言い切り・決め付けだけの立憲民主党・泉:ウクライナ情勢雑感5
副題:核保有国ロシアによる隣国への武力侵攻によって従前の枠組みが変わってしまった世界。外的要因が変わってしまった現状で「隣国からの侵攻」という事態に至らせない為の方策を我が国はどの様に構築するのかの議論が必要だ。
今回の題材は表題に書いた通り、外部環境の変化に対応出来ないまま、従来の言い分を繰り返す立憲民主党・泉代表の発言である。
先ずは、報道された立憲・泉の発言(*1)を同記事から以下の通り、抜粋引用する。
↓
<引用開始>(付番は引用者)
Yahooニュース3月4日
・①「とんでもない話。核は威嚇に使うことも、実際に使用されることも許されない兵器。共有してどうするんですか。」
・②「議論だけは、いいなんていうのは詭弁(きべん)。そういう話をするのであれば大量殺りく兵器、生物兵器や化学兵器まで議論はいい、というのか」
・③「大変、残念ですが(日本)維新の会や国民民主党まで非核三原則を揺るがす姿勢になって来ている」
NHK NEWS WEB 3月5日
・①「ウクライナ危機に合わせて議論することは絶対に許されず、明確に間違いだ。『核兵器があれば攻められることがない』というのは幻想だ」
・②「立憲民主党は非核三原則を守る平和のための政党であり、日本が危険な道に進まないために力を尽くす」
産経新聞 3月5日
・①「何かの危機に乗じた核の議論はあってはならない。非核三原則を変える必要はない」
・②「もはや核は使ってはならない兵器だ。核兵器を持っても通常兵器の攻撃を防げるわけではない」
・③「必要な防衛力は着実に整備しなければいけない」
<引用終わり>
立憲・泉は2日間にわたって同様のことを言っているのだが、言っていることをまとめると①「非核三原則の変更は許されない」、②「核共有の議論は許されない・するな」、③「『核兵器があれば攻められることがない』というのは幻想だ」の3点である。
これら立憲・泉の言っていることは従前からの主張を繰り返しているだけで、核保有国ロシアによる近しい隣国への武力侵攻という従前では想定されていない事態が発生したことを何等考慮出来ていないものである。
「そんなものは考慮する必要がない」というのなら、その理由を説明すべきである。
とは言え、「考慮する必要がない理由」は存在しないので説明することは出来ない。
「非核三原則の変更は許されない」とする理由は何か?議論しない理由は何か?
立憲・泉は①「非核三原則の変更は許されない」と言っているのだが、その理由の明示はない。確かに「原則」は、軽々に変更するものではないが、原則制定時と大きく外部事情が変質した場合は、その限りではない。
立憲・泉は①「非核三原則の変更は許されない」と言っているのと同時に②「核共有の議論は許されない・するな」などと議論自体を否定することも言っている。
「非核三原則の変更をすべきか否か」は国民に選ばれた議員で議論して決めるものである。
それが議会制民主主義の原則だ。議会制民主主義の、この原則は変更不可であるのだが、立憲・泉は、あたかも自分達に議会で議論する議題の選択権があるが如き横暴なことを言っているのである。
ちょうど立憲民主党の前代表の枝野が「憲法議論をしないことでの改憲阻止」との寝転がり戦法を常用(*2)していたのと同じ専横を立憲・泉新代表は継承しているのであろう。
憲法議論に対して寝転がり戦法を用いるのは、枝野には憲法を議論するだけの知識・見識がないからだ。(*3)その事は以前の論考で論証済だ。なにせ「議論しない」のだから、メッキが剥げることがないので、知識・見識がない人物にとっては「お得な戦法」である。
新代表の泉については、同様に以前の論考で安全保障政策に対する知識・見識がない旨の指摘をしている(*4)のだが、今回の「議論することは許されない」との泉の発言は、どうやら泉も枝野と同類であることの証拠が、更に1つ加わったものだ。
議会制民主主義・代議制民主主義に立脚すれば、立憲。泉が言っていることは、議論から逃げることであり、議論をさせないことであり、民主主義の根幹を揺るがすものである。【私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る】との名言があるが、立憲・泉のやっていることは、それとは真逆の独裁的・専横的なものである。(*5)
そして、その様な民主主義原則に反する独裁的・専横的な物言いを枝野や泉がしている理由が「自身の知識・見識のなさ」であることが、立憲民主党という集団の病巣であり、層の薄さなのである。
言い切り・決め付けだけの泉発言
立憲・泉は③「『核兵器があれば攻められることがない』というのは幻想だ」との発言もしているのだが、それが「幻想」であることの説明をしていない。
ただ単に言い切り・決め付けをしているだけである。
人類史の史実として、1945年8月9日の長崎原爆以降、戦争で核兵器が使用されたことはない。また先の大戦終了時から始まっていた米ソ東西冷戦は、米ソが互いに大量の核兵器を保有していながら、米ソの直接対決も核戦争も起きなかった。
それは互いに核兵器を保有しているからこそ相互確証破壊戦略が効能を発揮したからだ。
この様な史実からは、むしろ「核兵器があれば攻められることがない」の方が正しい。
そうだからこそ、北朝鮮は嘘と詐欺を重ねながら核保有を目指したし、プーチンはNATO(欧州&米国)との直接武力衝突を避けたいが為に「核兵器発言」をしているものである。
立憲・泉は、持論を展開するに際して、史実とは異なる言い切り・決め付けをしているのであることが分かると思う。泉は実に卑しい物言いをしているものだと認定している。
そして最後に指摘しておきたいことは、立憲・泉のこれらの発言でなによりも問題なのは【我々日本人の命、平和・安寧をどの様に確保するのか】との具体策に関する発言がまったくないことである。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):報道された立憲・泉の発言
↓
<その1>
Yahooニュース(日刊スポーツ)3/4(金) 15:36配
見出し:◆立民・泉代表、核共有政策「議論だけはいいなんて詭弁」非核三原則の堅持訴え 維新らの姿勢批判
https://news.yahoo.co.jp/articles/69e3dd83f3b33df3d7c736dc069042d00d90e2dd記事:○立憲民主党の泉健太代表は4日午前の会見で、自国防衛のため、領土内に米国の核兵器を配備し、共同運用する核共有政策について「とんでもない話。核は威嚇に使うことも、実際に使用されることも許されない兵器。共有してどうするんですか。議論だけは、いいなんていうのは詭弁(きべん)。そういう話をするのであれば大量殺りく兵器、生物兵器や化学兵器まで議論はいい、というのか」などと議論自体を否定し、非核三原則の堅持を訴えた。その上で「大変、残念ですが(日本)維新の会や国民民主党まで非核三原則を揺るがす姿勢になって来ている」と、核共有政策の議論に前向きな党を批判した。
○この日、国民の玉木雄一郎代表と、公明党の山口那津男代表が会談し、玉木氏が高騰するガソリン価格のガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除に向けた協力を要請した。これについて「(衆院で)本予算に賛成してトリガー条項を取りに行く考え方であったのだろうけど、行き場がなくなっている苦しい状況。だから本予算に賛成をするという本来、野党としてありえないことは、すべきじゃなかった」と批判した。
○また今夏の参院選で国民との選挙協力については「戦う時は野党で、戦った後は与党になるということはあってはならない背信行為。国民民主党さんは、はっきりする時期が来ている。野党からは野党と見られず、与党からも与党と見られずという状況。参院選は野党として戦うのか、与党として戦うのか」などと厳しく指摘した。(その1:引用終わり)
<その2>
NHK NEWS WEB 2022年3月5日 19時25分
見出し:◆立民 泉代表 核共有の議論「許されない」非核三原則堅持を
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220305/k10013516321000.html記事:○ウクライナ情勢を踏まえた今後の安全保障政策をめぐり、アメリカの核兵器を同盟国で共有する「核共有」を日本でも議論すべきだという意見が出ていることについて、立憲民主党の泉代表は「許されない」と述べ、非核三原則を堅持すべきだという考えを強調しました。
○立憲民主党の泉代表は5日、松山市を訪れ、ウクライナの人道支援のための募金活動を行い街頭演説しました。
○この中で泉氏は、アメリカの核兵器を同盟国で共有する「核共有」を日本でも議論すべきだという意見が出ていることについて「ウクライナ危機に合わせて議論することは絶対に許されず、明確に間違いだ。『核兵器があれば攻められることがない』というのは幻想だ」と批判しました。
○そのうえで「立憲民主党は非核三原則を守る平和のための政党であり、日本が危険な道に進まないために力を尽くす」と述べました。
○一方、街頭演説のあと泉氏は記者団に対し、原油価格の高騰対策をめぐり、自民・公明両党と協議を進めていくことなった国民民主党について「与党の一角という印象だ。野党ではないことが明確になりつつある一方で、与党との約束も果たされるかどうかわからず、立ち位置としては非常に厳しくなっている」と批判しました。(その1:引用終わり)
<その3>
産経新聞 2022/3/5 20:41
見出し:◆泉氏、非核三原則堅持を 危機に乗じた議論否定
https://www.sankei.com/article/20220305-WBVBB6CZXNNSPOLOEGVX27HKQE/記事:○立憲民主党の泉健太代表は5日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、自民党や野党の一部から「核共有」政策の議論を始めるべきだとの声が出ていることに関し「何かの危機に乗じた核の議論はあってはならない。非核三原則を変える必要はない」と述べた。松山市で記者団の質問に答えた。
○同時に「もはや核は使ってはならない兵器だ。核兵器を持っても通常兵器の攻撃を防げるわけではない」と語った。日本を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ「必要な防衛力は着実に整備しなければいけない」とも強調した。
<引用終わり>
(*2):立憲民主党の前代表の枝野は「憲法議論をしないことでの改憲阻止」との寝転がり戦法を常用していた。
↓
2018/07/02投稿:
「憲法議論をしないことでの改憲阻止」との愚劣
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-969.html2018/02/27投稿:
相変わらずの寝転がり戦法・野党5党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-871.html2018/08/06投稿:
2018年通常国会・憲法議論から逃げ回った立憲民主党他野党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-993.html2018/09/23投稿:
「国会で憲法議論などするものか」と相変わらずの野党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1020.html2021/04/10投稿:
またもや「憲法議論をさせないことでの改憲阻止」との愚劣・2021年4月
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1489.htmletc.
【ご参考】
2022/02/05投稿:
立憲民主党・泉が言う「論憲」とはいったい何だったのか?
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1618.html(*3):枝野には憲法を議論するだけの知識・見識がない。その事は以前の論考で論証済だ。
↓
2018/03/09投稿:
憲法の中身を語れぬ立憲枝野
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-877.html2019/11/23投稿:
いつものパヨク内抗争・「立憲的改憲」vs寝転がり戦法
<続・憲法の中身を語れぬ立憲枝野>
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1285.html2021/04/05投稿:
枝野は憲法の中身の知見がない・前編
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1487.html2021/04/07投稿:
枝野は憲法の中身の知見がない・後編Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1488.html(*4):新代表の泉は枝野と同様に、以前の論考で安全保障政策に対する知識・見識がない旨の指摘をしている。
↓
2021/11/27投稿:
国家存立の基本たる外交・安保に関する知見が欠落している立憲民主党代表候補
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1593.html022/01/12投稿:
安全保障政策への知見がない立憲民主党・泉代表の愚論(抑止力・憲法編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1608.html2022/01/14投稿:
安全保障政策への知見がない立憲民主党・泉代表の愚論(普天間・辺野古編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1609.html【ご参考】
2021/12/05投稿:
立憲民主党新代表も憲法議論から逃げている
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1597.html(*5):議会制民主主義・代議制民主主義に立脚すれば、立憲。泉が言っていることは、議論から逃げることであり、議論をさせないことであり、民主主義の根幹を揺るがすものである。【私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る】との名言があるが、立憲・泉のやっていることは、それとは真逆の独裁的・専横的なものである。
↓
2017/06/02投稿:
民主主義の原則をネジ曲げているのはむしろ野党側
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-684.html2021/04/10投稿:
またもや「憲法議論をさせないことでの改憲阻止」との愚劣・2021年4月
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1489.html1日1回ポチっとな ↓
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