3度目の烏合の衆の数合わせを画策している小沢一郎
- 2019/09/26
- 22:02
3度目の烏合の衆の数合わせを画策している小沢一郎

副題:政策なき政局一辺倒の小沢一郎。その小沢が仕掛け実現した烏合の衆数合わせ内閣は細川政権と民主党政権。その何れもが破綻し日本人は不幸になった。今回、再度の仕掛けを画策している小沢一郎。またもや日本人を不幸にするつもりの様だ。
先ずは、産経新聞が報じた記事(*1)のリード文部分をお読みいただきたい。
↓
<リード文部分抜粋引用>
国民民主党の小沢一郎衆院議員は23日、東京都内で講演し、立憲民主党や国民民主党などが衆参両院で統一会派の結成に合意したことについて「第1段階の非常に大きな山場を乗り越えた。年末年始に、またみんなで考えなければいけない時が来るだろう」と述べ、政党自体の合併に発展させ、次期衆院選に臨む必要があるとの考えを示した。自身が主宰する政治塾で語った。
<引用終わり>
小沢が言う「第1段階の非常に大きな山場」とは、先日の「統一会派結成」の事である。
その事が意味するのは、前回論考「消費税増税法を法制化した時の財務大臣・安住が立憲民主党に入党」(*2)の後半部で指摘した通り「民主党・民進党の再来」なのである。
「偽装離婚」していた「民主党・民進党」が統一会派の結成とのStepに至ったものである。
民主党・民進党と同じ顔ぶれが再結集しているのである。
この様な動きに対して、小沢は「第一段階」だとして、言外に今後「第二段階」がある旨を述べているのである。
小沢は、その時期を「年末年始」だと言っている。
産経記事では以下の小沢発言を以て、この「第二段階」を「民主党(再結成)」だとしている。
↓
<産経記事より抜粋引用>
・「選挙にあたり、一番、国民に分かりやすいのは単一政党になることだ」
・「これができあがれば、2年以内の総選挙の時には(立民、国民などによる旧)民主党の政権になる」
<引用終わり>
この様な小沢発言に基づき、産経は、この記事の見出しを「◆小沢氏、野党合併を強調 「2年以内に民主党政権」とした。
同記事では、上記した小沢発言に続き以下の様な記載がある。
↓
<抜粋引用>
合併が実現しない場合でも、比例代表で統一名簿を作成する「オリーブの木」方式で臨むべきだとした。
<引用終わり>
ここに出てくる「オリーブの木」とは、野党連合のことである。
「比例での統一名簿」とは、野党連合が出来た場合の選挙でのテクニカルな手段の話である。「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」らしい内容である。
「野党連合」との語句で細川政権を想起した方は、良く分かっている方である。
細川政権とは、小沢が仕掛けた最初の烏合の衆数合わせ内閣だ。(*3)
歴代自民党政権のうちで最も情けない総理の1人であった宮沢に対する不信任決議案が国会で通り、解散総選挙になった。
1993年(平成5年)7月18日の選挙を経て、国会での首班指名の段で、非自民非共産の野党8党はそろって比較第5党日本新党の代表・細川に投票した。その結果、1955年以降38年間続いた自民党政権が下野し、細川内閣である。
非自民非共産の野党8党とは、社会党・公明党・日本新党・民社党・さきがけ・社会民主連合・民主改革連合の7党と自民党を離党した小沢一派の新生党の8党である。
自民党は、同選挙での比較第Ⅰ党であったのだが、小沢一派の離党と首班指名時の野党連合で下野することになったものである。憲政の常道を平気で無視する小沢が仕掛けた野党連合であったのである。
そういう烏合の衆の数合わせで出来た細川政権の細川は、僅か8ヶ月程度で政権をほっぽり出して総理を辞めてしまっている。
産経記事に出てくる小沢発言は、記事の後半になると「憲政の常道の無視」レベルではなく、代議制民主主義の理念・哲学を無視した傍論になってくる。
「選挙で勝てればなんでもあり」との小沢の「政治論」となってくるのである。
↓
<産経記事より抜粋引用>
①:選挙民をバラ蒔きで釣る気マンマンな発言
また、選挙公約の裏付けとなる財源論について「財政健全化の意識がどうしてもあり、私もかつてはそう思っていた。だが、それでは今の経済社会情勢は変えられない。転換する以外ない」と指摘。「大胆な政策を打ち出さなければいけない。その意味では大風呂敷を広げ、国民に訴えることが必要だ」と語った。
②:理念なき烏合の衆の数合わせをやるぞとの相変わらずの発言
野党結集に関しては「受け皿を形の上だけでもいいから作る。それほど中身の質が高いものを国民は期待しているわけではない。国民もメディアも政策が大事だと言うが、政策を自分で考えて精査して投票する人はほとんどいないし、メディアもいざとなると政策ではなく、政局ばかり報道している」とも語った。
<引用終わり>
↓
お読みいただければお分かりの通り、これらは選挙で勝つ為のテクニック・道具の話である。この手のテクニカルな手段の話をしている小沢は、まさに「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」そのものである。
上記①は、選挙民を釣るバラ蒔き政策をやるぞ、との話である。
民主党政権は小沢が仕掛けた2回目の烏合の衆数合わせ内閣だ。
2009年8月総選挙では、おQ層(*4)がお祭り騒ぎで大挙して民主党に投票し、あのリーピー鳩山政権が出来てしまったのだが、その際のマニフェスト(*5)には財源の裏付けがない「子供手当」との釣り餌が含まれていた。
中学卒業まで1人あたり31万2,千円=月額2万6千円を支給するとの謳い文句であった。
政権の座に就いた民主党は、初年度は半額(月額1万3千円)で制度を強行したが、その財源は「所得税の扶養控除と配偶者控除」の廃止である。また、従前の児童手当も廃止され実質では何等のプラスにはならないものであった。
何の事はない、我が国の夫婦制度を支援してきた税制を廃止するものであった。
「所得税の扶養控除と配偶者控除の廃止」とは、小宮山洋子や田嶋陽子などの専業主婦大嫌い女性が推し進めたものである。
結局、釣り餌であった子供手当は、その財源が確保できず、消費税増税法の法制化へとつながっていったのである。(*6)
国民側から見れば本末転倒なのだが、選挙での釣り餌としては充分に機能したものである、
そういう経緯から小沢は言葉を操り「財源問題なんか関係ねぇ~」「大風呂敷を広げて国民を釣り上げるぞ」という事を言っているのである。
同様、小沢は国民を小バカにした話をしている。
「受け皿を形の上だけでもいいから作る。それほど中身の質が高いものを国民は期待しているわけではない。国民もメディアも政策が大事だと言うが、政策を自分で考えて精査して投票する人はほとんどいないし、メディアもいざとなると政策ではなく、政局ばかり報道している」
小沢は、党の綱領・政策・選挙公約(マニフェスト)を国民は全然読まないと決め付けているのである。
確かに、2009年8月のあの選挙では「おQ層」の軽率なる投票行動により「政権交代」を実現したとの小沢の成功体験があるので、こんな事を言っているのであろうが、日本人全体はそれほど愚かではない。(*7)
「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」は、あの成功体験の再来を狙っていることが分かるであろう。
小沢の目的は「選挙で勝つ」だけである。
それ故に、選挙で勝って政権を奪取した後の政権運営など真面目に考えておらず、いざ政権に就いた細川政権も民主党政権も何等のまともな政策を実行出来ていないのが実際である。
小沢が言う「「受け皿を形の上だけでもいいから作る。それほど中身の質が高いものを国民は期待しているわけではない」も、実にふざけた物言いである。
この様な国民を小バカにした物言いは、この「講演会」だけでの失言ではない。
以前から、同様の事を言っているのである。
「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」「政策なき政局一辺倒の小沢」は、以前にも同様の事を発言している。
その事は、以下の論考(*8)で明示済である。
↓
2018/07/19投稿:
手段が目的化した不見識・小沢一郎
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-981.html
小沢は、何等かのムーブメントが起これば、それを利用して選挙民を扇動し、票を獲得しようとのテクニックを使ってくるのである。
上記の以前の論考の際に小沢が利用したムーブメントは原発問題である。
この様に小沢は、国民の為の政治をすることを目的にしていない。
「政治は数だ」として、選挙で勝つことに注力した田中角栄は、少なくとも選挙で勝って政権の座に就いてからの「やりたい事」があった。
しかし、小沢からは、いったい何をやりたいのかが伝わってこない。
多分、「ない」のであろう。或いは「やりたい事を公言できない」のであろうと思われる。
そんな小沢が3度目の烏合の衆の数合わせを画策している訳だが、小沢が仕掛け実現した烏合の衆数合わせ内閣は過去2回あり、その何れもが破綻し日本人は不幸になっている。
そういう危険な仕掛けに乗り、またもや日本人が不幸になる時代がこない様に願っているのである。
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【文末脚注】
(*1):産経新聞ニュース
産経新聞 2019.9.23 14:41
見出し:◆小沢氏、野党合併を強調 「2年以内に民主党政権」
https://www.sankei.com/politics/news/190923/plt1909230003-n1.html
リード文:○ 国民民主党の小沢一郎衆院議員は23日、東京都内で講演し、立憲民主党や国民民主党などが衆参両院で統一会派の結成に合意したことについて「第1段階の非常に大きな山場を乗り越えた。年末年始に、またみんなで考えなければいけない時が来るだろう」と述べ、政党自体の合併に発展させ、次期衆院選に臨む必要があるとの考えを示した。自身が主宰する政治塾で語った。
記事:○小沢氏は「選挙にあたり、一番、国民に分かりやすいのは単一政党になることだ」と強調し、「これができあがれば、2年以内の総選挙の時には(立民、国民などによる旧)民主党の政権になる」と述べた。合併が実現しない場合でも、比例代表で統一名簿を作成する「オリーブの木」方式で臨むべきだとした。
○また、選挙公約の裏付けとなる財源論について「財政健全化の意識がどうしてもあり、私もかつてはそう思っていた。だが、それでは今の経済社会情勢は変えられない。転換する以外ない」と指摘。「大胆な政策を打ち出さなければいけない。その意味では大風呂敷を広げ、国民に訴えることが必要だ」と語った。
○野党結集に関しては「受け皿を形の上だけでもいいから作る。それほど中身の質が高いものを国民は期待しているわけではない。国民もメディアも政策が大事だと言うが、政策を自分で考えて精査して投票する人はほとんどいないし、メディアもいざとなると政策ではなく、政局ばかり報道している」とも語った。
<引用終わり>
(*2):前回論考の後半部で指摘した通り「民主党・民進党の再来」なのである。「偽装離婚」していた「民主党・民進党」が統一会派の結成とのStepに至ったものである。民主党・民進党と同じ顔ぶれが再結集しているのである。
2019/09/25投稿:
消費税増税法を法制化した時の財務大臣・安住が立憲民主党に入党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1261.html
(*3):細川政権とは、小沢が仕掛けた最初の烏合の衆数合わせ内閣だ。
2017/10/16投稿:
続々・選挙の度に繰り返される愚行Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-780.html
【ご参考】
2017/08/19投稿:
国民の知る権利
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-734.html
2017/09/30投稿:
民進党・政党としては自殺宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-769.html
(*4):おQ層
「おQ層」とは、2009年8月の「あの選挙」で偏向マスコミのキャンペーンに踊らされ、
「自民党政治にお灸をすえる」、「自民党に反省してもらう」などと称して、大挙して民主党に投票した層のことである。
ところが実際は、「自民党にお灸を据えたつもりが、自身が大火傷を負ったでござる」と言われる結果となったもので、そういう軽率な行動をとってしまった事を魯迅の阿Q伝の愚かなる主人公「阿Q」の様だとして、「お灸」との語呂合わせで「おQ層」と揶揄された層のことである。
↓
2019/06/24投稿:
「おQ層」に向けて「柳の下」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1204.html
2019/05/10投稿:
マスコミ偏向論調の発生源は「7%の存在」か
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1174.html
(*5):2009年8月総選挙の際の民主党マニフェスト
民主党2009年マニフェスト。(マニフェストの「2」が「子ども手当」)
http://archive.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf
※PDFファイル:スマホの方は要注意
【ご参考】
2015/12/04投稿:
【コラム】2009年時点で民主党が目指した改憲
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-281.html
2018/08/27投稿:
自民党総裁選に関する記事への雑感
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1003.html
(*6):結局、釣り餌であった子供手当は、その財源が確保できず、消費税増税法の法制化へとつながっていったのである。
2016/02/05投稿:
【コラム】民主党政権の暴政を振り返る1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-334.html
<2010年7月:参議院選挙>
民主党は菅直人が内閣を継いだ。菅直人は1年前の選挙時点のマニュフェスト内容の実現が出来ていないこと及び財源問題が頓挫しており、これが解決出来ない状態ではマニュフェスト内容の実現可能性がほぼ皆無である状態を指摘されている立場であった。
総理就任後わずか1か月後の参議院選挙で政権交代時マニュフェストの取り下げをすれば惨敗必須との状態で、多分財務官僚あたりが菅直人の耳元でゴニョゴニョと「財源は消費税増税で確保」とかなんとかしたものを、そのまましゃべってしまったものだと推定されている。消費税増税自体がマニュフェスト違反なのだが、菅直人は消費税増税に言及して参議院選挙で惨敗した。
【ご参考】
2017/10/10投稿:
消費税10%化は民主党・野田政権の置き土産
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-775.html
2019/07/08投稿:
消費税増税法は民主党・野田政権が法制化したもの
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1214.html
(*7):小沢は、党の綱領・政策・選挙公約(マニフェスト)を国民は全然読まないと決め付けているのである。確かに、2009年8月のあの選挙では「おQ層」の軽率なる投票行動により「政権交代」を実現したとの小沢の成功体験があるので、こんな事を言っているのであろうが、日本人全体はそれほど愚かではない。
2015/11/29投稿:
【コラム】「主権者国民」の責務1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-277.html
2015/11/30投稿:
【コラム】「主権者国民」の責務2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-278.html
(*8):「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」「政策なき政局一辺倒の小沢」は、以前にも同様の事を発言している。その事は以前の論考で明示済である。
2018/07/19投稿:
手段が目的化した不見識・小沢一郎
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-981.html
※副題:小沢一郎は「「原発ゼロ一本」で「選挙に勝つ」」などと国民の幸福・安寧を脇に置き、「選挙に勝つ」ことを「目的」にした技術論でしか発想していない。危険である。
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副題:政策なき政局一辺倒の小沢一郎。その小沢が仕掛け実現した烏合の衆数合わせ内閣は細川政権と民主党政権。その何れもが破綻し日本人は不幸になった。今回、再度の仕掛けを画策している小沢一郎。またもや日本人を不幸にするつもりの様だ。
先ずは、産経新聞が報じた記事(*1)のリード文部分をお読みいただきたい。
↓
<リード文部分抜粋引用>
国民民主党の小沢一郎衆院議員は23日、東京都内で講演し、立憲民主党や国民民主党などが衆参両院で統一会派の結成に合意したことについて「第1段階の非常に大きな山場を乗り越えた。年末年始に、またみんなで考えなければいけない時が来るだろう」と述べ、政党自体の合併に発展させ、次期衆院選に臨む必要があるとの考えを示した。自身が主宰する政治塾で語った。
<引用終わり>
小沢が言う「第1段階の非常に大きな山場」とは、先日の「統一会派結成」の事である。
その事が意味するのは、前回論考「消費税増税法を法制化した時の財務大臣・安住が立憲民主党に入党」(*2)の後半部で指摘した通り「民主党・民進党の再来」なのである。
「偽装離婚」していた「民主党・民進党」が統一会派の結成とのStepに至ったものである。
民主党・民進党と同じ顔ぶれが再結集しているのである。
この様な動きに対して、小沢は「第一段階」だとして、言外に今後「第二段階」がある旨を述べているのである。
小沢は、その時期を「年末年始」だと言っている。
産経記事では以下の小沢発言を以て、この「第二段階」を「民主党(再結成)」だとしている。
↓
<産経記事より抜粋引用>
・「選挙にあたり、一番、国民に分かりやすいのは単一政党になることだ」
・「これができあがれば、2年以内の総選挙の時には(立民、国民などによる旧)民主党の政権になる」
<引用終わり>
この様な小沢発言に基づき、産経は、この記事の見出しを「◆小沢氏、野党合併を強調 「2年以内に民主党政権」とした。
同記事では、上記した小沢発言に続き以下の様な記載がある。
↓
<抜粋引用>
合併が実現しない場合でも、比例代表で統一名簿を作成する「オリーブの木」方式で臨むべきだとした。
<引用終わり>
ここに出てくる「オリーブの木」とは、野党連合のことである。
「比例での統一名簿」とは、野党連合が出来た場合の選挙でのテクニカルな手段の話である。「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」らしい内容である。
「野党連合」との語句で細川政権を想起した方は、良く分かっている方である。
細川政権とは、小沢が仕掛けた最初の烏合の衆数合わせ内閣だ。(*3)
歴代自民党政権のうちで最も情けない総理の1人であった宮沢に対する不信任決議案が国会で通り、解散総選挙になった。
1993年(平成5年)7月18日の選挙を経て、国会での首班指名の段で、非自民非共産の野党8党はそろって比較第5党日本新党の代表・細川に投票した。その結果、1955年以降38年間続いた自民党政権が下野し、細川内閣である。
非自民非共産の野党8党とは、社会党・公明党・日本新党・民社党・さきがけ・社会民主連合・民主改革連合の7党と自民党を離党した小沢一派の新生党の8党である。
自民党は、同選挙での比較第Ⅰ党であったのだが、小沢一派の離党と首班指名時の野党連合で下野することになったものである。憲政の常道を平気で無視する小沢が仕掛けた野党連合であったのである。
そういう烏合の衆の数合わせで出来た細川政権の細川は、僅か8ヶ月程度で政権をほっぽり出して総理を辞めてしまっている。
産経記事に出てくる小沢発言は、記事の後半になると「憲政の常道の無視」レベルではなく、代議制民主主義の理念・哲学を無視した傍論になってくる。
「選挙で勝てればなんでもあり」との小沢の「政治論」となってくるのである。
↓
<産経記事より抜粋引用>
①:選挙民をバラ蒔きで釣る気マンマンな発言
また、選挙公約の裏付けとなる財源論について「財政健全化の意識がどうしてもあり、私もかつてはそう思っていた。だが、それでは今の経済社会情勢は変えられない。転換する以外ない」と指摘。「大胆な政策を打ち出さなければいけない。その意味では大風呂敷を広げ、国民に訴えることが必要だ」と語った。
②:理念なき烏合の衆の数合わせをやるぞとの相変わらずの発言
野党結集に関しては「受け皿を形の上だけでもいいから作る。それほど中身の質が高いものを国民は期待しているわけではない。国民もメディアも政策が大事だと言うが、政策を自分で考えて精査して投票する人はほとんどいないし、メディアもいざとなると政策ではなく、政局ばかり報道している」とも語った。
<引用終わり>
↓
お読みいただければお分かりの通り、これらは選挙で勝つ為のテクニック・道具の話である。この手のテクニカルな手段の話をしている小沢は、まさに「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」そのものである。
上記①は、選挙民を釣るバラ蒔き政策をやるぞ、との話である。
民主党政権は小沢が仕掛けた2回目の烏合の衆数合わせ内閣だ。
2009年8月総選挙では、おQ層(*4)がお祭り騒ぎで大挙して民主党に投票し、あのリーピー鳩山政権が出来てしまったのだが、その際のマニフェスト(*5)には財源の裏付けがない「子供手当」との釣り餌が含まれていた。
中学卒業まで1人あたり31万2,千円=月額2万6千円を支給するとの謳い文句であった。
政権の座に就いた民主党は、初年度は半額(月額1万3千円)で制度を強行したが、その財源は「所得税の扶養控除と配偶者控除」の廃止である。また、従前の児童手当も廃止され実質では何等のプラスにはならないものであった。
何の事はない、我が国の夫婦制度を支援してきた税制を廃止するものであった。
「所得税の扶養控除と配偶者控除の廃止」とは、小宮山洋子や田嶋陽子などの専業主婦大嫌い女性が推し進めたものである。
結局、釣り餌であった子供手当は、その財源が確保できず、消費税増税法の法制化へとつながっていったのである。(*6)
国民側から見れば本末転倒なのだが、選挙での釣り餌としては充分に機能したものである、
そういう経緯から小沢は言葉を操り「財源問題なんか関係ねぇ~」「大風呂敷を広げて国民を釣り上げるぞ」という事を言っているのである。
同様、小沢は国民を小バカにした話をしている。
「受け皿を形の上だけでもいいから作る。それほど中身の質が高いものを国民は期待しているわけではない。国民もメディアも政策が大事だと言うが、政策を自分で考えて精査して投票する人はほとんどいないし、メディアもいざとなると政策ではなく、政局ばかり報道している」
小沢は、党の綱領・政策・選挙公約(マニフェスト)を国民は全然読まないと決め付けているのである。
確かに、2009年8月のあの選挙では「おQ層」の軽率なる投票行動により「政権交代」を実現したとの小沢の成功体験があるので、こんな事を言っているのであろうが、日本人全体はそれほど愚かではない。(*7)
「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」は、あの成功体験の再来を狙っていることが分かるであろう。
小沢の目的は「選挙で勝つ」だけである。
それ故に、選挙で勝って政権を奪取した後の政権運営など真面目に考えておらず、いざ政権に就いた細川政権も民主党政権も何等のまともな政策を実行出来ていないのが実際である。
小沢が言う「「受け皿を形の上だけでもいいから作る。それほど中身の質が高いものを国民は期待しているわけではない」も、実にふざけた物言いである。
この様な国民を小バカにした物言いは、この「講演会」だけでの失言ではない。
以前から、同様の事を言っているのである。
「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」「政策なき政局一辺倒の小沢」は、以前にも同様の事を発言している。
その事は、以下の論考(*8)で明示済である。
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2018/07/19投稿:
手段が目的化した不見識・小沢一郎
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-981.html
小沢は、何等かのムーブメントが起これば、それを利用して選挙民を扇動し、票を獲得しようとのテクニックを使ってくるのである。
上記の以前の論考の際に小沢が利用したムーブメントは原発問題である。
この様に小沢は、国民の為の政治をすることを目的にしていない。
「政治は数だ」として、選挙で勝つことに注力した田中角栄は、少なくとも選挙で勝って政権の座に就いてからの「やりたい事」があった。
しかし、小沢からは、いったい何をやりたいのかが伝わってこない。
多分、「ない」のであろう。或いは「やりたい事を公言できない」のであろうと思われる。
そんな小沢が3度目の烏合の衆の数合わせを画策している訳だが、小沢が仕掛け実現した烏合の衆数合わせ内閣は過去2回あり、その何れもが破綻し日本人は不幸になっている。
そういう危険な仕掛けに乗り、またもや日本人が不幸になる時代がこない様に願っているのである。
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【文末脚注】
(*1):産経新聞ニュース
産経新聞 2019.9.23 14:41
見出し:◆小沢氏、野党合併を強調 「2年以内に民主党政権」
https://www.sankei.com/politics/news/190923/plt1909230003-n1.html
リード文:○ 国民民主党の小沢一郎衆院議員は23日、東京都内で講演し、立憲民主党や国民民主党などが衆参両院で統一会派の結成に合意したことについて「第1段階の非常に大きな山場を乗り越えた。年末年始に、またみんなで考えなければいけない時が来るだろう」と述べ、政党自体の合併に発展させ、次期衆院選に臨む必要があるとの考えを示した。自身が主宰する政治塾で語った。
記事:○小沢氏は「選挙にあたり、一番、国民に分かりやすいのは単一政党になることだ」と強調し、「これができあがれば、2年以内の総選挙の時には(立民、国民などによる旧)民主党の政権になる」と述べた。合併が実現しない場合でも、比例代表で統一名簿を作成する「オリーブの木」方式で臨むべきだとした。
○また、選挙公約の裏付けとなる財源論について「財政健全化の意識がどうしてもあり、私もかつてはそう思っていた。だが、それでは今の経済社会情勢は変えられない。転換する以外ない」と指摘。「大胆な政策を打ち出さなければいけない。その意味では大風呂敷を広げ、国民に訴えることが必要だ」と語った。
○野党結集に関しては「受け皿を形の上だけでもいいから作る。それほど中身の質が高いものを国民は期待しているわけではない。国民もメディアも政策が大事だと言うが、政策を自分で考えて精査して投票する人はほとんどいないし、メディアもいざとなると政策ではなく、政局ばかり報道している」とも語った。
<引用終わり>
(*2):前回論考の後半部で指摘した通り「民主党・民進党の再来」なのである。「偽装離婚」していた「民主党・民進党」が統一会派の結成とのStepに至ったものである。民主党・民進党と同じ顔ぶれが再結集しているのである。
2019/09/25投稿:
消費税増税法を法制化した時の財務大臣・安住が立憲民主党に入党
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1261.html
(*3):細川政権とは、小沢が仕掛けた最初の烏合の衆数合わせ内閣だ。
2017/10/16投稿:
続々・選挙の度に繰り返される愚行Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-780.html
【ご参考】
2017/08/19投稿:
国民の知る権利
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-734.html
2017/09/30投稿:
民進党・政党としては自殺宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-769.html
(*4):おQ層
「おQ層」とは、2009年8月の「あの選挙」で偏向マスコミのキャンペーンに踊らされ、
「自民党政治にお灸をすえる」、「自民党に反省してもらう」などと称して、大挙して民主党に投票した層のことである。
ところが実際は、「自民党にお灸を据えたつもりが、自身が大火傷を負ったでござる」と言われる結果となったもので、そういう軽率な行動をとってしまった事を魯迅の阿Q伝の愚かなる主人公「阿Q」の様だとして、「お灸」との語呂合わせで「おQ層」と揶揄された層のことである。
↓
2019/06/24投稿:
「おQ層」に向けて「柳の下」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1204.html
2019/05/10投稿:
マスコミ偏向論調の発生源は「7%の存在」か
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1174.html
(*5):2009年8月総選挙の際の民主党マニフェスト
民主党2009年マニフェスト。(マニフェストの「2」が「子ども手当」)
http://archive.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf
※PDFファイル:スマホの方は要注意
【ご参考】
2015/12/04投稿:
【コラム】2009年時点で民主党が目指した改憲
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-281.html
2018/08/27投稿:
自民党総裁選に関する記事への雑感
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1003.html
(*6):結局、釣り餌であった子供手当は、その財源が確保できず、消費税増税法の法制化へとつながっていったのである。
2016/02/05投稿:
【コラム】民主党政権の暴政を振り返る1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-334.html
<2010年7月:参議院選挙>
民主党は菅直人が内閣を継いだ。菅直人は1年前の選挙時点のマニュフェスト内容の実現が出来ていないこと及び財源問題が頓挫しており、これが解決出来ない状態ではマニュフェスト内容の実現可能性がほぼ皆無である状態を指摘されている立場であった。
総理就任後わずか1か月後の参議院選挙で政権交代時マニュフェストの取り下げをすれば惨敗必須との状態で、多分財務官僚あたりが菅直人の耳元でゴニョゴニョと「財源は消費税増税で確保」とかなんとかしたものを、そのまましゃべってしまったものだと推定されている。消費税増税自体がマニュフェスト違反なのだが、菅直人は消費税増税に言及して参議院選挙で惨敗した。
【ご参考】
2017/10/10投稿:
消費税10%化は民主党・野田政権の置き土産
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-775.html
2019/07/08投稿:
消費税増税法は民主党・野田政権が法制化したもの
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1214.html
(*7):小沢は、党の綱領・政策・選挙公約(マニフェスト)を国民は全然読まないと決め付けているのである。確かに、2009年8月のあの選挙では「おQ層」の軽率なる投票行動により「政権交代」を実現したとの小沢の成功体験があるので、こんな事を言っているのであろうが、日本人全体はそれほど愚かではない。
2015/11/29投稿:
【コラム】「主権者国民」の責務1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-277.html
2015/11/30投稿:
【コラム】「主権者国民」の責務2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-278.html
(*8):「理念よりも選挙戦術を重視する小沢」「政策なき政局一辺倒の小沢」は、以前にも同様の事を発言している。その事は以前の論考で明示済である。
2018/07/19投稿:
手段が目的化した不見識・小沢一郎
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-981.html
※副題:小沢一郎は「「原発ゼロ一本」で「選挙に勝つ」」などと国民の幸福・安寧を脇に置き、「選挙に勝つ」ことを「目的」にした技術論でしか発想していない。危険である。
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