参議院選の基礎知識
- 2016/06/22
- 19:53
参議院選の基礎知識

いよいよ参議院選挙が公示される。
新聞・TV等は相変わらずの「報道」を繰り返しており、参議院選挙の意味を「政局」でしか見ていない。
そこで、我々国民の視点から見た参議院選挙について少々述べておきたい。
我々日本国民が持つ投票権、即ち「主権3)の行使」をする機会なので、基礎的知識の再確認と、主権行使上の意味合いについて少々述べておきたい。
<主権3)の意味は文末で確認願う。>
1.参議院の存在意義
存在意義:①専門性及び良識に基づく衆議院審議の検証、②多様な民意の反映
○存在意義①:「専門性及び良識に基づく衆議院審議の検証」について
我が国議会は二院制を採用している。衆議院と参議院の二院である。
G7諸国の他の6ヶ国である米、英、独、仏、伊、加を含め、総て二院制である。
我が国の汚鮮された偏向論者が一院制を主張しているが、民主主義の歴史が長い主要国総てが二院制であるとの意味をすっ飛ばしたもので、その様な暴論に騙されてはならない。
とは言え、現状の様な不見識な議員が蔓延る参議院は、参議院の本来の姿である【良識の府】から程遠い。その様な現状からは「参議院不要論」が一定程度の説得力を持つのも致し方ない。
しかし、その話の方向性が「参議院廃止」では、民主主義体制の改悪でしかない。
参議院の本来的存在意義は【専門性と良識に基づく衆議院審議の検証】にある。
その機能を発揮する為には、参議院議員には、専門性と良識を具備した人物が就任すべきなのであり、その様な議員を選ぶ責任は「主権者国民」にある。
「専門性と見識を備えた人物」の具体例としては、昨年夏の安保法制で、その専門性を発揮した佐藤正久議員などがおり、けして「ないものねだり」ではない。
一方、相応しくない人物の事例は枚挙に暇がない(笑)
そんな相応しくない人物を選んでいるのは我々国民であることを、もう一度考えたい。
この「参議院の存在意義」の第一である「専門性及び良識に基づく衆議院審議の検証」をサヨクマスゴミはネジ曲げるので注意が必要である。
「衆議院審議の検証」の本来の意味は、参議院は良識の府として、<党派を超えて><専門性と良識に基づき><本質的議論を行い>衆議院の審議を検証するのであって、けして「ネジレ国会」という意味ではない。
「衆議院の検証」の本質は、本質的議論にあり、衆議院と別党派にある訳ではない。
「なんでもかんでも反対」はけして専門性と良識に基づく本質的議論ではない。
サヨクマスゴミが提示する偽情報には注意が必要だ。
投票する際には、「専門性と見識を備えた人物」をお選びいただきたい。
その様な人物が思い当たらない場合は、各党の綱領・公約の内容及びその実現性を勘案してお選びいただくのが「主権者国民」=主権3)の行為者としての責務だと考えている。
○存在意義②:「多様な民意の反映」について
参議院の存在意義の2つ目「多様な民意の反映」に関しては、我が国事例では分かり難い。
何故ならば、衆参両院ともに、選挙区の議席配分の考え方が単一の「人口比」になっているからである。
我が国とは政体構造が違うのだが、米・独の様な国は、下院(我が国では衆議院)の定員・選挙区割は人口比だが、上院(我が国では参議院)の定員・選挙区割は地域制(人口比に関係なく各州2名)になっており、その様な違う選挙制度で民意の多様性を担保している。
我が国参議院選挙の場合、近年のなんでもかんでも「1票の格差」との単一の物差しで考える硬直性のために、かえって「多様な民意」の反映が阻害されているのが現実である。
この問題は、今回参議院選挙では、従前の「1県に最低1議席確保」との原則が崩れ、益々多様性からは遠のいているが、現時点では、もうどうにもならないので論評はここまでとする。
2.参議院の選挙制度
特徴:①半数改選、②県毎の選挙区、③全国比例区は非拘束名簿性
参議院の選挙制度は衆議院とは異なっている。
投票をする際には、衆議院選挙とは違うことを意識しよう。
○特徴①:半数改選
参議院の任期は解散なしの6年間。そして、議会の半数が3年毎に改選される。
任期規定及び半数改選規定は現行憲法第46条に基づく。
これは、前述した参議院の存在意義である【専門性と良識に基づく衆議院審議の検証】の役割を担う為に、解散なしで比較的長期の任期を付与する為の規定である。
また、半数改選制度は、衆参同時選挙等で議員内閣制の行政府と立法府の総てで公職者が存在しなくなる事態を防止する意味がある。
【専門性と良識に基づく衆議院審議の検証】が参議院の役割なので、被選挙権も参議院の方が衆議院よりも高い年齢に設定されているのである。
<被選挙権年齢:参議院満30歳以上、衆議院満25歳以上(公職選挙法第10条)>
因みに、被選挙権については、都道府県知事30歳以上、都道府県議会議員、市町村議会、市町村長については25歳以上とされている。
今回の参議院選挙は、6年前の前々回第2010年7月の第22回通常選挙で当選した議員の改選である。前回3年前の2013年7月第23回通常選挙での当選議員は任期がまだ3年残っているので対象ではない。
特徴②:県毎の選挙区、
今回は、初めて「県毎の選挙区」の原則から外れた選挙区が設定された選挙になった。
従前にはなかった「鳥取・島根」「徳島・高知」の両選挙区である。
これは先述した様に、我が国の選挙制度をなんでもかんでも「1票の格差」との単一の物差しで考える硬直性のために、かえって「多様な民意」の反映が阻害されていることによる。合区された鳥取県の民意、島根県の民意が阻害され、「鳥取・島根の民意」へと変更されたのである。徳島と高知も同様だ。
今回の半数改選の定数は、選挙区73、比例区48の合計121議席で前回、前々回と同じであるが、選挙区毎の配分は大きく変わっている。
「1票の格差」=人口比での調整の結果である。
議席数毎の選挙区数を左から2010年第22回、2013年第23回、2016年第24回の順番で比較したのでご覧いただきたい。
1人区-29選挙区-31選挙区-32選挙区(0.5の両合区を含む)
2人区-12選挙区-5選挙区-4選挙区
3人区-5選挙区-3選挙区-5選挙区
4人区-0選挙区-2選挙区-3選挙区
5人区以上:東京5→5→6(今回1議席増)
これらデータを見ていただければわかる通り、1人区が6年前に比して3つ増えている。
これには、実質0.5人区の鳥取・島根、徳島・高知を含むので、実態としては5つ増えていると言えるだろう。
一方、選挙区議席の総数は73のまま不変であることから、別の都道府県では割り当て議席数の増加があることがわかるだろう。
選挙区毎の増減を詳しくみていくと以下の通りとなる。
6年前に12選挙区もあった2人区は以下の12道府県である。
北海道、宮城、福島、茨城、新潟、長野、岐阜、静岡、京都、兵庫、広島、福岡
これが3年前に5選挙区に、今回は4選挙区へと激減した理由は2 つある。
1つ目の理由は1人区への減少である。今回1人区となっているのは以下の5県である。
宮城、福島、新潟、長野、岐阜
2つ目の理由は3人区への増加である。今回3人区となっているのは以下の3県である。
北海道、兵庫、福岡
2人区のままなのは、茨城、静岡、京都、広島の4県である。
6年前に5選挙区あった3人区は、今回も同じ5選挙区だが、内訳は大きく違っている。
6年前の5選挙区とは、大阪、神奈川、愛知、千葉、埼玉の5府県であるが、3年前からは大阪、神奈川が4人区、今回からは愛知も4人区となり3選挙区が抜けたが、かわりに2人区だった北海道、兵庫、福岡が3人区となり、不変の千葉、埼玉と合わせた5選挙区である。
首都東京は、3年前までは5人区であったが、今回もから6人区となった。
増減した都道府県名を見ていただければわかる通り、「1票の格差」=「人口比」との衆議院と同じ単一物差しでの議席配分の結果なのである。
こんなことで、地方創成とか地方活性化とかは難しいのではないかと考えている。
この6年間で議席増加した都道府県は以下の7都道府県である。
・首都圏:東京、神奈川、
・近畿圏:大阪、兵庫、
・中京圏等地方中核:愛知、福岡、北海道
一方、この6年間で議席減少した県は以下の9県である。
東北地方:宮城、福島、
中部北陸:新潟、長野、岐阜
中国・四国地方:鳥取、島根、徳島、高知(1→0.5)
「1票の格差」=「人口比」が、あたかも至上の正義の様に論じられているが、この様な結果を見ると、もう一方では、地域特性や地域の民意を選挙制度で国政の場から排除するとの「負の側面」があることがわかると思う。
特徴③:全国比例区は非拘束名簿性
参議院比例区は、その昔の参議院全国区と同じく、日本全国を1比例区とするものである。
衆議院の比例区とは制度が大きく違うので注意が必要だ。
衆議院の比例区は、ぶっちゃけて言えば、小選挙区で落選した議員の失職を防止する議員用セーフティーネットの様なものだ(笑)。
全国を11ブロックの比例区に分けており、比例区で「当選」するのは、そのブロック内にある小選挙区で落選した議員だからである。
それ故に、衆議院議員選挙で小選挙区と比例区に各々投票するのだが、その構造からは、小選挙区0.5票+比例での党名投票0.5票との構造である。
何故なら、当選対象者は小選挙区に立候補した同じ候補だからである。
一方、参議院の比例区は、同じ選挙では、選挙区と比例区との重複立候補を認めていない。
つまり、選挙区と全国比例区で各々1票ある勘定となる。
衆議院の比例区は、党名のみを記載する投票方法だが、参議院比例区は、党名または比例区の候補者名のどちらか一方を記載する方法となる。
党名または比例区候補者名のどちらかで投票された票は、A:党名票とB:候補者名票との構成になるのだが、先ず、A+Bの票数が=「党の獲得票数」になる。
比例区の党別の当選者割り当て数は、衆議院と同じドント方式であり、A+Bの得票数で計算される。ドント方式にはマジックがある。有力第1党に集中させないで、弱小な他政党に投票が分散されると、対抗第2党の候補が当選するとのマジックである。
A+Bの得票数で各党に当選者数数が割り振られるのだが、各党の候補者名簿は「非拘束性」である。各党の名簿内での順位はBの「候補者名」の獲得票数で決まる。
名簿内の順位はBだけでカウントされるので、比例区での投票は「専門性と見識を備えた人物」と思われる候補者名で行うことを推奨する。
わからなければ、党名であっても勿論構わないので、あまり悩む必要はない。
今回は「基礎知識」なので、以上とする。
ご参考:<主権3)の意味>
主権3)とは、国民が投票行動等で国家の行く末を決める「主権」のことです。
現行憲法では「主権の存する国民」との語句で表現されている「主権」のことです。
一方、主権はそれだけではありません。国家統治権=主権1)、国際社会での国家間の国家主権=主権2)があります。
詳しくは以下をご覧ください。
2015/11/15投稿:
【コラム】このプログは途中から読んでも大丈夫。:
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-265.html
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いよいよ参議院選挙が公示される。
新聞・TV等は相変わらずの「報道」を繰り返しており、参議院選挙の意味を「政局」でしか見ていない。
そこで、我々国民の視点から見た参議院選挙について少々述べておきたい。
我々日本国民が持つ投票権、即ち「主権3)の行使」をする機会なので、基礎的知識の再確認と、主権行使上の意味合いについて少々述べておきたい。
<主権3)の意味は文末で確認願う。>
1.参議院の存在意義
存在意義:①専門性及び良識に基づく衆議院審議の検証、②多様な民意の反映
○存在意義①:「専門性及び良識に基づく衆議院審議の検証」について
我が国議会は二院制を採用している。衆議院と参議院の二院である。
G7諸国の他の6ヶ国である米、英、独、仏、伊、加を含め、総て二院制である。
我が国の汚鮮された偏向論者が一院制を主張しているが、民主主義の歴史が長い主要国総てが二院制であるとの意味をすっ飛ばしたもので、その様な暴論に騙されてはならない。
とは言え、現状の様な不見識な議員が蔓延る参議院は、参議院の本来の姿である【良識の府】から程遠い。その様な現状からは「参議院不要論」が一定程度の説得力を持つのも致し方ない。
しかし、その話の方向性が「参議院廃止」では、民主主義体制の改悪でしかない。
参議院の本来的存在意義は【専門性と良識に基づく衆議院審議の検証】にある。
その機能を発揮する為には、参議院議員には、専門性と良識を具備した人物が就任すべきなのであり、その様な議員を選ぶ責任は「主権者国民」にある。
「専門性と見識を備えた人物」の具体例としては、昨年夏の安保法制で、その専門性を発揮した佐藤正久議員などがおり、けして「ないものねだり」ではない。
一方、相応しくない人物の事例は枚挙に暇がない(笑)
そんな相応しくない人物を選んでいるのは我々国民であることを、もう一度考えたい。
この「参議院の存在意義」の第一である「専門性及び良識に基づく衆議院審議の検証」をサヨクマスゴミはネジ曲げるので注意が必要である。
「衆議院審議の検証」の本来の意味は、参議院は良識の府として、<党派を超えて><専門性と良識に基づき><本質的議論を行い>衆議院の審議を検証するのであって、けして「ネジレ国会」という意味ではない。
「衆議院の検証」の本質は、本質的議論にあり、衆議院と別党派にある訳ではない。
「なんでもかんでも反対」はけして専門性と良識に基づく本質的議論ではない。
サヨクマスゴミが提示する偽情報には注意が必要だ。
投票する際には、「専門性と見識を備えた人物」をお選びいただきたい。
その様な人物が思い当たらない場合は、各党の綱領・公約の内容及びその実現性を勘案してお選びいただくのが「主権者国民」=主権3)の行為者としての責務だと考えている。
○存在意義②:「多様な民意の反映」について
参議院の存在意義の2つ目「多様な民意の反映」に関しては、我が国事例では分かり難い。
何故ならば、衆参両院ともに、選挙区の議席配分の考え方が単一の「人口比」になっているからである。
我が国とは政体構造が違うのだが、米・独の様な国は、下院(我が国では衆議院)の定員・選挙区割は人口比だが、上院(我が国では参議院)の定員・選挙区割は地域制(人口比に関係なく各州2名)になっており、その様な違う選挙制度で民意の多様性を担保している。
我が国参議院選挙の場合、近年のなんでもかんでも「1票の格差」との単一の物差しで考える硬直性のために、かえって「多様な民意」の反映が阻害されているのが現実である。
この問題は、今回参議院選挙では、従前の「1県に最低1議席確保」との原則が崩れ、益々多様性からは遠のいているが、現時点では、もうどうにもならないので論評はここまでとする。
2.参議院の選挙制度
特徴:①半数改選、②県毎の選挙区、③全国比例区は非拘束名簿性
参議院の選挙制度は衆議院とは異なっている。
投票をする際には、衆議院選挙とは違うことを意識しよう。
○特徴①:半数改選
参議院の任期は解散なしの6年間。そして、議会の半数が3年毎に改選される。
任期規定及び半数改選規定は現行憲法第46条に基づく。
これは、前述した参議院の存在意義である【専門性と良識に基づく衆議院審議の検証】の役割を担う為に、解散なしで比較的長期の任期を付与する為の規定である。
また、半数改選制度は、衆参同時選挙等で議員内閣制の行政府と立法府の総てで公職者が存在しなくなる事態を防止する意味がある。
【専門性と良識に基づく衆議院審議の検証】が参議院の役割なので、被選挙権も参議院の方が衆議院よりも高い年齢に設定されているのである。
<被選挙権年齢:参議院満30歳以上、衆議院満25歳以上(公職選挙法第10条)>
因みに、被選挙権については、都道府県知事30歳以上、都道府県議会議員、市町村議会、市町村長については25歳以上とされている。
今回の参議院選挙は、6年前の前々回第2010年7月の第22回通常選挙で当選した議員の改選である。前回3年前の2013年7月第23回通常選挙での当選議員は任期がまだ3年残っているので対象ではない。
特徴②:県毎の選挙区、
今回は、初めて「県毎の選挙区」の原則から外れた選挙区が設定された選挙になった。
従前にはなかった「鳥取・島根」「徳島・高知」の両選挙区である。
これは先述した様に、我が国の選挙制度をなんでもかんでも「1票の格差」との単一の物差しで考える硬直性のために、かえって「多様な民意」の反映が阻害されていることによる。合区された鳥取県の民意、島根県の民意が阻害され、「鳥取・島根の民意」へと変更されたのである。徳島と高知も同様だ。
今回の半数改選の定数は、選挙区73、比例区48の合計121議席で前回、前々回と同じであるが、選挙区毎の配分は大きく変わっている。
「1票の格差」=人口比での調整の結果である。
議席数毎の選挙区数を左から2010年第22回、2013年第23回、2016年第24回の順番で比較したのでご覧いただきたい。
1人区-29選挙区-31選挙区-32選挙区(0.5の両合区を含む)
2人区-12選挙区-5選挙区-4選挙区
3人区-5選挙区-3選挙区-5選挙区
4人区-0選挙区-2選挙区-3選挙区
5人区以上:東京5→5→6(今回1議席増)
これらデータを見ていただければわかる通り、1人区が6年前に比して3つ増えている。
これには、実質0.5人区の鳥取・島根、徳島・高知を含むので、実態としては5つ増えていると言えるだろう。
一方、選挙区議席の総数は73のまま不変であることから、別の都道府県では割り当て議席数の増加があることがわかるだろう。
選挙区毎の増減を詳しくみていくと以下の通りとなる。
6年前に12選挙区もあった2人区は以下の12道府県である。
北海道、宮城、福島、茨城、新潟、長野、岐阜、静岡、京都、兵庫、広島、福岡
これが3年前に5選挙区に、今回は4選挙区へと激減した理由は2 つある。
1つ目の理由は1人区への減少である。今回1人区となっているのは以下の5県である。
宮城、福島、新潟、長野、岐阜
2つ目の理由は3人区への増加である。今回3人区となっているのは以下の3県である。
北海道、兵庫、福岡
2人区のままなのは、茨城、静岡、京都、広島の4県である。
6年前に5選挙区あった3人区は、今回も同じ5選挙区だが、内訳は大きく違っている。
6年前の5選挙区とは、大阪、神奈川、愛知、千葉、埼玉の5府県であるが、3年前からは大阪、神奈川が4人区、今回からは愛知も4人区となり3選挙区が抜けたが、かわりに2人区だった北海道、兵庫、福岡が3人区となり、不変の千葉、埼玉と合わせた5選挙区である。
首都東京は、3年前までは5人区であったが、今回もから6人区となった。
増減した都道府県名を見ていただければわかる通り、「1票の格差」=「人口比」との衆議院と同じ単一物差しでの議席配分の結果なのである。
こんなことで、地方創成とか地方活性化とかは難しいのではないかと考えている。
この6年間で議席増加した都道府県は以下の7都道府県である。
・首都圏:東京、神奈川、
・近畿圏:大阪、兵庫、
・中京圏等地方中核:愛知、福岡、北海道
一方、この6年間で議席減少した県は以下の9県である。
東北地方:宮城、福島、
中部北陸:新潟、長野、岐阜
中国・四国地方:鳥取、島根、徳島、高知(1→0.5)
「1票の格差」=「人口比」が、あたかも至上の正義の様に論じられているが、この様な結果を見ると、もう一方では、地域特性や地域の民意を選挙制度で国政の場から排除するとの「負の側面」があることがわかると思う。
特徴③:全国比例区は非拘束名簿性
参議院比例区は、その昔の参議院全国区と同じく、日本全国を1比例区とするものである。
衆議院の比例区とは制度が大きく違うので注意が必要だ。
衆議院の比例区は、ぶっちゃけて言えば、小選挙区で落選した議員の失職を防止する議員用セーフティーネットの様なものだ(笑)。
全国を11ブロックの比例区に分けており、比例区で「当選」するのは、そのブロック内にある小選挙区で落選した議員だからである。
それ故に、衆議院議員選挙で小選挙区と比例区に各々投票するのだが、その構造からは、小選挙区0.5票+比例での党名投票0.5票との構造である。
何故なら、当選対象者は小選挙区に立候補した同じ候補だからである。
一方、参議院の比例区は、同じ選挙では、選挙区と比例区との重複立候補を認めていない。
つまり、選挙区と全国比例区で各々1票ある勘定となる。
衆議院の比例区は、党名のみを記載する投票方法だが、参議院比例区は、党名または比例区の候補者名のどちらか一方を記載する方法となる。
党名または比例区候補者名のどちらかで投票された票は、A:党名票とB:候補者名票との構成になるのだが、先ず、A+Bの票数が=「党の獲得票数」になる。
比例区の党別の当選者割り当て数は、衆議院と同じドント方式であり、A+Bの得票数で計算される。ドント方式にはマジックがある。有力第1党に集中させないで、弱小な他政党に投票が分散されると、対抗第2党の候補が当選するとのマジックである。
A+Bの得票数で各党に当選者数数が割り振られるのだが、各党の候補者名簿は「非拘束性」である。各党の名簿内での順位はBの「候補者名」の獲得票数で決まる。
名簿内の順位はBだけでカウントされるので、比例区での投票は「専門性と見識を備えた人物」と思われる候補者名で行うことを推奨する。
わからなければ、党名であっても勿論構わないので、あまり悩む必要はない。
今回は「基礎知識」なので、以上とする。
ご参考:<主権3)の意味>
主権3)とは、国民が投票行動等で国家の行く末を決める「主権」のことです。
現行憲法では「主権の存する国民」との語句で表現されている「主権」のことです。
一方、主権はそれだけではありません。国家統治権=主権1)、国際社会での国家間の国家主権=主権2)があります。
詳しくは以下をご覧ください。
2015/11/15投稿:
【コラム】このプログは途中から読んでも大丈夫。:
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