国防を論じる事を忌避する姿勢は我々日本人の命を軽んじる行為と同じ
- 2020/11/08
- 23:13
国防を論じる事を忌避する姿勢は我々日本人の命を軽んじる行為と同じ
副題:我々日本人の命、平和・安寧を確保してくれるのは我々自身が作る国家・日本だけである。
国力の両輪は経済と軍事である。そのバランスが悪いと国家は永続できない。
その片方の経済で言えば、ソ連邦は計画経済との夢想が現実世界では通用しないことを、その70年の歴史で実証した。
これを歴史の教訓とした中国共産党は計画経済を捨て去り、市場主義経済へと移行した。
しかし、これは自由主義経済ではない。
計画経済を実施する為の手段である唯一指導党・共産党独裁体制を温存したままでの市場経済への移行はけして自由主義経済ではないからだ。
人治主義の中国共産党では自由主義経済など成り立たないのだが、「計画経済ではない」として、安価すぎる人件費を武器にローテク製造業を席巻し、中国は経済力を蓄積してきた。
経済については、各国の実力はGDPが現在は指標として包括的に表しているが、各国の本当の実力は経済構造へと踏み込む必要性がある。
とは言え、20世紀後半からはかなり複雑になっている各国の経済構造は一言では全体をカバー出来ないものであり、その詳細は割愛する。
もう一方の軍事だが、これに関しては各国の地政学的な条件により各国のドクトリンが決まるもので、各国によって陸・海・空及びその他の戦力への軸足の置き方は異なり、経済指標に於けるGDPの様な包括的指標はない。
近年は、GFP(グルーバル・ファイヤー・パワー)が「包括的指標」と称して毎年ランキングを発表しているのだが使い勝手はかなり悪い。傾向が分かる程度である。この事は以前の論考で指摘済だ。(*1)
我が国の安全保障=外交・防衛のうち、防衛に関しては地政学的な条件により決定されるので、現状の我が国の地政学的情勢を概観すると、以下の様にユーラシア大陸諸国から軍事的圧力を受けているというのが実情だ。
我が国は、ユーラシア大陸の東端に隣接する島国である。
北は北海道の先には北方領土があり、そこはロシアに占拠されている状態だ。
1945年に、ルーズベスト・スターリンのヤルタ密約でソ連が火事場泥棒参戦した際に占拠され現在に至る。東西冷戦時は最大の脅威国とされ、我が国陸上自衛隊唯一の機甲師団は北海道に配備された。
東は太平洋に面し、西は日本海を隔てたユーラシア大陸がある。
ユーラシア大陸側はその北にロシアがあり、大陸から突き出た朝鮮半島の北半部には北朝鮮がある。北朝鮮は弾道ミサイルを発射し我が国上空を飛び越えたり、近隣の海面に撃ち込んでいる。同時に核開発をずっとしており今や核兵器を保有していると看做されている。(*2)
半島の南半部には韓国があり、米ソ冷戦時は38度線の北とその背後の共産主義勢力の防波堤としての役割を担っていたが、今や文在寅政権下の韓国は我が国を主敵として位置付けている危険な国となっている。(*3)
朝鮮半島の付け根から北は満州の地であり中国共産党の支配下地域となっている。
九州から沖縄へと延びる南西諸島は中国沿岸から太平洋へと向かう航路の前に横たわる関所の様な存在で、中国は、我が国領土のうち、もっとの中国本土に近い尖閣諸島に対して盛んにちょかいを出している。この様に、日本列島は、ユーラシア大陸諸国から軍事的圧力を受けているというのが実情だ。
上述した「GFP」の2019年ランキングで言えばGFP評価対象全137ヶ国中、我が国への軍事的圧力となっている国々は、ロシア2位、中国3位、韓国7位、北朝鮮18位となっており、相当なものとなっているのである。
GFPランキングで我が国は6位で、日米安保条約締結相手国であるアメリカは1位となっており、どうにか地域の軍事バランスを確保している状態だ。
「地域の軍事バランス」という概念はとても大事で、古今東西、地域の軍事バランスが崩れた時に、その地域では武力事態が発生している。従い、平和を確保・維持する為には地域の軍事バランスを壊さない様な対応が必須なのである。
この「地域の軍事バランス」の概念はGFPランキングにも表れており、東西冷戦終結後の東欧・西欧の対峙状況は大きく変わり軍事力を整備する必要性が大きく低下したことにより、核保有国のイギリスでさえ8位であり、西欧主要国ではフランス5位、ドイツ(東西統合後)10位、イタリア11位となっている。
ワルシャワ機構軍側の東欧はもっと極端で、ポーランド24位、チェコ(スロバキアとの分離後)30位となっている。
尚、GFPランキングは2020年版が発表されており、上記の2019年ランキングは以下の様に変動しているが、傾向には変化はない。
↓
<GFPランキング2019と2020の変動>
国 名 :2019→2020
アメリカ: 1→ 1
ロシア : 2→ 2
中 国 : 3→ 3
フランス: 5→ 7 ▲2
日 本 : 6→ 5 +1
韓 国 : 7→ 6 +1
イギリス: 8→ 8
ドイツ :10→ 13 ▲3
イタリア:11→ 12 ▲1
北朝鮮 :18→ 25 ▲7
ポーランド24→ 21 +3
チェコ :30→ 34 ▲4
ご覧いただければ分かる通り、東アジア地域ではランキングが上がり、欧州地域ではランキングが下がっているのである。
自国民の命、平和・安寧を確保する為に手段の1つが軍事力であり、軍事力は、その地域での相対的なバランスで見るもので、脅威が去れば軍事力の縮小が可能になるものだ。
その実例が冷戦終結後の欧州地域なのである。
この様にGFPとの指標は傾向を見るには、ある程度の有効性があるのだが、個別各国の比較に用いる事には無理があるのが実情だ。
東アジアの日本と韓国は核兵器を保有していないのに、核保有国のフランス、イギリスよりも上位にランキングされているのである。
そうなっている理由はGFPの算出基準にあり、「核兵器の保有」という項目への配点が少ないからである。
同様、韓国のランキングがイギリス、フランス、ドイツよりも高いのは、徴兵制があり陸軍の兵員数が大きいこと、GDP世界15位圏内の経済力に基づく国防費が充実していること、旧式機F-5なども含めた戦闘機保有数が多いことなどである。
今回は詳しくは述べないが、GFPの算出基準は数量がもっぱらであり、その個別性能は考慮されていない様である。
我が国のGFPランクは、なんと2019年6位、2020年5位である。
2020年の5位とは、アメリカ、ロシア、中国、インドに次ぐ堂々の5位である。
この時点でGFPランキングの信憑性に大いなる疑問が出てくるものである。
我が国にこんな順位を付けているのはGFPの算出基準の不適切さにあるのは上述の通りである。少なくとも憲法9条及び安全保障上の各種下位法の未整備状態はGFPの算出基準には含まれていないことが分かる。
我が国がGFPのランキング基準で上位にいるのは、GDP世界第3位の経済力、海上自衛隊の護衛艦の充実などである。
その一方、陸上自衛隊の人数の少なさ、装甲車両の少なさはマイナス要素となっている。
陸自が他国に比べ少なく、海自が他国に比べて充実しているのは、我が国の基本的ドクトリンと地政学的要素から当然の様に導き出される防衛政策の結果である。
我が国の基本的ドクトリンとは世界平和である。
現行憲法の前文の様な「世界平和を日本から守る」の様な歪んだ世界平和(*4)ではなく、言葉通りの世界平和である。
それ故に「専守防衛」との語句が使用され続けているのである。
ところが、我が国がお嫌いな当時の社会党や共産党及び朝日新聞の様な反日偏向メディアは「専守防衛」の意味を捻じ曲げ、我が国領土が侵略されてから、はじめて自衛行動が出来るが如き歪曲を、長年をかけて印象操作をしてきた。(*5)
仮に、反日勢力が言うような事だとしたら、先ず、何人かの日本人が犠牲にならなければ我が国は自衛行動も出来ないという事になり、そんな意味での「専守防衛」になっており、それは日本人の命を軽視する悪質な話でしかない。
そんな戦後の宿痾から抜け出そうとすると、当時の社会党=現立憲民主党や共産党及び朝日新聞の様な反日偏向メディアは「軍国主義がぁ~」とか「軍靴の音が聞こえるぅ~」とかの大騒ぎをして、我が国が国家として国民を守ることを妨害してきた。
「軍隊」が、あたかも悪い存在であるかの様な真逆の印象を流布し、我が国が国家として国民を守ることを妨害してきた。(*6)
日本人の命を蔑にする風潮に終止符をうったのは安倍首相であった。(*7)
それ故に、現立憲民主党や共産党及び朝日新聞の様な反日偏向メディアは盛んに「安倍下ろし」の言論テロを繰り返したのだが、sns他で国民が直接情報を発信できる時代になっており、それら反日勢力の欺瞞が通用しなくなっているのである。
我々日本人の命、平和・安寧の確保があり、世界平和がある。それが我が国の基本的ドクトリンである。
この当たり前の考え方を述べることさえ以前は憚られていた。
戦後、美辞麗句で語られていたことは「世界平和の為に日本人は死ね」であった。そして、それは未だに現行憲法の前文と9条として残置され続けているのである。
我々は、我々自身の為に現行憲法に終止符をうつ時代になったのだと思う。
「歪んだ「平和主義」」で書かれた現行憲法を破棄して日本人自身による平和主義を宣言する時代が来ている。
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【文末脚注】
(*1):近年は、GFP(グルーバル・ファイヤー・パワー)が「包括的指標」と称して毎年ランキングを発表しているのだが使い勝手はかなり悪い。傾向が分かる程度である。この事は以前の論考で指摘済だ。
↓
2020/01/24投稿:
GFP「各国軍事力比較」2019
副題:軍事力とは、自国民の命、平和・安寧を確保する為に手段である。軍事力は、その地域での相対的なバランスで見るものであり、脅威が去れば軍事力の縮小が可能になるものだ。実例としては冷戦終結後の欧州地域などがある。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1313.html
(*2):ユーラシア大陸から突き出た朝鮮半島の北半部には北朝鮮がある。北朝鮮は弾道ミサイルを発射し我が国上空を飛び越えたり、近隣の海面に撃ち込んでいる。同時に核開発をずっとしており今や核兵器を保有していると看做されている。
↓
2018/06/04投稿:
歪んだプリズムを透した幻影(北朝鮮問題)
副題:偏向マスコミの、「偽りの土俵」の上で書いている「記事」だけを読んでいては、実際の動きは分からない。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-948.html
【ご参考】
2017/04/17投稿:
北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-649.html
2017/04/18投稿:
続・北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-650.html
(*3):半島の南半部には韓国があり、米ソ冷戦時は38度線の北とその背後の共産主義勢力の防波堤としての役割を担っていたが、今や文在寅政権下の韓国は我が国を主敵として位置付けている危険な国となっている。
↓
2019/09/24投稿:
稀有壮大なる妄想に本気の韓国・東京にミサイルを撃ち込む
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1260.html
2019/10/04投稿:
続報・稀有壮大なる妄想に本気の韓国
副題:またもや文在寅の日本を敵国とする演説。稀有壮大な妄想を本気で信じているのであろう。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1265.html
↓
※文在寅が海軍の軍拡方針を演説したのは、昨年の海軍士官学校の卒業式(2019年3月)の時である。
2019/03/07投稿:
「平和をつくるためには一層強力な国防力が必要だ」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1128.html
2019/03/08投稿:
落穂拾い・文在寅の海軍士官学校での軍拡宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1129.html
【ご参考】
2017/06/13投稿:
「白頭山計画」・実現性なき稀有壮大な妄想
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-692.html
(4):現行憲法の前文の「世界平和を日本から守る」の様な歪んだ世界平和
↓
2015/11/20投稿:
「平和憲法」との偽看板
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-269.html
2015/11/21投稿:
【憲法9条】「日本人に武器を持たせると他国を侵略する」との濡れ衣
現行憲法第9条について その4
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-270.html
2017/05/19投稿:
憲法議論1・前文の「平和主義」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-673.html
(*5):「専守防衛」の意味を捻じ曲げ、我が国領土が侵略されてから、はじめて自衛行動が出来るが如き歪曲を、長年をかけて印象操作をしてきた。
↓
2015/04/05投稿:
【コラム】「専守防衛」は生贄欲する悪魔教の呪文
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-71.html
【ご参考】
2015/04/10投稿:
【コラム】国会答弁で多用される「必要最小限」から見る世紀の捻じれ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-77.html
(*6):「軍隊」が、あたかも悪い存在であるかの様な真逆の印象を流布し、我が国が国家として国民を守ることを妨害してきた。
↓
<戦後の我が国の場合、国家・国民を守る軍隊に対する意識が世界各国とかけ離れている。>
2019/02/23投稿:
軍隊とは何か
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1118.html
(*7):日本人の命を蔑にする風潮に終止符をうったのは安倍首相であった。
↓
<前編>
2020/09/17投稿:
国家安全保障政策に関する安倍首相談話・果敢な戦略家安倍普三(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1422.html
<中編>
2020/09/22投稿:
国家安全保障政策に関する安倍首相談話・果敢な戦略家安倍普三(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1423.html
2020/09/26投稿:
国家安全保障政策に関する安倍首相談話・果敢な戦略家安倍普三(後編)Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1424.html
【ご参考】
2017/04/14投稿:
「いかなる事態でも国民守り抜く」安倍首相
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-648.html
2015/11/12投稿:
【コラム】在外国民の保護
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副題:我々日本人の命、平和・安寧を確保してくれるのは我々自身が作る国家・日本だけである。
国力の両輪は経済と軍事
国力の両輪は経済と軍事である。そのバランスが悪いと国家は永続できない。
その片方の経済で言えば、ソ連邦は計画経済との夢想が現実世界では通用しないことを、その70年の歴史で実証した。
これを歴史の教訓とした中国共産党は計画経済を捨て去り、市場主義経済へと移行した。
しかし、これは自由主義経済ではない。
計画経済を実施する為の手段である唯一指導党・共産党独裁体制を温存したままでの市場経済への移行はけして自由主義経済ではないからだ。
人治主義の中国共産党では自由主義経済など成り立たないのだが、「計画経済ではない」として、安価すぎる人件費を武器にローテク製造業を席巻し、中国は経済力を蓄積してきた。
経済については、各国の実力はGDPが現在は指標として包括的に表しているが、各国の本当の実力は経済構造へと踏み込む必要性がある。
とは言え、20世紀後半からはかなり複雑になっている各国の経済構造は一言では全体をカバー出来ないものであり、その詳細は割愛する。
もう一方の軍事だが、これに関しては各国の地政学的な条件により各国のドクトリンが決まるもので、各国によって陸・海・空及びその他の戦力への軸足の置き方は異なり、経済指標に於けるGDPの様な包括的指標はない。
近年は、GFP(グルーバル・ファイヤー・パワー)が「包括的指標」と称して毎年ランキングを発表しているのだが使い勝手はかなり悪い。傾向が分かる程度である。この事は以前の論考で指摘済だ。(*1)
我が国の地政学的現状
我が国の安全保障=外交・防衛のうち、防衛に関しては地政学的な条件により決定されるので、現状の我が国の地政学的情勢を概観すると、以下の様にユーラシア大陸諸国から軍事的圧力を受けているというのが実情だ。
我が国は、ユーラシア大陸の東端に隣接する島国である。
北は北海道の先には北方領土があり、そこはロシアに占拠されている状態だ。
1945年に、ルーズベスト・スターリンのヤルタ密約でソ連が火事場泥棒参戦した際に占拠され現在に至る。東西冷戦時は最大の脅威国とされ、我が国陸上自衛隊唯一の機甲師団は北海道に配備された。
東は太平洋に面し、西は日本海を隔てたユーラシア大陸がある。
ユーラシア大陸側はその北にロシアがあり、大陸から突き出た朝鮮半島の北半部には北朝鮮がある。北朝鮮は弾道ミサイルを発射し我が国上空を飛び越えたり、近隣の海面に撃ち込んでいる。同時に核開発をずっとしており今や核兵器を保有していると看做されている。(*2)
半島の南半部には韓国があり、米ソ冷戦時は38度線の北とその背後の共産主義勢力の防波堤としての役割を担っていたが、今や文在寅政権下の韓国は我が国を主敵として位置付けている危険な国となっている。(*3)
朝鮮半島の付け根から北は満州の地であり中国共産党の支配下地域となっている。
九州から沖縄へと延びる南西諸島は中国沿岸から太平洋へと向かう航路の前に横たわる関所の様な存在で、中国は、我が国領土のうち、もっとの中国本土に近い尖閣諸島に対して盛んにちょかいを出している。この様に、日本列島は、ユーラシア大陸諸国から軍事的圧力を受けているというのが実情だ。
上述した「GFP」の2019年ランキングで言えばGFP評価対象全137ヶ国中、我が国への軍事的圧力となっている国々は、ロシア2位、中国3位、韓国7位、北朝鮮18位となっており、相当なものとなっているのである。
GFPランキングで我が国は6位で、日米安保条約締結相手国であるアメリカは1位となっており、どうにか地域の軍事バランスを確保している状態だ。
「地域の軍事バランス」という概念はとても大事で、古今東西、地域の軍事バランスが崩れた時に、その地域では武力事態が発生している。従い、平和を確保・維持する為には地域の軍事バランスを壊さない様な対応が必須なのである。
地域の軍事バランス
この「地域の軍事バランス」の概念はGFPランキングにも表れており、東西冷戦終結後の東欧・西欧の対峙状況は大きく変わり軍事力を整備する必要性が大きく低下したことにより、核保有国のイギリスでさえ8位であり、西欧主要国ではフランス5位、ドイツ(東西統合後)10位、イタリア11位となっている。
ワルシャワ機構軍側の東欧はもっと極端で、ポーランド24位、チェコ(スロバキアとの分離後)30位となっている。
尚、GFPランキングは2020年版が発表されており、上記の2019年ランキングは以下の様に変動しているが、傾向には変化はない。
↓
<GFPランキング2019と2020の変動>
国 名 :2019→2020
アメリカ: 1→ 1
ロシア : 2→ 2
中 国 : 3→ 3
フランス: 5→ 7 ▲2
日 本 : 6→ 5 +1
韓 国 : 7→ 6 +1
イギリス: 8→ 8
ドイツ :10→ 13 ▲3
イタリア:11→ 12 ▲1
北朝鮮 :18→ 25 ▲7
ポーランド24→ 21 +3
チェコ :30→ 34 ▲4
ご覧いただければ分かる通り、東アジア地域ではランキングが上がり、欧州地域ではランキングが下がっているのである。
自国民の命、平和・安寧を確保する為に手段の1つが軍事力であり、軍事力は、その地域での相対的なバランスで見るもので、脅威が去れば軍事力の縮小が可能になるものだ。
その実例が冷戦終結後の欧州地域なのである。
この様にGFPとの指標は傾向を見るには、ある程度の有効性があるのだが、個別各国の比較に用いる事には無理があるのが実情だ。
東アジアの日本と韓国は核兵器を保有していないのに、核保有国のフランス、イギリスよりも上位にランキングされているのである。
そうなっている理由はGFPの算出基準にあり、「核兵器の保有」という項目への配点が少ないからである。
同様、韓国のランキングがイギリス、フランス、ドイツよりも高いのは、徴兵制があり陸軍の兵員数が大きいこと、GDP世界15位圏内の経済力に基づく国防費が充実していること、旧式機F-5なども含めた戦闘機保有数が多いことなどである。
今回は詳しくは述べないが、GFPの算出基準は数量がもっぱらであり、その個別性能は考慮されていない様である。
我が国のドクトリン
我が国のGFPランクは、なんと2019年6位、2020年5位である。
2020年の5位とは、アメリカ、ロシア、中国、インドに次ぐ堂々の5位である。
この時点でGFPランキングの信憑性に大いなる疑問が出てくるものである。
我が国にこんな順位を付けているのはGFPの算出基準の不適切さにあるのは上述の通りである。少なくとも憲法9条及び安全保障上の各種下位法の未整備状態はGFPの算出基準には含まれていないことが分かる。
我が国がGFPのランキング基準で上位にいるのは、GDP世界第3位の経済力、海上自衛隊の護衛艦の充実などである。
その一方、陸上自衛隊の人数の少なさ、装甲車両の少なさはマイナス要素となっている。
陸自が他国に比べ少なく、海自が他国に比べて充実しているのは、我が国の基本的ドクトリンと地政学的要素から当然の様に導き出される防衛政策の結果である。
我が国の基本的ドクトリンとは世界平和である。
現行憲法の前文の様な「世界平和を日本から守る」の様な歪んだ世界平和(*4)ではなく、言葉通りの世界平和である。
それ故に「専守防衛」との語句が使用され続けているのである。
ところが、我が国がお嫌いな当時の社会党や共産党及び朝日新聞の様な反日偏向メディアは「専守防衛」の意味を捻じ曲げ、我が国領土が侵略されてから、はじめて自衛行動が出来るが如き歪曲を、長年をかけて印象操作をしてきた。(*5)
仮に、反日勢力が言うような事だとしたら、先ず、何人かの日本人が犠牲にならなければ我が国は自衛行動も出来ないという事になり、そんな意味での「専守防衛」になっており、それは日本人の命を軽視する悪質な話でしかない。
そんな戦後の宿痾から抜け出そうとすると、当時の社会党=現立憲民主党や共産党及び朝日新聞の様な反日偏向メディアは「軍国主義がぁ~」とか「軍靴の音が聞こえるぅ~」とかの大騒ぎをして、我が国が国家として国民を守ることを妨害してきた。
「軍隊」が、あたかも悪い存在であるかの様な真逆の印象を流布し、我が国が国家として国民を守ることを妨害してきた。(*6)
日本人の命を蔑にする風潮に終止符をうったのは安倍首相であった。(*7)
それ故に、現立憲民主党や共産党及び朝日新聞の様な反日偏向メディアは盛んに「安倍下ろし」の言論テロを繰り返したのだが、sns他で国民が直接情報を発信できる時代になっており、それら反日勢力の欺瞞が通用しなくなっているのである。
我々日本人の命、平和・安寧の確保があり、世界平和がある。それが我が国の基本的ドクトリンである。
この当たり前の考え方を述べることさえ以前は憚られていた。
戦後、美辞麗句で語られていたことは「世界平和の為に日本人は死ね」であった。そして、それは未だに現行憲法の前文と9条として残置され続けているのである。
我々は、我々自身の為に現行憲法に終止符をうつ時代になったのだと思う。
「歪んだ「平和主義」」で書かれた現行憲法を破棄して日本人自身による平和主義を宣言する時代が来ている。
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【文末脚注】
(*1):近年は、GFP(グルーバル・ファイヤー・パワー)が「包括的指標」と称して毎年ランキングを発表しているのだが使い勝手はかなり悪い。傾向が分かる程度である。この事は以前の論考で指摘済だ。
↓
2020/01/24投稿:
GFP「各国軍事力比較」2019
副題:軍事力とは、自国民の命、平和・安寧を確保する為に手段である。軍事力は、その地域での相対的なバランスで見るものであり、脅威が去れば軍事力の縮小が可能になるものだ。実例としては冷戦終結後の欧州地域などがある。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1313.html
(*2):ユーラシア大陸から突き出た朝鮮半島の北半部には北朝鮮がある。北朝鮮は弾道ミサイルを発射し我が国上空を飛び越えたり、近隣の海面に撃ち込んでいる。同時に核開発をずっとしており今や核兵器を保有していると看做されている。
↓
2018/06/04投稿:
歪んだプリズムを透した幻影(北朝鮮問題)
副題:偏向マスコミの、「偽りの土俵」の上で書いている「記事」だけを読んでいては、実際の動きは分からない。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-948.html
【ご参考】
2017/04/17投稿:
北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-649.html
2017/04/18投稿:
続・北朝鮮との「対話」がもたらした結果が今2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-650.html
(*3):半島の南半部には韓国があり、米ソ冷戦時は38度線の北とその背後の共産主義勢力の防波堤としての役割を担っていたが、今や文在寅政権下の韓国は我が国を主敵として位置付けている危険な国となっている。
↓
2019/09/24投稿:
稀有壮大なる妄想に本気の韓国・東京にミサイルを撃ち込む
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2019/10/04投稿:
続報・稀有壮大なる妄想に本気の韓国
副題:またもや文在寅の日本を敵国とする演説。稀有壮大な妄想を本気で信じているのであろう。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1265.html
↓
※文在寅が海軍の軍拡方針を演説したのは、昨年の海軍士官学校の卒業式(2019年3月)の時である。
2019/03/07投稿:
「平和をつくるためには一層強力な国防力が必要だ」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1128.html
2019/03/08投稿:
落穂拾い・文在寅の海軍士官学校での軍拡宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1129.html
【ご参考】
2017/06/13投稿:
「白頭山計画」・実現性なき稀有壮大な妄想
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-692.html
(4):現行憲法の前文の「世界平和を日本から守る」の様な歪んだ世界平和
↓
2015/11/20投稿:
「平和憲法」との偽看板
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-269.html
2015/11/21投稿:
【憲法9条】「日本人に武器を持たせると他国を侵略する」との濡れ衣
現行憲法第9条について その4
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-270.html
2017/05/19投稿:
憲法議論1・前文の「平和主義」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-673.html
(*5):「専守防衛」の意味を捻じ曲げ、我が国領土が侵略されてから、はじめて自衛行動が出来るが如き歪曲を、長年をかけて印象操作をしてきた。
↓
2015/04/05投稿:
【コラム】「専守防衛」は生贄欲する悪魔教の呪文
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-71.html
【ご参考】
2015/04/10投稿:
【コラム】国会答弁で多用される「必要最小限」から見る世紀の捻じれ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-77.html
(*6):「軍隊」が、あたかも悪い存在であるかの様な真逆の印象を流布し、我が国が国家として国民を守ることを妨害してきた。
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<戦後の我が国の場合、国家・国民を守る軍隊に対する意識が世界各国とかけ離れている。>
2019/02/23投稿:
軍隊とは何か
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1118.html
(*7):日本人の命を蔑にする風潮に終止符をうったのは安倍首相であった。
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<前編>
2020/09/17投稿:
国家安全保障政策に関する安倍首相談話・果敢な戦略家安倍普三(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1422.html
<中編>
2020/09/22投稿:
国家安全保障政策に関する安倍首相談話・果敢な戦略家安倍普三(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1423.html
2020/09/26投稿:
国家安全保障政策に関する安倍首相談話・果敢な戦略家安倍普三(後編)Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1424.html
【ご参考】
2017/04/14投稿:
「いかなる事態でも国民守り抜く」安倍首相
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-648.html
2015/11/12投稿:
【コラム】在外国民の保護
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-261.html
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