衆院・憲法審査会参考人質疑で長谷部が法治主義を軽んじている件
- 2023/05/20
- 21:49
衆院・憲法審査会参考人質疑で長谷部が法治主義を軽んじている件
副題:長谷部恭男は2015年の安保法制審議の際に自家撞着した暴論を述べていたが、2023年5月の今になっても学者とは思えない暴論をまたもや国会で述べている。
衆議院・憲法審査会で2023年5月18日に行われた参考人質疑の概要(*1)が東京新聞で報道されていたのだが、それを読み、「憲法学者」の長谷部恭男が相変わらずの曲学阿世ぶりを発揮していたので、それに関して論じることとする。
東京新聞の記事によれば、5月18日の憲法審査会の議題は現行憲法第54条の参議院の緊急集会規定についての参考人質疑である。
現行憲法第54条は、現行憲法の中で唯一「緊急」との語句が登場する条文であり、緊急事態条項の新設(復活)すること=改憲を阻止したい「護憲派」が、「緊急事態条項がなくても第54条で規定されている「参議院の緊急集会」で対応出来る」とのおよそ憲法学者とは思えない参考人発言をしているものである。
東京新聞は知っての通り左巻き偏向メディアなので上述の記事の見出しは「◆衆院憲法審査会で参院緊急集会巡り参考人質疑 長谷部恭男氏は「本末転倒の議論の疑いもあり得る」と指摘」となっており、あたかも緊急事態条項がなくても現行憲法第54条規定で対応が可能であるかの様な、それこそ本末転倒なものになっているのである。
それでは、以下にそのことを述べていくことにする。
先ず、緊急事態条項が必要な理由を述べておくが、一言で言えば「緊急時に於いても法治主義を貫徹する為」である。
言葉を変えれば、「緊急時はなんでもありの超法規で対応する」となれば、それは法治主義を廃棄した「ヒャッハ~の世界」となってしまい秩序が崩壊し、女・子供・老人などの弱者が犠牲になってしまうので、緊急時であっても法治主義は貫徹する必要がある。
詳しくは後述するとして、「緊急時に於いても法治主義を貫徹する」との原則を先ず押さえておいていただきたい。
上述した様に、改憲阻止の為の「屁理屈」として今回の憲法審査会の議題とされている現行憲法第54条の条文を以下に紹介する。
↓
<現行憲法第54条>
第54条:衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
同第2項 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
同第3項 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
<引用終わり>
第54条は3項からなる条文で構成されている。
第1項は「議会不在期間の最小化」が目的の条文だ。我が国は議院内閣制の政体であり、長い期間にわたり議会不在の状態が続くのは相応し区内ので、衆議院が解散された場合は40日以内の総選挙実施+選挙後30日以内の合計70日以内の議会不在状態を解消しなさいという主旨の条文である。
そして、第2項は、70日間の衆議院不在期間中に「国に緊急の必要がある」事態が発生した場合は、内閣は同時閉会中の参議院に対して、国会を開く為に「緊急集会」との名目でそれを「求める」ことが出来るとの規定である。
第3項は、緊急集会で決まった各種の措置に対しては、総選挙後の衆議院での審議・検討が加えられ、その継続可否が決まるとの規定である。
色々考えると不充分な規定であるが、知っての通り、現行憲法は占領軍マッカーサーGHQのやっつけ仕事であるGHQ草案が基なのだから仕方がない。
ここで注目すべきは、第54条第1項には期日が明示されていることだ。
この期日を守れなかった場合は「憲法違反」となるものである。
この様な現行憲法第54条は、各国が憲法に具備している緊急事態条項(*2)と同様の機能を発揮するものではない。
そもそも、「国に緊急の必要がある」事態が70日以内に終息するとの保証はないし、緊急事態下で総選挙が実施できるとの保証もないのである。
緊急事態として想定されるのは、例えば、東日本大震災級の自然災害や我が国領土・領海が侵犯される武力事態や武漢発祥の新型コロナウイルス感染症を上回る様な大規模疫病の発生などである。
そういう事態が70日以内に終息するとの保証はない。そして、70日を超過した場合に発生する憲法違反。これは法治主義の敗北でしかない。
現行憲法に緊急事態条項がないのは法的未整備状態なのである。
そうであるにも関わらず、「憲法学者」の長谷部恭男は、「改憲阻止ありき」での非論理的な牽強付会を述べているのである。
東京新聞記事(その2)から長谷部の発言を抜粋して以下に示す。
↓
<抜粋引用開始>(付番は引用者)
長谷部恭男・早稲田大大学院教授
①総選挙を長期にわたって先送りしなければならない状況は簡単には発生しないだろう。繰り延べ投票などの実施も可能なのに、将来のことが確実にわかっているかのように総選挙を先送りすることは、国民の目にどう映るか、という問題もある。
②衆院議員の任期を延長すると、総選挙を経た正規のものとは異なる国会が存在し、法律が成立することになる。緊急時の名を借りて、通常時の法制度を大きく変革する法律が次々に制定されるリスクも含まれかねない。任期延長された衆院と、それに支えられた政権が長期に居座り続ける「緊急事態の恒久化」を招くことにもなりかねない。
③(緊急集会を定める)憲法54条が日数を限っているのは、現在の民意を反映していない政府がそのまま政権の座に居座り続けることがないようにとの考慮からだ。緊急集会の継続期間が限定されているように見えることを根拠として衆院議員の任期を延長し、政権の居座りを認めるのは、本末転倒の議論ではないか。
④参院の緊急集会は十分な理由に支えられた制度で、新たな制度を追加する必要性は見いだしにくい。
<引用終わり>
長谷部は緊急事態条項の新設(復活)に反対しており、「緊急事態条項がなくても大丈夫だ」との主張の「理屈」として現行憲法第54条で事足りるとの強弁をしているものであるが、長谷部は、自身の強弁の弱みが何処にあるのかが分かっており、最初に「総選挙を長期にわたって先送りしなければならない状況は簡単には発生しないだろう」との根拠なき身勝手な「設定」を提示している。
学者としては恥ずかしい事を言っているおり、これはこの後の質疑の際に突っ込まれる。
<抜粋引用開始>
小野泰輔氏(維新):○緊急集会が70日以上続くことが許容されたとして、その場合、歯止めはなくていいのか。
|
・長谷部氏:○国家の存立がかかっている事態で、この数字にこだわるべきなのか。そこはやはり、考え直さなくてはいけない。
・北側一雄氏(公明):○長期間、衆院選、参院選を適正に実施することが困難なことは十分あり得る。
|
・長谷部氏:○衆院選がかなりの選挙区で実施困難でも、同じ地域選出の参院議員がいる。緊急集会で対応している限り、問題ない。両院制の妙味が生かされる。
<引用終わり>
長谷部は、「緊急時には「70日」との憲法の明示規定に反しても良い」と言っているもので、法治主義の原則など無視した「緊急時はなんでもありの超法規で対応する」との酷い話をしているものである。
まともな憲法学者ならば、憲法の明示規定70日を蔑ろにする様なことは言わないのだが、言っている人物があの長谷部恭男なのだから、「あ~やっぱしね」との感想になる。
長谷部は2015年の安保法制の国会質疑中に同様の学者としてはあり得ない自家撞着した暴論を述べた前歴があり、今回も同じだからだ。
その2015年当時の自家撞着の内容については今回の文末脚注の「(*3)」で紹介してあるのでご一読いただければ幸である。
衆院・憲法審査会の参考人質疑には、長谷部以外にも憲法学者が呼ばれている。
大石真京都大名誉教授である。同名誉教授の話は長谷部と比べるとまともである。
以下にまともな発言・質疑を紹介する。
↓
<東京新聞記事からの抜粋引用開始>(付番・改行位置変更は引用者)
①憲法は、衆院解散時に参院の緊急集会を開催可能と規定している。任期満了後の総選挙実施不能の場合について、解散時の類推解釈として、緊急集会を開催することは可能だと考える。
②解散に起因する衆院の不在期間は憲法上最長70日と限定されている。
任期満了後の選挙不能事態の場合も70日という制約に服すると考えるのが合理的だ。
これをはるかに超えて緊急集会の期間を認めるとすれば、類推解釈の名の下に正当化できるものではない。
- - -
・階猛氏(立憲民主):○現に起きている解散権の乱用や臨時国会召集の先送りという国会機能の不全を議論すべきではないか。
|
・大石氏:○私も危惧を共有している。解散権の問題は憲法改正事項になる。それも含め、トータルに議論すべきではないか。
<引用終わり>
意見陳述の部分で名誉教授は①で憲法条文の当たり前のことを述べており、②で「70日間」との憲法での明示規定を逸脱することはダメだと、これまた当り前のことを述べているものである。長谷部のとんでもない話をちゃんと否定しているのは良い。
次の質疑の部分では、改憲反対=自称「護憲」の立憲民主党の議員が勉強不足丸出しの「質問」をしている。
何が勉強不足なのかと言うと、最近の立憲民主党は憲法に対して口をつぐんでいるが、それ以前の民進党時代や最初期の立憲民主党では稚拙な憲法議論を一応はしており、その当時の話そのままの質問を2023年現在でしているからである。(*4)
しかも、「解散権」は、ここでの議論である緊急事態条項と現行憲法第54条とは関連性が低い問題であり、質問している立憲民主党議員の知見の低さが表れているものである。
この質問に対して名誉教授は「解散権の乱用:なる頓珍漢な話の中身に踏み込まず、憲法議論をしたがらない立憲民主党議員に「解散権の問題は憲法改正事項になる」と返しているのは実に面白いものである。
話が横道に逸れたが、この様に他の憲法学者からは、長谷部の法治主義の原則など無視した「緊急時はなんでもありの超法規で対応する」との話はダメだとの指摘がなされている事を知っていていただきたい。
緊急事態条項については当ブログでは既に何年も前から、その必要性や憲法条文に書くべき基本要件等について幾度も論述してきているので、昔から当ブログをお読みいただいている方々には「繰り返し」のなってしまい申し訳なく思う。
とは言え、未だに長谷部の様な括弧付きの「憲法学者」がとんでもない話をしているので、少々述べるものである。
「緊急事態条項が憲法に必要な主な理由」は以下の通りである。
↓
①平時を想定して立法されている下位法が想定外の緊急事態が起こった時にかえって国民の安全を阻害することになる事を防ぐにはOver allで対応できる憲法でなければ法治主義が貫徹できないから。
②平時基準の下位法を無視する超法規的緊急避難は法治主義からの逸脱となってしまうから。
③起こってしまった想定外の緊急事態に一々対応する立法措置をする時間的余裕はない。(対コロナの特措法制定に40日者時間を要したが、これが大災害や武力事態であったならばまったく間に合わない)
④緊急時の立法が改憲的下位法となることを事前に防止するとの意味合いから平時に於いて憲法に事前に緊急事態発生時の決まり事を制定しておく必要があるから。
などである。
これら「緊急事態条項が憲法に必要な理由」については既に以前の論考(*5)で詳細に述べているので、より詳しく知りたい方は文末脚注の「(*5)」にリンク先を記載しているのでそれを参照いただきたい。
実は、今回指摘したこと以外にも長谷部はごまかし・虚偽を述べているが、長くなってしまったので今回は以上とする。
1日1回ポチっとな ↓
FC2 Blog Ranking 
【文末脚注】
(*1):衆議院・憲法審査会で2023年5月18日に行われた参考人質疑の概要の報道
↓
<その1>
東京新聞 2023年5月18日 22時50分
見出し:◆衆院憲法審査会で参院緊急集会巡り参考人質疑 長谷部恭男氏は「本末転倒の議論の疑いもあり得る」と指摘
https://www.tokyo-np.co.jp/article/250838
記事:○衆院憲法審査会は18日、憲法が衆院解散時に国会の権能を代行する制度と定める参院の緊急集会を巡り、憲法学者の大石真・京都大名誉教授と長谷部恭男・早稲田大大学院教授を招いて参考人質疑を行った。(佐藤裕介)
○戦争や大規模自然災害といった緊急時の国会機能維持策としては、緊急集会でどこまで対応できるかが主要な論点に浮上している。衆院解散から40日以内の総選挙、その後30日以内の国会召集という規定を根拠に、改憲勢力は緊急集会を開ける期間が最大70日間にとどまると主張。それを超えて選挙の実施が困難な場合に備え、国会議員の任期延長を可能とする緊急事態条項の新設が必要だと訴えている。
○大石氏は「緊急集会が両院同時活動の原則に対する例外であることを考えれば、最大70日という制約に服すると考えるのが合理的」と、改憲勢力の意見に理解を示した。
○これに対して、長谷部氏は憲法が衆院解散から総選挙、国会召集までの期間を限定していることに関して、平時を前提に「民意を反映しない従前の政権がそのまま居座り続けることを阻止する目的だ」と指摘。緊急時は70日間という日数に縛られる必要はないとした上で、衆院議員の任期を延長し、総選挙を経ることなく立法など全ての権能を与えることは「本末転倒の議論ではないかとの疑いもあり得る」と強調した。
○参考人は意見陳述の後、各党からの質問に答えた。(その1引用終わり)
<その2>
東京新聞 2023年5月18日 23時00分
見出し:◆衆院憲法審査会・発言の要旨(2023年5月18日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/250851
記事:○18日の衆院憲法審査会での主な発言の要旨は次の通り。
◆参考人の意見聴取
◆大石真・京都大名誉教授:○憲法は、衆院解散時に参院の緊急集会を開催可能と規定している。任期満了後の総選挙実施不能の場合について、解散時の類推解釈として、緊急集会を開催することは可能だと考える。
○解散に起因する衆院の不在期間は憲法上最長70日と限定されている。任期満了後の選挙不能事態の場合も70日という制約に服すると考えるのが合理的だ。これをはるかに超えて緊急集会の期間を認めるとすれば、類推解釈の名の下に正当化できるものではない。
○緊急集会中の参院議員には、内閣から示された案件に関する議案の発議権が認められている。この限定は国会法という法律によるものにすぎない。改正は緊急集会でも行えると考えられるので、参院議員の発議権に対する制約は原理上、存しないことになる。緊急集会の権限拡大は、内閣と参院の関係を大きく変える。
◆長谷部恭男・早稲田大大学院教授:○総選挙を長期にわたって先送りしなければならない状況は簡単には発生しないだろう。繰り延べ投票などの実施も可能なのに、将来のことが確実にわかっているかのように総選挙を先送りすることは、国民の目にどう映るか、という問題もある。
○衆院議員の任期を延長すると、総選挙を経た正規のものとは異なる国会が存在し、法律が成立することになる。緊急時の名を借りて、通常時の法制度を大きく変革する法律が次々に制定されるリスクも含まれかねない。任期延長された衆院と、それに支えられた政権が長期に居座り続ける「緊急事態の恒久化」を招くことにもなりかねない。
○(緊急集会を定める)憲法54条が日数を限っているのは、現在の民意を反映していない政府がそのまま政権の座に居座り続けることがないようにとの考慮からだ。緊急集会の継続期間が限定されているように見えることを根拠として衆院議員の任期を延長し、政権の居座りを認めるのは、本末転倒の議論ではないか。
○参院の緊急集会は十分な理由に支えられた制度で、新たな制度を追加する必要性は見いだしにくい。
◆各会派代表の質疑
・新藤義孝氏(自民):○憲法は、選挙実施の見通しがつかない事態でも、緊急集会のみを活用した議会機能維持を想定しているのか。
|
・長谷部氏:○選挙が実施できない困難が解消され次第、全選挙区で選挙を速やかに実施していくことを、むしろ憲法は求めている。
・階猛氏(立憲民主):○現に起きている解散権の乱用や臨時国会召集の先送りという国会機能の不全を議論すべきではないか。
|
・大石氏:○私も危惧を共有している。解散権の問題は憲法改正事項になる。それも含め、トータルに議論すべきではないか。
・小野泰輔氏(維新):○緊急集会が70日以上続くことが許容されたとして、その場合、歯止めはなくていいのか。
|
・長谷部氏:○国家の存立がかかっている事態で、この数字にこだわるべきなのか。そこはやはり、考え直さなくてはいけない。
・北側一雄氏(公明):○長期間、衆院選、参院選を適正に実施することが困難なことは十分あり得る。
|
・長谷部氏:○衆院選がかなりの選挙区で実施困難でも、同じ地域選出の参院議員がいる。緊急集会で対応している限り、問題ない。両院制の妙味が生かされる。
・玉木雄一郎氏(国民民主):○ずるずると解釈で緊急集会の権限を広げてしまうと、緊急集会の乱用が起こる可能性がある。
|
・大石氏:○確かに(乱用の)恐れがないわけではない。問題は緊急集会の持ち方だ。議長の議事整理権で歯止めを設けられる。
・赤嶺政賢氏(共産):○緊急集会に関する規定は、国民の自由と権利を奪い、侵略戦争に突き進んだ歴史への反省と一体のものだ。
|
・長谷部氏:○この規定の目的は、民意を反映しない政権の居座りを防ぐことだ。この目的を第一に物事を考えることが必要だ。
・北神圭朗氏(有志の会):○衆院解散時の緊急集会の規定を、衆院議員の任期満了時に類推適用することは、限定的な法解釈か。
|
・大石氏:○それなりの類似性が認められ、合理的な理由があれば、直接は(条文に)書いていないが、解釈でカバーできる。
<引用終わり>
(*2):各国が憲法に具備している緊急事態条項
↓
2017/06/16投稿:
(資料編)各国の緊急事態条項
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-695.html
2017/07/29投稿:
(資料編)G7主要国以外の緊急事態条項
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-723.html
(*3):長谷部は2016年の安保法制の国会質疑中に同様の学者としてはあり得ない自家撞着した暴論を述べた前歴がある。
↓
2015年の安保法制審議時の立憲民主党の前身である民主党は、まともな審議をせずに「憲法違反」一辺倒のアジテーションしかしておらず、長谷部恭男や小林変節などの「憲法学者」を呼んで「安保法制の集団的自衛権は憲法違反」と煽るだけであった。
「憲法学者」が言う「安保法制の集団的自衛権は憲法違反」の論拠は論理的に最初から破綻したものであり、まったく説得力がないものであった。
※「憲法学者」長谷部恭男達のご都合主義・自家撞着した話は下記の<Case3>のことである。
<Case1>憲法条文至上主義
判断基準:「自衛隊は違憲」とする論者で、判断基準は現行憲法第9条の条文
集団的自衛権は?:自衛隊が違憲(9条)なのだから同条を以て違憲
論理的整合性:あり
<Case2>実務解釈集積論
判断基準:現実対応。憲法判断は最高裁判例や国会審議他での政府見解を通じ判断
集団的自衛権は?:安保法制の国会審議を通じて、国民の命を守る為に合憲と判断
論理的整合性:あり(実務解釈集積)
<Case3>憲法学者
判断基準:「自衛隊は合憲」=最高裁判例・「集団的自衛権行使は違憲」=自分達の主張
集団的自衛権は?:違憲との決め付け
論理的整合性:なし(自衛隊と集団的自衛権行の判断基準が異なっている)
↓
2015/06/27投稿:
【コラム】「憲法学者」の自家撞着を再度解説する。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-140.html
2015/10/04投稿:
【コラム】自家撞着する「憲法学者」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-223.html
(*4):立憲民主党の議員が勉強不足丸出しの「質問」をしている。何が勉強不足なのかと言うと、以前の民進党時代や最初期の立憲民主党では稚拙な憲法議論を一応はしており、その当時の話そのままの質問を2023年現在でしているからである。
↓
2017/12/08投稿:
立憲民主党は三権分立構造を壊す気か?
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-821.html
2017/12/07投稿:
臨時国会の召集に関しての期限の設定
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-820.html
(*5):「緊急事態条項が憲法に必要な理由」についての以前の論考
↓
2016/07/22投稿:
緊急事態条項の必要性1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-462.html
2016/07/23投稿:
緊急事態条項の必要性2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-463.html
2016/07/25投稿:
緊急事態条項の必要性3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-465.html
1日1回ポチっとな ↓
FC2 Blog Ranking


副題:長谷部恭男は2015年の安保法制審議の際に自家撞着した暴論を述べていたが、2023年5月の今になっても学者とは思えない暴論をまたもや国会で述べている。
衆議院・憲法審査会で2023年5月18日に行われた参考人質疑の概要(*1)が東京新聞で報道されていたのだが、それを読み、「憲法学者」の長谷部恭男が相変わらずの曲学阿世ぶりを発揮していたので、それに関して論じることとする。
憲法審査会の議題・緊急事態条項と現行憲法第54条
東京新聞の記事によれば、5月18日の憲法審査会の議題は現行憲法第54条の参議院の緊急集会規定についての参考人質疑である。
現行憲法第54条は、現行憲法の中で唯一「緊急」との語句が登場する条文であり、緊急事態条項の新設(復活)すること=改憲を阻止したい「護憲派」が、「緊急事態条項がなくても第54条で規定されている「参議院の緊急集会」で対応出来る」とのおよそ憲法学者とは思えない参考人発言をしているものである。
東京新聞は知っての通り左巻き偏向メディアなので上述の記事の見出しは「◆衆院憲法審査会で参院緊急集会巡り参考人質疑 長谷部恭男氏は「本末転倒の議論の疑いもあり得る」と指摘」となっており、あたかも緊急事態条項がなくても現行憲法第54条規定で対応が可能であるかの様な、それこそ本末転倒なものになっているのである。
それでは、以下にそのことを述べていくことにする。
緊急事態条項が必要な理由
先ず、緊急事態条項が必要な理由を述べておくが、一言で言えば「緊急時に於いても法治主義を貫徹する為」である。
言葉を変えれば、「緊急時はなんでもありの超法規で対応する」となれば、それは法治主義を廃棄した「ヒャッハ~の世界」となってしまい秩序が崩壊し、女・子供・老人などの弱者が犠牲になってしまうので、緊急時であっても法治主義は貫徹する必要がある。
詳しくは後述するとして、「緊急時に於いても法治主義を貫徹する」との原則を先ず押さえておいていただきたい。
改憲阻止の為に法治主義の大原則を無視する「憲法学者」
上述した様に、改憲阻止の為の「屁理屈」として今回の憲法審査会の議題とされている現行憲法第54条の条文を以下に紹介する。
↓
<現行憲法第54条>
第54条:衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
同第2項 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
同第3項 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
<引用終わり>
第54条は3項からなる条文で構成されている。
第1項は「議会不在期間の最小化」が目的の条文だ。我が国は議院内閣制の政体であり、長い期間にわたり議会不在の状態が続くのは相応し区内ので、衆議院が解散された場合は40日以内の総選挙実施+選挙後30日以内の合計70日以内の議会不在状態を解消しなさいという主旨の条文である。
そして、第2項は、70日間の衆議院不在期間中に「国に緊急の必要がある」事態が発生した場合は、内閣は同時閉会中の参議院に対して、国会を開く為に「緊急集会」との名目でそれを「求める」ことが出来るとの規定である。
第3項は、緊急集会で決まった各種の措置に対しては、総選挙後の衆議院での審議・検討が加えられ、その継続可否が決まるとの規定である。
色々考えると不充分な規定であるが、知っての通り、現行憲法は占領軍マッカーサーGHQのやっつけ仕事であるGHQ草案が基なのだから仕方がない。
ここで注目すべきは、第54条第1項には期日が明示されていることだ。
この期日を守れなかった場合は「憲法違反」となるものである。
この様な現行憲法第54条は、各国が憲法に具備している緊急事態条項(*2)と同様の機能を発揮するものではない。
そもそも、「国に緊急の必要がある」事態が70日以内に終息するとの保証はないし、緊急事態下で総選挙が実施できるとの保証もないのである。
緊急事態として想定されるのは、例えば、東日本大震災級の自然災害や我が国領土・領海が侵犯される武力事態や武漢発祥の新型コロナウイルス感染症を上回る様な大規模疫病の発生などである。
そういう事態が70日以内に終息するとの保証はない。そして、70日を超過した場合に発生する憲法違反。これは法治主義の敗北でしかない。
現行憲法に緊急事態条項がないのは法的未整備状態なのである。
そうであるにも関わらず、「憲法学者」の長谷部恭男は、「改憲阻止ありき」での非論理的な牽強付会を述べているのである。
東京新聞記事(その2)から長谷部の発言を抜粋して以下に示す。
↓
<抜粋引用開始>(付番は引用者)
長谷部恭男・早稲田大大学院教授
①総選挙を長期にわたって先送りしなければならない状況は簡単には発生しないだろう。繰り延べ投票などの実施も可能なのに、将来のことが確実にわかっているかのように総選挙を先送りすることは、国民の目にどう映るか、という問題もある。
②衆院議員の任期を延長すると、総選挙を経た正規のものとは異なる国会が存在し、法律が成立することになる。緊急時の名を借りて、通常時の法制度を大きく変革する法律が次々に制定されるリスクも含まれかねない。任期延長された衆院と、それに支えられた政権が長期に居座り続ける「緊急事態の恒久化」を招くことにもなりかねない。
③(緊急集会を定める)憲法54条が日数を限っているのは、現在の民意を反映していない政府がそのまま政権の座に居座り続けることがないようにとの考慮からだ。緊急集会の継続期間が限定されているように見えることを根拠として衆院議員の任期を延長し、政権の居座りを認めるのは、本末転倒の議論ではないか。
④参院の緊急集会は十分な理由に支えられた制度で、新たな制度を追加する必要性は見いだしにくい。
<引用終わり>
長谷部は緊急事態条項の新設(復活)に反対しており、「緊急事態条項がなくても大丈夫だ」との主張の「理屈」として現行憲法第54条で事足りるとの強弁をしているものであるが、長谷部は、自身の強弁の弱みが何処にあるのかが分かっており、最初に「総選挙を長期にわたって先送りしなければならない状況は簡単には発生しないだろう」との根拠なき身勝手な「設定」を提示している。
学者としては恥ずかしい事を言っているおり、これはこの後の質疑の際に突っ込まれる。
<抜粋引用開始>
小野泰輔氏(維新):○緊急集会が70日以上続くことが許容されたとして、その場合、歯止めはなくていいのか。
|
・長谷部氏:○国家の存立がかかっている事態で、この数字にこだわるべきなのか。そこはやはり、考え直さなくてはいけない。
・北側一雄氏(公明):○長期間、衆院選、参院選を適正に実施することが困難なことは十分あり得る。
|
・長谷部氏:○衆院選がかなりの選挙区で実施困難でも、同じ地域選出の参院議員がいる。緊急集会で対応している限り、問題ない。両院制の妙味が生かされる。
<引用終わり>
長谷部は、「緊急時には「70日」との憲法の明示規定に反しても良い」と言っているもので、法治主義の原則など無視した「緊急時はなんでもありの超法規で対応する」との酷い話をしているものである。
まともな憲法学者ならば、憲法の明示規定70日を蔑ろにする様なことは言わないのだが、言っている人物があの長谷部恭男なのだから、「あ~やっぱしね」との感想になる。
長谷部は2015年の安保法制の国会質疑中に同様の学者としてはあり得ない自家撞着した暴論を述べた前歴があり、今回も同じだからだ。
その2015年当時の自家撞着の内容については今回の文末脚注の「(*3)」で紹介してあるのでご一読いただければ幸である。
憲法審議会での他の憲法学者の指摘事項
衆院・憲法審査会の参考人質疑には、長谷部以外にも憲法学者が呼ばれている。
大石真京都大名誉教授である。同名誉教授の話は長谷部と比べるとまともである。
以下にまともな発言・質疑を紹介する。
↓
<東京新聞記事からの抜粋引用開始>(付番・改行位置変更は引用者)
①憲法は、衆院解散時に参院の緊急集会を開催可能と規定している。任期満了後の総選挙実施不能の場合について、解散時の類推解釈として、緊急集会を開催することは可能だと考える。
②解散に起因する衆院の不在期間は憲法上最長70日と限定されている。
任期満了後の選挙不能事態の場合も70日という制約に服すると考えるのが合理的だ。
これをはるかに超えて緊急集会の期間を認めるとすれば、類推解釈の名の下に正当化できるものではない。
- - -
・階猛氏(立憲民主):○現に起きている解散権の乱用や臨時国会召集の先送りという国会機能の不全を議論すべきではないか。
|
・大石氏:○私も危惧を共有している。解散権の問題は憲法改正事項になる。それも含め、トータルに議論すべきではないか。
<引用終わり>
意見陳述の部分で名誉教授は①で憲法条文の当たり前のことを述べており、②で「70日間」との憲法での明示規定を逸脱することはダメだと、これまた当り前のことを述べているものである。長谷部のとんでもない話をちゃんと否定しているのは良い。
次の質疑の部分では、改憲反対=自称「護憲」の立憲民主党の議員が勉強不足丸出しの「質問」をしている。
何が勉強不足なのかと言うと、最近の立憲民主党は憲法に対して口をつぐんでいるが、それ以前の民進党時代や最初期の立憲民主党では稚拙な憲法議論を一応はしており、その当時の話そのままの質問を2023年現在でしているからである。(*4)
しかも、「解散権」は、ここでの議論である緊急事態条項と現行憲法第54条とは関連性が低い問題であり、質問している立憲民主党議員の知見の低さが表れているものである。
この質問に対して名誉教授は「解散権の乱用:なる頓珍漢な話の中身に踏み込まず、憲法議論をしたがらない立憲民主党議員に「解散権の問題は憲法改正事項になる」と返しているのは実に面白いものである。
話が横道に逸れたが、この様に他の憲法学者からは、長谷部の法治主義の原則など無視した「緊急時はなんでもありの超法規で対応する」との話はダメだとの指摘がなされている事を知っていていただきたい。
「緊急事態条項が何故必要なのか」をもう少し詳しく
緊急事態条項については当ブログでは既に何年も前から、その必要性や憲法条文に書くべき基本要件等について幾度も論述してきているので、昔から当ブログをお読みいただいている方々には「繰り返し」のなってしまい申し訳なく思う。
とは言え、未だに長谷部の様な括弧付きの「憲法学者」がとんでもない話をしているので、少々述べるものである。
「緊急事態条項が憲法に必要な主な理由」は以下の通りである。
↓
①平時を想定して立法されている下位法が想定外の緊急事態が起こった時にかえって国民の安全を阻害することになる事を防ぐにはOver allで対応できる憲法でなければ法治主義が貫徹できないから。
②平時基準の下位法を無視する超法規的緊急避難は法治主義からの逸脱となってしまうから。
③起こってしまった想定外の緊急事態に一々対応する立法措置をする時間的余裕はない。(対コロナの特措法制定に40日者時間を要したが、これが大災害や武力事態であったならばまったく間に合わない)
④緊急時の立法が改憲的下位法となることを事前に防止するとの意味合いから平時に於いて憲法に事前に緊急事態発生時の決まり事を制定しておく必要があるから。
などである。
これら「緊急事態条項が憲法に必要な理由」については既に以前の論考(*5)で詳細に述べているので、より詳しく知りたい方は文末脚注の「(*5)」にリンク先を記載しているのでそれを参照いただきたい。
実は、今回指摘したこと以外にも長谷部はごまかし・虚偽を述べているが、長くなってしまったので今回は以上とする。
1日1回ポチっとな ↓



【文末脚注】
(*1):衆議院・憲法審査会で2023年5月18日に行われた参考人質疑の概要の報道
↓
<その1>
東京新聞 2023年5月18日 22時50分
見出し:◆衆院憲法審査会で参院緊急集会巡り参考人質疑 長谷部恭男氏は「本末転倒の議論の疑いもあり得る」と指摘
https://www.tokyo-np.co.jp/article/250838
記事:○衆院憲法審査会は18日、憲法が衆院解散時に国会の権能を代行する制度と定める参院の緊急集会を巡り、憲法学者の大石真・京都大名誉教授と長谷部恭男・早稲田大大学院教授を招いて参考人質疑を行った。(佐藤裕介)
○戦争や大規模自然災害といった緊急時の国会機能維持策としては、緊急集会でどこまで対応できるかが主要な論点に浮上している。衆院解散から40日以内の総選挙、その後30日以内の国会召集という規定を根拠に、改憲勢力は緊急集会を開ける期間が最大70日間にとどまると主張。それを超えて選挙の実施が困難な場合に備え、国会議員の任期延長を可能とする緊急事態条項の新設が必要だと訴えている。
○大石氏は「緊急集会が両院同時活動の原則に対する例外であることを考えれば、最大70日という制約に服すると考えるのが合理的」と、改憲勢力の意見に理解を示した。
○これに対して、長谷部氏は憲法が衆院解散から総選挙、国会召集までの期間を限定していることに関して、平時を前提に「民意を反映しない従前の政権がそのまま居座り続けることを阻止する目的だ」と指摘。緊急時は70日間という日数に縛られる必要はないとした上で、衆院議員の任期を延長し、総選挙を経ることなく立法など全ての権能を与えることは「本末転倒の議論ではないかとの疑いもあり得る」と強調した。
○参考人は意見陳述の後、各党からの質問に答えた。(その1引用終わり)
<その2>
東京新聞 2023年5月18日 23時00分
見出し:◆衆院憲法審査会・発言の要旨(2023年5月18日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/250851
記事:○18日の衆院憲法審査会での主な発言の要旨は次の通り。
◆参考人の意見聴取
◆大石真・京都大名誉教授:○憲法は、衆院解散時に参院の緊急集会を開催可能と規定している。任期満了後の総選挙実施不能の場合について、解散時の類推解釈として、緊急集会を開催することは可能だと考える。
○解散に起因する衆院の不在期間は憲法上最長70日と限定されている。任期満了後の選挙不能事態の場合も70日という制約に服すると考えるのが合理的だ。これをはるかに超えて緊急集会の期間を認めるとすれば、類推解釈の名の下に正当化できるものではない。
○緊急集会中の参院議員には、内閣から示された案件に関する議案の発議権が認められている。この限定は国会法という法律によるものにすぎない。改正は緊急集会でも行えると考えられるので、参院議員の発議権に対する制約は原理上、存しないことになる。緊急集会の権限拡大は、内閣と参院の関係を大きく変える。
◆長谷部恭男・早稲田大大学院教授:○総選挙を長期にわたって先送りしなければならない状況は簡単には発生しないだろう。繰り延べ投票などの実施も可能なのに、将来のことが確実にわかっているかのように総選挙を先送りすることは、国民の目にどう映るか、という問題もある。
○衆院議員の任期を延長すると、総選挙を経た正規のものとは異なる国会が存在し、法律が成立することになる。緊急時の名を借りて、通常時の法制度を大きく変革する法律が次々に制定されるリスクも含まれかねない。任期延長された衆院と、それに支えられた政権が長期に居座り続ける「緊急事態の恒久化」を招くことにもなりかねない。
○(緊急集会を定める)憲法54条が日数を限っているのは、現在の民意を反映していない政府がそのまま政権の座に居座り続けることがないようにとの考慮からだ。緊急集会の継続期間が限定されているように見えることを根拠として衆院議員の任期を延長し、政権の居座りを認めるのは、本末転倒の議論ではないか。
○参院の緊急集会は十分な理由に支えられた制度で、新たな制度を追加する必要性は見いだしにくい。
◆各会派代表の質疑
・新藤義孝氏(自民):○憲法は、選挙実施の見通しがつかない事態でも、緊急集会のみを活用した議会機能維持を想定しているのか。
|
・長谷部氏:○選挙が実施できない困難が解消され次第、全選挙区で選挙を速やかに実施していくことを、むしろ憲法は求めている。
・階猛氏(立憲民主):○現に起きている解散権の乱用や臨時国会召集の先送りという国会機能の不全を議論すべきではないか。
|
・大石氏:○私も危惧を共有している。解散権の問題は憲法改正事項になる。それも含め、トータルに議論すべきではないか。
・小野泰輔氏(維新):○緊急集会が70日以上続くことが許容されたとして、その場合、歯止めはなくていいのか。
|
・長谷部氏:○国家の存立がかかっている事態で、この数字にこだわるべきなのか。そこはやはり、考え直さなくてはいけない。
・北側一雄氏(公明):○長期間、衆院選、参院選を適正に実施することが困難なことは十分あり得る。
|
・長谷部氏:○衆院選がかなりの選挙区で実施困難でも、同じ地域選出の参院議員がいる。緊急集会で対応している限り、問題ない。両院制の妙味が生かされる。
・玉木雄一郎氏(国民民主):○ずるずると解釈で緊急集会の権限を広げてしまうと、緊急集会の乱用が起こる可能性がある。
|
・大石氏:○確かに(乱用の)恐れがないわけではない。問題は緊急集会の持ち方だ。議長の議事整理権で歯止めを設けられる。
・赤嶺政賢氏(共産):○緊急集会に関する規定は、国民の自由と権利を奪い、侵略戦争に突き進んだ歴史への反省と一体のものだ。
|
・長谷部氏:○この規定の目的は、民意を反映しない政権の居座りを防ぐことだ。この目的を第一に物事を考えることが必要だ。
・北神圭朗氏(有志の会):○衆院解散時の緊急集会の規定を、衆院議員の任期満了時に類推適用することは、限定的な法解釈か。
|
・大石氏:○それなりの類似性が認められ、合理的な理由があれば、直接は(条文に)書いていないが、解釈でカバーできる。
<引用終わり>
(*2):各国が憲法に具備している緊急事態条項
↓
2017/06/16投稿:
(資料編)各国の緊急事態条項
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-695.html
2017/07/29投稿:
(資料編)G7主要国以外の緊急事態条項
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-723.html
(*3):長谷部は2016年の安保法制の国会質疑中に同様の学者としてはあり得ない自家撞着した暴論を述べた前歴がある。
↓
2015年の安保法制審議時の立憲民主党の前身である民主党は、まともな審議をせずに「憲法違反」一辺倒のアジテーションしかしておらず、長谷部恭男や小林変節などの「憲法学者」を呼んで「安保法制の集団的自衛権は憲法違反」と煽るだけであった。
「憲法学者」が言う「安保法制の集団的自衛権は憲法違反」の論拠は論理的に最初から破綻したものであり、まったく説得力がないものであった。
※「憲法学者」長谷部恭男達のご都合主義・自家撞着した話は下記の<Case3>のことである。
<Case1>憲法条文至上主義
判断基準:「自衛隊は違憲」とする論者で、判断基準は現行憲法第9条の条文
集団的自衛権は?:自衛隊が違憲(9条)なのだから同条を以て違憲
論理的整合性:あり
<Case2>実務解釈集積論
判断基準:現実対応。憲法判断は最高裁判例や国会審議他での政府見解を通じ判断
集団的自衛権は?:安保法制の国会審議を通じて、国民の命を守る為に合憲と判断
論理的整合性:あり(実務解釈集積)
<Case3>憲法学者
判断基準:「自衛隊は合憲」=最高裁判例・「集団的自衛権行使は違憲」=自分達の主張
集団的自衛権は?:違憲との決め付け
論理的整合性:なし(自衛隊と集団的自衛権行の判断基準が異なっている)
↓
2015/06/27投稿:
【コラム】「憲法学者」の自家撞着を再度解説する。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-140.html
2015/10/04投稿:
【コラム】自家撞着する「憲法学者」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-223.html
(*4):立憲民主党の議員が勉強不足丸出しの「質問」をしている。何が勉強不足なのかと言うと、以前の民進党時代や最初期の立憲民主党では稚拙な憲法議論を一応はしており、その当時の話そのままの質問を2023年現在でしているからである。
↓
2017/12/08投稿:
立憲民主党は三権分立構造を壊す気か?
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-821.html
2017/12/07投稿:
臨時国会の召集に関しての期限の設定
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-820.html
(*5):「緊急事態条項が憲法に必要な理由」についての以前の論考
↓
2016/07/22投稿:
緊急事態条項の必要性1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-462.html
2016/07/23投稿:
緊急事態条項の必要性2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-463.html
2016/07/25投稿:
緊急事態条項の必要性3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-465.html
1日1回ポチっとな ↓



スポンサーサイト