【コラム】参議院選挙制度考察4
- 2016/02/20
- 01:00
【コラム】参議院選挙制度考察4

副題:再開にあたって、直前までやっていた考察の軌跡をまとめてみた。
昨年末から2月の初旬迄の期間は慰安婦日韓合意に対する誤解を看過出来ずに「今北産業シリーズ」にパワーをかけ過ぎて、本ブログの本来目的である憲法研究の記事が少なくなっていたのだが、今北産業な方に伝えるべきことはだいたい書いたので、本来目的に軸足を置き、再開する。
間が空きすぎたので、中断前時点迄の憲法研究および【日本国憲法改正私案α版】の自己検証状況を、再開に際してまとめてみた。
先ず、当方が憲法改正案として提示している【日本国憲法改正私案α版】の自己検証を、タグ【α版検証】にて進めているが「第3章・国会」の「選挙に関する事項」条文の検証に際して、我が国国会に関しての考察を深める必要性があると認識したので、検証を一旦保留して、あらためてタグ「憲法研究」にて同考察を進めた。
○第4章・国会 衆議院・参議院について1~7
(URLは文末に記載)
これら検討の結果、衆議院(我が国下院)の選挙制度については、以下の様な他国下院の事例とその理念から、G7諸国下院と同様に主権1)に軸足を置く「人口比」での公平性を主眼とする選挙制度が望ましい旨をその結論とした。
<各国下院の選挙制度の理念まとめ>
○連邦型
米・代議院 :人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
独・連邦議会:人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
○貴族院型
英・庶民院 :人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
○民選議院型
伊・代議院 :人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
仏・国民議会:人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
その上で、【主権3)に軸足を置く「人口比」での公平性を主眼とする選挙制度】との
原理原則で現行の衆議院の選挙制度である「小選挙区比例代表並立制」を見ると、我が国衆議院の選挙制度は、基本的には原理原則に沿っているものの、必ずしも原理原則が貫徹されているとは言い難いものであることも見えてきた。
その事については以下のコラムにてまとめてある。
2016/01/16:【コラム】衆議院「1票の格差」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-316.html
このコラムでは、【主権3)に軸足を置く「人口比」での公平性を主眼とする選挙制度】との原理原則を追求するのが目的のはずの「小選挙区間の1票の格差」を本気で縮めたいのなら「小選挙区比例代表並立制」への議席配分が多すぎるとの考察をしている。
比例区を現行180議席から90議席程度に半減させることや全廃することで、人口密集地に新たな選挙区を設定する等の調整ができ「小選挙区間の1票の格差」の縮小も可能になってくる旨を考察した。
一方、同時に、数値分析の結果「1票の格差」とはあたかも「小選挙区限定」の話だとする様な現状の議論に疑問を呈した。
比例区全国11ブロックを含めた各地域の「1票の格差」の数値を見ると、現行の「1票の格差」問題は、代議制民主主義の公平性確保を目的としたものではなく、野党側の政局狙いの議題として利用されている様に感じている。
考察の結果、我が国下院・衆議院が、上記の様な各国下院と同様の理念での議会とするのは妥当であるのだが、一方の我が国上院・参議院はどの様な議会であるべきに関しては論をもっと深める必要性も見えてきた。
参議院に関して論じる際には、先ず、衆議院でのアプローチと同様に、各国の上院の理念・選挙制度等を調べた。また同時並行して、上院に期待される機能・役割も各国事例を用いて考察した。考察の結果は以下の様にまとめられる。
1.<二院制上院に期待される機能>
①多様な民意の反映。
②下院の過誤の修正等。
<二院制上院で弊害が生じる可能性>
③衆参が捻じれ国会である場合、参議院が強い拒否権を行使して立法上・政策上の行き詰まりが発生し国政が停止・停滞する。
④機能重複による政策決定の遅延等。
2.<各国上院の選挙制度理念>
○連邦型
米・元老院 :各州2名との主権2)統治権持つ州の代表・人口比ではない。
独・連邦参議院:直接選挙なし主権2)統治権持つ各州政府が参議院議員を派遣
○貴族院型
英・貴族院 :貴族に列せられた人物による。専門性・中立性機能
○民選議院型
伊・元老院 :人口比あるも「地域性」理念持つ
仏・元老院 :直接選挙なし・「地域性」理念持つ
この様な認識前提のもとに、我が国上院・参議院の選挙制度について考察を続けた。
その動機の一番重要ポイントは【我が国参議院の選挙制度が、衆議院と同じ「人口比」を基準とする概念一辺倒では、衆議院のカーボンコピーとなるのは必然ではないか?】との疑念からである。考察は以下の様に続けている。
2016/01/18:【コラム】参議院選挙制度考察
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-319.html
・我が国参議院の選挙制度が、衆議院と同じ「人口比」を基準とする概念一辺倒では、衆議院のカーボンコピーとなるのは必然ではないか?
二院制参議院の役目とは、多様な民意の反映と、衆議院の議決に対する専門性ある冷静な判断であるのだが、選挙制度が衆議院と同じ「人口比」基準一辺倒では、選出される参議院銀は自ずと衆議院と似たものになってしまわないか?
2016/01/20:【コラム】参議院選挙制度考察2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-321.html
・我が国の比較対象としてG7諸国の二院制選挙制度を見てきたが、英国は非公選制の貴族院、米国・独国は連邦制国家で主権1)統治権の概念が我が国と違うことから、仏国、伊国以外の他国事例を研究した。台湾、ミャンマー、豪州、加国の4か国を研究した。
G7及びこれら追加研究した国の何れもが、人口比以外の基準として、地域性を採用していることがわかった。
2016/01/27:【コラム】参議院選挙制度考察3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-327.html
・我が国参議院に求められている「良識の府」としての機能を発揮できる選挙制度とは何か?とのアプローチで考察した。参議院の議論レベルが「良識の府」のレベルに達していないのは何が原因か?その1つが結局は、議員の質は選挙民の質に比例しているのではないか?との命題をスタート地点として考察を進めた。
その概要は以下の通りである。
①:福沢諭吉「学問のすすめ」で指摘されている様に、その国の政治・政治家のレベルは国民・選挙民のレベルに帰する問題である。
↓
②:しかしながら、国民・選挙民が目覚めても、それに相応しい候補者を政党側が提示し得てない。自民党以外の選択肢がないとの我が国の政治状況がある。
↓
③:自民党候補者が相応しい候補者でない場合でも、反日・共産主義政党の旧社会党や共産党に投票することは自分で自分の首を絞める愚行であり、仕方なく自民党に投票せざるを得ない環境が以前はずっと続いてきたのであった。
↓
④:そこへ、自民党で実務経験がある【と思われていた】一団が自民党を離党して「非自民・非共産」の野党連合を結成した。「非自民」とは、国民・選挙民が望まない従来の硬直した守旧的政治家に対するNoであり、「非共産」とは、国民・選挙民が望まない反日共産主義に対するNoであり、それに国民・選挙民が投票した結果が「細川政権」であった。
↓
⑤:細川政権の実態は、組閣時記者会見での「侵略戦争」発言にみられる様に、国家観なき「戦後民主主義」に毒されたサヨクであり、その後1年ももたずに総理を辞任した無能政権であった。国民・選挙民は実態ではなくマスゴミ等が流すムードや雰囲気に流され、誤った投票行動をしたことに気付いたのは後になってからであった。
↓
⑥:この「非自民・非共産」のイメージ戦略は、その後の民主党政権が誕生した「政権交代」連呼選挙でも同様の効果を発揮した。リーマンショックとの外部要因さえも自民党政権の責任であるかの様な偏向が加わり、またもや偏向マスコミが投影した幻想に期待した「おQ層」が民主党に投票して、国民は自ら不幸な選択をしてしまった。
(注1):「おQ層」とは、2009年8月の選挙の際に「自民党にお灸を据えてやる」として民主党に投票してしまった層のことである。民主党に投票した「おQ層」は「自民党にお灸を据えたつもりが、自分の背中に火が付いて大火傷をした」との結果を経験したはずである。投票前の時点から、民主党が政権を担ったら大混乱になることは見えていたにも関わらず、投票してしまうことが魯迅の「阿Q伝」の阿Qと同じ愚か者だとの暗喩から「おQ層」と表記される、所謂フワフワ層のことである。
(注2):「国民は自ら不幸な選択をしてしまった」とは、政権運営能力がない民主党がデッチ上げたマニュフェスト(選挙公約)の実現性がないことが明らかだったのに投票したことを指す。
↓
⑦:民主党に投票してしまう「おQ層」が覚醒して、実行力もなく政権運営能力もない野党に投票しなくなったとしても、「非自民」の根拠となった「自民党自体のダメな部分」は改善さない。むしろ「選択肢がない」との構造は「自民党自体のダメな部分」を保存させる構造が維持されるものである。
以上が前回迄の考察・論評の概要であるのだが、結局は堂々巡りに終わることが明らかである。先ず、議員の質は選挙民に基づくとの最初の命題を否定しきれる論はないし、同時に「自民党に代わる政権に実務能力・安定性がない」状態から進展しないことが細川政権・民主党政権でわかったし、自社さ野合連立政権の様に、自民党議員が多数政権にいても、総理大臣が、あの村山富一では機能しないことがわかったのである。
長くなったので、考察・論述は次回からとする。
憲法研究:我が国国会に関しての考察1~6
○考察の目的等
2016/01/04:第4章・国会 衆議院・参議院について1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-306.html
○二院制の他国事例紹介及びその考察3編
2016/01/05:第4章・国会 衆議院・参議院について2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-307.html
2016/01/07:第4章・国会 衆議院・参議院について3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-308.html
2016/01/08:第4章・国会 衆議院・参議院について4
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-309.html
○考察まとめ3編
2016/01/12:第4章・国会 衆議院・参議院について5
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-312.html
2016/01/13:第4章・国会 衆議院・参議院について6
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-313.html
2016/01/17:第4章・国会 衆議院・参議院について7
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-318.html
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副題:再開にあたって、直前までやっていた考察の軌跡をまとめてみた。
昨年末から2月の初旬迄の期間は慰安婦日韓合意に対する誤解を看過出来ずに「今北産業シリーズ」にパワーをかけ過ぎて、本ブログの本来目的である憲法研究の記事が少なくなっていたのだが、今北産業な方に伝えるべきことはだいたい書いたので、本来目的に軸足を置き、再開する。
間が空きすぎたので、中断前時点迄の憲法研究および【日本国憲法改正私案α版】の自己検証状況を、再開に際してまとめてみた。
先ず、当方が憲法改正案として提示している【日本国憲法改正私案α版】の自己検証を、タグ【α版検証】にて進めているが「第3章・国会」の「選挙に関する事項」条文の検証に際して、我が国国会に関しての考察を深める必要性があると認識したので、検証を一旦保留して、あらためてタグ「憲法研究」にて同考察を進めた。
○第4章・国会 衆議院・参議院について1~7
(URLは文末に記載)
これら検討の結果、衆議院(我が国下院)の選挙制度については、以下の様な他国下院の事例とその理念から、G7諸国下院と同様に主権1)に軸足を置く「人口比」での公平性を主眼とする選挙制度が望ましい旨をその結論とした。
<各国下院の選挙制度の理念まとめ>
○連邦型
米・代議院 :人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
独・連邦議会:人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
○貴族院型
英・庶民院 :人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
○民選議院型
伊・代議院 :人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
仏・国民議会:人口比・主権3)行使を主眼に置く制度
その上で、【主権3)に軸足を置く「人口比」での公平性を主眼とする選挙制度】との
原理原則で現行の衆議院の選挙制度である「小選挙区比例代表並立制」を見ると、我が国衆議院の選挙制度は、基本的には原理原則に沿っているものの、必ずしも原理原則が貫徹されているとは言い難いものであることも見えてきた。
その事については以下のコラムにてまとめてある。
2016/01/16:【コラム】衆議院「1票の格差」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-316.html
このコラムでは、【主権3)に軸足を置く「人口比」での公平性を主眼とする選挙制度】との原理原則を追求するのが目的のはずの「小選挙区間の1票の格差」を本気で縮めたいのなら「小選挙区比例代表並立制」への議席配分が多すぎるとの考察をしている。
比例区を現行180議席から90議席程度に半減させることや全廃することで、人口密集地に新たな選挙区を設定する等の調整ができ「小選挙区間の1票の格差」の縮小も可能になってくる旨を考察した。
一方、同時に、数値分析の結果「1票の格差」とはあたかも「小選挙区限定」の話だとする様な現状の議論に疑問を呈した。
比例区全国11ブロックを含めた各地域の「1票の格差」の数値を見ると、現行の「1票の格差」問題は、代議制民主主義の公平性確保を目的としたものではなく、野党側の政局狙いの議題として利用されている様に感じている。
考察の結果、我が国下院・衆議院が、上記の様な各国下院と同様の理念での議会とするのは妥当であるのだが、一方の我が国上院・参議院はどの様な議会であるべきに関しては論をもっと深める必要性も見えてきた。
参議院に関して論じる際には、先ず、衆議院でのアプローチと同様に、各国の上院の理念・選挙制度等を調べた。また同時並行して、上院に期待される機能・役割も各国事例を用いて考察した。考察の結果は以下の様にまとめられる。
1.<二院制上院に期待される機能>
①多様な民意の反映。
②下院の過誤の修正等。
<二院制上院で弊害が生じる可能性>
③衆参が捻じれ国会である場合、参議院が強い拒否権を行使して立法上・政策上の行き詰まりが発生し国政が停止・停滞する。
④機能重複による政策決定の遅延等。
2.<各国上院の選挙制度理念>
○連邦型
米・元老院 :各州2名との主権2)統治権持つ州の代表・人口比ではない。
独・連邦参議院:直接選挙なし主権2)統治権持つ各州政府が参議院議員を派遣
○貴族院型
英・貴族院 :貴族に列せられた人物による。専門性・中立性機能
○民選議院型
伊・元老院 :人口比あるも「地域性」理念持つ
仏・元老院 :直接選挙なし・「地域性」理念持つ
この様な認識前提のもとに、我が国上院・参議院の選挙制度について考察を続けた。
その動機の一番重要ポイントは【我が国参議院の選挙制度が、衆議院と同じ「人口比」を基準とする概念一辺倒では、衆議院のカーボンコピーとなるのは必然ではないか?】との疑念からである。考察は以下の様に続けている。
2016/01/18:【コラム】参議院選挙制度考察
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-319.html
・我が国参議院の選挙制度が、衆議院と同じ「人口比」を基準とする概念一辺倒では、衆議院のカーボンコピーとなるのは必然ではないか?
二院制参議院の役目とは、多様な民意の反映と、衆議院の議決に対する専門性ある冷静な判断であるのだが、選挙制度が衆議院と同じ「人口比」基準一辺倒では、選出される参議院銀は自ずと衆議院と似たものになってしまわないか?
2016/01/20:【コラム】参議院選挙制度考察2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-321.html
・我が国の比較対象としてG7諸国の二院制選挙制度を見てきたが、英国は非公選制の貴族院、米国・独国は連邦制国家で主権1)統治権の概念が我が国と違うことから、仏国、伊国以外の他国事例を研究した。台湾、ミャンマー、豪州、加国の4か国を研究した。
G7及びこれら追加研究した国の何れもが、人口比以外の基準として、地域性を採用していることがわかった。
2016/01/27:【コラム】参議院選挙制度考察3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-327.html
・我が国参議院に求められている「良識の府」としての機能を発揮できる選挙制度とは何か?とのアプローチで考察した。参議院の議論レベルが「良識の府」のレベルに達していないのは何が原因か?その1つが結局は、議員の質は選挙民の質に比例しているのではないか?との命題をスタート地点として考察を進めた。
その概要は以下の通りである。
①:福沢諭吉「学問のすすめ」で指摘されている様に、その国の政治・政治家のレベルは国民・選挙民のレベルに帰する問題である。
↓
②:しかしながら、国民・選挙民が目覚めても、それに相応しい候補者を政党側が提示し得てない。自民党以外の選択肢がないとの我が国の政治状況がある。
↓
③:自民党候補者が相応しい候補者でない場合でも、反日・共産主義政党の旧社会党や共産党に投票することは自分で自分の首を絞める愚行であり、仕方なく自民党に投票せざるを得ない環境が以前はずっと続いてきたのであった。
↓
④:そこへ、自民党で実務経験がある【と思われていた】一団が自民党を離党して「非自民・非共産」の野党連合を結成した。「非自民」とは、国民・選挙民が望まない従来の硬直した守旧的政治家に対するNoであり、「非共産」とは、国民・選挙民が望まない反日共産主義に対するNoであり、それに国民・選挙民が投票した結果が「細川政権」であった。
↓
⑤:細川政権の実態は、組閣時記者会見での「侵略戦争」発言にみられる様に、国家観なき「戦後民主主義」に毒されたサヨクであり、その後1年ももたずに総理を辞任した無能政権であった。国民・選挙民は実態ではなくマスゴミ等が流すムードや雰囲気に流され、誤った投票行動をしたことに気付いたのは後になってからであった。
↓
⑥:この「非自民・非共産」のイメージ戦略は、その後の民主党政権が誕生した「政権交代」連呼選挙でも同様の効果を発揮した。リーマンショックとの外部要因さえも自民党政権の責任であるかの様な偏向が加わり、またもや偏向マスコミが投影した幻想に期待した「おQ層」が民主党に投票して、国民は自ら不幸な選択をしてしまった。
(注1):「おQ層」とは、2009年8月の選挙の際に「自民党にお灸を据えてやる」として民主党に投票してしまった層のことである。民主党に投票した「おQ層」は「自民党にお灸を据えたつもりが、自分の背中に火が付いて大火傷をした」との結果を経験したはずである。投票前の時点から、民主党が政権を担ったら大混乱になることは見えていたにも関わらず、投票してしまうことが魯迅の「阿Q伝」の阿Qと同じ愚か者だとの暗喩から「おQ層」と表記される、所謂フワフワ層のことである。
(注2):「国民は自ら不幸な選択をしてしまった」とは、政権運営能力がない民主党がデッチ上げたマニュフェスト(選挙公約)の実現性がないことが明らかだったのに投票したことを指す。
↓
⑦:民主党に投票してしまう「おQ層」が覚醒して、実行力もなく政権運営能力もない野党に投票しなくなったとしても、「非自民」の根拠となった「自民党自体のダメな部分」は改善さない。むしろ「選択肢がない」との構造は「自民党自体のダメな部分」を保存させる構造が維持されるものである。
以上が前回迄の考察・論評の概要であるのだが、結局は堂々巡りに終わることが明らかである。先ず、議員の質は選挙民に基づくとの最初の命題を否定しきれる論はないし、同時に「自民党に代わる政権に実務能力・安定性がない」状態から進展しないことが細川政権・民主党政権でわかったし、自社さ野合連立政権の様に、自民党議員が多数政権にいても、総理大臣が、あの村山富一では機能しないことがわかったのである。
長くなったので、考察・論述は次回からとする。
憲法研究:我が国国会に関しての考察1~6
○考察の目的等
2016/01/04:第4章・国会 衆議院・参議院について1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-306.html
○二院制の他国事例紹介及びその考察3編
2016/01/05:第4章・国会 衆議院・参議院について2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-307.html
2016/01/07:第4章・国会 衆議院・参議院について3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-308.html
2016/01/08:第4章・国会 衆議院・参議院について4
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-309.html
○考察まとめ3編
2016/01/12:第4章・国会 衆議院・参議院について5
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-312.html
2016/01/13:第4章・国会 衆議院・参議院について6
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-313.html
2016/01/17:第4章・国会 衆議院・参議院について7
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-318.html



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