「自粛警察」の既視感・「正義」の悪用(後編・紅衛兵類似編)
- 2020/05/12
- 00:07
「自粛警察」の既視感・「正義」の悪用(後編・紅衛兵類似編)

副題:自粛に従わない人達と「正義」を悪用する人達。紅衛兵と同じ愚行である。
前回の「前編・状況認識編」(*1)からの続きである。
「自粛警察」なる新しい語句に対して、自分なりの定義付けを前回は行ったが、今回は「自粛警察」と称される人物達の行動他の分析を行う。
毎度の事なのだが、「自粛警察」と称される人々も多種多様だと推定される。
ネット上では「自粛要請を無視する不心得者に対して普通の人が過激な注意をしている」という風に理解されている様であるが、そればかりではないとと思われる。
簡単な事なのだが、過激な批判をしている「自粛警察」は必ずしも「普通の人」だとは限らない。また、批判されている対象は必ずしも「不心得者」だとは限らない、のである。
「自粛警察」の不適切な言動の1つに「他県ナンバー狩り」がある。
「都道府県を越えての移動の自粛」が要請されているので、地元ナンバー以外の車両に対して嫌がらせをしてしまうというものだ。
常識的に考えれば、例えば「食」に関する物流を支えているトラックなどは産地から消費地へと県境を越えて輸送するとの重要な役割を担っている存在であり、そもそも物流業は自粛対象外業種である。(*2)
そうであるにも関わらず、他県ナンバーの物流トラックも「他県ナンバー狩り」にあうそうだ。
物流トラックの「他県ナンバー狩り被害」の話はSNSで読んだだけなので、それが本当の事なのかフカシなのかは不明であるが、仮に本当の事だとしたら、そんな事をする可能性があるのは2種類の人間だ。
1つは、県外ナンバーを見ただけで脊髄反射してしまい、常識的な思考に至らないタイプの「ちょっと足りない」人であろう。
この手の人は、政府が自粛要請をしているのに、それに従わない車両を見て、「月にかわってお仕置きよっ♡」とかの「正義の執行者」気取りになってしまうのだろうとの推測が多くの方々からなされている。
その推定は正しいと当方も思う。
しかし、そういう「単純な正義感」だけではないケースが想定される。
政府の様な公権力が「自粛を要請」している状態では、それが「錦の御旗」になる。
その「錦の御旗」を掲げ、身勝手な行動をする人物達が存在する。
そんなものはけして天下御免の御旗ではないのだが、勝手に、そう思い込んで、それの本来目的とは異なるものに悪用してしまうという事例は、過去、幾度か現出している。
言葉を換えれば、不満解消を目的に暴れたい奴等のネタにされちゃうとか、普段は怖くてできないが、なんか皆がやってるからやっちゃうとかである。
最初、燃料税の引き上げとの政府の愚策に反対して始まったパリでの黄色いベストを着たデモがやがて暴徒化した様に、黄色ベストデモに参加した人達の総てが本来目的の為に立ち上がっていた訳ではない。
この様な「別目的」の人達が「錦の御旗」を悪用している事例もあり、「自粛警察」の場合も軽率な人の「単純な正義感」だけではないケースがあると想定される。
「単純な正義感」と「別目的」との違いは、「やっている事が「錦の御旗」に対して乖離がどれ程大きいいのか」で区分できる。
簡単な話なのだが、「錦の御旗」を悪用している人達は「別目的」でやっているのだから、その「別目的」に合致した動きにやがてなっていくのは当然で、段々と「錦の御旗」の目的と乖離していくのである。
今回の「自粛警察」の「錦の御旗」は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為の三密防止・Stay Homeであり、その為の自粛要請である。
ところが、自粛要請に従わない人達に対して批判する際に、自らが不要不急の外出をしてしまうとの矛盾した行動をしてしまう。
御本人にしてみれば、不見識な人に注意することは正義であり不要不急ではないとの言い訳をするのだろうが、第三者から見れば不要不急であり、不見識な人の一部でしかない。
そういう行為を繰り返す場合、それは既に、感染症拡大防止とは違う別の目的の為の行動となっているのである。
「別の目的」にも複数の類型があると想定される。
1つは自己満足型だと想定される。「正義の執行」とか「自己満足」を得るための愚行である。
そして、もう1つは確信的な煽動屋である。
新型コロナウイルス感染症に対する不安感を煽り、その不安のハケ口を政権批判に誘導する事を目的にしている反政府・安倍下ろし目的の煽動屋である。
「要請に従わない不心得者を批判するのは政府要請に合致しているのでは?」との疑問を持つ方もいると思われるが、煽動屋は騒然とさせるのが目的であり、掲げている看板の中身など関係ないのである。
「保守」を自称しているのだが、その実、言っている内容がまるっきり逆の革命思想だと言う事例などがあるのだから、言動不一致な「看板」、本末転倒な言動など信じていては、混乱に巻き込まれるだけである。
この手の騒乱は、得てして反政府運動として発動する。
しかし、時の政府が自分達の為に煽動するケースもある。
もっとも知られた政府主導の煽動が文化大革命である。
「文化大革命」とは、中華人民共和国で1966年から約10年間続いた狂乱の騒動である。表向きは「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」との共産主義国家では是とされる名目での政治運動であるが、その実態は、大躍進運動との失政で権力中枢から退かされていた毛沢東が共産党中枢内で復権することを目的に起こした大衆煽動である。
大衆を煽動し政敵を攻撃させ、政敵を失脚させることで自身が復権するとの中国共産党中枢内の権力闘争なのである。文化大革命が悲惨だったのは、その10年に及ぶ期間中、その名目である「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」との目的内容が真面目に議論され定義された事はなく、もっぱら他者に対して論拠あやふやなレッテル貼り・敵認定による殺戮が行われ続けたことにある。
「自粛警察」は、何等の権利もないのに、勝手に「自粛してない」「自粛している」と「判断」して、勝手な行動をしてしまっている様だ。それは前述した物流トラックが「他県ナンバー」であった時の事例で紹介済だ。
その行動は、文化大革命の際に煽られ行動した紅衛兵の愚行と重なる。
これが既視感の正体だと思う。
紅衛兵に関しては、以前の論考「造反有理・革命無罪の罪深さ」(*3)にて、何故、紅衛兵が愚かなのかに関して述べているので繰り返さないが、一言で言えば、自分の頭で考えずに煽動に乗せられて愚行に走る所にある。
文化大革命から既に40数年が経ており、煽動のやり方もそれなりに工夫されていると想定される。
今回の「自粛警察」騒動を見ていると、「自粛警察」と称される人の常識を超えた奇妙な行動に対して、「戦前の全体主義そっくりだぁ~」とかの反応が見られるが、最初から、そういうシナリオなのではないかと推察している。
分かり易い言葉を使えば「自作自演」である。
だいたい、この手の策謀を仕掛けてくるのはパヨク側であることはご存知の通りである。
唐突で違和感を持つ情報に対しては、眉に唾をつけて見聞きする必要があるとあらためて思った次第である。
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【文末脚注】
(*1):前回の「前編・状況認識編」
2020/05/09投稿:
「自粛警察」の既視感・「正義」の悪用(前編・状況認識編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1365.html
(*2):そもそも物流業は自粛対象外業種である。
東京都防災ホ-ムページ
東京都緊急事態措置に関する情報 対象施設一覧
更新日 令和2年4月22日
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007617/1007679.html
(*3):紅衛兵に関する以前の論考
2016/07/13投稿:
【コラム】造反有理・革命無罪の罪深さ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-455.html
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副題:自粛に従わない人達と「正義」を悪用する人達。紅衛兵と同じ愚行である。
前回の「前編・状況認識編」(*1)からの続きである。
「自粛警察」なる新しい語句に対して、自分なりの定義付けを前回は行ったが、今回は「自粛警察」と称される人物達の行動他の分析を行う。
毎度の事なのだが、「自粛警察」と称される人々も多種多様だと推定される。
ネット上では「自粛要請を無視する不心得者に対して普通の人が過激な注意をしている」という風に理解されている様であるが、そればかりではないとと思われる。
簡単な事なのだが、過激な批判をしている「自粛警察」は必ずしも「普通の人」だとは限らない。また、批判されている対象は必ずしも「不心得者」だとは限らない、のである。
「自粛警察」の不適切な言動の1つに「他県ナンバー狩り」がある。
「都道府県を越えての移動の自粛」が要請されているので、地元ナンバー以外の車両に対して嫌がらせをしてしまうというものだ。
常識的に考えれば、例えば「食」に関する物流を支えているトラックなどは産地から消費地へと県境を越えて輸送するとの重要な役割を担っている存在であり、そもそも物流業は自粛対象外業種である。(*2)
そうであるにも関わらず、他県ナンバーの物流トラックも「他県ナンバー狩り」にあうそうだ。
物流トラックの「他県ナンバー狩り被害」の話はSNSで読んだだけなので、それが本当の事なのかフカシなのかは不明であるが、仮に本当の事だとしたら、そんな事をする可能性があるのは2種類の人間だ。
1つは、県外ナンバーを見ただけで脊髄反射してしまい、常識的な思考に至らないタイプの「ちょっと足りない」人であろう。
この手の人は、政府が自粛要請をしているのに、それに従わない車両を見て、「月にかわってお仕置きよっ♡」とかの「正義の執行者」気取りになってしまうのだろうとの推測が多くの方々からなされている。
その推定は正しいと当方も思う。
しかし、そういう「単純な正義感」だけではないケースが想定される。
政府の様な公権力が「自粛を要請」している状態では、それが「錦の御旗」になる。
その「錦の御旗」を掲げ、身勝手な行動をする人物達が存在する。
そんなものはけして天下御免の御旗ではないのだが、勝手に、そう思い込んで、それの本来目的とは異なるものに悪用してしまうという事例は、過去、幾度か現出している。
言葉を換えれば、不満解消を目的に暴れたい奴等のネタにされちゃうとか、普段は怖くてできないが、なんか皆がやってるからやっちゃうとかである。
最初、燃料税の引き上げとの政府の愚策に反対して始まったパリでの黄色いベストを着たデモがやがて暴徒化した様に、黄色ベストデモに参加した人達の総てが本来目的の為に立ち上がっていた訳ではない。
この様な「別目的」の人達が「錦の御旗」を悪用している事例もあり、「自粛警察」の場合も軽率な人の「単純な正義感」だけではないケースがあると想定される。
「単純な正義感」と「別目的」との違いは、「やっている事が「錦の御旗」に対して乖離がどれ程大きいいのか」で区分できる。
簡単な話なのだが、「錦の御旗」を悪用している人達は「別目的」でやっているのだから、その「別目的」に合致した動きにやがてなっていくのは当然で、段々と「錦の御旗」の目的と乖離していくのである。
今回の「自粛警察」の「錦の御旗」は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為の三密防止・Stay Homeであり、その為の自粛要請である。
ところが、自粛要請に従わない人達に対して批判する際に、自らが不要不急の外出をしてしまうとの矛盾した行動をしてしまう。
御本人にしてみれば、不見識な人に注意することは正義であり不要不急ではないとの言い訳をするのだろうが、第三者から見れば不要不急であり、不見識な人の一部でしかない。
そういう行為を繰り返す場合、それは既に、感染症拡大防止とは違う別の目的の為の行動となっているのである。
「別の目的」にも複数の類型があると想定される。
1つは自己満足型だと想定される。「正義の執行」とか「自己満足」を得るための愚行である。
そして、もう1つは確信的な煽動屋である。
新型コロナウイルス感染症に対する不安感を煽り、その不安のハケ口を政権批判に誘導する事を目的にしている反政府・安倍下ろし目的の煽動屋である。
「要請に従わない不心得者を批判するのは政府要請に合致しているのでは?」との疑問を持つ方もいると思われるが、煽動屋は騒然とさせるのが目的であり、掲げている看板の中身など関係ないのである。
「保守」を自称しているのだが、その実、言っている内容がまるっきり逆の革命思想だと言う事例などがあるのだから、言動不一致な「看板」、本末転倒な言動など信じていては、混乱に巻き込まれるだけである。
この手の騒乱は、得てして反政府運動として発動する。
しかし、時の政府が自分達の為に煽動するケースもある。
もっとも知られた政府主導の煽動が文化大革命である。
「文化大革命」とは、中華人民共和国で1966年から約10年間続いた狂乱の騒動である。表向きは「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」との共産主義国家では是とされる名目での政治運動であるが、その実態は、大躍進運動との失政で権力中枢から退かされていた毛沢東が共産党中枢内で復権することを目的に起こした大衆煽動である。
大衆を煽動し政敵を攻撃させ、政敵を失脚させることで自身が復権するとの中国共産党中枢内の権力闘争なのである。文化大革命が悲惨だったのは、その10年に及ぶ期間中、その名目である「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」との目的内容が真面目に議論され定義された事はなく、もっぱら他者に対して論拠あやふやなレッテル貼り・敵認定による殺戮が行われ続けたことにある。
「自粛警察」は、何等の権利もないのに、勝手に「自粛してない」「自粛している」と「判断」して、勝手な行動をしてしまっている様だ。それは前述した物流トラックが「他県ナンバー」であった時の事例で紹介済だ。
その行動は、文化大革命の際に煽られ行動した紅衛兵の愚行と重なる。
これが既視感の正体だと思う。
紅衛兵に関しては、以前の論考「造反有理・革命無罪の罪深さ」(*3)にて、何故、紅衛兵が愚かなのかに関して述べているので繰り返さないが、一言で言えば、自分の頭で考えずに煽動に乗せられて愚行に走る所にある。
文化大革命から既に40数年が経ており、煽動のやり方もそれなりに工夫されていると想定される。
今回の「自粛警察」騒動を見ていると、「自粛警察」と称される人の常識を超えた奇妙な行動に対して、「戦前の全体主義そっくりだぁ~」とかの反応が見られるが、最初から、そういうシナリオなのではないかと推察している。
分かり易い言葉を使えば「自作自演」である。
だいたい、この手の策謀を仕掛けてくるのはパヨク側であることはご存知の通りである。
唐突で違和感を持つ情報に対しては、眉に唾をつけて見聞きする必要があるとあらためて思った次第である。
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【文末脚注】
(*1):前回の「前編・状況認識編」
2020/05/09投稿:
「自粛警察」の既視感・「正義」の悪用(前編・状況認識編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1365.html
(*2):そもそも物流業は自粛対象外業種である。
東京都防災ホ-ムページ
東京都緊急事態措置に関する情報 対象施設一覧
更新日 令和2年4月22日
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007617/1007679.html
(*3):紅衛兵に関する以前の論考
2016/07/13投稿:
【コラム】造反有理・革命無罪の罪深さ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-455.html
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