立憲民主党・泉が言う「論憲」とはいったい何だったのか?
- 2022/02/05
- 22:06
立憲民主党・泉が言う「論憲」とはいったい何だったのか?
副題:相変わらずの寝転がり戦法。「憲法議論から逃げることでの改憲阻止」との民主主義の原則を否定する立憲民主党。要するに立憲民主党には議論をする知見・素地さえもないのだから、議論が出来る訳がないのである。
今回の題材は、立憲民主党がまたもや憲法審査会の開催に反対しているとの記事(*1)である。
この開催反対に、おやっと思った方はニュースをちゃんと読んでいる方である。
今から約1カ月半前の昨年(2021)年12月の時点では、11月末の党大会で立憲民主党の新代表となった泉のもと、立憲民主党は憲法に対して「積極的に議論していく「論憲」」を掲げていたはずだとご記憶されているはずで、それで憲法審査会開催反対を言い出すことに違和感を持った方がいると思う。
本ブログでも、立憲民主党が掲げていた「論憲」に関して少々触れている。(*2)
論考の題材にしたのは立憲民主党の代表戦での各候補の「議論する」との表明や新代表が泉になってからの2021年12月15日付の時事通信記事に【野党第1党の立憲民主党も審査会開催に賛成した。泉健太代表率いる立民は、憲法を積極的に議論する「論憲」を掲げている】との記述があったからだ。
カタカナ表記「サヨク」界隈が使う新造語はイメージ先行でまともな定義がないので「論憲」が何を意味しているのかは不明だが、ここでは時事通信記事での【憲法を積極的に議論する】という意味だと理解してよいであろう。
この様に、約1ヶ月半前には「論憲」を看板に掲げていた立憲民主党なのだが、今や先祖返りをして憲法審査会の開催に反対をしているのである。
「言った事を守らない」のが立憲民主党なのだが、この手の平返しはあまりにも酷い。
先の衆議院総選挙での立憲民主党の大敗を受け、代表の枝野は辞任するに至った。
立憲民主党は新代表を11月30日に党大会で選定する党内代表選挙を実施したのだが、4候補による討論会の中身・内容の稚拙さには呆れるしかなかった。取り分け、国家存続の基本政策の1つである安全保障政策に対する知見のなさは呆れを通り越し、こんな集団の我が国のかじ取りを任せることの危険性を強く感じ、その無責任さには怒りをおぼえる程であった。(*3)
その討論ではスローガンとして「論憲」を掲げていたのは間違いがないのだが、憲法議論の中身・内容は前述の通り、実にpoorであった。
案の定、泉は新代表になった直後から憲法の中身の議論に入ることを拒否する発言をしている。(*4)
泉は自民の改憲4項目(*5)について「国民からの要請とは言い難い。法律でできることを無理やり憲法改正の課題に乗せることには否定的で、論じるに値しない」との言い切りをして憲法議論を拒否しているのである。
「論憲」を言っていながら「論じるに値しない」と一方的な決め付けをして憲法議論から逃亡しているのである。
「論憲」、即ち「憲法を積極的に議論する」のだったら、泉または立憲民主党の憲法審査会委員は「「論じるに値しない」理由」を述べることが必要だ。
その「理由」が妥当なのか否かは、「理由」を聞いた他者が評価する。それが議論というものだ。
また泉は「法律でできることを無理やり憲法改正の課題に乗せる」との言い切りをしているが、9条の非武装規定や緊急事態条項の様な「憲法改正でなければ出来ないもの」がある。その事はここで何回も論述している(*6)ので繰り返さないが、「下位法にすべき規定なのか憲法規定にすべき項目か」の議論は、正に憲法審査会で議論すべき命題である。
そうでありにも関わらず、立憲民主党・泉は勝手な言い切りをしているものである。
要するに、立憲民主党が言う「論憲」なるスローガンは虚偽であり、偽看板なのである。
そういう偽看板を掲げてしまえるのは、彼等が言う「議論」というものが、我々普通の国民が知る議論とは異なり、自分達の言いたい事を言うことが「議論」だと思っているからなのであろう。
彼等にとって「議論を通じて異なる主張との止揚を目指す」との概念はないし、自分達が望まない結論に対しては、それを認めない「這っても黒豆」論法(*7)で相手の主張を認めない事を常としている。
「論憲」が聞いて呆れる議論態度である。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):立憲民主党がまたもや憲法審査会の開催に反対しているとの記事
↓
<その1>
NHKニュース 2022年2月2日 21時50分
見出し:◆衆院憲法審 立民 あすの幹事懇談会出席へ 審査会には応じず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220202/k10013464001000.html
記事:○衆議院憲法審査会は3日、立憲民主党なども出席して、日程などを協議する幹事懇談会を開催することになりました。ただ立憲民主党は、審査会の開催は新年度予算案の審議が終わってからにすべきだとして応じない構えです。
○衆議院憲法審査会をめぐり、自民・公明両党と日本維新の会、国民民主党は、今の国会で毎週、定例日に開催すべきとしているのに対し、立憲民主党は、新年度予算案の審議中は審査会を開かないのが慣例で、応じられないとしています。
○このため与党側は、まずは審査会の日程などを協議する幹事懇談会に出席するよう呼びかけていたのに対し、立憲民主党と共産党も定例日の3日、出席することを決め、3日、幹事懇談会が開催されることになりました。
○野党側の筆頭幹事を務める立憲民主党の奥野総一郎氏は記者団に対し、「新年度予算案の審議中は審査会を頻繁に開くべきでないというスタンスは変わっていない。憲法議論は予算委員会の中でもでき、今、急いで審査会を開く理由もない。あすの幹事懇談会はそのことを主張するために出席する」と述べました。(その1引用終わり)
<その2>
産経新聞 2022/2/3 19:08
見出し:◆憲法審開催を拒む立民 与野党から孤立
https://www.sankei.com/article/20220203-SGL4JX755VPDDAWXDBYPEJW344/
記事:○立憲民主党が憲法論議の対応に苦慮している。3日は衆院憲法審査会の幹事懇談会に出席したが、年度当初の予算案の審議中は憲法審を開くべきではないと訴えた。こうした姿勢には与党だけでなく、日本維新の会や国民民主党など他の野党からも反発の声があがった。改憲論議に後ろ向きな態度には「野党の意見を代表していない」と不満も強まっており、野党第一党としての信頼が揺らいでいる。
○「新型コロナウイルス禍ではコロナ対策を予算委員会で議論すべきだ。憲法についても予算委の場で論ずればよい」
○衆院憲法審の野党筆頭幹事を務める奥野総一郎氏(立民)は3日の幹事懇でこう述べ、令和4年度予算案の審議中は憲法審の開催を見送るべきだと主張した。奥野氏は2日の衆院予算委でも岸田文雄首相に「わが党は『論憲』という立場だ。国民の分断を生まないよう丁寧に議論していただきたい」と求めた。
○これに対し、国民民主の玉木雄一郎代表は幹事懇終了後、記者団に「四の五の理由にならない理由を述べるのではなく、議論することが大事だ。変な反対をするから分断が生まれる」と反論した。
○さらに、「危機でも立法府の機能をどう維持するのかという議論は速やかに行うべきだ」と述べたうえで、「(憲法の議論をしなければ)新型コロナ対策が『後手後手だ』という政府批判のブーメランが返ってくる」とも強調。立法府の責務として、新型コロナ禍で浮き彫りとなった憲法上の課題を解決すべきだと訴えた。
○国民民主幹部は「オールド野党はいらない。『論憲』なら(憲法審に)出てこい」と立民を批判する。
○憲法をめぐる政党の勢力図は昨年の衆院選を境に一変した。議席を伸ばした国民民主が与党や維新と足並みをそろえ、積極的な改憲論議を繰り返し提案している。
○立民は1日の幹事懇を欠席し、3日の憲法審開催に反対する姿勢を示したが、3日の幹事懇には姿を見せた。立民の幹部会合でも「議論した方がいい」との声があがり、党内外の圧力に抗しきれなかったとの見方もある。
○とはいえ、立民は他党が求める10日の憲法審開催に慎重な構えを崩していない。維新の馬場伸幸共同代表は幹事懇で、奥野氏に「憲法審を妨害しているのは立民と共産党だけだ」と反発した。
<引用終わり>
(*2):立憲民主党が掲げていた「論憲」に関して
↓
2021/12/16投稿:
衆議院憲法審査会の開催・共産党は相変わらず議論忌避
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1603.html
【ご参考】
※2021年年末当時の「論憲」に関するマスコミ報道
<その1>
時事通信 2021年12月15日17時32分
見出し:◆衆院憲法審、16日に自由討議 岸田内閣で初めて
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021121500920&g=pol
記事:○衆院憲法審査会は15日の幹事懇談会で、16日に審査会を開くことを決めた。憲法改正や国民投票法をめぐる諸問題をテーマに自由討議を行う。岸田政権発足後、同審査会で憲法論議が行われるのは初めて。
○野党第1党の立憲民主党も審査会開催に賛成した。泉健太代表率いる立民は、憲法を積極的に議論する「論憲」を掲げている。共産党は開催に反対した。16日は冒頭、各会派の代表者が順に意見を述べた後、各議員が討議する。(引用終わり)
<その2>
毎日新聞 2021/11/22 19:46(最終更新 11/22 21:48) 有料記事 877文字
見出し:◆立憲代表選、候補者討論会で改憲論戦 4人とも国会議論応じる姿勢
https://mainichi.jp/articles/20211122/k00/00m/010/217000c
記事:○立憲民主党代表選の立候補者による日本記者クラブ主催の討論会が22日、東京都内で開かれ、逢坂誠二元首相補佐官(62)、小川淳也元総務政務官(50)、泉健太政調会長(47)、西村智奈美元副厚生労働相(54)の4氏が論戦を交わした。憲法改正に関し、4人とも国会の議論に応じる姿勢を示した。
○改憲を巡っては、枝野前執行部は国会議論に慎重だったが、衆院選での日本維新の会や国民民主党など改憲を掲げる勢力の議席増を踏まえ、衆参両院の憲法審査会などでの議論に応じる姿勢を示した。逢坂氏は「落ち着いた静かな議論は大歓迎だ」と述べ、泉氏も「立憲は護憲でなく論憲」と指摘。両氏は立憲がCM規制の導入を求める国民投票制度の議論を優先すべきだとの考えを示した。小川、西村両氏も議論に前向きな姿勢を示したが、小川氏は「(安倍…この記事は有料記事です。 残り527文字(全文877文字)
<無料部分の引用終わり>
(*3):4候補による討論会の中身・内容の稚拙さには呆れるしかなかった。取り分け、国家存続の基本政策の1つである安全保障政策に対する知見のなさは呆れを通り越し、こんな集団に我が国のかじ取りを任せることの危険性を強く感じ、その無責任さには怒りをおぼえる程であった。
↓
2022/01/12投稿:
安全保障政策への知見がない立憲民主党・泉代表の愚論(抑止力・憲法編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1608.html
2022/01/14投稿:
安全保障政策への知見がない立憲民主党・泉代表の愚論(普天間・辺野古編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1609.html
(*4):案の定、泉は新代表になった直後から憲法の中身の議論に入ることを拒否する発言をしている。
↓
2021/12/05投稿:
立憲民主党新代表も憲法議論から逃げている
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1597.html
【ご参考】
産経新聞 2021/12/3 21:24
見出し:◆立民・泉氏、運営綱渡り 野党ヒアリング見直しの一方、自民改憲案は糾弾
https://www.sankei.com/article/20211203-3SCUTS65OFONHJJ2NGCS5TFGXA/
<抜粋引用>
(前略)泉氏は2日の会見で、自民の改憲4項目について「国民からの要請とは言い難い。法律でできることを無理やり憲法改正の課題に乗せることには否定的で、論じるに値しない」と批判した。(中略)
日本維新の会や国民民主党は自民との改憲論議に応じる構えをみせており、門前払いのような姿勢を示せば、立民が改憲をめぐる政党間協議から外される可能性もある。維新幹部は「もはや各党の改憲案を議論する段階だ。立民が参加を拒むならばそれまでだ」と突き放す。
<引用終わり>
(*5):自民党の改憲重点4項目
↓
◆①:安全保障に係る「自衛隊」
2018/02/01投稿:
9条・自民党改憲推進本部報告
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-856.html
【ご参考】
2018/02/02投稿:
9条・2012年自民党改憲草案の良い所悪い所
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-857.html
◆②:統治機構のあり方に関する「緊急事態」
2018/02/03投稿:
緊急事態条項・自民党改憲推進本部報告
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-858.html
【ご参考】
2018/02/05投稿:
緊急事態条項・2012年自民党改憲草案の良い所悪い所
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-859.html
◆③:一票の格差と地域の民意反映が問われる「合区解消・地方公共団体」
2018/02/06投稿:
一表の格差・合区・自民党改憲推進本部報告
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-860.html
【ご参考】
2018/02/07投稿:
一表の格差・合区・2012年自民党改憲草案の良い所悪い所
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-861.html
◆④:国家百年の大計たる「教育充実」
2018/02/08投稿:
教育充実・自民党改憲推進本部報告
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-862.html
注:「教育充実」は、2012年自民党改憲草案には登場していない。現行条文のままが草案になっている。
(*6):泉は「法律でできることを無理やり憲法改正の課題に乗せる」との言い切りをしているが、9条の非武装規定や緊急事態条項の様な「憲法改正でなければ出来ないもの」がある。その事はここで何回も論述している。
↓
2017/06/22投稿:
緊急事態条項に関する考察・要件提示
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-700.html
<抜粋引用>
◇1.緊急事態条項を憲法条文にする理由
1-①:平時既存法では緊急時に対応できない。
1-②:平時でも緊急時でも法治主義の下に政府は運営されるべき。
1-③:緊急事態だからと言って超法規を法規定によらずに認めると逆に危険。
◇2.緊急事態条項が具備すべき基本的要件
2-①:憲法で規定すべき ←☆☆
前節で述べた「緊急事態条項は○○という理由で必要です」との話をすると必ず出てくるのが「下位法でやれば良い」と言う奴等である。憲法に手を加えたくない改憲阻止派が使う、お決まりの脊髄反射パターンだ。
しかし、中身の話をすれば、そんな「パターン話」が空虚であることがわかる。
例えば、「緊急時であっても三権分立の堅持」との規定を、三権分立の規定している憲法以外のどの下位法で規定するのか?と考えれば、憲法以外にはあり得ないのである。
何故なら、緊急事態規定を下位法で定めると、下位法が憲法規定を上書きする機能を持つことになり、そんな「改憲的下位法の制定」は、本来の意味での立憲主義と矛盾するからであり、法体系として成り立たないからである。
2-②:緊急事態である旨の宣言をする決定権は議会(国会)が持つべき
2-③:緊急事態対応体制の終了権限も議会が持つべき
2-④:議会の終了権限を行使する時期を予め規定で明示すべき
2-⑤:国会議員任期の特例規定として緊急時の議会(国会)継続規定が必要
2-⑥:国会議員の身分保障としては任期特例の他に緊急事態中の不逮捕特権が必要(以下略)
<引用終わり>
【ご参考】
2019/10/17投稿:
改憲議論と憲法規定の実現化議論を混同させる記事(後編Final・緊急事態条項)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1271.html
(*7):自分達が望まない結論に対しては、それを認めない「這っても黒豆」論法で相手の主張を認めない。
↓
2018/03/28投稿:
這っても黒豆
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-892.html
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副題:相変わらずの寝転がり戦法。「憲法議論から逃げることでの改憲阻止」との民主主義の原則を否定する立憲民主党。要するに立憲民主党には議論をする知見・素地さえもないのだから、議論が出来る訳がないのである。
今回の題材は、立憲民主党がまたもや憲法審査会の開催に反対しているとの記事(*1)である。
この開催反対に、おやっと思った方はニュースをちゃんと読んでいる方である。
今から約1カ月半前の昨年(2021)年12月の時点では、11月末の党大会で立憲民主党の新代表となった泉のもと、立憲民主党は憲法に対して「積極的に議論していく「論憲」」を掲げていたはずだとご記憶されているはずで、それで憲法審査会開催反対を言い出すことに違和感を持った方がいると思う。
「論憲」との看板を掲げていたはずの立憲民主党
本ブログでも、立憲民主党が掲げていた「論憲」に関して少々触れている。(*2)
論考の題材にしたのは立憲民主党の代表戦での各候補の「議論する」との表明や新代表が泉になってからの2021年12月15日付の時事通信記事に【野党第1党の立憲民主党も審査会開催に賛成した。泉健太代表率いる立民は、憲法を積極的に議論する「論憲」を掲げている】との記述があったからだ。
カタカナ表記「サヨク」界隈が使う新造語はイメージ先行でまともな定義がないので「論憲」が何を意味しているのかは不明だが、ここでは時事通信記事での【憲法を積極的に議論する】という意味だと理解してよいであろう。
この様に、約1ヶ月半前には「論憲」を看板に掲げていた立憲民主党なのだが、今や先祖返りをして憲法審査会の開催に反対をしているのである。
「言った事を守らない」のが立憲民主党なのだが、この手の平返しはあまりにも酷い。
「論憲」は、結局は偽看板であった
先の衆議院総選挙での立憲民主党の大敗を受け、代表の枝野は辞任するに至った。
立憲民主党は新代表を11月30日に党大会で選定する党内代表選挙を実施したのだが、4候補による討論会の中身・内容の稚拙さには呆れるしかなかった。取り分け、国家存続の基本政策の1つである安全保障政策に対する知見のなさは呆れを通り越し、こんな集団の我が国のかじ取りを任せることの危険性を強く感じ、その無責任さには怒りをおぼえる程であった。(*3)
その討論ではスローガンとして「論憲」を掲げていたのは間違いがないのだが、憲法議論の中身・内容は前述の通り、実にpoorであった。
案の定、泉は新代表になった直後から憲法の中身の議論に入ることを拒否する発言をしている。(*4)
泉は自民の改憲4項目(*5)について「国民からの要請とは言い難い。法律でできることを無理やり憲法改正の課題に乗せることには否定的で、論じるに値しない」との言い切りをして憲法議論を拒否しているのである。
「論憲」を言っていながら「論じるに値しない」と一方的な決め付けをして憲法議論から逃亡しているのである。
「論憲」、即ち「憲法を積極的に議論する」のだったら、泉または立憲民主党の憲法審査会委員は「「論じるに値しない」理由」を述べることが必要だ。
その「理由」が妥当なのか否かは、「理由」を聞いた他者が評価する。それが議論というものだ。
また泉は「法律でできることを無理やり憲法改正の課題に乗せる」との言い切りをしているが、9条の非武装規定や緊急事態条項の様な「憲法改正でなければ出来ないもの」がある。その事はここで何回も論述している(*6)ので繰り返さないが、「下位法にすべき規定なのか憲法規定にすべき項目か」の議論は、正に憲法審査会で議論すべき命題である。
そうでありにも関わらず、立憲民主党・泉は勝手な言い切りをしているものである。
要するに、立憲民主党が言う「論憲」なるスローガンは虚偽であり、偽看板なのである。
そういう偽看板を掲げてしまえるのは、彼等が言う「議論」というものが、我々普通の国民が知る議論とは異なり、自分達の言いたい事を言うことが「議論」だと思っているからなのであろう。
彼等にとって「議論を通じて異なる主張との止揚を目指す」との概念はないし、自分達が望まない結論に対しては、それを認めない「這っても黒豆」論法(*7)で相手の主張を認めない事を常としている。
「論憲」が聞いて呆れる議論態度である。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):立憲民主党がまたもや憲法審査会の開催に反対しているとの記事
↓
<その1>
NHKニュース 2022年2月2日 21時50分
見出し:◆衆院憲法審 立民 あすの幹事懇談会出席へ 審査会には応じず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220202/k10013464001000.html
記事:○衆議院憲法審査会は3日、立憲民主党なども出席して、日程などを協議する幹事懇談会を開催することになりました。ただ立憲民主党は、審査会の開催は新年度予算案の審議が終わってからにすべきだとして応じない構えです。
○衆議院憲法審査会をめぐり、自民・公明両党と日本維新の会、国民民主党は、今の国会で毎週、定例日に開催すべきとしているのに対し、立憲民主党は、新年度予算案の審議中は審査会を開かないのが慣例で、応じられないとしています。
○このため与党側は、まずは審査会の日程などを協議する幹事懇談会に出席するよう呼びかけていたのに対し、立憲民主党と共産党も定例日の3日、出席することを決め、3日、幹事懇談会が開催されることになりました。
○野党側の筆頭幹事を務める立憲民主党の奥野総一郎氏は記者団に対し、「新年度予算案の審議中は審査会を頻繁に開くべきでないというスタンスは変わっていない。憲法議論は予算委員会の中でもでき、今、急いで審査会を開く理由もない。あすの幹事懇談会はそのことを主張するために出席する」と述べました。(その1引用終わり)
<その2>
産経新聞 2022/2/3 19:08
見出し:◆憲法審開催を拒む立民 与野党から孤立
https://www.sankei.com/article/20220203-SGL4JX755VPDDAWXDBYPEJW344/
記事:○立憲民主党が憲法論議の対応に苦慮している。3日は衆院憲法審査会の幹事懇談会に出席したが、年度当初の予算案の審議中は憲法審を開くべきではないと訴えた。こうした姿勢には与党だけでなく、日本維新の会や国民民主党など他の野党からも反発の声があがった。改憲論議に後ろ向きな態度には「野党の意見を代表していない」と不満も強まっており、野党第一党としての信頼が揺らいでいる。
○「新型コロナウイルス禍ではコロナ対策を予算委員会で議論すべきだ。憲法についても予算委の場で論ずればよい」
○衆院憲法審の野党筆頭幹事を務める奥野総一郎氏(立民)は3日の幹事懇でこう述べ、令和4年度予算案の審議中は憲法審の開催を見送るべきだと主張した。奥野氏は2日の衆院予算委でも岸田文雄首相に「わが党は『論憲』という立場だ。国民の分断を生まないよう丁寧に議論していただきたい」と求めた。
○これに対し、国民民主の玉木雄一郎代表は幹事懇終了後、記者団に「四の五の理由にならない理由を述べるのではなく、議論することが大事だ。変な反対をするから分断が生まれる」と反論した。
○さらに、「危機でも立法府の機能をどう維持するのかという議論は速やかに行うべきだ」と述べたうえで、「(憲法の議論をしなければ)新型コロナ対策が『後手後手だ』という政府批判のブーメランが返ってくる」とも強調。立法府の責務として、新型コロナ禍で浮き彫りとなった憲法上の課題を解決すべきだと訴えた。
○国民民主幹部は「オールド野党はいらない。『論憲』なら(憲法審に)出てこい」と立民を批判する。
○憲法をめぐる政党の勢力図は昨年の衆院選を境に一変した。議席を伸ばした国民民主が与党や維新と足並みをそろえ、積極的な改憲論議を繰り返し提案している。
○立民は1日の幹事懇を欠席し、3日の憲法審開催に反対する姿勢を示したが、3日の幹事懇には姿を見せた。立民の幹部会合でも「議論した方がいい」との声があがり、党内外の圧力に抗しきれなかったとの見方もある。
○とはいえ、立民は他党が求める10日の憲法審開催に慎重な構えを崩していない。維新の馬場伸幸共同代表は幹事懇で、奥野氏に「憲法審を妨害しているのは立民と共産党だけだ」と反発した。
<引用終わり>
(*2):立憲民主党が掲げていた「論憲」に関して
↓
2021/12/16投稿:
衆議院憲法審査会の開催・共産党は相変わらず議論忌避
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1603.html
【ご参考】
※2021年年末当時の「論憲」に関するマスコミ報道
<その1>
時事通信 2021年12月15日17時32分
見出し:◆衆院憲法審、16日に自由討議 岸田内閣で初めて
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021121500920&g=pol
記事:○衆院憲法審査会は15日の幹事懇談会で、16日に審査会を開くことを決めた。憲法改正や国民投票法をめぐる諸問題をテーマに自由討議を行う。岸田政権発足後、同審査会で憲法論議が行われるのは初めて。
○野党第1党の立憲民主党も審査会開催に賛成した。泉健太代表率いる立民は、憲法を積極的に議論する「論憲」を掲げている。共産党は開催に反対した。16日は冒頭、各会派の代表者が順に意見を述べた後、各議員が討議する。(引用終わり)
<その2>
毎日新聞 2021/11/22 19:46(最終更新 11/22 21:48) 有料記事 877文字
見出し:◆立憲代表選、候補者討論会で改憲論戦 4人とも国会議論応じる姿勢
https://mainichi.jp/articles/20211122/k00/00m/010/217000c
記事:○立憲民主党代表選の立候補者による日本記者クラブ主催の討論会が22日、東京都内で開かれ、逢坂誠二元首相補佐官(62)、小川淳也元総務政務官(50)、泉健太政調会長(47)、西村智奈美元副厚生労働相(54)の4氏が論戦を交わした。憲法改正に関し、4人とも国会の議論に応じる姿勢を示した。
○改憲を巡っては、枝野前執行部は国会議論に慎重だったが、衆院選での日本維新の会や国民民主党など改憲を掲げる勢力の議席増を踏まえ、衆参両院の憲法審査会などでの議論に応じる姿勢を示した。逢坂氏は「落ち着いた静かな議論は大歓迎だ」と述べ、泉氏も「立憲は護憲でなく論憲」と指摘。両氏は立憲がCM規制の導入を求める国民投票制度の議論を優先すべきだとの考えを示した。小川、西村両氏も議論に前向きな姿勢を示したが、小川氏は「(安倍…この記事は有料記事です。 残り527文字(全文877文字)
<無料部分の引用終わり>
(*3):4候補による討論会の中身・内容の稚拙さには呆れるしかなかった。取り分け、国家存続の基本政策の1つである安全保障政策に対する知見のなさは呆れを通り越し、こんな集団に我が国のかじ取りを任せることの危険性を強く感じ、その無責任さには怒りをおぼえる程であった。
↓
2022/01/12投稿:
安全保障政策への知見がない立憲民主党・泉代表の愚論(抑止力・憲法編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1608.html
2022/01/14投稿:
安全保障政策への知見がない立憲民主党・泉代表の愚論(普天間・辺野古編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1609.html
(*4):案の定、泉は新代表になった直後から憲法の中身の議論に入ることを拒否する発言をしている。
↓
2021/12/05投稿:
立憲民主党新代表も憲法議論から逃げている
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1597.html
【ご参考】
産経新聞 2021/12/3 21:24
見出し:◆立民・泉氏、運営綱渡り 野党ヒアリング見直しの一方、自民改憲案は糾弾
https://www.sankei.com/article/20211203-3SCUTS65OFONHJJ2NGCS5TFGXA/
<抜粋引用>
(前略)泉氏は2日の会見で、自民の改憲4項目について「国民からの要請とは言い難い。法律でできることを無理やり憲法改正の課題に乗せることには否定的で、論じるに値しない」と批判した。(中略)
日本維新の会や国民民主党は自民との改憲論議に応じる構えをみせており、門前払いのような姿勢を示せば、立民が改憲をめぐる政党間協議から外される可能性もある。維新幹部は「もはや各党の改憲案を議論する段階だ。立民が参加を拒むならばそれまでだ」と突き放す。
<引用終わり>
(*5):自民党の改憲重点4項目
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◆①:安全保障に係る「自衛隊」
2018/02/01投稿:
9条・自民党改憲推進本部報告
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-856.html
【ご参考】
2018/02/02投稿:
9条・2012年自民党改憲草案の良い所悪い所
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-857.html
◆②:統治機構のあり方に関する「緊急事態」
2018/02/03投稿:
緊急事態条項・自民党改憲推進本部報告
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-858.html
【ご参考】
2018/02/05投稿:
緊急事態条項・2012年自民党改憲草案の良い所悪い所
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-859.html
◆③:一票の格差と地域の民意反映が問われる「合区解消・地方公共団体」
2018/02/06投稿:
一表の格差・合区・自民党改憲推進本部報告
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-860.html
【ご参考】
2018/02/07投稿:
一表の格差・合区・2012年自民党改憲草案の良い所悪い所
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-861.html
◆④:国家百年の大計たる「教育充実」
2018/02/08投稿:
教育充実・自民党改憲推進本部報告
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-862.html
注:「教育充実」は、2012年自民党改憲草案には登場していない。現行条文のままが草案になっている。
(*6):泉は「法律でできることを無理やり憲法改正の課題に乗せる」との言い切りをしているが、9条の非武装規定や緊急事態条項の様な「憲法改正でなければ出来ないもの」がある。その事はここで何回も論述している。
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2017/06/22投稿:
緊急事態条項に関する考察・要件提示
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-700.html
<抜粋引用>
◇1.緊急事態条項を憲法条文にする理由
1-①:平時既存法では緊急時に対応できない。
1-②:平時でも緊急時でも法治主義の下に政府は運営されるべき。
1-③:緊急事態だからと言って超法規を法規定によらずに認めると逆に危険。
◇2.緊急事態条項が具備すべき基本的要件
2-①:憲法で規定すべき ←☆☆
前節で述べた「緊急事態条項は○○という理由で必要です」との話をすると必ず出てくるのが「下位法でやれば良い」と言う奴等である。憲法に手を加えたくない改憲阻止派が使う、お決まりの脊髄反射パターンだ。
しかし、中身の話をすれば、そんな「パターン話」が空虚であることがわかる。
例えば、「緊急時であっても三権分立の堅持」との規定を、三権分立の規定している憲法以外のどの下位法で規定するのか?と考えれば、憲法以外にはあり得ないのである。
何故なら、緊急事態規定を下位法で定めると、下位法が憲法規定を上書きする機能を持つことになり、そんな「改憲的下位法の制定」は、本来の意味での立憲主義と矛盾するからであり、法体系として成り立たないからである。
2-②:緊急事態である旨の宣言をする決定権は議会(国会)が持つべき
2-③:緊急事態対応体制の終了権限も議会が持つべき
2-④:議会の終了権限を行使する時期を予め規定で明示すべき
2-⑤:国会議員任期の特例規定として緊急時の議会(国会)継続規定が必要
2-⑥:国会議員の身分保障としては任期特例の他に緊急事態中の不逮捕特権が必要(以下略)
<引用終わり>
【ご参考】
2019/10/17投稿:
改憲議論と憲法規定の実現化議論を混同させる記事(後編Final・緊急事態条項)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1271.html
(*7):自分達が望まない結論に対しては、それを認めない「這っても黒豆」論法で相手の主張を認めない。
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2018/03/28投稿:
這っても黒豆
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-892.html
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