我々国民は政府に対して安倍外交の継承を強く要求し続けることが必要だ
副題:果敢な戦略家安倍普三の7年8ヶ月の外交成果を雲散霧消させてはならぬ。それは我々国民の命、平和・安寧の確保に必須の成果なのだから。
2020年8月28日、安倍首相(当時)は記者会見を開き、持病の潰瘍性大腸炎が再発し国民の負託に自信を持って応えられる状態でなくなったとして総理大臣を辞任する意向を表明した。(*1)
この辞意表明を受け、同年9月1日に自民党・総務会にて同年9月14日に総裁選挙を実施することが決められ、同総裁選ではガースーこと菅義偉官房長官が総裁に選任され、2020年9月16日ガースーは現行憲法第6条に則り天皇陛下から任命され総理大臣となった。(*2)
尚新総裁・新総理ガースーの任期は、安倍首相の辞任が任期中での辞任だったことから、安倍首相の任期残存期間である2021年9月末であったが、知っての通り、ガースーは総裁選の準備にさく時間を捨て国民を守る為にコロナ対策に全力を傾注することを選択し、総裁選不出馬を表明した。その後、2021年(令和3年)9月29日に行われた総裁選では岸田が選任された。
話を安倍首相に戻す。
安倍首相は、総理辞任の際の2020年(令和2年)9月11日に談話を発表している。
その全文は文末脚注の「(*3)」に引用してあるが、同談話の軸足は安全保障問題にある。
その主要な部分を以下に抜粋引用する。
↓
(前略)我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。特に、北朝鮮は我が国を射程に収める弾道ミサイルを数百発保有しています。核兵器の小型化・弾頭化も実現しており、これらを弾道ミサイルに搭載して、我が国を攻撃する能力を既に保有しているとみられています。また、昨年発射された新型の短距離弾道ミサイルは、ミサイル防衛網を突破することを企図していると指摘されており、このような高度化された技術がより射程の長いミサイルに応用されることも懸念されています。
このような厳しい状況を踏まえ、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、何をなすべきか。やるべきことをしっかりやっていく必要があります。(中略)
迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことが出来るのか。そういった問題意識の下、抑止力を強化するため、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針を検討してまいりました。(中略)
.我が国政府の最も重大な責務は、我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の生命・身体・財産、そして、領土・領海・領空を守り抜くことです。これは、我が国が独立国家として第一義的に果たすべき責任であり、我が国の防衛力は、これを最終的に担保するものであり、平和国家である我が国の揺るぎない意思と能力を明確に示すものです。そして、我が国の繁栄の不可欠の前提である、我が国の平和と安全が維持されるよう、今後とも、政府として取り組んでいかなければなりません。
<抜粋引用終わり>
現状、ペロシの台湾訪問に激高した中共が、長距離ミサイルを台湾近海に撃ち込ん恫喝をしている。そして、ミサイルの一部は我が国EEZ内に着弾している。
これはどういう状態かと言うと、我が国に対する武力行使と同義であると言える状態だ。
だからこそ政府は中国に対して抗議をしているのだが、我が国メディアは、このことをあたかも軽微な行為であるかの如きにさらっとしか報道しない。
「報道」しているのはもっぱら「統一教会」との暗殺犯が言っているカルト団体の話ばかりである。
中共の侵略行為を、我が国メディアは、あたかも軽微な行為であるかの如きにさらっとしか報道しない。
同様、ここ数十年、毎年2桁パーセントもの増加を続ける中共の防衛費について何も言わず、軍事力を以て物事を動かそうとする中共の軍国主義についても何も批判的なことを言っていない。
中共のやっていることは軍国主義そのものであり、大軍拡を続ける姿勢はアジア地域の平和を乱す行為そのものである。
そうであるにも関わらず、我が国メディアは中共のこれらについては何も言わず、我が国が地域の軍事バランス崩壊を食い止め様とする動きに対してだけ「防衛費を増大することはけしからん」「周辺国に脅威を与え緊張を高める」との大騒ぎをする。
安倍元首相は、この様なメディアの真逆の話に惑わされることなく、真面目に我が国国民の平和と安全を確保することを貫いた。
志半ばで総理を辞する際に発表した談話には、それが色濃く表れている。
しかし、もっとも重要なことは、我が国が我が国国内政治の場だけで国民の安全を確保しようとしても、戦後ずっと厳然として存在し続ける【戦後体制】が不動なままでは、その実現化が不可能であることを安倍元首相はわかっており、安倍政権では、戦後体制の打破の為=本当の意味での日本人の命、平和・安寧の確保の為に地球儀を敷衍する戦略的外交を実施した。
総理辞任の際の2020年(令和2年)9月11日の談話の冒頭にそれは述べられている。
↓
<冒頭第一段落部分引用開始>
私が内閣総理大臣の任に就いて7年8ヶ月、我が国の安全保障政策に大きな進展がありました。平和安全法制を成立させ、日米同盟はより強固なものとなりました。我が国自身の防衛力向上と、日米同盟の強化、更には「自由で開かれたインド太平洋」の考え方に基づき諸外国との協力関係を構築することにより、我が国周辺の環境をより平和なものとすべく努力してまいりました。
<引用終わり>
たった数行なのだが、これらを実現する為の外交は、その時点々々ではメディアによる「報道しない自由」により、国民の多くには肝心な部分は認識されてこなかったと考えている。
勿論、分かる人には分かっていることなのだが、肝心なことをニュースは報じず、政府発表資料を合わせて読まないと、その素晴らしい成果は目に見えてこなかった。
その様に考えたので、安倍首相が辞任する際に、その成果を出来るだけ簡単にまとめた論考を投稿した。
安倍首相亡き現在、あらためてその戦略に基づく動きを記憶に留めておきたいと考え、以下にその論考を紹介するものである。
↓
<前編>
2020/09/17投稿:
国家安全保障政策に関する安倍首相談話・果敢な戦略家安倍普三(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1422.html<中編>
2020/09/22投稿:
国家安全保障政策に関する安倍首相談話・果敢な戦略家安倍普三(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1423.html<後編>
2020/09/26 投稿:
国家安全保障政策に関する安倍首相談話・果敢な戦略家安倍普三(後編)Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1424.htmlこれらの素晴らしい外交成果を雲散霧消させない為にも、我々国民は政府に対して、安倍外交の継承を強く要求し続けることが必要だ。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):2020年8月28日、安倍首相(当時)は記者会見を開き、持病の潰瘍性大腸炎が再発し国民の負託に自信を持って応えられる状態でなくなったとして総理大臣を辞任する意向を表明した。
↓
NHK NEWS WEB 2020年8月28日 22時50分
見出し:◆安倍首相 正式に辞意表明「負託に自信を持って応えられない」
https://archive.ph/20200828150114/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200828/k10012588961000.html#selection-1319.0-1365.80記事本文引用省略
(*2):現行憲法第6条に則り天皇陛下から任命されガースーは総理大臣となった。
↓
2021/10/06投稿:
「皇居」は場所。総理大臣を任命するのは天皇陛下・現行憲法第6条
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1570.html2017/11/04投稿:
「皇居での首相任命式と閣僚認証式」憲法第6条・第7条
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-795.html2015/10/10投稿:
【コラム】「皇居での認証式」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-229.html(*3):安倍首相は、総理辞任の際の2020年(令和2年)9月11日に談話を発表している。
↓
首相官邸HP 令和2年9月11日
表題:◆内閣総理大臣の談話
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/discourse/20200911danwa.html記事:○令和2年9月11日
○1.私が内閣総理大臣の任に就いて7年8ヶ月、我が国の安全保障政策に大きな進展がありました。平和安全法制を成立させ、日米同盟はより強固なものとなりました。我が国自身の防衛力向上と、日米同盟の強化、更には「自由で開かれたインド太平洋」の考え方に基づき諸外国との協力関係を構築することにより、我が国周辺の環境をより平和なものとすべく努力してまいりました。
○2.我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。特に、北朝鮮は我が国を射程に収める弾道ミサイルを数百発保有しています。核兵器の小型化・弾頭化も実現しており、これらを弾道ミサイルに搭載して、我が国を攻撃する能力を既に保有しているとみられています。また、昨年発射された新型の短距離弾道ミサイルは、ミサイル防衛網を突破することを企図していると指摘されており、このような高度化された技術がより射程の長いミサイルに応用されることも懸念されています。
○3.このような厳しい状況を踏まえ、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、何をなすべきか。やるべきことをしっかりやっていく必要があります。まず、イージス・アショアの配備プロセスの停止については、その経緯を確認し、既に公表したところです。その上で、その代替として取り得る方策については、検討を進めているところであり、弾道ミサイル等の脅威から、我が国を防衛しうる迎撃能力を確保していくこととしています。
○4. しかしながら、迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことが出来るのか。そういった問題意識の下、抑止力を強化するため、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針を検討してまいりました。もとより、この検討は、憲法の範囲内において、国際法を遵守しつつ、行われているものであり、専守防衛の考え方については、いささかの変更もありません。また、日米の基本的な役割分担を変えることもありません。助け合うことのできる同盟はその絆(きずな)を強くする。これによって、抑止力を高め、我が国への弾道ミサイル等による攻撃の可能性を一層低下させていくことが必要ではないでしょうか。
○5.これらについて、与党ともしっかり協議させていただきながら、今年末までに、あるべき方策を示し、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境に対応していくことといたします。
○6.我が国政府の最も重大な責務は、我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の生命・身体・財産、そして、領土・領海・領空を守り抜くことです。これは、我が国が独立国家として第一義的に果たすべき責任であり、我が国の防衛力は、これを最終的に担保するものであり、平和国家である我が国の揺るぎない意思と能力を明確に示すものです。そして、我が国の繁栄の不可欠の前提である、我が国の平和と安全が維持されるよう、今後とも、政府として取り組んでいかなければなりません。
<引用終わり>
<談話発表に際しての記者会見>
首相官邸HP 令和2年9月11日
表題:◆内閣総理大臣の談話についての会見
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202009/11bura.ht【ご参考】
<数十年にわたり2桁パーセントの軍拡を続ける中国を脇に置き日本を批判する>
中国は、ここ数十年にわたり2桁パーセントもの伸び率での軍拡を継続してきている。一方、その間の我が国防衛費は「対GDP比1%以内」との岩盤規制があり横ばいを続けており、その格差は大きく広がっているのが実際だ。、
古今東西、地域の軍事バランスが崩れた時に当該地域で武力事態が発生する。
この地政学的経験則にてらせば-我が国日本列島が存在する東アジア地域は今や中国の大軍拡継続によって武力事態発生可能性が高まっている。
我々日本人の大多数は武力事態発生を望んでいない。
従い、武力事態を未然に防止する実効性ある対策が必要だ。
↓
2022/07/02投稿:
「日本人の命など二の次」との姿勢を露にする特定野党(共産党編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1665.html<「自由で開かれたインド太平洋」の嚆矢>
以前の「太平洋戦略・海洋の自由」が「インド太平洋戦略」との本来的な地域へと拡大して現在に至るのは、2017年の安倍首相のインド訪問でインド・シン首相との共同声明を発してからである。
↓
2017/09/17投稿:
安倍首相・インド訪問
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-754.html<外務省HP>
日印共同声明(仮訳)
自由で開かれ,繁栄したインド太平洋に向けて
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000290053.pdf※PDFファイル
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