特定野党4党と「市民連合」の共通政策の中身と実現可能性(後編)Final
- 2021/09/16
- 22:20
特定野党4党と「市民連合」の共通政策の中身と実現可能性(後編)Final
副題:これが「公約」なのか?国家運営に必須の経済・金融・税制に対する政策や外交防衛政策への言及が貧弱すぎる。立共倒れ特定野党4党の「共通政策」の反日ぶりを提示する。
今回でFinalである。前編と中編は以下の通りである。
↓
○前編:2021/09/12投稿:
特定野党4党と「市民連合」の共通政策の中身と実現可能性(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1557.html
○中編:2021/09/14投稿:
特定野党4党と「市民連合」の共通政策の中身と実現可能性(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1558.html
「共通政策」の6つの大項目のうち、前回中編迄に3つについて論じた。今回は4つ目からである。
4つ目の大項目は「地球環境を守るエネルギー転換」と「地域分散型経済システムへの移行」との2つの事が書かれている。何故、別物をくっつけて1つの大項目にしているのか?との疑問があるのだが、小項目を見ても不明である。
↓
<「提言」から抜粋引用>(小項目への付番は引用者)
●4 地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行
・①再生可能エネルギーの拡充により、石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追求する。
・②エネルギー転換を軸としたイノベーションと地域における新たな産業を育成する。
・③自然災害から命とくらしを守る政治の実現。
・④農林水産業への支援を強め、食料安全保障を確保する。
<引用終わり>
最初の①の「原発のない脱炭素社会」とは、所謂「原発ゼロ」とのスローガンそのものである。
枝野が以前から言っている「原発ゼロ」(*1)の正体は「反原発ありき」だけであり、我が国のエネルギー事情を考えたものではない。原発をゼロにした場合に発生する諸問題としては以下があるが、それに対する現実的対応策は提示されない。
↓
1)24時間365日安定的に電力を供給し続ける基盤発電施設のエネルギー源である石油・LNGの輸入価格負担問題
2)代替発電施設に再生可能エネルギー発電を選択しても、24時間365日の安定供給は実現できない。
3)再生可能エネルギー発電を主要発電にすると、電気代が増加して、個人・産業にとってはマイナスとなる
4)現実的に原発を代替するのは火力発電しかなく、CO2削減との別の環境目標と相反する。
しかし、立憲民主党・枝野は「需要に見合う量の発電」、「24時間365日の安定供給」、「コスト問題」の総てを情緒的な「自然エネルギー」に押し付け、定量的な問題、技術的問題、再生可能エネルギー発電側が宿命的に背負う問題等に一切触れていない無責任なものになっているのである。その無責任さそのままなのが「共通公約」なのである。
また「石炭火力から脱却し」も原発ゼロと同様の雰囲気政策である。「石炭火力=炭素排出量が多い」なるイメージのみが先行し、我が国石炭火力が高効率の超々臨界圧発電方式で実施していることは語られない。(*2)
同様、以降の②~④も具体的なことは何も言っていないので、論じる迄もない
大項目の5つ目は「自由で公平な社会の実現」であるが、それが「ジェンダー視点」によるものだとしている。
「ジェンダー視点」との新造語の意味は「性差別、性別による固定的役割分担、偏見等が社会的に作られたものであることを意識していこうとする視点」だそうだ。
当方の考え方としては【生物的性別差の存在により、実生活の集積の結果に基づき生じた社会的役割分担は存在するが、その総てが「性差別」であるかの様な決め付けは危険な考え方だ】である。
この様な考え方からは、この「共通公約」は「なんでもかんでも性差別」との片方だけの考え方を押し付けているものと考える。
「共通公約」の5つ目の小項目は以下の通りであるが、押し付け感が強いものだと思う。
↓
<「提言」から抜粋引用>(小項目への付番は引用者)
●5 ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現
・①ジェンダー、人種、年齢、障がいなどによる差別を許さないために選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法などを成立させるとともに、女性に対する性暴力根絶に向けた法整備を進める。
・②ジェンダー平等をめざす視点から家族制度、雇用制度などに関する法律を見直すとともに、保育、教育、介護などの対人サービスへの公的支援を拡充する。
・③政治をはじめとした意思決定の場における女性の過少代表を解消するため、議員間男女同数化(パリテ)を推進する。
<引用終わり>
小項目の①は「選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法などを成立させる」とあり、後半には「女性に対する性暴力根絶に向けた法整備」とある。
後段の「女性に対する性暴力」は、法的に「女性に限定」する話では別の悪影響が大きい話である。「痴漢冤罪事件」を想起していただければ良い。
「女性に対する」とかの男女の区分ではなく「性暴力」に対する重罪化や暴力一般を含む粗暴犯罪の防止を目指す中で一緒に改善していく問題だと考えている。(*3)
前段の「選択的夫婦別姓制度」「LGBT平等法」は実は憲法問題である。
選択的夫婦別姓に関しては以前の論考で、最高裁判例で民法の夫婦同姓規定は合憲となっており(*4)、また、LGBT法案での同性婚問題は現行憲法第24条の改正が必要(*5)である旨を指摘している様に、憲法改正議論を避けて通れないものである。
そうであるにも関わらず、6つある大項目の最初の大項目は「憲法に基づく云々」であり、改憲阻止を公約の最初に持ってきているのである。
本気で夫婦別姓やLGBT同姓婚を制度化したいのだったら、それらの関係条項に対する憲法改正を言いだすのが本来的立憲主義の姿のはずなのだが、憲法改正は特定野党や「市民」にとってタブーであることから、上記した点には触れられていないものだ。
要するに、実現性に問題ありということだ。
次の②は「ジェンダー平等」である。
「ジェンダー平等」なる新造語が最初に登場したのは、民進党解党時に当時小池百合子新党だった「希望の党」への合流を拒否された民主党=民進党のドサヨク分子が急遽立ち上げた立憲民主党が最初である。
この語句は2019年11月に共産党が15年ぶりに綱領を改訂した際に新たに入れ込んだ語句であり、渾身の「野党共闘」のキーワードになっているものである。(*6)
しかし言っていることは①と同様であり、別途小項目を設定する必要性はない。
多分「ヘンダー平等」とのキーワードを入れたいだけの項目であろう。
そして③の「議員間男女同数化」との「公約」は男女比の結果だけに注目するもので、議員の能力や見識といった、従前からの正当な判断基準とは異なるである「女だから同数まで優遇」との行き過ぎた「別の基準」を設定するもので、男女平等原則に反するものである。
6つの大項目の最後は、特定野党及びその支持者達が異常な認知バイアスに陥っていることが分かるものである。
以下に引用した小項目を見ていただければ分かる通り、火のない所に煙を立てて騒ぐモリカケ桜をやるぞ、我が国の学術を麻痺させている学術会議の会員任命に不満があるとクリンチしているものである。情けない「公約」である。
↓
<「提言」から抜粋引用>(小項目への付番は引用者)
●6 権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する
・①森友・加計問題、桜を見る会疑惑など、安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について、真相究明を行う。
・②日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命する。
・③内閣人事局のあり方を見直し、公正な公務員人事を確立する。
<引用終わり>
前述した通り、①のモリカケ桜とは難癖であり、まともな国会審議をさせない為のネタでしかない。安倍政権下、特定野党は健全野党としての責務を放棄し続けたが、その際に用いたのがモリカケ桜である。
国民の為に役に立つ様に、経済や外交防衛の重要政策で、よりよき対案を提示して審議するのが野党の役目なのだが、そもそも特定野党は日本と日本人がお嫌いなので、「国民の為に役に立つ国会審議」をする意志も能力もない。
やっている事は、結論が出た話でも「俺達は納得していない」(*7)として延々と同じ事を繰り返し、やるべき審議をさせないとの「這っても黒豆」戦法を使い続けているのである。国会お邪魔虫なのである。
②の学術会議については、昨年(2020年)10月に学術会議会員の任命に関して、反学術的な人物をガースー総理が任命しなかった事で、反日戦力が大騒ぎした事で話題になったのでご記録の方も多いと思う。以前の論考(*8)で指摘している通り、自分達の身勝手な活動を棚に上げ、あたかも学術会議側が推薦した会員候補者を任命しなかったガースー総理をやり玉にあげる身勝手なものであった。
その身勝手な要求を「共通公約」にしているのである。
学術会議は反日勢力の牙城になっており、学問の追求よりも反日との政治性を優先させる困った組織であり、当方は2017年当時から、学術会議の問題点を指摘している。(*9)
反日との政治性を優先する様な人物を学術会議の会員に任命しないのは法的にも問題ないのだが、あたかもガースーの横暴であるかの様なレッテル貼りをしていたのがカタカナ表記「サヨク」勢力達であった。
要するに、この「共通公約」の正体は、「そういう勢力」のスローガンが羅列されているだけのものだ。
最初の前編でも書いたのだが、この「共通公約」は国家運営に必須の経済・金融・税制に対する政策や外交防衛政策への言及が貧弱すぎるものである。
内容は、もっぱら特定野党の政府攻撃材料の羅列でしかなく、こんな「公約」で国家運営をされたら、不幸になるのは我々国民である。
時間切れである今回は以上でFinalとする。
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【文末脚注】
(*1):枝野が以前から言っている「原発ゼロ」の正体とは「反原発ありき」であり、我が国のエネルギー事情を考えたものではない。
↓
2017/10/20投稿:
立憲民主党の選挙公約を読む2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-784.html
2019/06/28投稿:
日本人を不幸にする立憲民主党の公約2(原発ゼロ編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1207.html
【ご参考】
2020/10/19投稿:
福島第一原発処理水の処理開始を歓迎する・不安を煽るのは「奴等」の常套手段
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1432.html
(*2):「石炭火力から脱却し」も原発ゼロと同様の雰囲気政策である。「石炭火力=炭素排出量が多い」なるイメージのみが先行し、我が国石炭火力が高効率の超々臨界圧発電方式で実施していることは語られない。
↓
2020/01/25投稿:
新聞記事の軸足の置き方・日本の高効率石炭火力発電技術
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1314.html
2021/01/08投稿:
上面を舐めるだけ記事「ベトナム・ブンアン2石炭火力発電所案件」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1456.html
(*3):「女性に対する」とかの男女の区分ではなく「性暴力」に対する重罪化や暴力一般を含む粗暴犯罪の防止を目指す中で一緒に改善していく問題だと考えている。
↓
2019/03/22投稿:
被害者となる可能性がある一般国民の安全の確保
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1138.html
(*4):選択的夫婦別姓に関しては以前の論考で、最高裁判例で民法の夫婦同姓規定は合憲となっていることを指摘している。
↓
2021/09/06投稿:
最高裁判例・夫婦別姓は合憲
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1554.html
(*5):LGBT法での同性婚問題は現行憲法第24条の改正が必要である旨を指摘している。
↓
2021/07/08投稿:
現行憲法第24条・婚姻等に関する基本原則について(LGBT法案・憲法編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1529.html【ご参考】
2021/07/05投稿:
現行憲法第24条・婚姻等に関する基本原則について(LGBT法案・基礎編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1528.html
(*6):「ジェンダー平等」なる新造語は2019年11月に共産党が15年ぶりに綱領を改訂した際に新たに入れ込んだ語句であり、渾身の「野党共闘」のキーワードになっているものである。
↓
2020/01/03投稿:
日共の綱領改定・文言のUpdateが主で二段階革命論は堅持(変更点個別編2)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1303.html
(*7):国民の為に役に立つ様に、経済や外交防衛の重要政策で、よりよき対案を提示して審議するのが野党の役目なのだが、そもそも特定野党は日本と日本人がお嫌いなので、「国民の為に役に立つ国会審議」をする意志も能力もない。やっている事は、結論が出た話でも「俺達は納得していない」として延々と同じ事を繰り返し、やるべき審議をさせないとの「這っても黒豆」戦法を使い続けているのである。
↓
2018/03/28投稿:
這っても黒豆
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-892.html
【ご参考】
<森友>
2018/03/29投稿:
野党議員の印象操作発言及びそれを拡散する偏向マスコミ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-893.html
2018/04/16投稿:
「当初目的」から論点が外れている
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-907.html<加計>
2017/06/12投稿:
非論理的な言い掛かりが蔓延している。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-691.html
2017/07/22投稿:
最近のニュースの「報道しない自由」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-717.html
(*8):学術会議については、昨年(2020年)10月に学術会議会員の任命に関して、反学術的な人物をガースー総理が任命しなかった事で、反日戦力が大騒ぎした事で話題になったのでご記録の方も多いと思う。以前の論考で指摘している通り、自分達の身勝手な活動を棚に上げ、あたかも学術会議側が推薦した会員候補者を任命しなかったガースー総理をやり玉にあげる身勝手なものであった。
↓
2020/10/02投稿:
偽りの設定「学問の自由」・むしろ技術研究を妨害していたのは学術会議の委員会
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1426.html
2020/10/05投稿:
続報・むしろ技術研究を妨害していたのは学術会議の小委員会
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1427.html
2020/10/07投稿:
宇都宮健児は宮沢俊義と同じ不見識・日本学術会議
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1428.html
2020/10/15投稿:
続・宇都宮健児の不見識・日本学術会議
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1431.html
(*9):学術会議は反日勢力の牙城になっており、学問の追求よりも反日との政治性を優先させる困った組織であり、当方は2017年当時から、学術会議の問題点を指摘している。
↓
2017/03/15投稿:
日本学術会議「安全保障と学術に関する検討委員会」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-628.html
2017/04/27投稿:
「曲学阿世」にさえなってない浮世離れ・学術会議
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-658.html
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副題:これが「公約」なのか?国家運営に必須の経済・金融・税制に対する政策や外交防衛政策への言及が貧弱すぎる。立共倒れ特定野党4党の「共通政策」の反日ぶりを提示する。
今回でFinalである。前編と中編は以下の通りである。
↓
○前編:2021/09/12投稿:
特定野党4党と「市民連合」の共通政策の中身と実現可能性(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1557.html
○中編:2021/09/14投稿:
特定野党4党と「市民連合」の共通政策の中身と実現可能性(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1558.html
「共通政策」の中身と実現可能性について
「共通政策」の中身「4地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行」
「共通政策」の6つの大項目のうち、前回中編迄に3つについて論じた。今回は4つ目からである。
4つ目の大項目は「地球環境を守るエネルギー転換」と「地域分散型経済システムへの移行」との2つの事が書かれている。何故、別物をくっつけて1つの大項目にしているのか?との疑問があるのだが、小項目を見ても不明である。
↓
<「提言」から抜粋引用>(小項目への付番は引用者)
●4 地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行
・①再生可能エネルギーの拡充により、石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追求する。
・②エネルギー転換を軸としたイノベーションと地域における新たな産業を育成する。
・③自然災害から命とくらしを守る政治の実現。
・④農林水産業への支援を強め、食料安全保障を確保する。
<引用終わり>
最初の①の「原発のない脱炭素社会」とは、所謂「原発ゼロ」とのスローガンそのものである。
枝野が以前から言っている「原発ゼロ」(*1)の正体は「反原発ありき」だけであり、我が国のエネルギー事情を考えたものではない。原発をゼロにした場合に発生する諸問題としては以下があるが、それに対する現実的対応策は提示されない。
↓
1)24時間365日安定的に電力を供給し続ける基盤発電施設のエネルギー源である石油・LNGの輸入価格負担問題
2)代替発電施設に再生可能エネルギー発電を選択しても、24時間365日の安定供給は実現できない。
3)再生可能エネルギー発電を主要発電にすると、電気代が増加して、個人・産業にとってはマイナスとなる
4)現実的に原発を代替するのは火力発電しかなく、CO2削減との別の環境目標と相反する。
しかし、立憲民主党・枝野は「需要に見合う量の発電」、「24時間365日の安定供給」、「コスト問題」の総てを情緒的な「自然エネルギー」に押し付け、定量的な問題、技術的問題、再生可能エネルギー発電側が宿命的に背負う問題等に一切触れていない無責任なものになっているのである。その無責任さそのままなのが「共通公約」なのである。
また「石炭火力から脱却し」も原発ゼロと同様の雰囲気政策である。「石炭火力=炭素排出量が多い」なるイメージのみが先行し、我が国石炭火力が高効率の超々臨界圧発電方式で実施していることは語られない。(*2)
同様、以降の②~④も具体的なことは何も言っていないので、論じる迄もない
「共通政策」の中身「5ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現」
大項目の5つ目は「自由で公平な社会の実現」であるが、それが「ジェンダー視点」によるものだとしている。
「ジェンダー視点」との新造語の意味は「性差別、性別による固定的役割分担、偏見等が社会的に作られたものであることを意識していこうとする視点」だそうだ。
当方の考え方としては【生物的性別差の存在により、実生活の集積の結果に基づき生じた社会的役割分担は存在するが、その総てが「性差別」であるかの様な決め付けは危険な考え方だ】である。
この様な考え方からは、この「共通公約」は「なんでもかんでも性差別」との片方だけの考え方を押し付けているものと考える。
「共通公約」の5つ目の小項目は以下の通りであるが、押し付け感が強いものだと思う。
↓
<「提言」から抜粋引用>(小項目への付番は引用者)
●5 ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現
・①ジェンダー、人種、年齢、障がいなどによる差別を許さないために選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法などを成立させるとともに、女性に対する性暴力根絶に向けた法整備を進める。
・②ジェンダー平等をめざす視点から家族制度、雇用制度などに関する法律を見直すとともに、保育、教育、介護などの対人サービスへの公的支援を拡充する。
・③政治をはじめとした意思決定の場における女性の過少代表を解消するため、議員間男女同数化(パリテ)を推進する。
<引用終わり>
小項目の①は「選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法などを成立させる」とあり、後半には「女性に対する性暴力根絶に向けた法整備」とある。
後段の「女性に対する性暴力」は、法的に「女性に限定」する話では別の悪影響が大きい話である。「痴漢冤罪事件」を想起していただければ良い。
「女性に対する」とかの男女の区分ではなく「性暴力」に対する重罪化や暴力一般を含む粗暴犯罪の防止を目指す中で一緒に改善していく問題だと考えている。(*3)
前段の「選択的夫婦別姓制度」「LGBT平等法」は実は憲法問題である。
選択的夫婦別姓に関しては以前の論考で、最高裁判例で民法の夫婦同姓規定は合憲となっており(*4)、また、LGBT法案での同性婚問題は現行憲法第24条の改正が必要(*5)である旨を指摘している様に、憲法改正議論を避けて通れないものである。
そうであるにも関わらず、6つある大項目の最初の大項目は「憲法に基づく云々」であり、改憲阻止を公約の最初に持ってきているのである。
本気で夫婦別姓やLGBT同姓婚を制度化したいのだったら、それらの関係条項に対する憲法改正を言いだすのが本来的立憲主義の姿のはずなのだが、憲法改正は特定野党や「市民」にとってタブーであることから、上記した点には触れられていないものだ。
要するに、実現性に問題ありということだ。
次の②は「ジェンダー平等」である。
「ジェンダー平等」なる新造語が最初に登場したのは、民進党解党時に当時小池百合子新党だった「希望の党」への合流を拒否された民主党=民進党のドサヨク分子が急遽立ち上げた立憲民主党が最初である。
この語句は2019年11月に共産党が15年ぶりに綱領を改訂した際に新たに入れ込んだ語句であり、渾身の「野党共闘」のキーワードになっているものである。(*6)
しかし言っていることは①と同様であり、別途小項目を設定する必要性はない。
多分「ヘンダー平等」とのキーワードを入れたいだけの項目であろう。
そして③の「議員間男女同数化」との「公約」は男女比の結果だけに注目するもので、議員の能力や見識といった、従前からの正当な判断基準とは異なるである「女だから同数まで優遇」との行き過ぎた「別の基準」を設定するもので、男女平等原則に反するものである。
「共通政策」の中身「6権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する」
6つの大項目の最後は、特定野党及びその支持者達が異常な認知バイアスに陥っていることが分かるものである。
以下に引用した小項目を見ていただければ分かる通り、火のない所に煙を立てて騒ぐモリカケ桜をやるぞ、我が国の学術を麻痺させている学術会議の会員任命に不満があるとクリンチしているものである。情けない「公約」である。
↓
<「提言」から抜粋引用>(小項目への付番は引用者)
●6 権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する
・①森友・加計問題、桜を見る会疑惑など、安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について、真相究明を行う。
・②日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命する。
・③内閣人事局のあり方を見直し、公正な公務員人事を確立する。
<引用終わり>
前述した通り、①のモリカケ桜とは難癖であり、まともな国会審議をさせない為のネタでしかない。安倍政権下、特定野党は健全野党としての責務を放棄し続けたが、その際に用いたのがモリカケ桜である。
国民の為に役に立つ様に、経済や外交防衛の重要政策で、よりよき対案を提示して審議するのが野党の役目なのだが、そもそも特定野党は日本と日本人がお嫌いなので、「国民の為に役に立つ国会審議」をする意志も能力もない。
やっている事は、結論が出た話でも「俺達は納得していない」(*7)として延々と同じ事を繰り返し、やるべき審議をさせないとの「這っても黒豆」戦法を使い続けているのである。国会お邪魔虫なのである。
②の学術会議については、昨年(2020年)10月に学術会議会員の任命に関して、反学術的な人物をガースー総理が任命しなかった事で、反日戦力が大騒ぎした事で話題になったのでご記録の方も多いと思う。以前の論考(*8)で指摘している通り、自分達の身勝手な活動を棚に上げ、あたかも学術会議側が推薦した会員候補者を任命しなかったガースー総理をやり玉にあげる身勝手なものであった。
その身勝手な要求を「共通公約」にしているのである。
学術会議は反日勢力の牙城になっており、学問の追求よりも反日との政治性を優先させる困った組織であり、当方は2017年当時から、学術会議の問題点を指摘している。(*9)
反日との政治性を優先する様な人物を学術会議の会員に任命しないのは法的にも問題ないのだが、あたかもガースーの横暴であるかの様なレッテル貼りをしていたのがカタカナ表記「サヨク」勢力達であった。
要するに、この「共通公約」の正体は、「そういう勢力」のスローガンが羅列されているだけのものだ。
最初の前編でも書いたのだが、この「共通公約」は国家運営に必須の経済・金融・税制に対する政策や外交防衛政策への言及が貧弱すぎるものである。
内容は、もっぱら特定野党の政府攻撃材料の羅列でしかなく、こんな「公約」で国家運営をされたら、不幸になるのは我々国民である。
時間切れである今回は以上でFinalとする。
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【文末脚注】
(*1):枝野が以前から言っている「原発ゼロ」の正体とは「反原発ありき」であり、我が国のエネルギー事情を考えたものではない。
↓
2017/10/20投稿:
立憲民主党の選挙公約を読む2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-784.html
2019/06/28投稿:
日本人を不幸にする立憲民主党の公約2(原発ゼロ編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1207.html
【ご参考】
2020/10/19投稿:
福島第一原発処理水の処理開始を歓迎する・不安を煽るのは「奴等」の常套手段
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1432.html
(*2):「石炭火力から脱却し」も原発ゼロと同様の雰囲気政策である。「石炭火力=炭素排出量が多い」なるイメージのみが先行し、我が国石炭火力が高効率の超々臨界圧発電方式で実施していることは語られない。
↓
2020/01/25投稿:
新聞記事の軸足の置き方・日本の高効率石炭火力発電技術
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1314.html
2021/01/08投稿:
上面を舐めるだけ記事「ベトナム・ブンアン2石炭火力発電所案件」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1456.html
(*3):「女性に対する」とかの男女の区分ではなく「性暴力」に対する重罪化や暴力一般を含む粗暴犯罪の防止を目指す中で一緒に改善していく問題だと考えている。
↓
2019/03/22投稿:
被害者となる可能性がある一般国民の安全の確保
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1138.html
(*4):選択的夫婦別姓に関しては以前の論考で、最高裁判例で民法の夫婦同姓規定は合憲となっていることを指摘している。
↓
2021/09/06投稿:
最高裁判例・夫婦別姓は合憲
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1554.html
(*5):LGBT法での同性婚問題は現行憲法第24条の改正が必要である旨を指摘している。
↓
2021/07/08投稿:
現行憲法第24条・婚姻等に関する基本原則について(LGBT法案・憲法編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1529.html【ご参考】
2021/07/05投稿:
現行憲法第24条・婚姻等に関する基本原則について(LGBT法案・基礎編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1528.html
(*6):「ジェンダー平等」なる新造語は2019年11月に共産党が15年ぶりに綱領を改訂した際に新たに入れ込んだ語句であり、渾身の「野党共闘」のキーワードになっているものである。
↓
2020/01/03投稿:
日共の綱領改定・文言のUpdateが主で二段階革命論は堅持(変更点個別編2)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1303.html
(*7):国民の為に役に立つ様に、経済や外交防衛の重要政策で、よりよき対案を提示して審議するのが野党の役目なのだが、そもそも特定野党は日本と日本人がお嫌いなので、「国民の為に役に立つ国会審議」をする意志も能力もない。やっている事は、結論が出た話でも「俺達は納得していない」として延々と同じ事を繰り返し、やるべき審議をさせないとの「這っても黒豆」戦法を使い続けているのである。
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2018/03/28投稿:
這っても黒豆
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-892.html
【ご参考】
<森友>
2018/03/29投稿:
野党議員の印象操作発言及びそれを拡散する偏向マスコミ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-893.html
2018/04/16投稿:
「当初目的」から論点が外れている
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-907.html<加計>
2017/06/12投稿:
非論理的な言い掛かりが蔓延している。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-691.html
2017/07/22投稿:
最近のニュースの「報道しない自由」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-717.html
(*8):学術会議については、昨年(2020年)10月に学術会議会員の任命に関して、反学術的な人物をガースー総理が任命しなかった事で、反日戦力が大騒ぎした事で話題になったのでご記録の方も多いと思う。以前の論考で指摘している通り、自分達の身勝手な活動を棚に上げ、あたかも学術会議側が推薦した会員候補者を任命しなかったガースー総理をやり玉にあげる身勝手なものであった。
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2020/10/02投稿:
偽りの設定「学問の自由」・むしろ技術研究を妨害していたのは学術会議の委員会
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1426.html
2020/10/05投稿:
続報・むしろ技術研究を妨害していたのは学術会議の小委員会
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1427.html
2020/10/07投稿:
宇都宮健児は宮沢俊義と同じ不見識・日本学術会議
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1428.html
2020/10/15投稿:
続・宇都宮健児の不見識・日本学術会議
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1431.html
(*9):学術会議は反日勢力の牙城になっており、学問の追求よりも反日との政治性を優先させる困った組織であり、当方は2017年当時から、学術会議の問題点を指摘している。
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2017/03/15投稿:
日本学術会議「安全保障と学術に関する検討委員会」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-628.html
2017/04/27投稿:
「曲学阿世」にさえなってない浮世離れ・学術会議
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-658.html
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