略特区選定過程に不正常なプロセスがあったかの様な「質問」を国会でしていた人物である。
この民進党玉木の質問を記事だけで見ると、自分の地元・香川の近隣である島根、広島、高知の上空を通過すると北朝鮮に名指しされたので、弾道ミサイル防衛(*3)のうちの終末防衛用のパトリオットPAC-3を配備せよという趣旨のことを言っているのである。
これは表面的には随分とまともで、「国民が被るリスクの軽減」との視点からは正しい指摘である。
民進党には、国民が餓死するまで何をするなと国民の命を蔑ろにする枝野(*4)の様な人物もいるのに、今回の北朝鮮ミサイルの上空通過に関しては、玉木は表面的には正しいことを言っているのである。その種明かしは後ほどとしよう。
野党議員の中には、弾道ミサイルに対する政府のリスク対策に対して「悪戯に不安を煽るな」と言っている議員もいる。
その典型的議員が社民党の福嶋瑞穂である。
我国のミサイル防衛は宇宙空間が迎撃するイージス艦のSM-3と地上配備型の終末防衛用のパトリオットPAC-3の2段構えである。宇宙空間で迎撃された弾道ミサイルの破片は、大気圏突入時に燃え尽き、落ちてくる可能性はほぼない。ここで「ほぼない」と表現したのは、何事も100%はあり得ないという意味だけで、実質的には「破片が危険」とかはあり得ない。
一方、パトリオットPAC-3の迎撃高度は、概ね1万5千mから2万mだと言われている。
旅客機の巡航高度は概ね1万mだから、それよりもかなり高いものの、大気圏内である。
大気圏内で破片化されるので、燃え尽きないのだが、実際は、バラバラになった破片は、破壊前のミサイル本体が与える被害に比べ、まったくに軽微であり、事実上、人間が破片に当り落命する確率は極端に低い。要する、「迎撃したら破片が危険」なる話は、あたかも破片が家屋や車両に多大な被害をもたらすカタマリであるかの様な間違った印象操作の上に築かれた妄想話である。
この「迎撃したら破片が危険」なる地球上の物理法則と確率をマルっと無視した妄想を、国会で質問していたのは、あの福島瑞穂である。(*5)
2009年(平成21年)3月26日の参議院・予算委員会の議事録に、それは記録されている。
常識的な物理法則や確率論の一切を吹っ飛ばしての福嶋瑞穂の印象操作に易々と乗っているのが、当時の防衛大臣である浜田靖一である。オヤジの浜田幸一は、良くも悪くも古い政治家で、それなりに面白い面もあったが、浜田靖一は小物である。小物・浜田靖一が福嶋瑞穂の妄想に付き合って答弁したので、未だに「迎撃すると破片が危険」なる非常識な言説が流通していると解している。
尚、浜田靖一は、防衛大臣当時、マスコミが騒ぐと、田母神統合幕僚長候補(当時は航空幕僚長)を、有無を言わさず解任した防衛大臣だ。「問題」だとされた田母神論文(*6)を当時実際に読んだ感想は、「全体の流れ・構成は、史実通り。ただ説明が端折り過ぎで、分かる人にしか分からない」であった。
閑話休題 話を戻す
北朝鮮が、グアムに向けて弾道ミサイルを発射する、とのチンピラの脅しは、後先考えればやる訳がない単なる虚勢だ、とずる後知恵ではなく、発表当日の午前中の時点では、リスクマネジマントの発想(*7)から、対応体制を敷く必要があるものである。
そんな難しいことではなくても、民進党・玉木が直観的に感じたであろう危険性の話である。
弾道ミサイルが上空を通過するのに、弾道ミサイル防衛目的のPAC-3が中国・四国に配備されていない空白地域なのは問題だと考えるのは自然である。
その際、過去、民進党(その前身の民主党、社会党)が防衛問題に冷淡だったことは関係がない。そういう状態になれば、誰しもが危険性を感じるのである。
逆に言えば、そういう危険性を感じることがない様に未然に防止する策(*8)や、弾道ミサイル防衛体制整備に反対する方がリスク想定を間違っていたと言えるのである。
改造内閣で防衛大臣に返り咲いた小野寺大臣は、我国ミサイル防衛の主幹がイージス艦搭載のSM-3にあることを知っており、そういう答弁をしているが、確かに、国民の不安の払拭という点も重要なので、名指しされた、島根、広島、高知の3県にある自衛隊駐屯地にパトリオットPAC-3部隊を移動・展開させた。
加えて、愛媛の松山駐屯地にもパトリオットPAC-3部隊を展開した。
これは、地図を見ればわかる通り、北朝鮮からグアムに向けて弾道ミサイルを撃った場合、<朝鮮半島-日本列島の中国・四国-マリアナ諸島・グアム島>との飛行ルートとなり、広島と高知の間には、西側に愛媛、東側に香川・徳島が存在しているが、射線方向からは、それが愛媛であることが分かるので、リスク対策として、名指しされた3県のみならず、愛媛にも展開したものだと思われる。
今回の民進党・玉木の「中国・四国にパトリオットを!」との話は、名指しされた県の県民の安心の為には有用であろうが、この玉木の発言は、実は「悪戯に煽るな」を自分自身でやっていることには気が付かないのであろう。
我国BMDの主役はイージス艦のSM-3ミサイルでの迎撃である。それが分かっている小野寺防衛大臣はその旨を答弁している。民進党・玉木は上空通過県の近隣ではあるが、射線方向が違う香川県選出議員だ。
一方、名指しされた島根、広島、高知の各県出身の議員は、何故、「PAC-3を配備せよ」とは騒いでいないのか?
それは、実態が分かっているからであろう。因みに島根、広島、高知の各県出身の代表的議員を以下に紹介する。
・島根:細田博之 前自民党総務会長
・広島:岸田文雄 前外務大臣
・高知:中谷元 元防衛大臣
これら、所謂「大物議員」が、玉木に様に騒ぐことはない。
本当に必要ならば、粛々と配備するであろう。
要するにそういうことだ。
我国には、パトリオットPAC-3部隊は18しかない。
その内の4を島根、広島、愛媛、高知に集中した。その分、他が手薄になる。
PAC-3部隊を、日本全国の都道府県に1つづつ配備することは出来ない数しか、防衛予算で認められてこなかったし、その必要性も低いが、如何せん少ない。
そうであるにも関わらず、中国・四国4県に1つづつ展開することとなった。
安心感の為には賛成するが、どうなのだろう。
さて、一番最初の副題を思い出していただきたい。
<副題:北朝鮮の宣言には何故、愛媛が登場しない? 北朝鮮からグアムの方向に弾道ミサイルが飛べば、島根-広島-愛媛-高知のはず。マイナーだからかな?>
ここで言う「マイナーだからかな?」とは、愛媛がマイナーなのではなく、選出議員の顔ぶれのことだ。そんなことを考えさせる記事であった。
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【文末脚注】
(*1):上空通過北朝鮮弾道ミサイルに関するニュースへの論評
2017/08/14投稿:
北朝鮮ミサイル上空通過計画に関する報道
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-730.html
2017/08/15投稿:
続・北朝鮮ミサイル上空通過計画に関する報道
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-731.html
(*2)<落穂記事>産経記事
産経ニュース 2017.8.10 12:24更新
見出し:◆小野寺五典防衛相「万一に備え態勢整えている」
http://www.sankei.com/politics/news/170810/plt1708100021-n1.html
記事本文:○小野寺五典防衛相は10日午前の衆院安全保障委員会で、北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍司令官が米領グアムの「包囲射撃」計画を表明したことについて「防衛省・自衛隊は、万が一のさまざまな事態に備え、日ごろからしっかりした態勢を整えている」と述べた。民進党の玉木雄一郎幹事長代理の質問に答えた。
○小野寺氏は、米国のティラーソン国務長官が外交的解決の優先を表明しているとも指摘し「ロシアや中国も参加した経済制裁の強化が決まっている。このメッセージを北朝鮮が受け止め、核・ミサイルや拉致問題を解決できるよう努力していきたい」と語った。
○一方、香川県選出の玉木氏は、北朝鮮の司令官がミサイルについて島根、広島、高知3県の上空を通過すると予告したことに言及。航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が中国・四国に配備されていないことを挙げて「明確に上空通過を明示しているのに空白地域なのは問題だ」と指摘し、PAC3の配置変更を小野寺氏に求めた。
○これに対し、小野寺氏は「日本全国が安心できる態勢を構築したい」と述べるにとどめた。
<引用終わり>
(*3):弾道ミサイル防衛の概要
2017/04/04投稿:
BMD・弾道ミサイル防衛
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-639.html
(*4):国民の命を蔑ろにする枝野
2015/03/04投稿:
【コラム】民主党・枝野の国会発言「日本人が餓死するまで何もするな」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-42.html
(*5):ミサイルを迎撃したら破片が落ちてきて危険との妄言
参議院 予算委員会 18号 平成21年03月26日
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/171/0014/17103260014018.pdf
※発言者:社民党、福嶋瑞穂
(*6):田母神論文pdf
日本は侵略国家であったのか
http://seinensha.com/ronbun.pdf
※アパグループ主催の「真の近現代史観」懸賞論文の第一回最優秀賞受賞作。2008年10月31日に公表
(*7):リスクマネジメント発想での対応
2017/04/19投稿:
リスクマネジメント
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-651.html
(*8):危険性を感じることがない様に未然に防止する策
2017/05/25投稿:
憲法議論2・憲法9条・議論の出発点
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-677.html



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