英仏独・欧州海軍艦艇のインド太平洋派遣は対中牽制・イエローカード
- 2021/08/05
- 21:13
英仏独・欧州海軍艦艇のインド太平洋派遣は対中牽制・イエローカード
副題:自由で開かれたインド太平洋・日米印豪クアッド・2021年イギリス・コンウォールサミット共同宣言・中国の国際海洋法違反を放置しない。
今回の題材は、先日来報道されているドイツ海軍フリゲート「バイエルン」の極東派遣である。(*1)記事によれば、2021年8月2日にドイツを出港し、来年(2022年)2月まで航海を続け、その間、太平洋地域の各地に寄港する予定だとある。
とは言え、実際のところ、既にイギリスがイギリス海軍史上最大となるVSTOL空母「クイーン・エリザベス」を中心とする10隻編成の空母機動艦隊(うち1隻はオランダ海軍フリゲイト)をインド太平洋地域に派遣しており、やがて日本に到着する。
また、今年5月9日にはフランスも強襲揚陸艦「トネール」とフリゲート「シュルクーフ」を中心とした士官候補生練習艦隊が佐世保に入港しており、フランス艦隊は海上では日米豪と、陸上では霧島演習場に於いて日米と離党奪還の共同訓練を実施している。
イギリスは、その昔の大英帝国の名残りで海外領土を幾つか持っており、インド洋のディエゴ・ガルシア島には英米共同海軍基地を持つ。その一方、太平洋に於いては、南米沖の東太平洋にしか領土はなく、日本・アジア寄りにはない。とは言え太平洋に面したオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、パプア・ニューギニア他の国家元首はエリザベス女王であり、同君同盟コモンウェルズの絆を持つ。(*2)
フランスも幾つか海外領土を持ち、インド洋にはマダガスカル周辺の島々、太平洋にはニューカレドニアやポリネシアにフランス領が点在している。
その一方、ドイツには海外領土はない。第一次世界大戦(1914~1948年)の結果、ドイツの海外植民地であった太平洋上の島々はヴェルサイユ条約(1919年)により、赤道以北は日本が、赤道以南はオーストラリアとニュージーランド(ともに英連邦・現コモンウェルズ)が信託統治することになり、1922年(大正11年)以降パラオ(現パラオ共和国)、ヤップ(現ミクロネシア連邦)、グアム(現米領グアム)、サイパン(現米領自治)等は日本の統治領となった。(*3)
この様な欧州の三ヶ国が揃って太平洋地域に海軍艦艇を派遣しているのは、勿論、中国の海洋侵略への牽制が目的だ。
先のイギリス・コーンウォールG7サミットの共同声明(首脳コミュニケ)骨子では、2つの項目で対中国政策が書かれている。1つは、そのものズバリ「中国」である。そして、もう1つは「インド太平洋」である。(*4)
「中国」の項目では「特に新疆や香港との関係で人権や基本的自由を尊重するよう中国に求めることを含め、G7の価値を推進していく」とあり、「インド太平洋」との項目では「包摂的で、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の維持の重要性を改めて表明」「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」「東シナ海及び南シナ海における状況を引き続き深刻に懸念し、現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みにも強く反対する」と明示されている。
中国の傍若無人な国際海洋法無視は看過できない状態になっており、日米印豪クアッドだけではなく、欧州諸国も乗り出してきたものだ。
勿論、欧州側は、それが自分の利益になると判断しているからの行動である。
欧州三ヶ国のうち、もっとも強力な艦隊を派遣しているのはイギリスである。
イギリスはイギリス海軍史上最大となるVSTOL空母「クイーン・エリザベス」を中心とする10隻の空母機動艦隊を派遣しているのだが、それに対して中国は「米軍をまねて中国の主張する領海に入るなどすれば、中国軍による「一罰百戒の目標になり得る」」などと騒いでいるのである。(*5)
中国は、不利な場合の防御態勢であっても虚勢を張る。
それは彼等の文化なのだから仕方がない。
戦をした相手であっても、恭順すれば部下として召抱え、ともに戦う側にする文化を持つ我が国と違い、戦いの相手は一族郎党殲滅根絶やしにして後顧の憂いを断つことを優先する中国とでは対応姿勢が真逆になることは仕方がないことだ。
この手の文化の違いによる感覚の違いなかなか埋め難く、対中国の場合は、むしろ米英等の西欧文明圏の感覚の方が的確に対応できるものと考えているので、アメリカだけでなく欧州からの艦隊が隊列に加わることは統制訓練をすることを前提に望ましいと考える。
英仏独の海軍艦船が、この様にインド太平洋へと出向いて来るのは、そう簡単なことではない。
イギリスとは2017年に日英共同宣言をしているのだが、そこに至るまでの道のり自体がなかなかに難しいものであり、その結果、2018年10月には富士演習場に於いて日英での共同訓練をするに至っている。富士演習場での日英共同訓練は、陸自が国内で米軍以外と行ったのは、それが初めてのことであった。(*6)
この様な基礎固めを経て、今回のイギリス空母機動艦隊の派遣となったものである。
艦隊の派遣は、中国とドンパチをする為のものではない。
フランス、ドイツも同様である。ドイツは少し腰が引けている様にも見えるが、自由民主主義陣営から置き去りにされない為に今回のショー・ザ・フラッグの隊列に加わることを選択している。
中国の傍若無人な海洋侵略・戦狼外交を続けることへのイエローカードなのである。
今の段階で中国がヘゲモニーチャレンジ(*7)を取り下げ・修正すれば、世界の安全性は増す。
取り下げるのか、脅しを続けるのかは中国の選択である。
中国が見たくないイエローカードを「中国に見せる」のが艦隊派遣の目的なのである。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):先日来報道されているドイツ海軍フリゲート「バイエルン」の極東派遣。
↓
<その1>
産経新聞 2021/7/30 08:11
見出し:◆ドイツ、南シナ海にフリゲート艦派遣発表 8月出航
https://www.sankei.com/article/20210730-FJPGWE246FNOVKEZ63IAU3BABA/
記事:○【パリ=三井美奈】ドイツ国防省は29日、海軍のフリゲート艦「バイエルン」を8月2日、インド太平洋に向けて派遣すると発表した。中国の軍事拠点化が進む南シナ海を航行するほか、日米やオーストラリア、シンガポールとの合同訓練を予定している。
○ドイツは昨年、インド太平洋戦略を策定しており、艦船派遣には、地域の安全保障に関与する姿勢を示す狙いがある。南シナ海で中国と東南アジア諸国との領有権問題が続く中、独国防省は艦船派遣で、「価値観を共にするパートナーとともに、ルールに基づく国際秩序を守る」としている。
○発表によると、バイエルンは、北海岸の独ビルヘルムスハーヘンを出港し、来年2月まで航海を続ける。インド太平洋では合同訓練のほか、国連安全保障理事会決議に基づき、北朝鮮船の違法な「瀬取り」に対する監視活動を行う。寄港先には、日本や韓国、オーストラリアが列挙された。中国への寄港を検討していると報じられていたが、発表文には記されていない。(引用終わり)
<その2>
産経新聞 2021/8/3 13:40
見出し:◆ドイツ艦のインド太平洋地域派遣「歓迎」 加藤官房長官
https://www.sankei.com/article/20210803-XTRRNMFI55KUFIFM3ZUV2ZCIFM/
記事:○加藤勝信官房長官は3日の記者会見で、ドイツがフリゲート艦「バイエルン」をインド太平洋地域に派遣したことについて「地域の平和と安定に貢献するドイツの関与を示す上で重要な意義があり、歓迎する」と述べた。
○フリゲート艦はドイツを2日に出港し、南シナ海での航行などを予定していると説明。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、ドイツと緊密に連携したいと強調した。
<引用終わり>
(*2):太平洋に面したオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、パプア・ニューギニア他の国家元首はエリザベス女王であり、同君同盟コモンウェルズの絆を持つ。
↓
2015/09/05投稿:
【コラム】国家元首と政治権力者(統治権行使者)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-202.html
(*3):ドイツには海外領土はない。第一次世界大戦(1914~1948年)の結果、ドイツの海外植民地であった太平洋上の島々はヴェルサイユ条約(1919年)により、赤道以北は日本が、赤道以南はオーストラリアとニュージーランドが信託統治することになった。
↓
2018/06/03投稿:
太平洋・島サミット「PALM8」
<法の支配に基づく海洋秩序>
副題:海洋国家日本の地球儀を敷衍する外交の1つが太平洋・島サミット。そこで宣言されているのは、法の支配に基づく自由で開かれた持続可能な海洋秩序の重要性。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-947.html
(*4):先のイギリス・コーンウォールG7サミットの共同声明(首脳コミュニケ)骨子では、2つの項目で対中国政策が書かれている。1つは、そのものズバリ「中国」である。そして、もう1つは「インド太平洋」である。
↓
2021/06/16投稿:
2021年英国コーンウォールG7サミットでの中国対応について
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1521.html
(*5):イギリスはイギリス海軍史上最大となるVSTOL空母「クイーン・エリザベス」を中心とする10隻の空母機動艦隊を派遣しているのだが、それに対して中国は「米軍をまねて中国の主張する領海に入るなどすれば、中国軍による「一罰百戒の目標になり得る」」などと騒いでいるのである。
↓
産経新聞 2021/7/31 09:43
見出し:◆「英は米軍のまねするな」 中国紙、南シナ海で警告
https://www.sankei.com/article/20210731-BI3ZPMRYYZMWPAQ5JD4XTXNO5Y/
記事:○中国共産党の機関紙、人民日報系の環球時報は30日付の社説で、南シナ海に入った英空母「クイーン・エリザベス」に対し、米軍をまねて中国の主張する領海に入るなどすれば、中国軍による「一罰百戒の目標になり得る」と強く警告した。
○中国は南シナ海に関与を強める国が増え、主権主張が揺らぐことを懸念しているようだ。
○同紙は日本やオーストラリアも名指しして南シナ海問題に介入しないようくぎを刺し、南シナ海をめぐる米中の争いに首を突っ込むと「けがをする」と脅した。
○中国が持つ空母は米国より少ないが「極端な状況下では空母も一撃に耐えられない」と指摘、対艦ミサイルによる撃破を示唆した。(共同)
<引用終わり>
(*6):イギリスとは2017年に日英共同宣言をしているのだが、そこに至るまでの道のり自体がなかなかに難しいものであり、その結果、2018年10月には富士演習場に於いて日英での共同訓練をするに至っている。富士演習場での日英共同訓練は、陸自が国内で米軍以外と行ったのは、それが初めてのことであった。
↓
2018/10/06投稿:
イギリス陸軍との共同訓練・富士演習場
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1029.html
【ご参考】
2018/05/31投稿:
NATO日本政府代表部の開設
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-944.html
(*7):中国のヘゲモニーチャレンジ
↓
2018/10/11投稿:
ヘゲモニーチャレンジャー中国・事大主義小中華韓国
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1032.html
【ご参考】
2020/07/28投稿:
「パクス・シニカ」との暗黒未来を阻止する
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1401.html
【ご参考】中国の戦狼外交の一例
2021/07/29投稿:
「核先制不使用原則」を日本には適用しないとの中国の恫喝
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1537.html
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副題:自由で開かれたインド太平洋・日米印豪クアッド・2021年イギリス・コンウォールサミット共同宣言・中国の国際海洋法違反を放置しない。
今回の題材は、先日来報道されているドイツ海軍フリゲート「バイエルン」の極東派遣である。(*1)記事によれば、2021年8月2日にドイツを出港し、来年(2022年)2月まで航海を続け、その間、太平洋地域の各地に寄港する予定だとある。
とは言え、実際のところ、既にイギリスがイギリス海軍史上最大となるVSTOL空母「クイーン・エリザベス」を中心とする10隻編成の空母機動艦隊(うち1隻はオランダ海軍フリゲイト)をインド太平洋地域に派遣しており、やがて日本に到着する。
また、今年5月9日にはフランスも強襲揚陸艦「トネール」とフリゲート「シュルクーフ」を中心とした士官候補生練習艦隊が佐世保に入港しており、フランス艦隊は海上では日米豪と、陸上では霧島演習場に於いて日米と離党奪還の共同訓練を実施している。
英仏独のインド太平洋に於ける領土について
イギリスは、その昔の大英帝国の名残りで海外領土を幾つか持っており、インド洋のディエゴ・ガルシア島には英米共同海軍基地を持つ。その一方、太平洋に於いては、南米沖の東太平洋にしか領土はなく、日本・アジア寄りにはない。とは言え太平洋に面したオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、パプア・ニューギニア他の国家元首はエリザベス女王であり、同君同盟コモンウェルズの絆を持つ。(*2)
フランスも幾つか海外領土を持ち、インド洋にはマダガスカル周辺の島々、太平洋にはニューカレドニアやポリネシアにフランス領が点在している。
その一方、ドイツには海外領土はない。第一次世界大戦(1914~1948年)の結果、ドイツの海外植民地であった太平洋上の島々はヴェルサイユ条約(1919年)により、赤道以北は日本が、赤道以南はオーストラリアとニュージーランド(ともに英連邦・現コモンウェルズ)が信託統治することになり、1922年(大正11年)以降パラオ(現パラオ共和国)、ヤップ(現ミクロネシア連邦)、グアム(現米領グアム)、サイパン(現米領自治)等は日本の統治領となった。(*3)
この様な欧州の三ヶ国が揃って太平洋地域に海軍艦艇を派遣しているのは、勿論、中国の海洋侵略への牽制が目的だ。
先のイギリス・コーンウォールG7サミットの共同声明(首脳コミュニケ)骨子では、2つの項目で対中国政策が書かれている。1つは、そのものズバリ「中国」である。そして、もう1つは「インド太平洋」である。(*4)
「中国」の項目では「特に新疆や香港との関係で人権や基本的自由を尊重するよう中国に求めることを含め、G7の価値を推進していく」とあり、「インド太平洋」との項目では「包摂的で、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の維持の重要性を改めて表明」「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」「東シナ海及び南シナ海における状況を引き続き深刻に懸念し、現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みにも強く反対する」と明示されている。
中国の傍若無人な国際海洋法無視は看過できない状態になっており、日米印豪クアッドだけではなく、欧州諸国も乗り出してきたものだ。
勿論、欧州側は、それが自分の利益になると判断しているからの行動である。
中国の反応の一例
欧州三ヶ国のうち、もっとも強力な艦隊を派遣しているのはイギリスである。
イギリスはイギリス海軍史上最大となるVSTOL空母「クイーン・エリザベス」を中心とする10隻の空母機動艦隊を派遣しているのだが、それに対して中国は「米軍をまねて中国の主張する領海に入るなどすれば、中国軍による「一罰百戒の目標になり得る」」などと騒いでいるのである。(*5)
中国は、不利な場合の防御態勢であっても虚勢を張る。
それは彼等の文化なのだから仕方がない。
戦をした相手であっても、恭順すれば部下として召抱え、ともに戦う側にする文化を持つ我が国と違い、戦いの相手は一族郎党殲滅根絶やしにして後顧の憂いを断つことを優先する中国とでは対応姿勢が真逆になることは仕方がないことだ。
この手の文化の違いによる感覚の違いなかなか埋め難く、対中国の場合は、むしろ米英等の西欧文明圏の感覚の方が的確に対応できるものと考えているので、アメリカだけでなく欧州からの艦隊が隊列に加わることは統制訓練をすることを前提に望ましいと考える。
欧州からの海軍艦艇派遣・そこに至る基礎固めがあった
英仏独の海軍艦船が、この様にインド太平洋へと出向いて来るのは、そう簡単なことではない。
イギリスとは2017年に日英共同宣言をしているのだが、そこに至るまでの道のり自体がなかなかに難しいものであり、その結果、2018年10月には富士演習場に於いて日英での共同訓練をするに至っている。富士演習場での日英共同訓練は、陸自が国内で米軍以外と行ったのは、それが初めてのことであった。(*6)
この様な基礎固めを経て、今回のイギリス空母機動艦隊の派遣となったものである。
艦隊の派遣は、中国とドンパチをする為のものではない。
フランス、ドイツも同様である。ドイツは少し腰が引けている様にも見えるが、自由民主主義陣営から置き去りにされない為に今回のショー・ザ・フラッグの隊列に加わることを選択している。
中国の傍若無人な海洋侵略・戦狼外交を続けることへのイエローカードなのである。
今の段階で中国がヘゲモニーチャレンジ(*7)を取り下げ・修正すれば、世界の安全性は増す。
取り下げるのか、脅しを続けるのかは中国の選択である。
中国が見たくないイエローカードを「中国に見せる」のが艦隊派遣の目的なのである。
今回は以上である。
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【文末脚注】
(*1):先日来報道されているドイツ海軍フリゲート「バイエルン」の極東派遣。
↓
<その1>
産経新聞 2021/7/30 08:11
見出し:◆ドイツ、南シナ海にフリゲート艦派遣発表 8月出航
https://www.sankei.com/article/20210730-FJPGWE246FNOVKEZ63IAU3BABA/
記事:○【パリ=三井美奈】ドイツ国防省は29日、海軍のフリゲート艦「バイエルン」を8月2日、インド太平洋に向けて派遣すると発表した。中国の軍事拠点化が進む南シナ海を航行するほか、日米やオーストラリア、シンガポールとの合同訓練を予定している。
○ドイツは昨年、インド太平洋戦略を策定しており、艦船派遣には、地域の安全保障に関与する姿勢を示す狙いがある。南シナ海で中国と東南アジア諸国との領有権問題が続く中、独国防省は艦船派遣で、「価値観を共にするパートナーとともに、ルールに基づく国際秩序を守る」としている。
○発表によると、バイエルンは、北海岸の独ビルヘルムスハーヘンを出港し、来年2月まで航海を続ける。インド太平洋では合同訓練のほか、国連安全保障理事会決議に基づき、北朝鮮船の違法な「瀬取り」に対する監視活動を行う。寄港先には、日本や韓国、オーストラリアが列挙された。中国への寄港を検討していると報じられていたが、発表文には記されていない。(引用終わり)
<その2>
産経新聞 2021/8/3 13:40
見出し:◆ドイツ艦のインド太平洋地域派遣「歓迎」 加藤官房長官
https://www.sankei.com/article/20210803-XTRRNMFI55KUFIFM3ZUV2ZCIFM/
記事:○加藤勝信官房長官は3日の記者会見で、ドイツがフリゲート艦「バイエルン」をインド太平洋地域に派遣したことについて「地域の平和と安定に貢献するドイツの関与を示す上で重要な意義があり、歓迎する」と述べた。
○フリゲート艦はドイツを2日に出港し、南シナ海での航行などを予定していると説明。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、ドイツと緊密に連携したいと強調した。
<引用終わり>
(*2):太平洋に面したオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、パプア・ニューギニア他の国家元首はエリザベス女王であり、同君同盟コモンウェルズの絆を持つ。
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【コラム】国家元首と政治権力者(統治権行使者)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-202.html
(*3):ドイツには海外領土はない。第一次世界大戦(1914~1948年)の結果、ドイツの海外植民地であった太平洋上の島々はヴェルサイユ条約(1919年)により、赤道以北は日本が、赤道以南はオーストラリアとニュージーランドが信託統治することになった。
↓
2018/06/03投稿:
太平洋・島サミット「PALM8」
<法の支配に基づく海洋秩序>
副題:海洋国家日本の地球儀を敷衍する外交の1つが太平洋・島サミット。そこで宣言されているのは、法の支配に基づく自由で開かれた持続可能な海洋秩序の重要性。
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(*4):先のイギリス・コーンウォールG7サミットの共同声明(首脳コミュニケ)骨子では、2つの項目で対中国政策が書かれている。1つは、そのものズバリ「中国」である。そして、もう1つは「インド太平洋」である。
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(*5):イギリスはイギリス海軍史上最大となるVSTOL空母「クイーン・エリザベス」を中心とする10隻の空母機動艦隊を派遣しているのだが、それに対して中国は「米軍をまねて中国の主張する領海に入るなどすれば、中国軍による「一罰百戒の目標になり得る」」などと騒いでいるのである。
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産経新聞 2021/7/31 09:43
見出し:◆「英は米軍のまねするな」 中国紙、南シナ海で警告
https://www.sankei.com/article/20210731-BI3ZPMRYYZMWPAQ5JD4XTXNO5Y/
記事:○中国共産党の機関紙、人民日報系の環球時報は30日付の社説で、南シナ海に入った英空母「クイーン・エリザベス」に対し、米軍をまねて中国の主張する領海に入るなどすれば、中国軍による「一罰百戒の目標になり得る」と強く警告した。
○中国は南シナ海に関与を強める国が増え、主権主張が揺らぐことを懸念しているようだ。
○同紙は日本やオーストラリアも名指しして南シナ海問題に介入しないようくぎを刺し、南シナ海をめぐる米中の争いに首を突っ込むと「けがをする」と脅した。
○中国が持つ空母は米国より少ないが「極端な状況下では空母も一撃に耐えられない」と指摘、対艦ミサイルによる撃破を示唆した。(共同)
<引用終わり>
(*6):イギリスとは2017年に日英共同宣言をしているのだが、そこに至るまでの道のり自体がなかなかに難しいものであり、その結果、2018年10月には富士演習場に於いて日英での共同訓練をするに至っている。富士演習場での日英共同訓練は、陸自が国内で米軍以外と行ったのは、それが初めてのことであった。
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イギリス陸軍との共同訓練・富士演習場
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【ご参考】
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NATO日本政府代表部の開設
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-944.html
(*7):中国のヘゲモニーチャレンジ
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ヘゲモニーチャレンジャー中国・事大主義小中華韓国
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1032.html
【ご参考】
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「パクス・シニカ」との暗黒未来を阻止する
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1401.html
【ご参考】中国の戦狼外交の一例
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