偽りの設定「学問の自由」・むしろ技術研究を妨害していたのは学術会議の委員会
- 2020/10/02
- 20:37
偽りの設定「学問の自由」・むしろ技術研究を妨害していたのは学術会議の委員会
副題:学術会議の会員じゃなくても「学問」をする自由は棄損されないのに何を言っているのか?むしろ日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」は2017年に「安全保障技術研究推進制度」に反対して技術研究を妨害していたではないか。
新総理となったガースーがしっかりと筋を通してくれた様である。
その正論に対して、朝日新聞などの反日偏向メディアは、虚偽の設定を提示して印象操作をしている。そういうねじ曲がった朝日他反日勢力の情報戦に対して、事実を提示するのが今回の目的である。
今回の件を知ったのはNHKと朝日新聞のニュース(*1)からである。
興味深いことの1つに朝日記事には肝心なことが書いてないという点がある。
何が書いてないのかと言うと、①学術会議が内閣総理大臣の所轄であること、②同会議の「会員」というのが一般的な「会員」との語句から想起されるメンバーではなく、参議院の様に3年毎に半数が改選される定数210人のことであり、むしろ「議員」であること、③これら210人の「会員」は学術会議が推薦し、その推薦に基づき総理大臣が任命する決まりになっているのだが、総理大臣が推薦者を必ず任命しなくてはいけないという規定はないこと、などである。
NHKの記事には「日本学術会議の会員は、日本学術会議法という法律によって、任命の手続きが定められています。」との記載があるのだが、朝日記事には記載がないのである。(*2)
朝日が書かない理由を推察するに、多分、お得意の「肝心な情報を提示せずに読者に誤解させる手法」を、この記事でも使っているからだろうと思われる。
その典型例が朝日記事にある「「学者の国会」ともいわれる日本学術会議」なる記述である。
「学者の国会」なる比喩は、国会が国民の投票で選ばれるのに対して、学術会議の会員は既存の会員210人だけで推薦する人を決めているもので、選ばれるプロセスが全然違うのである。
同様、朝日記事では、あたかも学術会議の会員でなければ学者として認められないかの如き誤解を想起させる様な書き方をしているが、我が国にいる学者や教授などの学術関係者はたった210人だけではない。むしろ学術会議の会員ではない学術関係者の方が多い。
そうであるにも関わらず、任命されなかったからと「「学問の自由」に対する政治の介入」であるかの様な「設定」で朝日は記事を書いているのである。
共産党機関紙は「しんぶん赤旗」を名乗っているのだが、けして「新聞」ではなく、単なる政党機関紙であるので、ひらがな表記で「しんぶん」としているものである。
新聞ではないので、一応は新聞の御題目である不偏不党や事実報道とは赤旗は無縁であり、共産党機関紙なのだから共産党が言いたいことだけが載っているものである。
その赤旗の記事は文末脚注の(*3)で2つ引用しているが、その両記事は、ともに「学術会議への人事介入」だと主張しているものだ。
↓
<赤旗の見出し引用開始>
・◆菅首相、学術会議人事に介入 推薦候補を任命せず 安保法批判者ら数人
・◆学術会議への人事介入
<引用終わり>
赤旗では、あたかも「任命しないこと」が「人事介入」であるかの様な書き方になっているのだが、前述した通り、日本学術会議法では、「会員」は学術会議が推薦し、その推薦に基づき総理大臣が任命する決まりになっているのだが、総理大臣が推薦者を必ず任命しなくてはいけないという規定はないのである。
要するに、任命するかしないかは総理の専権事項なのだから「介入もクソもない」のである。
同様、NHK記事によれば、共産党の志位は「学問の自由を脅かす違憲の行為」だと発言しているそうだが、まったく的外れである。
東京新聞(*4)によれば、推薦105人に対して任命をしなかった6人は以下の通り、総て大学教授である。
↓
1)東京大 社会科学研究所 宇野重規教授(政治思想史)
2)早稲田大大学院 法務研究科 岡田正則教授(行政法)
3)東京慈恵会医科大 小沢隆一教授(憲法学)
4)東京大大学院 人文社会系研究科 加藤陽子教授(日本近現代史)
5)立命館大大学院 法務研究科 松宮孝明教授(刑事法)
6)京都大 芦名定道教授(キリスト教学)
大学教授という地位を剥奪するのならば、志位の言う「憲法23条の学問の自由を脅かす違憲の行為」に該当するが、内閣総理大臣の所轄である学術会議の議員に任命しないからと言って憲法違反にはならない。
ガースー総理は法令に従い推薦者のうち99名を任命した訳だが、任命しなかった6名は全員が人文科学系である。
共産党・志位が言う様な虚偽ではなく、学問の自由を脅かしているには、むしろ、学術会議のごく少数の人達による「安全保障と学術に関する検討委員会」という「課題別委員会」の報告を総会決議に諮ることもなく、「安全保障技術研究推進制度」に反対することにしてしまった例である。
これは日本学術会議法第24条第2項に違反するものである。
この事は、発生当時の2017年に幾つかの論考で指摘している(*5)ので、是非とも、ご一読いただきたい。
「安全保障技術研究推進制度」の予算額は、2015年度は3億円だったが、2016年度に6億円に、そして学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」が反対報告を出した2017年度には110億円に増えているものである。増えたので、反日勢力が反対をしたものである。
その後は約101億円規模で推移しているが、1件の研究規模は、大規模なタイプS(5年で最大20億円)、タイプA(3年で最大3900万円)、タイプC(3年で最大1300万円)など、研究テーマにより色々と区分がある。
それへの応募・参加を学術会議が禁止するとの行為は、研究者の研究に対する「兵糧攻め」であり、学問の自由を脅かす行為そのものである。
これこそが「憲法23条の学問の自由を脅かす違憲の行為」に該当する。
今回、任命しなかった人文科学系の6人は、2017年の「安全保障と学術に関する検討委員会」と同じ考え方をしているのだから、任命しないとの判断は正しいと考える。
学術会議のごく一部である「安全保障と学術に関する検討委員会」が反対報告を出して、約3年が経過した訳だが、これを別の言い方で言えば「3年間もの兵糧攻め」である。
研究者が研究をしたいのに、研究予算が付かない、或いは、まったく不十分だという状態が3年も続いていると言える。これは苦しい。
そうなると、学術会議が禁止している「安全保障技術研究推進制度」以外の制度で研究費を出してくれるスポンサーがいれば、それに飛びつくのは人情である。
そういう構造が存在している訳だが、共産党や朝日が大騒ぎしているのとは違うニュースが9月29日に流れている。
日本経済新聞の「◆外国の資金協力、科研費にも開示義務 経済安保で厳格化」という記事である。(*6)
軍事転用可能な先端技術の海外流出を防ぐことを目的に、政府は外国からの資金協力があるかどうかの開示を科学研究費補助金(科研費)を受ける研究室に義務付けることにした、という記事である。
実に的を射た措置だと思う。
今回は以上であるが、既存メディアは、この論考の最初に書いた様に「「学問の自由」に対する政治の介入」との偽りの設定を前面に出した「報道」をしてくるであろう。
そんなものに騙されてはいけない。
学問の自由を、兵糧攻めで脅かしてきたのは誰なのかを正しく理解すれば、偽りの設定に乗せられることはないと考える。
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【文末脚注】
(*1):NHKと朝日新聞のニュース
↓
<その1:NHKニュース>
NHK NEWS WEB 2020年10月1日 21時01分
見出し:◆日本学術会議 会員の一部候補の任命を菅首相が見送り
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201001/k10012643361000.html
記事:○「日本学術会議」の新たな会員について、加藤官房長官は、午前の記者会見で、会議側が推薦した候補の一部の任命を、菅総理大臣が見送ったことを明らかにしたうえで、これまでと同様に法律に基づいて手続きを行ったと説明しました。一方、学術会議が推薦した人が任命されなかった例はないということで一部の当事者は、撤回を求める要請書を提出しました。
○加藤官房長官は、日本の科学者の代表機関として国が設けている「日本学術会議」の新たな会員について、「日本学術会議の推薦に基づいて、総理大臣が任命する仕組みになっている。8月31日に会議から会員候補推薦書が総理大臣に提出され、きょう、99人の任命を行った」と述べました。
○そして、今の仕組みとなった平成16年度以降初めて、菅総理大臣が、会議側が推薦した候補の一部の任命を見送ったことを明らかにしました。
○そのうえで、これまでと同様に法律に基づいて手続きを行ったと説明し、「これまでは、推薦された人をそのまま認めていたが、今回は、そうではなかったという結果の違いであり、対応してきた姿勢が変わるものではない」と述べました。
○一方、加藤官房長官は、記者団が、「菅総理大臣の政治判断だとすれば、学問の自由の侵害にあたるのではないか」などと質問したのに対し、「会員の人事などを通じて、一定の監督権を行使することは法律上可能になっている。直ちに学問の自由の侵害にはつながらないと考えている」と述べました。
小見出し:◆「しっかりと精査するのは当然」
○また、加藤官房長官は、午後の記者会見で、会員を任命する基準について「専門領域での業績にとらわれない広い視野に立って、総合的、ふかん的に科学の向上と発展を図り、行政や産業、国民生活に科学を反映、浸透させることを実行していただくという観点から考えていく。任命する立場に立って、しっかりと精査していくのは当然のことだ」と述べました。
○一方、今回、会議側が推薦した候補の一部の任命を見送ったことについて「お一人お一人がなぜそうなのかということは、これまでも、いろいろなことがあったと思うが、具体的なコメントはしていない」と述べました。
○また、記者団が「日本学術会議の独立性に問題はないのか」と質問したのに対し、「あくまで、総理大臣の所轄に関わるものであり、任命についての仕組みもあるので、それにのっとって対応している」と述べました。
小見出し:◆学術会議委員の任命手続き
○日本学術会議の会員は、日本学術会議法という法律によって、任命の手続きが定められています。
○この中では、「日本学術会議は規定に定めるところにより、優れた研究または業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣総理大臣に推薦するものとする」と推薦の手順を定めています。
○そして、「推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する」としています。
○任期は6年として、3年ごとに半数を任命することも合わせて決められています。
この法律は平成16年度に改正され、現在の手続になっています。
小見出し:◆一部当事者が撤回求める要請書
○日本学術会議の新しい会員について、総理大臣が、推薦された105人のうち6人を任命しなかったことについて、学術会議が推薦した人が任命されなかった例はないということで、一部の当事者は撤回を求める要請書を提出しました。
○日本学術会議は総理大臣のもと、政府から独立して政策の提言などを行う日本の科学者を代表する機関です。
○3年に1度、会員の半数を新たに決めるため、学術会議が推薦し、総理大臣が任命することになっていて、日本学術会議によりますと、1日付けで任命する新しい会員として、105人の候補を推薦するリストを提出しましたが、6人が任命されなかったということです。
○推薦した人が任命されなかった例は平成16年度に今の制度になって以降、ないということです。
○任命されなかった6人のうち東京慈恵会医科大学の小澤隆一教授と早稲田大学の岡田正則教授、それに、立命館大学の松宮孝明教授の3人は連名で会長に宛てて、「研究活動の評価に基づく任命拒否であれば憲法が保障する学問の自由の重大な侵害です。また、学術会議の地位や独立性は、会員の任命が総理大臣の意のままになれば深刻に侵されます。任命拒否の撤回に向けて会議の総力を挙げてあたることを求めます」とした要請書を提出しました。
○1日、新たに会長に選出された東京大学の梶田隆章さんは記者の質問に対して「重要な問題なのでしっかりと対応する必要があると考えている」と話しています。
小見出し:◆任命されなかった候補の人たちは
○日本学術会議の新しい会員に任命されなかった東京慈恵会医科大学教授の小澤隆一氏がNHKの取材に応じ「日本学術会議は科学の振興などについて政府に勧告できるため、独立性が担保されなければならないが、総理大臣が会員を恣意的(しいてき)に任命できれば、会議そのものの地位や独立性、権限が損なわれてしまう。会員の任命拒否は大変大きな問題だと受け止めている」と述べました。
○そのうえで小澤教授は、平成27年7月の衆議院特別委員会の中央公聴会で安全保障関連法案について反対する意見を述べたとしたうえで、「学術の立場から意見を述べたが、これが任命拒否につながったのであれば、研究活動についての侵害であり、日本学術会議の存立自体を脅かすものだ。今回の任命拒否は官邸による人事への介入が、独立性が担保されるべき学問にまで及んだということだ。政府に都合の悪い人たちを総理大臣の意のままに排除すれば国がとんでもない方向に進んでしまう」と述べました。
○また、同じく新しい会員に任命されなかった立命館大学大学院の松宮孝明教授は、「おととい、日本学術会議の事務局長から、総理大臣の任命名簿に『名前がない』という話があり、大変な騒ぎになった。政府の意向次第で本来に踏み込んではいけないところに踏み込めることを示した形になり、非常にゆゆしき事態だ」と述べました。
○刑法が専門の松宮教授は、3年前の平成29年6月に「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案をめぐって参議院法務委員会で行われた参考人質疑で法案を批判していました。
○松宮教授は「日本学術会議法では、会議が優れた研究や学問の業績に基づいて推薦した人を総理大臣が任命する決まりになっていて、任命は本来、機械的に行われるものだ。総理大臣は学問の研究者ではないので、推薦の基準を満たしているか、会員にふさわしいかどうかは分からないはずだ。『嫌だから任命しない』というのであれば法律違反だ」と述べ、今回の対応を批判しました。
○東京大学大学院の加藤陽子教授はNHKの取材に対し、「当方が任命に至らなかったことは事実です。担当の内閣府の側もまさに寝耳に水のことだと思います」などとメールで回答しました。
○メールには「内閣総理大臣が学術会議の決定を経た推薦名簿の一部を拒否するという、前例のない決定の背景を説明できる協議文書や決裁文書は存在しているのでしょうか。この決定の経緯を知りたいと思います。有識者として、有識者懇談会から公文書管理法の成立までを見届けた人間として、この異例の決定の経緯に注視したいのです」と記されています。
○そして「新会員の推薦は極めて早くから準備がなされ、内閣府から総理大臣官邸には今年8月末に新規就任予定者の名簿と写真があがっていたはずです。それを1か月間もの間、店ざらしにして、新しい学術会議が発足する2日前、9月29日夕刻に連絡をしてくるというのは、学術会議会員の、国民から負託された任務の円滑な遂行を妨害することにほかならないと思います。総理大臣官邸において従来通り、そのまま承認しようとの動きをもし最終盤の確認段階で止めた政治主体がいるのだとすれば、それは、『任命』に関して、裁量権の範囲を超えたものです」と批判しています。
小見出し:◆「外した理由開示を」立民 安住国対委員長
○立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「異例なことだと思う。特定の人間を外した理由を開示してもらいたい。日本学術会議の会員を選ぶ際に、過去に政府が提出した法案に対する賛否を参考にするような、政治的意図を持っていたとすれば看過できないので徹底的に国会で追及する」と述べました。
小見出し:◆共産 志位委員長「学問の自由を脅かす違憲の行為」
○共産党の志位委員長は、記者会見で「日本学術会議は、1949年の発足以来、日本学術会議法に基づき、高度な独立性が大原則で、任命拒否は違法だ。憲法23条の学問の自由を脅かす違憲の行為だ。菅総理大臣に対して、違憲で違法な任命拒否を直ちに撤回するよう強く求めたい。野党で共闘して追及していく」と述べました。(引用終わり)
<その2:朝日新聞のニュース1>
朝日新聞デジタル 2020年10月1日 22時15分
見出し:◆日本学術会議除外された6人は 「学問への介入」と批判
有料会員記事 伊藤和行、鎌田悠
https://www.asahi.com/articles/ASNB16RZSNB1UTIL03W.html
記事:○菅義偉首相は1日、政府から独立して政策提言をする「日本学術会議」の新会員について、会議が推薦した候補者105人のうち6人を除外して任命した。国内の学者を代表し「学者の国会」とよばれる同会議が推薦した候補者を首相が任命しなかったのは、2004年度の法改正で会議が推薦する方式になって以降初めて。法律上、任命するのは首相だが、学問の自由の侵害だと批判が出ている。
○任命されなかったのは、東京大教授の宇野重規(しげき)氏や加藤陽子氏ら、政治や憲法、行政法などの研究者6人。安倍前政権で成立した安全保障法制や「共謀罪」法に反対の立場をとってきた人もいる。加藤教授は朝日新聞の取材に「学問の自由のみならず、学術会議の任務について首相官邸が軽んじた点も問題視している」と批判した。
小見出し:◆国家が国民の私的領域を侵そうとしている 加藤陽子さん
○9月30日付で同会議会長を退任した山極(やまぎわ)寿一(じゅいち)・京都大学前総長は1日にあった会議の総会で「人事は科学者が業績を精査して推薦するべきで、存立に大きな影響を与える。大変重い課題を残すことになって申し訳ない」と述べた。
小見出し:◆京大総長、学生給付金を批判 「留学生差別、おかしい」
○山極氏らによると、会議は8月… 有料会員記事残り:625文字/全文:1079文字(無料部分の引用終わり)
<その3:朝日新聞のニュース2>
Yahooニュース(朝日新聞デジタル)10/2(金) 5:00配信
見出し:◆政府、除外の理由明かさず 「学問の自由の侵害」 日本学術会議人事
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6501dbc3ef568ce3961783cfd7025dd14d8fb2b
記事:○「学者の国会」ともいわれる日本学術会議で、長年守られてきた人事の独立が破られた。会議が新会員として推薦した105人のうち6人が、菅義偉首相によって任命されなかった。政府から理由の説明は一切なく、会員らからは「学問の自由を保障する憲法に反する行為」と批判が相次いだ。
○「6人の方が新会員に任命されなかった。初めてのことで、大変驚いた。菅首相あてに文書で説明を求めたが、回答はなかった」
○オンラインを含め、会員ら230人が出席して開かれた1日の日本学術会議の総会。会長を退任した山極寿一・京都大前総長は、あいさつの冒頭でこう切り出した。
○同会議は8月末、政府に105人を推薦していた。しかし、6人が任命されないことを山極氏が知らされたのは9月28日の夜。総会後の取材に、「私たちは理由を付して新会員を推薦したのに、理由をつけずに任命しないという事実がまかり通ってしまったことは大変遺憾。学術にとって非常に重大な問題だ」と話した。
○新会長に選ばれたノーベル賞受賞者の梶田隆章・東京大宇宙線研究所長も、「極めて重要な問題で、しっかり対処していく必要がある」と述べ、6人を任命しなかった理由について菅首相に説明を求めることを検討する、とした。
○6人のうち、小沢隆一・東京慈恵会医科大教授、岡田正則・早稲田大教授、松宮孝明・立命館大教授は1日、梶田会長に、任命拒否の撤回に向け、会議の総力をあげてあたることを求める要請書を手渡した。
○松宮氏には9月29日夕、会議の事務局から突然、「名簿から落ちている」と電話があり、「政府に問い合わせたが、理由は言えないということだった」という趣旨の説明をされた。
○要請書で3氏は、首相から理由の説明がなく、「私たちの研究活動についての評価に基づく任命拒否であれば、憲法23条が保障する学問の自由の重大な侵害」「(任命が首相の意のままになれば)会議の地位、職務上の独立性、権限は、すべて否定されてしまい、学問の自由はこの点においても深刻に侵される」などとしている。
○小沢氏は取材に「私は2015年、安保法制をめぐる国会での中央公聴会で『憲法違反だ』と述べた。仮に、学問上の意見を国会で述べたことが任命拒否につながっているのだとすれば、学問の自由の侵害だ」と話した。朝日新聞社
<引用終わり>
(*2):NHKの記事には「日本学術会議の会員は、日本学術会議法という法律によって、任命の手続きが定められています。」との記載があるのだが、朝日記事には記載がないのである。
↓
日本学術会議法 昭和二十三年法律第百二十一号
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000121
前文:日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、ここに設立される。
<第1章 設立及び目的>
第1条:この法律により日本学術会議を設立し、この法律を日本学術会議法と称する。
同第2項 日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄とする。
同第3項 日本学術会議に関する経費は、国庫の負担とする。
第2条:日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。
<第2章 職務及び権限>
第3条:日本学術会議は、独立して左の職務を行う。
一 科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
二 科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。
第4条:政府は、左の事項について、日本学術会議に諮問することができる。
一 科学に関する研究、試験等の助成、その他科学の振興を図るために政府の支出する交付金、補助金等の予算及びその配分
二 政府所管の研究所、試験所及び委託研究費等に関する予算編成の方針
三 特に専門科学者の検討を要する重要施策
四 その他日本学術会議に諮問することを適当と認める事項
(中略)
<第3章 組織>
第7条:日本学術会議は、二百十人の日本学術会議会員(以下「会員」という。)をもつて、これを組織する。
同第2項 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。
同第3項 会員の任期は、六年とし、三年ごとに、その半数を任命する。
同第4項 補欠の会員の任期は、前任者の残任期間とする。
同第5項 会員は、再任されることができない。ただし、補欠の会員は、一回に限り再任されることができる。
同第6項 会員は、年齢七十年に達した時に退職する。
同第7項 会員には、別に定める手当を支給する。
同第8項 会員は、国会議員を兼ねることを妨げない。
(中略)
<第4章 会員の推薦>
第17条:日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。
(中略)
<第5章 会議>
(中略)
第24条:総会は、会員の二分の一以上の出席がなければ、これを開くことができない。
同第2項 総会の議決は、出席会員の多数決による。
同第3項 部会及び連合部会の会議については、前二項の規定を準用する。
<第6章 雑則>
第25条:内閣総理大臣は、会員から病気その他やむを得ない事由による辞職の申出があつたときは、日本学術会議の同意を得て、その辞職を承認することができる。
第26条:内閣総理大臣は、会員に会員として不適当な行為があるときは、日本学術会議の申出に基づき、当該会員を退職させることができる。
(以下略)
<引用終わり>
(*3):「しんぶん赤旗」は新聞ではないので、一応は新聞の御題目である不偏不党や事実報道とは赤旗は無縁であり、共産党機関紙なのだから共産党が言いたいことだけが載っているものである。
↓
<その1>
日本共産党 しんぶん赤旗 2020年10月1日(木)
見出し:◆菅首相、学術会議人事に介入 推薦候補を任命せず 安保法批判者ら数人
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100101_01_1.html
記事:○1日から任期が始まる日本学術会議の新会員について、同会議が推薦した会員候補のうち数人を菅義偉首相が任命しなかったことが30日、本紙の取材で分かりました。推薦者が任命されなかったのは過去に例がありません。任命されなかった科学者のなかには安保法制や共謀罪を批判してきた人も含まれています。新政権誕生後、菅首相による恣意(しい)的な人事が明らかになったのは初めてで、学問の自由に介入する首相の姿勢が問われます。(取材班)
小見出し:◆前例ない推薦者外し
○日本学術会議法は、会員(210人)を同会議の推薦に基づいて、首相が任命すると定めています。会員の任期は6年間で3年ごとに半数が交代します。1日から半数の新会員の任期が始まります。会員は特別職の国家公務員(非常勤)です。
○同会議から新会員として推薦されていた立命館大学大学院法務研究科の松宮孝明教授によると、29日夕方に同会議の事務局長から「(首相の)任命名簿に名前がない」と連絡がありました。他にも数人、名前がなかった科学者がおり、「間違いではないか」と考えた事務局が政府に問い合わせると、「間違いではない。理由はノーコメント」と返ってきたといいます。
○松宮教授は2017年に国会の参考人質疑で共謀罪法案について「戦後最悪の治安立法」などと批判していました。松宮教授を知る学術会議のある会員は、「松宮教授の学術的な貢献は申し分ない。会員を外されたのは、政治的判断としか思えない」と話します。複数の関係者によると、ほかにも安保法制に反対した科学者が任命されていないといいます。
○同会議は約87万人の日本の科学者を内外に代表する機関。首相所轄ですが、政府から独立して政策提言などをします。17年には、当時の安倍政権が進めていた大学など研究機関による防衛省の軍事研究への参加について、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」との声明を出し、防衛省の軍事目的の研究に参加しない姿勢を明らかにしました。
○同会議の事務局は「1日に公表予定であり、現在は答えることはできない」と回答。会員に推薦した科学者が任命されなかったことは「過去にはなかった」としています。(引用終わり)
<その2>
日本共産党 しんぶん赤旗 2020年10月1日(木)
見出し:◆学術会議への人事介入
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100100_00_0.html
小見出し:◆菅首相が拒否した6人の氏名分かる
記事:○日本学術会議は1日、東京都内で総会を開き、山極寿一前会長(京都大学前総長)が、同会議が推薦した新会員のうち6人が菅義偉首相により任命を拒否されたことを明らかにしました。山極氏は退任のあいさつで「日本学術会議法第7条で『推薦に基づき』とあるのは重い規定。任命拒否は日本学術会議の歴史になかったことで重大だ。大変残念だ」と述べ、菅首相に説明を求めていると報告しました。
○6人の名前は公表されませんでしたが、本紙の取材に、小沢隆一東京慈恵会医科大学(憲法学)、岡田正則早稲田大学(行政法学)、松宮孝明立命館大学(刑事法学)、加藤陽子東京大学(歴史学)、芦名定道京都大学(キリスト教学)、宇野重規東京大学(政治学)の6人の教授が任命を拒否されたことを明らかにしています。多くが安保法制や共謀罪、沖縄の新基地建設などに反対を表明しています。
○山極氏は任命拒否の理由を示すよう菅首相あてに文書を提出したものの、現時点まで説明はないと報告。「日本学術会議は内閣府と密接な関係を持つが、命令を聞く組織ではない。科学者が業績を精査して推薦したのだから、説明もなく任命しないことは重大な問題だ」と強調し、新しい会長らが、この問題を議論し、今後対応するよう求めました。
○日本学術会議の会員は210人で任期は6年。3年ごとに半数が改選されます。同会議は今回の改選にあたり、105人の推薦者を8月31日に内閣府に提出しましたが、総会直前の9月28日夜に、任命しない理由を言わずに6人を推薦名簿から外してきました。
○総会で新会長に選出されたノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章東京大学教授は、総会後の会見で「重要な問題なので、しっかり対処していきたい。学問の自由、学術会議の中立性にもかかわることだと思っている」と話しました。
○小沢、岡田、松宮の3氏は連名で、任命拒否の撤回に向け総力であたることを求める要請書を日本学術会議会長あてに提出し、出席した会員に配りました。
○本紙の取材に総会出席の会員からは、この問題への疑問や批判が出ました。新会員になった吉岡洋京都大学特定教授(美学・芸術学)は、「学問にも口を出すという菅政権による宣言だ」と批判。「こんな介入がまかり通れば、学者が萎縮する」(関西の国立大学教授)、「学術会議の目的は政策の提言で議論の場。これは科学者に議論させないということだ」(学術団体役員)などの声も聞かれました。
<引用終わり>
(*4):東京新聞によれば、推薦105人に対して任命をしなかった6人は以下の通り、総て大学教授である。
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東京新聞HP 2020年10月1日 21時01分
見出し:◆菅首相が学術会議の任命を拒否した6人はこんな人 安保法制、特定秘密保護法、辺野古などで政府に異論
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59092
記事:○政策提言を行う国の特別機関「日本学術会議」が、新会員として内閣府に推薦した法律・歴史学者ら6人の任命について、菅義偉首相が拒否していた問題。6人は安全保障関連法や特定秘密保護法などで政府の方針に異論を示してきた。政府の意に沿わない人物は排除しようとする菅政権の意図が浮かぶ。
■東京大社会科学研究所教授の宇野重規しげき教授(政治思想史)
2013年12月に成立した特定秘密保護法に対し、「民主主義の基盤そのものを危うくしかねない」と批判。「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼び掛け人にも名を連ねていた。07年に「トクヴィル 平等と不平等の理論家」でサントリー学芸賞受賞。
■早稲田大大学院法務研究科の岡田正則教授(行政法)
「安全保障関連法案の廃止を求める早稲田大学有志の会」の呼び掛け人の1人。沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設問題を巡っては18年、他の学者らとともに政府の対応に抗議する声明を発表。
■東京慈恵会医科大の小沢隆一教授(憲法学)
15年7月、衆院特別委員会の中央公聴会で、野党推薦の公述人として出席。安保関連法案について「歯止めのない集団的自衛権の行使につながりかねない」と違憲性を指摘し、廃案を求めた。
■東京大大学院人文社会系研究科の加藤陽子教授(日本近現代史)
憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」の呼び掛け人の1人。改憲や特定秘密保護法などに反対してきた。10年に「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」で小林秀雄賞を受賞。政府の公文書管理委員会の委員も務めた。
■立命館大大学院法務研究科の松宮孝明教授(刑事法)
17年6月、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法案について、参院法務委員会の参考人質疑で、「戦後最悪の治安立法となる」と批判。
■京都大の芦名定道教授(キリスト教学)
「安全保障関連法に反対する学者の会」や、安保法制に反対する「自由と平和のための京大有志の会」の賛同者。
<引用終わり>
(*5):学術会議のごく少数の人達による「安全保障と学術に関する検討委員会」という「課題別委員会」の報告を総会決議に諮ることもなく、「安全保障技術研究推進制度」に反対することにしてしまった例がある。この事は、発生当時の2017年に幾つかの論考で指摘している。
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2017/04/27投稿:
「曲学阿世」にさえなってない浮世離れ・学術会議
副題:日本学術会議の今般の声名はGHQ占領下でGHQに阿る声名を、そのまま継承する異常なもの。「阿世」にさえなっていない愚劣さに呆れる。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-658.html
【ご参考】
2017/03/15投稿:
日本学術会議「安全保障と学術に関する検討委員会」
副題:理系研究者が悩むべきは研究自体であり研究予算の調達方法ではないはず。なんで「安全保障技術研究推進制度」に反対するの?検討委員は理系だけじゃないのね。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-628.html
2017/03/16投稿:
続・妖刀村正
副題:道具を作り出す学者様は賢くて、それを使う日本政府は邪悪な存在だと考えているのだとしたら、GHQの占領政策そのものではないか。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-629.html
(*6):日本経済新聞の「◆外国の資金協力、科研費にも開示義務 経済安保で厳格化」という記事。
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日本経済新聞 電子版 2020/9/29 2:00
見出し:◆外国の資金協力、科研費にも開示義務 経済安保で厳格化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64345400Y0A920C2PP8000/
記事:○政府は外国からの資金協力があるか開示を義務付ける対象に科学研究費補助金(科研費)を受ける研究室を加える。軍事転用可能な先端技術の海外流出を防ぐ。当初は科学技術振興機構(JST)など政府系4機関の資金支援に限る予定だったが網を広げて実効性を高める。
○関係省庁などの議論を経て情報開示に関する指針を示す。虚偽申告が判明した場合は資金配分の決定を取り消す。外国人研究者や留学生の詳細な研究歴の申告、流出防…
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<引用終わり>
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副題:学術会議の会員じゃなくても「学問」をする自由は棄損されないのに何を言っているのか?むしろ日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」は2017年に「安全保障技術研究推進制度」に反対して技術研究を妨害していたではないか。
新総理となったガースーがしっかりと筋を通してくれた様である。
その正論に対して、朝日新聞などの反日偏向メディアは、虚偽の設定を提示して印象操作をしている。そういうねじ曲がった朝日他反日勢力の情報戦に対して、事実を提示するのが今回の目的である。
「「学問の自由」に対する政治の介入」との偽りの設定を前面に出すメディア記事
今回の件を知ったのはNHKと朝日新聞のニュース(*1)からである。
興味深いことの1つに朝日記事には肝心なことが書いてないという点がある。
何が書いてないのかと言うと、①学術会議が内閣総理大臣の所轄であること、②同会議の「会員」というのが一般的な「会員」との語句から想起されるメンバーではなく、参議院の様に3年毎に半数が改選される定数210人のことであり、むしろ「議員」であること、③これら210人の「会員」は学術会議が推薦し、その推薦に基づき総理大臣が任命する決まりになっているのだが、総理大臣が推薦者を必ず任命しなくてはいけないという規定はないこと、などである。
NHKの記事には「日本学術会議の会員は、日本学術会議法という法律によって、任命の手続きが定められています。」との記載があるのだが、朝日記事には記載がないのである。(*2)
朝日が書かない理由を推察するに、多分、お得意の「肝心な情報を提示せずに読者に誤解させる手法」を、この記事でも使っているからだろうと思われる。
その典型例が朝日記事にある「「学者の国会」ともいわれる日本学術会議」なる記述である。
「学者の国会」なる比喩は、国会が国民の投票で選ばれるのに対して、学術会議の会員は既存の会員210人だけで推薦する人を決めているもので、選ばれるプロセスが全然違うのである。
同様、朝日記事では、あたかも学術会議の会員でなければ学者として認められないかの如き誤解を想起させる様な書き方をしているが、我が国にいる学者や教授などの学術関係者はたった210人だけではない。むしろ学術会議の会員ではない学術関係者の方が多い。
そうであるにも関わらず、任命されなかったからと「「学問の自由」に対する政治の介入」であるかの様な「設定」で朝日は記事を書いているのである。
朝日記事は共産党機関紙「しんぶん赤旗」の論調と同じ
共産党機関紙は「しんぶん赤旗」を名乗っているのだが、けして「新聞」ではなく、単なる政党機関紙であるので、ひらがな表記で「しんぶん」としているものである。
新聞ではないので、一応は新聞の御題目である不偏不党や事実報道とは赤旗は無縁であり、共産党機関紙なのだから共産党が言いたいことだけが載っているものである。
その赤旗の記事は文末脚注の(*3)で2つ引用しているが、その両記事は、ともに「学術会議への人事介入」だと主張しているものだ。
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<赤旗の見出し引用開始>
・◆菅首相、学術会議人事に介入 推薦候補を任命せず 安保法批判者ら数人
・◆学術会議への人事介入
<引用終わり>
赤旗では、あたかも「任命しないこと」が「人事介入」であるかの様な書き方になっているのだが、前述した通り、日本学術会議法では、「会員」は学術会議が推薦し、その推薦に基づき総理大臣が任命する決まりになっているのだが、総理大臣が推薦者を必ず任命しなくてはいけないという規定はないのである。
要するに、任命するかしないかは総理の専権事項なのだから「介入もクソもない」のである。
同様、NHK記事によれば、共産党の志位は「学問の自由を脅かす違憲の行為」だと発言しているそうだが、まったく的外れである。
東京新聞(*4)によれば、推薦105人に対して任命をしなかった6人は以下の通り、総て大学教授である。
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1)東京大 社会科学研究所 宇野重規教授(政治思想史)
2)早稲田大大学院 法務研究科 岡田正則教授(行政法)
3)東京慈恵会医科大 小沢隆一教授(憲法学)
4)東京大大学院 人文社会系研究科 加藤陽子教授(日本近現代史)
5)立命館大大学院 法務研究科 松宮孝明教授(刑事法)
6)京都大 芦名定道教授(キリスト教学)
大学教授という地位を剥奪するのならば、志位の言う「憲法23条の学問の自由を脅かす違憲の行為」に該当するが、内閣総理大臣の所轄である学術会議の議員に任命しないからと言って憲法違反にはならない。
ガースー総理は法令に従い推薦者のうち99名を任命した訳だが、任命しなかった6名は全員が人文科学系である。
学問の自由を脅かしているのは、むしろ学術会議に巣食う反日会員
共産党・志位が言う様な虚偽ではなく、学問の自由を脅かしているには、むしろ、学術会議のごく少数の人達による「安全保障と学術に関する検討委員会」という「課題別委員会」の報告を総会決議に諮ることもなく、「安全保障技術研究推進制度」に反対することにしてしまった例である。
これは日本学術会議法第24条第2項に違反するものである。
この事は、発生当時の2017年に幾つかの論考で指摘している(*5)ので、是非とも、ご一読いただきたい。
「安全保障技術研究推進制度」の予算額は、2015年度は3億円だったが、2016年度に6億円に、そして学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」が反対報告を出した2017年度には110億円に増えているものである。増えたので、反日勢力が反対をしたものである。
その後は約101億円規模で推移しているが、1件の研究規模は、大規模なタイプS(5年で最大20億円)、タイプA(3年で最大3900万円)、タイプC(3年で最大1300万円)など、研究テーマにより色々と区分がある。
それへの応募・参加を学術会議が禁止するとの行為は、研究者の研究に対する「兵糧攻め」であり、学問の自由を脅かす行為そのものである。
これこそが「憲法23条の学問の自由を脅かす違憲の行為」に該当する。
今回、任命しなかった人文科学系の6人は、2017年の「安全保障と学術に関する検討委員会」と同じ考え方をしているのだから、任命しないとの判断は正しいと考える。
もう1つ別のニュース。科研費の開示義務
学術会議のごく一部である「安全保障と学術に関する検討委員会」が反対報告を出して、約3年が経過した訳だが、これを別の言い方で言えば「3年間もの兵糧攻め」である。
研究者が研究をしたいのに、研究予算が付かない、或いは、まったく不十分だという状態が3年も続いていると言える。これは苦しい。
そうなると、学術会議が禁止している「安全保障技術研究推進制度」以外の制度で研究費を出してくれるスポンサーがいれば、それに飛びつくのは人情である。
そういう構造が存在している訳だが、共産党や朝日が大騒ぎしているのとは違うニュースが9月29日に流れている。
日本経済新聞の「◆外国の資金協力、科研費にも開示義務 経済安保で厳格化」という記事である。(*6)
軍事転用可能な先端技術の海外流出を防ぐことを目的に、政府は外国からの資金協力があるかどうかの開示を科学研究費補助金(科研費)を受ける研究室に義務付けることにした、という記事である。
実に的を射た措置だと思う。
今回は以上であるが、既存メディアは、この論考の最初に書いた様に「「学問の自由」に対する政治の介入」との偽りの設定を前面に出した「報道」をしてくるであろう。
そんなものに騙されてはいけない。
学問の自由を、兵糧攻めで脅かしてきたのは誰なのかを正しく理解すれば、偽りの設定に乗せられることはないと考える。
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【文末脚注】
(*1):NHKと朝日新聞のニュース
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<その1:NHKニュース>
NHK NEWS WEB 2020年10月1日 21時01分
見出し:◆日本学術会議 会員の一部候補の任命を菅首相が見送り
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201001/k10012643361000.html
記事:○「日本学術会議」の新たな会員について、加藤官房長官は、午前の記者会見で、会議側が推薦した候補の一部の任命を、菅総理大臣が見送ったことを明らかにしたうえで、これまでと同様に法律に基づいて手続きを行ったと説明しました。一方、学術会議が推薦した人が任命されなかった例はないということで一部の当事者は、撤回を求める要請書を提出しました。
○加藤官房長官は、日本の科学者の代表機関として国が設けている「日本学術会議」の新たな会員について、「日本学術会議の推薦に基づいて、総理大臣が任命する仕組みになっている。8月31日に会議から会員候補推薦書が総理大臣に提出され、きょう、99人の任命を行った」と述べました。
○そして、今の仕組みとなった平成16年度以降初めて、菅総理大臣が、会議側が推薦した候補の一部の任命を見送ったことを明らかにしました。
○そのうえで、これまでと同様に法律に基づいて手続きを行ったと説明し、「これまでは、推薦された人をそのまま認めていたが、今回は、そうではなかったという結果の違いであり、対応してきた姿勢が変わるものではない」と述べました。
○一方、加藤官房長官は、記者団が、「菅総理大臣の政治判断だとすれば、学問の自由の侵害にあたるのではないか」などと質問したのに対し、「会員の人事などを通じて、一定の監督権を行使することは法律上可能になっている。直ちに学問の自由の侵害にはつながらないと考えている」と述べました。
小見出し:◆「しっかりと精査するのは当然」
○また、加藤官房長官は、午後の記者会見で、会員を任命する基準について「専門領域での業績にとらわれない広い視野に立って、総合的、ふかん的に科学の向上と発展を図り、行政や産業、国民生活に科学を反映、浸透させることを実行していただくという観点から考えていく。任命する立場に立って、しっかりと精査していくのは当然のことだ」と述べました。
○一方、今回、会議側が推薦した候補の一部の任命を見送ったことについて「お一人お一人がなぜそうなのかということは、これまでも、いろいろなことがあったと思うが、具体的なコメントはしていない」と述べました。
○また、記者団が「日本学術会議の独立性に問題はないのか」と質問したのに対し、「あくまで、総理大臣の所轄に関わるものであり、任命についての仕組みもあるので、それにのっとって対応している」と述べました。
小見出し:◆学術会議委員の任命手続き
○日本学術会議の会員は、日本学術会議法という法律によって、任命の手続きが定められています。
○この中では、「日本学術会議は規定に定めるところにより、優れた研究または業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣総理大臣に推薦するものとする」と推薦の手順を定めています。
○そして、「推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する」としています。
○任期は6年として、3年ごとに半数を任命することも合わせて決められています。
この法律は平成16年度に改正され、現在の手続になっています。
小見出し:◆一部当事者が撤回求める要請書
○日本学術会議の新しい会員について、総理大臣が、推薦された105人のうち6人を任命しなかったことについて、学術会議が推薦した人が任命されなかった例はないということで、一部の当事者は撤回を求める要請書を提出しました。
○日本学術会議は総理大臣のもと、政府から独立して政策の提言などを行う日本の科学者を代表する機関です。
○3年に1度、会員の半数を新たに決めるため、学術会議が推薦し、総理大臣が任命することになっていて、日本学術会議によりますと、1日付けで任命する新しい会員として、105人の候補を推薦するリストを提出しましたが、6人が任命されなかったということです。
○推薦した人が任命されなかった例は平成16年度に今の制度になって以降、ないということです。
○任命されなかった6人のうち東京慈恵会医科大学の小澤隆一教授と早稲田大学の岡田正則教授、それに、立命館大学の松宮孝明教授の3人は連名で会長に宛てて、「研究活動の評価に基づく任命拒否であれば憲法が保障する学問の自由の重大な侵害です。また、学術会議の地位や独立性は、会員の任命が総理大臣の意のままになれば深刻に侵されます。任命拒否の撤回に向けて会議の総力を挙げてあたることを求めます」とした要請書を提出しました。
○1日、新たに会長に選出された東京大学の梶田隆章さんは記者の質問に対して「重要な問題なのでしっかりと対応する必要があると考えている」と話しています。
小見出し:◆任命されなかった候補の人たちは
○日本学術会議の新しい会員に任命されなかった東京慈恵会医科大学教授の小澤隆一氏がNHKの取材に応じ「日本学術会議は科学の振興などについて政府に勧告できるため、独立性が担保されなければならないが、総理大臣が会員を恣意的(しいてき)に任命できれば、会議そのものの地位や独立性、権限が損なわれてしまう。会員の任命拒否は大変大きな問題だと受け止めている」と述べました。
○そのうえで小澤教授は、平成27年7月の衆議院特別委員会の中央公聴会で安全保障関連法案について反対する意見を述べたとしたうえで、「学術の立場から意見を述べたが、これが任命拒否につながったのであれば、研究活動についての侵害であり、日本学術会議の存立自体を脅かすものだ。今回の任命拒否は官邸による人事への介入が、独立性が担保されるべき学問にまで及んだということだ。政府に都合の悪い人たちを総理大臣の意のままに排除すれば国がとんでもない方向に進んでしまう」と述べました。
○また、同じく新しい会員に任命されなかった立命館大学大学院の松宮孝明教授は、「おととい、日本学術会議の事務局長から、総理大臣の任命名簿に『名前がない』という話があり、大変な騒ぎになった。政府の意向次第で本来に踏み込んではいけないところに踏み込めることを示した形になり、非常にゆゆしき事態だ」と述べました。
○刑法が専門の松宮教授は、3年前の平成29年6月に「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案をめぐって参議院法務委員会で行われた参考人質疑で法案を批判していました。
○松宮教授は「日本学術会議法では、会議が優れた研究や学問の業績に基づいて推薦した人を総理大臣が任命する決まりになっていて、任命は本来、機械的に行われるものだ。総理大臣は学問の研究者ではないので、推薦の基準を満たしているか、会員にふさわしいかどうかは分からないはずだ。『嫌だから任命しない』というのであれば法律違反だ」と述べ、今回の対応を批判しました。
○東京大学大学院の加藤陽子教授はNHKの取材に対し、「当方が任命に至らなかったことは事実です。担当の内閣府の側もまさに寝耳に水のことだと思います」などとメールで回答しました。
○メールには「内閣総理大臣が学術会議の決定を経た推薦名簿の一部を拒否するという、前例のない決定の背景を説明できる協議文書や決裁文書は存在しているのでしょうか。この決定の経緯を知りたいと思います。有識者として、有識者懇談会から公文書管理法の成立までを見届けた人間として、この異例の決定の経緯に注視したいのです」と記されています。
○そして「新会員の推薦は極めて早くから準備がなされ、内閣府から総理大臣官邸には今年8月末に新規就任予定者の名簿と写真があがっていたはずです。それを1か月間もの間、店ざらしにして、新しい学術会議が発足する2日前、9月29日夕刻に連絡をしてくるというのは、学術会議会員の、国民から負託された任務の円滑な遂行を妨害することにほかならないと思います。総理大臣官邸において従来通り、そのまま承認しようとの動きをもし最終盤の確認段階で止めた政治主体がいるのだとすれば、それは、『任命』に関して、裁量権の範囲を超えたものです」と批判しています。
小見出し:◆「外した理由開示を」立民 安住国対委員長
○立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「異例なことだと思う。特定の人間を外した理由を開示してもらいたい。日本学術会議の会員を選ぶ際に、過去に政府が提出した法案に対する賛否を参考にするような、政治的意図を持っていたとすれば看過できないので徹底的に国会で追及する」と述べました。
小見出し:◆共産 志位委員長「学問の自由を脅かす違憲の行為」
○共産党の志位委員長は、記者会見で「日本学術会議は、1949年の発足以来、日本学術会議法に基づき、高度な独立性が大原則で、任命拒否は違法だ。憲法23条の学問の自由を脅かす違憲の行為だ。菅総理大臣に対して、違憲で違法な任命拒否を直ちに撤回するよう強く求めたい。野党で共闘して追及していく」と述べました。(引用終わり)
<その2:朝日新聞のニュース1>
朝日新聞デジタル 2020年10月1日 22時15分
見出し:◆日本学術会議除外された6人は 「学問への介入」と批判
有料会員記事 伊藤和行、鎌田悠
https://www.asahi.com/articles/ASNB16RZSNB1UTIL03W.html
記事:○菅義偉首相は1日、政府から独立して政策提言をする「日本学術会議」の新会員について、会議が推薦した候補者105人のうち6人を除外して任命した。国内の学者を代表し「学者の国会」とよばれる同会議が推薦した候補者を首相が任命しなかったのは、2004年度の法改正で会議が推薦する方式になって以降初めて。法律上、任命するのは首相だが、学問の自由の侵害だと批判が出ている。
○任命されなかったのは、東京大教授の宇野重規(しげき)氏や加藤陽子氏ら、政治や憲法、行政法などの研究者6人。安倍前政権で成立した安全保障法制や「共謀罪」法に反対の立場をとってきた人もいる。加藤教授は朝日新聞の取材に「学問の自由のみならず、学術会議の任務について首相官邸が軽んじた点も問題視している」と批判した。
小見出し:◆国家が国民の私的領域を侵そうとしている 加藤陽子さん
○9月30日付で同会議会長を退任した山極(やまぎわ)寿一(じゅいち)・京都大学前総長は1日にあった会議の総会で「人事は科学者が業績を精査して推薦するべきで、存立に大きな影響を与える。大変重い課題を残すことになって申し訳ない」と述べた。
小見出し:◆京大総長、学生給付金を批判 「留学生差別、おかしい」
○山極氏らによると、会議は8月… 有料会員記事残り:625文字/全文:1079文字(無料部分の引用終わり)
<その3:朝日新聞のニュース2>
Yahooニュース(朝日新聞デジタル)10/2(金) 5:00配信
見出し:◆政府、除外の理由明かさず 「学問の自由の侵害」 日本学術会議人事
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6501dbc3ef568ce3961783cfd7025dd14d8fb2b
記事:○「学者の国会」ともいわれる日本学術会議で、長年守られてきた人事の独立が破られた。会議が新会員として推薦した105人のうち6人が、菅義偉首相によって任命されなかった。政府から理由の説明は一切なく、会員らからは「学問の自由を保障する憲法に反する行為」と批判が相次いだ。
○「6人の方が新会員に任命されなかった。初めてのことで、大変驚いた。菅首相あてに文書で説明を求めたが、回答はなかった」
○オンラインを含め、会員ら230人が出席して開かれた1日の日本学術会議の総会。会長を退任した山極寿一・京都大前総長は、あいさつの冒頭でこう切り出した。
○同会議は8月末、政府に105人を推薦していた。しかし、6人が任命されないことを山極氏が知らされたのは9月28日の夜。総会後の取材に、「私たちは理由を付して新会員を推薦したのに、理由をつけずに任命しないという事実がまかり通ってしまったことは大変遺憾。学術にとって非常に重大な問題だ」と話した。
○新会長に選ばれたノーベル賞受賞者の梶田隆章・東京大宇宙線研究所長も、「極めて重要な問題で、しっかり対処していく必要がある」と述べ、6人を任命しなかった理由について菅首相に説明を求めることを検討する、とした。
○6人のうち、小沢隆一・東京慈恵会医科大教授、岡田正則・早稲田大教授、松宮孝明・立命館大教授は1日、梶田会長に、任命拒否の撤回に向け、会議の総力をあげてあたることを求める要請書を手渡した。
○松宮氏には9月29日夕、会議の事務局から突然、「名簿から落ちている」と電話があり、「政府に問い合わせたが、理由は言えないということだった」という趣旨の説明をされた。
○要請書で3氏は、首相から理由の説明がなく、「私たちの研究活動についての評価に基づく任命拒否であれば、憲法23条が保障する学問の自由の重大な侵害」「(任命が首相の意のままになれば)会議の地位、職務上の独立性、権限は、すべて否定されてしまい、学問の自由はこの点においても深刻に侵される」などとしている。
○小沢氏は取材に「私は2015年、安保法制をめぐる国会での中央公聴会で『憲法違反だ』と述べた。仮に、学問上の意見を国会で述べたことが任命拒否につながっているのだとすれば、学問の自由の侵害だ」と話した。朝日新聞社
<引用終わり>
(*2):NHKの記事には「日本学術会議の会員は、日本学術会議法という法律によって、任命の手続きが定められています。」との記載があるのだが、朝日記事には記載がないのである。
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日本学術会議法 昭和二十三年法律第百二十一号
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000121
前文:日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、ここに設立される。
<第1章 設立及び目的>
第1条:この法律により日本学術会議を設立し、この法律を日本学術会議法と称する。
同第2項 日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄とする。
同第3項 日本学術会議に関する経費は、国庫の負担とする。
第2条:日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。
<第2章 職務及び権限>
第3条:日本学術会議は、独立して左の職務を行う。
一 科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
二 科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。
第4条:政府は、左の事項について、日本学術会議に諮問することができる。
一 科学に関する研究、試験等の助成、その他科学の振興を図るために政府の支出する交付金、補助金等の予算及びその配分
二 政府所管の研究所、試験所及び委託研究費等に関する予算編成の方針
三 特に専門科学者の検討を要する重要施策
四 その他日本学術会議に諮問することを適当と認める事項
(中略)
<第3章 組織>
第7条:日本学術会議は、二百十人の日本学術会議会員(以下「会員」という。)をもつて、これを組織する。
同第2項 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。
同第3項 会員の任期は、六年とし、三年ごとに、その半数を任命する。
同第4項 補欠の会員の任期は、前任者の残任期間とする。
同第5項 会員は、再任されることができない。ただし、補欠の会員は、一回に限り再任されることができる。
同第6項 会員は、年齢七十年に達した時に退職する。
同第7項 会員には、別に定める手当を支給する。
同第8項 会員は、国会議員を兼ねることを妨げない。
(中略)
<第4章 会員の推薦>
第17条:日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。
(中略)
<第5章 会議>
(中略)
第24条:総会は、会員の二分の一以上の出席がなければ、これを開くことができない。
同第2項 総会の議決は、出席会員の多数決による。
同第3項 部会及び連合部会の会議については、前二項の規定を準用する。
<第6章 雑則>
第25条:内閣総理大臣は、会員から病気その他やむを得ない事由による辞職の申出があつたときは、日本学術会議の同意を得て、その辞職を承認することができる。
第26条:内閣総理大臣は、会員に会員として不適当な行為があるときは、日本学術会議の申出に基づき、当該会員を退職させることができる。
(以下略)
<引用終わり>
(*3):「しんぶん赤旗」は新聞ではないので、一応は新聞の御題目である不偏不党や事実報道とは赤旗は無縁であり、共産党機関紙なのだから共産党が言いたいことだけが載っているものである。
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<その1>
日本共産党 しんぶん赤旗 2020年10月1日(木)
見出し:◆菅首相、学術会議人事に介入 推薦候補を任命せず 安保法批判者ら数人
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100101_01_1.html
記事:○1日から任期が始まる日本学術会議の新会員について、同会議が推薦した会員候補のうち数人を菅義偉首相が任命しなかったことが30日、本紙の取材で分かりました。推薦者が任命されなかったのは過去に例がありません。任命されなかった科学者のなかには安保法制や共謀罪を批判してきた人も含まれています。新政権誕生後、菅首相による恣意(しい)的な人事が明らかになったのは初めてで、学問の自由に介入する首相の姿勢が問われます。(取材班)
小見出し:◆前例ない推薦者外し
○日本学術会議法は、会員(210人)を同会議の推薦に基づいて、首相が任命すると定めています。会員の任期は6年間で3年ごとに半数が交代します。1日から半数の新会員の任期が始まります。会員は特別職の国家公務員(非常勤)です。
○同会議から新会員として推薦されていた立命館大学大学院法務研究科の松宮孝明教授によると、29日夕方に同会議の事務局長から「(首相の)任命名簿に名前がない」と連絡がありました。他にも数人、名前がなかった科学者がおり、「間違いではないか」と考えた事務局が政府に問い合わせると、「間違いではない。理由はノーコメント」と返ってきたといいます。
○松宮教授は2017年に国会の参考人質疑で共謀罪法案について「戦後最悪の治安立法」などと批判していました。松宮教授を知る学術会議のある会員は、「松宮教授の学術的な貢献は申し分ない。会員を外されたのは、政治的判断としか思えない」と話します。複数の関係者によると、ほかにも安保法制に反対した科学者が任命されていないといいます。
○同会議は約87万人の日本の科学者を内外に代表する機関。首相所轄ですが、政府から独立して政策提言などをします。17年には、当時の安倍政権が進めていた大学など研究機関による防衛省の軍事研究への参加について、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」との声明を出し、防衛省の軍事目的の研究に参加しない姿勢を明らかにしました。
○同会議の事務局は「1日に公表予定であり、現在は答えることはできない」と回答。会員に推薦した科学者が任命されなかったことは「過去にはなかった」としています。(引用終わり)
<その2>
日本共産党 しんぶん赤旗 2020年10月1日(木)
見出し:◆学術会議への人事介入
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100100_00_0.html
小見出し:◆菅首相が拒否した6人の氏名分かる
記事:○日本学術会議は1日、東京都内で総会を開き、山極寿一前会長(京都大学前総長)が、同会議が推薦した新会員のうち6人が菅義偉首相により任命を拒否されたことを明らかにしました。山極氏は退任のあいさつで「日本学術会議法第7条で『推薦に基づき』とあるのは重い規定。任命拒否は日本学術会議の歴史になかったことで重大だ。大変残念だ」と述べ、菅首相に説明を求めていると報告しました。
○6人の名前は公表されませんでしたが、本紙の取材に、小沢隆一東京慈恵会医科大学(憲法学)、岡田正則早稲田大学(行政法学)、松宮孝明立命館大学(刑事法学)、加藤陽子東京大学(歴史学)、芦名定道京都大学(キリスト教学)、宇野重規東京大学(政治学)の6人の教授が任命を拒否されたことを明らかにしています。多くが安保法制や共謀罪、沖縄の新基地建設などに反対を表明しています。
○山極氏は任命拒否の理由を示すよう菅首相あてに文書を提出したものの、現時点まで説明はないと報告。「日本学術会議は内閣府と密接な関係を持つが、命令を聞く組織ではない。科学者が業績を精査して推薦したのだから、説明もなく任命しないことは重大な問題だ」と強調し、新しい会長らが、この問題を議論し、今後対応するよう求めました。
○日本学術会議の会員は210人で任期は6年。3年ごとに半数が改選されます。同会議は今回の改選にあたり、105人の推薦者を8月31日に内閣府に提出しましたが、総会直前の9月28日夜に、任命しない理由を言わずに6人を推薦名簿から外してきました。
○総会で新会長に選出されたノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章東京大学教授は、総会後の会見で「重要な問題なので、しっかり対処していきたい。学問の自由、学術会議の中立性にもかかわることだと思っている」と話しました。
○小沢、岡田、松宮の3氏は連名で、任命拒否の撤回に向け総力であたることを求める要請書を日本学術会議会長あてに提出し、出席した会員に配りました。
○本紙の取材に総会出席の会員からは、この問題への疑問や批判が出ました。新会員になった吉岡洋京都大学特定教授(美学・芸術学)は、「学問にも口を出すという菅政権による宣言だ」と批判。「こんな介入がまかり通れば、学者が萎縮する」(関西の国立大学教授)、「学術会議の目的は政策の提言で議論の場。これは科学者に議論させないということだ」(学術団体役員)などの声も聞かれました。
<引用終わり>
(*4):東京新聞によれば、推薦105人に対して任命をしなかった6人は以下の通り、総て大学教授である。
↓
東京新聞HP 2020年10月1日 21時01分
見出し:◆菅首相が学術会議の任命を拒否した6人はこんな人 安保法制、特定秘密保護法、辺野古などで政府に異論
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59092
記事:○政策提言を行う国の特別機関「日本学術会議」が、新会員として内閣府に推薦した法律・歴史学者ら6人の任命について、菅義偉首相が拒否していた問題。6人は安全保障関連法や特定秘密保護法などで政府の方針に異論を示してきた。政府の意に沿わない人物は排除しようとする菅政権の意図が浮かぶ。
■東京大社会科学研究所教授の宇野重規しげき教授(政治思想史)
2013年12月に成立した特定秘密保護法に対し、「民主主義の基盤そのものを危うくしかねない」と批判。「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼び掛け人にも名を連ねていた。07年に「トクヴィル 平等と不平等の理論家」でサントリー学芸賞受賞。
■早稲田大大学院法務研究科の岡田正則教授(行政法)
「安全保障関連法案の廃止を求める早稲田大学有志の会」の呼び掛け人の1人。沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設問題を巡っては18年、他の学者らとともに政府の対応に抗議する声明を発表。
■東京慈恵会医科大の小沢隆一教授(憲法学)
15年7月、衆院特別委員会の中央公聴会で、野党推薦の公述人として出席。安保関連法案について「歯止めのない集団的自衛権の行使につながりかねない」と違憲性を指摘し、廃案を求めた。
■東京大大学院人文社会系研究科の加藤陽子教授(日本近現代史)
憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」の呼び掛け人の1人。改憲や特定秘密保護法などに反対してきた。10年に「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」で小林秀雄賞を受賞。政府の公文書管理委員会の委員も務めた。
■立命館大大学院法務研究科の松宮孝明教授(刑事法)
17年6月、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法案について、参院法務委員会の参考人質疑で、「戦後最悪の治安立法となる」と批判。
■京都大の芦名定道教授(キリスト教学)
「安全保障関連法に反対する学者の会」や、安保法制に反対する「自由と平和のための京大有志の会」の賛同者。
<引用終わり>
(*5):学術会議のごく少数の人達による「安全保障と学術に関する検討委員会」という「課題別委員会」の報告を総会決議に諮ることもなく、「安全保障技術研究推進制度」に反対することにしてしまった例がある。この事は、発生当時の2017年に幾つかの論考で指摘している。
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2017/04/27投稿:
「曲学阿世」にさえなってない浮世離れ・学術会議
副題:日本学術会議の今般の声名はGHQ占領下でGHQに阿る声名を、そのまま継承する異常なもの。「阿世」にさえなっていない愚劣さに呆れる。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-658.html
【ご参考】
2017/03/15投稿:
日本学術会議「安全保障と学術に関する検討委員会」
副題:理系研究者が悩むべきは研究自体であり研究予算の調達方法ではないはず。なんで「安全保障技術研究推進制度」に反対するの?検討委員は理系だけじゃないのね。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-628.html
2017/03/16投稿:
続・妖刀村正
副題:道具を作り出す学者様は賢くて、それを使う日本政府は邪悪な存在だと考えているのだとしたら、GHQの占領政策そのものではないか。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-629.html
(*6):日本経済新聞の「◆外国の資金協力、科研費にも開示義務 経済安保で厳格化」という記事。
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日本経済新聞 電子版 2020/9/29 2:00
見出し:◆外国の資金協力、科研費にも開示義務 経済安保で厳格化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64345400Y0A920C2PP8000/
記事:○政府は外国からの資金協力があるか開示を義務付ける対象に科学研究費補助金(科研費)を受ける研究室を加える。軍事転用可能な先端技術の海外流出を防ぐ。当初は科学技術振興機構(JST)など政府系4機関の資金支援に限る予定だったが網を広げて実効性を高める。
○関係省庁などの議論を経て情報開示に関する指針を示す。虚偽申告が判明した場合は資金配分の決定を取り消す。外国人研究者や留学生の詳細な研究歴の申告、流出防…
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<引用終わり>
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