社民党2021年 重点政策「移動の権利の保障」・電動車椅子騒動と無人駅
- 2021/09/21
- 20:13
社民党2021年 重点政策「移動の権利の保障」・電動車椅子騒動と無人駅
副題:社民党2021年重点政策のうちの「移動の権利の保障」と今年4月の「JR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動」。この2つを無関係だとするには無理がある。
数週間前の論考「公約の中身と実現可能性・空手形を掲げるのは無責任」(*1)にて、社民党が8月25日に発表した「衆院選公約の土台となる重点政策」の貧相さについて論じた。
国家運営上の重大政策の両輪は外交・国防政策と経済政策なのだが、両輪のうち社民党が外交・国防政策でまともな事を言うはずもなく、先の論考では主として社民党が掲げる経済政策関係について、かえって国民を苦しめる非現実的かつ無謀な政策であることを指摘した。
それで充分だったからであるが、社民党の重点政策は6つの大項目があり、それら各々に小項目があり、小項目の総数は30にもなるので、経済政策以外は割愛した。
前回は割愛したのだが、今回は30ある小項目のうち、23番目の「移動の権利の保障」について取り上げる。(*2)
小項目「移動の権利の保障」には、「無人駅が増えています。」「国鉄から公共交通としての鉄道を引き継いだJRについて、移動の権利保障、安全性や利便性の向上、公共の福祉の観点からチェックし、社会的責任を果たさせます。」との内容が記載されているものである。
しかし「社会的責任を果たさせます。」とはなんとも高圧的な物言いである。
「移動の権利の保障」をあらためて取り上げるのは、今年(2021年)4月のJR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動があり、多くの疑問・疑念が提起されていたのだが、それら疑問・疑念に伊是名は合理的に答えることなく、今般、9月19日付中日新聞コラムに再度、「電車に乗れなかった」との主張を繰り返したことから、その主張と上記の「重点政策・移動の権利の保障」が関連しているのではないか、との疑問が生じたので両件が存在している事実を述べ、紹介するものである。
当該、中日新聞のコラムは、検索してもヒットしないのでネット記事にはなっていない様である。同コラムの内容は、ツイッターやブログ等で、その画像が紹介されているので内容は確認できる。(*3)
このコラムの問題点は、先ず4月のJR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動があり、伊是名の主張の矛盾点やJRの対応の妥当性など多々指摘を受けていたのだが、伊是名は何等の合理的対応をせず、数ヶ月経った9月になって当初の主張(「乗車拒否」との事実歪曲)そのままに東京新聞にコラムを書き、4月以降の矛盾点の指摘他を「誹謗中傷」だと決め付けた問題である。
この件については当方よりも、4月のJR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動当時から詳しく分析・論考している方々がいるので詳細はそちらに譲る(*4)ことにしたい。
尚、4月時点の状況や指摘事項に関しては上記の「詳しい論考」の1つである「令和電子瓦版」を文末脚注の「(*5)」に紹介しておくので、興味ある方は参照願いたい。
今回の電導車椅子騒動と重点政策を時系列で並べると概ね以下の様になる。
↓
2021年4月:JR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動
2021年8月:社民党2021年重点政策発表・「移動の権利の保障」
2021年9月:4月時点での指摘事項を無視した話を東京新聞コラムに書く
この2つを別案件だとするには無理があることはお分かりの事だと思う。
素直に考えれば、社民党がずっとスローガンとして掲げてきたものに「反差別」があるので、重点政策の草案コンセプトとして、「○○差別」の○○を幾つか掲げることをしてきたと記憶している。
今年2021年度の重点政策で言えば、6つある大項目のうち4番目の「ジェンダー平等社会の実現」と5番目の「多様性に富む福祉社会の実現と差別の根絶」である。
それらの小項目に書かれている「○○差別」としては、①女性差別との文脈から「男女平等」、「選択的夫婦別姓導入」、「女性の貧困問題」、「意思決定機関における女性の比率を引き上げ」、「女性への暴力を根絶。性暴力禁止法制定」などが掲げられている。
また、②「性的少数者差別」との文脈から「同性婚を法制化」、「LGBT差別解消法」などが掲げられている。
次には③「外国人差別」との文脈から「共生社会の日本に」「定住外国人に地方参政権」が掲げられている。
そして最後に④「車椅子障害者差別」との、かなりピンポイントの文脈で「移動の権利の保障」が登場する。
社会党時代とかの昔は定番であった「朝鮮人差別」との語句は消え、より範囲を広げた「共生社会」とかの別の語句になっている様である。また、同和問題関係の語句も2021年版には登場していない。以前の定番であった障害者全般を対象にした「障害者差別」も登場せず無人駅云々とのJR来宮駅での騒動に符合する「車椅子障害者差別」との、かなりピンポイントな話が登場する。
これは、多分、社会党内での政策草案検討段階で常任幹事の座にある伊是名のプッシュがあったからであろうと推察される。推察するに充分の関連性・事象コンテキストがあると考えられるものである。
しかし、4月時点で、来宮駅の件に関しては「令和電子瓦版」や鉄道マニアや自身が車椅子を使用しているなどの多数が検証記事などで指摘していたのだが、そういう指摘があたかもなかったかの様な同様趣旨のコラムを9月になって書いてしまうのは、あまりにも不誠実だと考える次第である。
社会インフラのバリアフリー化と同様に鉄道駅の維持もインフラ政策である。
無人駅が絶対的にけしからんとなれば、無人駅を廃止する方向への圧力にも成りかねず、もっと多角的な視点で考えるべき事案だと考えている。
JRに対して「移動の権利保障」との視点だけで「社会的責任を果たさせます」という、上から目線な「政策」は如何なものかと考える次第である。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):数週間前の論考「公約の中身と実現可能性・空手形を掲げるのは無責任」にて、社民党が8月25日に発表した「衆院選公約の土台となる重点政策」の貧相さについて論じた。
↓
2021/09/03投稿:
公約の中身と実現可能性・空手形を掲げるのは無責任
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1552.html
(*2):社民党の重点政策は6つの大項目があり、それら各々に小項目があり、小項目の総数は30にもなるので、経済政策以外は割愛した。前回は割愛したのだが、今回は30ある小項目のうち、23番目の「移動の権利の保障」について取り上げる。
↓
社民党HP 2021年 重点政策
https://sdp.or.jp/priority-policy-2021/
1.新型コロナ感染症災害からの生活再建
1)消費税3年間ゼロ、財源は内部留保への課税
2)大企業・富裕層への課税強化と社会保険料の軽減
3)公的責任を強化。休業要請は保障とセットで
4)利用しやすい生活保護制度に変える
5)医療機関、介護・医療従事者を支援。地域医療を守る
2.格差・貧困の解消
6)非正規雇用に歯止め。雇用の安定を実現
7)最低賃金を全国一律1500円/時に引き上げ
8)高等教育までの教育費の無償化。奨学金は原則給付型
9)75歳以上の高齢者医療費負担2倍化反対
3.地球環境と人間の共生
10)「原発ゼロ基本法案」成立を。老朽原発再稼働反対
11)福島第一原発汚染水海洋放出反対。生活保障と被曝管理
12)2050年までに温暖化ガスゼロ、グリーンリカバリー
13)漁業法、種苗法改悪に反対。食糧自給率50%に
14)防災・減災に向けたインフラ整備
4.ジェンダー平等社会の実現
15)男女平等、選択的夫婦別姓導入、世帯主義から個人主義へ
16)女性の貧困問題、自殺対策。「生理の貧困」問題解決
17)意思決定機関における女性の比率を引き上げ
18)女性への暴力を根絶。性暴力禁止法制定
5.多様性に富む福祉社会の実現と差別の根絶
19)実効性のある包括的差別禁止法をつくる
20)同性婚を法制化、LGBT差別解消法
21)子どもの権利基本法制定
22)共生社会の日本に、定住外国人に地方参政権
23)移動の権利の保障 ←★★★
24)公権力の管理・監視強化から個人情報と権利をまもる
6.平和外交で日本とアジアの平和を目指す
25)憲法改悪反対。憲法をくらしに活かす政治を実現
26)安保法制、秘密保護法、共謀罪法、重要土地調査規制法廃止
27)普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念を
28)日米地位協定改定。対等・平等な日米平和友好条約に転換
29)南西諸島や馬毛島の軍事基地化に反対
30)平和外交で北東アジア非核平和地帯を。核兵器禁止条約に加入
資料編
<23)移動の権利の保障の記述から引用>
23)移動の権利の保障
○地方の過疎化、各鉄道事業者の経営合理化によって無人駅が増えています。総駅数に占める無人駅の割合は2019年度には48.2%(9,465駅中4,564駅)です。また利用者の少ない路線の廃止が地域住民の生活を脅かしています。
○国鉄から公共交通としての鉄道を引き継いだJRについて、移動の権利保障、安全性や利便性の向上、公共の福祉の観点からチェックし、社会的責任を果たさせます。
○「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)の実効性を高め、地方地域のバリアフリー化の推進、バリアフリー車両開発の財政支援、現場での人員配置の強化、可動式ホーム柵やホームドアの設置促進、駅内と駅をつなぐ道路の階段や段差の解消を推進します。交通政策基本法に移動の権利を明記させます。地域住民、そして高齢者、障がい者、子どもなど、「交通弱者」となりやすい人びとの意見を交通政策に反映させます。
※文末に棒グラフと円グラフの2点があるのだが、棒グラフの項目名の記載がないなど不十分な為に文字起こし他を省略する。
<引用終わり>
(*3):9月19日付中日新聞コラムは検索してもヒットしないのでネット記事にはなっていない様である。同コラムの内容はツイッターやブログ等で、その画像が紹介されているので内容は確認できる。
↓
<画像その1(全体)>
https://twitter.com/suke302/status/1439364978473979908/photo/1
<画像その2(一部)>
https://www.google.com/imgres?imgurl=https%3A%2F%2Fpbs.twimg.com%2Fmedia%2FE_mh_HOUcAEZVco.jpg&imgrefurl=https%3A%2F%2Ftwitter.com%2Fn0RCfXp6Eig1o2X%2Fstatus%2F1439681867381235712&tbnid=cDwGT8yjRAn_2M&vet=12ahUKEwiXioDJ6Y7zAhXvyIsBHSP2DPYQMygCegQIARAY..i&docid=mN-deNVgHVnMnM&w=1200&h=905&itg=1&q=%E4%BC%8A%E6%98%AF%E5%90%8D%E5%A4%8F%E5%AD%90%E3%80%80%E4%B8%AD%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E3%80%80%E6%88%91%E6%85%A2%E3%82%92%E7%BE%8E%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84&ved=2ahUKEwiXioDJ6Y7zAhXvyIsBHSP2DPYQMygCegQIARAY
(*4):この件については当方よりも、4月のJR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動当時から詳しく分析・論考している方々がいるので詳細はそちらに譲る
↓
<●ブログ:その1>
事実を整える
Nathan(ねーさん)法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。
2021-09-20
表題:◆伊是名夏子「電車に乗れなかった」と中日新聞に虚偽投稿?
https://www.jijitsu.net/entry/Izenanatsuko-densya-kyogitoukou
INDEX
・伊是名夏子「電車に乗れなかった」と中日新聞に虚偽投稿?
・100kgの電動車椅子だったという点を書いていない
・JRの案内は車椅子ユーザーにとって最適だったのに
・乗車拒否として受け取られる「対応」が問題視され通知が発送
※本文略
【ご参考】同氏のツイッター
Nathan(ねーさん) @Nathankirinoha
https://twitter.com/Nathankirinoha/status/1439768190481932291
○伊是名夏子「電車に乗れなかった」と中日新聞に虚偽投稿?
○中日新聞の投稿では「電車に乗れなかった」とだけ書かれており、事件の内容を説明して「事実上の乗車拒否」と表現しているのではないから、一般の読者にとっては全く異なる事実関係を想起させる悪質な内容です。
-上記ブログの紹介url-
午前10:47 • 2021年9月20日(引用終わり)
<●ブログ:その2>
令和電子瓦版 2021年9月19日
表題:◆伊是名夏子氏の行為を忘れないために
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210919-02/
記事:○社民党常任幹事、コラムニストの伊是名夏子氏が中日新聞に連載中のコラム「障害者は四葉のクローバー」に9月19日、最新記事が掲載された。自身への誹謗中傷が止まないことを嘆き、攻撃をやめさせるように一緒に戦ってくれという内容。謝罪も反省もせずに、被害者のように振る舞い続けるから批判されることを、今でも理解できていないようである。(以下略・上記urlリンクでお読みいただきたい)
【ご参考】同氏のツイッター
令和電子瓦版(代表:松田隆) @DUby0p5UODEbNC6
https://twitter.com/DUby0p5UODEbNC6/status/1439553900151918595
○伊是名夏子氏が中日新聞に最新のコラムを掲載しました。
○事実ではないことを前提に、自分が誹謗中傷を受けているとするもの。
○面倒ですが、いちいち反論していきます。虚偽の事実を主張し続けて既成事実化しようとする試みを許さない覚悟です。
-上記ブログの紹介url-
午後8:36 • 2021年9月19日•
<引用終わり>
(*5):「令和電子瓦版」の4月当時の指摘事項
↓
令和電子瓦版
2021年4月5日
車椅子利用者 JRへの過大要求に不快感
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210405/
2021年4月7日
伊是名氏の言い訳破綻 タクシー会社に聞いた
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210407/
2021年4月14日
伊是名氏の計算違いか 自民・熱海市議に聞く
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210414/
2021年4月27日
社民党「伊是名氏に謝れ」声明の論理破綻
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210427/
etc.
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副題:社民党2021年重点政策のうちの「移動の権利の保障」と今年4月の「JR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動」。この2つを無関係だとするには無理がある。
社民党の2021年重点政策
数週間前の論考「公約の中身と実現可能性・空手形を掲げるのは無責任」(*1)にて、社民党が8月25日に発表した「衆院選公約の土台となる重点政策」の貧相さについて論じた。
国家運営上の重大政策の両輪は外交・国防政策と経済政策なのだが、両輪のうち社民党が外交・国防政策でまともな事を言うはずもなく、先の論考では主として社民党が掲げる経済政策関係について、かえって国民を苦しめる非現実的かつ無謀な政策であることを指摘した。
それで充分だったからであるが、社民党の重点政策は6つの大項目があり、それら各々に小項目があり、小項目の総数は30にもなるので、経済政策以外は割愛した。
前回は割愛したのだが、今回は30ある小項目のうち、23番目の「移動の権利の保障」について取り上げる。(*2)
小項目「移動の権利の保障」には、「無人駅が増えています。」「国鉄から公共交通としての鉄道を引き継いだJRについて、移動の権利保障、安全性や利便性の向上、公共の福祉の観点からチェックし、社会的責任を果たさせます。」との内容が記載されているものである。
しかし「社会的責任を果たさせます。」とはなんとも高圧的な物言いである。
社民党常任幹事・伊是名夏子の中日新聞コラム
「移動の権利の保障」をあらためて取り上げるのは、今年(2021年)4月のJR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動があり、多くの疑問・疑念が提起されていたのだが、それら疑問・疑念に伊是名は合理的に答えることなく、今般、9月19日付中日新聞コラムに再度、「電車に乗れなかった」との主張を繰り返したことから、その主張と上記の「重点政策・移動の権利の保障」が関連しているのではないか、との疑問が生じたので両件が存在している事実を述べ、紹介するものである。
当該、中日新聞のコラムは、検索してもヒットしないのでネット記事にはなっていない様である。同コラムの内容は、ツイッターやブログ等で、その画像が紹介されているので内容は確認できる。(*3)
このコラムの問題点は、先ず4月のJR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動があり、伊是名の主張の矛盾点やJRの対応の妥当性など多々指摘を受けていたのだが、伊是名は何等の合理的対応をせず、数ヶ月経った9月になって当初の主張(「乗車拒否」との事実歪曲)そのままに東京新聞にコラムを書き、4月以降の矛盾点の指摘他を「誹謗中傷」だと決め付けた問題である。
この件については当方よりも、4月のJR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動当時から詳しく分析・論考している方々がいるので詳細はそちらに譲る(*4)ことにしたい。
尚、4月時点の状況や指摘事項に関しては上記の「詳しい論考」の1つである「令和電子瓦版」を文末脚注の「(*5)」に紹介しておくので、興味ある方は参照願いたい。
社民党常任幹事・伊是名夏子の電導車椅子騒動と社民党の重点政策
今回の電導車椅子騒動と重点政策を時系列で並べると概ね以下の様になる。
↓
2021年4月:JR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動
2021年8月:社民党2021年重点政策発表・「移動の権利の保障」
2021年9月:4月時点での指摘事項を無視した話を東京新聞コラムに書く
この2つを別案件だとするには無理があることはお分かりの事だと思う。
素直に考えれば、社民党がずっとスローガンとして掲げてきたものに「反差別」があるので、重点政策の草案コンセプトとして、「○○差別」の○○を幾つか掲げることをしてきたと記憶している。
今年2021年度の重点政策で言えば、6つある大項目のうち4番目の「ジェンダー平等社会の実現」と5番目の「多様性に富む福祉社会の実現と差別の根絶」である。
それらの小項目に書かれている「○○差別」としては、①女性差別との文脈から「男女平等」、「選択的夫婦別姓導入」、「女性の貧困問題」、「意思決定機関における女性の比率を引き上げ」、「女性への暴力を根絶。性暴力禁止法制定」などが掲げられている。
また、②「性的少数者差別」との文脈から「同性婚を法制化」、「LGBT差別解消法」などが掲げられている。
次には③「外国人差別」との文脈から「共生社会の日本に」「定住外国人に地方参政権」が掲げられている。
そして最後に④「車椅子障害者差別」との、かなりピンポイントの文脈で「移動の権利の保障」が登場する。
社会党時代とかの昔は定番であった「朝鮮人差別」との語句は消え、より範囲を広げた「共生社会」とかの別の語句になっている様である。また、同和問題関係の語句も2021年版には登場していない。以前の定番であった障害者全般を対象にした「障害者差別」も登場せず無人駅云々とのJR来宮駅での騒動に符合する「車椅子障害者差別」との、かなりピンポイントな話が登場する。
これは、多分、社会党内での政策草案検討段階で常任幹事の座にある伊是名のプッシュがあったからであろうと推察される。推察するに充分の関連性・事象コンテキストがあると考えられるものである。
しかし、4月時点で、来宮駅の件に関しては「令和電子瓦版」や鉄道マニアや自身が車椅子を使用しているなどの多数が検証記事などで指摘していたのだが、そういう指摘があたかもなかったかの様な同様趣旨のコラムを9月になって書いてしまうのは、あまりにも不誠実だと考える次第である。
社会インフラのバリアフリー化と同様に鉄道駅の維持もインフラ政策である。
無人駅が絶対的にけしからんとなれば、無人駅を廃止する方向への圧力にも成りかねず、もっと多角的な視点で考えるべき事案だと考えている。
JRに対して「移動の権利保障」との視点だけで「社会的責任を果たさせます」という、上から目線な「政策」は如何なものかと考える次第である。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):数週間前の論考「公約の中身と実現可能性・空手形を掲げるのは無責任」にて、社民党が8月25日に発表した「衆院選公約の土台となる重点政策」の貧相さについて論じた。
↓
2021/09/03投稿:
公約の中身と実現可能性・空手形を掲げるのは無責任
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1552.html
(*2):社民党の重点政策は6つの大項目があり、それら各々に小項目があり、小項目の総数は30にもなるので、経済政策以外は割愛した。前回は割愛したのだが、今回は30ある小項目のうち、23番目の「移動の権利の保障」について取り上げる。
↓
社民党HP 2021年 重点政策
https://sdp.or.jp/priority-policy-2021/
1.新型コロナ感染症災害からの生活再建
1)消費税3年間ゼロ、財源は内部留保への課税
2)大企業・富裕層への課税強化と社会保険料の軽減
3)公的責任を強化。休業要請は保障とセットで
4)利用しやすい生活保護制度に変える
5)医療機関、介護・医療従事者を支援。地域医療を守る
2.格差・貧困の解消
6)非正規雇用に歯止め。雇用の安定を実現
7)最低賃金を全国一律1500円/時に引き上げ
8)高等教育までの教育費の無償化。奨学金は原則給付型
9)75歳以上の高齢者医療費負担2倍化反対
3.地球環境と人間の共生
10)「原発ゼロ基本法案」成立を。老朽原発再稼働反対
11)福島第一原発汚染水海洋放出反対。生活保障と被曝管理
12)2050年までに温暖化ガスゼロ、グリーンリカバリー
13)漁業法、種苗法改悪に反対。食糧自給率50%に
14)防災・減災に向けたインフラ整備
4.ジェンダー平等社会の実現
15)男女平等、選択的夫婦別姓導入、世帯主義から個人主義へ
16)女性の貧困問題、自殺対策。「生理の貧困」問題解決
17)意思決定機関における女性の比率を引き上げ
18)女性への暴力を根絶。性暴力禁止法制定
5.多様性に富む福祉社会の実現と差別の根絶
19)実効性のある包括的差別禁止法をつくる
20)同性婚を法制化、LGBT差別解消法
21)子どもの権利基本法制定
22)共生社会の日本に、定住外国人に地方参政権
23)移動の権利の保障 ←★★★
24)公権力の管理・監視強化から個人情報と権利をまもる
6.平和外交で日本とアジアの平和を目指す
25)憲法改悪反対。憲法をくらしに活かす政治を実現
26)安保法制、秘密保護法、共謀罪法、重要土地調査規制法廃止
27)普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念を
28)日米地位協定改定。対等・平等な日米平和友好条約に転換
29)南西諸島や馬毛島の軍事基地化に反対
30)平和外交で北東アジア非核平和地帯を。核兵器禁止条約に加入
資料編
<23)移動の権利の保障の記述から引用>
23)移動の権利の保障
○地方の過疎化、各鉄道事業者の経営合理化によって無人駅が増えています。総駅数に占める無人駅の割合は2019年度には48.2%(9,465駅中4,564駅)です。また利用者の少ない路線の廃止が地域住民の生活を脅かしています。
○国鉄から公共交通としての鉄道を引き継いだJRについて、移動の権利保障、安全性や利便性の向上、公共の福祉の観点からチェックし、社会的責任を果たさせます。
○「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)の実効性を高め、地方地域のバリアフリー化の推進、バリアフリー車両開発の財政支援、現場での人員配置の強化、可動式ホーム柵やホームドアの設置促進、駅内と駅をつなぐ道路の階段や段差の解消を推進します。交通政策基本法に移動の権利を明記させます。地域住民、そして高齢者、障がい者、子どもなど、「交通弱者」となりやすい人びとの意見を交通政策に反映させます。
※文末に棒グラフと円グラフの2点があるのだが、棒グラフの項目名の記載がないなど不十分な為に文字起こし他を省略する。
<引用終わり>
(*3):9月19日付中日新聞コラムは検索してもヒットしないのでネット記事にはなっていない様である。同コラムの内容はツイッターやブログ等で、その画像が紹介されているので内容は確認できる。
↓
<画像その1(全体)>
https://twitter.com/suke302/status/1439364978473979908/photo/1
<画像その2(一部)>
https://www.google.com/imgres?imgurl=https%3A%2F%2Fpbs.twimg.com%2Fmedia%2FE_mh_HOUcAEZVco.jpg&imgrefurl=https%3A%2F%2Ftwitter.com%2Fn0RCfXp6Eig1o2X%2Fstatus%2F1439681867381235712&tbnid=cDwGT8yjRAn_2M&vet=12ahUKEwiXioDJ6Y7zAhXvyIsBHSP2DPYQMygCegQIARAY..i&docid=mN-deNVgHVnMnM&w=1200&h=905&itg=1&q=%E4%BC%8A%E6%98%AF%E5%90%8D%E5%A4%8F%E5%AD%90%E3%80%80%E4%B8%AD%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E3%80%80%E6%88%91%E6%85%A2%E3%82%92%E7%BE%8E%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84&ved=2ahUKEwiXioDJ6Y7zAhXvyIsBHSP2DPYQMygCegQIARAY
(*4):この件については当方よりも、4月のJR来宮駅での伊是名の電導車椅子騒動当時から詳しく分析・論考している方々がいるので詳細はそちらに譲る
↓
<●ブログ:その1>
事実を整える
Nathan(ねーさん)法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。
2021-09-20
表題:◆伊是名夏子「電車に乗れなかった」と中日新聞に虚偽投稿?
https://www.jijitsu.net/entry/Izenanatsuko-densya-kyogitoukou
INDEX
・伊是名夏子「電車に乗れなかった」と中日新聞に虚偽投稿?
・100kgの電動車椅子だったという点を書いていない
・JRの案内は車椅子ユーザーにとって最適だったのに
・乗車拒否として受け取られる「対応」が問題視され通知が発送
※本文略
【ご参考】同氏のツイッター
Nathan(ねーさん) @Nathankirinoha
https://twitter.com/Nathankirinoha/status/1439768190481932291
○伊是名夏子「電車に乗れなかった」と中日新聞に虚偽投稿?
○中日新聞の投稿では「電車に乗れなかった」とだけ書かれており、事件の内容を説明して「事実上の乗車拒否」と表現しているのではないから、一般の読者にとっては全く異なる事実関係を想起させる悪質な内容です。
-上記ブログの紹介url-
午前10:47 • 2021年9月20日(引用終わり)
<●ブログ:その2>
令和電子瓦版 2021年9月19日
表題:◆伊是名夏子氏の行為を忘れないために
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210919-02/
記事:○社民党常任幹事、コラムニストの伊是名夏子氏が中日新聞に連載中のコラム「障害者は四葉のクローバー」に9月19日、最新記事が掲載された。自身への誹謗中傷が止まないことを嘆き、攻撃をやめさせるように一緒に戦ってくれという内容。謝罪も反省もせずに、被害者のように振る舞い続けるから批判されることを、今でも理解できていないようである。(以下略・上記urlリンクでお読みいただきたい)
【ご参考】同氏のツイッター
令和電子瓦版(代表:松田隆) @DUby0p5UODEbNC6
https://twitter.com/DUby0p5UODEbNC6/status/1439553900151918595
○伊是名夏子氏が中日新聞に最新のコラムを掲載しました。
○事実ではないことを前提に、自分が誹謗中傷を受けているとするもの。
○面倒ですが、いちいち反論していきます。虚偽の事実を主張し続けて既成事実化しようとする試みを許さない覚悟です。
-上記ブログの紹介url-
午後8:36 • 2021年9月19日•
<引用終わり>
(*5):「令和電子瓦版」の4月当時の指摘事項
↓
令和電子瓦版
2021年4月5日
車椅子利用者 JRへの過大要求に不快感
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210405/
2021年4月7日
伊是名氏の言い訳破綻 タクシー会社に聞いた
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210407/
2021年4月14日
伊是名氏の計算違いか 自民・熱海市議に聞く
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210414/
2021年4月27日
社民党「伊是名氏に謝れ」声明の論理破綻
https://reiwa-kawaraban.com/society/20210427/
etc.
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