宇都宮健児は宮沢俊義と同じ不見識・日本学術会議
- 2020/10/07
- 23:06
宇都宮健児は宮沢俊義と同じ不見識・日本学術会議
副題:立憲君主制の原理を踏まえない暴論を吐く宇都宮健児。日本学術会議法の条文解釈は内閣法制局見解と真逆
今回も日本学術会議に関しての論考である。
題材は10月4日15:39配信のYahooニュース(デイリースポーツ)が報じた、見出し「◆宇都宮健児氏 天皇に総理大臣の任命権はあるが拒否権はないのと同じ…菅首相の拒否」とのニュースである。(*1)
「天皇に総理大臣の任命権はあるが拒否権はない」との解釈は、カタカナ表記「サヨク」である宇都宮らしい解釈であるのだが、立憲君主制の原理を踏まえない暴論であることを論じるものである。
同ニュースによれば、宇都宮は以下の発言をしている。
↓
①「日本学術会議が推薦した会員候補者のうち6人を任命拒否した問題について、10月2日菅首相は『法に基づいて適切に対応した結果だ』と記者団に答えている。しかしながら今回の会員候補者6人の任命を拒否した菅首相の対応は、日本学術会議法の解釈を誤った対応であると言わねばならない」
②「日本学術会議法17条2項は日本学術会議の会員は同会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命すると定めているが、同会議の独立性を考えれば内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はないと解釈すべきである」
③「憲法6条1項により天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はないのと同じ考えである」
記事に出てくる宇都宮の発言は上記の3点である。
それを要約すると、①は「ガースーの対応は日本学術会議法の解釈を誤っている」との主張部分である。
次の②は「日本学術会議法第17条第2項は「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈すべき」との宇都宮の解釈を述べている部分である。
詳しくは後述するが、「第17条第2項」は誤りである。第17条に第2項はなく、総理大臣の任命を規定しているのは「第7条第2項」である。
そして③は、②の解釈理由として「現行憲法第6条第1項規定を「天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈しているので、それと同じだ」とする特異な見識なき主張をしているものである。
このうち、①と②は既に無効である。
宇都宮の発言が報じられたのは10月4日の15時39分なので、発言をしたのは、それより数時間程度前だと思われるが、その前日の22時には、2018年11月時点で、学術会議が推薦した人を「必ず任命する義務はない」ことを内閣法制局が確認している事を朝日新聞が報じている。
前回論考「続報・むしろ技術研究を妨害していたのは学術会議の小委員会」にて紹介した様に、2020年10月3日 22時00分付け朝日記事では、2018年11月に会員の欠員が生じた際に学術会議が推薦した人を「必ず任命する義務はない」ことを内閣法制局に確認の上、任命しなかった前例がある旨が報じられいる。
宇都宮の主張のうち最初の2つは、実はワンセットなので、あらためて以下に記載する。
↓
①「ガースーの対応は日本学術会議法の解釈を誤っている」
②「日本学術会議法第7条第2項は「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈すべき」(第7条に訂正済)
↓
<宇都宮の主旨>
・任命しないのは違法!
宇都宮は「任命しないのは違法」、日本学術会議法に反すると主張している訳だが、内閣法制局は逆に「必ず任命する義務はない」との見解を示しているのである。
宇都宮は、元日弁連会長の弁護士なので、真逆の事を言っている内閣法制局を訴えて、司法の場で決着をつけていただきたいものだ(笑)
宇都宮が②で言っている「日本学術会議法第7条第2項は「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈すべき」の同条を以下に紹介するので、お読みいただきたい。
この条文の、何処をどの様に読めば「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈できるのか、お考えいただきたい。
↓
日本学術会議法 昭和二十三年法律第百二十一号
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000121
(前略)
<第3章 組織>
第7条:日本学術会議は、二百十人の日本学術会議会員(以下「会員」という。)をもつて、これを組織する。
同第2項 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。
同第3項 会員の任期は、六年とし、三年ごとに、その半数を任命する。
同第4項 補欠の会員の任期は、前任者の残任期間とする。
同第5項 会員は、再任されることができない。ただし、補欠の会員は、一回に限り再任されることができる。
同第6項 会員は、年齢七十年に達した時に退職する。
同第7項 会員には、別に定める手当を支給する。
同第8項 会員は、国会議員を兼ねることを妨げない。
(中略)
<第4章 会員の推薦>
第17条:日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。
<以下略>
お読みいただければ分かる通り、内閣法制局が示した見解「必ず任命する義務はない」が真っ当な解釈である。
どこにも「任命拒否権はない」との「解釈」に至る文言はないのである。
さて、問題の③である。
宇都宮は日本学術会議法の第7条第2項の「内閣総理大臣が任命する」との規定に対して「任命権はあるが任命拒否権はない」との独自の解釈をしているのだが、その様な解釈をする理由として上げているのが現行憲法第6条第1項である。
↓
<引用開始>
③「憲法6条1項により天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はないのと同じ考えである」
<引用終わり>
この言い草を見て、最初に思い出したのがトンデモ憲法学者・宮沢俊義の晩年の妄言である。宮沢は、この第6条、第7条の国事行為に対して「天皇は判子押しロボットになった」とのおよそ学者とは言えない煽情的な言葉を吐いたサヨク学者である。(*2)
宮沢俊義のおバカな話と宇都宮の話の共通点は、主権概念の理解が足りないところである。
宇都宮は「天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はない」と「任命権」の単純な対義語として「任命拒否権」なる造語を用いているが、それは主権概念を混同しているからである。
主権について混同するのは、ある意味仕方がない面があるが、宮沢は「憲法学者」であり、宇都宮は弁護士であり、その肩書からは「法学の専門家」であるはずなのに混同したままなのである。
「混同しても仕方ない」と書いた理由は、現行憲法が「なんでもかんでも国民主権」で書かれているからである。しかも、現行憲法に改憲される前の帝国憲法の建て付けも「なんでもかんでも天皇大権」なので、仕方がない。
ただ、真面目に憲法を読めば主権の在り方が分かるので、「法学の専門家」なのに混同したままなの如何なものかと思う。
それでは先ず、宇都宮が例示した現行憲法第6条と、それに続く第7条を参考の為に以下に引用する。
↓
<日本国憲法(昭和二十一年憲法)第6条及び第7条>
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=321CONSTITUTION#15
第6条:天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
同第2項 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
第7条:天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
<引用終わり>
第6条の第1項は「内閣総理大臣を任命する」との規定であるが、同条第2項は「最高裁判所の長たる裁判官を任命する」との規定である。
「最高裁判所の長たる裁判官」とは随分とアメリカ英語を直訳した文言だが「最高裁長官」のことである。
つまり、第6条第1項は「行政府の長」の任命であり、第2項は「司法の長」の任命を規定する条文なのである。
「三権分立」の「三権」とは、司法・立法・行政であるが、そのうちの司法と行政の長を任命する任命権者が天皇だとする規定である。一方、立法府は「国民の投票」により選出された議員にて構成されるものである。従い、立法府の長たる衆参議長は天皇が任命するものではない。
ここで言っている事は、主権には3つあり、そのうちの主権3)=国民主権で選出された立法府国会議員と、主権1)=統治権の行政及び司法の「統治権行使権の委譲」との違いの話である。
3つの主権とは以下の通り、統治権、対外的国家主権、国民主権のことである。
↓
<3つの主権概念>
・主権1):国民及び領土を統治する主権。統治権
・主権2):国家が他国からの干渉を受けずに独自の意思決定を行うことが出来る主権。対外的国家主権
・主権3):国家の政治を最終的に決定する権利。我が国では国民が投票権他で行使。国民主権
我が国やイギリスの様な自由民主主義の立憲君主国での建て付けでは、国民が主権3)を、選挙を通じて行使し、選挙で選任された議員の数に応じて選任された首班に対して主権1)統治権の行使権が、統治権者から国民によってえら選ばれた首班に委譲され、首班が首相として行政が行われるとの建て付けになっているのである。
以前にも解説した(*3)が、現行憲法での総理大臣職確定のコアプロセスを以下に示す。
1:総選挙実施(第15条・第43条)※主権3)国民主権の行使
↓
2:選挙結果に応じ国会で内閣総理大臣を指名(第67条)
↓
3:天皇陛下が内閣総理大臣を任命(第6条)※主権1)統治権の行使権を総理大臣に委譲
↓
4:内閣総理大臣が国務大臣を任命(第68条)
↓
5:天皇陛下が国務大臣を認証する。(第7条)
現行憲法の第6条と第7条は、上記の様になっており、それはイギリスの首相任命の建て付けとほぼ同じであり、それらは、その国の統治権者である元首が行うものである。
現行憲法では第7条で「国事行為」と称しているが、内容は元首行為そのものである。
因みに、現行憲法へと改憲する前の大日本帝国憲法(*4)では、これら現行憲法の第6条第2項や第7条「国事行為」と同様の規定が存在しており、それら規定が現行憲法の条文の元になっているものである。
イギリスの場合、国民の意志である選挙の結果で第1党となった政党の党首が、イギリスの元首エリザベス女王から任命、即ち、統治権者から統治権行使権が委譲されるという建て付けだ。
イギリスでは選挙結果が出たら、第1党の党首が自党または自身の車でバッキンガム宮殿へと向かい、統治権者国王(エリザベス女王)によって首相に任命され、任命後にバッキンガム宮殿から出る時には首相公用車にて出る。
もしも、第1党党首ではない人物がバッキンガム宮殿に向かっても、宮殿の門は開かず、国王の任命=統治権行使権の委譲を受けることが出来ずに、首相に就任できないとするものである。
こちらのプロセスを要約すると、以下の様になる。
↓
1:選挙で庶民院(衆議院に相当)の第1党が決まる。
↓※現行憲法規定にある「首班指名」はない
2:国王(エリザベス女王)によって第一党党首が首相に任命される。
↓
3.閣内相(国務大臣に相当)を首相の推薦に基き国王(エイリザベス女王)が任命
この様な手順が踏まれている訳だが、そういう手順が「イギリス憲法」に書かれているのかというと、そうではない。そもそもイギリスは不成文憲法・慣習法の国であり、「イギリス憲法」との憲法典は存在しない。この就任プロセスは慣習に基づくものである。
表題の疑問に対する答は「拒否しない」である。
その理由がポイントである。
宇都宮は、現行憲憲法第6条の「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。」との条文に対して「任命権」との理解をしている。
そうであるからこそ、「任命権」の単純な対義語として「任命拒否権」なる造語を用いているのである。
主権概念を踏まえれば、現行憲法第6条は、統治権者天皇が統治権行使権を国民が選んだ議員の中から選出された人物に委譲するとの手続きを規定したものである。それは、天皇が最初から持つ統治権の、その行使権の委譲であり、統治権自体が移るものではない。
その行使権を委託する相手を現行憲法では、国会の首班指名で指名された人物としている。
一方、帝国憲法の時代、天皇は自身の大権を以て衆議院選挙で第一党となった党の党首を統治権行使権者にする大命を発するとの、現行憲法及びイギリスと同様の運用をしていた。
勿論、緊急時には違る運用もしていたが、イギリスと同様の運用をしていた。
戦前の帝国憲法時代の我が国はイギリスとは違い帝国憲法との憲法典を有していたのだが、帝国憲法には「総理大臣」との語句さえなく、総理大臣の任命規定はない。
しかし、その時代、我が国はイギリスをお手本に憲政の常道との慣習法にて、現行憲法及びイギリスと同様の運用をしていたのである。
国民の選択の結果を君主は拒まないとする事が立憲君主制の要諦なのであるから、イギリス国王は拒まないし、我が国天皇も拒まないのである。
それは条文以前の国の形の問題なのであり、「任命拒否「権」」なるものとは次元が違うのである。
統治権者天皇に関してまだ全然書き足りないのだが、ちょっと長くなり過ぎた。
仕方がないので宇都宮の話に戻す。
宇都宮が語る「任命拒否「権」」は、学術会議会員の任命の話であり、国家の主権の在り方の話とは次元が異なる話であるのに、それを同列にして語るとの間違いを犯しているのである。
学術会議は、日本学術会議法第1条同第2項で「日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄とする。」とあり、その組織に対する責任は総理大臣が負う規定となっており、同法第7条同第2項では「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」とある様に、所管組織の人事の話である。
現行憲法第6条を引き合いに出すこと自体が、ここまで説明したきた様に、誤りなのである。
既に、宇都宮の言う「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はないと解釈すべき」との主張は、内閣法制局の2018年11月の見解とは真逆であり、意味をなしていない。
ついでに言うと、宮沢俊義がいう「天皇は判子押しロボットになった」との奇論、即ち、「立憲君主国の君主はロボット説」をイギリス議会やイギリス学士院で「英国女王はサイン書きロボットになった」と唱えてみれば、その知見のなさ、見識のなさにイギリス人学者達は呆れてしまうであろう。
時間切れなので、今回はこれにて御仕舞とする。
本ブログは憲法研究ブログを名乗っているのだが、ここ数年は「憲法議論をしないことでの改憲阻止」との寝転がり戦法(*5)が所謂「護憲派」内で徹底されており、憲法議論の題材が少なく、戦後70年にあたる2015年8月13日に当方が考える【日本国憲法改正私案α版】(*6)を発表して以降は投稿する内容の比率が憲法研究と時事問題で逆転してしまっている。
しかしながら、今回の様な憲法を弄する発言を誰かがした際には、何がどの様に違っているのかを指摘し続けていくつもりである。
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【文末脚注】
(*1):10月4日15:39配信のYahooニュース(デイリースポーツ)
↓
Yahooニュース(デイリースポーツ)10/4(日) 15:39配信
見出し:◆宇都宮健児氏 天皇に総理大臣の任命権はあるが拒否権はないのと同じ…菅首相の拒否
https://news.yahoo.co.jp/articles/f34e15ceb1fc00fee0b1f1c7e787f5a42a7a348b
記事:○宇都宮健児元日本弁護士連合会会長が4日までにツイッターに投稿。日本学術会議が新会員に推薦した6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、「任命拒否権はない」と菅首相を批判した。
○宇都宮氏は「日本学術会議が推薦した会員候補者のうち6人を任命拒否した問題について、10月2日菅首相は『法に基づいて適切に対応した結果だ』と記者団に答えている。しかしながら今回の会員候補者6人の任命を拒否した菅首相の対応は、日本学術会議法の解釈を誤った対応であると言わねばならない」と指摘。
○「日本学術会議法17条2項は日本学術会議の会員は同会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命すると定めているが、同会議の独立性を考えれば内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はないと解釈すべきである」との考えを示した。宇都宮氏は同様の例として「憲法6条1項により天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はないのと同じ考えである」と指摘した。
○最終更新:10/4(日) 15:56 デイリースポーツ
<引用終わり>
(*2):宮沢は、この第6条、第7条の国事行為に対して「天皇は判子押しロボットになった」とのおよそ学者とは言えない煽情的な言葉を吐いたサヨク学者である。
↓
<Wikiより抜粋引用>
(前略)天皇の立場については、1947年の時点では「日本国憲法の下の天皇も『君主』だと説く事が、むしろ通常の言葉の使い方に適合するだろうとおもう」と述べた。しかし、1955年には「君主の地位をもっていない」と君主制を否定した。さらに1967年の『憲法講話』(岩波新書)では、天皇はただの「公務員」などと述べ、死去する1976年の『全訂日本国憲法』(日本評論者)では、「なんらの実質的な権力をもたず、ただ内閣の指示にしたがって機械的に『めくら判』をおすだけのロボット的存在」と解説し、その翌年死去した。変説の理由について西修は「東京帝大教授で憲法の権威であった宮澤にはGHQから相当の圧力があったであろう」という説を紹介している。(後略)
<引用終わり>
(*3):以前に解説した現行憲法での総理大臣職確定のコアプロセス
↓
2017/11/04投稿:
「皇居での首相任命式と閣僚認証式」憲法第6条・第7条
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-795.html
【ご参考】
2015/10/10投稿:
【コラム】「皇居での認証式」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-229.html
(*4):現行憲法へと改憲する前の大日本帝国憲法
↓
※現行憲法は帝国憲法下帝国議会での決議に基づき改憲されたもの。
2015/01/23投稿:
3-3 日本国憲法 前文の前に。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-9.html
<引用開始>
上諭
日本国憲法
朕は、日本國民の總意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、樞密顧問の諮詢及び帝國憲法第七十三條による帝國議會の議決を經た帝國憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名 御璽
昭和二十一年十一月三日
内閣總理大臣兼
外務大臣 吉田茂
國務大臣 男爵 幣原喜重郎
司法大臣 木村篤太郎
内務大臣 大村淸一
文部大臣 田中耕太郎
農林大臣 和田博雄
國務大臣 齋藤隆雄
逓信大臣 一松定吉
商工大臣 星島二郎
厚生大臣 河合良成
國務大臣 植原悦二郎
運輸大臣 平塚常次郎
大蔵大臣 石橋湛山
國務大臣 金森徳次郎
國務大臣 膳桂之助
<引用終わり>
※大日本帝国憲法の各条文
↓
2016/04/26投稿:
(資料編)大日本帝国憲法・現代語訳
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-395.html
(*5):「憲法議論をしないことでの改憲阻止」との寝転がり戦法
↓
2018/07/02投稿:
「憲法議論をしないことでの改憲阻止」との愚劣
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-969.html
2018/02/27投稿:
相変わらずの寝転がり戦法・野党5党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-871.html
2018/08/06投稿:
2018年通常国会・憲法議論から逃げ回った立憲民主党他野党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-993.html
2018/09/23投稿:
「国会で憲法議論などするものか」と相変わらずの野党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1020.html
etc.
(*6):戦後70年にあたる2015年8月13日に当方が考える【日本国憲法改正私案α版】を発表している。
↓
2015年08月13日投稿:【日本国憲法改正私案α版】
・(1/5)前文、第1章・天皇、第2章・安全保障
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-183.html
・(2/5)第3章・国民の権利及び義務
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-184.html
・(3/5)第4章・国会、第5章・内閣
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-185.html
・(4/5)第6章・司法、第7章・財政、第8章・地方自治、第9章・緊急事態
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-186.html
・(5/5)第10章・改正、第11章最高法規、附則
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-187.html
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副題:立憲君主制の原理を踏まえない暴論を吐く宇都宮健児。日本学術会議法の条文解釈は内閣法制局見解と真逆
今回も日本学術会議に関しての論考である。
題材は10月4日15:39配信のYahooニュース(デイリースポーツ)が報じた、見出し「◆宇都宮健児氏 天皇に総理大臣の任命権はあるが拒否権はないのと同じ…菅首相の拒否」とのニュースである。(*1)
「天皇に総理大臣の任命権はあるが拒否権はない」との解釈は、カタカナ表記「サヨク」である宇都宮らしい解釈であるのだが、立憲君主制の原理を踏まえない暴論であることを論じるものである。
記事から宇都宮の発言を紹介・要約する
同ニュースによれば、宇都宮は以下の発言をしている。
↓
①「日本学術会議が推薦した会員候補者のうち6人を任命拒否した問題について、10月2日菅首相は『法に基づいて適切に対応した結果だ』と記者団に答えている。しかしながら今回の会員候補者6人の任命を拒否した菅首相の対応は、日本学術会議法の解釈を誤った対応であると言わねばならない」
②「日本学術会議法17条2項は日本学術会議の会員は同会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命すると定めているが、同会議の独立性を考えれば内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はないと解釈すべきである」
③「憲法6条1項により天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はないのと同じ考えである」
記事に出てくる宇都宮の発言は上記の3点である。
それを要約すると、①は「ガースーの対応は日本学術会議法の解釈を誤っている」との主張部分である。
次の②は「日本学術会議法第17条第2項は「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈すべき」との宇都宮の解釈を述べている部分である。
詳しくは後述するが、「第17条第2項」は誤りである。第17条に第2項はなく、総理大臣の任命を規定しているのは「第7条第2項」である。
そして③は、②の解釈理由として「現行憲法第6条第1項規定を「天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈しているので、それと同じだ」とする特異な見識なき主張をしているものである。
このうち、①と②は既に無効である。
宇都宮の発言が報じられたのは10月4日の15時39分なので、発言をしたのは、それより数時間程度前だと思われるが、その前日の22時には、2018年11月時点で、学術会議が推薦した人を「必ず任命する義務はない」ことを内閣法制局が確認している事を朝日新聞が報じている。
2018年11月に内閣法制局は「必ず任命する義務はない」との見解を提示済
前回論考「続報・むしろ技術研究を妨害していたのは学術会議の小委員会」にて紹介した様に、2020年10月3日 22時00分付け朝日記事では、2018年11月に会員の欠員が生じた際に学術会議が推薦した人を「必ず任命する義務はない」ことを内閣法制局に確認の上、任命しなかった前例がある旨が報じられいる。
宇都宮の主張のうち最初の2つは、実はワンセットなので、あらためて以下に記載する。
↓
①「ガースーの対応は日本学術会議法の解釈を誤っている」
②「日本学術会議法第7条第2項は「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈すべき」(第7条に訂正済)
↓
<宇都宮の主旨>
・任命しないのは違法!
宇都宮は「任命しないのは違法」、日本学術会議法に反すると主張している訳だが、内閣法制局は逆に「必ず任命する義務はない」との見解を示しているのである。
宇都宮は、元日弁連会長の弁護士なので、真逆の事を言っている内閣法制局を訴えて、司法の場で決着をつけていただきたいものだ(笑)
日本学術会議法第7条第2項のご紹介
宇都宮が②で言っている「日本学術会議法第7条第2項は「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈すべき」の同条を以下に紹介するので、お読みいただきたい。
この条文の、何処をどの様に読めば「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はない」と解釈できるのか、お考えいただきたい。
↓
日本学術会議法 昭和二十三年法律第百二十一号
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000121
(前略)
<第3章 組織>
第7条:日本学術会議は、二百十人の日本学術会議会員(以下「会員」という。)をもつて、これを組織する。
同第2項 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。
同第3項 会員の任期は、六年とし、三年ごとに、その半数を任命する。
同第4項 補欠の会員の任期は、前任者の残任期間とする。
同第5項 会員は、再任されることができない。ただし、補欠の会員は、一回に限り再任されることができる。
同第6項 会員は、年齢七十年に達した時に退職する。
同第7項 会員には、別に定める手当を支給する。
同第8項 会員は、国会議員を兼ねることを妨げない。
(中略)
<第4章 会員の推薦>
第17条:日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。
<以下略>
お読みいただければ分かる通り、内閣法制局が示した見解「必ず任命する義務はない」が真っ当な解釈である。
どこにも「任命拒否権はない」との「解釈」に至る文言はないのである。
「任命拒否「権」はない」と語る宇都宮
さて、問題の③である。
宇都宮は日本学術会議法の第7条第2項の「内閣総理大臣が任命する」との規定に対して「任命権はあるが任命拒否権はない」との独自の解釈をしているのだが、その様な解釈をする理由として上げているのが現行憲法第6条第1項である。
↓
<引用開始>
③「憲法6条1項により天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はないのと同じ考えである」
<引用終わり>
この言い草を見て、最初に思い出したのがトンデモ憲法学者・宮沢俊義の晩年の妄言である。宮沢は、この第6条、第7条の国事行為に対して「天皇は判子押しロボットになった」とのおよそ学者とは言えない煽情的な言葉を吐いたサヨク学者である。(*2)
宮沢俊義のおバカな話と宇都宮の話の共通点は、主権概念の理解が足りないところである。
宇都宮は「天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はない」と「任命権」の単純な対義語として「任命拒否権」なる造語を用いているが、それは主権概念を混同しているからである。
主権について混同するのは、ある意味仕方がない面があるが、宮沢は「憲法学者」であり、宇都宮は弁護士であり、その肩書からは「法学の専門家」であるはずなのに混同したままなのである。
「混同しても仕方ない」と書いた理由は、現行憲法が「なんでもかんでも国民主権」で書かれているからである。しかも、現行憲法に改憲される前の帝国憲法の建て付けも「なんでもかんでも天皇大権」なので、仕方がない。
ただ、真面目に憲法を読めば主権の在り方が分かるので、「法学の専門家」なのに混同したままなの如何なものかと思う。
現行憲法第6条及び第7条は元首行為規定
それでは先ず、宇都宮が例示した現行憲法第6条と、それに続く第7条を参考の為に以下に引用する。
↓
<日本国憲法(昭和二十一年憲法)第6条及び第7条>
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=321CONSTITUTION#15
第6条:天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
同第2項 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
第7条:天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
<引用終わり>
第6条の第1項は「内閣総理大臣を任命する」との規定であるが、同条第2項は「最高裁判所の長たる裁判官を任命する」との規定である。
「最高裁判所の長たる裁判官」とは随分とアメリカ英語を直訳した文言だが「最高裁長官」のことである。
つまり、第6条第1項は「行政府の長」の任命であり、第2項は「司法の長」の任命を規定する条文なのである。
「三権分立」の「三権」とは、司法・立法・行政であるが、そのうちの司法と行政の長を任命する任命権者が天皇だとする規定である。一方、立法府は「国民の投票」により選出された議員にて構成されるものである。従い、立法府の長たる衆参議長は天皇が任命するものではない。
ここで言っている事は、主権には3つあり、そのうちの主権3)=国民主権で選出された立法府国会議員と、主権1)=統治権の行政及び司法の「統治権行使権の委譲」との違いの話である。
3つの主権とは以下の通り、統治権、対外的国家主権、国民主権のことである。
↓
<3つの主権概念>
・主権1):国民及び領土を統治する主権。統治権
・主権2):国家が他国からの干渉を受けずに独自の意思決定を行うことが出来る主権。対外的国家主権
・主権3):国家の政治を最終的に決定する権利。我が国では国民が投票権他で行使。国民主権
我が国やイギリスの様な自由民主主義の立憲君主国での建て付けでは、国民が主権3)を、選挙を通じて行使し、選挙で選任された議員の数に応じて選任された首班に対して主権1)統治権の行使権が、統治権者から国民によってえら選ばれた首班に委譲され、首班が首相として行政が行われるとの建て付けになっているのである。
以前にも解説した(*3)が、現行憲法での総理大臣職確定のコアプロセスを以下に示す。
1:総選挙実施(第15条・第43条)※主権3)国民主権の行使
↓
2:選挙結果に応じ国会で内閣総理大臣を指名(第67条)
↓
3:天皇陛下が内閣総理大臣を任命(第6条)※主権1)統治権の行使権を総理大臣に委譲
↓
4:内閣総理大臣が国務大臣を任命(第68条)
↓
5:天皇陛下が国務大臣を認証する。(第7条)
現行憲法の第6条と第7条は、上記の様になっており、それはイギリスの首相任命の建て付けとほぼ同じであり、それらは、その国の統治権者である元首が行うものである。
現行憲法では第7条で「国事行為」と称しているが、内容は元首行為そのものである。
因みに、現行憲法へと改憲する前の大日本帝国憲法(*4)では、これら現行憲法の第6条第2項や第7条「国事行為」と同様の規定が存在しており、それら規定が現行憲法の条文の元になっているものである。
イギリスでの統治権行使権委譲手続きの規定
イギリスの場合、国民の意志である選挙の結果で第1党となった政党の党首が、イギリスの元首エリザベス女王から任命、即ち、統治権者から統治権行使権が委譲されるという建て付けだ。
イギリスでは選挙結果が出たら、第1党の党首が自党または自身の車でバッキンガム宮殿へと向かい、統治権者国王(エリザベス女王)によって首相に任命され、任命後にバッキンガム宮殿から出る時には首相公用車にて出る。
もしも、第1党党首ではない人物がバッキンガム宮殿に向かっても、宮殿の門は開かず、国王の任命=統治権行使権の委譲を受けることが出来ずに、首相に就任できないとするものである。
こちらのプロセスを要約すると、以下の様になる。
↓
1:選挙で庶民院(衆議院に相当)の第1党が決まる。
↓※現行憲法規定にある「首班指名」はない
2:国王(エリザベス女王)によって第一党党首が首相に任命される。
↓
3.閣内相(国務大臣に相当)を首相の推薦に基き国王(エイリザベス女王)が任命
この様な手順が踏まれている訳だが、そういう手順が「イギリス憲法」に書かれているのかというと、そうではない。そもそもイギリスは不成文憲法・慣習法の国であり、「イギリス憲法」との憲法典は存在しない。この就任プロセスは慣習に基づくものである。
現行憲法第6条及び第7条に基づき天皇は任命拒否するのか?
表題の疑問に対する答は「拒否しない」である。
その理由がポイントである。
宇都宮は、現行憲憲法第6条の「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。」との条文に対して「任命権」との理解をしている。
そうであるからこそ、「任命権」の単純な対義語として「任命拒否権」なる造語を用いているのである。
主権概念を踏まえれば、現行憲法第6条は、統治権者天皇が統治権行使権を国民が選んだ議員の中から選出された人物に委譲するとの手続きを規定したものである。それは、天皇が最初から持つ統治権の、その行使権の委譲であり、統治権自体が移るものではない。
その行使権を委託する相手を現行憲法では、国会の首班指名で指名された人物としている。
一方、帝国憲法の時代、天皇は自身の大権を以て衆議院選挙で第一党となった党の党首を統治権行使権者にする大命を発するとの、現行憲法及びイギリスと同様の運用をしていた。
勿論、緊急時には違る運用もしていたが、イギリスと同様の運用をしていた。
戦前の帝国憲法時代の我が国はイギリスとは違い帝国憲法との憲法典を有していたのだが、帝国憲法には「総理大臣」との語句さえなく、総理大臣の任命規定はない。
しかし、その時代、我が国はイギリスをお手本に憲政の常道との慣習法にて、現行憲法及びイギリスと同様の運用をしていたのである。
国民の選択の結果を君主は拒まないとする事が立憲君主制の要諦なのであるから、イギリス国王は拒まないし、我が国天皇も拒まないのである。
それは条文以前の国の形の問題なのであり、「任命拒否「権」」なるものとは次元が違うのである。
国民の意志の尊重と所管組織の人事を同列にして語る宇都宮
統治権者天皇に関してまだ全然書き足りないのだが、ちょっと長くなり過ぎた。
仕方がないので宇都宮の話に戻す。
宇都宮が語る「任命拒否「権」」は、学術会議会員の任命の話であり、国家の主権の在り方の話とは次元が異なる話であるのに、それを同列にして語るとの間違いを犯しているのである。
学術会議は、日本学術会議法第1条同第2項で「日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄とする。」とあり、その組織に対する責任は総理大臣が負う規定となっており、同法第7条同第2項では「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」とある様に、所管組織の人事の話である。
現行憲法第6条を引き合いに出すこと自体が、ここまで説明したきた様に、誤りなのである。
既に、宇都宮の言う「内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はないと解釈すべき」との主張は、内閣法制局の2018年11月の見解とは真逆であり、意味をなしていない。
ついでに言うと、宮沢俊義がいう「天皇は判子押しロボットになった」との奇論、即ち、「立憲君主国の君主はロボット説」をイギリス議会やイギリス学士院で「英国女王はサイン書きロボットになった」と唱えてみれば、その知見のなさ、見識のなさにイギリス人学者達は呆れてしまうであろう。
時間切れなので、今回はこれにて御仕舞とする。
論考の最後に
本ブログは憲法研究ブログを名乗っているのだが、ここ数年は「憲法議論をしないことでの改憲阻止」との寝転がり戦法(*5)が所謂「護憲派」内で徹底されており、憲法議論の題材が少なく、戦後70年にあたる2015年8月13日に当方が考える【日本国憲法改正私案α版】(*6)を発表して以降は投稿する内容の比率が憲法研究と時事問題で逆転してしまっている。
しかしながら、今回の様な憲法を弄する発言を誰かがした際には、何がどの様に違っているのかを指摘し続けていくつもりである。
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【文末脚注】
(*1):10月4日15:39配信のYahooニュース(デイリースポーツ)
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Yahooニュース(デイリースポーツ)10/4(日) 15:39配信
見出し:◆宇都宮健児氏 天皇に総理大臣の任命権はあるが拒否権はないのと同じ…菅首相の拒否
https://news.yahoo.co.jp/articles/f34e15ceb1fc00fee0b1f1c7e787f5a42a7a348b
記事:○宇都宮健児元日本弁護士連合会会長が4日までにツイッターに投稿。日本学術会議が新会員に推薦した6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、「任命拒否権はない」と菅首相を批判した。
○宇都宮氏は「日本学術会議が推薦した会員候補者のうち6人を任命拒否した問題について、10月2日菅首相は『法に基づいて適切に対応した結果だ』と記者団に答えている。しかしながら今回の会員候補者6人の任命を拒否した菅首相の対応は、日本学術会議法の解釈を誤った対応であると言わねばならない」と指摘。
○「日本学術会議法17条2項は日本学術会議の会員は同会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命すると定めているが、同会議の独立性を考えれば内閣総理大臣には任命権はあるが任命拒否権はないと解釈すべきである」との考えを示した。宇都宮氏は同様の例として「憲法6条1項により天皇に内閣総理大臣の任命権はあるが任命拒否権はないのと同じ考えである」と指摘した。
○最終更新:10/4(日) 15:56 デイリースポーツ
<引用終わり>
(*2):宮沢は、この第6条、第7条の国事行為に対して「天皇は判子押しロボットになった」とのおよそ学者とは言えない煽情的な言葉を吐いたサヨク学者である。
↓
<Wikiより抜粋引用>
(前略)天皇の立場については、1947年の時点では「日本国憲法の下の天皇も『君主』だと説く事が、むしろ通常の言葉の使い方に適合するだろうとおもう」と述べた。しかし、1955年には「君主の地位をもっていない」と君主制を否定した。さらに1967年の『憲法講話』(岩波新書)では、天皇はただの「公務員」などと述べ、死去する1976年の『全訂日本国憲法』(日本評論者)では、「なんらの実質的な権力をもたず、ただ内閣の指示にしたがって機械的に『めくら判』をおすだけのロボット的存在」と解説し、その翌年死去した。変説の理由について西修は「東京帝大教授で憲法の権威であった宮澤にはGHQから相当の圧力があったであろう」という説を紹介している。(後略)
<引用終わり>
(*3):以前に解説した現行憲法での総理大臣職確定のコアプロセス
↓
2017/11/04投稿:
「皇居での首相任命式と閣僚認証式」憲法第6条・第7条
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-795.html
【ご参考】
2015/10/10投稿:
【コラム】「皇居での認証式」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-229.html
(*4):現行憲法へと改憲する前の大日本帝国憲法
↓
※現行憲法は帝国憲法下帝国議会での決議に基づき改憲されたもの。
2015/01/23投稿:
3-3 日本国憲法 前文の前に。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-9.html
<引用開始>
上諭
日本国憲法
朕は、日本國民の總意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、樞密顧問の諮詢及び帝國憲法第七十三條による帝國議會の議決を經た帝國憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名 御璽
昭和二十一年十一月三日
内閣總理大臣兼
外務大臣 吉田茂
國務大臣 男爵 幣原喜重郎
司法大臣 木村篤太郎
内務大臣 大村淸一
文部大臣 田中耕太郎
農林大臣 和田博雄
國務大臣 齋藤隆雄
逓信大臣 一松定吉
商工大臣 星島二郎
厚生大臣 河合良成
國務大臣 植原悦二郎
運輸大臣 平塚常次郎
大蔵大臣 石橋湛山
國務大臣 金森徳次郎
國務大臣 膳桂之助
<引用終わり>
※大日本帝国憲法の各条文
↓
2016/04/26投稿:
(資料編)大日本帝国憲法・現代語訳
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-395.html
(*5):「憲法議論をしないことでの改憲阻止」との寝転がり戦法
↓
2018/07/02投稿:
「憲法議論をしないことでの改憲阻止」との愚劣
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-969.html
2018/02/27投稿:
相変わらずの寝転がり戦法・野党5党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-871.html
2018/08/06投稿:
2018年通常国会・憲法議論から逃げ回った立憲民主党他野党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-993.html
2018/09/23投稿:
「国会で憲法議論などするものか」と相変わらずの野党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1020.html
etc.
(*6):戦後70年にあたる2015年8月13日に当方が考える【日本国憲法改正私案α版】を発表している。
↓
2015年08月13日投稿:【日本国憲法改正私案α版】
・(1/5)前文、第1章・天皇、第2章・安全保障
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-183.html
・(2/5)第3章・国民の権利及び義務
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-184.html
・(3/5)第4章・国会、第5章・内閣
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-185.html
・(4/5)第6章・司法、第7章・財政、第8章・地方自治、第9章・緊急事態
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-186.html
・(5/5)第10章・改正、第11章最高法規、附則
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-187.html
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