憲法改正私案の検証15「人権」の整理4
- 2015/10/17
- 12:15
憲法改正私案の検証15「人権」の整理4

検証を進めるにあたって(「人権」の整理4)
タグ【α版検証】で続けている【日本国憲法改正試案α版】の検証である。
「人権」に関する整理の前回3からの続きの4回目(最後)である。
対象は下記URLの【日本国憲法改正私案α版】の第3章を想定している。
【(2/5):第3章・国民の権利及び義務】
< http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-184.html >
最初に、前回の宿題の答えを記す。
大日本帝国憲法・告文及び上諭に以下の記述がある。これが我が国の君民一致、仁徳天皇の民のカマドの遺訓等の集積に立脚した我が国国柄に応じた本来的基本的人権A:(即ち協力姿勢・協調型人権理念・民は宝)である。
<大日本帝国憲法 告文より抜粋>(全文は本ブログ3-1を参照願う)
○我が国の歴史をかえりみて、世の中の進歩・向上していく機運や傾向、人倫の発達を我が国歴史の遺訓に則り(我が国の良き伝統)としてこれを推進していく所存です。
○益々大事業(国家運営統治)の基礎を強固にして臣民(国民)の幸福を増進する為にここに皇室典範および憲法を制定するものです。
○良く考えればわかりますが、これは以前から続いてきた我が国の良き伝統として我が国歴代天皇が子孫である私(明治天皇とその子孫)に言い残した国家運営の規範に従うこととに他なりません。
<大日本帝国憲法 上諭より抜粋>(全文は本ブログ3-2を参照願う)
○私(明治天皇)は神武天皇から始まる我が国歴代天皇の功績を受けて、万世一系の帝位を受け継ぎ、我が親愛なる臣民(国民)は、我が皇統が恵み、愛し、慈しみ、養ったところの臣民(国民)であることを思い、その幸福を増進し、その徳と才能を育成させることを願い、またその補佐により、ともに国家運営を補助してくれることを希望します。
○私は、我が臣民の権利および財産の安全を貴び重んじ、これを保護し、この憲法および法律の範囲内においてその享有を完全に確かなものだと宣言する。
<引用終わり>
帝国憲法発布に際しての告文・上諭である。
そこにある、我が国歴代天皇が言い残した国家運営の規範とは何かと言うと古事記・日本書紀のことである。記紀を学校で教えなくなって随分と長い時間が経っているので、記紀の物語=規範メタファーを知らぬ方も多いと思うが、仁徳天皇の民のカマドのことだと思えば良い。
あの物語こそが我が国の理念なのである。
上諭にある【我が親愛なる臣民(国民)は、我が皇統が恵み、愛し、慈しみ、養ったところの臣民(国民)であることを思い、その幸福を増進し、その徳と才能を育成させることを願い】を読めば、我が国国柄がわかるであろう。
絶対王政下西洋での王と民の関係は対立型である。民が自由を勝ち取る為の天賦人権説を唱え対決し、アメリカ独立戦争やフランス革命で築き上げてきた「長い苦労と試練の中で確立した権利」としての西洋由来の人権思想である。この対決型とは違う我が国国柄に沿った民の「権利」を告文・上諭で明示していることがわかるだろう。
我が国の天皇と民の関係は2千年前から、協調優先・対決不要の関係であったことからの
我が国の「人権思想」である。
明治大帝が大日本敵国憲法・上諭で、【私は、我が臣民の権利および財産の安全を貴び重んじ、これを保護し、この憲法および法律の範囲内においてその享有を完全に確かなものだと宣言する。】と言っているのは、我が国国柄に沿った民権(本来的基本的人権A:)の認定であり、立憲主義そのものである。
さて、前回迄でだいたいの整理をしたのだが、得心できたであろうか?
当方が感じるに「戦後民主主義教育」でネジ曲げられた、歴史館・憲法解釈・概念混乱が深刻であり、そう簡単には理解を得られないことは覚悟している。
理解し難い部分があるのなら、その部分を明示しコメントいただければ幸いである。
本ブログのコメント欄か以下のメールアドレスへのメールにてご連絡いただき度い。
< samrai308w@gmail.com >
さて、主権概念の整理に続き、この様に人権概念の整理を実施した。
これらは、次の検証対象である【日本国憲法改正私案α版】の第3章・国民の権利及び義務の条文が主権3)、本来的基本的人権A:、:それらを保障する人権B等の概念が混在する条文群であるからだ。
当方が起案した【日本国憲法改正私案α版】は自民党の改憲草案をベースに最低限押えておくべき項目として、①前文+9条の毒である主権2)制限の撤廃・自己決定権の取戻し、②主権1)の曖昧さ払拭、我が国国柄の取戻し、③帝国憲法以来続く主権3)の国民保持、議会制民主主義、三権分立の維持を優先したので、それ以外の部分では現行憲法の付随的問題点をある程度は引きずっていることは自覚している。
取り分け、第3章には多くには、その問題がある。
その検証である為に、検証前に主権概念の整理に加え、人権概念の整理を実施したものである。
<「人権」の整理>
A:本来的基本的人権A: ①自由権、②平等権
B:本来的基本的人権A:を保障する人権B:③社会権
<主権の整理>
1.主権1)=統治権
主権1)は英国と同様の建て付けとした。エリザベス女王に主権1)があり、その行使権と執行の責任が議会多数派の党首である英国首相にあるとの建て付けと同じである。
従い、我が国の主権1)は天皇にあり、その行使権と執行の責任は内閣総理大臣にあるとのまとめであり、これは現行憲法の主権1)に関わる条文内容と同じである。
2.主権2)=国際的関係、国家主権
主権2)は現状での世界標準の国家主権と同等の国家主権を持つとの建て付けが必要だ。
現行憲法の国家主権制限条項は改定し、唯一平和主義に則り侵略戦争はしません、そんな国家主権は行使しませんとの制限に自分の意志を表明する世界の標準的形式が良いだろう。
この宣言は我が国の平和理念に基づくものであり、法的禁止というよりも自らの信条の表明とするものである。
3.主権3)=政治決定・投票権・選出権
帝国議会から続く選挙を通じての現行の国民主権を堅持するとの建て付けとした。
司法権への国民意志反映が現行憲法規定では弱いと思うが、整理としては、司法・立法・行政の三権に対して、司法は国民審査、立法には選挙、行政には議院内閣制を通じた立法府選挙で国民意志を反映できる現行制度を基礎とすることで考える。
[「人権」の整理]は以上である。
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検証を進めるにあたって(「人権」の整理4)
タグ【α版検証】で続けている【日本国憲法改正試案α版】の検証である。
「人権」に関する整理の前回3からの続きの4回目(最後)である。
対象は下記URLの【日本国憲法改正私案α版】の第3章を想定している。
【(2/5):第3章・国民の権利及び義務】
< http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-184.html >
最初に、前回の宿題の答えを記す。
大日本帝国憲法・告文及び上諭に以下の記述がある。これが我が国の君民一致、仁徳天皇の民のカマドの遺訓等の集積に立脚した我が国国柄に応じた本来的基本的人権A:(即ち協力姿勢・協調型人権理念・民は宝)である。
<大日本帝国憲法 告文より抜粋>(全文は本ブログ3-1を参照願う)
○我が国の歴史をかえりみて、世の中の進歩・向上していく機運や傾向、人倫の発達を我が国歴史の遺訓に則り(我が国の良き伝統)としてこれを推進していく所存です。
○益々大事業(国家運営統治)の基礎を強固にして臣民(国民)の幸福を増進する為にここに皇室典範および憲法を制定するものです。
○良く考えればわかりますが、これは以前から続いてきた我が国の良き伝統として我が国歴代天皇が子孫である私(明治天皇とその子孫)に言い残した国家運営の規範に従うこととに他なりません。
<大日本帝国憲法 上諭より抜粋>(全文は本ブログ3-2を参照願う)
○私(明治天皇)は神武天皇から始まる我が国歴代天皇の功績を受けて、万世一系の帝位を受け継ぎ、我が親愛なる臣民(国民)は、我が皇統が恵み、愛し、慈しみ、養ったところの臣民(国民)であることを思い、その幸福を増進し、その徳と才能を育成させることを願い、またその補佐により、ともに国家運営を補助してくれることを希望します。
○私は、我が臣民の権利および財産の安全を貴び重んじ、これを保護し、この憲法および法律の範囲内においてその享有を完全に確かなものだと宣言する。
<引用終わり>
帝国憲法発布に際しての告文・上諭である。
そこにある、我が国歴代天皇が言い残した国家運営の規範とは何かと言うと古事記・日本書紀のことである。記紀を学校で教えなくなって随分と長い時間が経っているので、記紀の物語=規範メタファーを知らぬ方も多いと思うが、仁徳天皇の民のカマドのことだと思えば良い。
あの物語こそが我が国の理念なのである。
上諭にある【我が親愛なる臣民(国民)は、我が皇統が恵み、愛し、慈しみ、養ったところの臣民(国民)であることを思い、その幸福を増進し、その徳と才能を育成させることを願い】を読めば、我が国国柄がわかるであろう。
絶対王政下西洋での王と民の関係は対立型である。民が自由を勝ち取る為の天賦人権説を唱え対決し、アメリカ独立戦争やフランス革命で築き上げてきた「長い苦労と試練の中で確立した権利」としての西洋由来の人権思想である。この対決型とは違う我が国国柄に沿った民の「権利」を告文・上諭で明示していることがわかるだろう。
我が国の天皇と民の関係は2千年前から、協調優先・対決不要の関係であったことからの
我が国の「人権思想」である。
明治大帝が大日本敵国憲法・上諭で、【私は、我が臣民の権利および財産の安全を貴び重んじ、これを保護し、この憲法および法律の範囲内においてその享有を完全に確かなものだと宣言する。】と言っているのは、我が国国柄に沿った民権(本来的基本的人権A:)の認定であり、立憲主義そのものである。
さて、前回迄でだいたいの整理をしたのだが、得心できたであろうか?
当方が感じるに「戦後民主主義教育」でネジ曲げられた、歴史館・憲法解釈・概念混乱が深刻であり、そう簡単には理解を得られないことは覚悟している。
理解し難い部分があるのなら、その部分を明示しコメントいただければ幸いである。
本ブログのコメント欄か以下のメールアドレスへのメールにてご連絡いただき度い。
< samrai308w@gmail.com >
さて、主権概念の整理に続き、この様に人権概念の整理を実施した。
これらは、次の検証対象である【日本国憲法改正私案α版】の第3章・国民の権利及び義務の条文が主権3)、本来的基本的人権A:、:それらを保障する人権B等の概念が混在する条文群であるからだ。
当方が起案した【日本国憲法改正私案α版】は自民党の改憲草案をベースに最低限押えておくべき項目として、①前文+9条の毒である主権2)制限の撤廃・自己決定権の取戻し、②主権1)の曖昧さ払拭、我が国国柄の取戻し、③帝国憲法以来続く主権3)の国民保持、議会制民主主義、三権分立の維持を優先したので、それ以外の部分では現行憲法の付随的問題点をある程度は引きずっていることは自覚している。
取り分け、第3章には多くには、その問題がある。
その検証である為に、検証前に主権概念の整理に加え、人権概念の整理を実施したものである。
<「人権」の整理>
A:本来的基本的人権A: ①自由権、②平等権
B:本来的基本的人権A:を保障する人権B:③社会権
<主権の整理>
1.主権1)=統治権
主権1)は英国と同様の建て付けとした。エリザベス女王に主権1)があり、その行使権と執行の責任が議会多数派の党首である英国首相にあるとの建て付けと同じである。
従い、我が国の主権1)は天皇にあり、その行使権と執行の責任は内閣総理大臣にあるとのまとめであり、これは現行憲法の主権1)に関わる条文内容と同じである。
2.主権2)=国際的関係、国家主権
主権2)は現状での世界標準の国家主権と同等の国家主権を持つとの建て付けが必要だ。
現行憲法の国家主権制限条項は改定し、唯一平和主義に則り侵略戦争はしません、そんな国家主権は行使しませんとの制限に自分の意志を表明する世界の標準的形式が良いだろう。
この宣言は我が国の平和理念に基づくものであり、法的禁止というよりも自らの信条の表明とするものである。
3.主権3)=政治決定・投票権・選出権
帝国議会から続く選挙を通じての現行の国民主権を堅持するとの建て付けとした。
司法権への国民意志反映が現行憲法規定では弱いと思うが、整理としては、司法・立法・行政の三権に対して、司法は国民審査、立法には選挙、行政には議院内閣制を通じた立法府選挙で国民意志を反映できる現行制度を基礎とすることで考える。
[「人権」の整理]は以上である。



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