母国語がもっとも大事・ビジネスでは英語で十分
- 2021/01/26
- 20:41
母国語がもっとも大事・ビジネスでは英語で十分
副題:英語は海外ビジネスに於いては結果的世界標準言語(Defact Standard)である。それが現実
既にツイートした人が制限をしている為に参照出来ないが、その方のお子さんが学校でもらった朝鮮語文字(諺文・ハングル文字)の学習プリントの写真とともに、何故、日本の義務教育の現場で学ばなければいけないのかとの疑問を呈するツイートがあった。
まさに正論であり、すかさず「いいね」と「RT」をした。
その時点ではまだ1桁だった「いいね」と「RT」は、その後4桁となっていたが、それ以降、どの程度まで増えたのかは消えてしまったので見る事は出来ない。
今回の題材は、今は見られなくなった上記したツイートである。
最初に自分の言語経験の少々述べる。
先ず、当方は横浜生まれの横浜育ちだが、幼くして父親の海外赴任帯同家族として海外で暮らしていた。小学校4年生で日本に帰ってくるまでアメリカンスクールに通っており、そのクラスでは日本人は当方1人だったので学校では英語でしか通用しなかった。
その後は日本で中高大と進んだが、大学になると第二外国語が必修科目として設定されており、仕方がなく第二外国語を学ばされた。
社会人になってからは、海外ビジネスの関わり、1年間に6~8回程度の海外出張は当たり前との仕事をしていたが、第二外国語が必要になることは大学卒後まったくなかった。
還暦を超えても貧乏暇なしで「経済的強制労働」を続けているのだが、自身の経験上、一番大事なのが母国語であり、海外ビジネスに於いては結果的世界標準言語(Defact Standard)の英語で何も不自由なく仕事をしてこられた。
英語を母国語とするアメリカ・イギリスは当たり前として、中南米、欧州、中東、東南アジア等での経験では、ビジネス相手は英語が通じる相手であった。
勿論、滞在中のホテルでも、それなりの質があるホテルであれば英語だけで十分であった。
その一方、例えばイタリア・ペルージャの古都トーディとかの地方都市では英語をしゃべる人は多くはなかったし、東南アジアなどでお土産物を購入する場合、逆に英語が通じないお店の方が、値段が安いので、敢えて現地スタッフに同行してもらい「現地での優良店」に行ったりする。
何れにしろ、当方の経験では、海外ビジネスに於いては結果的世界標準言語(Defact Standard)の英語で何も不自由なく仕事をしてこられた。
その事を逆に言えば、当方の経験からは海外ビジネスに於いて朝鮮語はまったく登場しない言語であったということだ。
日本語を母国語とする当方が自身の海外ビジネスでの経験上の話とは別に「どの言語をどれくらいの人達が使用しているのか?」をネットで調べた結果が以下である。
先ずは文部科学省のHPでの「世界の母語人口」(*1)に登場する1億人以上の10の言語は以下の通りであった。
百万人単位での表記なので、1億人は100百万人と表記される。
↓
1:中国語(885百万人)
2:英語(400百万人)
3:スペイン語(332百万人)
4:ヒンディー語(236百万人)
5:アラビア語(200百万人)
6:ポルトガル語(175百万人)
7:ロシア語(170百万人)
8:ベンガル語(168百万人)
9:日本語(125百万人)
10:ドイツ語(100百万人)
一番分かり易いのが我々の母国語日本語である。日本語を母国語とする人口は125百万人で日本の人口と等しい。
その一方、国の人口と母国語人口が一致しない方が多い。
現在、人口10億人以上の国は中国とインドであるが、上記した様に「中国語」を母国語にしている人口は8億8千5百万人である。
つまり、ここでの「中国語」とは所謂「北京語(Mandarin)」のことであると解される。中国の「公用語」は北京語であるが、実際のところ中国では広東語(Cantonese)、上海語(Shanghainese)などの異なる言語を母国語にしている人口も多く、北京語話者と広東語話者では話が出来ないので、文字を以て意志疎通している。
要するに「母国語」とは日本的な表現なのである。
「母国語」との概念を英語で表現すると「Native language」であり、直訳すると「自身の言語」「自身固有の言語」となる。
同様、インドの公用語はヒンディー語であるが、他にベンガル語、タミル語、ウルドゥー語などの異なる言語を母国語としているインド人が多数いる。
逆に英語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、ドイツ語はその言語に国名が付されているが、その国以外の国々の公用語・母国語である。
英語の「英」はイギリスをあらわしているが、イギリス本国以外の英連邦諸国のカナダ、オーストラリア、ニュージランドやアメリカの公用語・母国語である。尚、カナダの場合、同国のケベック州はフランス語をNative languageとする地域である。
英語と同様、スペイン語、ポリトガル語は中南米諸国の母国語になっており、本国以上の人数の母国語になっているのは15世紀からの両国の新大陸侵略の結果である。
アラビア語も、複数の国の公用語・母国語である。因みに「アラブ人」の定義は「アラビア語を母国語にする人」のことである。
この様に「母国語」と言っても、我が国の様な日本国人口=日本語母国語者ではなく、むしろ、我が国の事例の方が特殊であり、国から言語へのアプローチだけではなく言語から国・地域へのアプローチも必要だと考えられる。実際、文部科学省のHPも「言語順」に記載されているのだから、むしろ、その方が実態を表す
次の資料としてはWikiの「ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧」(*2)を見てみた。
まぁWikiは眉に唾を付けながら読まないとダメというのが実際のところで、Wikiでの1位は文科省HPと同じ「中国語」だが、その数を13億7千万人としているなど、やっぱしダメなものであった。
13億7千万人のカラクリは、北京語8億4千万人+上海語7千7百万人+広東語5千5百万人などの別言語もを合算したものだった。因みにWikiの北京語8億4千万人は文科省HPの北京語8億8千5百万人と近似である。
そのくせWikiでは「インド語」との集約をしておらず、ちゃんとヒンディー語、ベンガル語での集計になっているのである。「言語」からのアプローチなのに、中国だけは中華人民共和国ベースの数値にしているなど、やっぱしWikiはダメなものであった。
とは言え、比較の為に北京語部分を補正し、かつ文科省HPの数値と比較しながら以下に紹介する。Wikiの数値の後ろに文科省の数値を併記する。
↓
<母語話者1億人以上>
1:中国語=北京語(840百万人/885百万人)
2:英語(530百万人/400百万人)
3:ヒンディー語(490百万人/236百万人)
4:スペイン語(420百万人/332百万人)
5:アラビア語(230百万人/200百万人)
6:ベンガル語(220百万人/168百万人)
7:ポルトガル語(215百万人/175百万人)
8:ロシア語(180百万人/170百万人)
9:日本語(134百万人/125百万人)
10:ドイツ語(130百万人/100百万人)
11:フランス語(72~130百万人/72百万人)
文科省HPのデータとWikiのデータとを見比べると、数字には差異があり、その差異の原因を考えるとあまり拘る必要はなく参考にならないのだが、大枠に於いては10程度の言語だけが1億人以上の人々の母国語であり、その順番も大同小異だということが分かる。
これら10程度の言語は大別するとアジア地域と欧州地域の言語になる。
地理的には中東のアラビア語、インドのヒンディー語・ベンガル語、中国の北京語、日本の日本語がアジア地域の言語である。
一方、欧州系言語のうち、英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語は地理的には北米大陸、南米大陸、アフリカ中部南部に広がっている。
ロシア語はロシアの他にベラルーシやカザフスタン等の近隣国での母国語になっており、ドイツ語もオーストリア、ベルギーやスイスの一部等近隣国での母国語になっている。
この様な地理的分布を見れば、欧州系言語のうち、広範囲な分布を見せる英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語は大航海時代に続く過去の侵略・鎮定の結果であることが分かる。逆にロシア語、ドイツ語が広範囲に分布していないのは地理的・歴史的な動きと符合しているからだという事も分かると思う。
また、大西洋よりも広大な太平洋に面していたアジア地域に於いては、スペインやポルトガルの様な大規模な渡洋侵略はなく、自国地域内での平定の結果となっている様に見える。
知っての通り、言語とは概念を表現するものであり、逆に言語により概念も規定されるものであるが、今回のテーマからは外れるので、それはまた別の機会とする。
母国語以外の言語を習得する理由は幾つかあるが、最大の理由はその言語を使用する他者とのコミュニケーションの為であろう。
勿論、言語を知ることで、その地域の文化・文明を理解する事に大きく役立つとの面があるが、それは比較的高度な研究心に基づくものであり、一般的とは言えないので、やはりコミュニケーションツールとしての意味がもっとも大きいと言える。
上記した様に、世界のおよそ半数の人間が母国語にしているのは上記10言語である。
幸いなことに、我々日本人の母国語である日本語はその中にあり、かつ、他の言語を用いなくても最先端の科学技術や思考を扱えるとの恵まれた環境にある。
従い、極端な事を言えば、特段の理由がなければ日本語以外を苦労して習得する必要がないとも言える。
その一方、最初に紹介した様に海外ビジネスの世界では、他の言語を使用している海外の人達とのコミュニケーションが必要となり、英語という結果的世界標準言語(Defact Standard)を習得しなければ、まともな仕事が出来ない環境にある。
要するに、業務上の必要性から習得したものであるが、逆に言えば、そういう業務を遂行している組織に就職するのなら、語学能力がある学生を採用することになる。
我が国の場合は、それほど極端ではないが、発展途上国の場合は母国語では学問を学べないケースが多々あり、畢竟、英語文献で学ぶことが必要になり、英語能力が学問・学歴に直結していることが多い。
そういう環境では、義務教育年齢から英語という結果的世界標準言語(Defact Standard)の習得が推奨され、裕福な家庭では英語教育が充実している私立に通わせたりする。
これは児童の将来への投資である。
我が国の場合、そこまでの切迫感はないが、子供が将来、学問・学歴等で不利にならない様にする為には、母国語以外のどの外国語を選択するのかは、一定程度の重要事である。
例えば、サッカー留学でブラジルに行くのでポルトガル語を習得したい小学生とか、家業が対中貿易をしているから中国語を選択する、などはあり得るが、殆どの小中学生は、まだ将来が分からない状態である。
そういう状態ならば、現実社会での結果的世界標準言語である英語を選択するのが無難である。
どうしても「英語がイヤ」との拘りがあるのなら、より多くの人々が使用する言語からの選択になろう。
それは上記した、北京語、ヒンディー語、アラビア語、スペイン語・・・などが候補となろう。
そういう事からすれば、一番最初に紹介したツイート「その方のお子さんが学校でもらった朝鮮語文字(諺文・ハングル文字)の学習プリントの写真とともに、何故、日本の義務教育の現場で学ばなければいけないのかとの疑問を呈するツイート」をした親御さんの気持ちは実にまっとうだと考えるものである。
朝鮮語は文科省HPでもWikiでも母国語数1億人未満であり「より多くの人々が使用する言語」ではない。また、当方の経験からは海外ビジネスに於いて朝鮮語はまったく登場しない言語であった。
その様なマイナー言語を授業で取り上げることは不適切である。
小中学校の学習指導要領を見ると、朝鮮語は必修科目ではないことが分かる。
学習指導要領にある「外国語活動」での外国語とは英語である。
そうなると、朝鮮語のプリントが配布された授業は、所謂「総合学習」の授業であろうと類推される。
「総合学習」は学校毎に内容を決められるので、ツイートした方のお子さんが通う学校では、地域の歴史とかの総合学習よりも、子供の将来に役に立つ可能性が少ない朝鮮語を選ぶなどのセンスなき内容にしたものと思われる。
残念なことである。
1日1回ポチっとな ↓
FC2 Blog Ranking 
【文末脚注】
(*1):文部科学省HPのデータ
↓
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1379956.htm
1)世界の母語人口(上位20言語)
順:母語人口
1:中国語(885百万人)=8億8千5百万人
2:英語(400)
3:スペイン語(332)
4:ヒンディー語(236)
5:アラビア語(200)
6:ポルトガル語(175)
7:ロシア語(170)
8:ベンガル語(168)
9:日本語(125)
10:ドイツ語(100)
11:ウー語(91)
12:ジャワ語(75)
12:韓国・朝鮮語(75)
14:パンジャブ語(73)
14:テルグ語(73)
16:フランス語(72)
17:マラータ語(65)
17:タミル語(65)
19:イタリア語(57)
20:広東語(55)
注:
・単位:100万人
・4 ヒンディー語にウルドゥー語も含む
・11 ウー語(呉語)は長江下流地域、浙江省を中心に使用される言語
・出典:The Penguin FACTFINDER(2005)
<引用終わり>
(*2):Wikiの「ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧」
↓
ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧
1母語話者1億人以上
2母語話者3000万人以上1億人未満
3母語話者1000万人以上3000万人未満
4母語話者300万人以上1000万人未満
5母語話者100万人以上300万人未満
※上記のうち「母語話者1億人以上」から抜粋引用。
↓
●順位:言語
○公用語としている地域:
○話者数:
↓
●1位:中国語
○中華人民共和国 (大陸)、台湾(中華民国)、シンガポール
○母語話者 約13億7000万人
内訳:北方語(マンダリン) 8億4000万人
呉語(上海語など)7700万人(1984年)、
粤語(広東語)5500万人(1984年)以下略
●2位:英語
○イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア
○母語話者 5億3000万人(2005年 WA)
●3位:ヒンディー語
○インド、フィジー。
○母語話者 4億9000万人(2005年 WA)
内訳:西ヒンディー語、東ヒンディー語(アワディー語を含む) 2100万人(1999年)、ビハール語 2700万人(1997年)以下略
●4位:スペイン語
○アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、赤道ギニア、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、スペイン、ウルグアイ、ベネズエラ、プエルトリコ。
○母語話者 4億2000万人(2005年 WA)
●5位:アラビア語
○アルジェリア、バーレーン、チャド(略)、エジプト(略)、イラク(略)、ヨルダン、クウェート、クウェート、レバノン、リビア、モロッコ、モロッコ、オマーン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア(略)、アラブ首長国連邦(略)
○母語話者 2億3000万人(2005年 WA)
●6位:ベンガル語
○バングラデシュ、インド
○母語話者 2億2000万人(2005年 WA)
●7位:ポルトガル語
○ブラジル(略)、ポルトガル(略)
○母語話者 2億1500万人
●8位:ロシア語
○ジョージア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシア
○母語話者 1億8000万人 / 総話者 約2億7000万人
●9位:日本語
○日本
○母語話者 1億3400万人
●10位:ドイツ語
○オーストリア、ベルギー、ドイツ(略)
○母語話者 1億3000万人
●11位:フランス語
○フランス、フランス領ポリネシア他のフランス領他(略)
○資料により差がある。
主要話者 1億2300万人/総話者 2億人以上(筑波大学外国語センター)
主要話者 1億3000万人/総話者 2億3000万人(ロイター報道値)
母語話者 7200万人以上/ 総話者 2億2000万人(国際フランコフォニーの公表値)
<抜粋引用終わり>
【ご参考】
2019/04/18投稿:
日本基準で他文明を「理解」することの危険性について
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1158.html
1日1回ポチっとな ↓
FC2 Blog Ranking


副題:英語は海外ビジネスに於いては結果的世界標準言語(Defact Standard)である。それが現実
既にツイートした人が制限をしている為に参照出来ないが、その方のお子さんが学校でもらった朝鮮語文字(諺文・ハングル文字)の学習プリントの写真とともに、何故、日本の義務教育の現場で学ばなければいけないのかとの疑問を呈するツイートがあった。
まさに正論であり、すかさず「いいね」と「RT」をした。
その時点ではまだ1桁だった「いいね」と「RT」は、その後4桁となっていたが、それ以降、どの程度まで増えたのかは消えてしまったので見る事は出来ない。
今回の題材は、今は見られなくなった上記したツイートである。
最初に・自分の経験から
最初に自分の言語経験の少々述べる。
先ず、当方は横浜生まれの横浜育ちだが、幼くして父親の海外赴任帯同家族として海外で暮らしていた。小学校4年生で日本に帰ってくるまでアメリカンスクールに通っており、そのクラスでは日本人は当方1人だったので学校では英語でしか通用しなかった。
その後は日本で中高大と進んだが、大学になると第二外国語が必修科目として設定されており、仕方がなく第二外国語を学ばされた。
社会人になってからは、海外ビジネスの関わり、1年間に6~8回程度の海外出張は当たり前との仕事をしていたが、第二外国語が必要になることは大学卒後まったくなかった。
還暦を超えても貧乏暇なしで「経済的強制労働」を続けているのだが、自身の経験上、一番大事なのが母国語であり、海外ビジネスに於いては結果的世界標準言語(Defact Standard)の英語で何も不自由なく仕事をしてこられた。
英語を母国語とするアメリカ・イギリスは当たり前として、中南米、欧州、中東、東南アジア等での経験では、ビジネス相手は英語が通じる相手であった。
勿論、滞在中のホテルでも、それなりの質があるホテルであれば英語だけで十分であった。
その一方、例えばイタリア・ペルージャの古都トーディとかの地方都市では英語をしゃべる人は多くはなかったし、東南アジアなどでお土産物を購入する場合、逆に英語が通じないお店の方が、値段が安いので、敢えて現地スタッフに同行してもらい「現地での優良店」に行ったりする。
何れにしろ、当方の経験では、海外ビジネスに於いては結果的世界標準言語(Defact Standard)の英語で何も不自由なく仕事をしてこられた。
その事を逆に言えば、当方の経験からは海外ビジネスに於いて朝鮮語はまったく登場しない言語であったということだ。
どの言語をどれくらいの人達が使用しているのか?
日本語を母国語とする当方が自身の海外ビジネスでの経験上の話とは別に「どの言語をどれくらいの人達が使用しているのか?」をネットで調べた結果が以下である。
先ずは文部科学省のHPでの「世界の母語人口」(*1)に登場する1億人以上の10の言語は以下の通りであった。
百万人単位での表記なので、1億人は100百万人と表記される。
↓
1:中国語(885百万人)
2:英語(400百万人)
3:スペイン語(332百万人)
4:ヒンディー語(236百万人)
5:アラビア語(200百万人)
6:ポルトガル語(175百万人)
7:ロシア語(170百万人)
8:ベンガル語(168百万人)
9:日本語(125百万人)
10:ドイツ語(100百万人)
一番分かり易いのが我々の母国語日本語である。日本語を母国語とする人口は125百万人で日本の人口と等しい。
その一方、国の人口と母国語人口が一致しない方が多い。
現在、人口10億人以上の国は中国とインドであるが、上記した様に「中国語」を母国語にしている人口は8億8千5百万人である。
つまり、ここでの「中国語」とは所謂「北京語(Mandarin)」のことであると解される。中国の「公用語」は北京語であるが、実際のところ中国では広東語(Cantonese)、上海語(Shanghainese)などの異なる言語を母国語にしている人口も多く、北京語話者と広東語話者では話が出来ないので、文字を以て意志疎通している。
要するに「母国語」とは日本的な表現なのである。
「母国語」との概念を英語で表現すると「Native language」であり、直訳すると「自身の言語」「自身固有の言語」となる。
同様、インドの公用語はヒンディー語であるが、他にベンガル語、タミル語、ウルドゥー語などの異なる言語を母国語としているインド人が多数いる。
逆に英語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、ドイツ語はその言語に国名が付されているが、その国以外の国々の公用語・母国語である。
英語の「英」はイギリスをあらわしているが、イギリス本国以外の英連邦諸国のカナダ、オーストラリア、ニュージランドやアメリカの公用語・母国語である。尚、カナダの場合、同国のケベック州はフランス語をNative languageとする地域である。
英語と同様、スペイン語、ポリトガル語は中南米諸国の母国語になっており、本国以上の人数の母国語になっているのは15世紀からの両国の新大陸侵略の結果である。
アラビア語も、複数の国の公用語・母国語である。因みに「アラブ人」の定義は「アラビア語を母国語にする人」のことである。
この様に「母国語」と言っても、我が国の様な日本国人口=日本語母国語者ではなく、むしろ、我が国の事例の方が特殊であり、国から言語へのアプローチだけではなく言語から国・地域へのアプローチも必要だと考えられる。実際、文部科学省のHPも「言語順」に記載されているのだから、むしろ、その方が実態を表す
次の資料としてはWikiの「ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧」(*2)を見てみた。
まぁWikiは眉に唾を付けながら読まないとダメというのが実際のところで、Wikiでの1位は文科省HPと同じ「中国語」だが、その数を13億7千万人としているなど、やっぱしダメなものであった。
13億7千万人のカラクリは、北京語8億4千万人+上海語7千7百万人+広東語5千5百万人などの別言語もを合算したものだった。因みにWikiの北京語8億4千万人は文科省HPの北京語8億8千5百万人と近似である。
そのくせWikiでは「インド語」との集約をしておらず、ちゃんとヒンディー語、ベンガル語での集計になっているのである。「言語」からのアプローチなのに、中国だけは中華人民共和国ベースの数値にしているなど、やっぱしWikiはダメなものであった。
とは言え、比較の為に北京語部分を補正し、かつ文科省HPの数値と比較しながら以下に紹介する。Wikiの数値の後ろに文科省の数値を併記する。
↓
<母語話者1億人以上>
1:中国語=北京語(840百万人/885百万人)
2:英語(530百万人/400百万人)
3:ヒンディー語(490百万人/236百万人)
4:スペイン語(420百万人/332百万人)
5:アラビア語(230百万人/200百万人)
6:ベンガル語(220百万人/168百万人)
7:ポルトガル語(215百万人/175百万人)
8:ロシア語(180百万人/170百万人)
9:日本語(134百万人/125百万人)
10:ドイツ語(130百万人/100百万人)
11:フランス語(72~130百万人/72百万人)
文科省HPのデータとWikiのデータとを見比べると、数字には差異があり、その差異の原因を考えるとあまり拘る必要はなく参考にならないのだが、大枠に於いては10程度の言語だけが1億人以上の人々の母国語であり、その順番も大同小異だということが分かる。
これら10程度の言語は大別するとアジア地域と欧州地域の言語になる。
地理的には中東のアラビア語、インドのヒンディー語・ベンガル語、中国の北京語、日本の日本語がアジア地域の言語である。
一方、欧州系言語のうち、英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語は地理的には北米大陸、南米大陸、アフリカ中部南部に広がっている。
ロシア語はロシアの他にベラルーシやカザフスタン等の近隣国での母国語になっており、ドイツ語もオーストリア、ベルギーやスイスの一部等近隣国での母国語になっている。
この様な地理的分布を見れば、欧州系言語のうち、広範囲な分布を見せる英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語は大航海時代に続く過去の侵略・鎮定の結果であることが分かる。逆にロシア語、ドイツ語が広範囲に分布していないのは地理的・歴史的な動きと符合しているからだという事も分かると思う。
また、大西洋よりも広大な太平洋に面していたアジア地域に於いては、スペインやポルトガルの様な大規模な渡洋侵略はなく、自国地域内での平定の結果となっている様に見える。
知っての通り、言語とは概念を表現するものであり、逆に言語により概念も規定されるものであるが、今回のテーマからは外れるので、それはまた別の機会とする。
母国語以外の言語を習得する理由は幾つかあるが、最大の理由はその言語を使用する他者とのコミュニケーションの為であろう。
勿論、言語を知ることで、その地域の文化・文明を理解する事に大きく役立つとの面があるが、それは比較的高度な研究心に基づくものであり、一般的とは言えないので、やはりコミュニケーションツールとしての意味がもっとも大きいと言える。
母国語日本語以外の、どの言語を習得すべきであろうか?
上記した様に、世界のおよそ半数の人間が母国語にしているのは上記10言語である。
幸いなことに、我々日本人の母国語である日本語はその中にあり、かつ、他の言語を用いなくても最先端の科学技術や思考を扱えるとの恵まれた環境にある。
従い、極端な事を言えば、特段の理由がなければ日本語以外を苦労して習得する必要がないとも言える。
その一方、最初に紹介した様に海外ビジネスの世界では、他の言語を使用している海外の人達とのコミュニケーションが必要となり、英語という結果的世界標準言語(Defact Standard)を習得しなければ、まともな仕事が出来ない環境にある。
要するに、業務上の必要性から習得したものであるが、逆に言えば、そういう業務を遂行している組織に就職するのなら、語学能力がある学生を採用することになる。
我が国の場合は、それほど極端ではないが、発展途上国の場合は母国語では学問を学べないケースが多々あり、畢竟、英語文献で学ぶことが必要になり、英語能力が学問・学歴に直結していることが多い。
そういう環境では、義務教育年齢から英語という結果的世界標準言語(Defact Standard)の習得が推奨され、裕福な家庭では英語教育が充実している私立に通わせたりする。
これは児童の将来への投資である。
我が国の場合、そこまでの切迫感はないが、子供が将来、学問・学歴等で不利にならない様にする為には、母国語以外のどの外国語を選択するのかは、一定程度の重要事である。
例えば、サッカー留学でブラジルに行くのでポルトガル語を習得したい小学生とか、家業が対中貿易をしているから中国語を選択する、などはあり得るが、殆どの小中学生は、まだ将来が分からない状態である。
そういう状態ならば、現実社会での結果的世界標準言語である英語を選択するのが無難である。
どうしても「英語がイヤ」との拘りがあるのなら、より多くの人々が使用する言語からの選択になろう。
それは上記した、北京語、ヒンディー語、アラビア語、スペイン語・・・などが候補となろう。
そういう事からすれば、一番最初に紹介したツイート「その方のお子さんが学校でもらった朝鮮語文字(諺文・ハングル文字)の学習プリントの写真とともに、何故、日本の義務教育の現場で学ばなければいけないのかとの疑問を呈するツイート」をした親御さんの気持ちは実にまっとうだと考えるものである。
朝鮮語は文科省HPでもWikiでも母国語数1億人未満であり「より多くの人々が使用する言語」ではない。また、当方の経験からは海外ビジネスに於いて朝鮮語はまったく登場しない言語であった。
その様なマイナー言語を授業で取り上げることは不適切である。
学習指導要領での外国語とは現在は英語
小中学校の学習指導要領を見ると、朝鮮語は必修科目ではないことが分かる。
学習指導要領にある「外国語活動」での外国語とは英語である。
そうなると、朝鮮語のプリントが配布された授業は、所謂「総合学習」の授業であろうと類推される。
「総合学習」は学校毎に内容を決められるので、ツイートした方のお子さんが通う学校では、地域の歴史とかの総合学習よりも、子供の将来に役に立つ可能性が少ない朝鮮語を選ぶなどのセンスなき内容にしたものと思われる。
残念なことである。
1日1回ポチっとな ↓



【文末脚注】
(*1):文部科学省HPのデータ
↓
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1379956.htm
1)世界の母語人口(上位20言語)
順:母語人口
1:中国語(885百万人)=8億8千5百万人
2:英語(400)
3:スペイン語(332)
4:ヒンディー語(236)
5:アラビア語(200)
6:ポルトガル語(175)
7:ロシア語(170)
8:ベンガル語(168)
9:日本語(125)
10:ドイツ語(100)
11:ウー語(91)
12:ジャワ語(75)
12:韓国・朝鮮語(75)
14:パンジャブ語(73)
14:テルグ語(73)
16:フランス語(72)
17:マラータ語(65)
17:タミル語(65)
19:イタリア語(57)
20:広東語(55)
注:
・単位:100万人
・4 ヒンディー語にウルドゥー語も含む
・11 ウー語(呉語)は長江下流地域、浙江省を中心に使用される言語
・出典:The Penguin FACTFINDER(2005)
<引用終わり>
(*2):Wikiの「ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧」
↓
ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧
1母語話者1億人以上
2母語話者3000万人以上1億人未満
3母語話者1000万人以上3000万人未満
4母語話者300万人以上1000万人未満
5母語話者100万人以上300万人未満
※上記のうち「母語話者1億人以上」から抜粋引用。
↓
●順位:言語
○公用語としている地域:
○話者数:
↓
●1位:中国語
○中華人民共和国 (大陸)、台湾(中華民国)、シンガポール
○母語話者 約13億7000万人
内訳:北方語(マンダリン) 8億4000万人
呉語(上海語など)7700万人(1984年)、
粤語(広東語)5500万人(1984年)以下略
●2位:英語
○イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア
○母語話者 5億3000万人(2005年 WA)
●3位:ヒンディー語
○インド、フィジー。
○母語話者 4億9000万人(2005年 WA)
内訳:西ヒンディー語、東ヒンディー語(アワディー語を含む) 2100万人(1999年)、ビハール語 2700万人(1997年)以下略
●4位:スペイン語
○アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、赤道ギニア、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、スペイン、ウルグアイ、ベネズエラ、プエルトリコ。
○母語話者 4億2000万人(2005年 WA)
●5位:アラビア語
○アルジェリア、バーレーン、チャド(略)、エジプト(略)、イラク(略)、ヨルダン、クウェート、クウェート、レバノン、リビア、モロッコ、モロッコ、オマーン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア(略)、アラブ首長国連邦(略)
○母語話者 2億3000万人(2005年 WA)
●6位:ベンガル語
○バングラデシュ、インド
○母語話者 2億2000万人(2005年 WA)
●7位:ポルトガル語
○ブラジル(略)、ポルトガル(略)
○母語話者 2億1500万人
●8位:ロシア語
○ジョージア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシア
○母語話者 1億8000万人 / 総話者 約2億7000万人
●9位:日本語
○日本
○母語話者 1億3400万人
●10位:ドイツ語
○オーストリア、ベルギー、ドイツ(略)
○母語話者 1億3000万人
●11位:フランス語
○フランス、フランス領ポリネシア他のフランス領他(略)
○資料により差がある。
主要話者 1億2300万人/総話者 2億人以上(筑波大学外国語センター)
主要話者 1億3000万人/総話者 2億3000万人(ロイター報道値)
母語話者 7200万人以上/ 総話者 2億2000万人(国際フランコフォニーの公表値)
<抜粋引用終わり>
【ご参考】
2019/04/18投稿:
日本基準で他文明を「理解」することの危険性について
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1158.html
1日1回ポチっとな ↓



スポンサーサイト