続・ファクトチェックとフェイクニュースに関する雑感
- 2022/10/10
- 23:12
続・ファクトチェックとフェイクニュースに関する雑感
副題:「正確で厳格な報道機関はファクトチェック対象外」だとする日本ファクトチェックセンター。IAEAの見解と180度異なる東京新聞記事はファクトチェック対象外のままか?
前回論考「ファクトチェックとフェイクニュースに関する雑感」(*1)の続編である。
前回論考で述べたことは主には2点。
1つ目は、既に大くの方々がネット上で指摘している、検証対象から大手メディアを外している事についてである。
日本ファクトチェックセンターは「正確で厳格な報道機関はファクトチェック対象外」などと宣言してしまっているが、朝日新聞をはじめとする大手メディアは誤報・虚報とは無縁ではない事を、過去に名のある人物達が様々な書籍で指摘している事例(*2)を紹介し、検証対象外にする「理由」からして信頼性に欠ける物言いであることを指摘した。
2つ目は、日本ファクトチェックセンターへの出資者がネットのプラットフォーム事業者であることから、それが「報道機関」を検証対象外にしている本当の理由である旨を指摘した。要するに、ユーザ目線・国民目線とは異なる目的の組織であるということだ。
有権者国民に軸足を置くファクトチェックならば、むしろ報道機関が提供する情報の真実性・正確性を検証すべきである。有権者国民が投票行動でその主権を行使する際の判断材料である各種報道が歪んでいては、国民は不正確な情報に基づいた判断をする環境に置かれる事になり、畢竟、投票行動の結果が歪むことになるからだ。
「正確で厳格な報道機関はファクトチェック対象外」なる物言いが絵空事であることの実例が、その発表直後に発生したのは笑い草である。
今や朝日新聞記事でさえも「手緩い」と感じる凝り固まった団塊の世代パヨクの愛読紙・東京新聞がやらかしたのである。
東京新聞10月3日朝刊の1面で「「印象操作」批判免れず」との大文字で誤解誘導記事を報じた。ネット記事での見出しは「◆東電、トリチウムを検知できない線量計で処理水の安全性を誇張 福島第一原発の視察ツアーで」(*3)であるが、その内容は誤解を誘導する「印象操作」そのものであった。
記事には「放射性物質のトリチウムが検知できないうえに、セシウムについても高濃度でないと反応しない線量計を使い処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していることが本紙の取材で分かった。」などとあり、これだけではあたかも福島原発の処理水が危険であるかの様な印象付けとなることは間違いがない。
しかし、実際には、核種・放射線の内容を無視した煽り記事に他ならない。
放射性物質には複数の種類(核種)があり、その物質毎に発する放射線が異なり、どの物質のどの放射線がどの程度の強さがあると人間にとって危険なのかとの基準があるのだが、東京新聞記事は、そういう事を吹っ飛ばしているのである。
東京新聞の記事は、ALPS処理済の処理水に対してのデモンストレーションを題材にしているのだから、既に各種核種の殆どはALPS(advanced liquid processing system=多核種除去設備)で処理・除去済であり、東電側も、それを見せているものである。
そうであるにも関わらず、その事を書かずに、もっぱらトリチウム(三重水素)のことばかりを書いている。
しかし、トリチウムは事故が起こったから発生するものではなく通常運転している原発の処理水にも含まれているもので福島第1原発固有の問題ではない。
自然界に普通に存在するトリチウムはALPS装置では除去しきれないので、希釈して海洋放出するものであるが、その濃度は、通常運転している他国の原発の処理水よりも低い濃度である。
福島第一原発はあの事故以降、トリチウムの海洋放出をしていない。タンクに貯めているのだから当たり前である。その一方、隣国の韓国は日本海に大量のトリチウムを含む処理水を放出し続けている。そうであるにも関わらず、原発事故をあげつらい日本に難癖をつけ続けているのが韓国である。(*4)
しかし、IAEAは福島第一原発処理水のALPS処理水の安全性について問題なしとの見解を示している(*5)のだが、IAEAタスクフォースには韓国が含まれている。
IAEAタスクフォースは韓国の他に米国、露国、中国、英国、加州、豪州、仏国、アルゼンチン、ベトナム、マーシャル諸島出身の国際専門家が参加している。
要するに、科学的・客観的基準でクリアしていることが明白なので、日本を貶めることが韓国での国内的正義であったとしても、検証した数値では他の専門家と論じても勝てない事が分かっているので、韓国人専門家は科学的見地に則って反対をしていないものだ。
要するに、東京新聞のこの記事を書いた記者は、IAEAの各国専門家の見地とは異なることを言っているものであり、IAEAの専門家は間抜け・見落としをしていると主張しているのと同じだ。
東京新聞の記事には京大や東大の「専門家」が登場するのだが、言っていることはALPS処理した結果についてではなく、希釈前提のトリチウムと低濃度のセシウムの線量計測に反応しないという当たり前の話をしているだけである。
記事に登場した「専門家」は、専門家ならば当然の様にALPS処理された処理水は危険核種を充分に安全レベルに処理し得ていることは知っているので、多分、記事を書いた記者が「専門家」に全体像を示さないでコメントをとっているのか、コメントから都合の良い部分だけを摘み食いしているものと推察される。
東京新聞の紙面自体が、同記事の大文字見出し「「印象操作」批判免れず」そのものである。
ネットスラングで言えば「自己紹介乙」である。
少なくとも東京新聞のこの記事は「正確で厳格な報道機関」(by日本ファクトチェックセンター)には該当しない。
今回は、本当はボツにするつもりであった。ボツにしようとした理由は、ほぼ同じ展開のコラムが既にネット記事として存在していたのを知ったからである。その記事は文末脚注の「(*6)」に、そのリンク先を紹介しておく。
その記事を発見したのは、ツイッター等のSNSで少なくない人々が東京新聞の当該記事と日本ファクトチェックセンターが「正確で厳格な報道機関はファクトチェック対象外」としている滑稽さについて発信しており、それらを論考内で紹介しようとGoogle検索をしている中でたどり着いた、との経緯による。
「先を越された」と感じたのと同時に、「やっぱりプロのライターが書いた同様展開の記事が存在するのだから折角だけどボツだなぁ~」と考えたものである。
とは言え、その後、筆が進まず書き直しや新しいテーマでの別投稿が出来ていないので、間が空き過ぎる事を避ける意味で投稿することにしたものである。大変申し訳ないが、そういう次第なのでご勘弁いただきたい。
最後にプロライターのコラムで紹介されていた「SNS等での反応」を引用して今回は御仕舞としたい。
↓
<引用開始>
〈 日本ファクトチェックセンター @fact_check_jp さん、早速お仕事の時間ですよ。まさか東京新聞のことを「正確で厳格な報道機関」なんて言わないですよね? 〉
〈 ファクトチェックセンターさん、こういう記事をチェックしないで、どこで存在意義を発揮するんだよ。頼むからこれ以上、現役記者たちが働くメディアの信頼を落とさないでほしい。〉
〈 インターネット上にばらまいているので、日本ファクトチェックセンターとやらの出番ですよ。〉
<引用終わり>
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):前回論考
↓
2022/10/02投稿:
ファクトチェックとフェイクニュースに関する雑感
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1691.html
(*2):朝日新聞をはじめとする大手メディアは誤報・虚報とは無縁ではない事を、過去に名のある人物達が様々な書籍で指摘している事例(*2)
↓
2018/05/21投稿:
(資料編)朝日新聞の病巣を指摘する書籍
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-934.html
(*3):東京新聞10月3日朝刊の1面で「「印象操作」批判免れず」との大文字で誤解誘導記事を報じた。ネット記事での見出しは「◆東電、トリチウムを検知できない線量計で処理水の安全性を誇張 福島第一原発の視察ツアーで」であるが、その内容は誤解を誘導する「印象操作」そのものであった。
↓
東京新聞 2022年10月3日 06時00分
見出し:◆東電、トリチウムを検知できない線量計で処理水の安全性を誇張 福島第一原発の視察ツアーで
https://www.tokyo-np.co.jp/article/206024
記事:○東京電力が福島第一原発の視察者に、放射性物質のトリチウムが検知できないうえに、セシウムについても高濃度でないと反応しない線量計を使い処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していることが本紙の取材で分かった。専門家からは「処理水の海洋放出に向けた印象操作と言われても仕方ない」と批判が出ている。(山川剛史)
○処理水は、原子炉内に溶け落ちた核燃料の冷却で出た高濃度汚染水を少なくとも2回除染し、基本的には微弱なベータ線を発するトリチウムを含むだけの状態にしたもの。トリチウムは除染設備でも除去できない。
○視察ツアーでは、放出基準の約15倍のトリチウムを含む処理水入りのビンにガンマ線のみを検出する線量計を当てて反応のない様子を示す。東電によると2020年7月から約1300団体・1万5000人に見せている。本紙は先月14日の取材時に説明を受けた。
○担当者は、建屋の高濃度汚染水に含まれる放射性物質のうち、ガンマ線を発するセシウムなどは除去し、処理後の水は周囲の放射線量と同等になっていると説明したが、ベータ線用の測定器を使っていない以上は「線量計を反応させるほど高濃度のセシウムは含まれない」ことがいえるにすぎない。
○元京都大複合原子力科学研究所研究員の今中哲二さんは「トリチウムのエネルギーは弱い。ろ紙などに染み込ませてベータ線測定器を当てても、もっと濃度が濃くないと反応は出ないだろう」と指摘。東京大大学院の小豆川しょうずがわ勝見助教(環境分析化学)は「科学的には全く無意味。ガンマ線はセシウムだと1リットル当たり数千ベクレル入っていなければ線量計は反応しない。セシウムが放出基準(同90ベクレル)の数十倍入っていても『ない』印象を与える」と話した。
○東電は取材に「実演は、外部被ばくで人体に影響を及ぼすガンマ線が低減されていることを説明するのが目的。ベータ線を発するトリチウムが、放出基準値を超えていることも説明している」と主張。実演のあり方については「さまざまな工夫をしながら取り組む」と述べるにとどめた。
小見出し:◆解説 本当に処理水への理解を得る気があるのか
○東京電力が、福島第一原発の処理水の安全性をアピールする実演で、放射性物質のトリチウムが検知できない線量計を使っていた。東電は以前にもマスコミ向けに非科学的な実演をして問題になった。同じ実演を多くの視察者に見せ続ける東電の姿勢には、本当に処理水への理解を得る気があるのか疑わざるを得ない。
○専門家が指摘する通り、東電の実演では、ベータ線についてもガンマ線についても、何ら検証をしたことにならない。確認のため、記者が放出基準の約19倍の放射性セシウムを含む水に、実演で使われたのと同機種の線量計を当ててみたが反応はなかった。
○にもかかわらず、こんな手法で処理水の安全性を強調したのでは「印象操作」「うそ」と受け取られても仕方ない。最近の一般向け視察で実演を見せられた福島県南相馬市の女性は、本紙の取材に「東電への不信感がまた強くなった」と話した。
○福島第一原発の汚染水の処理で、東電は漏水事故を繰り返さないよう耐久性のある溶接型タンクを造り、ためている水も現在の技術でできるだけリスクを減らす努力をしてきた。現地で愚直に努力を続ける姿を見せることが、処理水への理解を得る最も近道だろう。(山川剛史)
<引用終わり>
(*4):隣国の韓国は日本海に大量のトリチウムを含む処理水を放出し続けている。そうであるにも関わらず、原発事故をあげつらい日本に難癖をつけ続けているのが韓国である。
↓
2019/09/14投稿:
韓国の嫌がらせ・ケチ付けのもう1つ「放射能」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1254.html
【ご参考】
2020/10/21投稿:
韓国原子力安全委員長の韓国国会での虚偽発言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1433.html
(*5):IAEAは福島第一原発処理水のALPS処理水の安全性について問題なしとの見解を示している。
↓
経済産業省HP 2022年4月29日
表題:◆IAEAは2月に行われた東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の安全性に関するレビューについて報告書を公表しました
https://www.meti.go.jp/press/2022/04/20220429002/20220429002.html
<本文は長いので省略>
(*6)今回は、本当はボツにするつもりであった。ボツにしようとした理由は、ほぼ同じ展開のコラムが既にネット記事として存在していたのを知ったからである。
↓
現代ビジネス 2022.10.05
見出し:◆東京新聞の処理水問題「印象操作記事」を日本ファクトチェックセンターはどう考えるのか 正確で厳格な報道機関は対象外?
林 智裕フリーランスライター
https://gendai.media/articles/-/100659?imp=0
小見出し:◆東京新聞の一面トップで
記事:○2022年10月3日。東京新聞は一面トップとオンライン記事で、東京電力福島第一原子力発電所に溜められているALPS処理水に深刻な問題があるかのように報じた。
○さらにツイッター上でも、東京新聞公式アカウントや同紙の望月衣塑子記者らが記事を取り上げて、「東電が福島第一の視察者に放射性物質のトリチウムが検知できない上にセシウム高濃度でないと反応しない線量計を使い、処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していた」などと発信した。(以下略)
<記事本文は長いので省略>
【ご参考】
2020/10/19投稿:
福島第一原発処理水の処理開始を歓迎する・不安を煽るのは「奴等」の常套手段
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1432.html
※副題:風評被害に苦しむ人々を利用して、反原発との日本のエネルギー政策の邪魔をする反日勢力。放射性物質に対しては「正しく怖がればよい」のであり、基準値を下回る場合、怖がる必要はないのである。
2021/04/19投稿:
人権委員会の個人がIAEAの領域で真逆の事を言っているとの呆れた話の辻褄
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1493.html
※副題:毎度の国連詐欺。個人資格での報告は国連の総意を反映するものではない。それをあたかも国連の話であるかの様に「報道」する共同通信他の見出し詐欺・フェイクニュース
2018/07/19投稿:
手段が目的化した不見識・小沢一郎
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-981.html
※副題:小沢一郎は「「原発ゼロ一本」で「選挙に勝つ」」などと国民の幸福・安寧を脇に置き、「選挙に勝つ」ことを「目的」にした技術論でしか発想していない。危険である。
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2022/10/11文末脚注の抜けを訂正:脚注(*2)が抜けていたので、順次、以降の番号を繰り下げた。


副題:「正確で厳格な報道機関はファクトチェック対象外」だとする日本ファクトチェックセンター。IAEAの見解と180度異なる東京新聞記事はファクトチェック対象外のままか?
前回論考「ファクトチェックとフェイクニュースに関する雑感」(*1)の続編である。
前回論考で述べたことは主には2点。
1つ目は、既に大くの方々がネット上で指摘している、検証対象から大手メディアを外している事についてである。
日本ファクトチェックセンターは「正確で厳格な報道機関はファクトチェック対象外」などと宣言してしまっているが、朝日新聞をはじめとする大手メディアは誤報・虚報とは無縁ではない事を、過去に名のある人物達が様々な書籍で指摘している事例(*2)を紹介し、検証対象外にする「理由」からして信頼性に欠ける物言いであることを指摘した。
2つ目は、日本ファクトチェックセンターへの出資者がネットのプラットフォーム事業者であることから、それが「報道機関」を検証対象外にしている本当の理由である旨を指摘した。要するに、ユーザ目線・国民目線とは異なる目的の組織であるということだ。
有権者国民に軸足を置くファクトチェックならば、むしろ報道機関が提供する情報の真実性・正確性を検証すべきである。有権者国民が投票行動でその主権を行使する際の判断材料である各種報道が歪んでいては、国民は不正確な情報に基づいた判断をする環境に置かれる事になり、畢竟、投票行動の結果が歪むことになるからだ。
東京新聞一面のフェイクニュース
「正確で厳格な報道機関はファクトチェック対象外」なる物言いが絵空事であることの実例が、その発表直後に発生したのは笑い草である。
今や朝日新聞記事でさえも「手緩い」と感じる凝り固まった団塊の世代パヨクの愛読紙・東京新聞がやらかしたのである。
東京新聞10月3日朝刊の1面で「「印象操作」批判免れず」との大文字で誤解誘導記事を報じた。ネット記事での見出しは「◆東電、トリチウムを検知できない線量計で処理水の安全性を誇張 福島第一原発の視察ツアーで」(*3)であるが、その内容は誤解を誘導する「印象操作」そのものであった。
記事には「放射性物質のトリチウムが検知できないうえに、セシウムについても高濃度でないと反応しない線量計を使い処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していることが本紙の取材で分かった。」などとあり、これだけではあたかも福島原発の処理水が危険であるかの様な印象付けとなることは間違いがない。
しかし、実際には、核種・放射線の内容を無視した煽り記事に他ならない。
放射性物質には複数の種類(核種)があり、その物質毎に発する放射線が異なり、どの物質のどの放射線がどの程度の強さがあると人間にとって危険なのかとの基準があるのだが、東京新聞記事は、そういう事を吹っ飛ばしているのである。
東京新聞の記事は、ALPS処理済の処理水に対してのデモンストレーションを題材にしているのだから、既に各種核種の殆どはALPS(advanced liquid processing system=多核種除去設備)で処理・除去済であり、東電側も、それを見せているものである。
そうであるにも関わらず、その事を書かずに、もっぱらトリチウム(三重水素)のことばかりを書いている。
しかし、トリチウムは事故が起こったから発生するものではなく通常運転している原発の処理水にも含まれているもので福島第1原発固有の問題ではない。
自然界に普通に存在するトリチウムはALPS装置では除去しきれないので、希釈して海洋放出するものであるが、その濃度は、通常運転している他国の原発の処理水よりも低い濃度である。
福島第一原発はあの事故以降、トリチウムの海洋放出をしていない。タンクに貯めているのだから当たり前である。その一方、隣国の韓国は日本海に大量のトリチウムを含む処理水を放出し続けている。そうであるにも関わらず、原発事故をあげつらい日本に難癖をつけ続けているのが韓国である。(*4)
しかし、IAEAは福島第一原発処理水のALPS処理水の安全性について問題なしとの見解を示している(*5)のだが、IAEAタスクフォースには韓国が含まれている。
IAEAタスクフォースは韓国の他に米国、露国、中国、英国、加州、豪州、仏国、アルゼンチン、ベトナム、マーシャル諸島出身の国際専門家が参加している。
要するに、科学的・客観的基準でクリアしていることが明白なので、日本を貶めることが韓国での国内的正義であったとしても、検証した数値では他の専門家と論じても勝てない事が分かっているので、韓国人専門家は科学的見地に則って反対をしていないものだ。
要するに、東京新聞のこの記事を書いた記者は、IAEAの各国専門家の見地とは異なることを言っているものであり、IAEAの専門家は間抜け・見落としをしていると主張しているのと同じだ。
東京新聞の記事には京大や東大の「専門家」が登場するのだが、言っていることはALPS処理した結果についてではなく、希釈前提のトリチウムと低濃度のセシウムの線量計測に反応しないという当たり前の話をしているだけである。
記事に登場した「専門家」は、専門家ならば当然の様にALPS処理された処理水は危険核種を充分に安全レベルに処理し得ていることは知っているので、多分、記事を書いた記者が「専門家」に全体像を示さないでコメントをとっているのか、コメントから都合の良い部分だけを摘み食いしているものと推察される。
東京新聞の紙面自体が、同記事の大文字見出し「「印象操作」批判免れず」そのものである。
ネットスラングで言えば「自己紹介乙」である。
少なくとも東京新聞のこの記事は「正確で厳格な報道機関」(by日本ファクトチェックセンター)には該当しない。
ボツ原稿を投稿した理由
今回は、本当はボツにするつもりであった。ボツにしようとした理由は、ほぼ同じ展開のコラムが既にネット記事として存在していたのを知ったからである。その記事は文末脚注の「(*6)」に、そのリンク先を紹介しておく。
その記事を発見したのは、ツイッター等のSNSで少なくない人々が東京新聞の当該記事と日本ファクトチェックセンターが「正確で厳格な報道機関はファクトチェック対象外」としている滑稽さについて発信しており、それらを論考内で紹介しようとGoogle検索をしている中でたどり着いた、との経緯による。
「先を越された」と感じたのと同時に、「やっぱりプロのライターが書いた同様展開の記事が存在するのだから折角だけどボツだなぁ~」と考えたものである。
とは言え、その後、筆が進まず書き直しや新しいテーマでの別投稿が出来ていないので、間が空き過ぎる事を避ける意味で投稿することにしたものである。大変申し訳ないが、そういう次第なのでご勘弁いただきたい。
最後にプロライターのコラムで紹介されていた「SNS等での反応」を引用して今回は御仕舞としたい。
↓
<引用開始>
〈 日本ファクトチェックセンター @fact_check_jp さん、早速お仕事の時間ですよ。まさか東京新聞のことを「正確で厳格な報道機関」なんて言わないですよね? 〉
〈 ファクトチェックセンターさん、こういう記事をチェックしないで、どこで存在意義を発揮するんだよ。頼むからこれ以上、現役記者たちが働くメディアの信頼を落とさないでほしい。〉
〈 インターネット上にばらまいているので、日本ファクトチェックセンターとやらの出番ですよ。〉
<引用終わり>
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):前回論考
↓
2022/10/02投稿:
ファクトチェックとフェイクニュースに関する雑感
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1691.html
(*2):朝日新聞をはじめとする大手メディアは誤報・虚報とは無縁ではない事を、過去に名のある人物達が様々な書籍で指摘している事例(*2)
↓
2018/05/21投稿:
(資料編)朝日新聞の病巣を指摘する書籍
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-934.html
(*3):東京新聞10月3日朝刊の1面で「「印象操作」批判免れず」との大文字で誤解誘導記事を報じた。ネット記事での見出しは「◆東電、トリチウムを検知できない線量計で処理水の安全性を誇張 福島第一原発の視察ツアーで」であるが、その内容は誤解を誘導する「印象操作」そのものであった。
↓
東京新聞 2022年10月3日 06時00分
見出し:◆東電、トリチウムを検知できない線量計で処理水の安全性を誇張 福島第一原発の視察ツアーで
https://www.tokyo-np.co.jp/article/206024
記事:○東京電力が福島第一原発の視察者に、放射性物質のトリチウムが検知できないうえに、セシウムについても高濃度でないと反応しない線量計を使い処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していることが本紙の取材で分かった。専門家からは「処理水の海洋放出に向けた印象操作と言われても仕方ない」と批判が出ている。(山川剛史)
○処理水は、原子炉内に溶け落ちた核燃料の冷却で出た高濃度汚染水を少なくとも2回除染し、基本的には微弱なベータ線を発するトリチウムを含むだけの状態にしたもの。トリチウムは除染設備でも除去できない。
○視察ツアーでは、放出基準の約15倍のトリチウムを含む処理水入りのビンにガンマ線のみを検出する線量計を当てて反応のない様子を示す。東電によると2020年7月から約1300団体・1万5000人に見せている。本紙は先月14日の取材時に説明を受けた。
○担当者は、建屋の高濃度汚染水に含まれる放射性物質のうち、ガンマ線を発するセシウムなどは除去し、処理後の水は周囲の放射線量と同等になっていると説明したが、ベータ線用の測定器を使っていない以上は「線量計を反応させるほど高濃度のセシウムは含まれない」ことがいえるにすぎない。
○元京都大複合原子力科学研究所研究員の今中哲二さんは「トリチウムのエネルギーは弱い。ろ紙などに染み込ませてベータ線測定器を当てても、もっと濃度が濃くないと反応は出ないだろう」と指摘。東京大大学院の小豆川しょうずがわ勝見助教(環境分析化学)は「科学的には全く無意味。ガンマ線はセシウムだと1リットル当たり数千ベクレル入っていなければ線量計は反応しない。セシウムが放出基準(同90ベクレル)の数十倍入っていても『ない』印象を与える」と話した。
○東電は取材に「実演は、外部被ばくで人体に影響を及ぼすガンマ線が低減されていることを説明するのが目的。ベータ線を発するトリチウムが、放出基準値を超えていることも説明している」と主張。実演のあり方については「さまざまな工夫をしながら取り組む」と述べるにとどめた。
小見出し:◆解説 本当に処理水への理解を得る気があるのか
○東京電力が、福島第一原発の処理水の安全性をアピールする実演で、放射性物質のトリチウムが検知できない線量計を使っていた。東電は以前にもマスコミ向けに非科学的な実演をして問題になった。同じ実演を多くの視察者に見せ続ける東電の姿勢には、本当に処理水への理解を得る気があるのか疑わざるを得ない。
○専門家が指摘する通り、東電の実演では、ベータ線についてもガンマ線についても、何ら検証をしたことにならない。確認のため、記者が放出基準の約19倍の放射性セシウムを含む水に、実演で使われたのと同機種の線量計を当ててみたが反応はなかった。
○にもかかわらず、こんな手法で処理水の安全性を強調したのでは「印象操作」「うそ」と受け取られても仕方ない。最近の一般向け視察で実演を見せられた福島県南相馬市の女性は、本紙の取材に「東電への不信感がまた強くなった」と話した。
○福島第一原発の汚染水の処理で、東電は漏水事故を繰り返さないよう耐久性のある溶接型タンクを造り、ためている水も現在の技術でできるだけリスクを減らす努力をしてきた。現地で愚直に努力を続ける姿を見せることが、処理水への理解を得る最も近道だろう。(山川剛史)
<引用終わり>
(*4):隣国の韓国は日本海に大量のトリチウムを含む処理水を放出し続けている。そうであるにも関わらず、原発事故をあげつらい日本に難癖をつけ続けているのが韓国である。
↓
2019/09/14投稿:
韓国の嫌がらせ・ケチ付けのもう1つ「放射能」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1254.html
【ご参考】
2020/10/21投稿:
韓国原子力安全委員長の韓国国会での虚偽発言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1433.html
(*5):IAEAは福島第一原発処理水のALPS処理水の安全性について問題なしとの見解を示している。
↓
経済産業省HP 2022年4月29日
表題:◆IAEAは2月に行われた東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の安全性に関するレビューについて報告書を公表しました
https://www.meti.go.jp/press/2022/04/20220429002/20220429002.html
<本文は長いので省略>
(*6)今回は、本当はボツにするつもりであった。ボツにしようとした理由は、ほぼ同じ展開のコラムが既にネット記事として存在していたのを知ったからである。
↓
現代ビジネス 2022.10.05
見出し:◆東京新聞の処理水問題「印象操作記事」を日本ファクトチェックセンターはどう考えるのか 正確で厳格な報道機関は対象外?
林 智裕フリーランスライター
https://gendai.media/articles/-/100659?imp=0
小見出し:◆東京新聞の一面トップで
記事:○2022年10月3日。東京新聞は一面トップとオンライン記事で、東京電力福島第一原子力発電所に溜められているALPS処理水に深刻な問題があるかのように報じた。
○さらにツイッター上でも、東京新聞公式アカウントや同紙の望月衣塑子記者らが記事を取り上げて、「東電が福島第一の視察者に放射性物質のトリチウムが検知できない上にセシウム高濃度でないと反応しない線量計を使い、処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していた」などと発信した。(以下略)
<記事本文は長いので省略>
【ご参考】
2020/10/19投稿:
福島第一原発処理水の処理開始を歓迎する・不安を煽るのは「奴等」の常套手段
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1432.html
※副題:風評被害に苦しむ人々を利用して、反原発との日本のエネルギー政策の邪魔をする反日勢力。放射性物質に対しては「正しく怖がればよい」のであり、基準値を下回る場合、怖がる必要はないのである。
2021/04/19投稿:
人権委員会の個人がIAEAの領域で真逆の事を言っているとの呆れた話の辻褄
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1493.html
※副題:毎度の国連詐欺。個人資格での報告は国連の総意を反映するものではない。それをあたかも国連の話であるかの様に「報道」する共同通信他の見出し詐欺・フェイクニュース
2018/07/19投稿:
手段が目的化した不見識・小沢一郎
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-981.html
※副題:小沢一郎は「「原発ゼロ一本」で「選挙に勝つ」」などと国民の幸福・安寧を脇に置き、「選挙に勝つ」ことを「目的」にした技術論でしか発想していない。危険である。
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2022/10/11文末脚注の抜けを訂正:脚注(*2)が抜けていたので、順次、以降の番号を繰り下げた。
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