事実指摘が気に入らない朝日言論・AERA.dotで幻想をふりまく
- 2023/09/24
- 21:56
事実指摘が気に入らない朝日言論・AERA.dotで幻想をふりまく
副題:外交と軍事は別物ではない。そうであるにも関わららず、朝日言論ではそれを「戦争か平和か」とのまやかしの二元論で語ってしまう。Si vis pacem, para bellum
今回の題材は、朝日言論の一角を占めるAERA.dotの記事である。(*1)
当該記事の見出しは「◆軍事力を強化すれば平和になるのか? 中国に強硬姿勢の米議会“元締”との面談で抱いた懸念」である。
最初に結論の述べておくと、この記事を書いた方は「抑止力概念」の存在を否定する朝日言論の使い手であるということである。
この方は、AERAに記事を書いているので、当り前と言えば当たり前なのだが、現実世界での冷徹なる事実よりも空想的平和主義に基づいた朝日言論の世界(*2)での感想文を書いているものであると理解すればよい。
当該記事の見出しにある「軍事力を強化すれば平和になるのか?」との問い掛けは、「軍事力をなくせば平和になるのか?」との問い掛けの逆説である。
知っての通り、朝日言論は長年「憲法9条を守れぇ~」とか言っており、「軍事力をなくせば平和になる」との信仰を布教してきたのだが、現実世界では、一方的に軍事力をなくせば、むしろ武力事態が発生し易い環境になってしまうのだ。
経験則の集積である地政学では、地域の軍事バランスが崩れると、その地域で武力事態が発生するとの理説があり、朝日言論が長年言ってきている「日本だけが周辺国の軍事動向とは無関係に非武装化する」という話は、むしろ武力事態=戦争・紛争を誘発する話でしかない。
当該記事の見出しにある「軍事力を強化すれば平和になるのか?」との問い掛けへの正解は、「我が国周辺地域の軍事バランスの崩壊を防ぐことで、平和を維持することが必要。現在、数十年間もの軍拡を継続している中国の軍事力の増大はめざましく、我が国周辺の軍事バランスを維持する為には、我が国が数十年間続けてきた相対的軍縮政策を転換し、バランスを維持する政策を実施して武力事態発生を防止することが必要だ」である、
<数十年間もの軍拡を継続している中国の軍事力の増大>
↓
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2018/image/zuhyo01020301.gif
※この間、我が国防衛費はずっと横ばいであり、相対的な軍縮をしているに等しかった。
AERA.dotの当該記事を書いた方は、抑止力に関する基本的知識がないのか、或いは、知っていながら、その考え方が浸透・流通することを防ぎたくて抑止力の存在・効用について述べることをしていない。むしろ、あたかも抑止力を具備することが悪いことであるかの様な記述を記事で書いているのである。
尚、その記述はかなり冗長なので、ポイント部分を抜粋引用して以下に紹介する。
↓
<引用開始>
8月のワシントン(中略)米連邦議会の広い会議室で、私は米議会下院の中国特別委員会の担当補佐官と一対一で向かい合っていた。(中略)「日本人の8割が、台湾有事に巻き込まれることを懸念している」(中略)「日本人の約75%が、台湾有事に自衛隊が参加することに反対している」(中略)これらの世論調査の結果を示し、「外交による緊張緩和の努力をしてほしい」と要望すべく、この中国特別委員会関係者への面談を申し込んだ。
(中略)面談においては、上記の世論調査の結果を伝え、特に台湾に近い沖縄の人々が台湾有事を強く懸念していること、ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされるのではないかと声を上げていることなども伝えた。
私の話に神妙に耳を傾けていたこの委員会付補佐官は、私の話をしばらく聞いたのち、話を遮って、「私たちの考えは」と切り出した。
そして述べたのが冒頭の「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」という一言だった。
<引用終わり>
カタカナ表記「サヨク」の定番の詐欺話である「ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされる」などとアメリカ人を相手に述べているのである。これは、その昔からある「在日米軍基地があるから日本が戦場になる」「在日米軍基地があるから攻撃される」と同じもので、「ピッキング犯を刺激するから鍵をかけるには危険だ」という話であり、実に間抜けな話である。(*3)
そういう詐欺話を前提とする話の行き着く先が正しいものとなる可能性は殆どない。
従い、話を聞いていたアメリカ人が「私(記事を書いた人)の話に神妙に耳を傾けていたこの委員会付補佐官は、私の話をしばらく聞いたのち、話を遮って、「私たちの考えは」と切り出した。」のは当然の行いである。
要するに、このアメリカ人が発した「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」とは、抑止力の考え方を理解しなさいよという意味である。
武力事態の発生を未然に防止するのが抑止力であり、それは、攻撃してくる相手が「日本を攻撃したらマズイことになりそうだ。止めておこう」と思わせることで発揮される。
そういう事を分かり易く言ったのが「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」なのである。
自国が武力事態に巻き込まれることは、自分及び自分が大事と考える家族等の命がリスクをさらされる事態であり、それを喜ぶ人はいないであろう。
自分と自分が大事に思う人々の命、平和・安寧が確保されることが一番大事だと考えるのは普通の事で当り前のことだが、そうであるにも関わらず「戦争はダメ、だから戦わずに受け入れればいい」などと本末転倒なことを言ってしまう奇妙な人達がわいて出る。
歴史に学ぶのならば、女・子供などの非戦闘員の悲劇はむしろ戦争後に発生している。この事例からすれば、「戦争を忌避する」ことだけを考えていては、むしろかえって悲惨な事態が発生するのである。(*4)
武力事態の発生を未然に防げれば、戦争にはならないのだから、抑止力を具備することがもっとも現実的な対処方法なのである。
そうであるにも関わらず、抑止力の重要性を説いた麻生さんを、我が国の反日偏向メディアは、あたかもそれが危険であるかの様に叩いた。(*5)
世界情勢の実際を知る麻生さんが言う正論を、我が国メディアはネジ曲げたのである。
大事なことなので、もう一度言う。
武力事態の発生を未然に防止するのが抑止力であり、それは、攻撃してくる相手が「日本を攻撃したらマズイことになりそうだ。止めておこう」と思わせることで発揮される。
抑止力は、こちらが強力であるばあるほど、相手側が躊躇する可能性が高くなるのである。
だからこそ、「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」と言っているのである。
そういう事が分からない方がAERAの当該記事を書いているので、麻生さんの正論を誤解、または意図的に捻じ曲げているものである。
当該記事には、米軍のインド太平洋軍の高官が言った言葉が嬉々として書かれている。
またもやその記述はかなり冗長なので、ポイント部分を抜粋引用して以下に紹介する。
↓
<引用開始>
この春、各議員事務所の安保担当補佐官を集めて米軍のインド太平洋軍司令部訪問団が組織された。(中略)その補佐官たちが民主・共和両党から、同軍の司令部のあるハワイをグループで訪問したのである。
その訪問団に参加したあるリベラル派の議員の補佐官が私に話をしてくれた。訪問団が面談したインド太平洋軍の軍高官が何を言ったか。
開口一番、「議会、大丈夫か?あまりに強硬すぎないか? もう少し外交も重視してくれ」。
<引用終わり>
この記事を書いた方は抑止力を理解していない。
よって抑止力を誰が行使・発揮するのかも分かっていないので、こんなことを書いているのである。
抑止力の源泉は軍事力である。
戦っても勝てないと相手に思わせるだけの強さが必要なのである。
この役割を担うのは軍人である。
そして、その軍事力を実際に使うかどうかを決めるのは政治である。
政治がその行使権を背景に、外交の場で相手に武力行使を諦めさせるのが政治の役割である。
こういう建て付けが分かっていれば、軍人側から政治の方へ、巧く外交で抑止力を行使・発揮して「戦わずして目的を達成してくれ」と要求することは、当り前のことなのである。
抑止力が機能せず、武力事態が発生してしまえば、最初に戦場と言う命のリスクがある場所に出向くのは軍人なのだから、彼等は戦えば必ず勝つとの覚悟があるが、その前に、政治は「戦わずして目的を達成する外交をしてくれ」と政治に要求しているものである。
そういう事なのだが、AERA記事を書いている方は、あたかもアメリカ議会の主流派が戦争を欲しているかの様な話の材料に、軍人側の当り前の発言を誤解に基づき利用して、ネジ曲がった記事にしているものだと当方は理解している。
抑止力を行使・発揮させ外交の場で相手に武力行使を諦めさせるのが政治の役割である。
その事を述べたのが麻生さんの覚悟発言であることを、この方は理解していないと思う。
AERA記事を書いた方は、上記で紹介した様に「ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされる」などと能天気なことを言っているのだが、ルーズベルトの失政によりソ連邦に併合されてしまったバルト三国(*6)の一国であるリトアニアの駐日大使の発言を最後に紹介しておく。
テレビ朝日の番組に出演した同大使は、朝日言論を操るコメンテーターのお得意の「鍵をかけるとピッキング犯を刺激する」との以下の質問に対して、大使は、現実世界での的確な返答をしているものである。
↓
<ピッキング犯を刺激する>
日本が敵基地攻撃能力の保有を容認し、防衛費も上昇していることを例に「日本が(防衛力を)増強すると他国も増強するということで、緊張関係が高まってしまうんじゃないかというマイナス点もあるんじゃないか。一番大事な安全保障って外交だと思うんですが」
<引用終わり>
大軍拡をしているのは中国であり、そういうコンテキストを無視して、バランスを壊さない為の我が国の増強を批判するやり方は、正に朝日的詭弁である。
そして、あたかも外交と軍事が別物の様な印象操作をしていることが分かるであろう。
これに対して、駐日エストニア大使は次に様に回答している。
↓
<引用開始>
ジーカス大使は「リトアニアも外交が一番大事な手段だった」と萩谷氏に同意。
しかし続けて「本当の戦争になると爆弾が落ちるんですね。よその国の兵隊が来るという事実になったら、花で出迎えるというわけでもない。そのための心の準備も必要ですし、実際の準備も必要だと思います」と語った。
外交官が平和を保つ努力を惜しまないとする一方で「準備も必要なんです。リトアニアは準備を30年間続けてます」と現実を語った。
<引用終わり>
このやり取りの全文は本稿の文末脚注の「(*7)」で引用してあるので、ご参照いただきたいのだが、最後の「リトアニアは準備を30年間続けてます」とはSi vis pacem, para bellumを踏まえたものであることを指摘しておく。
ここまでお読みいただければ分かる通り、テレビ朝日もAERAも朝日言論で共通している。
彼等は、あたかも外交と軍事が別物であるかの様な言説を用いるのだが、最初に紹介した米軍高官も、ここで紹介している駐日リトアニア大使も、そんなまやかしの二元論ではなく現実世界の話をしているものである。
朝日言論が言う「外交が大事」の真意は、「だから軍事を増強する必要がない」という話が底意に含まれており、現実世界では軍事と外交は一体不可分であることとは対極をなすものである。
ローマ時代の警句に「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ(Si vis pacem, para bellum)」がある。
我が国は、その周辺には中国・ロシア・北朝鮮という核兵器を持つ無頼国家が存在しているのだから、相手の善意だけが頼りとなる「軍事力なき外交」だけでは無力であることを知る必要がある。
朝日言論では外交の他に経済交流や文化交流や相互理解などとの美辞麗句を並べて「平和構築」をせよと言っているのだが、それらの中から軍事力・防衛力だけがすっぽりと抜け落ちる。
我々日本人の命、平和・安寧を確保する為には我が国政府は軍事を含めた外交を主軸に様々な分野での全力を以て、それを達成すべきであるのは論を待たないのだが、朝日言論はわざわざ軍事だけを抜かして語るので、その危険性について我々は見抜く必要があると考えるものである。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):今回の題材。朝日言論の一角を占めるAERA.dotの記事
↓
AERA dot. (アエラドット) 2023/09/19/ 06:30
見出し:◆軍事力を強化すれば平和になるのか? 中国に強硬姿勢の米議会“元締”との面談で抱いた懸念(猿田佐世)
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=1
記事:○米中対立の行方は――。インドで9月9、10日に開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を中国の習近平国家主席は欠席。米国のバイデン大統領は「失望した」と対話の機会が失われたことを嘆いたという。シンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」代表で、弁護士(日本・ニューヨーク州)の猿田佐世さんはこの夏、米国務省・国防総省の高官とも面談、米議会も細かく回り、米側の最新情報を得てきた。そのうえで、日本の立ち回り方を考察した。
○「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」
○8月のワシントン、きつく冷房の利いた米連邦議会の広い会議室で、私は米議会下院の中国特別委員会の担当補佐官と一対一で向かい合っていた。
○この委員会は今年1月に設立されたが、設立後初の公聴会で委員長が「中国との競争は、21世紀における存亡をかけた戦いだ」と発言したり、その後も、委員会で米台合同軍事訓練の強化や台湾への武器売却の加速、周辺地域における米軍基地の拡充を求めたりするなど、現在の米議会の強固な対中強硬姿勢を作り出している元締のような存在である。
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=2
○より強硬になる米国の対中政策、そして、台湾有事の可能性が高まっているとの指摘。私は、ワシントンを訪問するごとに感じるこれらの方向性に強い懸念を抱き、
・「日本人の8割が、台湾有事に巻き込まれることを懸念している(2023年5月1日配信、朝日新聞郵送世論調査)」
・「日本人の約75%が、台湾有事に自衛隊が参加することに反対している」(2022年11月12日発表、新聞通信調査会世論調査)
これらの世論調査の結果を示し、「外交による緊張緩和の努力をしてほしい」と要望すべく、この中国特別委員会関係者への面談を申し込んだ。
小見出し:◆友人の忠告を振り払って面談した相手の言葉
○面談前、米シンクタンクのある研究者の友人からは「そんなことを伝えたら、彼らは、日本のメディアに大量の資金提供をして、日本人の考えを変えようとするんじゃないか? 会うのもやめたほうがいい」という冗談を交えた忠告が寄せられたほど、この中国特別委員会の対中姿勢は極めて強硬である。
○しかし、米国と日本では置かれている地政学的位置や周辺諸国などとの利害関係が全く異なる。台湾有事になっても米国本土は被害を受けないだろうが、日本に住む私たちは壊滅的な被害を受けうる。懸念を伝えなければ何も始まらない、と、友人の忠告を振り払って面談に向かった。
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=3
○面談においては、上記の世論調査の結果を伝え、特に台湾に近い沖縄の人々が台湾有事を強く懸念していること、ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされるのではないかと声を上げていることなども伝えた。
○私の話に神妙に耳を傾けていたこの委員会付補佐官は、私の話をしばらく聞いたのち、話を遮って、「私たちの考えは」と切り出した。
○そして述べたのが冒頭の「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」という一言だった。
小見出し:◆開口一番「議会、大丈夫か?」と釘を刺したのは…
○「米議会は超党派で対中強硬」と日本の主要メディアも繰り返し報じてきた。確かに米議会の中国に対する姿勢は大変厳しい。
○もっとも、米議会のこの姿勢についての報道のみを鵜吞みにすると、そこに存在するニュアンスを読み落とすし、米国全体の方向性を見誤る。
○バイデン政権自体、昨年夏のナンシー・ペロシ下院議長(当時)の訪台などを経て高まり続けた米中間の緊張を、少し和らげねばならないという方針に舵を切り、この夏は立て続けに閣僚を中国に送り、対話の姿勢を前面に押し出した。
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=4
○また、米議会においても、この対中強硬のトーンに対し、少数であっても一定数のリベラル派(進歩派)は疑問も投げかけている。
○議会関係者との面談を繰り返すうちにこんなエピソードを耳にした。
○議会の主流派ともいえる強硬派が、議会のリベラル派の外交重視姿勢を苦々しく思い、現実を知らしめてやろうと、この春、各議員事務所の安保担当補佐官を集めて米軍のインド太平洋軍司令部訪問団が組織された。米議会では、日本の国会議員秘書に比して、各議員の下で働く補佐官が実際の立法・政治過程で大きな影響力を持っている。その補佐官たちが民主・共和両党から、同軍の司令部のあるハワイをグループで訪問したのである。
○その訪問団に参加したあるリベラル派の議員の補佐官が私に話をしてくれた。訪問団が面談したインド太平洋軍の軍高官が何を言ったか。
○開口一番、「議会、大丈夫か?あまりに強硬すぎないか? もう少し外交も重視してくれ」。
○「強硬派が私たちを変えようとして、向こうが釘を刺されたんだよ」と彼は大笑い。
○その後、他の議員の補佐官からも全く同じ話を聞くことになった。リベラル派の補佐官にとっては余程印象に残ったエピソードだったらしい。
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=5
小見出し:◆麻生太郎副総理(当時)の発言が「日本の声」として伝わる違和感
○なお、政権や軍だけでなく、米政権の政策に影響を与えるワシントンの有識者たちの間でも、米議会のあまりの強硬姿勢に眉をひそめ、中国との対話の重要性を説く専門家たちが増えている。
○あるオバマ政権の元ホワイトハウス高官に上記の世論調査の結果を見せると、「日本政府はこの国民の声をなぜ聞かないのだ」と即答し、今こそ中国との外交努力が必要だ、と熱弁した。
○おりしも、麻生太郎副総理(当時)総裁が8月に訪台し、「“戦う覚悟”を持つことが地域の抑止力になる」と発言したというニュースが広がっていた時期であった。台湾有事に自衛隊を送ることに世論の7割以上が反対なのだから、戦う覚悟なんぞ国民のほとんどにあるはずもない。
○にもかかわらず、民意を代表していないこの威勢よい副首相の発言はアメリカにも届き「日本の声」として米政界の強硬派にも伝わる。そして、強硬派同士呼応して、さらに強硬な対中政策が日米両国で作られていく。
○日本は、中国とは経済の縁を切ることもできず、文化圏を共有する隣国である。台湾有事では壊滅的な被害を日本は受けうる。
○「この“強硬なアメリカ”に、どこまでついていく気なんだ」
○これが、この夏、ワシントンでの面談を繰り返した私の痛烈な感想である。
<引用終わり>
(*2):AERAの朝日言論の世界
↓
2018/07/04投稿:
朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-971.html
2018/07/06投稿:
続・朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-973.html
2018/07/12投稿:
続々・朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-976.html
2018/07/13投稿:
続々々・朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラsemifinal
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-977.html
2018/07/18投稿:
Final・朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-980.html
(*3):カタカナ表記「サヨク」の定番の詐欺話である「ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされる」などとアメリカ人を相手に述べているのである。これは、その昔からある「在日米軍基地があるから日本が戦場になる」「在日米軍基地があるから攻撃される」と同じもので、「ピッキング犯を刺激するから鍵をかけるには危険だ」という話であり、実に間抜けな話である。
↓
2021/11/16投稿:
鍵をかけると「ピッキング欲を誘発して危険」との支離滅裂話
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1589.html
2022/10/11投稿:
繰り返される琉球新報の詐欺話・「鍵をかけると泥棒のピッキング欲を誘発して危険」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1695.html
2017/04/06投稿:
昔ながらの印象操作の一例
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-641.html
(*4):自分と自分が大事に思う人々の命、平和・安寧が確保されることが一番大事だと考えるのは普通の事で当り前のことだが、そうであるにも関わらず「戦争はダメ、だから戦わずに受け入れればいい」などと本末転倒なことを言ってしまう奇妙な人達がわいて出る。歴史に学ぶのならば、女・子供などの非戦闘員の悲劇はむしろ戦争後に発生している。この事例からすれば、「戦争を忌避する」ことだけを考えていては、むしろかえって悲惨な事態が発生するのである。
↓
2023/08/15投稿:
8月15日終戦の日雑感・「戦争をしないこと」の意味が歪んでる
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1800.html
2022/03/20投稿:
「降伏すれば命は安泰」なる虚偽。悲劇は戦争後も続く:ウクライナ情勢雑感7
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1631.html
(*5):抑止力の重要性を説いた麻生さんを、我が国の反日偏向メディアは、あたかもそれが危険であるかの様に叩いた。世界情勢の実際を知る麻生さんが言う正論を、我が国メディアはネジ曲げたのである。
↓
2023/08/09投稿:
メディアの印象操作が見苦しい・麻生副総理の正論
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1796.html
(*6):ルーズベルトの失政によりソ連邦に併合されてしまったバルト三国
↓
2016/11/15投稿:
フーバー回顧録Doc.18-6
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-543.html
2016/11/19投稿:
フーバー回顧録Doc.18-8・ヤルタ密約
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-546.html
【ご参考】
2016/09/23投稿:
フーバー回顧録・目次7
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-506.html
フーバーは、その著作で、ルーズベルト・チャーチル・スターリンの三者会談でバルト三国や東欧がソ連に併呑または衛星国化(共産党傀儡政権化)された時期を紹介しており、それが失政であることを指摘している。
↓
フィンランド東部-:1944年9月
ラトビア--------:1943年9月
リトアニア------:1943年9月
エストニア------:1943年9月
ベッサラビア----:1943年9月
ブコビナ--------:1943年9月
ポーランド東部--:1943年9月
ポーランド西部‐-:1944年6月
ユーゴスラビア--:1944年10月
ルーマニア-----:1944年11月
ブルガリア------:1944年9月
チェコスロバキア:1944年5月
ハンガリー------:1944年12月
アルバニア------:1944年12月
2016/09/26投稿:
フーバー回顧録・目次9Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-509.html
(*7):ソ連に併合されたバルト三国の一国リトアニア大使の現実的コメント
↓
Yahooニュース(デイリースポーツ) 9/20(水) 15:47配信
見出し:◆リトアニア大使「日本は隣に3つの脅威」薄い危機感指摘 ロシア隣国は現実直視「準備も必要」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f8f82d1012ca1fd263391044f0d2ee36d1742c61
記事:○バルト三国の1つ、リトアニア共和国の駐日特命全権大使オーレリウス・ジーカス氏が20日、テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」に生出演し、日本の防衛などについて語った。リトアニアは1990年に旧ソ連から独立。91年にはソ連軍が侵攻する「血の日曜日事件」も発生した。その後2004年にNATO、EUに加盟している。
○ロシアのウクライナ侵攻については「ウクライナが勝たないと物事は治まらない。ウクライナが負けたら『次(に狙われる)の国はどこ?』となりますよね。最近20年ぐらいを見ると、ロシアはいろんな所に手を伸ばしてるけれども、世界は無視した、というのもあります」と見解を示した。
○MCの同局・大下容子アナウンサーが「日本の周辺の安全環境はどのように写っていますか?」と質問。ジーカス大使は「リトアニアは1つしか隣に危ない国はないんですけど、日本の場合は北朝鮮もあって、中国もあって、ロシアもあるということはですね、非常に危ないんではないかと思っております。しかも、自分(自国)の軍隊のない日本というのは非常に危ないところにあるんではないかと思います」とコメント。日本人の危機感について尋ねられ「日本は海に囲まれて、海が守るという考え方は非常に不思議に思ってます」と危機意識の低さを指摘した。「隣に3つの脅威があるのは間違いないです」と重ねて強調した。
○リトアニアでは10年前の防衛費はGDP比1%ほどだったが、14年にロシアがクリミアを併合して以降は上昇し、昨年には2・5%となっている。コメンテーターの萩谷麻衣子弁護士は、日本が敵基地攻撃能力の保有を容認し、防衛費も上昇していることを例に「日本が(防衛力を)増強すると他国も増強するということで、緊張関係が高まってしまうんじゃないかというマイナス点もあるんじゃないか。一番大事な安全保障って外交だと思うんですが」とコメントした。
○ジーカス大使は「リトアニアも外交が一番大事な手段だった」と萩谷氏に同意。しかし続けて「本当の戦争になると爆弾が落ちるんですね。よその国の兵隊が来るという事実になったら、花で出迎えるというわけでもない。そのための心の準備も必要ですし、実際の準備も必要だと思います」と語った。外交官が平和を保つ努力を惜しまないとする一方で「準備も必要なんです。リトアニアは準備を30年間続けてます」と現実を語った。
<引用終わり>
【ご参考】
2023/08/11投稿:
どうやって国民の平和・安寧を確保するのか・何も言えていない共産党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1798.html
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副題:外交と軍事は別物ではない。そうであるにも関わららず、朝日言論ではそれを「戦争か平和か」とのまやかしの二元論で語ってしまう。Si vis pacem, para bellum
今回の題材は、朝日言論の一角を占めるAERA.dotの記事である。(*1)
当該記事の見出しは「◆軍事力を強化すれば平和になるのか? 中国に強硬姿勢の米議会“元締”との面談で抱いた懸念」である。
最初に結論の述べておくと、この記事を書いた方は「抑止力概念」の存在を否定する朝日言論の使い手であるということである。
この方は、AERAに記事を書いているので、当り前と言えば当たり前なのだが、現実世界での冷徹なる事実よりも空想的平和主義に基づいた朝日言論の世界(*2)での感想文を書いているものであると理解すればよい。
両面で見ることが必要・要はバランス
当該記事の見出しにある「軍事力を強化すれば平和になるのか?」との問い掛けは、「軍事力をなくせば平和になるのか?」との問い掛けの逆説である。
知っての通り、朝日言論は長年「憲法9条を守れぇ~」とか言っており、「軍事力をなくせば平和になる」との信仰を布教してきたのだが、現実世界では、一方的に軍事力をなくせば、むしろ武力事態が発生し易い環境になってしまうのだ。
経験則の集積である地政学では、地域の軍事バランスが崩れると、その地域で武力事態が発生するとの理説があり、朝日言論が長年言ってきている「日本だけが周辺国の軍事動向とは無関係に非武装化する」という話は、むしろ武力事態=戦争・紛争を誘発する話でしかない。
当該記事の見出しにある「軍事力を強化すれば平和になるのか?」との問い掛けへの正解は、「我が国周辺地域の軍事バランスの崩壊を防ぐことで、平和を維持することが必要。現在、数十年間もの軍拡を継続している中国の軍事力の増大はめざましく、我が国周辺の軍事バランスを維持する為には、我が国が数十年間続けてきた相対的軍縮政策を転換し、バランスを維持する政策を実施して武力事態発生を防止することが必要だ」である、
<数十年間もの軍拡を継続している中国の軍事力の増大>
↓
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2018/image/zuhyo01020301.gif
※この間、我が国防衛費はずっと横ばいであり、相対的な軍縮をしているに等しかった。
武力事態発生を未然に防ぐ抑止力・それを隠したがる朝日言論
AERA.dotの当該記事を書いた方は、抑止力に関する基本的知識がないのか、或いは、知っていながら、その考え方が浸透・流通することを防ぎたくて抑止力の存在・効用について述べることをしていない。むしろ、あたかも抑止力を具備することが悪いことであるかの様な記述を記事で書いているのである。
尚、その記述はかなり冗長なので、ポイント部分を抜粋引用して以下に紹介する。
↓
<引用開始>
8月のワシントン(中略)米連邦議会の広い会議室で、私は米議会下院の中国特別委員会の担当補佐官と一対一で向かい合っていた。(中略)「日本人の8割が、台湾有事に巻き込まれることを懸念している」(中略)「日本人の約75%が、台湾有事に自衛隊が参加することに反対している」(中略)これらの世論調査の結果を示し、「外交による緊張緩和の努力をしてほしい」と要望すべく、この中国特別委員会関係者への面談を申し込んだ。
(中略)面談においては、上記の世論調査の結果を伝え、特に台湾に近い沖縄の人々が台湾有事を強く懸念していること、ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされるのではないかと声を上げていることなども伝えた。
私の話に神妙に耳を傾けていたこの委員会付補佐官は、私の話をしばらく聞いたのち、話を遮って、「私たちの考えは」と切り出した。
そして述べたのが冒頭の「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」という一言だった。
<引用終わり>
カタカナ表記「サヨク」の定番の詐欺話である「ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされる」などとアメリカ人を相手に述べているのである。これは、その昔からある「在日米軍基地があるから日本が戦場になる」「在日米軍基地があるから攻撃される」と同じもので、「ピッキング犯を刺激するから鍵をかけるには危険だ」という話であり、実に間抜けな話である。(*3)
そういう詐欺話を前提とする話の行き着く先が正しいものとなる可能性は殆どない。
従い、話を聞いていたアメリカ人が「私(記事を書いた人)の話に神妙に耳を傾けていたこの委員会付補佐官は、私の話をしばらく聞いたのち、話を遮って、「私たちの考えは」と切り出した。」のは当然の行いである。
要するに、このアメリカ人が発した「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」とは、抑止力の考え方を理解しなさいよという意味である。
武力事態の発生を未然に防止するのが抑止力であり、それは、攻撃してくる相手が「日本を攻撃したらマズイことになりそうだ。止めておこう」と思わせることで発揮される。
そういう事を分かり易く言ったのが「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」なのである。
麻生さんの抑止力の重要性を説く話を貶める朝日言論
自国が武力事態に巻き込まれることは、自分及び自分が大事と考える家族等の命がリスクをさらされる事態であり、それを喜ぶ人はいないであろう。
自分と自分が大事に思う人々の命、平和・安寧が確保されることが一番大事だと考えるのは普通の事で当り前のことだが、そうであるにも関わらず「戦争はダメ、だから戦わずに受け入れればいい」などと本末転倒なことを言ってしまう奇妙な人達がわいて出る。
歴史に学ぶのならば、女・子供などの非戦闘員の悲劇はむしろ戦争後に発生している。この事例からすれば、「戦争を忌避する」ことだけを考えていては、むしろかえって悲惨な事態が発生するのである。(*4)
武力事態の発生を未然に防げれば、戦争にはならないのだから、抑止力を具備することがもっとも現実的な対処方法なのである。
そうであるにも関わらず、抑止力の重要性を説いた麻生さんを、我が国の反日偏向メディアは、あたかもそれが危険であるかの様に叩いた。(*5)
世界情勢の実際を知る麻生さんが言う正論を、我が国メディアはネジ曲げたのである。
大事なことなので、もう一度言う。
武力事態の発生を未然に防止するのが抑止力であり、それは、攻撃してくる相手が「日本を攻撃したらマズイことになりそうだ。止めておこう」と思わせることで発揮される。
抑止力は、こちらが強力であるばあるほど、相手側が躊躇する可能性が高くなるのである。
だからこそ、「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」と言っているのである。
そういう事が分からない方がAERAの当該記事を書いているので、麻生さんの正論を誤解、または意図的に捻じ曲げているものである。
米軍高官の常識的発言を取り違える
当該記事には、米軍のインド太平洋軍の高官が言った言葉が嬉々として書かれている。
またもやその記述はかなり冗長なので、ポイント部分を抜粋引用して以下に紹介する。
↓
<引用開始>
この春、各議員事務所の安保担当補佐官を集めて米軍のインド太平洋軍司令部訪問団が組織された。(中略)その補佐官たちが民主・共和両党から、同軍の司令部のあるハワイをグループで訪問したのである。
その訪問団に参加したあるリベラル派の議員の補佐官が私に話をしてくれた。訪問団が面談したインド太平洋軍の軍高官が何を言ったか。
開口一番、「議会、大丈夫か?あまりに強硬すぎないか? もう少し外交も重視してくれ」。
<引用終わり>
この記事を書いた方は抑止力を理解していない。
よって抑止力を誰が行使・発揮するのかも分かっていないので、こんなことを書いているのである。
抑止力の源泉は軍事力である。
戦っても勝てないと相手に思わせるだけの強さが必要なのである。
この役割を担うのは軍人である。
そして、その軍事力を実際に使うかどうかを決めるのは政治である。
政治がその行使権を背景に、外交の場で相手に武力行使を諦めさせるのが政治の役割である。
こういう建て付けが分かっていれば、軍人側から政治の方へ、巧く外交で抑止力を行使・発揮して「戦わずして目的を達成してくれ」と要求することは、当り前のことなのである。
抑止力が機能せず、武力事態が発生してしまえば、最初に戦場と言う命のリスクがある場所に出向くのは軍人なのだから、彼等は戦えば必ず勝つとの覚悟があるが、その前に、政治は「戦わずして目的を達成する外交をしてくれ」と政治に要求しているものである。
そういう事なのだが、AERA記事を書いている方は、あたかもアメリカ議会の主流派が戦争を欲しているかの様な話の材料に、軍人側の当り前の発言を誤解に基づき利用して、ネジ曲がった記事にしているものだと当方は理解している。
抑止力を行使・発揮させ外交の場で相手に武力行使を諦めさせるのが政治の役割である。
その事を述べたのが麻生さんの覚悟発言であることを、この方は理解していないと思う。
最後に
ソ連に併合されたバルト三国の一国リトアニア大使の現実的コメント
AERA記事を書いた方は、上記で紹介した様に「ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされる」などと能天気なことを言っているのだが、ルーズベルトの失政によりソ連邦に併合されてしまったバルト三国(*6)の一国であるリトアニアの駐日大使の発言を最後に紹介しておく。
テレビ朝日の番組に出演した同大使は、朝日言論を操るコメンテーターのお得意の「鍵をかけるとピッキング犯を刺激する」との以下の質問に対して、大使は、現実世界での的確な返答をしているものである。
↓
<ピッキング犯を刺激する>
日本が敵基地攻撃能力の保有を容認し、防衛費も上昇していることを例に「日本が(防衛力を)増強すると他国も増強するということで、緊張関係が高まってしまうんじゃないかというマイナス点もあるんじゃないか。一番大事な安全保障って外交だと思うんですが」
<引用終わり>
大軍拡をしているのは中国であり、そういうコンテキストを無視して、バランスを壊さない為の我が国の増強を批判するやり方は、正に朝日的詭弁である。
そして、あたかも外交と軍事が別物の様な印象操作をしていることが分かるであろう。
これに対して、駐日エストニア大使は次に様に回答している。
↓
<引用開始>
ジーカス大使は「リトアニアも外交が一番大事な手段だった」と萩谷氏に同意。
しかし続けて「本当の戦争になると爆弾が落ちるんですね。よその国の兵隊が来るという事実になったら、花で出迎えるというわけでもない。そのための心の準備も必要ですし、実際の準備も必要だと思います」と語った。
外交官が平和を保つ努力を惜しまないとする一方で「準備も必要なんです。リトアニアは準備を30年間続けてます」と現実を語った。
<引用終わり>
このやり取りの全文は本稿の文末脚注の「(*7)」で引用してあるので、ご参照いただきたいのだが、最後の「リトアニアは準備を30年間続けてます」とはSi vis pacem, para bellumを踏まえたものであることを指摘しておく。
ここまでお読みいただければ分かる通り、テレビ朝日もAERAも朝日言論で共通している。
彼等は、あたかも外交と軍事が別物であるかの様な言説を用いるのだが、最初に紹介した米軍高官も、ここで紹介している駐日リトアニア大使も、そんなまやかしの二元論ではなく現実世界の話をしているものである。
朝日言論が言う「外交が大事」の真意は、「だから軍事を増強する必要がない」という話が底意に含まれており、現実世界では軍事と外交は一体不可分であることとは対極をなすものである。
ローマ時代の警句に「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ(Si vis pacem, para bellum)」がある。
我が国は、その周辺には中国・ロシア・北朝鮮という核兵器を持つ無頼国家が存在しているのだから、相手の善意だけが頼りとなる「軍事力なき外交」だけでは無力であることを知る必要がある。
朝日言論では外交の他に経済交流や文化交流や相互理解などとの美辞麗句を並べて「平和構築」をせよと言っているのだが、それらの中から軍事力・防衛力だけがすっぽりと抜け落ちる。
我々日本人の命、平和・安寧を確保する為には我が国政府は軍事を含めた外交を主軸に様々な分野での全力を以て、それを達成すべきであるのは論を待たないのだが、朝日言論はわざわざ軍事だけを抜かして語るので、その危険性について我々は見抜く必要があると考えるものである。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):今回の題材。朝日言論の一角を占めるAERA.dotの記事
↓
AERA dot. (アエラドット) 2023/09/19/ 06:30
見出し:◆軍事力を強化すれば平和になるのか? 中国に強硬姿勢の米議会“元締”との面談で抱いた懸念(猿田佐世)
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=1
記事:○米中対立の行方は――。インドで9月9、10日に開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を中国の習近平国家主席は欠席。米国のバイデン大統領は「失望した」と対話の機会が失われたことを嘆いたという。シンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」代表で、弁護士(日本・ニューヨーク州)の猿田佐世さんはこの夏、米国務省・国防総省の高官とも面談、米議会も細かく回り、米側の最新情報を得てきた。そのうえで、日本の立ち回り方を考察した。
○「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」
○8月のワシントン、きつく冷房の利いた米連邦議会の広い会議室で、私は米議会下院の中国特別委員会の担当補佐官と一対一で向かい合っていた。
○この委員会は今年1月に設立されたが、設立後初の公聴会で委員長が「中国との競争は、21世紀における存亡をかけた戦いだ」と発言したり、その後も、委員会で米台合同軍事訓練の強化や台湾への武器売却の加速、周辺地域における米軍基地の拡充を求めたりするなど、現在の米議会の強固な対中強硬姿勢を作り出している元締のような存在である。
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=2
○より強硬になる米国の対中政策、そして、台湾有事の可能性が高まっているとの指摘。私は、ワシントンを訪問するごとに感じるこれらの方向性に強い懸念を抱き、
・「日本人の8割が、台湾有事に巻き込まれることを懸念している(2023年5月1日配信、朝日新聞郵送世論調査)」
・「日本人の約75%が、台湾有事に自衛隊が参加することに反対している」(2022年11月12日発表、新聞通信調査会世論調査)
これらの世論調査の結果を示し、「外交による緊張緩和の努力をしてほしい」と要望すべく、この中国特別委員会関係者への面談を申し込んだ。
小見出し:◆友人の忠告を振り払って面談した相手の言葉
○面談前、米シンクタンクのある研究者の友人からは「そんなことを伝えたら、彼らは、日本のメディアに大量の資金提供をして、日本人の考えを変えようとするんじゃないか? 会うのもやめたほうがいい」という冗談を交えた忠告が寄せられたほど、この中国特別委員会の対中姿勢は極めて強硬である。
○しかし、米国と日本では置かれている地政学的位置や周辺諸国などとの利害関係が全く異なる。台湾有事になっても米国本土は被害を受けないだろうが、日本に住む私たちは壊滅的な被害を受けうる。懸念を伝えなければ何も始まらない、と、友人の忠告を振り払って面談に向かった。
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=3
○面談においては、上記の世論調査の結果を伝え、特に台湾に近い沖縄の人々が台湾有事を強く懸念していること、ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされるのではないかと声を上げていることなども伝えた。
○私の話に神妙に耳を傾けていたこの委員会付補佐官は、私の話をしばらく聞いたのち、話を遮って、「私たちの考えは」と切り出した。
○そして述べたのが冒頭の「軍事力を強化すればするほど、平和になるのだ」という一言だった。
小見出し:◆開口一番「議会、大丈夫か?」と釘を刺したのは…
○「米議会は超党派で対中強硬」と日本の主要メディアも繰り返し報じてきた。確かに米議会の中国に対する姿勢は大変厳しい。
○もっとも、米議会のこの姿勢についての報道のみを鵜吞みにすると、そこに存在するニュアンスを読み落とすし、米国全体の方向性を見誤る。
○バイデン政権自体、昨年夏のナンシー・ペロシ下院議長(当時)の訪台などを経て高まり続けた米中間の緊張を、少し和らげねばならないという方針に舵を切り、この夏は立て続けに閣僚を中国に送り、対話の姿勢を前面に押し出した。
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=4
○また、米議会においても、この対中強硬のトーンに対し、少数であっても一定数のリベラル派(進歩派)は疑問も投げかけている。
○議会関係者との面談を繰り返すうちにこんなエピソードを耳にした。
○議会の主流派ともいえる強硬派が、議会のリベラル派の外交重視姿勢を苦々しく思い、現実を知らしめてやろうと、この春、各議員事務所の安保担当補佐官を集めて米軍のインド太平洋軍司令部訪問団が組織された。米議会では、日本の国会議員秘書に比して、各議員の下で働く補佐官が実際の立法・政治過程で大きな影響力を持っている。その補佐官たちが民主・共和両党から、同軍の司令部のあるハワイをグループで訪問したのである。
○その訪問団に参加したあるリベラル派の議員の補佐官が私に話をしてくれた。訪問団が面談したインド太平洋軍の軍高官が何を言ったか。
○開口一番、「議会、大丈夫か?あまりに強硬すぎないか? もう少し外交も重視してくれ」。
○「強硬派が私たちを変えようとして、向こうが釘を刺されたんだよ」と彼は大笑い。
○その後、他の議員の補佐官からも全く同じ話を聞くことになった。リベラル派の補佐官にとっては余程印象に残ったエピソードだったらしい。
https://dot.asahi.com/articles/-/201585?page=5
小見出し:◆麻生太郎副総理(当時)の発言が「日本の声」として伝わる違和感
○なお、政権や軍だけでなく、米政権の政策に影響を与えるワシントンの有識者たちの間でも、米議会のあまりの強硬姿勢に眉をひそめ、中国との対話の重要性を説く専門家たちが増えている。
○あるオバマ政権の元ホワイトハウス高官に上記の世論調査の結果を見せると、「日本政府はこの国民の声をなぜ聞かないのだ」と即答し、今こそ中国との外交努力が必要だ、と熱弁した。
○おりしも、麻生太郎副総理(当時)総裁が8月に訪台し、「“戦う覚悟”を持つことが地域の抑止力になる」と発言したというニュースが広がっていた時期であった。台湾有事に自衛隊を送ることに世論の7割以上が反対なのだから、戦う覚悟なんぞ国民のほとんどにあるはずもない。
○にもかかわらず、民意を代表していないこの威勢よい副首相の発言はアメリカにも届き「日本の声」として米政界の強硬派にも伝わる。そして、強硬派同士呼応して、さらに強硬な対中政策が日米両国で作られていく。
○日本は、中国とは経済の縁を切ることもできず、文化圏を共有する隣国である。台湾有事では壊滅的な被害を日本は受けうる。
○「この“強硬なアメリカ”に、どこまでついていく気なんだ」
○これが、この夏、ワシントンでの面談を繰り返した私の痛烈な感想である。
<引用終わり>
(*2):AERAの朝日言論の世界
↓
2018/07/04投稿:
朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-971.html
2018/07/06投稿:
続・朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-973.html
2018/07/12投稿:
続々・朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-976.html
2018/07/13投稿:
続々々・朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラsemifinal
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-977.html
2018/07/18投稿:
Final・朝日が子供にウソを教えている・ジュニアエラ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-980.html
(*3):カタカナ表記「サヨク」の定番の詐欺話である「ミサイルなどが配備されると標的になり余計危険にさらされる」などとアメリカ人を相手に述べているのである。これは、その昔からある「在日米軍基地があるから日本が戦場になる」「在日米軍基地があるから攻撃される」と同じもので、「ピッキング犯を刺激するから鍵をかけるには危険だ」という話であり、実に間抜けな話である。
↓
2021/11/16投稿:
鍵をかけると「ピッキング欲を誘発して危険」との支離滅裂話
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1589.html
2022/10/11投稿:
繰り返される琉球新報の詐欺話・「鍵をかけると泥棒のピッキング欲を誘発して危険」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1695.html
2017/04/06投稿:
昔ながらの印象操作の一例
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-641.html
(*4):自分と自分が大事に思う人々の命、平和・安寧が確保されることが一番大事だと考えるのは普通の事で当り前のことだが、そうであるにも関わらず「戦争はダメ、だから戦わずに受け入れればいい」などと本末転倒なことを言ってしまう奇妙な人達がわいて出る。歴史に学ぶのならば、女・子供などの非戦闘員の悲劇はむしろ戦争後に発生している。この事例からすれば、「戦争を忌避する」ことだけを考えていては、むしろかえって悲惨な事態が発生するのである。
↓
2023/08/15投稿:
8月15日終戦の日雑感・「戦争をしないこと」の意味が歪んでる
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1800.html
2022/03/20投稿:
「降伏すれば命は安泰」なる虚偽。悲劇は戦争後も続く:ウクライナ情勢雑感7
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1631.html
(*5):抑止力の重要性を説いた麻生さんを、我が国の反日偏向メディアは、あたかもそれが危険であるかの様に叩いた。世界情勢の実際を知る麻生さんが言う正論を、我が国メディアはネジ曲げたのである。
↓
2023/08/09投稿:
メディアの印象操作が見苦しい・麻生副総理の正論
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1796.html
(*6):ルーズベルトの失政によりソ連邦に併合されてしまったバルト三国
↓
2016/11/15投稿:
フーバー回顧録Doc.18-6
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-543.html
2016/11/19投稿:
フーバー回顧録Doc.18-8・ヤルタ密約
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-546.html
【ご参考】
2016/09/23投稿:
フーバー回顧録・目次7
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-506.html
フーバーは、その著作で、ルーズベルト・チャーチル・スターリンの三者会談でバルト三国や東欧がソ連に併呑または衛星国化(共産党傀儡政権化)された時期を紹介しており、それが失政であることを指摘している。
↓
フィンランド東部-:1944年9月
ラトビア--------:1943年9月
リトアニア------:1943年9月
エストニア------:1943年9月
ベッサラビア----:1943年9月
ブコビナ--------:1943年9月
ポーランド東部--:1943年9月
ポーランド西部‐-:1944年6月
ユーゴスラビア--:1944年10月
ルーマニア-----:1944年11月
ブルガリア------:1944年9月
チェコスロバキア:1944年5月
ハンガリー------:1944年12月
アルバニア------:1944年12月
2016/09/26投稿:
フーバー回顧録・目次9Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-509.html
(*7):ソ連に併合されたバルト三国の一国リトアニア大使の現実的コメント
↓
Yahooニュース(デイリースポーツ) 9/20(水) 15:47配信
見出し:◆リトアニア大使「日本は隣に3つの脅威」薄い危機感指摘 ロシア隣国は現実直視「準備も必要」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f8f82d1012ca1fd263391044f0d2ee36d1742c61
記事:○バルト三国の1つ、リトアニア共和国の駐日特命全権大使オーレリウス・ジーカス氏が20日、テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」に生出演し、日本の防衛などについて語った。リトアニアは1990年に旧ソ連から独立。91年にはソ連軍が侵攻する「血の日曜日事件」も発生した。その後2004年にNATO、EUに加盟している。
○ロシアのウクライナ侵攻については「ウクライナが勝たないと物事は治まらない。ウクライナが負けたら『次(に狙われる)の国はどこ?』となりますよね。最近20年ぐらいを見ると、ロシアはいろんな所に手を伸ばしてるけれども、世界は無視した、というのもあります」と見解を示した。
○MCの同局・大下容子アナウンサーが「日本の周辺の安全環境はどのように写っていますか?」と質問。ジーカス大使は「リトアニアは1つしか隣に危ない国はないんですけど、日本の場合は北朝鮮もあって、中国もあって、ロシアもあるということはですね、非常に危ないんではないかと思っております。しかも、自分(自国)の軍隊のない日本というのは非常に危ないところにあるんではないかと思います」とコメント。日本人の危機感について尋ねられ「日本は海に囲まれて、海が守るという考え方は非常に不思議に思ってます」と危機意識の低さを指摘した。「隣に3つの脅威があるのは間違いないです」と重ねて強調した。
○リトアニアでは10年前の防衛費はGDP比1%ほどだったが、14年にロシアがクリミアを併合して以降は上昇し、昨年には2・5%となっている。コメンテーターの萩谷麻衣子弁護士は、日本が敵基地攻撃能力の保有を容認し、防衛費も上昇していることを例に「日本が(防衛力を)増強すると他国も増強するということで、緊張関係が高まってしまうんじゃないかというマイナス点もあるんじゃないか。一番大事な安全保障って外交だと思うんですが」とコメントした。
○ジーカス大使は「リトアニアも外交が一番大事な手段だった」と萩谷氏に同意。しかし続けて「本当の戦争になると爆弾が落ちるんですね。よその国の兵隊が来るという事実になったら、花で出迎えるというわけでもない。そのための心の準備も必要ですし、実際の準備も必要だと思います」と語った。外交官が平和を保つ努力を惜しまないとする一方で「準備も必要なんです。リトアニアは準備を30年間続けてます」と現実を語った。
<引用終わり>
【ご参考】
2023/08/11投稿:
どうやって国民の平和・安寧を確保するのか・何も言えていない共産党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1798.html
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