(資料編)中国に対する米国の戦略的アプローチ
- 2020/06/15
- 22:45
(資料編)中国に対する米国の戦略的アプローチ
United States Strategic Approach to the People’s Republic of China

副題:本項は、今後の世界情勢に関しての知見を深める為に参照すべき文書を記録・紹介する「資料編」である。
「United States Strategic Approach to the People’s Republic of China(中国に対する米国の戦略的アプローチ)」(*1)との表題の米国議会への2020年5月20日報告書が5月26日に発表された。
同報告書は、政権の対中国戦略の実施状況について議会へ報告することが米国で「FY2019 National Defense Authorization Act(2019年国防授権法)」にて法定されており、それに基づき提出されたものである。
以前の論考にて「先の大戦後の現在の世界情勢は第三段階にある」(*2)旨を述べている通り、米ソ東西冷戦構造の崩壊後の世界は、共産主義の終焉により自由民主主義体制を基調とする世界秩序で安定したかの様に見えて、その実、西欧文明とは大きく異なる文明の国々の別の価値観が共産主義の喪失により相対的に上昇してきており、その中で経済・軍事との国力の両輪で以前とは比べものにならないくらいに発展・拡充した中国が、自国Sinic文明を基盤とした世界秩序へと変換する試みを実行し始めているのである。(*3)
その様な世界情勢から米国は中国の経済や安全保障の動きがもたらす世界秩序への悪影響・懸念を議会報告することになったものである。
今回は、副題に書いた通り、今後の世界情勢に関しての知見を深める為に参照すべき文書を記録・紹介するものであるが、紹介する先は日本語を母国語とする日本人を想定している。
そういう事なので、議会に提出された報告書及びホワイトハウスの5月26日発表時の声明(*4)は当然の様に英文である事から、その和訳をしていたのだが、色々と考えさせられ筆が進まず随分と時間が経ってしまった。(反省)
その一方、時間がかかったことで、報告書の概要に関しての和文記事(*5)が出されているので、今回は全文和訳をしなくても、その記事を資料として紹介することで目的は達成できることから、以下の様な関係資料を記したものである。
(*1):「United States Strategic Approach to the People’s Republic of China(中国に対する米国の戦略的アプローチ)」
↓
◆United States Strategic Approach to the People’s Republic of China
https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2020/05/U.S.-Strategic-Approach-to-The-Peoples-Republic-of-China-Report-5.20.20-1.pdf
※スマホの方は要注意・pdfファイル16ページ
<5つの大項目のみを引用>(和訳は当方による意訳)
○Introduction
(はじめに)
○Challenges
(中国の挑戦(以下(*3)ヘゲモニーチャレンジを参照))
1. Economic Challenges
(経済的挑戦)
2. Challenges to Our Values
(自由民主主義価値観への挑戦)
3. Security Challenges
(安全保障・軍事的挑戦)
○Approach
(浸透方法(超限戦))
○Implementation
(対抗策の実施状況)
1. Protect the American People, the Homeland, and the American Way of Life
(アメリカの国民、領土、価値観を守る)
2. Promote American Prosperity
(自由民主主義体制での平和・反映の増進)
3. Preserve Peace through Strength
(強さ(国力=軍事・経済)を通じての平和維持)
4. Advance American Influence
(自由民主主義価値観の影響力を再度拡大する)
○Conclusion
(現状での結論)
(*2):以前の論考にて「先の大戦後の現在の世界情勢は第三段階にある」
↓
2019/05/29投稿:
先の大戦後の現在の世界情勢は第三段階にある
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1190.html
(*3):経済・軍事との国力の両輪で以前とは比べものにならないくらいに発展・拡充した中国が、自国Sinic文明を基盤とした世界秩序へと変換する試みを実行し始めているのである。
↓
2018/10/11投稿:
ヘゲモニーチャレンジャー中国・事大主義小中華韓国
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1032.html
2019/05/17投稿:
ヘゲモニーチャレンジ宣言をした中国Part1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1180.html
2019/05/19投稿:
ヘゲモニーチャレンジ宣言をした中国Part2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1181.html
2019/05/20投稿:
ヘゲモニーチャレンジ宣言をした中国Part3 Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1182.html
2018/10/13投稿:
新冷戦状態にあるとの宣言・ペンス米国副大統領演説(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1033.html
2018/10/16投稿:
新冷戦状態にあるとの宣言・ペンス米国副大統領演説(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1034.html
2018/10/17投稿:
新冷戦状態にあるとの宣言・ペンス米国副大統領演説(後編)Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1035.html
【ご参考】その約1年前に同様の事を指摘した論考
2017/12/21投稿:
情勢認識が冷戦時代のままではダメでしょ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-829.html
(*4):ホワイトハウスの5月26日発表時の声明
↓
ホワイトハイスHP May 26, 2020
表題:◆United States Strategic Approach to the People’s Republic of China
(中国に対する米国の戦略的アプローチ)(和訳は当方による意訳)
https://www.whitehouse.gov/articles/united-states-strategic-approach-to-the-peoples-republic-of-china/
記事:○As demonstrated by the Chinese Communist Party’s (CCP) response to the pandemic, Americans have more reason than ever to understand the nature of the regime in Beijing and the threats it poses to American economic interests, security, and values. President Trump and the Administration are committed to protecting the American people, homeland, and way of life from the CCP’s malign actions and policies.
(新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対して中国共産党が示した不誠実な態度で明らかになった様に、アメリカの人々は、北京(中共)の体制・性質が、アメリカが築いてきた経済的繁栄・安全保障(平和の維持)・自由民主主義の価値観に対して危険な存在であり、脅威であることをこれまで以上に理解する必要がある。トランプ政権は中共の悪質なる行動と政策からアメリカの人々、祖国、自由民主主義の価値観を守ることに尽力している。)
○On May 20, 2020, the White House published a report in accordance with the FY2019 National Defense Authorization Act, United States Strategic Approach to the People’s Republic of China, detailing a whole-of-government strategy with respect to the People’s Republic of China (PRC).
(2020年5月20日にホワイトハウスは、2019年国防授権法の規定に基づき「中国に対する米国の戦略的アプローチ」と題する報告書で、中国に対する米国政府全体の戦略を公表した(議会に報告した)。)
○The report was compiled by the White House and coordinated broadly across the U.S. executive branch.
(この報告書はアメリカの総ての行政機関により検討されたものをホワイトハウス(大統領府)によりまとめられたものである。)
○As the President’s National Security Strategy says, it is time the United States “rethink the failed policies of the past two decades – policies based on the assumption that engagement with rivals and their inclusion in international institutions and global commerce would turn them into benign actors and trustworthy partners.” The report illustrates how the policies and actions of the Chinese Communist Party have compelled the United States to adopt a competitive strategy, guided by a return to principled realism.
(大統領府の国家安全保障戦略は、今やアメリカは過去20年間の間違った対中国策を再考する時期となったと述べている。中国への対応の基本的考え方として過去に採用してきた、中国を国際機関及び国際的商取引の場に迎え入れることで中国は国際社会の良き一員となるであろう、信頼できる国際社会への参加者になるであろうとの前提は間違いであったのである。この報告書は中国共産党のこの間の政策と行動が、まったく異なっており、この様な中国の政策と行動が、アメリカを自由民主主義原則に立ち返えらせ、現実世界に於いて中国に対して対抗的な戦略を採用するに至ったのかを説明している。)
○You can read the full report here.
(全文はここから(リンク)読めます。)
※リンク先は上記(*1)の議会への報告書
<引用終わり>
(*5):報告書の概要に関しての和文記事
↓
Yahooニュース(JBpress) 6/10(水) 6:01配信
見出し:◆米国政府、中国との全面対決を公文書で宣言
(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2daa014632fb1d2b391e0ba7aa5b69a285255f3f
記事:○ 5月末、米国政府が議会に対して対中国政策の総括を改めて宣言する公文書を送った。
○米国政府は同文書で、中国が米国主導の国際秩序を根底から壊そうとしていると断じ、その野心的な動きを抑えるために中国と対決することを政府の基本方針として明示していた。米国による中国との全面対決新時代の公式宣言ともいってもよい。
○その宣言は、日本など同盟諸国と連携しての対中抑止を表明しており、日本の対中政策にも大きな影響を及ぼすことは確実である。
小見出し:■ 中国が3つの分野で米国にチャレンジ
○トランプ政権は「米国の中国に対する戦略的アプローチ」と題する公式文書を5月下旬、連邦議会あてに送った。米国政府全体が中国との新たな対決姿勢をとるにいたり、そのための多様な政策を認めるよう米議会上下両院に要請する目的で、新対中政策の骨子を議会に向けて説明したのだという。
○トランプ政権は中国政策に関して、オバマ前政権までの長年の歴代政権の「対中関与政策」は間違いだったとして新たな強硬政策をとってきた。この文書は、中国発の新型コロナウイルスが米国にもたらした被害を踏まえて、対中強硬政策の内容を集大成の形で改めて解説している。
○16ページから成る同文書は、【序言】【チャレンジ】【アプローチ】【実行】【結論】の5部で構成され、全体として、中国が米国に正面から挑戦する脅威の存在となり、米国および日本など同盟諸国の利益の根幹を侵すにいたったとの見方を示している。同文書の概要は以下のとおりである。それぞれのパートを見ていこう。
【序言】
○米国は1979年の中国との国交樹立以来、中国がより豊かに、より強くなれば米国主導の国際秩序に加わり、国内的にも民主化を進めるだろうという期待に基づいて関与政策を進めてきた。だが、この政策は失敗した。
○中国はより豊かに強くなった。しかし、共産党政権の非民主的な国内弾圧は強まり、対外的にも米国主導の「開放的で自由で法の支配に基づく民主的な国際秩序」を侵し、周辺諸国に対して軍事、政治、経済の各手段で自国の意思を押しつけるようになった。
○米国がとるべき行動は、自陣営の価値観や制度を守り、その正当性を証明すること、中国の制度や価値観の世界への拡大を防ぐことである。またインド太平洋で日本やインド、オーストラリアなどとの団結を強め、中国の危険な行動を抑止する。
【チャレンジ】
○現在の中国は以下の諸点で米国に戦いを挑んでいる。
○(1)経済的チャレンジ
○中国は2001年から世界貿易機関(WTO)に加盟したが、同機関の規則を守らず、自国の不当な市場や生産構造を改善しようとしない。習近平政権は自国産業への違法な政府補助金供与などを停止すると公約したのに止めていない。知的所有権についても米国企業の知的所有権を違法に使用することを続けている。全世界の偽造商品の63%は中国産となった。
○中国は「一帯一路」構想を通じて、自国の非民主的、不透明な制度を国際的に拡大しようとしている。環境保護でも中国は国際的な合意や規則を無視している。
○(2)価値観へのチャレンジ
○中国共産党はマルクス・レ―ニン主義に基づく独自の政治システムを構築し、国家や政府を共産党に従属させている。このシステムは米国の自由な競争や個人の権利に基づく原則と衝突する。
○中国は国際的にも中国型の独裁統治を拡大しようとしている。その統治は、競合政党の駆逐、政治活動家への不当な迫害、市民団体の抑圧、言論の検閲と弾圧などが主体となる。新疆ウイグル自治区、チベット自治区ではウイグル人やチベット人を組織的に弾圧し、さらにはキリスト教徒、仏教徒、法輪功・気功集団などの抑圧も進めてきた。
○中国共産党政権のイデオロギー的画一性の追求は国内に留まらない。自国の政治思想を対外的なプロパガンダとして世界各国へ発信している。米国、オーストラリア、イギリスなどの市民団体、スポーツ組織、学術団体に影響力を行使し、外国のメディアにも圧力をかける。統一戦線工作による諸外国への干渉も目立つ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2daa014632fb1d2b391e0ba7aa5b69a285255f3f?page=2
○(3)安全保障へのチャレンジ
○中国政府は軍事力の行使や威嚇によって、黄海、南シナ海、東シナ海、台湾海峡、インド・中国国境などで自国の利益の拡大を図り、周辺諸国の安全保障を脅かしてきた。
○習近平政権は「軍民融合」を国策としており、企業も商業的な取引を通じて中国の軍事目的に寄与させられることが多い。中国政府は「一帯一路」も軍事拡張の手段にすると言明している。
○中国の軍事力は、国際的商業取引の輸送路やサプライチェーンの支配にも利用される。中国政府は軍事組織を使って他国の情報や通信の技術を盗用し、サイバー攻撃などを実施する。ファーウェイ(華為技術)やZTE(中興通訊)などの大企業も人民解放軍の指令を受けて他国の安全保障システムに侵入する。
○ ※ ※ ※
○米国政府の対中新政策についての公文書は 以上のように中国側の動向を米国へのチャレンジ(挑戦)という特徴でまとめながら列記していた。その内容からは、トランプ政権が中華人民共和国という存在を完全に“敵”と認識していることが明白になる。ただし、一国の政府の公文書で、少なくともまだ戦争状態にはない国を正面から「敵」と呼ぶのは支障がある。そこで「チャレンジ(挑戦)」という言葉に替えているのであろう。
小見出し:■ 「力」で平和を守り、アメリカの影響力を拡大
○では米国側はどう対応するのか。同文書はまず基本姿勢として以下のように述べる。
【アプローチ】
○中国は民主主義を貶める目的で、西側の自由民主主義陣営に関する虚偽の情報を流し、米国とその同盟諸国、友好諸国との間の離反を図ろうとしている。
○米国は、自由で開放された法の統治に基づく国際秩序を弱め、ゆがめようとする中国の活動を受け入れない。中国共産党の「米国は戦略的に後退し、国際安全保障の誓約も放棄しつつある」という宣伝を断固、排する。米国は、主権、自由、開放性、法の統治、公正、相互主義という価値観を共有する同盟諸国とともに、努力を続ける。
○米国は中国側からの対話のための「前提条件」や「雰囲気醸成」の求めには応じない。具体的な結果と建設的な前進だけに価値を認める。中国政府は貿易と投資、表現と信仰の自由、政治の自主と自由、航行と航空の自由、サイバー攻撃や知的財産の盗用、兵器の拡散、国際公衆衛生など、多くの領域で公約を履行していない。中国との合意には、厳格な検証と執行のメカニズムが欠かせない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2daa014632fb1d2b391e0ba7aa5b69a285255f3f?page=3
○米国は、中国の国民との率直な話し合いと指導者の誠実さを求めたい。そのため意思疎通のチャンネルは保ち続けるが、中国との折衝は国益に基づく選別的な関与となる。
【実行】
○米国政府は中国に対して、「力に基づく平和」の原則により、自由で開かれた世界の実現を目指す。トランプ政権は過去3年あまりこの基本に基づく戦略を以下のように実行してきた。
○(1)アメリカの国民、国土、生き方を守る
○司法省は「中国構想」という方針の下、中国の経済スパイ、対世論工作、政治謀略などを取り締まってきた。ホワイトハウスや国務省はそのために米国内の中国の外交官や留学生に新たな規制を課し、中国側の自称ジャーナリストも国家工作員とみなして規制の対象とした。
○大統領は、新たな行政命令によって、中国側の米国研究機関への浸透、大学への影響力行使、通信分野への介入、高度技術の盗用などを防ぐ措置をとった。とくに同盟諸国と協力して、中国側の諜報活動やサイバー攻撃への対策の強化を図った。
○(2)アメリカの繁栄を守る
○米国政府は、高度技術や知的所有権などを盗用する中国の不公正な経済慣行を終わらせ、米国の産業界や労働者、消費者の利益を守る。そのため、中国製品への懲罰的な関税など強硬な手段をとってきた。
○米国政府は5G(第5世代移動通信システム)やAI(人工知能)の分野でも中国の不公正な挑戦を排除して、米国の優位を保つことに努力する。トランプ政権が最近、中国との間でまとめた経済合意の「第一段階」でも、中国が公正な経済慣行に則っているかに注意を払う。米国政府は日本および欧州との提携を強めて、中国の不透明な経済慣行の排除に全力をあげる。
○(3)力により平和を保つ
○米国は中国の軍事力増強に対して、核戦力の総合的な強化、通常戦力の増強によって抑止力を保つ。中国は世界最大規模の中距離ミサイルを保有するが、米国はその管理や削減のための交渉を呼びかける。中国はサイバー空間や宇宙でも軍備を強化して、超音速の兵器の開発も進めている。米国はそれらの分野でも中国を抑止できる能力を確保する。
○中国はとくに東アジア、インド太平洋という地域で、軍事力大増強による覇権の確立を目指している。米国は日本などアジアの同盟諸国と連帯を深め、兵器供与を拡大する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2daa014632fb1d2b391e0ba7aa5b69a285255f3f?page=4
○米国は台湾との非公式な関係をさらに増強する。中国の台湾有事を念頭に置いた軍事大増強に対して、米国は台湾の自己防衛態勢の構築に支援を続ける。2019年に米国は台湾に合計100億ドルを超える兵器を売却した。
○(4)アメリカの影響力を拡大する
○中国は専制的統治、言論抑圧、汚職、略奪的な経済慣行、民族や宗教の多様性への抑圧を続けているが、米国は国際的な呼びかけを通じてそれらに歯止めをかける。米国の価値観に基づく影響力の拡大を図る。
○トランプ政権は、ウイグル人、チベット人、仏教徒、キリスト教徒、気功集団の法輪功信徒らの基本的な人権を守るために支援する。2019年2月には米国務省が初めて「国際宗教自由連盟」の集会を開き、全世界から25の国や地域、民族の代表が集まった。
○米国は第2次世界大戦終結以来の国際秩序の堅持を目指し、その秩序の侵食を図る中国の動向に反対してきた。とくに香港の住民の自由は重要である。トランプ大統領、ペンス副大統領ら政権の高官は、中国政府に対して国際公約である香港の一国二制度を保つことを要求してきた。
【結論】
○米国政府の現在の中国へのアプローチは、世界最大の人口を擁し世界第2位の経済大国であることへの理解や対応を踏まえた結果を反映している。
○米国は中国との長期にわたる戦略的な競合を意識して、原則に基づきながら現実主義に立脚し、米国の利益を守り、影響力を広めることに努めていく。
小見出し:■ 問われる日本の立ち位置
○以上が、トランプ政権の対中政策をまとめた公文書の要点である。この記述から明確になるのは、「中国の現在のあり方を認めない」とする米国の断固たる姿勢だろう。
○その姿勢に基づく強固な対中政策では、日本など同盟諸国との緊密な連帯が強調されている。同盟国の日本が、そうした米国の対中姿勢に同調せず、中国と米国の中間に立って仲介役を果たすというような選択肢をとることは、きわめて難しいようである。古森 義久
<引用終わり>
【ご参考】
2019/12/15投稿:
「報道しない自由」で知らされていない重要施策・Blue Dot Network
副題:華夷秩序が世界秩序となってしまった世界は、今のチベット・ウイグルの様な地獄になっているだろう。香港での中国の強権的統制・抑圧を日本列島や東南アジアで起こさせない為には自由主義陣営での結束が大事
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1294.html
2018/11/24投稿:
真珠湾攻撃が石油禁輸の結果である事の教訓から
<2018年11月・安倍外交怒涛の一週間Part1>
副題:2018年11月13日に来日したペンスとの日米共同声明の戦略性を我が国マスコミは報じない。こんな大事な宣言を国民に知らせたくないのであろう。21世紀のエネルギー戦略の青写真なのに。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1060.html
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United States Strategic Approach to the People’s Republic of China


副題:本項は、今後の世界情勢に関しての知見を深める為に参照すべき文書を記録・紹介する「資料編」である。
「United States Strategic Approach to the People’s Republic of China(中国に対する米国の戦略的アプローチ)」(*1)との表題の米国議会への2020年5月20日報告書が5月26日に発表された。
同報告書は、政権の対中国戦略の実施状況について議会へ報告することが米国で「FY2019 National Defense Authorization Act(2019年国防授権法)」にて法定されており、それに基づき提出されたものである。
以前の論考にて「先の大戦後の現在の世界情勢は第三段階にある」(*2)旨を述べている通り、米ソ東西冷戦構造の崩壊後の世界は、共産主義の終焉により自由民主主義体制を基調とする世界秩序で安定したかの様に見えて、その実、西欧文明とは大きく異なる文明の国々の別の価値観が共産主義の喪失により相対的に上昇してきており、その中で経済・軍事との国力の両輪で以前とは比べものにならないくらいに発展・拡充した中国が、自国Sinic文明を基盤とした世界秩序へと変換する試みを実行し始めているのである。(*3)
その様な世界情勢から米国は中国の経済や安全保障の動きがもたらす世界秩序への悪影響・懸念を議会報告することになったものである。
今回は、副題に書いた通り、今後の世界情勢に関しての知見を深める為に参照すべき文書を記録・紹介するものであるが、紹介する先は日本語を母国語とする日本人を想定している。
そういう事なので、議会に提出された報告書及びホワイトハウスの5月26日発表時の声明(*4)は当然の様に英文である事から、その和訳をしていたのだが、色々と考えさせられ筆が進まず随分と時間が経ってしまった。(反省)
その一方、時間がかかったことで、報告書の概要に関しての和文記事(*5)が出されているので、今回は全文和訳をしなくても、その記事を資料として紹介することで目的は達成できることから、以下の様な関係資料を記したものである。
(*1):「United States Strategic Approach to the People’s Republic of China(中国に対する米国の戦略的アプローチ)」
↓
◆United States Strategic Approach to the People’s Republic of China
https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2020/05/U.S.-Strategic-Approach-to-The-Peoples-Republic-of-China-Report-5.20.20-1.pdf
※スマホの方は要注意・pdfファイル16ページ
<5つの大項目のみを引用>(和訳は当方による意訳)
○Introduction
(はじめに)
○Challenges
(中国の挑戦(以下(*3)ヘゲモニーチャレンジを参照))
1. Economic Challenges
(経済的挑戦)
2. Challenges to Our Values
(自由民主主義価値観への挑戦)
3. Security Challenges
(安全保障・軍事的挑戦)
○Approach
(浸透方法(超限戦))
○Implementation
(対抗策の実施状況)
1. Protect the American People, the Homeland, and the American Way of Life
(アメリカの国民、領土、価値観を守る)
2. Promote American Prosperity
(自由民主主義体制での平和・反映の増進)
3. Preserve Peace through Strength
(強さ(国力=軍事・経済)を通じての平和維持)
4. Advance American Influence
(自由民主主義価値観の影響力を再度拡大する)
○Conclusion
(現状での結論)
(*2):以前の論考にて「先の大戦後の現在の世界情勢は第三段階にある」
↓
2019/05/29投稿:
先の大戦後の現在の世界情勢は第三段階にある
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1190.html
(*3):経済・軍事との国力の両輪で以前とは比べものにならないくらいに発展・拡充した中国が、自国Sinic文明を基盤とした世界秩序へと変換する試みを実行し始めているのである。
↓
2018/10/11投稿:
ヘゲモニーチャレンジャー中国・事大主義小中華韓国
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1032.html
2019/05/17投稿:
ヘゲモニーチャレンジ宣言をした中国Part1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1180.html
2019/05/19投稿:
ヘゲモニーチャレンジ宣言をした中国Part2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1181.html
2019/05/20投稿:
ヘゲモニーチャレンジ宣言をした中国Part3 Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1182.html
2018/10/13投稿:
新冷戦状態にあるとの宣言・ペンス米国副大統領演説(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1033.html
2018/10/16投稿:
新冷戦状態にあるとの宣言・ペンス米国副大統領演説(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1034.html
2018/10/17投稿:
新冷戦状態にあるとの宣言・ペンス米国副大統領演説(後編)Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1035.html
【ご参考】その約1年前に同様の事を指摘した論考
2017/12/21投稿:
情勢認識が冷戦時代のままではダメでしょ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-829.html
(*4):ホワイトハウスの5月26日発表時の声明
↓
ホワイトハイスHP May 26, 2020
表題:◆United States Strategic Approach to the People’s Republic of China
(中国に対する米国の戦略的アプローチ)(和訳は当方による意訳)
https://www.whitehouse.gov/articles/united-states-strategic-approach-to-the-peoples-republic-of-china/
記事:○As demonstrated by the Chinese Communist Party’s (CCP) response to the pandemic, Americans have more reason than ever to understand the nature of the regime in Beijing and the threats it poses to American economic interests, security, and values. President Trump and the Administration are committed to protecting the American people, homeland, and way of life from the CCP’s malign actions and policies.
(新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対して中国共産党が示した不誠実な態度で明らかになった様に、アメリカの人々は、北京(中共)の体制・性質が、アメリカが築いてきた経済的繁栄・安全保障(平和の維持)・自由民主主義の価値観に対して危険な存在であり、脅威であることをこれまで以上に理解する必要がある。トランプ政権は中共の悪質なる行動と政策からアメリカの人々、祖国、自由民主主義の価値観を守ることに尽力している。)
○On May 20, 2020, the White House published a report in accordance with the FY2019 National Defense Authorization Act, United States Strategic Approach to the People’s Republic of China, detailing a whole-of-government strategy with respect to the People’s Republic of China (PRC).
(2020年5月20日にホワイトハウスは、2019年国防授権法の規定に基づき「中国に対する米国の戦略的アプローチ」と題する報告書で、中国に対する米国政府全体の戦略を公表した(議会に報告した)。)
○The report was compiled by the White House and coordinated broadly across the U.S. executive branch.
(この報告書はアメリカの総ての行政機関により検討されたものをホワイトハウス(大統領府)によりまとめられたものである。)
○As the President’s National Security Strategy says, it is time the United States “rethink the failed policies of the past two decades – policies based on the assumption that engagement with rivals and their inclusion in international institutions and global commerce would turn them into benign actors and trustworthy partners.” The report illustrates how the policies and actions of the Chinese Communist Party have compelled the United States to adopt a competitive strategy, guided by a return to principled realism.
(大統領府の国家安全保障戦略は、今やアメリカは過去20年間の間違った対中国策を再考する時期となったと述べている。中国への対応の基本的考え方として過去に採用してきた、中国を国際機関及び国際的商取引の場に迎え入れることで中国は国際社会の良き一員となるであろう、信頼できる国際社会への参加者になるであろうとの前提は間違いであったのである。この報告書は中国共産党のこの間の政策と行動が、まったく異なっており、この様な中国の政策と行動が、アメリカを自由民主主義原則に立ち返えらせ、現実世界に於いて中国に対して対抗的な戦略を採用するに至ったのかを説明している。)
○You can read the full report here.
(全文はここから(リンク)読めます。)
※リンク先は上記(*1)の議会への報告書
<引用終わり>
(*5):報告書の概要に関しての和文記事
↓
Yahooニュース(JBpress) 6/10(水) 6:01配信
見出し:◆米国政府、中国との全面対決を公文書で宣言
(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2daa014632fb1d2b391e0ba7aa5b69a285255f3f
記事:○ 5月末、米国政府が議会に対して対中国政策の総括を改めて宣言する公文書を送った。
○米国政府は同文書で、中国が米国主導の国際秩序を根底から壊そうとしていると断じ、その野心的な動きを抑えるために中国と対決することを政府の基本方針として明示していた。米国による中国との全面対決新時代の公式宣言ともいってもよい。
○その宣言は、日本など同盟諸国と連携しての対中抑止を表明しており、日本の対中政策にも大きな影響を及ぼすことは確実である。
小見出し:■ 中国が3つの分野で米国にチャレンジ
○トランプ政権は「米国の中国に対する戦略的アプローチ」と題する公式文書を5月下旬、連邦議会あてに送った。米国政府全体が中国との新たな対決姿勢をとるにいたり、そのための多様な政策を認めるよう米議会上下両院に要請する目的で、新対中政策の骨子を議会に向けて説明したのだという。
○トランプ政権は中国政策に関して、オバマ前政権までの長年の歴代政権の「対中関与政策」は間違いだったとして新たな強硬政策をとってきた。この文書は、中国発の新型コロナウイルスが米国にもたらした被害を踏まえて、対中強硬政策の内容を集大成の形で改めて解説している。
○16ページから成る同文書は、【序言】【チャレンジ】【アプローチ】【実行】【結論】の5部で構成され、全体として、中国が米国に正面から挑戦する脅威の存在となり、米国および日本など同盟諸国の利益の根幹を侵すにいたったとの見方を示している。同文書の概要は以下のとおりである。それぞれのパートを見ていこう。
【序言】
○米国は1979年の中国との国交樹立以来、中国がより豊かに、より強くなれば米国主導の国際秩序に加わり、国内的にも民主化を進めるだろうという期待に基づいて関与政策を進めてきた。だが、この政策は失敗した。
○中国はより豊かに強くなった。しかし、共産党政権の非民主的な国内弾圧は強まり、対外的にも米国主導の「開放的で自由で法の支配に基づく民主的な国際秩序」を侵し、周辺諸国に対して軍事、政治、経済の各手段で自国の意思を押しつけるようになった。
○米国がとるべき行動は、自陣営の価値観や制度を守り、その正当性を証明すること、中国の制度や価値観の世界への拡大を防ぐことである。またインド太平洋で日本やインド、オーストラリアなどとの団結を強め、中国の危険な行動を抑止する。
【チャレンジ】
○現在の中国は以下の諸点で米国に戦いを挑んでいる。
○(1)経済的チャレンジ
○中国は2001年から世界貿易機関(WTO)に加盟したが、同機関の規則を守らず、自国の不当な市場や生産構造を改善しようとしない。習近平政権は自国産業への違法な政府補助金供与などを停止すると公約したのに止めていない。知的所有権についても米国企業の知的所有権を違法に使用することを続けている。全世界の偽造商品の63%は中国産となった。
○中国は「一帯一路」構想を通じて、自国の非民主的、不透明な制度を国際的に拡大しようとしている。環境保護でも中国は国際的な合意や規則を無視している。
○(2)価値観へのチャレンジ
○中国共産党はマルクス・レ―ニン主義に基づく独自の政治システムを構築し、国家や政府を共産党に従属させている。このシステムは米国の自由な競争や個人の権利に基づく原則と衝突する。
○中国は国際的にも中国型の独裁統治を拡大しようとしている。その統治は、競合政党の駆逐、政治活動家への不当な迫害、市民団体の抑圧、言論の検閲と弾圧などが主体となる。新疆ウイグル自治区、チベット自治区ではウイグル人やチベット人を組織的に弾圧し、さらにはキリスト教徒、仏教徒、法輪功・気功集団などの抑圧も進めてきた。
○中国共産党政権のイデオロギー的画一性の追求は国内に留まらない。自国の政治思想を対外的なプロパガンダとして世界各国へ発信している。米国、オーストラリア、イギリスなどの市民団体、スポーツ組織、学術団体に影響力を行使し、外国のメディアにも圧力をかける。統一戦線工作による諸外国への干渉も目立つ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2daa014632fb1d2b391e0ba7aa5b69a285255f3f?page=2
○(3)安全保障へのチャレンジ
○中国政府は軍事力の行使や威嚇によって、黄海、南シナ海、東シナ海、台湾海峡、インド・中国国境などで自国の利益の拡大を図り、周辺諸国の安全保障を脅かしてきた。
○習近平政権は「軍民融合」を国策としており、企業も商業的な取引を通じて中国の軍事目的に寄与させられることが多い。中国政府は「一帯一路」も軍事拡張の手段にすると言明している。
○中国の軍事力は、国際的商業取引の輸送路やサプライチェーンの支配にも利用される。中国政府は軍事組織を使って他国の情報や通信の技術を盗用し、サイバー攻撃などを実施する。ファーウェイ(華為技術)やZTE(中興通訊)などの大企業も人民解放軍の指令を受けて他国の安全保障システムに侵入する。
○ ※ ※ ※
○米国政府の対中新政策についての公文書は 以上のように中国側の動向を米国へのチャレンジ(挑戦)という特徴でまとめながら列記していた。その内容からは、トランプ政権が中華人民共和国という存在を完全に“敵”と認識していることが明白になる。ただし、一国の政府の公文書で、少なくともまだ戦争状態にはない国を正面から「敵」と呼ぶのは支障がある。そこで「チャレンジ(挑戦)」という言葉に替えているのであろう。
小見出し:■ 「力」で平和を守り、アメリカの影響力を拡大
○では米国側はどう対応するのか。同文書はまず基本姿勢として以下のように述べる。
【アプローチ】
○中国は民主主義を貶める目的で、西側の自由民主主義陣営に関する虚偽の情報を流し、米国とその同盟諸国、友好諸国との間の離反を図ろうとしている。
○米国は、自由で開放された法の統治に基づく国際秩序を弱め、ゆがめようとする中国の活動を受け入れない。中国共産党の「米国は戦略的に後退し、国際安全保障の誓約も放棄しつつある」という宣伝を断固、排する。米国は、主権、自由、開放性、法の統治、公正、相互主義という価値観を共有する同盟諸国とともに、努力を続ける。
○米国は中国側からの対話のための「前提条件」や「雰囲気醸成」の求めには応じない。具体的な結果と建設的な前進だけに価値を認める。中国政府は貿易と投資、表現と信仰の自由、政治の自主と自由、航行と航空の自由、サイバー攻撃や知的財産の盗用、兵器の拡散、国際公衆衛生など、多くの領域で公約を履行していない。中国との合意には、厳格な検証と執行のメカニズムが欠かせない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2daa014632fb1d2b391e0ba7aa5b69a285255f3f?page=3
○米国は、中国の国民との率直な話し合いと指導者の誠実さを求めたい。そのため意思疎通のチャンネルは保ち続けるが、中国との折衝は国益に基づく選別的な関与となる。
【実行】
○米国政府は中国に対して、「力に基づく平和」の原則により、自由で開かれた世界の実現を目指す。トランプ政権は過去3年あまりこの基本に基づく戦略を以下のように実行してきた。
○(1)アメリカの国民、国土、生き方を守る
○司法省は「中国構想」という方針の下、中国の経済スパイ、対世論工作、政治謀略などを取り締まってきた。ホワイトハウスや国務省はそのために米国内の中国の外交官や留学生に新たな規制を課し、中国側の自称ジャーナリストも国家工作員とみなして規制の対象とした。
○大統領は、新たな行政命令によって、中国側の米国研究機関への浸透、大学への影響力行使、通信分野への介入、高度技術の盗用などを防ぐ措置をとった。とくに同盟諸国と協力して、中国側の諜報活動やサイバー攻撃への対策の強化を図った。
○(2)アメリカの繁栄を守る
○米国政府は、高度技術や知的所有権などを盗用する中国の不公正な経済慣行を終わらせ、米国の産業界や労働者、消費者の利益を守る。そのため、中国製品への懲罰的な関税など強硬な手段をとってきた。
○米国政府は5G(第5世代移動通信システム)やAI(人工知能)の分野でも中国の不公正な挑戦を排除して、米国の優位を保つことに努力する。トランプ政権が最近、中国との間でまとめた経済合意の「第一段階」でも、中国が公正な経済慣行に則っているかに注意を払う。米国政府は日本および欧州との提携を強めて、中国の不透明な経済慣行の排除に全力をあげる。
○(3)力により平和を保つ
○米国は中国の軍事力増強に対して、核戦力の総合的な強化、通常戦力の増強によって抑止力を保つ。中国は世界最大規模の中距離ミサイルを保有するが、米国はその管理や削減のための交渉を呼びかける。中国はサイバー空間や宇宙でも軍備を強化して、超音速の兵器の開発も進めている。米国はそれらの分野でも中国を抑止できる能力を確保する。
○中国はとくに東アジア、インド太平洋という地域で、軍事力大増強による覇権の確立を目指している。米国は日本などアジアの同盟諸国と連帯を深め、兵器供与を拡大する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2daa014632fb1d2b391e0ba7aa5b69a285255f3f?page=4
○米国は台湾との非公式な関係をさらに増強する。中国の台湾有事を念頭に置いた軍事大増強に対して、米国は台湾の自己防衛態勢の構築に支援を続ける。2019年に米国は台湾に合計100億ドルを超える兵器を売却した。
○(4)アメリカの影響力を拡大する
○中国は専制的統治、言論抑圧、汚職、略奪的な経済慣行、民族や宗教の多様性への抑圧を続けているが、米国は国際的な呼びかけを通じてそれらに歯止めをかける。米国の価値観に基づく影響力の拡大を図る。
○トランプ政権は、ウイグル人、チベット人、仏教徒、キリスト教徒、気功集団の法輪功信徒らの基本的な人権を守るために支援する。2019年2月には米国務省が初めて「国際宗教自由連盟」の集会を開き、全世界から25の国や地域、民族の代表が集まった。
○米国は第2次世界大戦終結以来の国際秩序の堅持を目指し、その秩序の侵食を図る中国の動向に反対してきた。とくに香港の住民の自由は重要である。トランプ大統領、ペンス副大統領ら政権の高官は、中国政府に対して国際公約である香港の一国二制度を保つことを要求してきた。
【結論】
○米国政府の現在の中国へのアプローチは、世界最大の人口を擁し世界第2位の経済大国であることへの理解や対応を踏まえた結果を反映している。
○米国は中国との長期にわたる戦略的な競合を意識して、原則に基づきながら現実主義に立脚し、米国の利益を守り、影響力を広めることに努めていく。
小見出し:■ 問われる日本の立ち位置
○以上が、トランプ政権の対中政策をまとめた公文書の要点である。この記述から明確になるのは、「中国の現在のあり方を認めない」とする米国の断固たる姿勢だろう。
○その姿勢に基づく強固な対中政策では、日本など同盟諸国との緊密な連帯が強調されている。同盟国の日本が、そうした米国の対中姿勢に同調せず、中国と米国の中間に立って仲介役を果たすというような選択肢をとることは、きわめて難しいようである。古森 義久
<引用終わり>
【ご参考】
2019/12/15投稿:
「報道しない自由」で知らされていない重要施策・Blue Dot Network
副題:華夷秩序が世界秩序となってしまった世界は、今のチベット・ウイグルの様な地獄になっているだろう。香港での中国の強権的統制・抑圧を日本列島や東南アジアで起こさせない為には自由主義陣営での結束が大事
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1294.html
2018/11/24投稿:
真珠湾攻撃が石油禁輸の結果である事の教訓から
<2018年11月・安倍外交怒涛の一週間Part1>
副題:2018年11月13日に来日したペンスとの日米共同声明の戦略性を我が国マスコミは報じない。こんな大事な宣言を国民に知らせたくないのであろう。21世紀のエネルギー戦略の青写真なのに。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1060.html
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