仁川上陸作戦「被害」補償
- 2019/03/25
- 19:26
仁川上陸作戦「被害」補償

さすがの韓国人も非常識だとの指摘をしている「仁川上陸作戦「被害」補償」。しかし、相手が日本である「慰安婦」、「自称「徴用工」」他に関しては、韓国社会では非常識だとの指摘がされていない。
韓国紙・中央日報の記事、見出し「◆仁川上陸作戦被害補償推進…韓国与党「壬辰倭乱も補償するのか」(*1)を読んだ。
同記事は、朝鮮戦争の際の仁川上陸作戦で、当時、上陸作戦が実施された仁川港の海からの入口付近に位置している月尾島での「住民被害」を補償せよという訴訟に関するものである。
同島は、仁川港への海からの侵攻を防ぐ為の要塞となっており、仁川上陸作戦実施の際には、最初に無力化しておく必要があり、上陸前の制圧攻撃が行われた。
仁川上陸作戦が行われたのは1950年9月15日である。
朝鮮戦争は、1950年6月25日未明に金日成・北朝鮮による南侵で始まった。
T-34戦車などが装備されていた北朝鮮軍は、軽微な武装しかしていなかった韓国側を鎧袖一触、あっと言う間に韓国の首都・ソウルを陥落させた。
その際に、当時に韓国大統領の李承晩は、逃げ遅れた国民がまだ多数いるのに漢江に架かっている橋を爆破(1950年6月28日)させたり、侵攻当日には北朝鮮・労働党の南半部勢力・南労党の一派だと疑われた人物を裁判なく処刑する命令を下したりした。
この様に、李承晩は、李承晩ラインの設定・竹島占拠だけでなく、信託統治期間の短縮強行や、朝鮮戦争時の行動等の史実から、異常な事をし続けた人物であることが分かるであろう。
話を戻す。開戦後3日でソウルは陥落した。
その後も北朝鮮の侵攻は続き、米韓両軍は同年8月の時点では、朝鮮半島南端の釜山一帯の狭い地域まで押し込まれ、韓国の滅亡は時間の問題だとされた。
その様な危機的状態を一気に逆転する作戦が仁川上陸作戦である。
仁川は、ソウルの西方、黄海に面した港湾都市で、そこに上陸することで、補給線が延びた北朝鮮軍の先鋒を包囲・孤立させ、釜山の危機を救う作戦である。
「インチョン・ギャンブル」と称され、勝算が薄いとされた上陸作戦は成功し、米韓両軍は釜山から海に追い落とされることはなくなり、以降、反撃攻勢に転じたのであった。
ちょっと長くなったが、「仁川上陸作戦」とは、韓国の滅亡が眼前に迫った時の一発逆転の戦いであり、「今も韓国が存在しているのは仁川での作戦があったから」というものなのである。
1950年9月の出来事とは、朝鮮戦争の帰趨の視点からは、この様な位置付けなのである。
また、住民側の立場を、その視点で言えば、「韓国国民である住人は、北朝鮮軍の侵攻で居住地が占領され、居住地奪還作戦の際に、巻き添えで多数の死傷者が出た」である。
常識的には、「お気の毒の事」である。
そして、国民国家の一員との概念に軸足に置けば、お気の毒ではあるが、自国存亡の危機を解消した軍事作戦で落命したとしても、それを「補償せよ」という事にはならないと考えるのも常識である。国際社会に於いては、その様に考える事はご承知のことだと思う。
それ故に、「補償せよ」との考え方は、国民国家の一員との立場を脇に置いた利己的な主張であり、国際社会とは違う韓国文化が背景にある問題だと言える。
記事によると、「補償せよ」と訴えている集団が補償を求めた先は、韓国国防部、仁川市、米国政府、国連だそうだ。
2011年2月に、仁川地方法院にて行われた損害賠償請求訴訟は、当然の様に敗訴し、退けられた。
今回の騒動は、文在寅が所属する「共に民主党」の議員が仁川市議会で、再々度の「被害補償条例」の制定を試みたことによる。
「裁判がダメなら市条例で」「市条例制定が否決されれば、日をおいて、なんども繰り返す」とのやり方である。
我が国でも、カタカナ表記「サヨク」が常用している戦法である。
この様な「共に民主党」の動きに対して、他の勢力等からは以下の様な批判的指摘が出ていると中央日報記事は伝えている。
・「過度な被害補償適用」
・「第2次世界大戦の時も軍事作戦でベルギーなどが廃虚になったが、このために被害補償をしたことがない」
・「韓国戦争(朝鮮戦争)で全国民が被害を受けたが、仁川上陸作戦に対してだけ唯一被害を補償しろというのは無理な主張」
・「仁川上陸作戦による被害を補償するべきだと主張するのであれば、これに先立って韓国戦争で韓国に莫大な被害をもたらした北朝鮮政権に対して被害補償を請求してこそ正しい」
・「戦犯である北朝鮮には何も言えないくせにわれわれをサポートしてくれた国連軍に被害を補償しろと、市民団体側の声に歩調を合わせるのが文在寅(ムン・ジェイン)政府がいう正しい社会なのか」
「共に民主党」の政治姿勢は、同党の文在寅の姿勢と同じであり、国際常識など脇に置き、自分達の願望・理屈だけで突っ走るものであることから、韓国国内に於いても、さすがにこの様な批判的な指摘が出てくるものと解することが出来る。
上記した様に、韓国に軸足を置く韓国人ならば、自国存亡の危機を解消した軍事作戦を対象に損害賠償の訴訟を起こす事は実に奇異なものであるのだから、この様な批判は真っ当である。
そうであるにも関わらず、「共に民主党」は、損害賠償を条例化しようとしている。
このギャップを埋めるのは、実は簡単である。
「共に民主党」の視点が、軸足が、北朝鮮にあると理解すれば解決する。
文在寅の政治姿勢が北朝鮮にベッタリなのだから、簡単に理解できると思う。
仁川上陸作戦は、韓国側視点では「国家存亡の危機を救った作戦」であるが、北朝鮮側視点では「後一歩だった祖国統一を邪魔された作戦」であるからだ。
【時間の問題と言われた釜山包囲作戦での米韓追い落としが出来なかったのは、仁川に上陸され、釜山攻略軍の補給線は分断され攻略作戦が継続できなかったからだ。折角の祖国統一が実現しなかったのは、マッカーサーが仁川上陸作戦をやって邪魔をしたからだ。】
こんな事を考えているので、仁川上陸作戦=悪、悪による損害は賠償請求、国際常識と違っていれもウリの感情が大事とのパターン思考での訴訟・賠償条約制定の動きになっているのである。
「○○=悪、悪による損害は賠償請求、国際常識と違っていれもウリの感情が大事」との韓国での思考パターンは、「慰安婦」、自称「徴用工」、「レーダー照射」でお馴染みだ。
「日本=悪」との根拠なき「韓国社会の公理」が存在しているので、このパターンでの「問題提起」に異論が出ることは少ない。(*2)
我々日本人からすれば、その何れもが異常なものであることは言うまでもない。
一方、今回の仁川の問題は「仁川上陸作戦=悪」が、韓国社会での公理になっていないので、上記した様な、「共に民主党」以外の方々から批判が登場する。
そういう構造なのである。
仁川上陸作戦は1950年9月の出来事であり、2019年の今からカウントすれば、69年前の出来事であり、随分と昔の出来事を今になっても騒いでいるのが韓国である。
その様に視点については、この訴訟や条約制定を批判している側からも指摘されていない。
何故なら、1950年よりも古い「1945年以前の日帝」を批判できないからである。
実に都合のよい人達である。
国際社会の常識からすれば、1945年も1950年も「昔過ぎる」となるのだが、「韓国社会の公理」では、それが言えないのである。
中央日報の記事は、その点に関して、「もっと古い話」を持ち出して、直接の言及を避けているのである。
それが、中央日報の見出しにある「壬辰倭乱も補償するのか」の正体である。
尚、「壬辰倭乱」とは韓国での呼称である。我が国では、文禄・慶長の役の「文禄の役」(1592年)のことである。今から約430年前の話に持っていかなくては、「昔過ぎる」との話が出来ないのである。
それほど、「韓国社会での公理」である「日本=悪」との史実に基づかない思考パターンが強固なのである。本当にやっかいである。
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【文末脚注】
(*1):韓国紙・中央日報記事
中央日報日本語版 2019年03月22日 07時08分
見出し:◆仁川上陸作戦被害補償推進…韓国与党「壬辰倭乱も補償するのか」
https://s.japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=251556
記事:○歴史的事件に対する被害補償はどこまで拡大すしていくのだろうか。
○ 仁川市(インチョンシ)議会が15日、仁川上陸作戦で被害を受けた「月尾島(ウォルミド)原住民」または相続人に生活安定支援金を支給する内容の「過去事被害住民生活安全支援条例案」を通過させたことが政界の論争イシューに浮上した。仁川市議会は1950年9月15日に起きた仁川上陸作戦時当時、国連軍の爆撃によって月尾島住民が死亡もしくは離郷を余儀なくされたために、彼らに対して補償が必要だという立場だ。
○仁川地域の一部市民団体は仁川上陸作戦当時、国連軍が無理な作戦を実行したせいで被害が大きかったとし、被害の補償を主張してきた。2006年に当時、与党「開かれたウリ党」韓光元(ハン・グァンウォン)議員らが「月尾島事件の真相究明および被害住民補償に関する特別法」を発議しながら被害補償について本格的な議論が行われるようになった。だが、特別な進展を見られないため「月尾島原住民帰郷対策委員会」は2011年2月、仁川地方法院に「国防部と仁川市、米国政府、国連は月尾島原住民1世帯当たり300万ウォン(約29万円)ずつ合計1億3500万ウォンを賠償せよ」と求める損害賠償請求訴訟を起こし、敗訴した。政府は「原住民だと主張する人々が実際に月尾島に住んだという土地台帳など根拠がない」と主張し、月尾島原住民側は「仁川上陸作戦で資料が消失した」と対抗した。
○仁川市議会が被害補償条例制定を試みたのは今回が3度目だ。安炳培(アン・ビョンベ)議員(共に民主党)が発議して2011年と2014年の2回にわたって条例指定を試みたが上位法と衝突するという理由で否決された。
○だが、今年に入り法制処が「月尾島被害者のうち仁川居住者に対する生活安全支援は地方自治体業務」とする担当責任解釈を下すと、これを根拠に条例を制定した。現在、仁川市議会は議員37人のうち民主党議員が34人で、この条例を通過させた企画行政委員会は7人全員が民主党だ。しかし、このような条例指定に対して「過度な被害補償適用」という批判もある。匿名を求めたある歴史専門家は「第2次世界大戦の時も軍事作戦でベルギーなどが廃虚になったが、このために被害補償をしたことがない」とし「韓国戦争(朝鮮戦争)で全国民が被害を受けたが、仁川上陸作戦に対してだけ唯一被害を補償しろというのは無理な主張」と指摘した。
○野党「自由韓国党」の全希卿(チョン・ヒギョン)報道官は「仁川上陸作戦による被害を補償するべきだと主張するのであれば、これに先立って韓国戦争で韓国に莫大な被害をもたらした北朝鮮政権に対して被害補償を請求してこそ正しい」とし「戦犯である北朝鮮には何も言えないくせにわれわれをサポートしてくれた国連軍に被害を補償しろと、市民団体側の声に歩調を合わせるのが文在寅(ムン・ジェイン)政府がいう正しい社会なのか」と批判した。
○これに先立ち、文化体育観光部が昨年9月から「東学農民革命参加者名誉回復審議委員会」を作って遺族登録業務に出たのも俎上に上った。これは盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府が2004年関連記念事業を行って3644人の東学農民革命参加者と1万567人の遺族を参加者および遺族名簿に登録したことに対する後続作業だ。湖南(ホナム)地域の議員は「東学革命の犠牲者が20万~30万人に達するのに、1万人余りの登録はあまり少ない」とし、登録申請期間制限を解除した改正案を上程して通過させた。
○だが、124年前の朝鮮時代に起きた事件に対して税金を投じて名誉回復を行うことが適切なかどうかをめぐって論争になった。韓国党関係者は「この有様では、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)被害の補償や四大士禍被害者名誉回復の話が出るのでは」としながら「民主党は、民生を改善させる自信がないから歴史にばかり執着している」と主張した。
<引用終わり>
(*2):「日本=悪、悪による損害は賠償請求、国際常識と違っていれもウリの感情が大事」との韓国での思考パターンは、「慰安婦」、自称「徴用工」、「レーダー照射」でお馴染みだ。「日本=悪」との根拠なき「韓国社会の公理」が存在しているので、このパターンでの「問題提起」に異論が出ることは少ない。
我々日本人からすれば、その何れもが異常なものであることは言うまでもない。
<日韓慰安婦合意破棄>
2018/11/22投稿:
自分で解決する能力・意思がない韓国
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1059.html
2019/01/30投稿:
「慰安婦財団」を解散し責任から逃げ出す韓国政府
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1101.html など
<文喜相の限度を超えた発言>
2019/02/10投稿:
文喜相の限度を超えた発言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1108.html
2019/02/16投稿:
【追記】続・文喜相の限度を超えた発言・韓国語和訳の紹介
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1114.html など
<日韓基本条約を反故にする自称「徴用工」判決>
2018/11/03投稿:
徴用工・韓国「最高裁」判決雑感2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1046.html
2018/11/13投稿:
わざわざ新日鉄本社に押し掛ける韓国側原告ら
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1052.html など
<準戦闘行為である射撃統制レーダー照射事件>
2019/01/07投稿:
韓国国防部動画の分析2・やっぱし「あの論法」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1085.html など
<3.1運動100周年記念演説>
2019/03/05投稿:
(資料編)文在寅3.1演説・日本は「慰安婦」「徴用工」の問題を解決せよ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1126.html
2019/02/28投稿:
(資料編)「3.1運動100周年」考の関する歴史年表
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1123.html など
<海軍士官学校卒業式での文在寅の演説>
2019/03/07投稿:
「平和をつくるためには一層強力な国防力が必要だ」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1128.html
2019/03/08投稿:
落穂ひろい・文在寅の海軍士官学校での軍拡宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1129.html など
【ご参考】
※仁川にあるマッカーサー像放火事件。今回と同根の話。
2018/07/31投稿:
事実確認も検証もしない韓国人・カッマーサー像放火
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-989.html
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さすがの韓国人も非常識だとの指摘をしている「仁川上陸作戦「被害」補償」。しかし、相手が日本である「慰安婦」、「自称「徴用工」」他に関しては、韓国社会では非常識だとの指摘がされていない。
韓国紙・中央日報の記事、見出し「◆仁川上陸作戦被害補償推進…韓国与党「壬辰倭乱も補償するのか」(*1)を読んだ。
同記事は、朝鮮戦争の際の仁川上陸作戦で、当時、上陸作戦が実施された仁川港の海からの入口付近に位置している月尾島での「住民被害」を補償せよという訴訟に関するものである。
同島は、仁川港への海からの侵攻を防ぐ為の要塞となっており、仁川上陸作戦実施の際には、最初に無力化しておく必要があり、上陸前の制圧攻撃が行われた。
仁川上陸作戦が行われたのは1950年9月15日である。
朝鮮戦争は、1950年6月25日未明に金日成・北朝鮮による南侵で始まった。
T-34戦車などが装備されていた北朝鮮軍は、軽微な武装しかしていなかった韓国側を鎧袖一触、あっと言う間に韓国の首都・ソウルを陥落させた。
その際に、当時に韓国大統領の李承晩は、逃げ遅れた国民がまだ多数いるのに漢江に架かっている橋を爆破(1950年6月28日)させたり、侵攻当日には北朝鮮・労働党の南半部勢力・南労党の一派だと疑われた人物を裁判なく処刑する命令を下したりした。
この様に、李承晩は、李承晩ラインの設定・竹島占拠だけでなく、信託統治期間の短縮強行や、朝鮮戦争時の行動等の史実から、異常な事をし続けた人物であることが分かるであろう。
話を戻す。開戦後3日でソウルは陥落した。
その後も北朝鮮の侵攻は続き、米韓両軍は同年8月の時点では、朝鮮半島南端の釜山一帯の狭い地域まで押し込まれ、韓国の滅亡は時間の問題だとされた。
その様な危機的状態を一気に逆転する作戦が仁川上陸作戦である。
仁川は、ソウルの西方、黄海に面した港湾都市で、そこに上陸することで、補給線が延びた北朝鮮軍の先鋒を包囲・孤立させ、釜山の危機を救う作戦である。
「インチョン・ギャンブル」と称され、勝算が薄いとされた上陸作戦は成功し、米韓両軍は釜山から海に追い落とされることはなくなり、以降、反撃攻勢に転じたのであった。
ちょっと長くなったが、「仁川上陸作戦」とは、韓国の滅亡が眼前に迫った時の一発逆転の戦いであり、「今も韓国が存在しているのは仁川での作戦があったから」というものなのである。
1950年9月の出来事とは、朝鮮戦争の帰趨の視点からは、この様な位置付けなのである。
また、住民側の立場を、その視点で言えば、「韓国国民である住人は、北朝鮮軍の侵攻で居住地が占領され、居住地奪還作戦の際に、巻き添えで多数の死傷者が出た」である。
常識的には、「お気の毒の事」である。
そして、国民国家の一員との概念に軸足に置けば、お気の毒ではあるが、自国存亡の危機を解消した軍事作戦で落命したとしても、それを「補償せよ」という事にはならないと考えるのも常識である。国際社会に於いては、その様に考える事はご承知のことだと思う。
それ故に、「補償せよ」との考え方は、国民国家の一員との立場を脇に置いた利己的な主張であり、国際社会とは違う韓国文化が背景にある問題だと言える。
記事によると、「補償せよ」と訴えている集団が補償を求めた先は、韓国国防部、仁川市、米国政府、国連だそうだ。
2011年2月に、仁川地方法院にて行われた損害賠償請求訴訟は、当然の様に敗訴し、退けられた。
今回の騒動は、文在寅が所属する「共に民主党」の議員が仁川市議会で、再々度の「被害補償条例」の制定を試みたことによる。
「裁判がダメなら市条例で」「市条例制定が否決されれば、日をおいて、なんども繰り返す」とのやり方である。
我が国でも、カタカナ表記「サヨク」が常用している戦法である。
この様な「共に民主党」の動きに対して、他の勢力等からは以下の様な批判的指摘が出ていると中央日報記事は伝えている。
・「過度な被害補償適用」
・「第2次世界大戦の時も軍事作戦でベルギーなどが廃虚になったが、このために被害補償をしたことがない」
・「韓国戦争(朝鮮戦争)で全国民が被害を受けたが、仁川上陸作戦に対してだけ唯一被害を補償しろというのは無理な主張」
・「仁川上陸作戦による被害を補償するべきだと主張するのであれば、これに先立って韓国戦争で韓国に莫大な被害をもたらした北朝鮮政権に対して被害補償を請求してこそ正しい」
・「戦犯である北朝鮮には何も言えないくせにわれわれをサポートしてくれた国連軍に被害を補償しろと、市民団体側の声に歩調を合わせるのが文在寅(ムン・ジェイン)政府がいう正しい社会なのか」
「共に民主党」の政治姿勢は、同党の文在寅の姿勢と同じであり、国際常識など脇に置き、自分達の願望・理屈だけで突っ走るものであることから、韓国国内に於いても、さすがにこの様な批判的な指摘が出てくるものと解することが出来る。
上記した様に、韓国に軸足を置く韓国人ならば、自国存亡の危機を解消した軍事作戦を対象に損害賠償の訴訟を起こす事は実に奇異なものであるのだから、この様な批判は真っ当である。
そうであるにも関わらず、「共に民主党」は、損害賠償を条例化しようとしている。
このギャップを埋めるのは、実は簡単である。
「共に民主党」の視点が、軸足が、北朝鮮にあると理解すれば解決する。
文在寅の政治姿勢が北朝鮮にベッタリなのだから、簡単に理解できると思う。
仁川上陸作戦は、韓国側視点では「国家存亡の危機を救った作戦」であるが、北朝鮮側視点では「後一歩だった祖国統一を邪魔された作戦」であるからだ。
【時間の問題と言われた釜山包囲作戦での米韓追い落としが出来なかったのは、仁川に上陸され、釜山攻略軍の補給線は分断され攻略作戦が継続できなかったからだ。折角の祖国統一が実現しなかったのは、マッカーサーが仁川上陸作戦をやって邪魔をしたからだ。】
こんな事を考えているので、仁川上陸作戦=悪、悪による損害は賠償請求、国際常識と違っていれもウリの感情が大事とのパターン思考での訴訟・賠償条約制定の動きになっているのである。
「○○=悪、悪による損害は賠償請求、国際常識と違っていれもウリの感情が大事」との韓国での思考パターンは、「慰安婦」、自称「徴用工」、「レーダー照射」でお馴染みだ。
「日本=悪」との根拠なき「韓国社会の公理」が存在しているので、このパターンでの「問題提起」に異論が出ることは少ない。(*2)
我々日本人からすれば、その何れもが異常なものであることは言うまでもない。
一方、今回の仁川の問題は「仁川上陸作戦=悪」が、韓国社会での公理になっていないので、上記した様な、「共に民主党」以外の方々から批判が登場する。
そういう構造なのである。
仁川上陸作戦は1950年9月の出来事であり、2019年の今からカウントすれば、69年前の出来事であり、随分と昔の出来事を今になっても騒いでいるのが韓国である。
その様に視点については、この訴訟や条約制定を批判している側からも指摘されていない。
何故なら、1950年よりも古い「1945年以前の日帝」を批判できないからである。
実に都合のよい人達である。
国際社会の常識からすれば、1945年も1950年も「昔過ぎる」となるのだが、「韓国社会の公理」では、それが言えないのである。
中央日報の記事は、その点に関して、「もっと古い話」を持ち出して、直接の言及を避けているのである。
それが、中央日報の見出しにある「壬辰倭乱も補償するのか」の正体である。
尚、「壬辰倭乱」とは韓国での呼称である。我が国では、文禄・慶長の役の「文禄の役」(1592年)のことである。今から約430年前の話に持っていかなくては、「昔過ぎる」との話が出来ないのである。
それほど、「韓国社会での公理」である「日本=悪」との史実に基づかない思考パターンが強固なのである。本当にやっかいである。
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【文末脚注】
(*1):韓国紙・中央日報記事
中央日報日本語版 2019年03月22日 07時08分
見出し:◆仁川上陸作戦被害補償推進…韓国与党「壬辰倭乱も補償するのか」
https://s.japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=251556
記事:○歴史的事件に対する被害補償はどこまで拡大すしていくのだろうか。
○ 仁川市(インチョンシ)議会が15日、仁川上陸作戦で被害を受けた「月尾島(ウォルミド)原住民」または相続人に生活安定支援金を支給する内容の「過去事被害住民生活安全支援条例案」を通過させたことが政界の論争イシューに浮上した。仁川市議会は1950年9月15日に起きた仁川上陸作戦時当時、国連軍の爆撃によって月尾島住民が死亡もしくは離郷を余儀なくされたために、彼らに対して補償が必要だという立場だ。
○仁川地域の一部市民団体は仁川上陸作戦当時、国連軍が無理な作戦を実行したせいで被害が大きかったとし、被害の補償を主張してきた。2006年に当時、与党「開かれたウリ党」韓光元(ハン・グァンウォン)議員らが「月尾島事件の真相究明および被害住民補償に関する特別法」を発議しながら被害補償について本格的な議論が行われるようになった。だが、特別な進展を見られないため「月尾島原住民帰郷対策委員会」は2011年2月、仁川地方法院に「国防部と仁川市、米国政府、国連は月尾島原住民1世帯当たり300万ウォン(約29万円)ずつ合計1億3500万ウォンを賠償せよ」と求める損害賠償請求訴訟を起こし、敗訴した。政府は「原住民だと主張する人々が実際に月尾島に住んだという土地台帳など根拠がない」と主張し、月尾島原住民側は「仁川上陸作戦で資料が消失した」と対抗した。
○仁川市議会が被害補償条例制定を試みたのは今回が3度目だ。安炳培(アン・ビョンベ)議員(共に民主党)が発議して2011年と2014年の2回にわたって条例指定を試みたが上位法と衝突するという理由で否決された。
○だが、今年に入り法制処が「月尾島被害者のうち仁川居住者に対する生活安全支援は地方自治体業務」とする担当責任解釈を下すと、これを根拠に条例を制定した。現在、仁川市議会は議員37人のうち民主党議員が34人で、この条例を通過させた企画行政委員会は7人全員が民主党だ。しかし、このような条例指定に対して「過度な被害補償適用」という批判もある。匿名を求めたある歴史専門家は「第2次世界大戦の時も軍事作戦でベルギーなどが廃虚になったが、このために被害補償をしたことがない」とし「韓国戦争(朝鮮戦争)で全国民が被害を受けたが、仁川上陸作戦に対してだけ唯一被害を補償しろというのは無理な主張」と指摘した。
○野党「自由韓国党」の全希卿(チョン・ヒギョン)報道官は「仁川上陸作戦による被害を補償するべきだと主張するのであれば、これに先立って韓国戦争で韓国に莫大な被害をもたらした北朝鮮政権に対して被害補償を請求してこそ正しい」とし「戦犯である北朝鮮には何も言えないくせにわれわれをサポートしてくれた国連軍に被害を補償しろと、市民団体側の声に歩調を合わせるのが文在寅(ムン・ジェイン)政府がいう正しい社会なのか」と批判した。
○これに先立ち、文化体育観光部が昨年9月から「東学農民革命参加者名誉回復審議委員会」を作って遺族登録業務に出たのも俎上に上った。これは盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府が2004年関連記念事業を行って3644人の東学農民革命参加者と1万567人の遺族を参加者および遺族名簿に登録したことに対する後続作業だ。湖南(ホナム)地域の議員は「東学革命の犠牲者が20万~30万人に達するのに、1万人余りの登録はあまり少ない」とし、登録申請期間制限を解除した改正案を上程して通過させた。
○だが、124年前の朝鮮時代に起きた事件に対して税金を投じて名誉回復を行うことが適切なかどうかをめぐって論争になった。韓国党関係者は「この有様では、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)被害の補償や四大士禍被害者名誉回復の話が出るのでは」としながら「民主党は、民生を改善させる自信がないから歴史にばかり執着している」と主張した。
<引用終わり>
(*2):「日本=悪、悪による損害は賠償請求、国際常識と違っていれもウリの感情が大事」との韓国での思考パターンは、「慰安婦」、自称「徴用工」、「レーダー照射」でお馴染みだ。「日本=悪」との根拠なき「韓国社会の公理」が存在しているので、このパターンでの「問題提起」に異論が出ることは少ない。
我々日本人からすれば、その何れもが異常なものであることは言うまでもない。
<日韓慰安婦合意破棄>
2018/11/22投稿:
自分で解決する能力・意思がない韓国
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1059.html
2019/01/30投稿:
「慰安婦財団」を解散し責任から逃げ出す韓国政府
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1101.html など
<文喜相の限度を超えた発言>
2019/02/10投稿:
文喜相の限度を超えた発言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1108.html
2019/02/16投稿:
【追記】続・文喜相の限度を超えた発言・韓国語和訳の紹介
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1114.html など
<日韓基本条約を反故にする自称「徴用工」判決>
2018/11/03投稿:
徴用工・韓国「最高裁」判決雑感2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1046.html
2018/11/13投稿:
わざわざ新日鉄本社に押し掛ける韓国側原告ら
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1052.html など
<準戦闘行為である射撃統制レーダー照射事件>
2019/01/07投稿:
韓国国防部動画の分析2・やっぱし「あの論法」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1085.html など
<3.1運動100周年記念演説>
2019/03/05投稿:
(資料編)文在寅3.1演説・日本は「慰安婦」「徴用工」の問題を解決せよ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1126.html
2019/02/28投稿:
(資料編)「3.1運動100周年」考の関する歴史年表
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1123.html など
<海軍士官学校卒業式での文在寅の演説>
2019/03/07投稿:
「平和をつくるためには一層強力な国防力が必要だ」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1128.html
2019/03/08投稿:
落穂ひろい・文在寅の海軍士官学校での軍拡宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1129.html など
【ご参考】
※仁川にあるマッカーサー像放火事件。今回と同根の話。
2018/07/31投稿:
事実確認も検証もしない韓国人・カッマーサー像放火
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-989.html
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