ネット上での発言は内容が総て(前編)・「麻生下ろし」との相似形
- 2020/05/28
- 22:31
ネット上での発言は内容が総て(前編)・「麻生下ろし」との相似形

副題:コロナ禍への不安・不満を利用したイメージだけの倒閣運動。イメージに乗った結果、鳩山・民主党との大火傷を負った過去を忘れるな。
今回論考の結論は表題の通り「ネット上での発言は内容が総て」である。
ネットで膨大に流れる言説は沢山あり、各自の発信は千差万別である。
先ず、ネット言説には、情報発信をメインにしたものとコミュニケーションをメインにしたものがあると思うが、外形上はコミュニケーションなのだが、その実、相手の言い分など一顧だにしない「情報発信」がなされているケースが多々見受けられる。
そういうものを「返信なのだから、自分へのReply(コミュニケーションしたがっている)」と受け取るのは間違いである。
ツイッター等のSNSには返信機能があり、返信の宛先は各人のIDになるので形式的にはメールの返信と似ているのだが、大きな違いは、SNSは不特定多数が返信内容及び元発言などを閲覧できるという点だ。けして私信ではないという点である。
次に、「話の題材」も千差万別であるとの視点を述べたい。
食べ物・映画・アニメ・野球・サッカー等の趣味嗜好が題材の「議論」は好き嫌いを基準にしたものであり、好きな物に関して議論をすること自体を楽しむという側面があるので、どの様な議論が行われているのかに関しては、当方が興味あるもの以外には特に関心はない。
各々が好きにすれば良い。それらは感情の発露であると思っている。
一方、直接的或いは間接的ながら大きな影響を当方自身及び多くの国民が受けることになる政治・制度・法律に関する話題には関心を払う事になる。
具体的事例としては、2009年8月の民主党「政権交代」選挙がある。
当時、ツイッターは登場していなかったと記憶しているが、Blogやネット掲示板等で個人が自由に情報を発信するネット環境はあった。
当方はその当時は仕事に没頭しており、もっぱらROM(Read Only Menber)であり自分で情報発信をすることはなかったが、ネット言説には触れていたので、大手既存メディアの言説・論調とともに記憶している。
2009年8月の総選挙は、世界的経済危機であったリーマンショックの影響により世界各国の経済が疲弊・停滞したとの大状況があり、我国も例外ではなく、当時の麻生内閣は様々な経済政策を打ち出し対策を実施していたが、その効果が出るにはタイムラグがあり、まだ経済不況の下げ止まりを実感するに至っていない状態で行われたものである。
そんな状況で、我国の反日偏向メディアがやった事は、カップラーメンの値段だとか漢字の読み間違いだとかホテルのバーで飲んだとかの政策内容とは一切関係がない印象操作ばかりであった。
そんな反日偏向メディアの雰囲気だけの「麻生下ろし」に乗せられた人達が、リーマンショックの悪影響による不安・不満の鬱憤を「自民党政権にお灸をすえる」と称して投票した結果が、悪夢の民主党政権3年3ヶ月である。(*1)
雰囲気だけで軽率なる投票をするとの自傷行為であった訳だ。
民主党政権初期は、麻生政権時のリーマンショック対策の効果があらわれ景気は持ち直したが、民主党政権は麻生政権時の経済対策を尽く廃棄してしまい、結局は、異常なデフレ円高となり、国民経済は大きく疲弊した。
大手既存メディアが盛んに「麻生下ろし」と「政権交代」を煽っていた頃、Blogやネット掲示板等のネット言説では、今と同じ様な異なる意見・言説が流れていた。
大手既存メディアの論調に呼応する「麻生下ろし」言説と、麻生のリーマンショック対策の内容に関する言説とに大別出来たと思う。
勿論、当時も政治以外の話がBlogやネット掲示板等でネット上にあふれていた。
現状、武漢発祥の新型コロナウイルス感染症対策は、政府の的確な対応と我々日本人一人々々の地道な努力・協力で成功裏に終わりそうだが、長きに亘った感染症対策・非常事態宣言で少なからずの人々の不安・不満は高まっている事も事実である。
反日偏向メディアは、この間、虚実をおり交ぜて不安を煽っていた。
この構図は、リーマンショックをコロナ禍に置き換え、麻生首相を安倍首相に置き換えれば同じだという事が分かると思う。
この相似形の話は以前にも指摘している(*2)ので、ご記憶の方も多々いると思う。
「麻生下ろし」から10年ちょっとが経過した現在、ネットは当時に比べ、その規模を大きく拡大し、多くの人々にとってより身近になった。
反日偏向メディアが仕掛けている現在の「安倍下ろし」に呼応するネット言説も、以前に比べ、その反応が大きくなっており、今や、ネット言説が大手既存メディアの記事になる時代となっている。
その分、既存の大手メディアによる偏向キャンペーンの影響力が相対的に低下したとも言える。
その昔の偏向印象操作事件である「椿事件」は、もっぱら大手既存メディアが偏向キャンペーンの舞台であったのだが、現在は、SNSも舞台になっているものだ。
この様な現在の状況を象徴的にあらわした事件が「きゃりーぱみゅぱみゅのツイート」であると認識している。(*3)
既に、そのツイートは削除されているので紹介できないのだが、そのツイートに書かれていたハッシュタグ「#検察庁法改正案に抗議します」からは、それがかなり政治的な発信であることが分かるであろう。
「政治的な発信」は前述した通り、我々国民が直接的或いは間接的ながら大きな影響を受けるものであることから、「何故、きゃりーぱみゅぱみゅは検察庁法改正案に抗議しているのだろう」との疑問がわいたものである。
きゃりーぱみゅぱみゅと言えばキャッチーな楽曲をサイケ(古い!)な衣装で巧みに歌うカワイイ女性とのイメージが強く、政治的な発信、それも特定野党・反日偏向メディアが推進している内容でツイートしている事に違和感を持ったものである。
疑問と違和感を解消する前に、ネット空間のスピードは当方のタイミングをはるかに上回り、きゃりーぱみゅぱみゅの当該ツイートに対して膨大な数の様々なコメントがつき、きゃりーぱみゅぱみゅからは「おりてきた」との表現で当該ツイートは「依頼されてのこと」である旨のツイートがなされた。
「正直でよろしい」との感想と同時に「ああ、やっぱし」と感じた次第である。
要するに、有名人を広告塔に利用した偏向キャンペーンであると言う事だ。
この手法の有効性は以前から認知されており、所謂「浮動層」と言われる、特段の意識を持たない多くの人達を誘導出来る効果がある。
卑近な例で申し訳ないが、政策や政治活動に疑問符がつくアントニオ猪木がプロレスファンの後押しで何回も当選しまうなどの「有名人効果」は存在している。
今も「タレント候補」と称される議員はいるし、その元祖と目される参議院選・全国区の宮田輝の得票数は衝撃的だった。
これは、政策の中身だとか意見の中身だとかよりも、その人物にだけ注目しての反応の方が激しいという現象である。
「有名人広告塔手法」はTVCMで毎日目にしているものだが、対象の商品やサービスへの出費は各人が判断するもので、他者への影響はほぼないもの。
その一方、前述した様に、政治は直接的或いは間接的ながら大きな影響を多くの国民が受けることになるものだ。
政治的発言を「依頼されて」ツイッター等で発信している「有名人」の側は、仕事上の感覚で依頼を受け入れたのかもしれない。
個別の事情など分からないのだが、そういう事ならば、それは以前の論考で紹介した「利権層」(*4)に該当する。
今回前編で提示する題材は以上であるが、各自が自身の考え方・意見を述べる事は自由。誰もその自由を否定することはできない。
その事を端的にあらわした言葉がフランスのヴォルテールの名言【私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る】である。
この考え方は、その根底に議論を通じての止揚がある。
議会制民主主義の要諦は、国民が選んだ議員が、議会での真摯な議論を通じて、よりよいものを追及していくことにある。
本来的には、国民は、議員・政党の政策・公約他の中身を比較検討し選挙を通じて、その意志を政治に反映させる。
国民が比較検討する際の判断材料を提供するのが報道機関の本来的使命である。
「本来的」との語句を用いたのは、前述した様に、国民の中には議員・政党の政策・公約他の中身を比較検討しないで雰囲気だけで投票してしまう人もいるからだ。(*5)
自身が持つ権利を適切に行使しないのは、その人の責任なので、それはそれで仕方がない。
問題は、国民に対して適切な判断材料を提供すべき立場の新聞やTV等の既存大手メディアが、その使命を果たさず、「椿事件」に見られる様に、自身の身勝手な考え方を基づいた偏向キャンペーンをする存在になり下がっていることだ。(*6)
この様な動きは、自由な議論を通じてより良きものを追及するという我が国の国柄・文化にも反する。
我が国に於いては、聖徳太子の十七条の憲法の冒頭に「真摯な議論をして道理にかなる解決策を見つけ実行せよ」とあり、近代明治に於いては、帝国憲法の発布以前の国家理念としての五箇条のご誓文の冒頭に「広く会議を興し万機公論に決すべし」とある様に、多様性ある議論を通じての判断こそが、万民の幸福を実現する方策であり理念であることが示されている。
そうであるにも関わらず、ある特定の勢力が、自分と違う意見に対して、その意見内容の流通を禁じる動きをしているのである。
<長くなったので項を分けます。>
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【文末脚注】
(*1):反日偏向メディアの雰囲気だけの「麻生下ろし」に乗せられた人達が、リーマンショックの悪影響による不安・不満の鬱憤を「自民党政権にお灸をすえる」と称して投票した結果が、悪夢の民主党政権3年3ヶ月である。
↓
○1<「自民党政権にお灸をすえる」と称して投票した「おQ層」>
2009年8月の、あの総選挙の投票率は69.27%と異常に高く、普段は政治にも投票にも無関心な層が「自民党にお灸をすえる」と称してお祭り騒ぎで大挙して投票したのである。
反日偏向メディアの煽動に乗せられ、普段は投票していないのに大挙して民主党に投票した層の事を「おQ層」と称しているのは、魯迅の「阿Q伝」の暗愚なる主人公・阿Qと「お灸をすえる」とのスローガンから「おQ層」と称されているのである。
↓
<投票率69.27%とのお祭り騒ぎでの投票>
2016/07/18投稿:
参議院選・予測実績差異2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-460.html
<おQ層に関しての現状での論考>
2019/06/24投稿:
「おQ層」に向けて「柳の下」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1204.html
○2<悪夢の民主党政権3年3ヶ月>
「自民党にお灸をすえる」と称してお祭り騒ぎで大挙して投票した結果は自身の大火傷であった。他の日本人を巻き添えにして。
↓
2016/02/05投稿:
【コラム】民主党政権の暴政を振り返る1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-334.html
2016/02/07投稿:
【コラム】民主党政権の暴政を振り返る2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-335.html
【ご参考】
2018/01/21投稿:
「お詫びの手紙」の長い物語
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-848.html
(*2):政府の的確な対応と我々日本人一人々々の地道な努力・協力で成功裏に終わりそうだが、長きに亘った感染症対策・非常事態宣言で少なからずの人々の不安・不満は高まっている事も事実である。反日偏向メディアは、この間、虚実をおり交ぜて不安を煽っていた。この構図は、リーマンショックをコロナ禍に置き換え、麻生首相を安倍首相に置き換えれば同じだという事が分かると思う。この相似形の話は以前にも指摘している。
↓
020/04/25投稿:
2020年4月のNHK政党支持率世論調査
副題:コロナ禍への苛立ちを政府に向けるとの過ち。リーマンショックの時の大失敗をわすれちゃダメ。「アベ政治を許さない」のなら、だれ政治がいいのか言え、である。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1358.html
<抜粋引用>
○(前略)アメリカ発のリーマンショックは1929年大恐慌の再来かと言われた程の金融破綻であった。
○世界経済の基軸通貨国であるアメリカでの金融不安は、世界経済の主役達である日本、欧州先進国を席巻し、世界経済は一気に冷え込み、我国に於いても大きな景気後退が生じた。
麻生政権が発足したのは2008年9月。リーマンショックが起こったのも2008年9月であり、麻生政権はいきなり、その対処に追われる。
○リーマンショックの様な世界的な災厄は、各事業主・各個人の努力だけではどうにもならないもので、その様な大きな災厄が発生した時に人々は、その時点での国家運営の責任者の対策に期待することになる。ところが、リーマンショック対策としての金融政策・経済政策を実行してもタイムラグがあり、その効果が出るのは早くて半年後程度となる。
その間、各事業主・各個人の生活は日々苦しい状態が続く。
我慢のしどころなのだが、目前の苦しさは紛れもない事実でもある。そういう状態は、現在の知的意識を持たぬ新型コロナウイルスとの対峙と似ている、
○世界的な金融危機が起こり、我国経済、それも国民経済が大きく落ち込んでいる最中、我国の反日偏向メディアは人々の不安を政権批判に誘導した。
「いつ解散するんですか?」と「ぶらさがり「取材」」で毎日質問し、カップラーメンの値段を知らないとか漢字が読めないとかの瑣末なことをあげつらい悪印象を麻生総理に塗り込め、その一方で、何等の実績もビジョンもない鳩山民主党を持ちあげ、「政権交代」とのスローガン一辺倒のお祭り騒ぎを誘導した。
○不況・金融危機への不安感・危機感からの不満のハケ口を、麻生政権批判へと誘導し、「国民の生活を苦しめる自民党政権にはお灸をすえる必要があるぅ~」との極めて感情的な雰囲気の醸成に反日偏向メディアは成功し、2009年8月の、あの総選挙で我々日本人は反日無能集団・民主党に政権を与えてしまったのである。(後略)
<引用終わり>
(*3):「きゃりーぱみゅぱみゅのツイート」
J-CASTニュース 2020年05月18日19時05分
見出し:◆きゃりーと指原莉乃、「#検察庁法改正案に抗議します」で見えたスタンスの違い
https://www.j-cast.com/2020/05/18386155.html?p=all
記事:○2020年5月17日に放送された「ワイドナショー」(フジテレビ系)で、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさん(27)が行った検察庁法改正案への抗議についてのツイートが紹介された。
○ きゃりーさんは10日、ツイッター上で同法案への抗議が盛り上がりを見せる中、「#検察庁法改正案に抗議します」とのハッシュタグを付けつつ、同法案の論点が整理されているとする相関図をツイート。同ツイートはきゃりーさんの主張に賛同するファンと反対するファンの間で激論を呼び、きゃりーさんのアカウントは「炎上」した。
小見出し:◆「若者文化のアイコン」からの政治主張に驚きが広がった
○ このため、その後、きゃりーさんはツイート消去。ツイートを行った真意についてきゃりーさんは、法案については「今コロナの件で国民が大変な時に今急いで動く必要があるのか」と説明。また、画像については「若い方でもわかりやすいように画像を掲載させていただきました」と明かした。
○ とかく、ネット上では荒れがちな政治に関するツイート。それでも、今回、きゃりーさんは自らの主張を明かすべく行った。抗議の声を上げた芸能人は他にも多数いたが、「若者文化のアイコン」とでも言うべききゃりーさんが声を上げたことに驚く声は多く、きゃりーさんのツイートはネットニュースで大きく報じられるなど、話題を呼んだ。
○一方、17日放送の「ワイドナショー」では、きゃりーさん同様、「若者文化のアイコン」と呼べる存在から、検察庁法改正案への抗議およびきゃりーさんのツイートへの意見が飛び出した。
○元HKT48の指原莉乃さん(27)は、今回の検察庁法改正案への抗議についてはツイッター上で知ったことや、同運動への賛同をツイッターユーザーから促されたとしつつ、「(賛成派と反対派の)双方を話を聞かずに、どっちもの意見も勉強せずに、『広めなきゃ!』っていう人が多い感じがしている」と指摘。「正直、この件に関して私はそこまでの信念がなかったので、つぶやけなかった」と、自らは行動を起こさなかった理由を説明した。
<以下略>
(*4):「利権層」
2019/11/04投稿:
共産主義勢力内の階層区分の話
副題:思わず笑ってしまったDUPESとの記述。アメリカ人らしいストレートな表現である。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1279.html
(*5):「本来的」との語句を用いたのは、前述した様に、国民の中には議員・政党の政策・公約他の中身を比較検討しないで雰囲気だけで投票してしまう人もいるからだ。
2015/11/29投稿:
【コラム】「主権者国民」の責務1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-277.html
2015/11/30投稿:
【コラム】「主権者国民」の責務2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-278.html
2016/10/15投稿:
雰囲気で「判断」することの危険性
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-520.html
(*6):問題は、国民に対して適切な判断材料を提供すべき立場の新聞やTV等の既存大手メディアが、その使命を果たさず、「椿事件」に見られる様に、自身の身勝手な考え方を基づいた偏向キャンペーンをする存在になり下がっていることだ。
2017/08/06投稿:
民主主義の土台を壊している偏向マスコミ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-727.html
2017/08/19投稿:
国民の知る権利
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-734.html
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副題:コロナ禍への不安・不満を利用したイメージだけの倒閣運動。イメージに乗った結果、鳩山・民主党との大火傷を負った過去を忘れるな。
今回論考の結論は表題の通り「ネット上での発言は内容が総て」である。
ネットで膨大に流れる言説は沢山あり、各自の発信は千差万別である。
先ず、ネット言説には、情報発信をメインにしたものとコミュニケーションをメインにしたものがあると思うが、外形上はコミュニケーションなのだが、その実、相手の言い分など一顧だにしない「情報発信」がなされているケースが多々見受けられる。
そういうものを「返信なのだから、自分へのReply(コミュニケーションしたがっている)」と受け取るのは間違いである。
ツイッター等のSNSには返信機能があり、返信の宛先は各人のIDになるので形式的にはメールの返信と似ているのだが、大きな違いは、SNSは不特定多数が返信内容及び元発言などを閲覧できるという点だ。けして私信ではないという点である。
次に、「話の題材」も千差万別であるとの視点を述べたい。
食べ物・映画・アニメ・野球・サッカー等の趣味嗜好が題材の「議論」は好き嫌いを基準にしたものであり、好きな物に関して議論をすること自体を楽しむという側面があるので、どの様な議論が行われているのかに関しては、当方が興味あるもの以外には特に関心はない。
各々が好きにすれば良い。それらは感情の発露であると思っている。
一方、直接的或いは間接的ながら大きな影響を当方自身及び多くの国民が受けることになる政治・制度・法律に関する話題には関心を払う事になる。
具体的事例としては、2009年8月の民主党「政権交代」選挙がある。
当時、ツイッターは登場していなかったと記憶しているが、Blogやネット掲示板等で個人が自由に情報を発信するネット環境はあった。
当方はその当時は仕事に没頭しており、もっぱらROM(Read Only Menber)であり自分で情報発信をすることはなかったが、ネット言説には触れていたので、大手既存メディアの言説・論調とともに記憶している。
2009年8月の総選挙は、世界的経済危機であったリーマンショックの影響により世界各国の経済が疲弊・停滞したとの大状況があり、我国も例外ではなく、当時の麻生内閣は様々な経済政策を打ち出し対策を実施していたが、その効果が出るにはタイムラグがあり、まだ経済不況の下げ止まりを実感するに至っていない状態で行われたものである。
そんな状況で、我国の反日偏向メディアがやった事は、カップラーメンの値段だとか漢字の読み間違いだとかホテルのバーで飲んだとかの政策内容とは一切関係がない印象操作ばかりであった。
そんな反日偏向メディアの雰囲気だけの「麻生下ろし」に乗せられた人達が、リーマンショックの悪影響による不安・不満の鬱憤を「自民党政権にお灸をすえる」と称して投票した結果が、悪夢の民主党政権3年3ヶ月である。(*1)
雰囲気だけで軽率なる投票をするとの自傷行為であった訳だ。
民主党政権初期は、麻生政権時のリーマンショック対策の効果があらわれ景気は持ち直したが、民主党政権は麻生政権時の経済対策を尽く廃棄してしまい、結局は、異常なデフレ円高となり、国民経済は大きく疲弊した。
大手既存メディアが盛んに「麻生下ろし」と「政権交代」を煽っていた頃、Blogやネット掲示板等のネット言説では、今と同じ様な異なる意見・言説が流れていた。
大手既存メディアの論調に呼応する「麻生下ろし」言説と、麻生のリーマンショック対策の内容に関する言説とに大別出来たと思う。
勿論、当時も政治以外の話がBlogやネット掲示板等でネット上にあふれていた。
現状、武漢発祥の新型コロナウイルス感染症対策は、政府の的確な対応と我々日本人一人々々の地道な努力・協力で成功裏に終わりそうだが、長きに亘った感染症対策・非常事態宣言で少なからずの人々の不安・不満は高まっている事も事実である。
反日偏向メディアは、この間、虚実をおり交ぜて不安を煽っていた。
この構図は、リーマンショックをコロナ禍に置き換え、麻生首相を安倍首相に置き換えれば同じだという事が分かると思う。
この相似形の話は以前にも指摘している(*2)ので、ご記憶の方も多々いると思う。
「麻生下ろし」から10年ちょっとが経過した現在、ネットは当時に比べ、その規模を大きく拡大し、多くの人々にとってより身近になった。
反日偏向メディアが仕掛けている現在の「安倍下ろし」に呼応するネット言説も、以前に比べ、その反応が大きくなっており、今や、ネット言説が大手既存メディアの記事になる時代となっている。
その分、既存の大手メディアによる偏向キャンペーンの影響力が相対的に低下したとも言える。
その昔の偏向印象操作事件である「椿事件」は、もっぱら大手既存メディアが偏向キャンペーンの舞台であったのだが、現在は、SNSも舞台になっているものだ。
この様な現在の状況を象徴的にあらわした事件が「きゃりーぱみゅぱみゅのツイート」であると認識している。(*3)
既に、そのツイートは削除されているので紹介できないのだが、そのツイートに書かれていたハッシュタグ「#検察庁法改正案に抗議します」からは、それがかなり政治的な発信であることが分かるであろう。
「政治的な発信」は前述した通り、我々国民が直接的或いは間接的ながら大きな影響を受けるものであることから、「何故、きゃりーぱみゅぱみゅは検察庁法改正案に抗議しているのだろう」との疑問がわいたものである。
きゃりーぱみゅぱみゅと言えばキャッチーな楽曲をサイケ(古い!)な衣装で巧みに歌うカワイイ女性とのイメージが強く、政治的な発信、それも特定野党・反日偏向メディアが推進している内容でツイートしている事に違和感を持ったものである。
疑問と違和感を解消する前に、ネット空間のスピードは当方のタイミングをはるかに上回り、きゃりーぱみゅぱみゅの当該ツイートに対して膨大な数の様々なコメントがつき、きゃりーぱみゅぱみゅからは「おりてきた」との表現で当該ツイートは「依頼されてのこと」である旨のツイートがなされた。
「正直でよろしい」との感想と同時に「ああ、やっぱし」と感じた次第である。
要するに、有名人を広告塔に利用した偏向キャンペーンであると言う事だ。
この手法の有効性は以前から認知されており、所謂「浮動層」と言われる、特段の意識を持たない多くの人達を誘導出来る効果がある。
卑近な例で申し訳ないが、政策や政治活動に疑問符がつくアントニオ猪木がプロレスファンの後押しで何回も当選しまうなどの「有名人効果」は存在している。
今も「タレント候補」と称される議員はいるし、その元祖と目される参議院選・全国区の宮田輝の得票数は衝撃的だった。
これは、政策の中身だとか意見の中身だとかよりも、その人物にだけ注目しての反応の方が激しいという現象である。
「有名人広告塔手法」はTVCMで毎日目にしているものだが、対象の商品やサービスへの出費は各人が判断するもので、他者への影響はほぼないもの。
その一方、前述した様に、政治は直接的或いは間接的ながら大きな影響を多くの国民が受けることになるものだ。
政治的発言を「依頼されて」ツイッター等で発信している「有名人」の側は、仕事上の感覚で依頼を受け入れたのかもしれない。
個別の事情など分からないのだが、そういう事ならば、それは以前の論考で紹介した「利権層」(*4)に該当する。
今回前編で提示する題材は以上であるが、各自が自身の考え方・意見を述べる事は自由。誰もその自由を否定することはできない。
その事を端的にあらわした言葉がフランスのヴォルテールの名言【私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る】である。
この考え方は、その根底に議論を通じての止揚がある。
議会制民主主義の要諦は、国民が選んだ議員が、議会での真摯な議論を通じて、よりよいものを追及していくことにある。
本来的には、国民は、議員・政党の政策・公約他の中身を比較検討し選挙を通じて、その意志を政治に反映させる。
国民が比較検討する際の判断材料を提供するのが報道機関の本来的使命である。
「本来的」との語句を用いたのは、前述した様に、国民の中には議員・政党の政策・公約他の中身を比較検討しないで雰囲気だけで投票してしまう人もいるからだ。(*5)
自身が持つ権利を適切に行使しないのは、その人の責任なので、それはそれで仕方がない。
問題は、国民に対して適切な判断材料を提供すべき立場の新聞やTV等の既存大手メディアが、その使命を果たさず、「椿事件」に見られる様に、自身の身勝手な考え方を基づいた偏向キャンペーンをする存在になり下がっていることだ。(*6)
この様な動きは、自由な議論を通じてより良きものを追及するという我が国の国柄・文化にも反する。
我が国に於いては、聖徳太子の十七条の憲法の冒頭に「真摯な議論をして道理にかなる解決策を見つけ実行せよ」とあり、近代明治に於いては、帝国憲法の発布以前の国家理念としての五箇条のご誓文の冒頭に「広く会議を興し万機公論に決すべし」とある様に、多様性ある議論を通じての判断こそが、万民の幸福を実現する方策であり理念であることが示されている。
そうであるにも関わらず、ある特定の勢力が、自分と違う意見に対して、その意見内容の流通を禁じる動きをしているのである。
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【文末脚注】
(*1):反日偏向メディアの雰囲気だけの「麻生下ろし」に乗せられた人達が、リーマンショックの悪影響による不安・不満の鬱憤を「自民党政権にお灸をすえる」と称して投票した結果が、悪夢の民主党政権3年3ヶ月である。
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○1<「自民党政権にお灸をすえる」と称して投票した「おQ層」>
2009年8月の、あの総選挙の投票率は69.27%と異常に高く、普段は政治にも投票にも無関心な層が「自民党にお灸をすえる」と称してお祭り騒ぎで大挙して投票したのである。
反日偏向メディアの煽動に乗せられ、普段は投票していないのに大挙して民主党に投票した層の事を「おQ層」と称しているのは、魯迅の「阿Q伝」の暗愚なる主人公・阿Qと「お灸をすえる」とのスローガンから「おQ層」と称されているのである。
↓
<投票率69.27%とのお祭り騒ぎでの投票>
2016/07/18投稿:
参議院選・予測実績差異2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-460.html
<おQ層に関しての現状での論考>
2019/06/24投稿:
「おQ層」に向けて「柳の下」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1204.html
○2<悪夢の民主党政権3年3ヶ月>
「自民党にお灸をすえる」と称してお祭り騒ぎで大挙して投票した結果は自身の大火傷であった。他の日本人を巻き添えにして。
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2016/02/05投稿:
【コラム】民主党政権の暴政を振り返る1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-334.html
2016/02/07投稿:
【コラム】民主党政権の暴政を振り返る2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-335.html
【ご参考】
2018/01/21投稿:
「お詫びの手紙」の長い物語
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-848.html
(*2):政府の的確な対応と我々日本人一人々々の地道な努力・協力で成功裏に終わりそうだが、長きに亘った感染症対策・非常事態宣言で少なからずの人々の不安・不満は高まっている事も事実である。反日偏向メディアは、この間、虚実をおり交ぜて不安を煽っていた。この構図は、リーマンショックをコロナ禍に置き換え、麻生首相を安倍首相に置き換えれば同じだという事が分かると思う。この相似形の話は以前にも指摘している。
↓
020/04/25投稿:
2020年4月のNHK政党支持率世論調査
副題:コロナ禍への苛立ちを政府に向けるとの過ち。リーマンショックの時の大失敗をわすれちゃダメ。「アベ政治を許さない」のなら、だれ政治がいいのか言え、である。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1358.html
<抜粋引用>
○(前略)アメリカ発のリーマンショックは1929年大恐慌の再来かと言われた程の金融破綻であった。
○世界経済の基軸通貨国であるアメリカでの金融不安は、世界経済の主役達である日本、欧州先進国を席巻し、世界経済は一気に冷え込み、我国に於いても大きな景気後退が生じた。
麻生政権が発足したのは2008年9月。リーマンショックが起こったのも2008年9月であり、麻生政権はいきなり、その対処に追われる。
○リーマンショックの様な世界的な災厄は、各事業主・各個人の努力だけではどうにもならないもので、その様な大きな災厄が発生した時に人々は、その時点での国家運営の責任者の対策に期待することになる。ところが、リーマンショック対策としての金融政策・経済政策を実行してもタイムラグがあり、その効果が出るのは早くて半年後程度となる。
その間、各事業主・各個人の生活は日々苦しい状態が続く。
我慢のしどころなのだが、目前の苦しさは紛れもない事実でもある。そういう状態は、現在の知的意識を持たぬ新型コロナウイルスとの対峙と似ている、
○世界的な金融危機が起こり、我国経済、それも国民経済が大きく落ち込んでいる最中、我国の反日偏向メディアは人々の不安を政権批判に誘導した。
「いつ解散するんですか?」と「ぶらさがり「取材」」で毎日質問し、カップラーメンの値段を知らないとか漢字が読めないとかの瑣末なことをあげつらい悪印象を麻生総理に塗り込め、その一方で、何等の実績もビジョンもない鳩山民主党を持ちあげ、「政権交代」とのスローガン一辺倒のお祭り騒ぎを誘導した。
○不況・金融危機への不安感・危機感からの不満のハケ口を、麻生政権批判へと誘導し、「国民の生活を苦しめる自民党政権にはお灸をすえる必要があるぅ~」との極めて感情的な雰囲気の醸成に反日偏向メディアは成功し、2009年8月の、あの総選挙で我々日本人は反日無能集団・民主党に政権を与えてしまったのである。(後略)
<引用終わり>
(*3):「きゃりーぱみゅぱみゅのツイート」
J-CASTニュース 2020年05月18日19時05分
見出し:◆きゃりーと指原莉乃、「#検察庁法改正案に抗議します」で見えたスタンスの違い
https://www.j-cast.com/2020/05/18386155.html?p=all
記事:○2020年5月17日に放送された「ワイドナショー」(フジテレビ系)で、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさん(27)が行った検察庁法改正案への抗議についてのツイートが紹介された。
○ きゃりーさんは10日、ツイッター上で同法案への抗議が盛り上がりを見せる中、「#検察庁法改正案に抗議します」とのハッシュタグを付けつつ、同法案の論点が整理されているとする相関図をツイート。同ツイートはきゃりーさんの主張に賛同するファンと反対するファンの間で激論を呼び、きゃりーさんのアカウントは「炎上」した。
小見出し:◆「若者文化のアイコン」からの政治主張に驚きが広がった
○ このため、その後、きゃりーさんはツイート消去。ツイートを行った真意についてきゃりーさんは、法案については「今コロナの件で国民が大変な時に今急いで動く必要があるのか」と説明。また、画像については「若い方でもわかりやすいように画像を掲載させていただきました」と明かした。
○ とかく、ネット上では荒れがちな政治に関するツイート。それでも、今回、きゃりーさんは自らの主張を明かすべく行った。抗議の声を上げた芸能人は他にも多数いたが、「若者文化のアイコン」とでも言うべききゃりーさんが声を上げたことに驚く声は多く、きゃりーさんのツイートはネットニュースで大きく報じられるなど、話題を呼んだ。
○一方、17日放送の「ワイドナショー」では、きゃりーさん同様、「若者文化のアイコン」と呼べる存在から、検察庁法改正案への抗議およびきゃりーさんのツイートへの意見が飛び出した。
○元HKT48の指原莉乃さん(27)は、今回の検察庁法改正案への抗議についてはツイッター上で知ったことや、同運動への賛同をツイッターユーザーから促されたとしつつ、「(賛成派と反対派の)双方を話を聞かずに、どっちもの意見も勉強せずに、『広めなきゃ!』っていう人が多い感じがしている」と指摘。「正直、この件に関して私はそこまでの信念がなかったので、つぶやけなかった」と、自らは行動を起こさなかった理由を説明した。
<以下略>
(*4):「利権層」
2019/11/04投稿:
共産主義勢力内の階層区分の話
副題:思わず笑ってしまったDUPESとの記述。アメリカ人らしいストレートな表現である。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1279.html
(*5):「本来的」との語句を用いたのは、前述した様に、国民の中には議員・政党の政策・公約他の中身を比較検討しないで雰囲気だけで投票してしまう人もいるからだ。
2015/11/29投稿:
【コラム】「主権者国民」の責務1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-277.html
2015/11/30投稿:
【コラム】「主権者国民」の責務2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-278.html
2016/10/15投稿:
雰囲気で「判断」することの危険性
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-520.html
(*6):問題は、国民に対して適切な判断材料を提供すべき立場の新聞やTV等の既存大手メディアが、その使命を果たさず、「椿事件」に見られる様に、自身の身勝手な考え方を基づいた偏向キャンペーンをする存在になり下がっていることだ。
2017/08/06投稿:
民主主義の土台を壊している偏向マスコミ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-727.html
2017/08/19投稿:
国民の知る権利
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-734.html
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