過剰反応なのか本当に危険なのか?:ウクライナ情勢雑感6
- 2022/03/13
- 21:34
過剰反応なのか本当に危険なのか?:ウクライナ情勢雑感6
副題:札幌大学のリスク対応策は「学問の府・大学」としては如何なものかと思う。
今回の題材は、札幌大学の教授がロシア文学に関する展示会を書店にて開催する予定だったのだが、大学当局が延期を支持したという共同通信記事(*1)である。
同記事では、延期の理由として「大学側はロシアによるウクライナ侵攻を受け「嫌がらせをされるリスクがある」などと説明」との記載がある。
これが本当の事だとしたら、この教授が憤慨するのも当たり前である。
とは言え、共同通信は過去、幾度も誤解誘導記事やインチキ記事を流してきた前科(*2)があるので眉に唾を付けながら論じてみたい。
新聞記事や通信社の記事の宿命として、それらの記事は「記事を書く記者」というプリズムを通して映し出されたものであり、その記者が偏向していると歪んだプリズムを通して投影された像は歪む。
朝日新聞記事がかなり以前から歪んでいる(*3)のは、そういう事だからだ。
その昔は、個人が広く発信する手段がなかったので、大手メディアが「報道」をすると、それが実際とはちがっていても「事実」になってしまうという弊害があったが、ネットで個人が情報発信できる時代となり、大手メディアの虚偽が暴露され易くなった。
「「従軍」慰安婦」、「強制連行」なる虚偽を朝日新聞の紙面上で延々と記事にしていた植村隆などは歪んだプリズムの代表例だ。
そんな訳で展示会を中止させられた札幌大学のロシア文学の岩本和久教授自身が何を発信しているのかを調べてみたところ、同教授のツイッターを発見したので、以下に今回の件に関するツイートを紹介する。
↓
<岩本教授のツイート引用開始>
岩本和久@『地獄の裏切り者』水声社より販売中 @iwamotokazuhisa
https://twitter.com/iwamotokazuhisa/status/1501531539036782596
○【パネル展延期について①】私が運営している札幌大学ロシア文化センターでは、3月11日から13日まで札幌駅の紀伊國屋書店で「疫病とロシア文学」と題したパネル展を予定していたが(それに合わせて越野剛さんの講演会も予定していた)、ウクライナでの戦争のあおりで学長が延期を決めてしまった(続)
午後9:13 • 2022年3月9日•
↓
【パネル展延期について②】延期は起こりうるものだ。ただ、これは戦争に抗議した延期ではない。札大は戦争反対の声明など出していない。学長、副学長の説明は「東京のロシア料理店がいやがらせを受けている」、「本学のイメージダウンにつながる」ということで、要は排外主義からの保身なのだ(続)
↓
【パネル展延期について③】当初、コロナ禍を意識した内容の展示を計画していたが、戦争の最中ということもあり、『戦争と平和』の中のチフス、カラターエフの死、トルストイの非戦論と与謝野晶子といった内容にも触れていた。ロシアへの憎悪が平和を望む声をかきけしたことになる(続)
↓
【パネル展延期について④】反戦の声を今上げずして、いつ上げるというのだろう?展示はゼミの学習発表も兼ねていた。ロシアと名の付くものをすべてタブーにして、教育や民主主義が成り立つのだろうか?ロシア語学習者や日本で暮らすロシア系住民の生活の安全が保てるのだろうか?(了)
<引用終わり>
教授のツイートでは札幌大学の学長・副学長が中止(延期)理由を説明したとなっている。
肩書からは、意志決定者としての権限があると想定される。
教授は、説明された「開催中止(延期)の理由」に正当性がないと憤慨していることがわかるが、それはもっともなものであり、同意できる。
教授側の主張は分かったと思うので、今度は札幌大学側の主張を探したのだが、当方の検索スキルでは発見できなかった。
仕方ないので、これ以降は教授の主張を軸に論じることとする。
教授のツイートに出てくる「大学側が説明した「中止(延期)理由」」は①「東京のロシア料理店がいやがらせを受けている」、(従い、同様の事が起こるリスクがあり、そうなったら)②「本学のイメージダウンにつながる」というものである。
なんとも木で鼻をくくる様な塩対応である。
①の可能性の話は、誰も否定できないものであるが、逆に誰もが「起こる可能性が極めて高い」とは言えない曖昧な「可能性」の提示であり、主観的な設定である。
こんな設定を「大学の学長・副学長」が提示するのは知的退廃である。
「ロシア料理店へのいやがらせ」の事例を出しているのだが、そんな事をする人物は知的レベルが相当に低いか、何等かの意図をもってわざとやっているものであろうと類推される。
「何等かの意図」としては、「ロシア料理店へのいやがらせ」という事態があるとして、それを「ヘイトクライム」であるとの設定にして、「日本人は外国人に対してヘイトをする」との印象を与え、対象国を限定しないで「日本人による外国人ヘイトを法的に取り締まれ」という流れを作りたいとする勢力による自作自演である「可能性」が存在している。
この様に「可能性がある」という設定で何かを決め付けることは実に危ういものである。
仮に札幌大学の学長・副学長が「リスクあり」と判断するのだったら、そのリスクへの対応策として幾つかの選択肢がある。
そんな選択肢の中で「開催を中止(延期)する」を選択するのは、もっとも安価で労力を要しないからであろうと推察されるが、それは同時に、もっとも学問の尊厳を蔑ろにする選択肢である。
「最高学府・大学」が選択すべき対応策とは思えないのだが、札幌大学という聞いたことがない大学は、それを選択した。
なんとも情けないことだと思う。
「ロシア料理店へのいやがらせ」というまったく非論理的な行動をしたのは誰か?
匿名空間のネットで、その人物を特定することは普通のおっさん個人の力量では不可能であることはご存知の通りである。
従い、前述した「可能性」の話になってしまうのは仕方がなく、話が続かないのが実情だ。
何れにしろ、いくらロシアがウクライナに侵攻したとしても、無関係な東京のロシア料理店にいやがらせをするのはバカ過ぎる。仮に「ロシア文学の展示会へのいやがらせ」があったとしたら、それもバカ過ぎることである。
21世紀の現在、そんな日本人がいるのであろうか?何等かの意図を持つ集団がやっているのではないかと勘繰ってしまうのである。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):共同通信記事
↓
Yahooニュース(共同通信) 3/10(木) 16:49配信
見出し:◆ロシア文学のパネル展示が延期 札幌大教授「タブー視は疑問」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f6ddaf819987e18789bc98de287c27004dc17686
記事:○札幌大(札幌市)の教授が書店で計画したロシア文学関連のパネル展示が、大学側の反対で延期になったことが10日、教授などへの取材で分かった。大学側はロシアによるウクライナ侵攻を受け「嫌がらせをされるリスクがある」などと説明。大学教授は「ロシアと名の付く全てをタブー視していいのか」と疑問を呈する。
○岩本和久教授(ロシア文学)が企画した「疫病とロシア文学」で、JR札幌駅近くの書店で11~13日に開催予定だった。コロナ禍を受け、ドストエフスキーやチェーホフなどが感染症を作品でどう描いたかを紹介。ウクライナ侵攻に伴い、トルストイの非戦論などの内容も追加していた。
<引用終わり>
(*2):共同通信は過去、幾度も誤解誘導記事やインチキ記事を流してきた前科がある。
↓
2017/12/20投稿:
共同通信の「観測記事」、実は「願望記事」とのフェイク
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-828.html
2018/06/15投稿:
会談結果を歪ませようと必死の印象操作2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-958.html
2018/08/30投稿:
フェイクニュースを拡大再生産
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1006.html
2018/09/05投稿:
トランプ「真珠湾発言」報道に見るマスコミの劣化
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1009.html
2020/01/25投稿:
新聞記事の軸足の置き方・日本の高効率石炭火力発電技術
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1314.html
2020/08/06投稿:
東京新聞・共同通信記者の異常な質問・河野防衛大臣記者会見
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1405.html
(*3):朝日新聞記事はかなり以前から歪んでいる。
↓
2018/05/21投稿:
(資料編)朝日新聞の病巣を指摘する書籍
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-934.html
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副題:札幌大学のリスク対応策は「学問の府・大学」としては如何なものかと思う。
今回の題材は、札幌大学の教授がロシア文学に関する展示会を書店にて開催する予定だったのだが、大学当局が延期を支持したという共同通信記事(*1)である。
同記事では、延期の理由として「大学側はロシアによるウクライナ侵攻を受け「嫌がらせをされるリスクがある」などと説明」との記載がある。
これが本当の事だとしたら、この教授が憤慨するのも当たり前である。
とは言え、共同通信は過去、幾度も誤解誘導記事やインチキ記事を流してきた前科(*2)があるので眉に唾を付けながら論じてみたい。
札幌大学の教授は何を言っているのか?
新聞記事や通信社の記事の宿命として、それらの記事は「記事を書く記者」というプリズムを通して映し出されたものであり、その記者が偏向していると歪んだプリズムを通して投影された像は歪む。
朝日新聞記事がかなり以前から歪んでいる(*3)のは、そういう事だからだ。
その昔は、個人が広く発信する手段がなかったので、大手メディアが「報道」をすると、それが実際とはちがっていても「事実」になってしまうという弊害があったが、ネットで個人が情報発信できる時代となり、大手メディアの虚偽が暴露され易くなった。
「「従軍」慰安婦」、「強制連行」なる虚偽を朝日新聞の紙面上で延々と記事にしていた植村隆などは歪んだプリズムの代表例だ。
そんな訳で展示会を中止させられた札幌大学のロシア文学の岩本和久教授自身が何を発信しているのかを調べてみたところ、同教授のツイッターを発見したので、以下に今回の件に関するツイートを紹介する。
↓
<岩本教授のツイート引用開始>
岩本和久@『地獄の裏切り者』水声社より販売中 @iwamotokazuhisa
https://twitter.com/iwamotokazuhisa/status/1501531539036782596
○【パネル展延期について①】私が運営している札幌大学ロシア文化センターでは、3月11日から13日まで札幌駅の紀伊國屋書店で「疫病とロシア文学」と題したパネル展を予定していたが(それに合わせて越野剛さんの講演会も予定していた)、ウクライナでの戦争のあおりで学長が延期を決めてしまった(続)
午後9:13 • 2022年3月9日•
↓
【パネル展延期について②】延期は起こりうるものだ。ただ、これは戦争に抗議した延期ではない。札大は戦争反対の声明など出していない。学長、副学長の説明は「東京のロシア料理店がいやがらせを受けている」、「本学のイメージダウンにつながる」ということで、要は排外主義からの保身なのだ(続)
↓
【パネル展延期について③】当初、コロナ禍を意識した内容の展示を計画していたが、戦争の最中ということもあり、『戦争と平和』の中のチフス、カラターエフの死、トルストイの非戦論と与謝野晶子といった内容にも触れていた。ロシアへの憎悪が平和を望む声をかきけしたことになる(続)
↓
【パネル展延期について④】反戦の声を今上げずして、いつ上げるというのだろう?展示はゼミの学習発表も兼ねていた。ロシアと名の付くものをすべてタブーにして、教育や民主主義が成り立つのだろうか?ロシア語学習者や日本で暮らすロシア系住民の生活の安全が保てるのだろうか?(了)
<引用終わり>
教授のツイートでは札幌大学の学長・副学長が中止(延期)理由を説明したとなっている。
肩書からは、意志決定者としての権限があると想定される。
教授は、説明された「開催中止(延期)の理由」に正当性がないと憤慨していることがわかるが、それはもっともなものであり、同意できる。
教授側の主張は分かったと思うので、今度は札幌大学側の主張を探したのだが、当方の検索スキルでは発見できなかった。
仕方ないので、これ以降は教授の主張を軸に論じることとする。
札幌大学が説明した「中止理由」について
教授のツイートに出てくる「大学側が説明した「中止(延期)理由」」は①「東京のロシア料理店がいやがらせを受けている」、(従い、同様の事が起こるリスクがあり、そうなったら)②「本学のイメージダウンにつながる」というものである。
なんとも木で鼻をくくる様な塩対応である。
①の可能性の話は、誰も否定できないものであるが、逆に誰もが「起こる可能性が極めて高い」とは言えない曖昧な「可能性」の提示であり、主観的な設定である。
こんな設定を「大学の学長・副学長」が提示するのは知的退廃である。
「ロシア料理店へのいやがらせ」の事例を出しているのだが、そんな事をする人物は知的レベルが相当に低いか、何等かの意図をもってわざとやっているものであろうと類推される。
「何等かの意図」としては、「ロシア料理店へのいやがらせ」という事態があるとして、それを「ヘイトクライム」であるとの設定にして、「日本人は外国人に対してヘイトをする」との印象を与え、対象国を限定しないで「日本人による外国人ヘイトを法的に取り締まれ」という流れを作りたいとする勢力による自作自演である「可能性」が存在している。
この様に「可能性がある」という設定で何かを決め付けることは実に危ういものである。
仮に札幌大学の学長・副学長が「リスクあり」と判断するのだったら、そのリスクへの対応策として幾つかの選択肢がある。
そんな選択肢の中で「開催を中止(延期)する」を選択するのは、もっとも安価で労力を要しないからであろうと推察されるが、それは同時に、もっとも学問の尊厳を蔑ろにする選択肢である。
「最高学府・大学」が選択すべき対応策とは思えないのだが、札幌大学という聞いたことがない大学は、それを選択した。
なんとも情けないことだと思う。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」のか?非論理的なロシア料理店叩き
「ロシア料理店へのいやがらせ」というまったく非論理的な行動をしたのは誰か?
匿名空間のネットで、その人物を特定することは普通のおっさん個人の力量では不可能であることはご存知の通りである。
従い、前述した「可能性」の話になってしまうのは仕方がなく、話が続かないのが実情だ。
何れにしろ、いくらロシアがウクライナに侵攻したとしても、無関係な東京のロシア料理店にいやがらせをするのはバカ過ぎる。仮に「ロシア文学の展示会へのいやがらせ」があったとしたら、それもバカ過ぎることである。
21世紀の現在、そんな日本人がいるのであろうか?何等かの意図を持つ集団がやっているのではないかと勘繰ってしまうのである。
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【文末脚注】
(*1):共同通信記事
↓
Yahooニュース(共同通信) 3/10(木) 16:49配信
見出し:◆ロシア文学のパネル展示が延期 札幌大教授「タブー視は疑問」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f6ddaf819987e18789bc98de287c27004dc17686
記事:○札幌大(札幌市)の教授が書店で計画したロシア文学関連のパネル展示が、大学側の反対で延期になったことが10日、教授などへの取材で分かった。大学側はロシアによるウクライナ侵攻を受け「嫌がらせをされるリスクがある」などと説明。大学教授は「ロシアと名の付く全てをタブー視していいのか」と疑問を呈する。
○岩本和久教授(ロシア文学)が企画した「疫病とロシア文学」で、JR札幌駅近くの書店で11~13日に開催予定だった。コロナ禍を受け、ドストエフスキーやチェーホフなどが感染症を作品でどう描いたかを紹介。ウクライナ侵攻に伴い、トルストイの非戦論などの内容も追加していた。
<引用終わり>
(*2):共同通信は過去、幾度も誤解誘導記事やインチキ記事を流してきた前科がある。
↓
2017/12/20投稿:
共同通信の「観測記事」、実は「願望記事」とのフェイク
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-828.html
2018/06/15投稿:
会談結果を歪ませようと必死の印象操作2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-958.html
2018/08/30投稿:
フェイクニュースを拡大再生産
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1006.html
2018/09/05投稿:
トランプ「真珠湾発言」報道に見るマスコミの劣化
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1009.html
2020/01/25投稿:
新聞記事の軸足の置き方・日本の高効率石炭火力発電技術
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1314.html
2020/08/06投稿:
東京新聞・共同通信記者の異常な質問・河野防衛大臣記者会見
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1405.html
(*3):朝日新聞記事はかなり以前から歪んでいる。
↓
2018/05/21投稿:
(資料編)朝日新聞の病巣を指摘する書籍
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-934.html
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