序・他力本願・通貨スワップを渇望する韓国
- 2020/03/31
- 21:51
序・他力本願・通貨スワップを渇望する韓国

副題:日韓通貨スワップ協定期限切れの時に日本に後ろ足で砂をかけた韓国。今、通貨スワップ協定を渇望する韓国。韓国が経済破綻を防ぐ手立ては残りすくない。
副題に書いた通り、現在、世界は未知の新型コロナウイルスの大規模な感染拡大で世界全体の経済活動が停滞している状態となっており、輸出入に依存する韓国経済は早期に相当な悪影響が出ると予見されている状態だ。
普段から国際決済に必要な米ドルやユーロ、日本円等のハードカレンシー不足に陥っている韓国だが、自転車操業の目途も立たず、「これから悪影響が出る」という事なので、ハードカレンシーの入手が急務となっている状態だ。
ちょっと横道にそれるが、「ハードカレンシー」とは貿易決済に使用できる国際的な通貨のことである。
通貨には3種類の「御身分」があって、1つは総ての通貨の為替レートの基軸となる①基軸通貨である。
今は米ドルが基軸通貨である。100年前は英ポンドが基軸通貨であった。
次に、米ドルに準じて国際的にお金として通用する通貨を②ハードカレンシーと言う。
ユーロ、日本円、英ポンドなどである。スイスフランもハードカレンシーとする場合があるが、流通量はユーロ、日本円、英ポンドと比べると少ない。
そして、それ以外の自国またはその近隣地域他だけでお金として通用する通貨が③ローカルカレンシーである。
一般的な話言葉としての「ハードカレンシー」は米ドルとユーロ、日本円、英ポンドの総称である。
↓
①基軸通貨(Key currency):米ドル
②国際通貨(Hard currency):ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフラン
③現地通貨(Local currency):それ以外の通貨
詳しくは以前の論考(*1)「通貨のお話1」と「最近の通貨のお話2」を御一読いただきたい。
韓国の通貨「韓国ウォン(KrW・ South Korean Won)」は③ローカルカレンシーに該当する。
つまり、貿易に伴い発生する支払・受け取りに世界的に通用する通貨ではないという事である。一部地域や二国間で合意した場合には通用するが、国際貿易一般では通用しない通貨だということだ。
話を進める。
韓国と我国に共通する経済構造としては、エネルギーの供給の多くを海外に依存している点がある。石油・天然ガスの殆どを海外からの輸入に頼っている。
エネルギー需要は大きくは2つである。1つは発電、もう1つは車両・船舶・航空機等の輸送燃料である。
発電も輸送燃料も、経済活動には必須の要素であることの説明は不要であろう。
また、エネルギーの輸入が途絶したら、我々一般国民の日常生活が危機に陥ることも説明不要であろう。
この様に日韓両国は、エネルギー輸入確保が生命線であることは共通しているのだが、異なっている点がある。
先ず、石油代金の決済は米ドルだと決まっている点がある。
これはアメリカの既得権であり、アメリカの生命線でもあるので、石油代金の決済をユーロでやろうとした南米の産油国ベネズエラがアメリカから経済制裁を受けたりしている。
逆に反米国のイランやロシアは、石油代金の決済を米ドル以外のユーロや人民元でやるぞと脅しをかけているのであるが「石油代金の決済は米ドルだと決まっている」のが現在の実情だ。
つまり、日韓両国は、自国の経済活動を継続する為には、米ドルでの支払能力の維持が必須になっているという事だ。
その米ドルの手持ちが枯渇状態に陥っているのが韓国である。
「米ドルがなければ、銀行に行って換えてもらえばいいじゃないか」が答えなのであるが、それが出来ないのがローカルカレンシー国の韓国なのである。
ハードカレンシー国の日本は、無制限に米ドルとの交換が可能(*2)なのだが、韓国はそれが出来ないのである。、
韓国は物品・役務を輸出して、その代金として米ドルを得ている。その米ドルが手に出来ない状態になったのである。韓国の外貨準備高は発表からはそれなりにあるのだが、どうやら、その内容が流動性に乏しく、決済に使用できないとの噂がある。
「物が売れなくて収入がないのならお金を借りればいいじゃないか」も難しい。
何故ならば、貸す側は、債権回収可能性に疑義がある場合は貸し渋るからである。
返ってくるあてのない相手に金を貸す人はいない。
それでも貸す人がいるのだったら、それは普通の経済取引ではなく「別の理由」に基づくものである。例えば、破綻させて代わりに領土の割譲や使用権100年の設定を得るとか。
それは浪速金融道の世界であり、通常の経済取引とは異なるものである。
外貨を得る見込みがなく、借りられる目途もない。これが企業や個人なら、これで倒産・破産である。しかし、主権国家は違う。主権国家は自らが通貨を発行できる。つまりお金がなくなれば自分で刷って作れる立場にあるのである。
とは言え、無限定的にお金を刷り過ぎと国内的には悪性インフレが発生してしまう。また、対外的には為替レートで自国通貨安となり、輸入での経済的悪影響が発生する。
結局、今の韓国は、経済破綻前に米ドルを入手する為の手段がほぼ残されていない状態だと考えれば良い。
その残り少ない手段がハードカレンシー国との通貨スワップ協定である。
ハードカレンシー国との通貨スワップ協定が仮に締結できれば、ローカルカレンシーのKrW=国際決済の場では子供銀行券を相手に渡して、国際決済に使用できるお金を相手から融通してもらえるからだ。
円、ユーロ、英ポンドは無限定で米ドルに換えられるので、それで石油代金が払えるということになる。
そういう事なのだが、通貨スワップ協定は「相手のあること」なので、相手側の都合がある。
我国の場合、「韓国が経済的に破綻することでの被害の方が、○億ドルの通貨スワップ協定で被る損害よりも大きい」場合には韓国と通貨スワップ協定を締結するメリットがあるが、そうでなければ、メリットはないのである。
2001年の最初の日韓通貨スァップ協定は、アジア通貨危機の際に、この様な視点で締結されたものである。
設定枠は20億ドル(2000億円)と少額であった。その後、リーマンショックなどで一時的な増額があったのだが、2011年、日本が東日本大震災の復興もままならぬ時期に、韓国ベッタリの民主党政権の野田時代、日韓通貨スワップの枠は700億ドル(7兆円・当時の超円高デフレ時代の為替レートでも5.6兆円程度)との巨額になっていたのである。
↓
1)チェンマイ・イニシャチブ由来の協定
小泉政権時の2001年7月にアジア通貨危機に伴い我国財務省の外為特会の米ドルと韓国中央銀行の韓国銀行の間で締結されたものが最初である。
このアジア通貨危機を契機に行われたチェンマイ・イニシャチブは、やがて多国間のネットワークへと発展するものだが、最初はこれであった。
ネットワークのうち、日韓間の規模は20億ドル相当。1ドルを100円で換算すると2000億円規模と少額である。取り扱い通貨は普通のSWAP協定では互いの自国通貨の交換となるが、そもそもの理由がアジア通貨危機であることから、国際決済用の基軸通貨米ドルを日本側が、韓国は自国通貨KrWでのSWAP協定であった。
後年2006年(小泉政権時)に枠を20億ドルから100億ドルに拡大した。
このチェンマイ・イニシャチブ由来の協定は2015年2月に期限切れとなっている。
2)日韓通貨SWAP協定
2005年小泉政権時に、チェンマイ・イニシャチブとは別に、あらたに日韓通貨SWAP協定を結んだもの。内容は普通の形式の中央銀行間協定で通貨も互いの自国通貨を交換するものであった。スタート時の規模は30億ドル(3000億円)である。
その後、リーマンショック(2009年9月・麻生政権)の発生に伴い、一時的に200億ドル(2兆円規模)に枠が拡大された。
この枠拡大は2010年4月に終了し、元の30億ドルへと戻ったのだが、民主党・野田政権時(2011年10月)に、この日韓通貨SWAP協定は、次項の大盤振る舞いとともに一気に10倍の300億ドル規模(3兆円)へと拡大した。
東日本大震災が起こったのが2011年3月11日なのに民主党・野田政権は自国のことよりも韓国を優先していたのである。
3)期間1年のドル・自国通貨の通貨SWAP協定
民主党・野田政権時2011年10月に追加された新たなSWAP協定である。
規模は破格の300億ドル規模(3兆円)である。
前述した2)の300億ドル、1)の100億ドルと合わせて、この時期のSWAP枠は合計700億ドルとの巨額になっていたものである。
民主党・野田政権は、こんな朝貢を韓国に対して行っていたのである。そして、それは、これだけではない。(*3)
この様な破格の協定は経済行為としてはあり得ないものであった。
つまり、韓国にとって「日本からの通貨スワップ」は成功体験である。
その上、韓国は日本とは違うSinic文明圏であり、中華思想・中夷秩序の強い影響を長い間受け続けた結果、阿Q的な小中華思想(*4)を持つに至り、自身を中華の一部、日本を夷狄・蛮族だとして「劣った存在」と決め付ける事が韓国での「常識」となっている。
従い、そんな「劣った存在」に助けられることはあり得ず、「日韓通貨スワップは日本側にメリットがあるから、日本は協定を締結したのだ」との誤った決め付けに至るのである。
この様な背景があるので、チェンマイ・イニシャチブ由来の通貨スワップ協定が期限切れとなる2015年2月に、韓国は「どうか借りてくださいと日本が言うなら、借りることもやぶさかではない」などと、当時も今も財務大臣の麻生氏に述べているのである。
極めて無礼で非常識な物言いなのだが、小中華思想では、中華の一部である韓国が夷狄・蛮族の日本に対しての、その御身分に応じた適切な物言いとなってしまうのである。
現在、韓国は決済資金の外貨が不足しており、八方ふさがり状態にあるので、過去の成功体験と期限切れの時の物言いが失礼だとの認識がない為に、「日本にとってメリットがある日韓通貨スワップ協定を結んでやればよい」との斜め上の発想をしているのである。
それに対して、麻生副総理兼財務大臣は、国際常識に則り、今のままでは協定締結可能性がないことを述べているのである。
今回は以上である。
今回は「序」として、日韓通貨スワップの関連する経緯・背景等を先に述べたものである。
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【文末脚注】
(*1):通貨に関する以前の論考
2016/09/20投稿:
通貨のお話1
副題:通貨の「御身分」-受け取っても使い道がないお札はただの紙切れ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-504.html
2017/02/13投稿:
最近の通貨のお話2-韓国の通貨スワップ
副題:ハードカレンシー以外の通貨は国際決済の世界では子供銀行券と同じ紙くず扱い。ハードカレンシーとは、基軸通貨米ドルと主要通貨ユーロ、英ポンド、日本円
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-603.html
(*2):ハードカレンシー国の日本は、無制限に米ドルとの交換が可能
2016/09/22投稿:
通貨のお話2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-505.html
(*3):民主党・野田政権は、こんな朝貢を韓国に対して行っていたのである。そして、それは、これだけではない。
2018/01/21投稿:
「お詫びの手紙」の長い物語
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-848.html
(*4):韓国は日本とは違うSinic文明圏であり、中華思想・中夷秩序の強い影響を長い間受け続けた結果、阿Q的な小中華思想を持つに至った。
2018/11/08投稿:
徴用工・韓国「最高裁」判決雑感5Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1049.html
【御参考】
2019/10/10投稿:
戦後創作された「歴史」が韓国憲法に書かれている。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1268.html
※日韓通貨スワップに関する2年前の論考
【ご参考】
2018/02/28投稿:
何時もの「国内向け」発言・韓銀総裁・日韓通貨スワップ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-872.html
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副題:日韓通貨スワップ協定期限切れの時に日本に後ろ足で砂をかけた韓国。今、通貨スワップ協定を渇望する韓国。韓国が経済破綻を防ぐ手立ては残りすくない。
副題に書いた通り、現在、世界は未知の新型コロナウイルスの大規模な感染拡大で世界全体の経済活動が停滞している状態となっており、輸出入に依存する韓国経済は早期に相当な悪影響が出ると予見されている状態だ。
普段から国際決済に必要な米ドルやユーロ、日本円等のハードカレンシー不足に陥っている韓国だが、自転車操業の目途も立たず、「これから悪影響が出る」という事なので、ハードカレンシーの入手が急務となっている状態だ。
ちょっと横道にそれるが、「ハードカレンシー」とは貿易決済に使用できる国際的な通貨のことである。
通貨には3種類の「御身分」があって、1つは総ての通貨の為替レートの基軸となる①基軸通貨である。
今は米ドルが基軸通貨である。100年前は英ポンドが基軸通貨であった。
次に、米ドルに準じて国際的にお金として通用する通貨を②ハードカレンシーと言う。
ユーロ、日本円、英ポンドなどである。スイスフランもハードカレンシーとする場合があるが、流通量はユーロ、日本円、英ポンドと比べると少ない。
そして、それ以外の自国またはその近隣地域他だけでお金として通用する通貨が③ローカルカレンシーである。
一般的な話言葉としての「ハードカレンシー」は米ドルとユーロ、日本円、英ポンドの総称である。
↓
①基軸通貨(Key currency):米ドル
②国際通貨(Hard currency):ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフラン
③現地通貨(Local currency):それ以外の通貨
詳しくは以前の論考(*1)「通貨のお話1」と「最近の通貨のお話2」を御一読いただきたい。
韓国の通貨「韓国ウォン(KrW・ South Korean Won)」は③ローカルカレンシーに該当する。
つまり、貿易に伴い発生する支払・受け取りに世界的に通用する通貨ではないという事である。一部地域や二国間で合意した場合には通用するが、国際貿易一般では通用しない通貨だということだ。
話を進める。
韓国と我国に共通する経済構造としては、エネルギーの供給の多くを海外に依存している点がある。石油・天然ガスの殆どを海外からの輸入に頼っている。
エネルギー需要は大きくは2つである。1つは発電、もう1つは車両・船舶・航空機等の輸送燃料である。
発電も輸送燃料も、経済活動には必須の要素であることの説明は不要であろう。
また、エネルギーの輸入が途絶したら、我々一般国民の日常生活が危機に陥ることも説明不要であろう。
この様に日韓両国は、エネルギー輸入確保が生命線であることは共通しているのだが、異なっている点がある。
先ず、石油代金の決済は米ドルだと決まっている点がある。
これはアメリカの既得権であり、アメリカの生命線でもあるので、石油代金の決済をユーロでやろうとした南米の産油国ベネズエラがアメリカから経済制裁を受けたりしている。
逆に反米国のイランやロシアは、石油代金の決済を米ドル以外のユーロや人民元でやるぞと脅しをかけているのであるが「石油代金の決済は米ドルだと決まっている」のが現在の実情だ。
つまり、日韓両国は、自国の経済活動を継続する為には、米ドルでの支払能力の維持が必須になっているという事だ。
その米ドルの手持ちが枯渇状態に陥っているのが韓国である。
「米ドルがなければ、銀行に行って換えてもらえばいいじゃないか」が答えなのであるが、それが出来ないのがローカルカレンシー国の韓国なのである。
ハードカレンシー国の日本は、無制限に米ドルとの交換が可能(*2)なのだが、韓国はそれが出来ないのである。、
韓国は物品・役務を輸出して、その代金として米ドルを得ている。その米ドルが手に出来ない状態になったのである。韓国の外貨準備高は発表からはそれなりにあるのだが、どうやら、その内容が流動性に乏しく、決済に使用できないとの噂がある。
「物が売れなくて収入がないのならお金を借りればいいじゃないか」も難しい。
何故ならば、貸す側は、債権回収可能性に疑義がある場合は貸し渋るからである。
返ってくるあてのない相手に金を貸す人はいない。
それでも貸す人がいるのだったら、それは普通の経済取引ではなく「別の理由」に基づくものである。例えば、破綻させて代わりに領土の割譲や使用権100年の設定を得るとか。
それは浪速金融道の世界であり、通常の経済取引とは異なるものである。
外貨を得る見込みがなく、借りられる目途もない。これが企業や個人なら、これで倒産・破産である。しかし、主権国家は違う。主権国家は自らが通貨を発行できる。つまりお金がなくなれば自分で刷って作れる立場にあるのである。
とは言え、無限定的にお金を刷り過ぎと国内的には悪性インフレが発生してしまう。また、対外的には為替レートで自国通貨安となり、輸入での経済的悪影響が発生する。
結局、今の韓国は、経済破綻前に米ドルを入手する為の手段がほぼ残されていない状態だと考えれば良い。
その残り少ない手段がハードカレンシー国との通貨スワップ協定である。
ハードカレンシー国との通貨スワップ協定が仮に締結できれば、ローカルカレンシーのKrW=国際決済の場では子供銀行券を相手に渡して、国際決済に使用できるお金を相手から融通してもらえるからだ。
円、ユーロ、英ポンドは無限定で米ドルに換えられるので、それで石油代金が払えるということになる。
そういう事なのだが、通貨スワップ協定は「相手のあること」なので、相手側の都合がある。
我国の場合、「韓国が経済的に破綻することでの被害の方が、○億ドルの通貨スワップ協定で被る損害よりも大きい」場合には韓国と通貨スワップ協定を締結するメリットがあるが、そうでなければ、メリットはないのである。
2001年の最初の日韓通貨スァップ協定は、アジア通貨危機の際に、この様な視点で締結されたものである。
設定枠は20億ドル(2000億円)と少額であった。その後、リーマンショックなどで一時的な増額があったのだが、2011年、日本が東日本大震災の復興もままならぬ時期に、韓国ベッタリの民主党政権の野田時代、日韓通貨スワップの枠は700億ドル(7兆円・当時の超円高デフレ時代の為替レートでも5.6兆円程度)との巨額になっていたのである。
↓
1)チェンマイ・イニシャチブ由来の協定
小泉政権時の2001年7月にアジア通貨危機に伴い我国財務省の外為特会の米ドルと韓国中央銀行の韓国銀行の間で締結されたものが最初である。
このアジア通貨危機を契機に行われたチェンマイ・イニシャチブは、やがて多国間のネットワークへと発展するものだが、最初はこれであった。
ネットワークのうち、日韓間の規模は20億ドル相当。1ドルを100円で換算すると2000億円規模と少額である。取り扱い通貨は普通のSWAP協定では互いの自国通貨の交換となるが、そもそもの理由がアジア通貨危機であることから、国際決済用の基軸通貨米ドルを日本側が、韓国は自国通貨KrWでのSWAP協定であった。
後年2006年(小泉政権時)に枠を20億ドルから100億ドルに拡大した。
このチェンマイ・イニシャチブ由来の協定は2015年2月に期限切れとなっている。
2)日韓通貨SWAP協定
2005年小泉政権時に、チェンマイ・イニシャチブとは別に、あらたに日韓通貨SWAP協定を結んだもの。内容は普通の形式の中央銀行間協定で通貨も互いの自国通貨を交換するものであった。スタート時の規模は30億ドル(3000億円)である。
その後、リーマンショック(2009年9月・麻生政権)の発生に伴い、一時的に200億ドル(2兆円規模)に枠が拡大された。
この枠拡大は2010年4月に終了し、元の30億ドルへと戻ったのだが、民主党・野田政権時(2011年10月)に、この日韓通貨SWAP協定は、次項の大盤振る舞いとともに一気に10倍の300億ドル規模(3兆円)へと拡大した。
東日本大震災が起こったのが2011年3月11日なのに民主党・野田政権は自国のことよりも韓国を優先していたのである。
3)期間1年のドル・自国通貨の通貨SWAP協定
民主党・野田政権時2011年10月に追加された新たなSWAP協定である。
規模は破格の300億ドル規模(3兆円)である。
前述した2)の300億ドル、1)の100億ドルと合わせて、この時期のSWAP枠は合計700億ドルとの巨額になっていたものである。
民主党・野田政権は、こんな朝貢を韓国に対して行っていたのである。そして、それは、これだけではない。(*3)
この様な破格の協定は経済行為としてはあり得ないものであった。
つまり、韓国にとって「日本からの通貨スワップ」は成功体験である。
その上、韓国は日本とは違うSinic文明圏であり、中華思想・中夷秩序の強い影響を長い間受け続けた結果、阿Q的な小中華思想(*4)を持つに至り、自身を中華の一部、日本を夷狄・蛮族だとして「劣った存在」と決め付ける事が韓国での「常識」となっている。
従い、そんな「劣った存在」に助けられることはあり得ず、「日韓通貨スワップは日本側にメリットがあるから、日本は協定を締結したのだ」との誤った決め付けに至るのである。
この様な背景があるので、チェンマイ・イニシャチブ由来の通貨スワップ協定が期限切れとなる2015年2月に、韓国は「どうか借りてくださいと日本が言うなら、借りることもやぶさかではない」などと、当時も今も財務大臣の麻生氏に述べているのである。
極めて無礼で非常識な物言いなのだが、小中華思想では、中華の一部である韓国が夷狄・蛮族の日本に対しての、その御身分に応じた適切な物言いとなってしまうのである。
現在、韓国は決済資金の外貨が不足しており、八方ふさがり状態にあるので、過去の成功体験と期限切れの時の物言いが失礼だとの認識がない為に、「日本にとってメリットがある日韓通貨スワップ協定を結んでやればよい」との斜め上の発想をしているのである。
それに対して、麻生副総理兼財務大臣は、国際常識に則り、今のままでは協定締結可能性がないことを述べているのである。
今回は以上である。
今回は「序」として、日韓通貨スワップの関連する経緯・背景等を先に述べたものである。
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【文末脚注】
(*1):通貨に関する以前の論考
2016/09/20投稿:
通貨のお話1
副題:通貨の「御身分」-受け取っても使い道がないお札はただの紙切れ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-504.html
2017/02/13投稿:
最近の通貨のお話2-韓国の通貨スワップ
副題:ハードカレンシー以外の通貨は国際決済の世界では子供銀行券と同じ紙くず扱い。ハードカレンシーとは、基軸通貨米ドルと主要通貨ユーロ、英ポンド、日本円
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-603.html
(*2):ハードカレンシー国の日本は、無制限に米ドルとの交換が可能
2016/09/22投稿:
通貨のお話2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-505.html
(*3):民主党・野田政権は、こんな朝貢を韓国に対して行っていたのである。そして、それは、これだけではない。
2018/01/21投稿:
「お詫びの手紙」の長い物語
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-848.html
(*4):韓国は日本とは違うSinic文明圏であり、中華思想・中夷秩序の強い影響を長い間受け続けた結果、阿Q的な小中華思想を持つに至った。
2018/11/08投稿:
徴用工・韓国「最高裁」判決雑感5Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1049.html
【御参考】
2019/10/10投稿:
戦後創作された「歴史」が韓国憲法に書かれている。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1268.html
※日韓通貨スワップに関する2年前の論考
【ご参考】
2018/02/28投稿:
何時もの「国内向け」発言・韓銀総裁・日韓通貨スワップ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-872.html
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