史実の記載に対してスパム攻撃をするぞと脅す韓国人
- 2022/01/23
- 20:54
史実の記載に対してスパム攻撃をするぞと脅す韓国人
副題:自分達の思い込みだけが根拠の言い切りしか出来ないVANK。「歴史を忘れた民族には未来はない」とは、正に韓国人自身に向けられた言葉である。
日韓サッカー戦で韓国人の観客が「歴史を忘れた民族には未来はない」と書かれた横断幕を掲げた画像をネットで見た方も多いと思う。
調べてみたら、それは2013年7月28日にソウルで行われた東アジア杯の試合でのことだと分かった。当時、その横断幕を見て最初に頭に浮かんだのは「韓国人の自虐ギャグかよ」であった。
掲げている韓国人サポーターにしてみれば、多分、大真面目に「日本が歴史改竄している」と思っているのであろうが、実際は韓国側が史実を誤認している場合が大多数である。
典型的な事例としては「独立門」がある。
話によると韓国人の多くは、このモニュメントは「日帝からの独立を記念した門」だと誤解しているそうだ。
実際は、清の属国だった李氏朝鮮が日清戦争での日本の勝利により清から独立したことを記念して建てられたものだ。それ以前に同地にあった迎恩門が属国であることの象徴的存在であったことから、それを取り壊し新たに独立門を建立したものである。
こんな事は調べれば分かることなのだが、韓国人は検証することが苦手の様で、最初の思い込みを長く信じ続ける性質がある様だ。(*1)
「歴史を忘れた民族には未来はない」とは、正に韓国人自身に向けられた言葉である。
今回の題材は「歴史を知らない韓国人」がVANKと称する団体で活動しており、彼等の「歴史」と異なる史実の提示に対してスパムメールで攻撃をしているとの韓国紙の記事である。(*2)
韓国紙の記事によれば、VANKはナショナルジオグラフィック社他が出版した書籍の記述内容が「韓国人が考える「歴史」」とは異なるとして、抗議メールを送付することを呼び掛けているそうだ。
「抗議メールを皆で送ろう」とはスパム煽動に他ならない。
歴史記述に対して異議があるのならば、学問的に説得力がある論理・史料を提示して訂正を要請すべきなのだが、VANKは、そういう事をせずに声の大きさ=「朝鮮伝統の声闘」や数を頼んでの示威活動を以て「抗議する」とのヤクザ戦法を常用していると見受けられる。
今回、VANKが文句をつけている歴史記述を韓国紙記事から抜粋すると以下の様になる。
↓
<抜粋引用開始>(付番は引用者)
①:「東南アジアに属する韓国は中国による長年の支配を受け、1910年に日本によって併合された」と記されている。韓国は東アジアに属しており東南アジアではない。また、朝鮮時代に中国に朝貢はしたが、これは属国を意味するものではない。
②:また同書に描かれた朝鮮半島の地図には済州島と鬱陵島、独島が欠けていることも指摘した。
③:「モンゴル帝国のチンギス・ハーンの死後、高麗がモンゴルの属国になった」、「朝鮮は明の伝統的な従属国だった」などの歪曲された内容も出ているとバンクは批判した。
④:韓国の宗教は「中国の仏教・道教・儒教」(Chinese religions. Buddhism, Taoism, Confucianism)と書かれているという。
⑤万里の長城の長さを1万3,170マイル(2万1千196km)と紹介した。これは中国当局が2012年に発表した数字とバンクは指摘し、中国政府は当時、現在の国境を基準に自国領土内にある城はすべて万里の長城だと主張し、高句麗と渤海までを中国の歴史に含める「東北工程」事業を行った。この本は中国の主張にそのまま従っているとバンクは批判している。
<引用終わり>
抜粋引用した上記5点のうち「歴史問題」は①、③、⑤の3点である。
②は地図の記載方法の問題である。歴史の本に掲載されていた地図で済州島の様な近接した大きな島が書かれていないのだから、それは概念的な地図である可能性が高く、その様な場合、鬱陵島の様な小さな島は省略されることは珍しくない。ましてや朝鮮半島から遠い竹島が地図になくても、それは許容範囲内だ。我が国日本列島やフィリピンやインドネシアの様な島嶼国の地図で、島の総てが記載されていないと抗議対象だというのは無体な話である。
④は「韓国の宗教」の話であるが、この部分に文句をつけているのは現在の韓国の宗教がどうのこうのと言う話とは関係がない。文句をつけているのは「Chinese religions. Buddhism, Taoism, Confucianism」と書かれているからである。
記事の和訳では「中国の仏教・道教・儒教」としているが、これは「中国の宗教(と同じ)、仏教、道教、儒教」と訳す方が正解だ。要するに「朝鮮半島の宗教は中国由来」=「独自性なし」との記述に怒っているものだ。
上記のうち①の「東南アジアに属する韓国は中国による長年の支配を受け、1910年に日本によって併合された」に対して韓国人は2つの事を抗議している。
1つは「韓国は東アジアに属しており東南アジアではない」ともっぱら地理的な話で抗議しているものである。
しかし、当該書籍の題名は「目で見る世界の歴史:先史時代から現代まで人類物語」であり、韓国=朝鮮半島を「東南アジア」と表現しているのは、中国(支那)と日本に挟まれた政治的な位置付けで東南アジアと同類と言っているだけである。
もう1つは「中国による長年の支配を受け、1910年に日本によって併合された」との記述に対して、VANKは「朝鮮時代に中国に朝貢はしたが、これは属国を意味するものではない」としているが、これなどは「歴史を知らない韓国人」の典型例である。
最初に書いた「独立門」の話を想い出していただきたい。
独立門は、清の属国だった李氏朝鮮が日清戦争での日本の勝利により清から独立したことを記念して建てられたもにである。その事を示す史料が日本側にも清側にもある。
先ず、日清戦争の講和条約である下関条約の第1条を見れば明らかである。
↓
<下関条約・第1条>
第一條:淸國ハ朝鮮國ノ完全無缺ナル獨立自主ノ國タルコトヲ確認ス因テ右獨立自主ヲ損害スヘキ朝鮮國ヨリ淸國ニ對スル貢獻典禮等ハ將來全ク之ヲ廢止スヘシ
↓
勝手に口語訳1:第1条:清国は、朝鮮が完全に独立国である事を確認する。独立自主を損なう朝鮮国から清国への貢・献上・典礼等は、今後完全に廃止する。
↓
勝手に口語訳2:朝鮮は清の属国じゃないから。だから、華夷秩序での献上等の属国の責務は今後なくなるから。
<下関条約・第1条紹介終わり>
講和条約の最初の第1条が日清戦争の当事者である日本でも清でもなく「朝鮮は清の属国ではない」と朝鮮のことが書かれている点に注目していただきたい。
朝鮮の独立が第1条に書かれている理由は、それが日清戦争の理由だったからだ。
日清両国は日清戦争開始に際して宣戦布告をしている。
それらを見れば、日清両国が李氏朝鮮は独立国なのか属国なのかでの争いがあったことが分かる。
先ずは、我が国側の宣戦布告を以下に紹介する。
↓
日清戦争の宣戦布告「清国ニ対スル宣戦ノ詔勅」
<日本から清国へ>
「清国ニ対スル宣戦ノ詔勅」明治二十七年八月一日
(前略)朝鮮ハ帝国カ其ノ始ニ啓誘シテ列国ノ伍伴ニ就カシメタル独立ノ一国タリ而シテ清国ハ毎ニ自ラ朝鮮ヲ以テ属邦ト称シ陰ニ陽ニ其ノ内政ニ干渉シ其ノ内乱アルニ於テ口ヲ属邦ノ拯難ニ籍キ兵ヲ朝鮮ニ出シタリ(中略)
帝国ハ是ニ於テ朝鮮ニ勧ムルニ其ノ秕政ヲ釐革シ内ハ治安ノ基ヲ堅クシ外ハ独立国ノ権義ヲ全クセムコトヲ以テシタルニ朝鮮ハ既ニ之ヲ肯諾シタルモ清国ハ終始陰ニ居テ百方其ノ目的ヲ妨碍シ・・・(後略)
<勝手に口語訳>:朝鮮ってのは、日本がそのはじめから、導き誘って1つの独立国として、諸国の仲間とした国だぞ。そうなのに清国は一々「朝鮮は清の属国だぁ」と主張して、陰に陽に朝鮮に対して内政干渉をしている。朝鮮で内乱が起こると、「属国の危機を救う」とかの口実で朝鮮に出兵するなど、酷いことしている。(中略)
日本は、朝鮮に対して、今の朝鮮がやっている空虚な悪政を改革して、朝鮮国内の治安を確保する為の基盤の整備や、独立国としての国家主権の権利と義務の履行をまっとうすることを勧めてきたのよ。ところが、朝鮮が、その勧めを了承して受諾したのにもかかわらず、清国は終始裏から、朝鮮が生まれ変わる為の努力を妨害してるじゃん。
<宣戦布告書の紹介終わり>
今回のポイントは「朝鮮ヲ以テ属邦ト称シ陰ニ陽ニ其ノ内政ニ干渉」の部分である。
口語訳では「清国は一々「朝鮮は清の属国だぁ」と主張して、陰に陽に朝鮮に対して内政干渉をしている」の部分である。
我が国からのこれらの指摘に対して、清国側は以下の様な宣戦布告書で返答をしている。
↓
<清国から日本へ>
日清戦争の際の清皇帝の宣戦布告書(宣戦上諭)抜粋引用
「朝鮮為我大清藩属二百余年歳修職貢為中外所共知」
<勝手に口語訳>
オマエは知らんのか? 朝鮮は、我々大清国の属国なの。それは200年以上前からずっとそうなの。属国だから。そんな事はみんなが知っている常識だから。朝鮮は俺の属国なのに、オマエはアホか?
<清国の返答紹介終わり>
要するに、李氏朝鮮が二枚舌をつかってフラフラとしていたことが日清両国の認知の違いが発生した原因である。それが「朝鮮は属国か独立国か」との日清戦争勃発の原因なのである。
日清両国の宣戦布告書を読むと、我が国は朝鮮を古代から見ており、清国は同国二代目皇帝時代、即ち17世紀の丁卯条約(三跪九叩頭の礼のあの条約(*3))から見ているとの差があり、これは興味深い点である。
見方を変えれば、朝鮮は、少なくとも200年以上も我が国に対して「独立国です」との虚偽を述べていたのであろうと推定されるが、清国皇帝の返答にある様に、朝鮮は200年以上前からずっと清の属国であり、中華文明圏・華夷秩序の世界では「みんなが知っている常識」だったのである。
我が国は聖徳太子の時代に早々と華夷秩序体制の外にあり、「朝鮮は属国」とは考えていなかったものであるが、ナショジオの書籍としては「韓国は中国による長年の支配を受け・・・」と記載することは史実通りだと言えるものである。
ここで紹介した様な史料からすれば韓国VANKが言う「属国じゃない」は間違いであることがお分かりだと思う。
VANKで活動している現在の韓国人は、漢字を読めない世代であることから、「大清国属 高麗旗」(清の属国の李氏朝鮮の意)の画像を見ても、それが何を意味しているのか分からないのであろう。
韓国は、これと同じデザインの太極旗を国旗としている。
李氏朝鮮が日清戦争での日本の勝利により、清の属国の立場から脱したことは説明したが、李氏朝鮮が清の属国になる前は明の属国だった。明朝が滅び満州族の清王朝が出来た時、李氏朝鮮は清に服属することを拒んだのだが、清の二代目皇帝・ホンタイジに成敗され服属することを誓うことになった。李氏朝鮮は清の使者を迎恩門で三跪九叩頭の礼を以て出迎えるの「礼儀」となったものである。
李氏朝鮮の成立は中華の地の正当王朝と看做されていた明に柵封され朝鮮王だと認められたもので、明に服属することは「自然」な行為であったのだが、朝鮮半島小中華思想では蛮族扱いであった満州族の王朝に服属することは「秩序に反すること」だとして素直に服属しなかった事から、清からこっぴどい目にあわされたものである。
この様な史実からは、ナショジオの「朝鮮は明の伝統的な従属国だった」はまったくに正しい記述であることが分かると思う。
時間切れである。
万里の長城についても少々述べたかったのだが、かなり長くなったので今回はここまでとする。
何れにせよ、自分達の思い込みだけが根拠の「言い切り」しか出来ないVANKの批判など何等の説得力がないことが分かったと思う。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):こんな事は調べれば分かることなのだが、韓国人は検証することが苦手の様で、最初の思い込みを長く信じ続ける性質がある様だ。
↓
2018/07/31投稿:
事実確認も検証もしない韓国人・カッマーサー像放火
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-989.html
【ご参考】
2019/03/25投稿:
仁川上陸作戦「被害」補償
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1139.html
(*2):今回の題材は「歴史を知らない韓国人」がVANKと称する団体で活動しており、彼等の「歴史」と異なる史実の提示に対してスパムメールで攻撃をしているとの韓国紙の記事である。
↓
コリア・エコノミクス 2022年1月17日
見出し:◆韓国歴史団体「米有力刊行物が《韓国は東南アジア》と紹介…」「モンゴルや明の属国だったも嘘…在外同胞は是正要請を」
https://korea-economics.jp/posts/22011704/
記事:○韓国の歴史系有力市民団体であるバンク(VANK)は17日、米国の有名出版社が発行した刊行物における韓国の歴史への誤解が深刻であると明らかにした。
○米国の有力出版社であるナショナルジオグラフィック社が出版した「目で見る世界の歴史:先史時代から現代まで人類物語」(2021年刊)の587~588ページには、「東南アジアに属する韓国は中国による長年の支配を受け、1910年に日本によって併合された」と記されている。
○韓国は東アジアに属しており東南アジアではない。また、朝鮮時代に中国に朝貢はしたが、これは属国を意味するものではない。日本やベトナムも過去に中国に朝貢したことがあるが、中国の属国とは言えないというのがバンクの反論だ。
○バンクまた同書に描かれた朝鮮半島の地図には済州島と鬱陵島、独島が欠けていることも指摘した。
○また、「モンゴル帝国のチンギス・ハーンの死後、高麗がモンゴルの属国になった」(393ページ)、「朝鮮は明の伝統的な従属国だった」(473ページ)などの歪曲された内容も出ているとバンクは批判した。
○この出版物は、Amazonで「編集者が選んだ本:歴史分野ベストブック」(Editor’s Pick:Best History Books)に選ばれるなど米国の注目図書となっており、バンクはこれを憂慮したようだ。
○バンクによると、これ以外にも、200年の歴史のあるアメリカの辞書出版社メリアム・ウェブスターが発行した「メリアム・ウェブスター学生指導書」(新版、2020年)の小学生・中学生用世界地図冊子にも、韓国に関する誤った情報が含まれていると明らかにした。
○この本35ページの世界宗教地図において韓国の宗教は「中国の仏教・道教・儒教」(Chinese religions. Buddhism, Taoism, Confucianism)と書かれているという。
○バンクはこれに対して、これは事実と異なるものであるとし、韓国政府が発行する「韓国の宗教現況報告書」をもとに、現在の韓国には主導的な宗教が存在せず、いわゆる東洋宗教と西洋宗教がほぼ同じ勢力を維持して混在している世界唯一の国であるとバンクは説明した。
○他にも、米国のロッキープレス出版社が出した「子供のための世界史:500の事実(子供のための歴史事実)」では、万里の長城の長さを1万3,170マイル(2万1千196km)と紹介した。これは中国当局が2012年に発表した数字とバンクは指摘し、中国政府は当時、現在の国境を基準に自国領土内にある城はすべて万里の長城だと主張し、高句麗と渤海までを中国の歴史に含める「東北工程」事業を行った。この本は中国の主張にそのまま従っているとバンクは批判している。
○バンクは今回調査した刊行物を出版した出版社に対して、訂正を求める書簡をメールで送り、各国の在外同胞にも是正要請に加わってほしいと訴えた。
<引用終わり>
(*3):清国は同国二代目皇帝時代、即ち17世紀の丁卯条約(三跪九叩頭の礼のあの条約)から朝鮮のことを見ている。
↓
2017/01/31投稿:
憲法9条が韓国をOECD加盟国にした・地政学的基礎編
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-594.html
2019/02/28投稿:
(資料編)「3.1運動100周年」考に関する歴史年表
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1123.html
【ご参考】朝鮮半島の文明的基盤である小中華思想
2018/11/08投稿:
徴用工・韓国「最高裁」判決雑感5Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1049.html
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副題:自分達の思い込みだけが根拠の言い切りしか出来ないVANK。「歴史を忘れた民族には未来はない」とは、正に韓国人自身に向けられた言葉である。
「歴史を忘れた民族には未来はない」との横断幕
日韓サッカー戦で韓国人の観客が「歴史を忘れた民族には未来はない」と書かれた横断幕を掲げた画像をネットで見た方も多いと思う。
調べてみたら、それは2013年7月28日にソウルで行われた東アジア杯の試合でのことだと分かった。当時、その横断幕を見て最初に頭に浮かんだのは「韓国人の自虐ギャグかよ」であった。
掲げている韓国人サポーターにしてみれば、多分、大真面目に「日本が歴史改竄している」と思っているのであろうが、実際は韓国側が史実を誤認している場合が大多数である。
典型的な事例としては「独立門」がある。
話によると韓国人の多くは、このモニュメントは「日帝からの独立を記念した門」だと誤解しているそうだ。
実際は、清の属国だった李氏朝鮮が日清戦争での日本の勝利により清から独立したことを記念して建てられたものだ。それ以前に同地にあった迎恩門が属国であることの象徴的存在であったことから、それを取り壊し新たに独立門を建立したものである。
こんな事は調べれば分かることなのだが、韓国人は検証することが苦手の様で、最初の思い込みを長く信じ続ける性質がある様だ。(*1)
「歴史を忘れた民族には未来はない」とは、正に韓国人自身に向けられた言葉である。
今回の題材は「歴史を知らない韓国人」がVANKと称する団体で活動しており、彼等の「歴史」と異なる史実の提示に対してスパムメールで攻撃をしているとの韓国紙の記事である。(*2)
VANKは何に対して文句を言っているのか?
韓国紙の記事によれば、VANKはナショナルジオグラフィック社他が出版した書籍の記述内容が「韓国人が考える「歴史」」とは異なるとして、抗議メールを送付することを呼び掛けているそうだ。
「抗議メールを皆で送ろう」とはスパム煽動に他ならない。
歴史記述に対して異議があるのならば、学問的に説得力がある論理・史料を提示して訂正を要請すべきなのだが、VANKは、そういう事をせずに声の大きさ=「朝鮮伝統の声闘」や数を頼んでの示威活動を以て「抗議する」とのヤクザ戦法を常用していると見受けられる。
今回、VANKが文句をつけている歴史記述を韓国紙記事から抜粋すると以下の様になる。
↓
<抜粋引用開始>(付番は引用者)
①:「東南アジアに属する韓国は中国による長年の支配を受け、1910年に日本によって併合された」と記されている。韓国は東アジアに属しており東南アジアではない。また、朝鮮時代に中国に朝貢はしたが、これは属国を意味するものではない。
②:また同書に描かれた朝鮮半島の地図には済州島と鬱陵島、独島が欠けていることも指摘した。
③:「モンゴル帝国のチンギス・ハーンの死後、高麗がモンゴルの属国になった」、「朝鮮は明の伝統的な従属国だった」などの歪曲された内容も出ているとバンクは批判した。
④:韓国の宗教は「中国の仏教・道教・儒教」(Chinese religions. Buddhism, Taoism, Confucianism)と書かれているという。
⑤万里の長城の長さを1万3,170マイル(2万1千196km)と紹介した。これは中国当局が2012年に発表した数字とバンクは指摘し、中国政府は当時、現在の国境を基準に自国領土内にある城はすべて万里の長城だと主張し、高句麗と渤海までを中国の歴史に含める「東北工程」事業を行った。この本は中国の主張にそのまま従っているとバンクは批判している。
<引用終わり>
抜粋引用した上記5点のうち「歴史問題」は①、③、⑤の3点である。
②は地図の記載方法の問題である。歴史の本に掲載されていた地図で済州島の様な近接した大きな島が書かれていないのだから、それは概念的な地図である可能性が高く、その様な場合、鬱陵島の様な小さな島は省略されることは珍しくない。ましてや朝鮮半島から遠い竹島が地図になくても、それは許容範囲内だ。我が国日本列島やフィリピンやインドネシアの様な島嶼国の地図で、島の総てが記載されていないと抗議対象だというのは無体な話である。
④は「韓国の宗教」の話であるが、この部分に文句をつけているのは現在の韓国の宗教がどうのこうのと言う話とは関係がない。文句をつけているのは「Chinese religions. Buddhism, Taoism, Confucianism」と書かれているからである。
記事の和訳では「中国の仏教・道教・儒教」としているが、これは「中国の宗教(と同じ)、仏教、道教、儒教」と訳す方が正解だ。要するに「朝鮮半島の宗教は中国由来」=「独自性なし」との記述に怒っているものだ。
「属国」との史実に対して「属国じゃない」と抗議しているVANK
上記のうち①の「東南アジアに属する韓国は中国による長年の支配を受け、1910年に日本によって併合された」に対して韓国人は2つの事を抗議している。
1つは「韓国は東アジアに属しており東南アジアではない」ともっぱら地理的な話で抗議しているものである。
しかし、当該書籍の題名は「目で見る世界の歴史:先史時代から現代まで人類物語」であり、韓国=朝鮮半島を「東南アジア」と表現しているのは、中国(支那)と日本に挟まれた政治的な位置付けで東南アジアと同類と言っているだけである。
もう1つは「中国による長年の支配を受け、1910年に日本によって併合された」との記述に対して、VANKは「朝鮮時代に中国に朝貢はしたが、これは属国を意味するものではない」としているが、これなどは「歴史を知らない韓国人」の典型例である。
最初に書いた「独立門」の話を想い出していただきたい。
独立門は、清の属国だった李氏朝鮮が日清戦争での日本の勝利により清から独立したことを記念して建てられたもにである。その事を示す史料が日本側にも清側にもある。
先ず、日清戦争の講和条約である下関条約の第1条を見れば明らかである。
↓
<下関条約・第1条>
第一條:淸國ハ朝鮮國ノ完全無缺ナル獨立自主ノ國タルコトヲ確認ス因テ右獨立自主ヲ損害スヘキ朝鮮國ヨリ淸國ニ對スル貢獻典禮等ハ將來全ク之ヲ廢止スヘシ
↓
勝手に口語訳1:第1条:清国は、朝鮮が完全に独立国である事を確認する。独立自主を損なう朝鮮国から清国への貢・献上・典礼等は、今後完全に廃止する。
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勝手に口語訳2:朝鮮は清の属国じゃないから。だから、華夷秩序での献上等の属国の責務は今後なくなるから。
<下関条約・第1条紹介終わり>
講和条約の最初の第1条が日清戦争の当事者である日本でも清でもなく「朝鮮は清の属国ではない」と朝鮮のことが書かれている点に注目していただきたい。
朝鮮の独立が第1条に書かれている理由は、それが日清戦争の理由だったからだ。
日清両国は日清戦争開始に際して宣戦布告をしている。
それらを見れば、日清両国が李氏朝鮮は独立国なのか属国なのかでの争いがあったことが分かる。
先ずは、我が国側の宣戦布告を以下に紹介する。
↓
日清戦争の宣戦布告「清国ニ対スル宣戦ノ詔勅」
<日本から清国へ>
「清国ニ対スル宣戦ノ詔勅」明治二十七年八月一日
(前略)朝鮮ハ帝国カ其ノ始ニ啓誘シテ列国ノ伍伴ニ就カシメタル独立ノ一国タリ而シテ清国ハ毎ニ自ラ朝鮮ヲ以テ属邦ト称シ陰ニ陽ニ其ノ内政ニ干渉シ其ノ内乱アルニ於テ口ヲ属邦ノ拯難ニ籍キ兵ヲ朝鮮ニ出シタリ(中略)
帝国ハ是ニ於テ朝鮮ニ勧ムルニ其ノ秕政ヲ釐革シ内ハ治安ノ基ヲ堅クシ外ハ独立国ノ権義ヲ全クセムコトヲ以テシタルニ朝鮮ハ既ニ之ヲ肯諾シタルモ清国ハ終始陰ニ居テ百方其ノ目的ヲ妨碍シ・・・(後略)
<勝手に口語訳>:朝鮮ってのは、日本がそのはじめから、導き誘って1つの独立国として、諸国の仲間とした国だぞ。そうなのに清国は一々「朝鮮は清の属国だぁ」と主張して、陰に陽に朝鮮に対して内政干渉をしている。朝鮮で内乱が起こると、「属国の危機を救う」とかの口実で朝鮮に出兵するなど、酷いことしている。(中略)
日本は、朝鮮に対して、今の朝鮮がやっている空虚な悪政を改革して、朝鮮国内の治安を確保する為の基盤の整備や、独立国としての国家主権の権利と義務の履行をまっとうすることを勧めてきたのよ。ところが、朝鮮が、その勧めを了承して受諾したのにもかかわらず、清国は終始裏から、朝鮮が生まれ変わる為の努力を妨害してるじゃん。
<宣戦布告書の紹介終わり>
今回のポイントは「朝鮮ヲ以テ属邦ト称シ陰ニ陽ニ其ノ内政ニ干渉」の部分である。
口語訳では「清国は一々「朝鮮は清の属国だぁ」と主張して、陰に陽に朝鮮に対して内政干渉をしている」の部分である。
我が国からのこれらの指摘に対して、清国側は以下の様な宣戦布告書で返答をしている。
↓
<清国から日本へ>
日清戦争の際の清皇帝の宣戦布告書(宣戦上諭)抜粋引用
「朝鮮為我大清藩属二百余年歳修職貢為中外所共知」
<勝手に口語訳>
オマエは知らんのか? 朝鮮は、我々大清国の属国なの。それは200年以上前からずっとそうなの。属国だから。そんな事はみんなが知っている常識だから。朝鮮は俺の属国なのに、オマエはアホか?
<清国の返答紹介終わり>
要するに、李氏朝鮮が二枚舌をつかってフラフラとしていたことが日清両国の認知の違いが発生した原因である。それが「朝鮮は属国か独立国か」との日清戦争勃発の原因なのである。
日清両国の宣戦布告書を読むと、我が国は朝鮮を古代から見ており、清国は同国二代目皇帝時代、即ち17世紀の丁卯条約(三跪九叩頭の礼のあの条約(*3))から見ているとの差があり、これは興味深い点である。
見方を変えれば、朝鮮は、少なくとも200年以上も我が国に対して「独立国です」との虚偽を述べていたのであろうと推定されるが、清国皇帝の返答にある様に、朝鮮は200年以上前からずっと清の属国であり、中華文明圏・華夷秩序の世界では「みんなが知っている常識」だったのである。
我が国は聖徳太子の時代に早々と華夷秩序体制の外にあり、「朝鮮は属国」とは考えていなかったものであるが、ナショジオの書籍としては「韓国は中国による長年の支配を受け・・・」と記載することは史実通りだと言えるものである。
ここで紹介した様な史料からすれば韓国VANKが言う「属国じゃない」は間違いであることがお分かりだと思う。
「属国」と書かれると我慢が出来ないの?
VANKで活動している現在の韓国人は、漢字を読めない世代であることから、「大清国属 高麗旗」(清の属国の李氏朝鮮の意)の画像を見ても、それが何を意味しているのか分からないのであろう。
韓国は、これと同じデザインの太極旗を国旗としている。
李氏朝鮮が日清戦争での日本の勝利により、清の属国の立場から脱したことは説明したが、李氏朝鮮が清の属国になる前は明の属国だった。明朝が滅び満州族の清王朝が出来た時、李氏朝鮮は清に服属することを拒んだのだが、清の二代目皇帝・ホンタイジに成敗され服属することを誓うことになった。李氏朝鮮は清の使者を迎恩門で三跪九叩頭の礼を以て出迎えるの「礼儀」となったものである。
李氏朝鮮の成立は中華の地の正当王朝と看做されていた明に柵封され朝鮮王だと認められたもので、明に服属することは「自然」な行為であったのだが、朝鮮半島小中華思想では蛮族扱いであった満州族の王朝に服属することは「秩序に反すること」だとして素直に服属しなかった事から、清からこっぴどい目にあわされたものである。
この様な史実からは、ナショジオの「朝鮮は明の伝統的な従属国だった」はまったくに正しい記述であることが分かると思う。
時間切れである。
万里の長城についても少々述べたかったのだが、かなり長くなったので今回はここまでとする。
何れにせよ、自分達の思い込みだけが根拠の「言い切り」しか出来ないVANKの批判など何等の説得力がないことが分かったと思う。
今回は以上である。
1日1回ポチっとな ↓



【文末脚注】
(*1):こんな事は調べれば分かることなのだが、韓国人は検証することが苦手の様で、最初の思い込みを長く信じ続ける性質がある様だ。
↓
2018/07/31投稿:
事実確認も検証もしない韓国人・カッマーサー像放火
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-989.html
【ご参考】
2019/03/25投稿:
仁川上陸作戦「被害」補償
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1139.html
(*2):今回の題材は「歴史を知らない韓国人」がVANKと称する団体で活動しており、彼等の「歴史」と異なる史実の提示に対してスパムメールで攻撃をしているとの韓国紙の記事である。
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コリア・エコノミクス 2022年1月17日
見出し:◆韓国歴史団体「米有力刊行物が《韓国は東南アジア》と紹介…」「モンゴルや明の属国だったも嘘…在外同胞は是正要請を」
https://korea-economics.jp/posts/22011704/
記事:○韓国の歴史系有力市民団体であるバンク(VANK)は17日、米国の有名出版社が発行した刊行物における韓国の歴史への誤解が深刻であると明らかにした。
○米国の有力出版社であるナショナルジオグラフィック社が出版した「目で見る世界の歴史:先史時代から現代まで人類物語」(2021年刊)の587~588ページには、「東南アジアに属する韓国は中国による長年の支配を受け、1910年に日本によって併合された」と記されている。
○韓国は東アジアに属しており東南アジアではない。また、朝鮮時代に中国に朝貢はしたが、これは属国を意味するものではない。日本やベトナムも過去に中国に朝貢したことがあるが、中国の属国とは言えないというのがバンクの反論だ。
○バンクまた同書に描かれた朝鮮半島の地図には済州島と鬱陵島、独島が欠けていることも指摘した。
○また、「モンゴル帝国のチンギス・ハーンの死後、高麗がモンゴルの属国になった」(393ページ)、「朝鮮は明の伝統的な従属国だった」(473ページ)などの歪曲された内容も出ているとバンクは批判した。
○この出版物は、Amazonで「編集者が選んだ本:歴史分野ベストブック」(Editor’s Pick:Best History Books)に選ばれるなど米国の注目図書となっており、バンクはこれを憂慮したようだ。
○バンクによると、これ以外にも、200年の歴史のあるアメリカの辞書出版社メリアム・ウェブスターが発行した「メリアム・ウェブスター学生指導書」(新版、2020年)の小学生・中学生用世界地図冊子にも、韓国に関する誤った情報が含まれていると明らかにした。
○この本35ページの世界宗教地図において韓国の宗教は「中国の仏教・道教・儒教」(Chinese religions. Buddhism, Taoism, Confucianism)と書かれているという。
○バンクはこれに対して、これは事実と異なるものであるとし、韓国政府が発行する「韓国の宗教現況報告書」をもとに、現在の韓国には主導的な宗教が存在せず、いわゆる東洋宗教と西洋宗教がほぼ同じ勢力を維持して混在している世界唯一の国であるとバンクは説明した。
○他にも、米国のロッキープレス出版社が出した「子供のための世界史:500の事実(子供のための歴史事実)」では、万里の長城の長さを1万3,170マイル(2万1千196km)と紹介した。これは中国当局が2012年に発表した数字とバンクは指摘し、中国政府は当時、現在の国境を基準に自国領土内にある城はすべて万里の長城だと主張し、高句麗と渤海までを中国の歴史に含める「東北工程」事業を行った。この本は中国の主張にそのまま従っているとバンクは批判している。
○バンクは今回調査した刊行物を出版した出版社に対して、訂正を求める書簡をメールで送り、各国の在外同胞にも是正要請に加わってほしいと訴えた。
<引用終わり>
(*3):清国は同国二代目皇帝時代、即ち17世紀の丁卯条約(三跪九叩頭の礼のあの条約)から朝鮮のことを見ている。
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2017/01/31投稿:
憲法9条が韓国をOECD加盟国にした・地政学的基礎編
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-594.html
2019/02/28投稿:
(資料編)「3.1運動100周年」考に関する歴史年表
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1123.html
【ご参考】朝鮮半島の文明的基盤である小中華思想
2018/11/08投稿:
徴用工・韓国「最高裁」判決雑感5Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1049.html
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