新型コロナウイルス・検疫法他関連法規に関して
- 2020/01/27
- 21:29
新型コロナウイルス・検疫法他関連法規に関して

副題:我が国は法治主義国である。憲法に緊急事態条項がない為に、常に平時を基準にした法規定が適用される。中国・武漢での新型コロナウイルスよる肺炎患者が我が国に入国するリスクに対する一連の騒ぎで感じたことを論考する。
本論考を書き始めたのは、中国・武漢での新型コロナウイルスによる肺炎での死亡者・発症者数に対してイギリスBBCが「1700人以上」だと報じたの話をネットで見た時からである。要するに数日前からである。それ以降、毎日の様に状況が進み、追いつかなくなっているのだが、本日(1月27日)のニュースで安倍首相の決断が出てことから、ちょっとブツ切れ状態ではあるが、1つの論考としてまとめることにした。
読み難いであろうが、ご勘弁いただきたい。
最初に書き始めた時の着眼点は、以前のSARSやMERSによる騒動との類似性にある。
今回も、我が国は感染者が多く出た地域からの入国者をシャットアウトすることなく、入国時の体温センサーでの発熱確認以外は自己申告での検疫との平時と同様の方法としている点が「問題視」される可能性を感じたからである。
今回の武漢での感染症発覚については、ネット・SNSでは「中国人の入国は危険なのに、何故入国禁止にしない」との批判的な言説が多く見られる状態となっている。
確かに、身近な場所に未知の病気の感染者が来てしまうことに不安を感じるのは正直な感覚だと思う。
当方も、新型コロナウイルスによる肺炎発祥・重症化との未知の疾患には不安を感じる。
そんな感覚で、ネット・SNSでの言説は未知の疾患に感染するリスクを低下させる為に、発症場所である中国・武漢からの入国者に強い警戒感を示すものが大半である。
実際、本日現在、中国人感染者が我が国に複数いる事が確認されており、そういう反応になるのは自然なことである。
ここまでは良いのだが、この話を利用して無用な方向へと誘導したり、扇動したりする言説がネット・SNSに溢れていることは問題だと思う。
問題の本質は未知の感染症の拡大防止であるが、その一方で、そういう不安な状況を現出させた悪者・犯人捜しという本質とは異なる話題・問題が新聞記事・TVニュースで流され、それが伝播しているものだと分析している。
この様な「犯人探し」「悪者探し」の動きは、SARS(2003年)の時は、中国政府がWHOへの報告を故意に遅らせた隠蔽工作があったことから、「中国政府が悪者」であった。
MERS=Middle East respiratory syndrome(中東呼吸器症候群)の時(2015年)は、中東から韓国に帰国した韓国人が感染者であり、韓国に於いて感染が広がり、感染者200人弱・死亡者40人弱が発生し我が国への侵入拡大が懸念されたものであった。MERSは韓国に於いて2018年にも感染が拡大したので、簡単に再発させてしまう韓国のケンチャナヨ体質に呆れたものであり、気休め程度の消毒剤噴霧の映像を記憶しており、あれで感染拡大が防止できるのか不安であった。韓国の「忘れっぽさ」は今も健在だwww
今回の武漢での感染症はSARS/MERSとは違う新種のコロナウイルスによる感染症であると報道されており、感染力・致死率などが不明であり、WHOは緊急事態の宣言に至っていない。
ネット・SNSなどでは、「WHOの代表が中国人だからぁ~」なる話が流通しているが、現在の代表(事務局長)はエチオピア人であり、その話は違っている。
この「WHOの代表が中国人」なる話に乗せられて「陰謀論」へと拡大する言説をたれ流すことは、無用な不安を煽るものであり、そんな話に乗せられてはいけない。
不安であることは仕方がないのだが、こういう時こそ、物事をちゃんと見極める必要がある。
この様な基本姿勢に基づき、以下の2点に関して述べておきたい。
↓
1)緊急事態宣言のスピード感は、我が国の法的未整備問題であるとの分析
2)「不安を煽る」のは「奴等」の常套手段。「アベが悪い」とか「アベの対応が遅い」と言っている奴等の目的は感染症を利用した政治宣伝であり、我々日本人の安全とは無関係。
それでは上記した「1」の話から始める。
先ず、当たり前のことなのだが、我が国は法治国家であり、我が国の行政の長である総理大臣は、法定された権限に基づき行動する、との大前提があることを記しておきたい。
今般の未知の感染症に罹患した中国人が我が国国内に複数滞在していることが確認できたことで、この対応を国家として実施することになるのだが、その対応は、法規に則って実地するものである。
北朝鮮が中国からの渡航を禁止したが、それは独裁国家では独裁者の命令が何にもまして優先するからである。
ネット・SNSでは「シンガポールが中国人の入国を禁止した」との話が流れているが、その一方で、そういう話は事実ではないとの情報(*1)もあり、シンガポールの話は、どうやら「「WHOの代表が中国人」と同類のものである可能性がある。
確実な禁止事例としては台湾がある。武漢と台湾との間での団体観光客の往来を一時禁止する決定がなされたのである。
その事を報じる記事(*2)には【蔡氏は同日午前に諮問機関「国家安全会議」の幹部会合を開き、対応策を検討。団体観光客は台湾発が22日から、武漢発は23日からそれぞれ禁止する。】とある。
台湾は、今は法治主義の国となっており、中国共産党が支配する大陸や北朝鮮の金正恩とは違い、この前の選挙で台湾の行政府の長である総統に再選された蔡英文は台湾憲法に則り緊急事態として、この決定を行っているものだ。
台湾憲法の緊急事態条項は同憲法の第43条及び同修正条項第2条の③(*3)に規定されている。
第43条の条文には「緊急事態の定義」として「国家に天災、疫病が発生し、又は国家財政経済上重大な変動があり急速な処分を必要とする場合」とあり、修正条項の第2条の③にも同様の表現がある。
また、「緊急事態の宣言」をする権限は総統にあり、手続きとして「立法院休会期間中にあっては、行政院会議の決議を経て」と総統の独断では宣言できない旨の民主主義上の内部牽制機能が書かれている。
また、修正条項の第2条の③には「総統は、国家あるいは国民が緊急事態や危険な状況に遭遇するのを防ぎ、財産・経済上の重大事に対応するため、行政院院会(閣議)の決議を経たうえで緊急命令を発令することができ、必要な措置を採る・・・」とある。
上述した記事にある「諮問機関「国家安全会議」の幹部会合を開き・・・」が、それに該当する。
緊急事態条項に関しては、古館・報ステの詐欺話「ワイマール特集」で、ヒットラー独裁の元凶であるかの様なデマ(*4)が流布されているが、台湾憲法のみならず、ヒットラーにパリを占領されたフランスの現行憲法にも、ドイツの現行憲法(ドイツ基本法)にも緊急事態条項が存在している。(*5)
緊急事態条項とは、普通の法規定は平時を基準にして制定されているのだが、平時の法規定が緊急時には逆に国民の平和・安全を阻害してしまうことがあるので、緊急事態にそれを防止する為に一時的に適用する条項のことである。
これは、緊急事態に於いても法治主義を貫徹する為にもので、「超法規」なる無法状態になってしまうことを防ぐ人類の知恵なのである。
従い「一時的」であることを規定する内容が緊急事態条項には書かれているのである。
台湾憲法第43条では「但し命令発布後一箇月内に立法院に提出して追認を求めなければならない。立法院が同意しないときは、その緊急命令は、直ちに効力を失う。」と書かれており、修正条項の第2条の③には「ただし、命令の発令後10日以内に立法院に送付して追認を得なければならず、立法院が同意しない場合はその緊急命令は即時失効する。」と書かれているのである。
話を我が国に戻す。
我が国憲法には緊急事態条項がない。
従い、今回の様な「外部から感染症・病原菌が我が国に侵入するリスク」に対処する場合には、関連する下位法の緊急時規定に則り対処することになる。
「外部からの感染症・病原菌云々」の関連法は、以前の論考で取り上げた「検疫法」である。
以前の論考で登場した検疫法は、大震災の際に瓦礫に埋もれた人を助ける為に、海外の救助隊が連れてきた探査犬に対して「平時基準で制定されている」検疫法の規定に基づき「探査犬を数週間以上検疫の為に留め置く」ことが現場でできる判断だった、との話で登場したものだ。(*6)
同様の話としては、断水した町に自衛隊が給水車を派遣した際に、自衛隊に災害出動の要請を県がしていないとして、街の人々への給水をさせなかった神奈川県職員の事例などがある。(*7)
以前の事例は、緊急時なのでワンちゃんと入国させるべしとの話だが、今回の事例は逆に、感染の疑いがある外国人の入国をStopさせる話である。
検疫法が想定する「外部からの感染症・病原菌云々」は、今回の様な「未知の病原体による大量感染地からの人物の流入」ではない。
検疫法の想定は、危険な症状が表れている、或いは、それに類する症状が出ている人物に対する対応である。
「潜伏期間にあるかもしれない大量の入国者」への対応は想定されていないことが検疫法の条文を読むと分かる。
そういう事から、今回の様な事態への対応は「感染症法」(正式名:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)となる。
今般、安倍首相が果敢にも、感染症法で今回事態に対応することは高く評価したい。
その事を報じるFNNニュース(*8)には以下の様な一文がある。
↓
<引用開始>
政府関係者は、WHOの緊急事態宣言を待たずに指定感染症への指定を行うことは「異例の決断だ」と語っていて、感染拡大への危機感を示している。
<引用終わり>
これだけでは、何が「異例」なのか分からないであろう。
それには、先ず、「感染症法」の前文(*9)を読む必要がある。
とは言え、それなりに長いのでポイント部分だけを述べる。前文の後段中間部にある以下をお読みいただきたい。
↓
<感染症法・前文から抜粋引用>
一方、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。
このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。
<引用終わり>
感染症に罹患した患者を隔離しないと感染症が拡大する事になり、隔離が公益に為には必要な措置であることは論を待たない。
そうであるのだが、上記引用した感染症に対処する法律の前文の後段中間部には、「いわれのない差別」「偏見」「重く受け止め」「教訓として今後に生かす」「感染症の患者等の人権を尊重」との文字が並んでいるのである。
感染症法では、「何が、隔離が必要な感染症なのか」を「指定感染症への指定を行う」ことで実施すると規定しており、指定感染症であれば、その患者の隔離を実行することが可能になるとの建て付けだ。
そうなると、どの感染症を指定感染症にするかの判断をする際に、この前文の記述は、なかなかに重たいことが分かるであろう。
国民の健康を守るはずの感染症法の方向性とは異なる文言になっているのである。これを用いて、例の「人権がぁ~」団体が、「何を根拠に指定した」と問い詰めることが想起されるので「重たい」のである。彼等は公益や一般日本人大衆のことなど二の次三の次なのであることが垣間見える。「政府が個人を拘束するのは悪」というパターンでしか考えていないのである。
そういう事なので、我が国では、「WHOとの国際機関が緊急事態だと判断した感染症」を指定感染症とするとの運用がなされている。
その事は、1月23日付の産経新聞記事(*10)に如実に現れている。
その記事の見出しは「◆緊急事態宣言出れば「指定感染症」も視野 厚労省」である。
この様な背景を踏まえて、あらためてFNNニュースの一文をお読みいただきたい。
↓
<再度の抜粋引用>
政府関係者は、WHOの緊急事態宣言を待たずに指定感染症への指定を行うことは「異例の決断だ」と語っていて、感染拡大への危機感を示している。
<引用終わり>
安倍首相は、以前から「いかなる事態でも国民を守り抜く」(*11)と明言しており、国民に軸足に置く政治を実行しており、今回の指定も、その表れである。
WHOの宣言を待たずに、日本人の安寧の為に決断したものである。
長くなったので今回は以上であるが、「対処が遅い!アベは何をやっているんだぁ~」との論調の多くは無知またはカタカナ「サヨク」達の扇動なので、冷静に対処することが必要だと考えている。
1日1回ポチっとな ↓
FC2 Blog Ranking 
【文末脚注】
(*1):「シンガポールが中国人の入国を禁止した」との話が流れているが、その一方で、そういう話は事実ではないとの情報もある。
↓
Exciteニュース(レコードチャイナ) 2020年1月24日 17:50
見出し:◆「シンガポールがすべての中国人の入国を拒否」は事実ではない―中国メディア
https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20200124027/
記事:○2020年1月23日、澎湃新聞は、中国で新型コロナウイルスによる肺炎が拡大していることについて、「中国人はシンガポールに入国できない」との情報が流れていることを報じた。
○記事は、22日の夜より、ネット上で「シンガポールはすでに国境を閉鎖し、すべての中国人観光客を入れないようにしている」との情報が流れたと紹介した。
○その上で、翌23日にシンガポール大使館の公式サイトをチェックしたところ、「コロナウイルス関連情報の中に出入国の制限に関する情報はなかった」とし、最新情報の「シンガポール衛生省の中国新型コロナウイルス感染に対する公衆衛生と観光の提議」の中で、「1月22日よりチャンギ空港の体温スクリーニング範囲を中国から到着したすべての航空便の旅客に拡大する」ことなどが記載されているのみだったとしている。
○また、北京にあるシンガポール大使館に電話で問い合わせたところ、「国境の閉鎖や中国人の入国拒否といった話はなく、入国は可能である」との回答を得たとも紹介した。(翻訳・編集/川尻)
<引用終わり>
(*2):台湾での武漢と台湾との間での団体観光客の往来を一時禁止する決定がなされた事を報じる記事
産経新聞 2020.1.22 13:09
見出し:◆台湾・蔡総統 武漢との団体観光の往来禁止 新型肺炎で
https://www.sankei.com/world/news/200122/wor2001220024-n1.html
記事:○【台北=田中靖人】台湾の蔡英文総統は22日、台北の総統府で談話を発表し、台湾でも感染者が確認された新型コロナウイルスによる肺炎について、多数の発症者が出ている中国湖北省武漢市と台湾との間での団体観光客の往来を一時禁止することを明らかにした。
○蔡氏は同日午前に諮問機関「国家安全会議」の幹部会合を開き、対応策を検討。団体観光客は台湾発が22日から、武漢発は23日からそれぞれ禁止する。
○蔡氏は中国当局に対し感染情報の完全な公開を要求。一方、「台湾は世界的な防疫の最前線だ」として、世界保健機関(WHO)に対し台湾の加盟を認めるよう改めて呼びかけた。台湾は「一つの中国」原則を掲げる中国の妨害で、世界保健機関(WHO)に加盟していない
○蔡氏はまた、「慌てず通常の生活を維持してほしい」と市民に冷静な対応を呼びかけた。
<引用終わり>
(*3):台湾憲法の緊急事態条項は同憲法の第43条及び同修正条項第2条の③に規定されている。
<台湾憲法の緊急事態条項>
第43条:国家に天災、疫病が発生し、又は国家財政経済上重大な変動があり急速な処分を必要とする場合は、総統は、立法院休会期間中にあっては、行政院会議の決議を経て緊急命令法により、緊急命令を発布し、必要な処置をとることができる。但し命令発布後一箇月内に立法院に提出して追認を求めなければならない。立法院が同意しないときは、その緊急命令は、直ちに効力を失う。
<中華民国憲法増修条文 (第7次憲法修正)>
第二条の③:総統は、国家あるいは国民が緊急事態や危険な状況に遭遇するのを防ぎ、財産・経済上の重大事に対応するため、行政院院会(閣議)の決議を経たうえで緊急命令を発令することができ、必要な措置を採る。その際は、憲法第四十三条の制限を受けないものとする。ただし、命令の発令後10日以内に立法院に送付して追認を得なければならず、立法院が同意しない場合はその緊急命令は即時失効する。
<抜粋引用終わり>
(*4):緊急事態条項に関しては、古館・報ステの詐欺話「ワイマール特集」で、ヒットラー独裁の元凶であるかの様なデマが流布されている。
2017/07/14投稿:
テレビのデマが流通している事例
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-711.html
2016/03/23投稿:
【コラム】スタジオ編1報ステ「ワイマール憲法」の笑止千万
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-370.html
(*5):台湾憲法のみならず、ヒットラーにパリを占領されたフランスの現行憲法にも、ドイツの現行憲法(ドイツ基本法)にも緊急事態条項が存在している。
2017/06/16投稿:
(資料編)各国の緊急事態条項
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-695.html
(*6):大震災の際に瓦礫に埋もれた人を助ける為に、海外の救助隊が連れてきた探査犬に対して「平時基準で制定されている」検疫法の規定に基づき「探査犬を数週間以上検疫の為に留め置く」ことが現場でできる判断だった、との話で登場したものだ。
2018/02/05投稿:
緊急事態条項・2012年自民党改憲草案の良い所悪い所
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-859.html
2017/06/17投稿:
憲法議論6・緊急事態条項
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-696.html
(*7):断水した町に自衛隊が給水車を派遣した際に、自衛隊に災害出動の要請を県がしていないとして、街の人々への給水をさせなかった神奈川県職員の事例などがある。
2019/10/17投稿:
改憲議論と憲法規定の実現化議論を混同させる記事(後編Final・緊急事態条項)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1271.html
(*8):今般、安倍首相が果敢にも、感染症法で今回事態に対応することは高く評価したい。その事を報じるFNNニュース・
FNN PRINE 2020年1月27日 月曜 午前11:40
見出し:◆死者80人「指定感染症」に 新型肺炎
https://www.fnn.jp/posts/00431031CX/202001271140_CX_CX
記事:○感染の拡大が続く新型コロナウイルスによる肺炎について、安倍首相は、27日の衆議院予算委員会で、28日、「指定感染症」に指定すると表明した。
○一方、政府は、中国の武漢市などに滞在している日本人を、28日にもチャーター機などで帰国させる方針。
○政府関係者は、WHOの緊急事態宣言を待たずに指定感染症への指定を行うことは「異例の決断だ」と語っていて、感染拡大への危機感を示している。
○安倍首相「今般の新型コロナウイルスに関する感染症を感染症法上の指定感染症等にあすの閣議で指定する方針である」
○安倍首相は、指定感染症への指定について、「感染者に対する入院措置や、公費による適切な医療などを可能にするため」と述べた。
○政府関係者は、指定されれば、「国内での感染拡大のリスクが大きく抑えられる」としている。
○一方、茂木外相は、武漢市を含む湖北省で、およそ560人の日本人の滞在を確認していると述べた。
○政府は、帰国を希望する現地の日本人について、28日にも、チャーター機などで帰国させる方針で、複数回に分けて帰国させることも検討している。
<引用終わり>
(*9):「感染症法」の前文
(感染症法)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
・平成十年法律第百十四号)
・平成二十六年十一月二十一日公布(平成二十六年法律第百十五号)改正
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=410AC0000000114
<前文>
○人類は、これまで、疾病、とりわけ感染症により、多大の苦難を経験してきた。ペスト、痘そう、コレラ等の感染症の流行は、時には文明を存亡の危機に追いやり、感染症を根絶することは、正に人類の悲願と言えるものである。
○医学医療の進歩や衛生水準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてきたが、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、また、国際交流の進展等に伴い、感染症は、新たな形で、今なお人類に脅威を与えている。
○一方、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。
○このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。
○ここに、このような視点に立って、これまでの感染症の予防に関する施策を抜本的に見直し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な施策の推進を図るため、この法律を制定する。
<前文・引用終わり>
【ご参考】
(目的)第1条:この法律は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的とする。
(基本理念)第2条:感染症の発生の予防及びそのまん延の防止を目的として国及び地方公共団体が講ずる施策は、これらを目的とする施策に関する国際的動向を踏まえつつ、保健医療を取り巻く環境の変化、国際交流の進展等に即応し、新感染症その他の感染症に迅速かつ適確に対応することができるよう、感染症の患者等が置かれている状況を深く認識し、これらの者の人権を尊重しつつ、総合的かつ計画的に推進されることを基本理念とする。(第3条以降略)
(*10):産経の「感染症法」に関する、1月23日付の記事
産経新聞 2020.1.23 19:16
見出し:◆緊急事態宣言出れば「指定感染症」も視野 厚労省
https://www.sankei.com/life/news/200123/lif2001230039-n1.html
記事:○中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染者の拡大に伴い、厚生労働省は空港での検疫強化に動くなど監視態勢を続ける。今後は世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言を待ち、患者の強制入院といった厳重な法的措置を取れる「指定感染症」への指定など踏み込んだ対応に乗り出す。
○厚労省は中国からの全ての航空便に拡大し、機内アナウンスなどで健康状態の自己申告を促すよう各航空会社に協力を依頼。国内での感染者の早期把握に努める。
○国内到着後はサーモグラフィーを用いた入国者の発熱検査を継続しているが、解熱剤を飲んでいた場合はすり抜けられるほか、入国後に発症する可能性もある。東北医科薬科大の賀来(かく)満夫特任教授(感染症学)は「社会全体で予防に向けたシステム構築を急ぐ必要がある」と指摘する。
○賀来氏は感染予防対策について「くしゃみやせきが出る人のマスク着用、外出後のこまめな手洗いが基本」と説明。「レジャー施設などの来訪者が多い場所では出入口付近に消毒液を設置したり、施設側からマスク着用を促したりするなどの対応も求められる。学校や職場、家庭でも不特定多数の人が触れる場所のアルコール消毒や十分な換気など、衛生管理に努めてほしい」と呼びかける。
○厚労省が注視するのが、WHOの動きだ。今回の感染拡大が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するとされ、拡大防止のための勧告が示されれば、国内態勢のさらなる見直しも視野に入れる。
○感染症法は、致死率や感染力などの危険度に応じて感染症を1~5類に分類。各分類に応じ、感染拡大を防ぐために患者に行える措置を定めている。今回の新型肺炎と同じコロナウイルスが原因の重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)は2類に当たる。
○一方で、新型肺炎のように未分類の感染症は政令で「指定感染症」に指定でき、患者の強制的な入院や就業制限などの措置が可能となる。別途、検疫法上の措置もあり、WHOの緊急事態宣言を受け、専門家による厚生科学審議会感染症部会で議論される見込み。厚労省は「WHOの判断を見極めた上で必要な対策を取っていく」としている。
<引用終わり>
(*11):安倍首相は、以前から「いかなる事態でも国民を守り抜く」と明言しており、国民に軸足に置く政治を実行しており、今回の指定も、その表れである。
2017/04/14投稿:
「いかなる事態でも国民を守り抜く」安倍首相
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-648.html
1日1回ポチっとな ↓
FC2 Blog Ranking


副題:我が国は法治主義国である。憲法に緊急事態条項がない為に、常に平時を基準にした法規定が適用される。中国・武漢での新型コロナウイルスよる肺炎患者が我が国に入国するリスクに対する一連の騒ぎで感じたことを論考する。
本論考を書き始めたのは、中国・武漢での新型コロナウイルスによる肺炎での死亡者・発症者数に対してイギリスBBCが「1700人以上」だと報じたの話をネットで見た時からである。要するに数日前からである。それ以降、毎日の様に状況が進み、追いつかなくなっているのだが、本日(1月27日)のニュースで安倍首相の決断が出てことから、ちょっとブツ切れ状態ではあるが、1つの論考としてまとめることにした。
読み難いであろうが、ご勘弁いただきたい。
最初に書き始めた時の着眼点は、以前のSARSやMERSによる騒動との類似性にある。
今回も、我が国は感染者が多く出た地域からの入国者をシャットアウトすることなく、入国時の体温センサーでの発熱確認以外は自己申告での検疫との平時と同様の方法としている点が「問題視」される可能性を感じたからである。
今回の武漢での感染症発覚については、ネット・SNSでは「中国人の入国は危険なのに、何故入国禁止にしない」との批判的な言説が多く見られる状態となっている。
確かに、身近な場所に未知の病気の感染者が来てしまうことに不安を感じるのは正直な感覚だと思う。
当方も、新型コロナウイルスによる肺炎発祥・重症化との未知の疾患には不安を感じる。
そんな感覚で、ネット・SNSでの言説は未知の疾患に感染するリスクを低下させる為に、発症場所である中国・武漢からの入国者に強い警戒感を示すものが大半である。
実際、本日現在、中国人感染者が我が国に複数いる事が確認されており、そういう反応になるのは自然なことである。
ここまでは良いのだが、この話を利用して無用な方向へと誘導したり、扇動したりする言説がネット・SNSに溢れていることは問題だと思う。
問題の本質は未知の感染症の拡大防止であるが、その一方で、そういう不安な状況を現出させた悪者・犯人捜しという本質とは異なる話題・問題が新聞記事・TVニュースで流され、それが伝播しているものだと分析している。
この様な「犯人探し」「悪者探し」の動きは、SARS(2003年)の時は、中国政府がWHOへの報告を故意に遅らせた隠蔽工作があったことから、「中国政府が悪者」であった。
MERS=Middle East respiratory syndrome(中東呼吸器症候群)の時(2015年)は、中東から韓国に帰国した韓国人が感染者であり、韓国に於いて感染が広がり、感染者200人弱・死亡者40人弱が発生し我が国への侵入拡大が懸念されたものであった。MERSは韓国に於いて2018年にも感染が拡大したので、簡単に再発させてしまう韓国のケンチャナヨ体質に呆れたものであり、気休め程度の消毒剤噴霧の映像を記憶しており、あれで感染拡大が防止できるのか不安であった。韓国の「忘れっぽさ」は今も健在だwww
今回の武漢での感染症はSARS/MERSとは違う新種のコロナウイルスによる感染症であると報道されており、感染力・致死率などが不明であり、WHOは緊急事態の宣言に至っていない。
ネット・SNSなどでは、「WHOの代表が中国人だからぁ~」なる話が流通しているが、現在の代表(事務局長)はエチオピア人であり、その話は違っている。
この「WHOの代表が中国人」なる話に乗せられて「陰謀論」へと拡大する言説をたれ流すことは、無用な不安を煽るものであり、そんな話に乗せられてはいけない。
不安であることは仕方がないのだが、こういう時こそ、物事をちゃんと見極める必要がある。
この様な基本姿勢に基づき、以下の2点に関して述べておきたい。
↓
1)緊急事態宣言のスピード感は、我が国の法的未整備問題であるとの分析
2)「不安を煽る」のは「奴等」の常套手段。「アベが悪い」とか「アベの対応が遅い」と言っている奴等の目的は感染症を利用した政治宣伝であり、我々日本人の安全とは無関係。
それでは上記した「1」の話から始める。
先ず、当たり前のことなのだが、我が国は法治国家であり、我が国の行政の長である総理大臣は、法定された権限に基づき行動する、との大前提があることを記しておきたい。
今般の未知の感染症に罹患した中国人が我が国国内に複数滞在していることが確認できたことで、この対応を国家として実施することになるのだが、その対応は、法規に則って実地するものである。
北朝鮮が中国からの渡航を禁止したが、それは独裁国家では独裁者の命令が何にもまして優先するからである。
ネット・SNSでは「シンガポールが中国人の入国を禁止した」との話が流れているが、その一方で、そういう話は事実ではないとの情報(*1)もあり、シンガポールの話は、どうやら「「WHOの代表が中国人」と同類のものである可能性がある。
確実な禁止事例としては台湾がある。武漢と台湾との間での団体観光客の往来を一時禁止する決定がなされたのである。
その事を報じる記事(*2)には【蔡氏は同日午前に諮問機関「国家安全会議」の幹部会合を開き、対応策を検討。団体観光客は台湾発が22日から、武漢発は23日からそれぞれ禁止する。】とある。
台湾は、今は法治主義の国となっており、中国共産党が支配する大陸や北朝鮮の金正恩とは違い、この前の選挙で台湾の行政府の長である総統に再選された蔡英文は台湾憲法に則り緊急事態として、この決定を行っているものだ。
台湾憲法の緊急事態条項は同憲法の第43条及び同修正条項第2条の③(*3)に規定されている。
第43条の条文には「緊急事態の定義」として「国家に天災、疫病が発生し、又は国家財政経済上重大な変動があり急速な処分を必要とする場合」とあり、修正条項の第2条の③にも同様の表現がある。
また、「緊急事態の宣言」をする権限は総統にあり、手続きとして「立法院休会期間中にあっては、行政院会議の決議を経て」と総統の独断では宣言できない旨の民主主義上の内部牽制機能が書かれている。
また、修正条項の第2条の③には「総統は、国家あるいは国民が緊急事態や危険な状況に遭遇するのを防ぎ、財産・経済上の重大事に対応するため、行政院院会(閣議)の決議を経たうえで緊急命令を発令することができ、必要な措置を採る・・・」とある。
上述した記事にある「諮問機関「国家安全会議」の幹部会合を開き・・・」が、それに該当する。
緊急事態条項に関しては、古館・報ステの詐欺話「ワイマール特集」で、ヒットラー独裁の元凶であるかの様なデマ(*4)が流布されているが、台湾憲法のみならず、ヒットラーにパリを占領されたフランスの現行憲法にも、ドイツの現行憲法(ドイツ基本法)にも緊急事態条項が存在している。(*5)
緊急事態条項とは、普通の法規定は平時を基準にして制定されているのだが、平時の法規定が緊急時には逆に国民の平和・安全を阻害してしまうことがあるので、緊急事態にそれを防止する為に一時的に適用する条項のことである。
これは、緊急事態に於いても法治主義を貫徹する為にもので、「超法規」なる無法状態になってしまうことを防ぐ人類の知恵なのである。
従い「一時的」であることを規定する内容が緊急事態条項には書かれているのである。
台湾憲法第43条では「但し命令発布後一箇月内に立法院に提出して追認を求めなければならない。立法院が同意しないときは、その緊急命令は、直ちに効力を失う。」と書かれており、修正条項の第2条の③には「ただし、命令の発令後10日以内に立法院に送付して追認を得なければならず、立法院が同意しない場合はその緊急命令は即時失効する。」と書かれているのである。
話を我が国に戻す。
我が国憲法には緊急事態条項がない。
従い、今回の様な「外部から感染症・病原菌が我が国に侵入するリスク」に対処する場合には、関連する下位法の緊急時規定に則り対処することになる。
「外部からの感染症・病原菌云々」の関連法は、以前の論考で取り上げた「検疫法」である。
以前の論考で登場した検疫法は、大震災の際に瓦礫に埋もれた人を助ける為に、海外の救助隊が連れてきた探査犬に対して「平時基準で制定されている」検疫法の規定に基づき「探査犬を数週間以上検疫の為に留め置く」ことが現場でできる判断だった、との話で登場したものだ。(*6)
同様の話としては、断水した町に自衛隊が給水車を派遣した際に、自衛隊に災害出動の要請を県がしていないとして、街の人々への給水をさせなかった神奈川県職員の事例などがある。(*7)
以前の事例は、緊急時なのでワンちゃんと入国させるべしとの話だが、今回の事例は逆に、感染の疑いがある外国人の入国をStopさせる話である。
検疫法が想定する「外部からの感染症・病原菌云々」は、今回の様な「未知の病原体による大量感染地からの人物の流入」ではない。
検疫法の想定は、危険な症状が表れている、或いは、それに類する症状が出ている人物に対する対応である。
「潜伏期間にあるかもしれない大量の入国者」への対応は想定されていないことが検疫法の条文を読むと分かる。
そういう事から、今回の様な事態への対応は「感染症法」(正式名:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)となる。
今般、安倍首相が果敢にも、感染症法で今回事態に対応することは高く評価したい。
その事を報じるFNNニュース(*8)には以下の様な一文がある。
↓
<引用開始>
政府関係者は、WHOの緊急事態宣言を待たずに指定感染症への指定を行うことは「異例の決断だ」と語っていて、感染拡大への危機感を示している。
<引用終わり>
これだけでは、何が「異例」なのか分からないであろう。
それには、先ず、「感染症法」の前文(*9)を読む必要がある。
とは言え、それなりに長いのでポイント部分だけを述べる。前文の後段中間部にある以下をお読みいただきたい。
↓
<感染症法・前文から抜粋引用>
一方、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。
このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。
<引用終わり>
感染症に罹患した患者を隔離しないと感染症が拡大する事になり、隔離が公益に為には必要な措置であることは論を待たない。
そうであるのだが、上記引用した感染症に対処する法律の前文の後段中間部には、「いわれのない差別」「偏見」「重く受け止め」「教訓として今後に生かす」「感染症の患者等の人権を尊重」との文字が並んでいるのである。
感染症法では、「何が、隔離が必要な感染症なのか」を「指定感染症への指定を行う」ことで実施すると規定しており、指定感染症であれば、その患者の隔離を実行することが可能になるとの建て付けだ。
そうなると、どの感染症を指定感染症にするかの判断をする際に、この前文の記述は、なかなかに重たいことが分かるであろう。
国民の健康を守るはずの感染症法の方向性とは異なる文言になっているのである。これを用いて、例の「人権がぁ~」団体が、「何を根拠に指定した」と問い詰めることが想起されるので「重たい」のである。彼等は公益や一般日本人大衆のことなど二の次三の次なのであることが垣間見える。「政府が個人を拘束するのは悪」というパターンでしか考えていないのである。
そういう事なので、我が国では、「WHOとの国際機関が緊急事態だと判断した感染症」を指定感染症とするとの運用がなされている。
その事は、1月23日付の産経新聞記事(*10)に如実に現れている。
その記事の見出しは「◆緊急事態宣言出れば「指定感染症」も視野 厚労省」である。
この様な背景を踏まえて、あらためてFNNニュースの一文をお読みいただきたい。
↓
<再度の抜粋引用>
政府関係者は、WHOの緊急事態宣言を待たずに指定感染症への指定を行うことは「異例の決断だ」と語っていて、感染拡大への危機感を示している。
<引用終わり>
安倍首相は、以前から「いかなる事態でも国民を守り抜く」(*11)と明言しており、国民に軸足に置く政治を実行しており、今回の指定も、その表れである。
WHOの宣言を待たずに、日本人の安寧の為に決断したものである。
長くなったので今回は以上であるが、「対処が遅い!アベは何をやっているんだぁ~」との論調の多くは無知またはカタカナ「サヨク」達の扇動なので、冷静に対処することが必要だと考えている。
1日1回ポチっとな ↓



【文末脚注】
(*1):「シンガポールが中国人の入国を禁止した」との話が流れているが、その一方で、そういう話は事実ではないとの情報もある。
↓
Exciteニュース(レコードチャイナ) 2020年1月24日 17:50
見出し:◆「シンガポールがすべての中国人の入国を拒否」は事実ではない―中国メディア
https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20200124027/
記事:○2020年1月23日、澎湃新聞は、中国で新型コロナウイルスによる肺炎が拡大していることについて、「中国人はシンガポールに入国できない」との情報が流れていることを報じた。
○記事は、22日の夜より、ネット上で「シンガポールはすでに国境を閉鎖し、すべての中国人観光客を入れないようにしている」との情報が流れたと紹介した。
○その上で、翌23日にシンガポール大使館の公式サイトをチェックしたところ、「コロナウイルス関連情報の中に出入国の制限に関する情報はなかった」とし、最新情報の「シンガポール衛生省の中国新型コロナウイルス感染に対する公衆衛生と観光の提議」の中で、「1月22日よりチャンギ空港の体温スクリーニング範囲を中国から到着したすべての航空便の旅客に拡大する」ことなどが記載されているのみだったとしている。
○また、北京にあるシンガポール大使館に電話で問い合わせたところ、「国境の閉鎖や中国人の入国拒否といった話はなく、入国は可能である」との回答を得たとも紹介した。(翻訳・編集/川尻)
<引用終わり>
(*2):台湾での武漢と台湾との間での団体観光客の往来を一時禁止する決定がなされた事を報じる記事
産経新聞 2020.1.22 13:09
見出し:◆台湾・蔡総統 武漢との団体観光の往来禁止 新型肺炎で
https://www.sankei.com/world/news/200122/wor2001220024-n1.html
記事:○【台北=田中靖人】台湾の蔡英文総統は22日、台北の総統府で談話を発表し、台湾でも感染者が確認された新型コロナウイルスによる肺炎について、多数の発症者が出ている中国湖北省武漢市と台湾との間での団体観光客の往来を一時禁止することを明らかにした。
○蔡氏は同日午前に諮問機関「国家安全会議」の幹部会合を開き、対応策を検討。団体観光客は台湾発が22日から、武漢発は23日からそれぞれ禁止する。
○蔡氏は中国当局に対し感染情報の完全な公開を要求。一方、「台湾は世界的な防疫の最前線だ」として、世界保健機関(WHO)に対し台湾の加盟を認めるよう改めて呼びかけた。台湾は「一つの中国」原則を掲げる中国の妨害で、世界保健機関(WHO)に加盟していない
○蔡氏はまた、「慌てず通常の生活を維持してほしい」と市民に冷静な対応を呼びかけた。
<引用終わり>
(*3):台湾憲法の緊急事態条項は同憲法の第43条及び同修正条項第2条の③に規定されている。
<台湾憲法の緊急事態条項>
第43条:国家に天災、疫病が発生し、又は国家財政経済上重大な変動があり急速な処分を必要とする場合は、総統は、立法院休会期間中にあっては、行政院会議の決議を経て緊急命令法により、緊急命令を発布し、必要な処置をとることができる。但し命令発布後一箇月内に立法院に提出して追認を求めなければならない。立法院が同意しないときは、その緊急命令は、直ちに効力を失う。
<中華民国憲法増修条文 (第7次憲法修正)>
第二条の③:総統は、国家あるいは国民が緊急事態や危険な状況に遭遇するのを防ぎ、財産・経済上の重大事に対応するため、行政院院会(閣議)の決議を経たうえで緊急命令を発令することができ、必要な措置を採る。その際は、憲法第四十三条の制限を受けないものとする。ただし、命令の発令後10日以内に立法院に送付して追認を得なければならず、立法院が同意しない場合はその緊急命令は即時失効する。
<抜粋引用終わり>
(*4):緊急事態条項に関しては、古館・報ステの詐欺話「ワイマール特集」で、ヒットラー独裁の元凶であるかの様なデマが流布されている。
2017/07/14投稿:
テレビのデマが流通している事例
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-711.html
2016/03/23投稿:
【コラム】スタジオ編1報ステ「ワイマール憲法」の笑止千万
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-370.html
(*5):台湾憲法のみならず、ヒットラーにパリを占領されたフランスの現行憲法にも、ドイツの現行憲法(ドイツ基本法)にも緊急事態条項が存在している。
2017/06/16投稿:
(資料編)各国の緊急事態条項
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-695.html
(*6):大震災の際に瓦礫に埋もれた人を助ける為に、海外の救助隊が連れてきた探査犬に対して「平時基準で制定されている」検疫法の規定に基づき「探査犬を数週間以上検疫の為に留め置く」ことが現場でできる判断だった、との話で登場したものだ。
2018/02/05投稿:
緊急事態条項・2012年自民党改憲草案の良い所悪い所
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-859.html
2017/06/17投稿:
憲法議論6・緊急事態条項
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-696.html
(*7):断水した町に自衛隊が給水車を派遣した際に、自衛隊に災害出動の要請を県がしていないとして、街の人々への給水をさせなかった神奈川県職員の事例などがある。
2019/10/17投稿:
改憲議論と憲法規定の実現化議論を混同させる記事(後編Final・緊急事態条項)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1271.html
(*8):今般、安倍首相が果敢にも、感染症法で今回事態に対応することは高く評価したい。その事を報じるFNNニュース・
FNN PRINE 2020年1月27日 月曜 午前11:40
見出し:◆死者80人「指定感染症」に 新型肺炎
https://www.fnn.jp/posts/00431031CX/202001271140_CX_CX
記事:○感染の拡大が続く新型コロナウイルスによる肺炎について、安倍首相は、27日の衆議院予算委員会で、28日、「指定感染症」に指定すると表明した。
○一方、政府は、中国の武漢市などに滞在している日本人を、28日にもチャーター機などで帰国させる方針。
○政府関係者は、WHOの緊急事態宣言を待たずに指定感染症への指定を行うことは「異例の決断だ」と語っていて、感染拡大への危機感を示している。
○安倍首相「今般の新型コロナウイルスに関する感染症を感染症法上の指定感染症等にあすの閣議で指定する方針である」
○安倍首相は、指定感染症への指定について、「感染者に対する入院措置や、公費による適切な医療などを可能にするため」と述べた。
○政府関係者は、指定されれば、「国内での感染拡大のリスクが大きく抑えられる」としている。
○一方、茂木外相は、武漢市を含む湖北省で、およそ560人の日本人の滞在を確認していると述べた。
○政府は、帰国を希望する現地の日本人について、28日にも、チャーター機などで帰国させる方針で、複数回に分けて帰国させることも検討している。
<引用終わり>
(*9):「感染症法」の前文
(感染症法)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
・平成十年法律第百十四号)
・平成二十六年十一月二十一日公布(平成二十六年法律第百十五号)改正
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=410AC0000000114
<前文>
○人類は、これまで、疾病、とりわけ感染症により、多大の苦難を経験してきた。ペスト、痘そう、コレラ等の感染症の流行は、時には文明を存亡の危機に追いやり、感染症を根絶することは、正に人類の悲願と言えるものである。
○医学医療の進歩や衛生水準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてきたが、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、また、国際交流の進展等に伴い、感染症は、新たな形で、今なお人類に脅威を与えている。
○一方、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。
○このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。
○ここに、このような視点に立って、これまでの感染症の予防に関する施策を抜本的に見直し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な施策の推進を図るため、この法律を制定する。
<前文・引用終わり>
【ご参考】
(目的)第1条:この法律は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的とする。
(基本理念)第2条:感染症の発生の予防及びそのまん延の防止を目的として国及び地方公共団体が講ずる施策は、これらを目的とする施策に関する国際的動向を踏まえつつ、保健医療を取り巻く環境の変化、国際交流の進展等に即応し、新感染症その他の感染症に迅速かつ適確に対応することができるよう、感染症の患者等が置かれている状況を深く認識し、これらの者の人権を尊重しつつ、総合的かつ計画的に推進されることを基本理念とする。(第3条以降略)
(*10):産経の「感染症法」に関する、1月23日付の記事
産経新聞 2020.1.23 19:16
見出し:◆緊急事態宣言出れば「指定感染症」も視野 厚労省
https://www.sankei.com/life/news/200123/lif2001230039-n1.html
記事:○中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染者の拡大に伴い、厚生労働省は空港での検疫強化に動くなど監視態勢を続ける。今後は世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言を待ち、患者の強制入院といった厳重な法的措置を取れる「指定感染症」への指定など踏み込んだ対応に乗り出す。
○厚労省は中国からの全ての航空便に拡大し、機内アナウンスなどで健康状態の自己申告を促すよう各航空会社に協力を依頼。国内での感染者の早期把握に努める。
○国内到着後はサーモグラフィーを用いた入国者の発熱検査を継続しているが、解熱剤を飲んでいた場合はすり抜けられるほか、入国後に発症する可能性もある。東北医科薬科大の賀来(かく)満夫特任教授(感染症学)は「社会全体で予防に向けたシステム構築を急ぐ必要がある」と指摘する。
○賀来氏は感染予防対策について「くしゃみやせきが出る人のマスク着用、外出後のこまめな手洗いが基本」と説明。「レジャー施設などの来訪者が多い場所では出入口付近に消毒液を設置したり、施設側からマスク着用を促したりするなどの対応も求められる。学校や職場、家庭でも不特定多数の人が触れる場所のアルコール消毒や十分な換気など、衛生管理に努めてほしい」と呼びかける。
○厚労省が注視するのが、WHOの動きだ。今回の感染拡大が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するとされ、拡大防止のための勧告が示されれば、国内態勢のさらなる見直しも視野に入れる。
○感染症法は、致死率や感染力などの危険度に応じて感染症を1~5類に分類。各分類に応じ、感染拡大を防ぐために患者に行える措置を定めている。今回の新型肺炎と同じコロナウイルスが原因の重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)は2類に当たる。
○一方で、新型肺炎のように未分類の感染症は政令で「指定感染症」に指定でき、患者の強制的な入院や就業制限などの措置が可能となる。別途、検疫法上の措置もあり、WHOの緊急事態宣言を受け、専門家による厚生科学審議会感染症部会で議論される見込み。厚労省は「WHOの判断を見極めた上で必要な対策を取っていく」としている。
<引用終わり>
(*11):安倍首相は、以前から「いかなる事態でも国民を守り抜く」と明言しており、国民に軸足に置く政治を実行しており、今回の指定も、その表れである。
2017/04/14投稿:
「いかなる事態でも国民を守り抜く」安倍首相
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-648.html
1日1回ポチっとな ↓



スポンサーサイト