真珠湾・安倍演説2「和解の力」2016/12/28
- 2016/12/31
- 20:04
真珠湾・安倍演説2「和解の力」2016/12/28

副題:21世紀のパールハーバーは和解の象徴となった。
共通の価値の下、寛容の大切さと和解の力を世界訴え続けていく日米同盟は「希望の同盟」。
前回の以下のURLからの続きである。
2016/12/30投稿:
真珠湾・安倍演説1「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-574.html
真珠湾安倍演説は、大きくは5つの部分で構成されている。
前回は「1-①」から「2-②」の部分迄を解説した。今回は「3-①」の協力関係の部分から再開する。
尚、安倍演説の全文は以下のURLに記載しており、その際に引用者の当方が番号を付しているので適宜参照願いたい。
2016/12/29投稿:
(資料編)真珠湾両首脳ステートメント
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-573.html
安倍演説は、3-①で真珠湾攻撃の際に、被弾の為に母艦に帰投することが不可能と判断し、真珠湾に引き返して軍用飛行場の格納庫に突入した猛者である飯田中佐を紹介し、その戦士英雄の碑を米国側が建てたことを紹介している。
そして、「The brave respect the brave.」=(勇者は、勇者を敬う)と20世紀初頭のアメリカ人作家、アンブローズ・ビアスの詩を引用している。
アンブローズ・ビアスの名前を聞いても、最初は、具体的作品を思い出せなかったが、彼が「悪魔の辞典」の作者だと思い出してからは、上記の一節がどんな作品に登場するのか、俄然興味が湧いて調べてみた。
「悪魔の辞典」とは、強烈な風刺が込められた辞典形式の書籍である。
「勇者は、勇者を敬うの」の一節は、言葉そのもので理解すれば、安倍演説の中で素直に受け取れる適切な引用である。
一方、「悪魔の辞典」の作者による一節なのであるから、そこに何等かのダブルミーイングが隠されている可能性が高い。何故なら、昨年から続く一連の安倍演説には、その手の手法が何回か登場するからだ。
調べた結果、その一節はTo E.S.SALOMON,(E.S.サロモンへ)と題する詩の中に登場することがわかった。「E.S.サロモン」とは、南北戦争の追悼記念日に南軍の将兵の墓を飾ることに反対した人物のことであり、その人物への痛烈な批判の詩であることがわかった。
なるほどである。安倍総理の真珠湾訪問の目的が「和解」にあるのだから、戦死した敵を何時までも憎む態度を批判した、この「E.S.サロモンへ」の詩の主題は、この訪問の主旨としっくり一致するものであり、「勇者は、勇者を敬うの」の一節は、言葉そのもの以上に貴重な内容であることがわかった。演説ライターの方の知識の深さには毎回感心する。
飯田中佐の碑とアンブローズ・ビアスの詩を引用した3-①は以下の一節で「寛容の心」をアメリカ人が持っていることを指摘している。
3-①:(前略)アンブローズ・ビアスの、詩は言います。
戦い合った敵であっても、敬意を表する。憎しみ合った敵であっても、理解しようとする。
そこにあるのは、アメリカ国民の、寛容の心です。
<引用終わり>
「寛容の心」を持っているのはアメリカ人だけではない。
我々日本人は言わずもがなであるが、一方、我々は「寛容の心」を持たない人間がいることを知っている。同様、アメリカ人も「寛容の心」を持たない人間がいることを知っているし、自分自身が寛容の心を持たない瞬間があることを「E.S.サロモン」の名前を見ることで想起されることもわかるはずだ。安倍演説恐るべし。
皮肉屋さんのアンブローズ・ビアスの名前を出した後の3-②では、戦後のアメリカによる「戦後復興支援」に感謝をし、「あなた方は寛容の心を持っていますよね」と念押しをしている。更に、3-③では、リンカーンの言葉を引用し、ダメ押しをしているのである。
3-③:誰に対しても、悪意を抱かず、慈悲の心で向き合う。
永続する平和を、我々全ての間に打ち立て、大切に守る任務を、やり遂げる。
<引用終わり>
そして、3-④にて、「私は日本国民を代表し、米国が、世界が、日本に示してくれた寛容に、改めて、ここに、心からの感謝を申し上げます。」と結んでいる。
ここまで言われて「日本を許さない」と言うアメリカ人は、他のアメリカ人から批判されてしまうだろう。
この演説の後、何れも95歳以上となっている真珠湾生存者の3人は、日本のテレビ取材に対して、以下の様に述べている。
1)アルフレッド・ロドリゲス氏96歳
「この機会を楽しみにしてました。安倍首相は期待されていたことをしたと思います。彼にとても感謝しています、我々は和解しました」
2)スターリング・ケール氏95歳
テレビ局質問:正式な謝罪の言葉はなかったが、もう日本に憎しみを感じていないか?
↓
「当時から持っていない。(死傷者がいっぱいの)修羅場の中で、憎しみを持つひまはなかったよ」
3)エベレット・ハイランド氏93歳
「双方が広島と真珠湾を訪れ合ったのは、すばらしいことです。両国の和解は今日の訪問前に、すでになされていることだと思います。それも何年も前に、今日の訪問はそれをより良いものにするものでした」
ソース:YouTube動画
安倍首相 真珠湾慰霊、言葉交わした生存者 感想語る 2016年12月28日13:39
https://www.youtube.com/watch?v=yoTsxcr6HOE
(1:09)
また、別の動画では、日本のマスコミが盛んに言っている「謝罪」との下衆な概念に対して、真珠湾生存者は「誤る必要がない、謝る理由はない」ときっぱりと言っている。
ソース:YouTube動画:
退役軍人「安倍首相、謝る理由ありません」
https://www.youtube.com/watch?v=eYN7JmFr1W0
(2:30)の動画のうち、2:05からの部分
オバマ大統領の広島訪問の際にも、日本のマスコミは盛んに「謝罪」を記事にしていたが、その際の広島市民の多くは謝罪は不要との意見であったことを思い出す。
その一方、歴史を現在利益の為に利用する中国やら韓国は、「真珠湾に行くなら・・・」と盛んに「謝罪」を話の軸足にして難癖をつけている。実に対照的である。
日米が未来志向であり、既に70年以上が経過し、真珠湾生存者が「両国の和解は何年も前に既になされている」と言っているに、当事者ではない中国。韓国は、激選を交えていないにも係わらず、未だに70年前のことが大問題であるかの様な詭弁で、現在の日本を詰り攻撃している。その論調のまま「報道」する日本のマスコミの汚鮮は深刻だ。
安倍演説は、この後、4-①、②、③と主題の明示へと続く。
4-①で安倍総理は、真珠湾から75年を経た現在「歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな、深く、強く結ばれた同盟国」になったとの現在の事実を明示している。そして、その同盟が、20世紀型の同盟ではなく、「世界を覆う幾多の困難に、共に立ち向かう同盟」であるとの、21世紀型の質的に優れた同盟である旨を明示して、それを「希望の同盟」だと高らかに謳い上げている。実に素晴らしい指摘である。
そして、この様な日米関係が構築できた理由は「寛容の心がもたらした、the power of reconciliation、「和解の力」」だと、新たなパラダイムを提示している。
この新たなパラダイムの提示は、昨年2015年4月以降、事あるごとに安倍総理が提示し続けているものであり、その根本には我が国の国柄が存在している。
我々日本人は、2000年以上もの昔から、民は宝の精神を規範とした我が国の文化、歴史、伝統の時間的連続性の中で育まれた、我々日本人の永き永き文化経験と生活経験の集積・試行錯誤の末に今を生きている。その結果、我々日本人は一般通念として、ウソはアカン、正直に生きよ、お天道様が許さない、終わったことを何時までもクヨクヨするな、ズルしちゃアカンやろ、むやみに争っちゃダメとかの正邪判断基準を持つに至っているのである。これが我が国の国柄・理念として確固として存在している。
そういう我が国が育んできたパラダイムを提示しているのである。
更に安倍総理は4-②、4-③でたたみかける。
4-②:「私が、ここパールハーバーで、オバマ大統領とともに、世界の人々に対して訴えたいもの。それは、この、和解の力です。」
「戦争の惨禍は、いまだ世界から消えない。憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなろうとしない。寛容の心、和解の力を、世界は今、今こそ、必要としています。」
人類史上空前絶後の海空戦を戦ったのは我々日本とアメリカである。太平洋戦域での死闘を上回る戦いは、未だ起こっていない。そんな死闘の末に到達した日米の希望の同盟を示し、それが可能となった考え方が「和解の力」だと、現在の世界の人々に訴えている。
4-③:憎悪を消し去り、共通の価値の下、友情と、信頼を育てた日米は、今、今こそ、寛容の大切さと、和解の力を、世界に向かって訴え続けていく、任務を帯びています。
日本と米国の同盟は、だからこそ「希望の同盟」なのです。
21世紀の現在も、世界では憎悪が蔓延しており、寛容さを欠き、和解を拒む価値観を共有できない人々がいる。それが争いの原因になっているのが現実である。
そんな世界に対して示しているのは、日米の現在の姿であり、未来志向の希望の同盟の姿である。
安倍総理は戦後70年間の平和の実績を述べ、その間に育んできた「和解の力」に基づく「希望の同盟」を述べている。一方、我が国の国内言論空間は、昭和の初期の10年間程度の「戦争」があたかも我が国の総ての「実績」であるかの様なネジ曲げられたものになっている。
現在に至る70年間の平和の実績よりも、先の大戦が最重要事項であるかの様な言い草が続いている。それは、歴史を利用して現在利益を得ようとする勢力によるものだ。
歴史を利用する勢力は、その中に捏造物語を幾つも入れ込み、現在を生きる日本の子供達に対して陰湿な圧力をかけて「謝罪」を強要する。
知っての通り、彼等が言う「謝罪」は、それで水に流すものではない。「謝罪」によって「悪いのは日本」だと認めさせて、その上で「賠償」との金銭的利得へと続くものである。
彼等が言う「謝罪」とは、中韓への隷属と「賠償金永続化」の入り口であることは河野洋平の軽率なる記者会見での一言以降の動きを見れば明らかである。
真珠湾での安倍総理演説の最後の一節は、あくまでも未来志向であり、同時に、現在に至る70年間の平和の実績よりも、先の大戦が最重要事項であるかの様な歪んだ言論空間により、子供達が無用な苦しみを受けている状態を終わらせることを宣言している。
5-①:(前略)真珠の輝きに満ちた、この美しい入り江こそ、寛容と、そして和解の象徴である。私たち日本人の子供たち、そしてオバマ大統領、皆さんアメリカ人の子供たちが、またその子供たち、孫たちが、そして世界中の人々が、パールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれることを私は願います。
そのための努力を、私たちはこれからも、惜しみなく続けていく。オバマ大統領とともに、ここに、固く、誓います。 ありがとうございました。
この最後の一節で示されているwhoは「日本人の子供たち、アメリカ人の子供たちが、孫たち」である。要するに、未来を担う世代である。
その世代が「Remember Pearl Harbor」と聞いた時に想起される概念が、「和解の力」に基づく「希望の同盟」であることを願っていることがわかる。
未来を担う世代である「日本人の子供たち」は、戦争が終わってから半世紀以上も経ってからこの世に生まれた世代である。その子供達、現在を生きる日本の子供達に対して陰湿な圧力をかけて「謝罪」を強要する歴史を利用する勢力と対する断固たるNoを安倍総理は掲げている。
昨年、2015年8月の戦後70周年談話でも安倍総理は、次世代を担う子供達を守る発言をしており、今回も、同じ宣言をしている。
<官邸HPより戦後70周年談話抜粋引用>
平成27年8月14日 内閣総理大臣談話
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20150814danwa.html
日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。
<引用終わり>
戦後71年目の2016年暮に安倍総理は、その間の平和の実績を掲げ、共通の価値の下、寛容の大切さと和解の力で質的発展を遂げた「希望の同盟」である日米同盟を基軸に、寛容と和解を世界訴え続けていくことを表明している。
それは、その根本には我が国の国柄が存在している新たなパラダイムの提示である。
以上である。
これは当方の読解である。もしも異論があるなら、当方が誤読しているとの根拠があるなら、指摘いただきたい。指摘は、当ブログのコメント欄に御願いする。
<安倍総理演説終わり、オバマ演説は次回以降>
FC2 Blog Ranking


副題:21世紀のパールハーバーは和解の象徴となった。
共通の価値の下、寛容の大切さと和解の力を世界訴え続けていく日米同盟は「希望の同盟」。
前回の以下のURLからの続きである。
2016/12/30投稿:
真珠湾・安倍演説1「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-574.html
真珠湾安倍演説は、大きくは5つの部分で構成されている。
前回は「1-①」から「2-②」の部分迄を解説した。今回は「3-①」の協力関係の部分から再開する。
尚、安倍演説の全文は以下のURLに記載しており、その際に引用者の当方が番号を付しているので適宜参照願いたい。
2016/12/29投稿:
(資料編)真珠湾両首脳ステートメント
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-573.html
安倍演説は、3-①で真珠湾攻撃の際に、被弾の為に母艦に帰投することが不可能と判断し、真珠湾に引き返して軍用飛行場の格納庫に突入した猛者である飯田中佐を紹介し、その戦士英雄の碑を米国側が建てたことを紹介している。
そして、「The brave respect the brave.」=(勇者は、勇者を敬う)と20世紀初頭のアメリカ人作家、アンブローズ・ビアスの詩を引用している。
アンブローズ・ビアスの名前を聞いても、最初は、具体的作品を思い出せなかったが、彼が「悪魔の辞典」の作者だと思い出してからは、上記の一節がどんな作品に登場するのか、俄然興味が湧いて調べてみた。
「悪魔の辞典」とは、強烈な風刺が込められた辞典形式の書籍である。
「勇者は、勇者を敬うの」の一節は、言葉そのもので理解すれば、安倍演説の中で素直に受け取れる適切な引用である。
一方、「悪魔の辞典」の作者による一節なのであるから、そこに何等かのダブルミーイングが隠されている可能性が高い。何故なら、昨年から続く一連の安倍演説には、その手の手法が何回か登場するからだ。
調べた結果、その一節はTo E.S.SALOMON,(E.S.サロモンへ)と題する詩の中に登場することがわかった。「E.S.サロモン」とは、南北戦争の追悼記念日に南軍の将兵の墓を飾ることに反対した人物のことであり、その人物への痛烈な批判の詩であることがわかった。
なるほどである。安倍総理の真珠湾訪問の目的が「和解」にあるのだから、戦死した敵を何時までも憎む態度を批判した、この「E.S.サロモンへ」の詩の主題は、この訪問の主旨としっくり一致するものであり、「勇者は、勇者を敬うの」の一節は、言葉そのもの以上に貴重な内容であることがわかった。演説ライターの方の知識の深さには毎回感心する。
飯田中佐の碑とアンブローズ・ビアスの詩を引用した3-①は以下の一節で「寛容の心」をアメリカ人が持っていることを指摘している。
3-①:(前略)アンブローズ・ビアスの、詩は言います。
戦い合った敵であっても、敬意を表する。憎しみ合った敵であっても、理解しようとする。
そこにあるのは、アメリカ国民の、寛容の心です。
<引用終わり>
「寛容の心」を持っているのはアメリカ人だけではない。
我々日本人は言わずもがなであるが、一方、我々は「寛容の心」を持たない人間がいることを知っている。同様、アメリカ人も「寛容の心」を持たない人間がいることを知っているし、自分自身が寛容の心を持たない瞬間があることを「E.S.サロモン」の名前を見ることで想起されることもわかるはずだ。安倍演説恐るべし。
皮肉屋さんのアンブローズ・ビアスの名前を出した後の3-②では、戦後のアメリカによる「戦後復興支援」に感謝をし、「あなた方は寛容の心を持っていますよね」と念押しをしている。更に、3-③では、リンカーンの言葉を引用し、ダメ押しをしているのである。
3-③:誰に対しても、悪意を抱かず、慈悲の心で向き合う。
永続する平和を、我々全ての間に打ち立て、大切に守る任務を、やり遂げる。
<引用終わり>
そして、3-④にて、「私は日本国民を代表し、米国が、世界が、日本に示してくれた寛容に、改めて、ここに、心からの感謝を申し上げます。」と結んでいる。
ここまで言われて「日本を許さない」と言うアメリカ人は、他のアメリカ人から批判されてしまうだろう。
この演説の後、何れも95歳以上となっている真珠湾生存者の3人は、日本のテレビ取材に対して、以下の様に述べている。
1)アルフレッド・ロドリゲス氏96歳
「この機会を楽しみにしてました。安倍首相は期待されていたことをしたと思います。彼にとても感謝しています、我々は和解しました」
2)スターリング・ケール氏95歳
テレビ局質問:正式な謝罪の言葉はなかったが、もう日本に憎しみを感じていないか?
↓
「当時から持っていない。(死傷者がいっぱいの)修羅場の中で、憎しみを持つひまはなかったよ」
3)エベレット・ハイランド氏93歳
「双方が広島と真珠湾を訪れ合ったのは、すばらしいことです。両国の和解は今日の訪問前に、すでになされていることだと思います。それも何年も前に、今日の訪問はそれをより良いものにするものでした」
ソース:YouTube動画
安倍首相 真珠湾慰霊、言葉交わした生存者 感想語る 2016年12月28日13:39
https://www.youtube.com/watch?v=yoTsxcr6HOE
(1:09)
また、別の動画では、日本のマスコミが盛んに言っている「謝罪」との下衆な概念に対して、真珠湾生存者は「誤る必要がない、謝る理由はない」ときっぱりと言っている。
ソース:YouTube動画:
退役軍人「安倍首相、謝る理由ありません」
https://www.youtube.com/watch?v=eYN7JmFr1W0
(2:30)の動画のうち、2:05からの部分
オバマ大統領の広島訪問の際にも、日本のマスコミは盛んに「謝罪」を記事にしていたが、その際の広島市民の多くは謝罪は不要との意見であったことを思い出す。
その一方、歴史を現在利益の為に利用する中国やら韓国は、「真珠湾に行くなら・・・」と盛んに「謝罪」を話の軸足にして難癖をつけている。実に対照的である。
日米が未来志向であり、既に70年以上が経過し、真珠湾生存者が「両国の和解は何年も前に既になされている」と言っているに、当事者ではない中国。韓国は、激選を交えていないにも係わらず、未だに70年前のことが大問題であるかの様な詭弁で、現在の日本を詰り攻撃している。その論調のまま「報道」する日本のマスコミの汚鮮は深刻だ。
安倍演説は、この後、4-①、②、③と主題の明示へと続く。
4-①で安倍総理は、真珠湾から75年を経た現在「歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな、深く、強く結ばれた同盟国」になったとの現在の事実を明示している。そして、その同盟が、20世紀型の同盟ではなく、「世界を覆う幾多の困難に、共に立ち向かう同盟」であるとの、21世紀型の質的に優れた同盟である旨を明示して、それを「希望の同盟」だと高らかに謳い上げている。実に素晴らしい指摘である。
そして、この様な日米関係が構築できた理由は「寛容の心がもたらした、the power of reconciliation、「和解の力」」だと、新たなパラダイムを提示している。
この新たなパラダイムの提示は、昨年2015年4月以降、事あるごとに安倍総理が提示し続けているものであり、その根本には我が国の国柄が存在している。
我々日本人は、2000年以上もの昔から、民は宝の精神を規範とした我が国の文化、歴史、伝統の時間的連続性の中で育まれた、我々日本人の永き永き文化経験と生活経験の集積・試行錯誤の末に今を生きている。その結果、我々日本人は一般通念として、ウソはアカン、正直に生きよ、お天道様が許さない、終わったことを何時までもクヨクヨするな、ズルしちゃアカンやろ、むやみに争っちゃダメとかの正邪判断基準を持つに至っているのである。これが我が国の国柄・理念として確固として存在している。
そういう我が国が育んできたパラダイムを提示しているのである。
更に安倍総理は4-②、4-③でたたみかける。
4-②:「私が、ここパールハーバーで、オバマ大統領とともに、世界の人々に対して訴えたいもの。それは、この、和解の力です。」
「戦争の惨禍は、いまだ世界から消えない。憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなろうとしない。寛容の心、和解の力を、世界は今、今こそ、必要としています。」
人類史上空前絶後の海空戦を戦ったのは我々日本とアメリカである。太平洋戦域での死闘を上回る戦いは、未だ起こっていない。そんな死闘の末に到達した日米の希望の同盟を示し、それが可能となった考え方が「和解の力」だと、現在の世界の人々に訴えている。
4-③:憎悪を消し去り、共通の価値の下、友情と、信頼を育てた日米は、今、今こそ、寛容の大切さと、和解の力を、世界に向かって訴え続けていく、任務を帯びています。
日本と米国の同盟は、だからこそ「希望の同盟」なのです。
21世紀の現在も、世界では憎悪が蔓延しており、寛容さを欠き、和解を拒む価値観を共有できない人々がいる。それが争いの原因になっているのが現実である。
そんな世界に対して示しているのは、日米の現在の姿であり、未来志向の希望の同盟の姿である。
安倍総理は戦後70年間の平和の実績を述べ、その間に育んできた「和解の力」に基づく「希望の同盟」を述べている。一方、我が国の国内言論空間は、昭和の初期の10年間程度の「戦争」があたかも我が国の総ての「実績」であるかの様なネジ曲げられたものになっている。
現在に至る70年間の平和の実績よりも、先の大戦が最重要事項であるかの様な言い草が続いている。それは、歴史を利用して現在利益を得ようとする勢力によるものだ。
歴史を利用する勢力は、その中に捏造物語を幾つも入れ込み、現在を生きる日本の子供達に対して陰湿な圧力をかけて「謝罪」を強要する。
知っての通り、彼等が言う「謝罪」は、それで水に流すものではない。「謝罪」によって「悪いのは日本」だと認めさせて、その上で「賠償」との金銭的利得へと続くものである。
彼等が言う「謝罪」とは、中韓への隷属と「賠償金永続化」の入り口であることは河野洋平の軽率なる記者会見での一言以降の動きを見れば明らかである。
真珠湾での安倍総理演説の最後の一節は、あくまでも未来志向であり、同時に、現在に至る70年間の平和の実績よりも、先の大戦が最重要事項であるかの様な歪んだ言論空間により、子供達が無用な苦しみを受けている状態を終わらせることを宣言している。
5-①:(前略)真珠の輝きに満ちた、この美しい入り江こそ、寛容と、そして和解の象徴である。私たち日本人の子供たち、そしてオバマ大統領、皆さんアメリカ人の子供たちが、またその子供たち、孫たちが、そして世界中の人々が、パールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれることを私は願います。
そのための努力を、私たちはこれからも、惜しみなく続けていく。オバマ大統領とともに、ここに、固く、誓います。 ありがとうございました。
この最後の一節で示されているwhoは「日本人の子供たち、アメリカ人の子供たちが、孫たち」である。要するに、未来を担う世代である。
その世代が「Remember Pearl Harbor」と聞いた時に想起される概念が、「和解の力」に基づく「希望の同盟」であることを願っていることがわかる。
未来を担う世代である「日本人の子供たち」は、戦争が終わってから半世紀以上も経ってからこの世に生まれた世代である。その子供達、現在を生きる日本の子供達に対して陰湿な圧力をかけて「謝罪」を強要する歴史を利用する勢力と対する断固たるNoを安倍総理は掲げている。
昨年、2015年8月の戦後70周年談話でも安倍総理は、次世代を担う子供達を守る発言をしており、今回も、同じ宣言をしている。
<官邸HPより戦後70周年談話抜粋引用>
平成27年8月14日 内閣総理大臣談話
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20150814danwa.html
日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。
<引用終わり>
戦後71年目の2016年暮に安倍総理は、その間の平和の実績を掲げ、共通の価値の下、寛容の大切さと和解の力で質的発展を遂げた「希望の同盟」である日米同盟を基軸に、寛容と和解を世界訴え続けていくことを表明している。
それは、その根本には我が国の国柄が存在している新たなパラダイムの提示である。
以上である。
これは当方の読解である。もしも異論があるなら、当方が誤読しているとの根拠があるなら、指摘いただきたい。指摘は、当ブログのコメント欄に御願いする。
<安倍総理演説終わり、オバマ演説は次回以降>



スポンサーサイト