韓国・康京和の呆れた発言
- 2019/03/27
- 20:11
韓国・康京和の呆れた発言

副題:韓国紙・中央日報の記事を読むと、そこに登場する韓国の政府・議会関係者の言動が呆れてしまうレベルであることが分かる。OECDの一員、G20の一員であるはずの韓国の政府は国際常識のレベルに達していないではないか。
以前だったら目にしなかった発言がネットの発展に伴い、耳目に入る様になった。
それは、新聞記者等の別人物によるフィルターがなくなった、或いは複数あったフィルターが少なくなったというもので望ましいことだと思う。
同時に、従前の「マイルドさ」からすると、フィルターで毒素が抜かれる前のストレートな情報が入ってくるので、中には目を疑うものもある。
それら「呆れた発言」を、ただ単に「アホだろ」と理解していては、「異文化の価値観」が分からない。
「呆れる発言」の多くが、我々日本人の価値観とは異なる「異文化の価値観」をベースにしたものだということが分かれば、それら発言の意図がより理解しやすくなる。
尚、ここでいう「理解」とは、共感のことではない。
これら「呆れた発言」のほぼ総てが、「理解した上で更なる反感を持つもの」であることが分かれば、理解と共感・反感は別物であることが分かるであろう。
今回、取り上げるのは、韓国の「外務大臣」である康京和の韓国国会での発言である。韓国紙・中央日報の「韓国外交部長官「ハノイ会談での米要求は核廃棄ではない核凍結」」(*1)との記事が題材である。
記事内容に入る前に次のことを明示しておく。
国連安保理決議を含む国際社会、日米の北朝鮮非核化の原則は「CVIDでの非核化」であり、「経済制裁解除はCVID非核化の完了後」(*2)である。
この原則が分かっていれば、記事見出しにある「米要求は核廃棄ではない核凍結」が大嘘であることが瞬時に分かるものである。
そして、同時に、韓国・文在寅政権が盛んに言ったいた、北朝鮮側のお先棒を担ぐ遷延策(*3)の目的が「北朝鮮の核の保持継続」(*4)であることを知っていれば、康京和の言っていることが、韓国・文在寅政権の「願望」であることも分かるであろう。
事実とは異なる「韓国・文在寅政権の「願望」」を口走ったのが康京和「韓国外交部長官」である。
「韓国外交部長官」とは、我が国で言えば外務大臣であり、アメリカなら国務長官である。
要するに、河野太郎大臣、ポンペオ長官と役職としては同格の存在である。
その様な役職に就いているのにも関わらず平気で虚偽を述べてしまうとの病理を記録として追加しておきたい。
ここで「追加」としたのは、韓国国防部(日本の防衛省に相当)の射撃統制レーダー照射事件の際に連続虚偽(*5)も同じ病理だからである。
今回の題材にした韓国紙・中央日報に同記事は、韓国人が書いた記事であり、バラバラと書いてあり、また、韓国の各者の発言内容が何を言いたいのかが実に分かり難いものである。
仕方がないので、この「康京和」の発言や韓国外交部(外務省)の報道官他のインチキぶりを明確化する為に、同記事の記載内容を引用して以下の様にまとめ直した。
■1:韓国の「国会で開かれた南北経済協力特別委員会」の席上のやり取り
Q:野党(自由韓国党)秋慶鎬議員
「今回のハノイ会談の時、米国は核兵器を含めた生物化学兵器の完全な廃棄を掲げたが、金正恩国務委員長が拒否してトランプ大統領と最終合意に至ることができずに決裂したのではないのか」
↓
A:康京和
「2回目の米朝首脳会談で米国が要求したのは核廃棄でなく核凍結」
Q:多分、最初のQと同じ人
「韓国政府と北朝鮮の非核化概念は同じか」
↓
A:康京和
・「非核化概念は同じだと考える」
・「そこに到達する金委員長の意志も何度も明言されている」
・「金委員長の(非核化)行動を引き出すのが課題」
■2:国会委員会後の韓国外交部の記者会見
金仁チョル報道官
・「18日の国会外交通商委員会懸案報告当時、外交部は米国側のハノイ会談時の立場を詳細に報告したことがある」
・「その時米国側は、非核化の定義に対する合意、すべての大量破壊兵器とミサイルプログラムの凍結、ロードマップ導出に優先順位を置いたと報告した」
■3:多分、記者会見の時
別の外交部当局者
・「南北米3国首脳は数回にわたって完全な非核化に対して確固たる意志を表示していたことがある」
・「そのような脈絡で理解すればよい」
まとめ直しは以上であるが、お読みいただければ分かる通り、韓国野党の最初の質問は的確である。国際社会が理解したものと同じ理解である。
この質問の意図は「事実認定」であり、その様な事実に基づき、文在寅政権を攻撃することにあると看做される。
その質問に対する康京和の回答が、実に特徴的で、「事実認定」を否定する回答を行っている。その否定の際の言い訳が「2回目の米朝首脳会談で米国が要求したのは核廃棄でなく核凍結」との虚偽なのである。
野党議員の質問者は、「そんな事、聞いたことない」という状態であったと推定される。
朝鮮半島伝統の「声闘」のお作法では、これは効果的な回答であったと思われ鵜が、「声闘」の致命的欠陥は「後刻の事実確認に耐えられない」というもので、その場をだけの虚偽を平気で述べてしまうものである。
中央日報の記事が、Q&Aの総てを掲載しているとは思えないが、質問者は「米国の要求」の真贋を追究できなかったらしく、記事での次の質問は、「韓国と北朝鮮」の関係の質問になっている。本質から離れてしまっているのである。
「韓国政府と北朝鮮の非核化概念は同じか」との質問に対しての康京和の回答のうち、最初の「非核化概念は同じだと考える」は正直に回答している。
韓国・文在寅政権の「非核化の定義」は、北朝鮮と同じく「北朝鮮の核の保持継続」であるからだ。
北朝鮮のいう「非核化」は、けして非核化などではない。
米国・日本及び国際社会とは定義が違うものだ。
その違う定義の「非核化」を韓国・文在寅政権は「北朝鮮と同じだ」と言っているのである。
従い、その点では「正直」である。一方、国際社会を北朝鮮と一緒に騙そうとしている韓国・文在寅政権は、けして正直などではない。
康京和は、「2回目の米朝首脳会談で米国が要求したのは核廃棄でなく核凍結」と述べたのだが、康京和は「米国政府の要求」を、どの様なルートで何時入手したのであろうか?
康京和がハノイ現地にいたとの話は聞いたことがない。ハノイの現場にいなかったのにこの様なことを言うのは「見てきた様なウソを言い」そのものである。
そもそも、「国際社会が認知する原則」である「核廃棄」をアメリカ或いはトランプの一存で「凍結」に変更するとの設定自体が無理筋である。
従い、これは康京和の口から出まかせの虚偽と認定しているのである。
「虚偽」との語句がダイレクトすぎると感じるのなら、「自分達の設定」を述べた「願望」と言い換えてもよい。
事実とは異なる「願望」を述べたのである。
この様な「願望」をハノイ会談開催前に述べていたのは、北朝鮮・韓国だけではなく、我が国偏向マスコミも盛んに述べていた。(*6)
多分、我が国変更マスコミの記者・編集者の中には相当数の北朝鮮・韓国シンパがいるからであろう。事実報道よりも政治的情報宣伝を優先するとの悪い体質丸出し状態であった。
「海外マスコミにも、そういう論調の記事があったぞ」と言いたい方もいると思うが、海外マスコミも、自国から遠く離れた地域のニュースのニュースソースは、その地域のマスコミ報道を流用する、との構図が分かれば、そのカラクリが分かると思う。
特に、米朝会談の場合、北朝鮮に直接取材をすることは困難であり、その際の取材先は韓国になることから、「韓国の「願望」」にニュースが染まることになるのである。
ハノイ会談の結果は、「ハノイ会談前の「願望」」とは大きく違っていたことはご承知の通りである。
「願望」を盛んに記事にしていた我が国偏向マスコミは、会談前と会談後のギャップを埋める為に「金正恩の「魔法」」なるバカバカしい「設定」まで持ち出した滑稽な醜態をさらした。(*7)
我が国偏向マスコミが持ち出した「設定」も、御本家の韓国・文在寅政権の康京和の虚偽・設定も、要するに、会談前のウソを正当化する為の新たなウソでしかないのである。
そんな事は、会談結果が出た現在では「お見通し」である。
そういう空気を韓国外交部の報道官は読んだのであろう、「外交部は長官に対して、正しい情報をちゃんと報告してます」との話をしている。
康京和の国会委員会での虚偽発言の後の韓国外交部の記者会見の際に、外交部の金仁チョル報道官は、「18日の国会外交通商委員会懸案報告当時、外交部は米国側のハノイ会談時の立場を詳細に報告したことがある」=<ちゃんと説明してます。>、「その時米国側は、非核化の定義に対する合意、すべての大量破壊兵器とミサイルプログラムの凍結、ロードマップ導出に優先順位を置いたと報告した」=<アメリカの要求は原則通り=凍結なんかじゃない、との正しい報告をしている>と話しているのである。
これは、外交部の組織としてではなく、報道官の個人の立場を優先したものだ。
組織人ならば、長官の康京和と「この事実を公表する・長官はどの様に対応するのか」のすり合わせを行った上で述べるべきものである。
勿論、その際に長官の康京和が隠蔽を指示したら、断固Noを貫き通すのが公僕としての使命である。韓国社会では難しいかもしれないが、それが公僕・公務員としての使命である。
外交部報道官が「事実を述べた」こと自体は正しいのだが、それが外交部長官を追い詰めることになると考えた別の外交部の人間が、報道官に発言に対して、苦し紛れの言い訳を追加している事が記事の最後に書かれている。
・「南北米3国首脳は数回にわたって完全な非核化に対して確固たる意志を表示していたことがある」
・「そのような脈絡で理解すればよい」
いったい何を言っているのか意味不明である。
「原則であるCVID核廃棄」なのか「願望でしかない核凍結」なのか、との命題に対して、何も答えていない。
更に奇妙なのが、「南北米3国首脳は数回にわたって」である。
今迄、南北朝鮮とアメリカの3国首脳が一堂に会して会談した事実は存在しない。
存在しているのは、米朝、米韓、南北朝鮮との二か国会談だけである。
これは発言者が言葉足らずなのか中央日報の記者が削ったのかは分からないが、何れにしろ、物事を正確には表していない。
また「そのような脈絡で理解すればよい」なる発言も最低である。
会見を開く側が「伝えたい事を伝える」との姿勢がなくなったら御仕舞である。
「そのような脈絡で理解すればよい」をそのまま受け取れば、ハノイ米朝会談前の段階で、米朝各々と会談をしたのは韓国だが、米朝会談は非核化の基本的な部分で齟齬があり合意には至らなかったのだから、韓国は、会談前に北朝鮮には北朝鮮が好みそうなことを言い、アメリカにはアメリカが好みそうなことを言うとの二枚舌を用いていた。
それが顕在化して、米朝が互いに「聞いている話と違うぞ」となり、合理に至らなかったと「理解」して良い、となってしまう。
そんなんで良いのか?
今回題材とした中央日報記事を読むと、この様に、記事に登場する総ての人物が、基本的な事が出来ていないことが分かる。
韓国は、そんな状態の国だということが分かる記事であった。
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【文末脚注】
(*1):今回の題材とした韓国紙・中央日報の記事
中央日報日本語版 2019年03月21日16時55分
見出し:◆韓国外交部長官「ハノイ会談での米要求は核廃棄ではない核凍結」
https://japanese.joins.com/article/552/251552.html
記事:○韓国外交部長官「ハノイ会談での米要求は核廃棄ではない核凍結」
○韓国外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官は21日、「2回目の米朝首脳会談で米国が要求したのは核廃棄でなく核凍結」と明らかにした。
○康長官はこの日、国会で開かれた南北経済協力特別委員会で「今回のハノイ会談の時、米国は核兵器を含めた生物化学兵器の完全な廃棄を掲げたが、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が拒否してトランプ大統領と最終合意に至ることができずに決裂したのではないのか」という秋慶鎬(チュ・ギョンホ)議員(自由韓国党)の質問にこのように答えた。
○「韓国政府と北朝鮮の非核化概念は同じか」という質問には「非核化概念は同じだと考える」とし「そこに到達する金委員長の意志も何度も明言されている」と述べた。
○あわせて「金委員長の(非核化)行動を引き出すのが課題」と付け加えた。
○このような康長官の言及に対して、同部の金仁チョル(キム・インチョル)報道官は午後の定例記者会見で「18日の国会外交通商委員会懸案報告当時、外交部は米国側のハノイ会談時の立場を詳細に報告したことがある」とし「その時米国側は、非核化の定義に対する合意、すべての大量破壊兵器とミサイルプログラムの凍結、ロードマップ導出に優先順位を置いたと報告した」と説明した。
○また別の外交部当局者は「非核化概念が同じ」と述べた康長官の発言に対して「南北米3国首脳は数回にわたって完全な非核化に対して確固たる意志を表示していたことがある」とし「そのような脈絡で理解すればよい」と強調した。
<引用終わり>
(*2):国連安保理決議を含む国際社会、日米の北朝鮮非核化の原則は「CVIDでの非核化」であり、「経済制裁解除はCVID非核化の完了後」である。
2019/03/01投稿:
米朝会談ハノイ・出口は入口にはなりません
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1124.html
(*3):韓国・文在寅政権の北朝鮮側のお先棒を担ぐ遷延策
2018/04/11投稿:
入口を出口にすり替えたい・朝鮮流遷延策
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-904.html
2018/09/21投稿:
続・入口を出口にすり替えたい・朝鮮流遷延策
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1019.html
(*4):遷延策の目的が「北朝鮮の核の保持継続」=核保有した統一朝鮮
2018/12/03投稿:
徒然に・「南北統一費用は日本が出せ」と言いたいのでしょうね。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1065.html
【ご参考】
2019/03/07投稿:
「平和をつくるためには一層強力な国防力が必要だ」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1128.html
2019/03/08投稿:
落穂拾い・文在寅の海軍士官学校での軍拡宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1129.html
(*5):韓国国防部の射撃統制レーダー照射事件の際に連続虚偽
2018/12/26投稿:
「韓国の反応」は相変わらずの「あの論法」その3・レーダー照射
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1078.html
2018/12/27投稿:
射撃統制レーダー照射・防衛省発表が的確
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1079.html
2018/12/30投稿:
公開映像の分析・韓国海軍・国防部のウソが明白に(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1080.html
2018/12/31投稿:
公開映像の分析・韓国海軍・国防部のウソが明白に(後編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1081.html
2019/01/06投稿:
韓国国防部動画の分析・「這っても黒豆」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1084.html
2019/01/07投稿:
韓国国防部動画の分析2・やっぱし「あの論法」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1085.html
【ご参考】
2019/01/22投稿:
Next stepの為の区切りを「幕引き」と報じるNHK
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1096.html
(*6):北朝鮮・韓国の「自分達の設定」を述べた「願望」をハノイ会談開催前に述べていたのは、北朝鮮・韓国だけではなく、我が国偏向マスコミも盛んに述べていた。
2019/02/21投稿:
雑音に惑わされない為に・その1(第2回米朝会談)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1116.html
(*7):「願望」を盛んに記事にしていた我が国偏向マスコミは、会談前と会談後のギャップを埋める為に「金正恩の「魔法」」なるバカバカしい「設定」まで持ち出した滑稽な醜態をさらした。
2019/03/11投稿:
「金正恩の「魔法」を使わないと虚偽が埋まらない
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1130.html
2019/03/12投稿:
続・「金正恩の「魔法」を使わないと虚偽が埋まらない
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1131.html
2019/03/15投稿:
「空爆での非核化」の方が良いのですか?
<続々・「金正恩の「魔法」を使わないと虚偽が埋まらない>
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1134.html
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副題:韓国紙・中央日報の記事を読むと、そこに登場する韓国の政府・議会関係者の言動が呆れてしまうレベルであることが分かる。OECDの一員、G20の一員であるはずの韓国の政府は国際常識のレベルに達していないではないか。
以前だったら目にしなかった発言がネットの発展に伴い、耳目に入る様になった。
それは、新聞記者等の別人物によるフィルターがなくなった、或いは複数あったフィルターが少なくなったというもので望ましいことだと思う。
同時に、従前の「マイルドさ」からすると、フィルターで毒素が抜かれる前のストレートな情報が入ってくるので、中には目を疑うものもある。
それら「呆れた発言」を、ただ単に「アホだろ」と理解していては、「異文化の価値観」が分からない。
「呆れる発言」の多くが、我々日本人の価値観とは異なる「異文化の価値観」をベースにしたものだということが分かれば、それら発言の意図がより理解しやすくなる。
尚、ここでいう「理解」とは、共感のことではない。
これら「呆れた発言」のほぼ総てが、「理解した上で更なる反感を持つもの」であることが分かれば、理解と共感・反感は別物であることが分かるであろう。
今回、取り上げるのは、韓国の「外務大臣」である康京和の韓国国会での発言である。韓国紙・中央日報の「韓国外交部長官「ハノイ会談での米要求は核廃棄ではない核凍結」」(*1)との記事が題材である。
記事内容に入る前に次のことを明示しておく。
国連安保理決議を含む国際社会、日米の北朝鮮非核化の原則は「CVIDでの非核化」であり、「経済制裁解除はCVID非核化の完了後」(*2)である。
この原則が分かっていれば、記事見出しにある「米要求は核廃棄ではない核凍結」が大嘘であることが瞬時に分かるものである。
そして、同時に、韓国・文在寅政権が盛んに言ったいた、北朝鮮側のお先棒を担ぐ遷延策(*3)の目的が「北朝鮮の核の保持継続」(*4)であることを知っていれば、康京和の言っていることが、韓国・文在寅政権の「願望」であることも分かるであろう。
事実とは異なる「韓国・文在寅政権の「願望」」を口走ったのが康京和「韓国外交部長官」である。
「韓国外交部長官」とは、我が国で言えば外務大臣であり、アメリカなら国務長官である。
要するに、河野太郎大臣、ポンペオ長官と役職としては同格の存在である。
その様な役職に就いているのにも関わらず平気で虚偽を述べてしまうとの病理を記録として追加しておきたい。
ここで「追加」としたのは、韓国国防部(日本の防衛省に相当)の射撃統制レーダー照射事件の際に連続虚偽(*5)も同じ病理だからである。
今回の題材にした韓国紙・中央日報に同記事は、韓国人が書いた記事であり、バラバラと書いてあり、また、韓国の各者の発言内容が何を言いたいのかが実に分かり難いものである。
仕方がないので、この「康京和」の発言や韓国外交部(外務省)の報道官他のインチキぶりを明確化する為に、同記事の記載内容を引用して以下の様にまとめ直した。
■1:韓国の「国会で開かれた南北経済協力特別委員会」の席上のやり取り
Q:野党(自由韓国党)秋慶鎬議員
「今回のハノイ会談の時、米国は核兵器を含めた生物化学兵器の完全な廃棄を掲げたが、金正恩国務委員長が拒否してトランプ大統領と最終合意に至ることができずに決裂したのではないのか」
↓
A:康京和
「2回目の米朝首脳会談で米国が要求したのは核廃棄でなく核凍結」
Q:多分、最初のQと同じ人
「韓国政府と北朝鮮の非核化概念は同じか」
↓
A:康京和
・「非核化概念は同じだと考える」
・「そこに到達する金委員長の意志も何度も明言されている」
・「金委員長の(非核化)行動を引き出すのが課題」
■2:国会委員会後の韓国外交部の記者会見
金仁チョル報道官
・「18日の国会外交通商委員会懸案報告当時、外交部は米国側のハノイ会談時の立場を詳細に報告したことがある」
・「その時米国側は、非核化の定義に対する合意、すべての大量破壊兵器とミサイルプログラムの凍結、ロードマップ導出に優先順位を置いたと報告した」
■3:多分、記者会見の時
別の外交部当局者
・「南北米3国首脳は数回にわたって完全な非核化に対して確固たる意志を表示していたことがある」
・「そのような脈絡で理解すればよい」
まとめ直しは以上であるが、お読みいただければ分かる通り、韓国野党の最初の質問は的確である。国際社会が理解したものと同じ理解である。
この質問の意図は「事実認定」であり、その様な事実に基づき、文在寅政権を攻撃することにあると看做される。
その質問に対する康京和の回答が、実に特徴的で、「事実認定」を否定する回答を行っている。その否定の際の言い訳が「2回目の米朝首脳会談で米国が要求したのは核廃棄でなく核凍結」との虚偽なのである。
野党議員の質問者は、「そんな事、聞いたことない」という状態であったと推定される。
朝鮮半島伝統の「声闘」のお作法では、これは効果的な回答であったと思われ鵜が、「声闘」の致命的欠陥は「後刻の事実確認に耐えられない」というもので、その場をだけの虚偽を平気で述べてしまうものである。
中央日報の記事が、Q&Aの総てを掲載しているとは思えないが、質問者は「米国の要求」の真贋を追究できなかったらしく、記事での次の質問は、「韓国と北朝鮮」の関係の質問になっている。本質から離れてしまっているのである。
「韓国政府と北朝鮮の非核化概念は同じか」との質問に対しての康京和の回答のうち、最初の「非核化概念は同じだと考える」は正直に回答している。
韓国・文在寅政権の「非核化の定義」は、北朝鮮と同じく「北朝鮮の核の保持継続」であるからだ。
北朝鮮のいう「非核化」は、けして非核化などではない。
米国・日本及び国際社会とは定義が違うものだ。
その違う定義の「非核化」を韓国・文在寅政権は「北朝鮮と同じだ」と言っているのである。
従い、その点では「正直」である。一方、国際社会を北朝鮮と一緒に騙そうとしている韓国・文在寅政権は、けして正直などではない。
康京和は、「2回目の米朝首脳会談で米国が要求したのは核廃棄でなく核凍結」と述べたのだが、康京和は「米国政府の要求」を、どの様なルートで何時入手したのであろうか?
康京和がハノイ現地にいたとの話は聞いたことがない。ハノイの現場にいなかったのにこの様なことを言うのは「見てきた様なウソを言い」そのものである。
そもそも、「国際社会が認知する原則」である「核廃棄」をアメリカ或いはトランプの一存で「凍結」に変更するとの設定自体が無理筋である。
従い、これは康京和の口から出まかせの虚偽と認定しているのである。
「虚偽」との語句がダイレクトすぎると感じるのなら、「自分達の設定」を述べた「願望」と言い換えてもよい。
事実とは異なる「願望」を述べたのである。
この様な「願望」をハノイ会談開催前に述べていたのは、北朝鮮・韓国だけではなく、我が国偏向マスコミも盛んに述べていた。(*6)
多分、我が国変更マスコミの記者・編集者の中には相当数の北朝鮮・韓国シンパがいるからであろう。事実報道よりも政治的情報宣伝を優先するとの悪い体質丸出し状態であった。
「海外マスコミにも、そういう論調の記事があったぞ」と言いたい方もいると思うが、海外マスコミも、自国から遠く離れた地域のニュースのニュースソースは、その地域のマスコミ報道を流用する、との構図が分かれば、そのカラクリが分かると思う。
特に、米朝会談の場合、北朝鮮に直接取材をすることは困難であり、その際の取材先は韓国になることから、「韓国の「願望」」にニュースが染まることになるのである。
ハノイ会談の結果は、「ハノイ会談前の「願望」」とは大きく違っていたことはご承知の通りである。
「願望」を盛んに記事にしていた我が国偏向マスコミは、会談前と会談後のギャップを埋める為に「金正恩の「魔法」」なるバカバカしい「設定」まで持ち出した滑稽な醜態をさらした。(*7)
我が国偏向マスコミが持ち出した「設定」も、御本家の韓国・文在寅政権の康京和の虚偽・設定も、要するに、会談前のウソを正当化する為の新たなウソでしかないのである。
そんな事は、会談結果が出た現在では「お見通し」である。
そういう空気を韓国外交部の報道官は読んだのであろう、「外交部は長官に対して、正しい情報をちゃんと報告してます」との話をしている。
康京和の国会委員会での虚偽発言の後の韓国外交部の記者会見の際に、外交部の金仁チョル報道官は、「18日の国会外交通商委員会懸案報告当時、外交部は米国側のハノイ会談時の立場を詳細に報告したことがある」=<ちゃんと説明してます。>、「その時米国側は、非核化の定義に対する合意、すべての大量破壊兵器とミサイルプログラムの凍結、ロードマップ導出に優先順位を置いたと報告した」=<アメリカの要求は原則通り=凍結なんかじゃない、との正しい報告をしている>と話しているのである。
これは、外交部の組織としてではなく、報道官の個人の立場を優先したものだ。
組織人ならば、長官の康京和と「この事実を公表する・長官はどの様に対応するのか」のすり合わせを行った上で述べるべきものである。
勿論、その際に長官の康京和が隠蔽を指示したら、断固Noを貫き通すのが公僕としての使命である。韓国社会では難しいかもしれないが、それが公僕・公務員としての使命である。
外交部報道官が「事実を述べた」こと自体は正しいのだが、それが外交部長官を追い詰めることになると考えた別の外交部の人間が、報道官に発言に対して、苦し紛れの言い訳を追加している事が記事の最後に書かれている。
・「南北米3国首脳は数回にわたって完全な非核化に対して確固たる意志を表示していたことがある」
・「そのような脈絡で理解すればよい」
いったい何を言っているのか意味不明である。
「原則であるCVID核廃棄」なのか「願望でしかない核凍結」なのか、との命題に対して、何も答えていない。
更に奇妙なのが、「南北米3国首脳は数回にわたって」である。
今迄、南北朝鮮とアメリカの3国首脳が一堂に会して会談した事実は存在しない。
存在しているのは、米朝、米韓、南北朝鮮との二か国会談だけである。
これは発言者が言葉足らずなのか中央日報の記者が削ったのかは分からないが、何れにしろ、物事を正確には表していない。
また「そのような脈絡で理解すればよい」なる発言も最低である。
会見を開く側が「伝えたい事を伝える」との姿勢がなくなったら御仕舞である。
「そのような脈絡で理解すればよい」をそのまま受け取れば、ハノイ米朝会談前の段階で、米朝各々と会談をしたのは韓国だが、米朝会談は非核化の基本的な部分で齟齬があり合意には至らなかったのだから、韓国は、会談前に北朝鮮には北朝鮮が好みそうなことを言い、アメリカにはアメリカが好みそうなことを言うとの二枚舌を用いていた。
それが顕在化して、米朝が互いに「聞いている話と違うぞ」となり、合理に至らなかったと「理解」して良い、となってしまう。
そんなんで良いのか?
今回題材とした中央日報記事を読むと、この様に、記事に登場する総ての人物が、基本的な事が出来ていないことが分かる。
韓国は、そんな状態の国だということが分かる記事であった。
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【文末脚注】
(*1):今回の題材とした韓国紙・中央日報の記事
中央日報日本語版 2019年03月21日16時55分
見出し:◆韓国外交部長官「ハノイ会談での米要求は核廃棄ではない核凍結」
https://japanese.joins.com/article/552/251552.html
記事:○韓国外交部長官「ハノイ会談での米要求は核廃棄ではない核凍結」
○韓国外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官は21日、「2回目の米朝首脳会談で米国が要求したのは核廃棄でなく核凍結」と明らかにした。
○康長官はこの日、国会で開かれた南北経済協力特別委員会で「今回のハノイ会談の時、米国は核兵器を含めた生物化学兵器の完全な廃棄を掲げたが、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が拒否してトランプ大統領と最終合意に至ることができずに決裂したのではないのか」という秋慶鎬(チュ・ギョンホ)議員(自由韓国党)の質問にこのように答えた。
○「韓国政府と北朝鮮の非核化概念は同じか」という質問には「非核化概念は同じだと考える」とし「そこに到達する金委員長の意志も何度も明言されている」と述べた。
○あわせて「金委員長の(非核化)行動を引き出すのが課題」と付け加えた。
○このような康長官の言及に対して、同部の金仁チョル(キム・インチョル)報道官は午後の定例記者会見で「18日の国会外交通商委員会懸案報告当時、外交部は米国側のハノイ会談時の立場を詳細に報告したことがある」とし「その時米国側は、非核化の定義に対する合意、すべての大量破壊兵器とミサイルプログラムの凍結、ロードマップ導出に優先順位を置いたと報告した」と説明した。
○また別の外交部当局者は「非核化概念が同じ」と述べた康長官の発言に対して「南北米3国首脳は数回にわたって完全な非核化に対して確固たる意志を表示していたことがある」とし「そのような脈絡で理解すればよい」と強調した。
<引用終わり>
(*2):国連安保理決議を含む国際社会、日米の北朝鮮非核化の原則は「CVIDでの非核化」であり、「経済制裁解除はCVID非核化の完了後」である。
2019/03/01投稿:
米朝会談ハノイ・出口は入口にはなりません
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1124.html
(*3):韓国・文在寅政権の北朝鮮側のお先棒を担ぐ遷延策
2018/04/11投稿:
入口を出口にすり替えたい・朝鮮流遷延策
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-904.html
2018/09/21投稿:
続・入口を出口にすり替えたい・朝鮮流遷延策
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1019.html
(*4):遷延策の目的が「北朝鮮の核の保持継続」=核保有した統一朝鮮
2018/12/03投稿:
徒然に・「南北統一費用は日本が出せ」と言いたいのでしょうね。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1065.html
【ご参考】
2019/03/07投稿:
「平和をつくるためには一層強力な国防力が必要だ」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1128.html
2019/03/08投稿:
落穂拾い・文在寅の海軍士官学校での軍拡宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1129.html
(*5):韓国国防部の射撃統制レーダー照射事件の際に連続虚偽
2018/12/26投稿:
「韓国の反応」は相変わらずの「あの論法」その3・レーダー照射
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2018/12/27投稿:
射撃統制レーダー照射・防衛省発表が的確
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1079.html
2018/12/30投稿:
公開映像の分析・韓国海軍・国防部のウソが明白に(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1080.html
2018/12/31投稿:
公開映像の分析・韓国海軍・国防部のウソが明白に(後編)
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2019/01/06投稿:
韓国国防部動画の分析・「這っても黒豆」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1084.html
2019/01/07投稿:
韓国国防部動画の分析2・やっぱし「あの論法」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1085.html
【ご参考】
2019/01/22投稿:
Next stepの為の区切りを「幕引き」と報じるNHK
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1096.html
(*6):北朝鮮・韓国の「自分達の設定」を述べた「願望」をハノイ会談開催前に述べていたのは、北朝鮮・韓国だけではなく、我が国偏向マスコミも盛んに述べていた。
2019/02/21投稿:
雑音に惑わされない為に・その1(第2回米朝会談)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1116.html
(*7):「願望」を盛んに記事にしていた我が国偏向マスコミは、会談前と会談後のギャップを埋める為に「金正恩の「魔法」」なるバカバカしい「設定」まで持ち出した滑稽な醜態をさらした。
2019/03/11投稿:
「金正恩の「魔法」を使わないと虚偽が埋まらない
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1130.html
2019/03/12投稿:
続・「金正恩の「魔法」を使わないと虚偽が埋まらない
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1131.html
2019/03/15投稿:
「空爆での非核化」の方が良いのですか?
<続々・「金正恩の「魔法」を使わないと虚偽が埋まらない>
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1134.html
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