共感できぬ環境運動・人類の宝ゴッホ作品への汚損行為(後編)
- 2022/10/20
- 22:25
共感できぬ環境運動・人類の宝ゴッホ作品への汚損行為(後編)
副題:典型的な勘違い選民意識に凝り固まった独善による愚行である。エネルギー問題への言及は一切ない。こんな「化石燃料悪魔化教の信者」による1点判断の独善ではけして共感を得られない。
「前編」(*1)からの続きである。
前回の前編ではゴッホの「ひまわり」を汚損した「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人の「主張」を同組織HPから探し出してその内容を確認した。
その結果は、前回明示した通り典型的な勘違い選民意識に凝り固まった独善でしかないものであった。その「主張」には理論がなく、まとまりがなく、事象を適当にくっつけただけの論拠なき言い切りが続く薄っぺらなものだった。
今回は、この様に結論した論拠を少々述べ、あの様な行為では共感を得られないことを指摘するものである。
尚、「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人の「主張」は前回前編の。文末脚注の「(*3)」に記事全文とその和訳をしてあるので、興味ある方は参照できる様にしてある。
彼女達の主張を要約すると、①石油・天然ガスの化石燃料の使用をやめよ・新たな石油・ガス開発投資案件を中止せよ、である。その理由としては②気候変動での旱魃などで多くの人々が死んでいる、からだとしている。まともな部分を要約すると「主張」はこの2点だけである。
ここで「まとも」と言ったのは、それ以外の部分があまりにも酷いので、相対的に「まだまとも」というレベルでの「まとも」である。
実際は、以下の様に全然まともなものではないからである。
先ず、「二酸化炭素排出量の削減が地球温暖化には必要」との設定がある。
これの科学的正否ははまだ確定しているとは言い難いのだが、この設定は西欧諸国で共有されており、二酸化炭素の排出量削減は急務とされており、二酸化炭素を多く排出する化石燃料エネルギー使用の削減・転換が必要とされているものである。
取り分け、石炭火力については二酸化炭素排出量が石油・天然ガスに比して多いことから目の仇にされているが、それは知識がないからであり、我が国の石炭火力発電設備の場合は超々臨界圧発電方式(USC方式)を最低限の技術とするもので既存の中国や欧州の石炭火力に比してCO2排出量は大きく削減されているものである。(*2)
その様な設定に対しての危機感が彼女達や他の「サポーター」を突き動かしているのであろうが、ならば無関係或は関係性が希薄な事を「主張」に混ぜ込むのは如何なものかと考える。
彼女達はイギリスでの燃料価格・生活費の高騰をイギリス政府の所為だとして非難している。
燃料価格の高騰は主に米ドルの独歩高が原因であり地球温暖化とは関係がない。
石油・天然ガスの取引は米ドル建てなので、いくら北海油田があってもイギリスは石油輸入国である。また、生活費の高騰は日本以外の先進国で発生したインフレによるものであり、地球温暖化とは関係がない。
何故、無関係なことを入れ込むのかと言うと、イギリスでイギリス人を相手に「あなた自身が被害にあっている」ということを言いたいが為に無理矢理入れ込んだものだからである。
彼女達はソマリアでの旱魃による被害を地球温暖化の悪影響の象徴に様に話している。
それはそれで間違いではないのだが、ならば何故、イギリスやフランスやイタリアの様な西欧諸国よりももっと多くの二酸化炭素を排出している国に対して二酸化炭素排出削減を働き掛けないのか、との「抗議のし易さ」を削減効果よりも優先したご都合主義が透けて見える。
気候変動で大きな影響を受けている地域のソマリアは未来のイギリスだとの話は「地球温暖化」との全地球規模での望ましくない未来の話である。そして、そうなってしまう原因を化石燃料使用による二酸化炭素排出量の増大だとしている。
ここまではCOPナンチャラでも話されている共通認識だと言ってよいであろうが、ならば、もっとも多く二酸化炭素を排出している国に対して「減らせ」というのが常識的アプローチである。
国別の排出量が多いのは今も中国とアメリカである。(*3)
地球規模で被害があるのだから地球規模で二酸化炭素排出量を減らすべしとアピールすべきだと思うのだが、アメリカや中国ではアピールしておらずイギリスで絵画を汚損し、アメリカや中国の事については何も言っていない。
彼女達は「イギリスの家庭は今年の冬に暖房費か食糧費かの選択を迫られるでしょう」と燃料価格・生活費の高騰のことを述べているが、その暖房をどうするのであろうか?
石油・ガスの使用を止めろといっているのだから、石油ストープ・石炭ストーブは当然の様にダメで、電気ストーブの電力が石油・石炭・天然ガスで発電されていてはダメになる。二酸化炭素を排出しない太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電か原発で発電した電気だけに限定されるはずである。
ガスストーブのガスも化石燃料である。昔の石炭蒸し焼きガスも天然ガスもダメである。薪ストープは化石燃料ではないが、木を切り倒して薪を供給するし、二酸化炭素も沢山排出される・・・ちょっと長くなったが、要するに真面目に庶民の暖房を心配して言っている訳ではないことが分かると思う。
我が国の場合、費用がかからない暖房は省エネエアコンや灯油なので、化石燃料なしに庶民の暖房を維持する事は難しい。イギリスの場合はどうなのかは知らないが、化石燃料なしで庶民が暖房を維持出来ないのは似た様なものだと思う。
「化石燃料を使用しない」と「庶民の冬の暖房」は両立しない。
ならば、主張する側は「化石燃料を使用しない庶民の冬の暖房策の代替案」を提示しなければ、その「主張」は無責任なものと看做されても仕方がない。
「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人の「主張」に限らず、所謂「環境活動家」は「化石燃料はダメ」だとの単純化・1点判断をしているのではないかと推察される。その様な一点判断からは逆に「化石燃料じゃなければOK」の様な判断をしてしまい、昔ながらの「反原発派」とは異なっている様である。
トマトスープ投げつけ事件のニュースを検索している途中で引っかかったのが、テレ朝のニュースである。
同ニュースは文末脚注の「(*4)」で引用紹介しているが、反日偏向のテレ朝らしく、その論調は環境テロリストを擁護するが如きものでまったく同意できないものなのでお読みいただかない方が良い。グレタが「すでに(原発が)稼働しているのであれば、それを停止して石炭に変えるのは間違いだと思う」との発言をしていることのエビデンスとして引用しているだけである。
テレ朝及びドイツ政府高官他はグレタの発言を「原発稼働継続擁護」だとしている様だが
当方の理解は違っている。グレタも「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人も、上述した通り、「化石燃料はダメ」だとの単純化・1点判断をしているので、グレタはそれ以外の原発について考えてなく、あたかも容認しているかの様に聞こえるだけだと考えている。
「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人が庶民の暖房の代替案について何も考えていないのと同じである。
話をグレタからトマトスープ事件に戻すが、いくら彼女達の「主張」を読んでも、最初の疑問である「何故、人類の宝である名画を傷つけようとするのか?」に対する納得性ある理由は見つからなかった。
むしろ、論理性が欠落した自分達の「主張」への注目を集める為にインパクトが大きい「名画への汚損行為」をしているテロ行為であるとの理解が深まっただけである。
自分達の主張を広める為に過激な行動をする人達には【目的は手段を正当化しない】との言葉を贈りたいと考えている。
そして「広める」ことを一番の目的に置くのも間違いである。
自分達の主張への「共感を得ること」は「広める」ことと同等に大事である。
「広める」ことだけを目的に反感を買う様なパフォーマンスをすることは、むしろ反感を買う易くなる。
「共感を得る」ことが難しいだけに、そこから逃げてしまうと内部的に煮詰まり、一般社会からの乖離が始まる。そういう集団・活動は戦後日本だけでも1960年代から今に至るまで多々存在する。
その手の集団・活動は得てして勘違い選民意識に凝り固まり、その集団・活動の特異は考え方で独善に陥る。「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」もその様な集団に思えて仕方がない。
集団・活動の特異な考え方を持つ彼女達からすれば、人類の宝であるゴッホの絵画よりもその特異な考え方に価値があると思い込んでしまうのである。ゴッホの絵を汚損する権利など誰にもない事に思いが至らない視野狭窄に彼女達が陥っているのが今回の事件の正体なのであろうと考えている。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):前回の「前編」
↓
2022/10/17投稿:
共感できぬ環境運動・人類の宝ゴッホ作品への汚損行為(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1697.html
(*2):石炭火力については二酸化炭素排出量が石油・天然ガスに比して多いことから目の仇にされているが、それは知識がないからであり、我が国の石炭火力発電設備の場合は超々臨界圧発電方式(USC方式)を最低限の技術とするもので既存の中国や欧州の石炭火力に比してCO2排出量は大きく削減されているものである。
↓
2020/01/25投稿:
新聞記事の軸足の置き方・日本の高効率石炭火力発電技術
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1314.html
2021/01/08投稿:
上面を舐めるだけ記事「ベトナム・ブンアン2石炭火力発電所案件」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1456.html
(*3):国別の排出量が多いのは今も中国とアメリカである。
↓
2021/10/13投稿:
地球温暖化防止・地球規模での地道なエネルギー政策編
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1573.html
(*4):テレ朝のニュースは反日偏向のテレ朝らしく、その論調は環境テロリストを擁護するが如きものでまったく同意できないものなのでお読みいただかない方が良い。グレタが「すでに(原発が)稼働しているのであれば、それを停止して石炭に変えるのは間違いだと思う」との発言をしていることのエビデンスとして引用しているだけである。
↓
テレ朝news 2022/10/17 22:56
見出し:◆グレタさん原発「擁護」?揺れる世界情勢…環境活動は
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000272184.html
記事:○環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん:「すでに(原発が)稼働しているのであれば、それを停止して石炭に変えるのは間違いだと思う」
○こう発言したのは、環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん。
○12日、ドイツの公共放送のインタビューで、機構反故のために原発は良い選択なのか?と問われ、原発を擁護する意見を述べたのです。
○グレタさんと言えば。…
○環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん:「『たわ言はもういらない』『人・自然・地球を搾取するな』と声を上げましょう」
○世界の首脳陣を相手に、機構偏向への対策を力強く求めてきた人物。
○2019年には国連の季候サミットに出席するため、環境に配慮したヨットで大西洋を横断。大きな注目を集めました、
○そんな彼女が、原発の稼働延長を巡り論争が起きているドイツで「原発擁護」発言をしたことで、グレタさんの運動に批判的だった原発推進派が一転し、歓迎したことで話題となっているのです。
○リントナー財務相」「グレタ・トゥーンベリが原発を送電網に接続し続けるという党の立場を支持したことを歓迎します」
○ブッシュマン法相:「グレタ・トゥーンベリですら、ドイツの原発の稼働継続に賛成している」
○一人の活動家の発言が大きな反響を素ぶこととなりました、
○一方、14日、イギリス・ロンドンではこんな出来事が…
○環境活動家の女性2人がゴッホの代表作「ひまわり」にトマトスープをかけ逮捕、起訴されました。
○この2人が支持する環境団体はイギリス政府に対し、新たな石油プロジェクトの中止を訴えるために行動したと発表しています。
○美術館を訪れた客:「美術館のスタッフが走り回っていたので変だと思ったら、カバーを掛けられた絵が運ばれていった。そして警察が反石油のシャツを着てる2人を連行していった。私はアートが大好きなので、こういうデモはあまり応援できない」
○時に大きな注目を集める「活動家」の存在。その声を世界に届けるにはどうすべきなのか。
<引用終わり>
【ご参考】
2022/02/15投稿:
現実問題から目を逸らし解決策なきスローガンを叫ぶ朝日新聞
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1622.html
2022/03/29投稿:
原発再稼働と核共有議論に賛成が過半数・原発編
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1634.html
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副題:典型的な勘違い選民意識に凝り固まった独善による愚行である。エネルギー問題への言及は一切ない。こんな「化石燃料悪魔化教の信者」による1点判断の独善ではけして共感を得られない。
「前編」(*1)からの続きである。
前回の前編ではゴッホの「ひまわり」を汚損した「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人の「主張」を同組織HPから探し出してその内容を確認した。
その結果は、前回明示した通り典型的な勘違い選民意識に凝り固まった独善でしかないものであった。その「主張」には理論がなく、まとまりがなく、事象を適当にくっつけただけの論拠なき言い切りが続く薄っぺらなものだった。
今回は、この様に結論した論拠を少々述べ、あの様な行為では共感を得られないことを指摘するものである。
尚、「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人の「主張」は前回前編の。文末脚注の「(*3)」に記事全文とその和訳をしてあるので、興味ある方は参照できる様にしてある。
「化石燃料を止めろ」との「主張」に無関係な事を混在させる摘み食い
彼女達の主張を要約すると、①石油・天然ガスの化石燃料の使用をやめよ・新たな石油・ガス開発投資案件を中止せよ、である。その理由としては②気候変動での旱魃などで多くの人々が死んでいる、からだとしている。まともな部分を要約すると「主張」はこの2点だけである。
ここで「まとも」と言ったのは、それ以外の部分があまりにも酷いので、相対的に「まだまとも」というレベルでの「まとも」である。
実際は、以下の様に全然まともなものではないからである。
先ず、「二酸化炭素排出量の削減が地球温暖化には必要」との設定がある。
これの科学的正否ははまだ確定しているとは言い難いのだが、この設定は西欧諸国で共有されており、二酸化炭素の排出量削減は急務とされており、二酸化炭素を多く排出する化石燃料エネルギー使用の削減・転換が必要とされているものである。
取り分け、石炭火力については二酸化炭素排出量が石油・天然ガスに比して多いことから目の仇にされているが、それは知識がないからであり、我が国の石炭火力発電設備の場合は超々臨界圧発電方式(USC方式)を最低限の技術とするもので既存の中国や欧州の石炭火力に比してCO2排出量は大きく削減されているものである。(*2)
その様な設定に対しての危機感が彼女達や他の「サポーター」を突き動かしているのであろうが、ならば無関係或は関係性が希薄な事を「主張」に混ぜ込むのは如何なものかと考える。
彼女達はイギリスでの燃料価格・生活費の高騰をイギリス政府の所為だとして非難している。
燃料価格の高騰は主に米ドルの独歩高が原因であり地球温暖化とは関係がない。
石油・天然ガスの取引は米ドル建てなので、いくら北海油田があってもイギリスは石油輸入国である。また、生活費の高騰は日本以外の先進国で発生したインフレによるものであり、地球温暖化とは関係がない。
何故、無関係なことを入れ込むのかと言うと、イギリスでイギリス人を相手に「あなた自身が被害にあっている」ということを言いたいが為に無理矢理入れ込んだものだからである。
「化石燃料を止めろ」との「主張」にソマリアを持ちだし中国をスルーするご都合主義
彼女達はソマリアでの旱魃による被害を地球温暖化の悪影響の象徴に様に話している。
それはそれで間違いではないのだが、ならば何故、イギリスやフランスやイタリアの様な西欧諸国よりももっと多くの二酸化炭素を排出している国に対して二酸化炭素排出削減を働き掛けないのか、との「抗議のし易さ」を削減効果よりも優先したご都合主義が透けて見える。
気候変動で大きな影響を受けている地域のソマリアは未来のイギリスだとの話は「地球温暖化」との全地球規模での望ましくない未来の話である。そして、そうなってしまう原因を化石燃料使用による二酸化炭素排出量の増大だとしている。
ここまではCOPナンチャラでも話されている共通認識だと言ってよいであろうが、ならば、もっとも多く二酸化炭素を排出している国に対して「減らせ」というのが常識的アプローチである。
国別の排出量が多いのは今も中国とアメリカである。(*3)
地球規模で被害があるのだから地球規模で二酸化炭素排出量を減らすべしとアピールすべきだと思うのだが、アメリカや中国ではアピールしておらずイギリスで絵画を汚損し、アメリカや中国の事については何も言っていない。
「化石燃料を止めろ」との「主張」には代替策が一切登場しない
彼女達は「イギリスの家庭は今年の冬に暖房費か食糧費かの選択を迫られるでしょう」と燃料価格・生活費の高騰のことを述べているが、その暖房をどうするのであろうか?
石油・ガスの使用を止めろといっているのだから、石油ストープ・石炭ストーブは当然の様にダメで、電気ストーブの電力が石油・石炭・天然ガスで発電されていてはダメになる。二酸化炭素を排出しない太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電か原発で発電した電気だけに限定されるはずである。
ガスストーブのガスも化石燃料である。昔の石炭蒸し焼きガスも天然ガスもダメである。薪ストープは化石燃料ではないが、木を切り倒して薪を供給するし、二酸化炭素も沢山排出される・・・ちょっと長くなったが、要するに真面目に庶民の暖房を心配して言っている訳ではないことが分かると思う。
我が国の場合、費用がかからない暖房は省エネエアコンや灯油なので、化石燃料なしに庶民の暖房を維持する事は難しい。イギリスの場合はどうなのかは知らないが、化石燃料なしで庶民が暖房を維持出来ないのは似た様なものだと思う。
「化石燃料を使用しない」と「庶民の冬の暖房」は両立しない。
ならば、主張する側は「化石燃料を使用しない庶民の冬の暖房策の代替案」を提示しなければ、その「主張」は無責任なものと看做されても仕方がない。
「化石燃料悪魔化教の信者」による1点判断の独善
「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人の「主張」に限らず、所謂「環境活動家」は「化石燃料はダメ」だとの単純化・1点判断をしているのではないかと推察される。その様な一点判断からは逆に「化石燃料じゃなければOK」の様な判断をしてしまい、昔ながらの「反原発派」とは異なっている様である。
トマトスープ投げつけ事件のニュースを検索している途中で引っかかったのが、テレ朝のニュースである。
同ニュースは文末脚注の「(*4)」で引用紹介しているが、反日偏向のテレ朝らしく、その論調は環境テロリストを擁護するが如きものでまったく同意できないものなのでお読みいただかない方が良い。グレタが「すでに(原発が)稼働しているのであれば、それを停止して石炭に変えるのは間違いだと思う」との発言をしていることのエビデンスとして引用しているだけである。
テレ朝及びドイツ政府高官他はグレタの発言を「原発稼働継続擁護」だとしている様だが
当方の理解は違っている。グレタも「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人も、上述した通り、「化石燃料はダメ」だとの単純化・1点判断をしているので、グレタはそれ以外の原発について考えてなく、あたかも容認しているかの様に聞こえるだけだと考えている。
「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の女性2人が庶民の暖房の代替案について何も考えていないのと同じである。
彼女達の「主張」がゴッホの絵画を汚損する行為に相当するとは思えない
話をグレタからトマトスープ事件に戻すが、いくら彼女達の「主張」を読んでも、最初の疑問である「何故、人類の宝である名画を傷つけようとするのか?」に対する納得性ある理由は見つからなかった。
むしろ、論理性が欠落した自分達の「主張」への注目を集める為にインパクトが大きい「名画への汚損行為」をしているテロ行為であるとの理解が深まっただけである。
自分達の主張を広める為に過激な行動をする人達には【目的は手段を正当化しない】との言葉を贈りたいと考えている。
そして「広める」ことを一番の目的に置くのも間違いである。
自分達の主張への「共感を得ること」は「広める」ことと同等に大事である。
「広める」ことだけを目的に反感を買う様なパフォーマンスをすることは、むしろ反感を買う易くなる。
「共感を得る」ことが難しいだけに、そこから逃げてしまうと内部的に煮詰まり、一般社会からの乖離が始まる。そういう集団・活動は戦後日本だけでも1960年代から今に至るまで多々存在する。
その手の集団・活動は得てして勘違い選民意識に凝り固まり、その集団・活動の特異は考え方で独善に陥る。「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」もその様な集団に思えて仕方がない。
集団・活動の特異な考え方を持つ彼女達からすれば、人類の宝であるゴッホの絵画よりもその特異な考え方に価値があると思い込んでしまうのである。ゴッホの絵を汚損する権利など誰にもない事に思いが至らない視野狭窄に彼女達が陥っているのが今回の事件の正体なのであろうと考えている。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):前回の「前編」
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2022/10/17投稿:
共感できぬ環境運動・人類の宝ゴッホ作品への汚損行為(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1697.html
(*2):石炭火力については二酸化炭素排出量が石油・天然ガスに比して多いことから目の仇にされているが、それは知識がないからであり、我が国の石炭火力発電設備の場合は超々臨界圧発電方式(USC方式)を最低限の技術とするもので既存の中国や欧州の石炭火力に比してCO2排出量は大きく削減されているものである。
↓
2020/01/25投稿:
新聞記事の軸足の置き方・日本の高効率石炭火力発電技術
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1314.html
2021/01/08投稿:
上面を舐めるだけ記事「ベトナム・ブンアン2石炭火力発電所案件」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1456.html
(*3):国別の排出量が多いのは今も中国とアメリカである。
↓
2021/10/13投稿:
地球温暖化防止・地球規模での地道なエネルギー政策編
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1573.html
(*4):テレ朝のニュースは反日偏向のテレ朝らしく、その論調は環境テロリストを擁護するが如きものでまったく同意できないものなのでお読みいただかない方が良い。グレタが「すでに(原発が)稼働しているのであれば、それを停止して石炭に変えるのは間違いだと思う」との発言をしていることのエビデンスとして引用しているだけである。
↓
テレ朝news 2022/10/17 22:56
見出し:◆グレタさん原発「擁護」?揺れる世界情勢…環境活動は
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000272184.html
記事:○環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん:「すでに(原発が)稼働しているのであれば、それを停止して石炭に変えるのは間違いだと思う」
○こう発言したのは、環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん。
○12日、ドイツの公共放送のインタビューで、機構反故のために原発は良い選択なのか?と問われ、原発を擁護する意見を述べたのです。
○グレタさんと言えば。…
○環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん:「『たわ言はもういらない』『人・自然・地球を搾取するな』と声を上げましょう」
○世界の首脳陣を相手に、機構偏向への対策を力強く求めてきた人物。
○2019年には国連の季候サミットに出席するため、環境に配慮したヨットで大西洋を横断。大きな注目を集めました、
○そんな彼女が、原発の稼働延長を巡り論争が起きているドイツで「原発擁護」発言をしたことで、グレタさんの運動に批判的だった原発推進派が一転し、歓迎したことで話題となっているのです。
○リントナー財務相」「グレタ・トゥーンベリが原発を送電網に接続し続けるという党の立場を支持したことを歓迎します」
○ブッシュマン法相:「グレタ・トゥーンベリですら、ドイツの原発の稼働継続に賛成している」
○一人の活動家の発言が大きな反響を素ぶこととなりました、
○一方、14日、イギリス・ロンドンではこんな出来事が…
○環境活動家の女性2人がゴッホの代表作「ひまわり」にトマトスープをかけ逮捕、起訴されました。
○この2人が支持する環境団体はイギリス政府に対し、新たな石油プロジェクトの中止を訴えるために行動したと発表しています。
○美術館を訪れた客:「美術館のスタッフが走り回っていたので変だと思ったら、カバーを掛けられた絵が運ばれていった。そして警察が反石油のシャツを着てる2人を連行していった。私はアートが大好きなので、こういうデモはあまり応援できない」
○時に大きな注目を集める「活動家」の存在。その声を世界に届けるにはどうすべきなのか。
<引用終わり>
【ご参考】
2022/02/15投稿:
現実問題から目を逸らし解決策なきスローガンを叫ぶ朝日新聞
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1622.html
2022/03/29投稿:
原発再稼働と核共有議論に賛成が過半数・原発編
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1634.html
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