13.大日本帝国憲法と日本国憲法比較のまとめ
- 2015/03/21
- 10:13
13.大日本帝国憲法と日本国憲法比較のまとめ

本ブログでは、一応ながら、大日本帝国憲法の告文、憲法発布勅語、憲法全76条と日本国憲法の上諭、前文、憲法全103条を比較しながら総てを読んできた。
帝国憲法と現行憲法を比較しながらの形式としたのは、現行憲法「だけ」を読んでいると陥る錯誤を防止する為だ。
実際、現行憲法のかなり多数の条文が帝国憲法条文からのコピペ・引き継ぎ条文であったことがわかったであろう。
また、帝国憲法条文をベースに表現方法を変えるだけの上書きをしたり、なんらかの追加をしている条文も多々あったことがわかっただろう。
一方、帝国憲法にあった条文が現行憲法ではなくなっている部分は「何がなくなったか」がわかったであろう。なくなったのは帝国憲法建て付けで主権持つとされた天皇大権関係条項と緊急事態対応関係条項の2つが主要なものであった。
そして、帝国憲法にはなかった条文や考え方が現行憲法で追加されているケースも多々見られた。その類型はA:天皇大権構造の破棄に基づく変更、B:米国憲法に似せる為の変更、米国憲法を輸入したための新設等、C:日本非武装化の為の変更など、があることが理解できたと思う。
そっくり入れ替わったのが日本国憲法前文である。
日本国憲法の前文には「天皇」との単語が一度も登場しない。
我が国理念を表すはずの憲法の前文に我が国国柄・歴史と一体不可分である「天皇」がまったく登場してない異様さに気付いたはすである。
現行憲法は我が国占領下主権喪失期に改憲された憲法であり、その内容には多くの問題が含まれていたことも理解できたと思う。
もっとも重要な点は、この憲法では日本人の平和・安全・幸福追求よりも「他国の平和」が優先されていることにある。
憲法前文及び様々な条文が占領軍GHQの視点で書かれており、我々日本人が我が国国柄や歴史を踏まえて日本人の幸福の為に日本人がまとめた憲法ではない。
それ故に、この憲法を守り、この憲法の理念を実践することでは日本人の幸福が増進しないとの矛盾が生じている。
コラムでも書いたが、イラン・イラク戦争時に諸外国が自国民救出の為に、フランスはエアフラが、ドイツはルフトハンザが飛んだのに、我が国は憲法規定で自国機飛ばせずトルコ航空の英雄的行動で難を逃れた。
日本人の命を危険に晒してしまうとの日本国憲法との欠陥があらわになった事件から早くも約40年が経ったのだが、2015年現在も憲法の制約で日本は日本人を救うことが出来ないでいる。救う為には「多くの日本人が餓死しなければ」日本は日本人を救う動きをとることが出来ないとの言説が国会でなされているのが相変わらずの現状である。
日本人の生命や幸福よりも憲法を大事にする国会議員や弁護士や官僚等がいる。
その理由は「憲法にその様に書いてある」からである。
今回の記事は、大日本帝国憲法と日本国憲法の総てを読んできた結果のまとめである。
ブログの憲法研究はかなりの長文となったので、忘れてしまった点や欠落してる点があるかもしれない。その様な場合にはコメントいただければ幸いである。
有益なコメントには真摯に対応する所存であることは、このブログの最初と二番目の記事で明言している通りである。
全文を読んだ上で全体を俯瞰して浮き上がってくる問題点は大きくは以下の5点であろう。
1)敗戦国日本を占領統治しようとする姿勢で書かれた前文・条文
↓
日本国は日本人の国家であり、日本人の幸福を守るとの理念で書かれるべき。
有色人種を同等と見ない欧米植民地主義が世界秩序だった時代に於いて、有色人種アジアの人々を使役・搾取する白人植民地主義に対して東亜解放を掲げ、彼等の経済利得権益を破壊し民族自決・自存自立の世界観実現の為に行動した唯一の近代化有色人種日本。
この東亜解放を、白人植民地主義者が設定していた世界秩序を破壊する「侵略者」悪玉と位置付け、再発防止の為に監視下に置き封じ込めるとの姿勢が主眼であった時代に書かれたのが日本国憲法である。
その姿勢は前文に貫かれ、封じ込めの為の非武装化憲法9条、強力なる君民一致国家を構成する天皇大権の否定(憲法1条他)として日本国憲法に通底している。
今や植民地主義は誤りだとの新世界秩序へと人類史は進展しており、被植民地だった東南アジア各国は自存自立した。大東亜戦争の大義が現実世界で実現したのだが大義掲げた日本は悪玉として扱われ続けてきた。しかし21世紀の現在、旧敵国だった米国、英国をはじめ大多数の国が既に我が国を悪玉とは認定していない。それなのに我が国はいまだ70年前の悪玉論のままを掲げた憲法を継続使用している。それ故に、特殊な華夷秩序・腐儒思想に汚染された特定国は、その憲法利用して後年捏造した「歴史」に基づく現在利益を得る為に我が国に対して奇妙な要求をし続けている。なんというねじ曲がった構造であることか。戦後に作られたレジュームを脱却する時期だと考える。
2)歴史的経緯・文化の違いを無視して導入された洋式人権思想の無批判な導入
↓
帝国憲法で掲げられた我が国国柄歴史に立脚した「君民一致」の考え方、皆で日本人の幸福を増進する国家をつくっていこうとの考え方の中で天皇自身が謳い上げた自己抑制の精神での書き様にすべし
欧州絶対王政への対抗として成立した人権思想、欧州絶対王政下で獲得した貴族・民衆の権利を成文化した西洋型の憲法、それら西欧型憲法は、その歴史から「憲法とは権力抑制の歴史の成文化」との見方で出来ている。
しかし我が国は、仁徳天皇の逸話にある様に、紀元1世紀には君民一致・民は宝との理念があり、その歴史・理念に則り、帝国憲法は大権を持つとされた明治天皇自身が、その理念を大切にし、継続して実現化する為に、天皇大権に自ら制限を加え、同時に国民に対して憲法を一緒に守り、一緒に良き国を創ろうと呼びかけているのである。
日本国憲法は、この様な我が国の国柄とは異質な言い様の条文が、何ら考慮されずに米国憲法等から直輸入されている。西洋人権思想でも良い部分は導入すべきだが、君民一致の我が国国柄と違う部分は再考が必要だと考えている。
現行憲法99条:憲法遵守義務対象者に国民の記載なし。
3)米国憲法直輸入し歴史的経緯・文化の違いを無視。
↓
司法権が分散されている。これは米国制度直輸入。これでいいのか?
米国司法制度は「50の州と1つの連邦の合計51ある」と言われる。それは各stateとUnited States とで構成されている米国の国家体制に合致した考え方である。
一方、我が国は都道府県様々あれど一つの国家との国家体制の国である。
米国の国家制度が基盤にあってこその司法権分散分散司法制度を、我が国の様な一つの国家との国柄の国に直輸入してしまった条文がある。
同様、司法制度だけでなく、合衆国(合州国)のお国柄を基盤とした考え方を無批判に入りこんでいる条文がある。これらは我が国の国柄にあわせ改正すべきだと考えている。
4)非武装なる夢想に基づき、緊急事態を想定する条文がない。
↓
緊急時には一時的制限あるとの但し書きは条文に必要。
交戦権の否定、陸海空軍その他の戦力不保持とか行き過ぎの非武装規定。自衛権はあるし、自衛の為の戦力があるのは世界標準。自衛隊員の国際法上の軍人の身分も明確化すべき。
帝国憲法では存在していた緊急事態時に備えた対応条文のほぼ総てが削除されており、緊急時が想定されてない憲法となっている。
国民の権利の一時的制限は憲法が保証する国民の権利の持続性を担保する為には必要なのだから、国家存亡の危機に於いては一時的制限を加えても国民の権利を保証する体制の維持は必要。それ故に、その旨の但し書き記載は必要。
現行憲法は非常事態は発生しないとの夢想で書かれており問題がある。
さて一方の大日本帝国憲法だが、帝国憲法にも種々の問題点あったことは帝国憲法全文を読んだ方であれば理解できたと思う。
なんと言っても帝国憲法は制定時から125年が経過しており、運営停止時から約70年が経過しており、既に世紀が変わっており、現在の社会制度としては時代性が違ってしまっている。約70年前にアップデートを停止したのだから仕方ない。
帝国憲法の問題点を知ることで、現行憲法改憲後の憲法はどの様な憲法が良いのかを考える一助になるとの意識で以下の様に問題点をまとめてみた。
帝国憲法の問題点
1)総てを天皇大権に帰属するとの建て付けにしてあることで実務責任者の規定が不十分。
・実質は内閣制なのだが内閣の規定がない。
・三権実務者の相互牽制制度が規定されていない。
(立法府牽制の司法による違憲立法審査権、司法牽制の立法府による弾劾裁判所がない)
・天皇大権への輔弼を誰がするのかの実務者規定がない。
(統帥権・編成権問題)
・裁判官に対する国民の審査投票権がない
・皇室典範(旧)と帝国憲法が並列扱いで、憲法が最高法規と規定出来ていない。
2)起草が19世紀との時代性から国民の権利・義務が現代感覚では記述少ない。
・現行憲法第23条にある学問の自由に関する条文がない。
・現行憲法25条にある「最低限の生活の保証」等は今の時代には必要
3)実質は実行できているのだが、憲法には条文がない事項がある。
・教育の義務
・地方自治の基本的考え方の明記が必要
大日本帝国憲法を総て読んでも、上記1)の建て付けの問題以外は問題点はない様に思う。
逆に言えば帝国憲法の問題点はやはり建て付けに無理があったのだと思う。
統帥権・編成権の部分で論述した様に、統帥権を輔弼して実務責任を負うのは誰か、編成権を輔弼し実務責任を負うのは誰か、との規定がない。天皇大権下で内閣総理大臣(その規定もない)や枢密顧問が立派な人物で、明治の元勲が「運用」していた時代は良かったのだろうが、元勲鬼籍に入りたる後は、憲法に規定がないとの欠陥が露呈し問題化したと考えている。三権分立・三権間での相互牽制制度、義務と権限の明示は必要だ。
尚、上記3)で指摘した「学問の自由・教育の義務」の条文は帝国憲法にないが、帝国憲法発布の翌年には教育勅語が発布されており、実際はちゃんと出来てるとの実例がある。加えて、現行憲法の多くの条文が帝国憲法条文のコピペ条文であることからも、帝国憲法は立派な憲法だと考えている。
大日本帝国憲法の問題点として上記以外がある場合はご連絡いただき度い。
ただし「戦争肯定しているのが問題」との無意味な指摘は遠慮願い度い。
それが「問題点」ならば米国憲法も問題憲法になってしまうとの指摘だからだ。
その様な条文とは遊離したレッテル貼りや贋看板は真面目な憲法研究・憲法議論には相応しくないことだとあらためて指摘しておく。
<記述箇所の注釈>
1.現行憲法のかなり多数の条文が帝国憲法条文からのコピペ・引き継ぎ条文であったことがわかったであろう→事例多数。取り分け現行憲法第3章以降に多数の事例がある。
2.帝国憲法の天皇大権の剥奪→4-1~4-7で論評。事例多数ながら現行憲法第7条国事行為で元首・天皇に係わる条文も残る。
3.帝国憲法緊急事態対応条文の削除→4-4帝国憲法第8条、第9条、4-7帝国憲法第14条、6-4帝国憲法第31条、10-2帝国憲法第67条、第70条等。
4.A:天皇大権構造の破棄に基づく変更→立法権を国会に7-1現行憲法41条、行政権を内閣に8-1現行憲法第85条、司法権を各裁判所に9-2現行憲法第76条。
5.B:米国憲法に似せる為の変更、米国憲法を輸入したための新設等→2-2日本国憲法での新設章が米国憲法由来、6-3現行憲法第20条政教分離は西洋由来、6-5現行憲法第11~14条西洋由来の基本的人権思想、9-2現行憲法第76条司法権の分散存在は「合「州」国」基準の米国憲法第3条由来で我が国国柄に相応しくない、11-1現行憲法第8章「地方自治」の建て付けが「合「州」国」では齟齬生じる、12-1現行憲法第96条への変更は米国憲法第5条由来、12-2現行憲法第97条削除すべき、現行憲法第98条「最高法規」規定は米国憲法第6条由来の輸入品等。
6.C:日本非武装化の為の変更など→現行憲法第9条、現行憲法第66条「文民」の定義の是正必要、帝国憲法第32条の削除等
7.日本国憲法の前文には「天皇」との単語が一度も登場しない→3-8で論評
8.もっとも重要な点は、この憲法では日本人の平和・安全・幸福追求よりも「他国の平和」が優先されていることにある→3-4~3-7で論評。3-8でまとめ。
9.イラン・イラク戦争時に諸外国が自国民救出の為に、フランスはエアフラが、ドイツはルフトハンザが飛んだのに、我が国は憲法規定で自国機飛ばせずトルコ航空の英雄的行動で難を逃れた→【コラム】「在外邦人保護に反対してる人は鬼畜」2015年2月21日
10.2015年現在も憲法の制約で日本は日本人を救うことが出来ないでいる。救う為には「多くの日本人が餓死しなければ」日本は日本人を救う動きをとることが出来ないとの言説が国会でなされているのが相変わらずの現状である→【コラム】「民主党・枝野の国会発言「日本人が餓死するまで何もするな」」2015年3月4日
11.日本人の生命や幸福よりも憲法を大事にする国会議員や弁護士や官僚等がいる。
その理由は「憲法にその様に書いてある」からである→3-4~3-7現行憲法前文、12-2現行憲法第99条。
12.現行憲法は非常事態は発生しないとの夢想で書かれており問題がある→4-4帝国憲法第8条、第9条、4-7帝国憲法第14条、6-4帝国憲法第31条、10-2帝国憲法第67条、第70条等の削除。
以上、憲法条文を総て読んだ後のまとめである。
憲法研究は中身を理解する読む段階から、何が問題点なのか、どう変更すべきなのか、何を継続すべきなのか、との中身の是非を考える段階へと移っていきたいと考えている。
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本ブログでは、一応ながら、大日本帝国憲法の告文、憲法発布勅語、憲法全76条と日本国憲法の上諭、前文、憲法全103条を比較しながら総てを読んできた。
帝国憲法と現行憲法を比較しながらの形式としたのは、現行憲法「だけ」を読んでいると陥る錯誤を防止する為だ。
実際、現行憲法のかなり多数の条文が帝国憲法条文からのコピペ・引き継ぎ条文であったことがわかったであろう。
また、帝国憲法条文をベースに表現方法を変えるだけの上書きをしたり、なんらかの追加をしている条文も多々あったことがわかっただろう。
一方、帝国憲法にあった条文が現行憲法ではなくなっている部分は「何がなくなったか」がわかったであろう。なくなったのは帝国憲法建て付けで主権持つとされた天皇大権関係条項と緊急事態対応関係条項の2つが主要なものであった。
そして、帝国憲法にはなかった条文や考え方が現行憲法で追加されているケースも多々見られた。その類型はA:天皇大権構造の破棄に基づく変更、B:米国憲法に似せる為の変更、米国憲法を輸入したための新設等、C:日本非武装化の為の変更など、があることが理解できたと思う。
そっくり入れ替わったのが日本国憲法前文である。
日本国憲法の前文には「天皇」との単語が一度も登場しない。
我が国理念を表すはずの憲法の前文に我が国国柄・歴史と一体不可分である「天皇」がまったく登場してない異様さに気付いたはすである。
現行憲法は我が国占領下主権喪失期に改憲された憲法であり、その内容には多くの問題が含まれていたことも理解できたと思う。
もっとも重要な点は、この憲法では日本人の平和・安全・幸福追求よりも「他国の平和」が優先されていることにある。
憲法前文及び様々な条文が占領軍GHQの視点で書かれており、我々日本人が我が国国柄や歴史を踏まえて日本人の幸福の為に日本人がまとめた憲法ではない。
それ故に、この憲法を守り、この憲法の理念を実践することでは日本人の幸福が増進しないとの矛盾が生じている。
コラムでも書いたが、イラン・イラク戦争時に諸外国が自国民救出の為に、フランスはエアフラが、ドイツはルフトハンザが飛んだのに、我が国は憲法規定で自国機飛ばせずトルコ航空の英雄的行動で難を逃れた。
日本人の命を危険に晒してしまうとの日本国憲法との欠陥があらわになった事件から早くも約40年が経ったのだが、2015年現在も憲法の制約で日本は日本人を救うことが出来ないでいる。救う為には「多くの日本人が餓死しなければ」日本は日本人を救う動きをとることが出来ないとの言説が国会でなされているのが相変わらずの現状である。
日本人の生命や幸福よりも憲法を大事にする国会議員や弁護士や官僚等がいる。
その理由は「憲法にその様に書いてある」からである。
今回の記事は、大日本帝国憲法と日本国憲法の総てを読んできた結果のまとめである。
ブログの憲法研究はかなりの長文となったので、忘れてしまった点や欠落してる点があるかもしれない。その様な場合にはコメントいただければ幸いである。
有益なコメントには真摯に対応する所存であることは、このブログの最初と二番目の記事で明言している通りである。
全文を読んだ上で全体を俯瞰して浮き上がってくる問題点は大きくは以下の5点であろう。
1)敗戦国日本を占領統治しようとする姿勢で書かれた前文・条文
↓
日本国は日本人の国家であり、日本人の幸福を守るとの理念で書かれるべき。
有色人種を同等と見ない欧米植民地主義が世界秩序だった時代に於いて、有色人種アジアの人々を使役・搾取する白人植民地主義に対して東亜解放を掲げ、彼等の経済利得権益を破壊し民族自決・自存自立の世界観実現の為に行動した唯一の近代化有色人種日本。
この東亜解放を、白人植民地主義者が設定していた世界秩序を破壊する「侵略者」悪玉と位置付け、再発防止の為に監視下に置き封じ込めるとの姿勢が主眼であった時代に書かれたのが日本国憲法である。
その姿勢は前文に貫かれ、封じ込めの為の非武装化憲法9条、強力なる君民一致国家を構成する天皇大権の否定(憲法1条他)として日本国憲法に通底している。
今や植民地主義は誤りだとの新世界秩序へと人類史は進展しており、被植民地だった東南アジア各国は自存自立した。大東亜戦争の大義が現実世界で実現したのだが大義掲げた日本は悪玉として扱われ続けてきた。しかし21世紀の現在、旧敵国だった米国、英国をはじめ大多数の国が既に我が国を悪玉とは認定していない。それなのに我が国はいまだ70年前の悪玉論のままを掲げた憲法を継続使用している。それ故に、特殊な華夷秩序・腐儒思想に汚染された特定国は、その憲法利用して後年捏造した「歴史」に基づく現在利益を得る為に我が国に対して奇妙な要求をし続けている。なんというねじ曲がった構造であることか。戦後に作られたレジュームを脱却する時期だと考える。
2)歴史的経緯・文化の違いを無視して導入された洋式人権思想の無批判な導入
↓
帝国憲法で掲げられた我が国国柄歴史に立脚した「君民一致」の考え方、皆で日本人の幸福を増進する国家をつくっていこうとの考え方の中で天皇自身が謳い上げた自己抑制の精神での書き様にすべし
欧州絶対王政への対抗として成立した人権思想、欧州絶対王政下で獲得した貴族・民衆の権利を成文化した西洋型の憲法、それら西欧型憲法は、その歴史から「憲法とは権力抑制の歴史の成文化」との見方で出来ている。
しかし我が国は、仁徳天皇の逸話にある様に、紀元1世紀には君民一致・民は宝との理念があり、その歴史・理念に則り、帝国憲法は大権を持つとされた明治天皇自身が、その理念を大切にし、継続して実現化する為に、天皇大権に自ら制限を加え、同時に国民に対して憲法を一緒に守り、一緒に良き国を創ろうと呼びかけているのである。
日本国憲法は、この様な我が国の国柄とは異質な言い様の条文が、何ら考慮されずに米国憲法等から直輸入されている。西洋人権思想でも良い部分は導入すべきだが、君民一致の我が国国柄と違う部分は再考が必要だと考えている。
現行憲法99条:憲法遵守義務対象者に国民の記載なし。
3)米国憲法直輸入し歴史的経緯・文化の違いを無視。
↓
司法権が分散されている。これは米国制度直輸入。これでいいのか?
米国司法制度は「50の州と1つの連邦の合計51ある」と言われる。それは各stateとUnited States とで構成されている米国の国家体制に合致した考え方である。
一方、我が国は都道府県様々あれど一つの国家との国家体制の国である。
米国の国家制度が基盤にあってこその司法権分散分散司法制度を、我が国の様な一つの国家との国柄の国に直輸入してしまった条文がある。
同様、司法制度だけでなく、合衆国(合州国)のお国柄を基盤とした考え方を無批判に入りこんでいる条文がある。これらは我が国の国柄にあわせ改正すべきだと考えている。
4)非武装なる夢想に基づき、緊急事態を想定する条文がない。
↓
緊急時には一時的制限あるとの但し書きは条文に必要。
交戦権の否定、陸海空軍その他の戦力不保持とか行き過ぎの非武装規定。自衛権はあるし、自衛の為の戦力があるのは世界標準。自衛隊員の国際法上の軍人の身分も明確化すべき。
帝国憲法では存在していた緊急事態時に備えた対応条文のほぼ総てが削除されており、緊急時が想定されてない憲法となっている。
国民の権利の一時的制限は憲法が保証する国民の権利の持続性を担保する為には必要なのだから、国家存亡の危機に於いては一時的制限を加えても国民の権利を保証する体制の維持は必要。それ故に、その旨の但し書き記載は必要。
現行憲法は非常事態は発生しないとの夢想で書かれており問題がある。
さて一方の大日本帝国憲法だが、帝国憲法にも種々の問題点あったことは帝国憲法全文を読んだ方であれば理解できたと思う。
なんと言っても帝国憲法は制定時から125年が経過しており、運営停止時から約70年が経過しており、既に世紀が変わっており、現在の社会制度としては時代性が違ってしまっている。約70年前にアップデートを停止したのだから仕方ない。
帝国憲法の問題点を知ることで、現行憲法改憲後の憲法はどの様な憲法が良いのかを考える一助になるとの意識で以下の様に問題点をまとめてみた。
帝国憲法の問題点
1)総てを天皇大権に帰属するとの建て付けにしてあることで実務責任者の規定が不十分。
・実質は内閣制なのだが内閣の規定がない。
・三権実務者の相互牽制制度が規定されていない。
(立法府牽制の司法による違憲立法審査権、司法牽制の立法府による弾劾裁判所がない)
・天皇大権への輔弼を誰がするのかの実務者規定がない。
(統帥権・編成権問題)
・裁判官に対する国民の審査投票権がない
・皇室典範(旧)と帝国憲法が並列扱いで、憲法が最高法規と規定出来ていない。
2)起草が19世紀との時代性から国民の権利・義務が現代感覚では記述少ない。
・現行憲法第23条にある学問の自由に関する条文がない。
・現行憲法25条にある「最低限の生活の保証」等は今の時代には必要
3)実質は実行できているのだが、憲法には条文がない事項がある。
・教育の義務
・地方自治の基本的考え方の明記が必要
大日本帝国憲法を総て読んでも、上記1)の建て付けの問題以外は問題点はない様に思う。
逆に言えば帝国憲法の問題点はやはり建て付けに無理があったのだと思う。
統帥権・編成権の部分で論述した様に、統帥権を輔弼して実務責任を負うのは誰か、編成権を輔弼し実務責任を負うのは誰か、との規定がない。天皇大権下で内閣総理大臣(その規定もない)や枢密顧問が立派な人物で、明治の元勲が「運用」していた時代は良かったのだろうが、元勲鬼籍に入りたる後は、憲法に規定がないとの欠陥が露呈し問題化したと考えている。三権分立・三権間での相互牽制制度、義務と権限の明示は必要だ。
尚、上記3)で指摘した「学問の自由・教育の義務」の条文は帝国憲法にないが、帝国憲法発布の翌年には教育勅語が発布されており、実際はちゃんと出来てるとの実例がある。加えて、現行憲法の多くの条文が帝国憲法条文のコピペ条文であることからも、帝国憲法は立派な憲法だと考えている。
大日本帝国憲法の問題点として上記以外がある場合はご連絡いただき度い。
ただし「戦争肯定しているのが問題」との無意味な指摘は遠慮願い度い。
それが「問題点」ならば米国憲法も問題憲法になってしまうとの指摘だからだ。
その様な条文とは遊離したレッテル貼りや贋看板は真面目な憲法研究・憲法議論には相応しくないことだとあらためて指摘しておく。
<記述箇所の注釈>
1.現行憲法のかなり多数の条文が帝国憲法条文からのコピペ・引き継ぎ条文であったことがわかったであろう→事例多数。取り分け現行憲法第3章以降に多数の事例がある。
2.帝国憲法の天皇大権の剥奪→4-1~4-7で論評。事例多数ながら現行憲法第7条国事行為で元首・天皇に係わる条文も残る。
3.帝国憲法緊急事態対応条文の削除→4-4帝国憲法第8条、第9条、4-7帝国憲法第14条、6-4帝国憲法第31条、10-2帝国憲法第67条、第70条等。
4.A:天皇大権構造の破棄に基づく変更→立法権を国会に7-1現行憲法41条、行政権を内閣に8-1現行憲法第85条、司法権を各裁判所に9-2現行憲法第76条。
5.B:米国憲法に似せる為の変更、米国憲法を輸入したための新設等→2-2日本国憲法での新設章が米国憲法由来、6-3現行憲法第20条政教分離は西洋由来、6-5現行憲法第11~14条西洋由来の基本的人権思想、9-2現行憲法第76条司法権の分散存在は「合「州」国」基準の米国憲法第3条由来で我が国国柄に相応しくない、11-1現行憲法第8章「地方自治」の建て付けが「合「州」国」では齟齬生じる、12-1現行憲法第96条への変更は米国憲法第5条由来、12-2現行憲法第97条削除すべき、現行憲法第98条「最高法規」規定は米国憲法第6条由来の輸入品等。
6.C:日本非武装化の為の変更など→現行憲法第9条、現行憲法第66条「文民」の定義の是正必要、帝国憲法第32条の削除等
7.日本国憲法の前文には「天皇」との単語が一度も登場しない→3-8で論評
8.もっとも重要な点は、この憲法では日本人の平和・安全・幸福追求よりも「他国の平和」が優先されていることにある→3-4~3-7で論評。3-8でまとめ。
9.イラン・イラク戦争時に諸外国が自国民救出の為に、フランスはエアフラが、ドイツはルフトハンザが飛んだのに、我が国は憲法規定で自国機飛ばせずトルコ航空の英雄的行動で難を逃れた→【コラム】「在外邦人保護に反対してる人は鬼畜」2015年2月21日
10.2015年現在も憲法の制約で日本は日本人を救うことが出来ないでいる。救う為には「多くの日本人が餓死しなければ」日本は日本人を救う動きをとることが出来ないとの言説が国会でなされているのが相変わらずの現状である→【コラム】「民主党・枝野の国会発言「日本人が餓死するまで何もするな」」2015年3月4日
11.日本人の生命や幸福よりも憲法を大事にする国会議員や弁護士や官僚等がいる。
その理由は「憲法にその様に書いてある」からである→3-4~3-7現行憲法前文、12-2現行憲法第99条。
12.現行憲法は非常事態は発生しないとの夢想で書かれており問題がある→4-4帝国憲法第8条、第9条、4-7帝国憲法第14条、6-4帝国憲法第31条、10-2帝国憲法第67条、第70条等の削除。
以上、憲法条文を総て読んだ後のまとめである。
憲法研究は中身を理解する読む段階から、何が問題点なのか、どう変更すべきなのか、何を継続すべきなのか、との中身の是非を考える段階へと移っていきたいと考えている。
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