射撃統制レーダー照射・防衛省発表が的確
- 2018/12/27
- 22:28
射撃統制レーダー照射・防衛省発表が的確

副題:我が国防衛省の的確なる発表は、韓国「声闘」の効能を無効化する。
しかし、何故、日本本土に近い海域に韓国駆逐艦はいたのか?/何故、韓国駆逐艦は非常識な射撃統制レーダー照射をしたのか?は未解明だ。
韓国側声明は、事実がどうであれ取り敢えず何かを反論するとの、朝鮮半島伝統の「声闘」であるのだが、そんな虚偽に対して、防衛省はちゃんと指摘をしている。
従前、韓国のやっている非常識な言動に対して、自国防衛上の観点から、それを公にすることを控えていたのだが、本件は、その様なレベルを超えているとの判断があった様で、防衛省は、的確な指摘をタイムリーにやっている。
その事は、防衛省HPの記事で確認できる。
防衛省HPでの本件に関しての記事は、12月26日現在で以下の3つが登録されている。
見出しは3つとも同じであるが、その内容が、韓国側が発している「取り敢えずの反論」に対しての指摘となっている。
↓
1.12月21日付:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
※「火器管制レーダーを照射された」との事象のみを発表
2.12月22日付:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
※「種々の報道がなされて」いるが、それ違いますからとの指摘。
※「火器管制レーダーを照射された」ことを証明できる旨を発表
※韓国の行動は「CUES(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)」に反している。
3.12月25日付:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
※、「韓国国防部の見解」は「事実関係の一部に誤認がある」と明示
※「火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認」
※海自哨戒機は「当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません」
※海自哨戒機は緊急周波数を含む「3つの周波数」で「英語で計3回呼びかけ」てる。
穏便を旨とする我が国には珍しく、的確な発表を行っているのだが、これには「韓国側の虚偽」に対するものであり、どの様な虚偽を韓国側が言っているのかとペアにすることで、より分かり易くなる。
先ず、最初の12月21日付の発表は、「火器管制レーダーを照射された」との事象のみの発表であった。
これは、分かる人が読めば「韓国駆逐艦が非常識な攻撃的行動をとった」という重大事であることが分かるのだが、それがどういう意味なのかがボンヤリとしか分からないと大したことではない、と誤解されてしまうものである。
この事は、前回の論考「「韓国の反応」は相変わらずの「あの論法」その3・レーダー照射」で詳しく解説しているので、韓国海軍のやった事はあり得ない暴挙であることが分かると思う。
12月21日(金)19:00から岩屋防衛大臣は会見して、12月20日(木)午後3時頃、能登半島沖において、韓国海軍駆逐艦から、海上自衛隊P-1哨戒機が射撃統制レーダーを照射された旨を発表している。
射撃統制レーダーの照射は、実際の発砲・発射と同等の重要事案であることは世界の海軍では常識であることから、早速に韓国海軍は翌22日午前に反応した。
韓国海軍・同国国防部は、「作戦行動中」であり、「レーダーを運用していた」のだが、「日本の哨戒機の追跡を目的にしていない」との内容の発表を行った。
この「作戦行動中」とは、「遭難した北朝鮮の遭難船舶に対する救助活動」だとされていた。
これは、「実際の発砲・発射と同等の射撃統制レーダーの照射」との話を「探査の為にレーダーを使用していたんだニダ」という話にすり替えるものである。
我が国も韓国も、国民の多くは艦艇のレーダーの種類、用途など知らない。
それが普通であるのだが、艦艇のレーダーには、探査用と射撃をする際に使用する射撃統制レーダーがあり、探査をする際には射撃統制レーダーなど用いないことを知っている人が聞けば、韓国海軍・同国国防部の言っている事が真っ赤なウソであることなど瞬時に分かる事である。
案の定と言うか、韓国海軍・同国国防部は「声闘」のお作法通りに、事実がどうであれ取り敢えず何かの反論しているだけである。
「射撃統制レーダーの使用が大問題」であるとの問題点に対して韓国側は「探査していたのだからレーダーぐらい使いますよ」とのすっとぼけをしているのである。
この様な韓国側のすっとぼけに対して、我が国防衛省は、同省HP12月22日付(*1)で、以下を発表している。
↓
<防衛省12月22日付発表から引用>付番は引用者
(前略)①:本件について、種々の報道がなされていますが、防衛省としては、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、
②:海自哨戒機の機材が収集したデータについて、慎重かつ詳細な分析を行い、当該照射が火器管制レーダーによるものと判断しています。(中略)
③:火器管制レーダーは、攻撃実施前に攻撃目標の精密な方位・距離を測定するために使用するものであり、広範囲の捜索に適するものではなく、遭難船舶を捜索するためには、水上捜索レーダーを使用することが適当です。(中略)
④:火器管制レーダーの照射は、不測の事態を招きかねない危険な行為であり、仮に遭難船舶を捜索するためであっても、周囲に位置する船舶や航空機との関係において、非常に危険な行為です。なお、韓国も採択しているCUES(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)において、火器管制レーダーの照射は、船舶又は航空機に遭遇した場合には控えるべき動作として挙げられています。(中略)
⑤:韓国側に再発防止を強く求めてまいります。
<引用終わり>
先ず、①で「なんかゴチャゴチャ行っているが、それ違っているから」と明示している事は珍しい。
実際、韓国海軍・同国国防部がインチキを言っている事を受け、即座に論理的に、そのインチキを指摘する対応をすることは珍しいことだ。
②で、「海自哨戒機の機材が収集したデータ」という物的証拠がある旨を述べ、それが射撃統制レーダー波であったことを示し、その上で、③で艦船レーダーの特性を知らない人にも分かる様に説明している。
更には、「射撃統制レーダーの使用」が危険な行為であるとの共通認識・世界常識が存在していることを④で説明している。
これは、艦船レーダーの特性を知らない人が「レーダー波を受けたぐらいで騒いでいる」との誤解を生じさえない為には必要な情報であろう。
そして、最後の⑤では、再発防止を求めている。
今回の事案だけの問題ではなく、この様な行為を今後も繰り返す様では、一緒に何かをする資格はありませんよ、との警告をしているのである。
日米同盟と日韓同盟があるのだから、朝鮮半島で緊急事態が発生した場合には、在韓邦人や在韓外国人(在韓フィリピン人、タイ人等の我が国と友好関係にある第3国の国民)の退避等で我が国自衛隊が出動することが想定されており(*2)、その際に、韓国海軍が退避作戦に非協力的で、退避する我が国艦艇に対して射撃統制レーダーの照射を行うなどの行為をされたならば、それは退避作戦に対する大きな障害となってしまうのである。
そういう懸念を持つに充分な非常識を韓国海軍艦艇はしているのである。
我が国海上自衛隊は、韓国海軍駆逐艦の非常識行動に対して、この発表をしたのと同じ22日に、戦後初の日米英3ヶ国海軍での対潜訓練を実施している。(*3)
日米英3ヶ国での共同訓練の目的を防衛省は「海上自衛隊の戦術技量の向上並びに米・英海軍との更なる連携の強化及び相互理解の深化」と発表している。(*4)
要するに、日米英は、「一緒に何かをするお仲間」であるということだ。
その一方で、韓国海軍には一緒に何かをする資格はありませんよ、との警告をしているのである。
この様な我が国からの証拠の提示や説明を受け、早速に韓国海軍・同国国防省は反応している。その反応は、「脊髄反射」と称しても良い程の「何も考えてない」ものであり、その反応からは、「事実がどうであれ取り敢えず何かを反論する」との、朝鮮半島伝統の「声闘」そのものであることが分かる。
12月22日の防衛省発表に対して、韓国海軍・同国国防省は、その当日を含め、連日にわたり以下の様なデタラメを述べているのである。
・北朝鮮の遭難船探査の為に一時的に総てのレーダーを作動させた。その時のレーダー波を感知しただけ。騒ぎ過ぎニダ
・海自P-1が低空で迫ってきて、我が国駆逐艦は脅威に感じたニダ
・映像撮影の為にカメラを作動させたら射撃統制レーダーが作動したニダ
・レーダー照射などしていないニダ
・無線での呼び掛けは雑音が酷く聞き取れなかったから、何があったのか知らないニダ
この様に、
韓国側の「連日の「反論」」をまとめると話の整合性など皆無、ただ単に何かを言っているだけであることが分かるであろう。
最初の「北朝鮮の遭難船探査の為に一時的に総てのレーダーを作動させた」も虚偽である。
遭難船を探しているのであるから、同じ探査用レーダーであっても対空レーダーを作動させる必要はないのである。
ましてや、狙いをつける・照準することが目的のピンポイント照射をする射撃統制レーダーは探査用にはまったく不向きであるのだから、「総てのレーダーを作動させた」などあり得ない話である。
この言い訳は、国際ルールに反して射撃統制レーダー波を発信した韓国が、「全力で探査していたのだから仕方がない」と言いたいだけのウソである。
同時に韓国側は「射撃統制レーダー波を受信したとしても、それはたまたまの出来事だ」とも言っている。
別の日には、お得意の「被害者はウリ達ニダ」論法も出てくる。
そして、これまたお得意の「そもそも論法」が登場する。
「レーダー照射などしていないニダ」との開き直りである。
当初、「北朝鮮の遭難船探査の為に一時的に総てのレーダーを作動させた」と射撃統制レーダーの照射をした事を認めていたはずなのに、いきなり「やってない」と言い出したのである。
韓国海軍・同国国防省の話を此処まで聞けば、それがウソ八百であり、何もまともな事を言っていないことが分かるであろう。
防衛省は、韓国側の口から出まかせがある程度揃ってから、12月25日に再度の説明(*5)を公表している。
↓
<防衛省12月25日付発表から引用>付番は引用者
(前略)①:本件について、昨日、韓国国防部が見解を発表していますが、防衛省としては、事実関係の一部に誤認があると考えています。
②まず、防衛省では、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、海自P-1の機材が収集したデータを基に当該駆逐艦から発せられた電波の周波数帯域や電波強度などを解析した結果、海自P-1が、火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認しております。(中略)
③:海自P-1は、国際法や国内関連法令を遵守し、当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません。
④:海自P-1は、国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の計3つの周波数を用いて、「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みました。(中略)
⑤:韓国側に再発防止を強く求めてまいります。(中略)日韓防衛当局間で必要な協議を行っていく考えです。
<引用終わり>
冒頭①の部分で「韓国国防部が見解を発表」と明示している。
これは前回の「種々の報道」との表現から一歩進んでおり、「ウソを言っているのは韓国国防部だろ」との意味になる。
次の②のうちの前半部は、前回のマイルドな表現をやめて、明らかに射撃統制レーダー波であることを確認している、証拠がある、という事を明確化する表現へと進んでいる。
また、後半部の「火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認しております」との記述は、韓国側が言っている「一時的に総てのレーダーを作動させた。その時のレーダー波を感知しただけ。騒ぎ過ぎニダ」との話がウソであることの指摘である。
これは、ピンポイントで狙いをつける射撃統制レーダー波が「一瞬だけP-1にあたっただけニタ」゙との印象操作を完全に否定するものである。
「一定時間継続して複数回照射された」とは、明らかに発砲・発射行為と同等とされる照準高位を韓国駆逐艦が行ったというものである。P-1は我が国が国産した最新鋭哨戒機であり、対潜哨戒を主力に、水上目標の哨戒及び8発もの空対艦ミサイルを搭載できる空中巡洋艦機能を持つ機体である。
その電子機器の性能はそんじょそこらの海軍とは比較にならない程に優秀である。
その機体が射撃統制レーダー波を受けたのだから、その周波数帯・強度・照射開始時間、継続時間等の基礎的記録が残っていない訳はないのである。
そうであるにも関わらず、韓国海軍・同国国防部は、平気でウソを言っているのである。
次の③は、韓国側の「海自P-1が低空で迫ってきて、我が国駆逐艦は脅威に感じたニダ」がウソであるとの指摘である。
我が国防衛省は「当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません。」と真っ向否定している。
次の④は、韓国側がコミュニケーションを拒否していた事の指摘である。
海自P-1は行った問いかけについて、具体的な3つの津周波数を明示して3回も呼び掛けを行った旨を述べ、その問いかけの目的が「射撃統制レーダー照射という準戦闘行為」をしている「意図の確認」であることを述べている。
その様な問いかけをしたのだが、韓国側が応答しなかった事は、コミュニケーション拒否であり、それは「戦闘行為継続の黙示的行為」だと看做されるものである。
要するに、韓国駆逐艦に対して反撃しても、その反撃は正当であるとされる行為を韓国側はしていたとの指摘なのである。
最後の⑤では、前回の「韓国側に再発防止を強く求めてまいります。」から一歩進んで、「日韓防衛当局間で必要な協議を行っていく考えです」となっている。
前回は、「韓国側が自主的に再発防止策を策定し我が国に報告する」という内容だったのだが、韓国側は、その様なことをやる気がなく、更なるウソ話で自己正当化するだけであったので、「必要な協議」との文言が今回は入っているのである。
「必要な協議」とは、ぶっちゃけて言えば「談判に押し掛けるぞ」という意味である。
「再発防止策を出せ!」との要求をするぞ、と言っているのである。
防衛省の発表を見ると、表現自体は穏便なのだが、言っていることはかなり厳しいことを言っており珍しく毅然としている。
今回の防衛省の3つの発表は、韓国お得意の「声闘」の効能を無効化する為には有効だと考えている。
声闘の効能とは、騙される人が幾人か出てくることにある。
あたかも、何かの反論をしているので、もしかしたら、反論している人には正当性があるのかもしれない、との誤解を醸成できれば「声闘」では「負けていない」ことになる。
明確なる加害者が、加害者ではないのかもしれない、という立場になるという事が「声闘魂」の効能なのである。
こういう仕組みを分かった上で、韓国海軍・同国国防部の言い分を見れば、最初からウソ八百を並べているという事が分かる。
国家機関である防衛省が言える事は、現在は、ここまでが限界であろう。
何故なら、証拠があり、公開することに支障がない話は、多分、ここまでだからであろうと思われるからである。
我が国の場合は、韓国と違って、思い込みや未確認のことを公式に発表することはないからだ。
韓国側の「声闘」でのウソ八百にばかり注目していると見えないことが出てくるので注意が必要だ。「声闘」で言っていないことに注目しなければ、韓国側の目的・意図が見えてこない。
我が国海自のP-1哨戒機が射撃統制レーダーの照射を受けた位置は、報道によれば、能登半島沖で、能登半島先端と佐渡島を結んだライン近辺である。報道されているイラストイメージでは、我が国領海内だと思える程に能登半島の近くである。
そんな場所にいるP-1に対して射撃統制レーダーを照射しているのだから、同レーダーの使用最長距離以内に韓国駆逐艦はいたことになる。
広開土王級駆逐艦の射撃統制レーダーの使用最長距離は140kmとされているので、同艦は、能登半島沖から140km以内にいたことになる。
何故、そんなに日本本土に近い海域にいたのか?
何故、非常識な射撃統制レーダーをP-1に向けて発信したのか?
このWhyに対する答を考えることが、むしろ一番大事なことだと考えている。
ネット上での推理では、北朝鮮制裁逃れの瀬取りを行っていたからとの話がチラホラ出ているのだが、それは韓国側の言い分での「北朝鮮の遭難船舶の救難活動」が話の元になっているものである。
面白い推理だとは思うが、何故、ウソ八百を並び立てている韓国側の言い分の内「北朝鮮の遭難船舶」との部分を本当であるとの前提で推理していないか?との疑念がある。
「北朝鮮の遭難船舶の救難活動」自体がウソ話であるとの可能性があるのだから、瀬取り説だけで良いのか?との疑念を持っているのである。
今回は以上である。
何故、そんなに日本本土に近い海域にいたのか?
何故、非常識な射撃統制レーダーをP-1に向けて発信したのか?
との肝心な疑問に対する仮説は、今回は提示しない。もう少し検証したい。
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【文末脚注】
(*1):我が国防衛省12月22日付発表
防衛省HP 平成30年12月22日
見出し:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/22a.html
本文:○12月20日(木)午後3時頃、能登半島沖において、韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦から、海上自衛隊第4航空群所属P-1(厚木)が、火器管制レーダーを照射された旨、21日(金)、防衛省から公表を実施しました。
○本件について、種々の報道がなされていますが、防衛省としては、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、海自哨戒機の機材が収集したデータについて、慎重かつ詳細な分析を行い、当該照射が火器管制レーダーによるものと判断しています。その上で、火器管制レーダーは、攻撃実施前に攻撃目標の精密な方位・距離を測定するために使用するものであり、広範囲の捜索に適するものではなく、遭難船舶を捜索するためには、水上捜索レーダーを使用することが適当です。
○加えて、火器管制レーダーの照射は、不測の事態を招きかねない危険な行為であり、仮に遭難船舶を捜索するためであっても、周囲に位置する船舶や航空機との関係において、非常に危険な行為です。なお、韓国も採択しているCUES(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)において、火器管制レーダーの照射は、船舶又は航空機に遭遇した場合には控えるべき動作として挙げられています。
○以上の理由から、今回このような事案が発生したことは極めて遺憾であり、韓国側に再発防止を強く求めてまいります。
<引用終わり>
(*2):朝鮮半島で緊急事態が発生した場合には、在韓邦人や在韓外国人(在韓フィリピン人、タイ人等の我が国と友好関係にある第3国の国民)の退避等で我が国自衛隊が出動することが想定されている。
2017/09/07投稿:
再度・朝鮮半島有事の際の在韓邦人保護
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-747.html
↓
2017/11/21投稿:
邦人退避計画の位置付け・朝鮮半島有事対応1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-807.html
2017/11/23投稿:
邦人退避計画問題点の現状・朝鮮半島有事対応2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-808.html
2017/11/24投稿:
在韓外国人の避難先・朝鮮半島有事対応3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-809.html
(*3):日米英3ヶ国海軍での対潜訓練を12月22日に実施している。
産経新聞 2018.12.23 17:56
見出し:◆日米英、太平洋で初の共同訓練 中国牽制、「いずも」も参加
https://www.sankei.com/politics/news/181223/plt1812230006-n1.html
記事:○海上自衛隊は23日、本州南方の太平洋で22日に米英の艦艇と共同訓練を実施したと公表した。海自からは、改修して事実上空母化することが決まったヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」が参加した。3カ国による共同訓練の実施は初めてで、連携を示すことで海洋進出を強める中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
○海自によると、米海軍の潜水艦や哨戒機、英海軍のフリゲート艦「アーガイル」などが参加した。米海軍の潜水艦を敵に見立て、日米英で情報交換しながら捜索するなどの訓練を行った。
○いずもをめぐっては、18日に閣議決定した新たな「防衛計画の大綱」と中期防衛力整備計画で、甲板を改修して短距離離陸・垂直着陸のステルス戦闘機F35Bを運用できる事実上の空母とする方針が示された。
<引用>
(*4):日米英3ヶ国での共同訓練の目的を防衛省は「海上自衛隊の戦術技量の向上並びに米・英海軍との更なる連携の強化及び相互理解の深化」と発表している。
<防衛省発表資料(12月18日付)>
PDFファイル注意
http://www.mod.go.jp/msdf/release/201812/20181218.pdf
見出し:◆日米英共同訓練の実施について
海上自衛隊は、次により米海軍及び英海軍との共同訓練を実施します。
1 目 的:海上自衛隊の戦術技量の向上並びに米・英海軍との更なる連携の強化及び相互理解の深化
2 期 日:平成30年12月22日(土)
3 訓練海域:本州南方海空域
4 参加部隊:
(1)海上自衛隊:護衛艦「 いずも 」及び P- 1
(2)米海軍:P-8A及び艦艇
(3 )英 海軍: フリゲート「 アーガイル 」
5 主要訓練項目:各種戦術訓練等
6 その他:日米英3か国で共同訓練を実施するのは、今回が初めてです。
<引用終わり>
(*5):再度の説明
防衛省HP 平成30年12月25日
見出し:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/25b.html
本文:○12月20日(木)午後3時頃、能登半島沖において、韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦から、海上自衛隊第4航空群所属P-1(厚木)が、火器管制レーダーを照射された旨、21日(金)、防衛省から公表を実施しました。
○本件について、昨日、韓国国防部が見解を発表していますが、防衛省としては、事実関係の一部に誤認があると考えています。
○まず、防衛省では、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、海自P-1の機材が収集したデータを基に当該駆逐艦から発せられた電波の周波数帯域や電波強度などを解析した結果、海自P-1が、火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認しております。
○また、海自P-1は、国際法や国内関連法令を遵守し、当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません。
○加えて、海自P-1は、国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の計3つの周波数を用いて、「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みました。
○防衛省としてはこのような事案が発生したことは極めて遺憾であり、韓国側に再発防止を強く求めてまいります。こうした事案によって日韓防衛当局間の連携を損なうことがあってはならず、今後、日韓防衛当局間で必要な協議を行っていく考えです。
<引用終わり>
【ご参考】
※韓国海軍KDX-1広開土王級駆逐艦
2017/06/15投稿:
装備品を見て韓国のドクトリンを推定する(後編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-694.html
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しかし、何故、日本本土に近い海域に韓国駆逐艦はいたのか?/何故、韓国駆逐艦は非常識な射撃統制レーダー照射をしたのか?は未解明だ。
韓国側声明は、事実がどうであれ取り敢えず何かを反論するとの、朝鮮半島伝統の「声闘」であるのだが、そんな虚偽に対して、防衛省はちゃんと指摘をしている。
従前、韓国のやっている非常識な言動に対して、自国防衛上の観点から、それを公にすることを控えていたのだが、本件は、その様なレベルを超えているとの判断があった様で、防衛省は、的確な指摘をタイムリーにやっている。
その事は、防衛省HPの記事で確認できる。
防衛省HPでの本件に関しての記事は、12月26日現在で以下の3つが登録されている。
見出しは3つとも同じであるが、その内容が、韓国側が発している「取り敢えずの反論」に対しての指摘となっている。
↓
1.12月21日付:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
※「火器管制レーダーを照射された」との事象のみを発表
2.12月22日付:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
※「種々の報道がなされて」いるが、それ違いますからとの指摘。
※「火器管制レーダーを照射された」ことを証明できる旨を発表
※韓国の行動は「CUES(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)」に反している。
3.12月25日付:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
※、「韓国国防部の見解」は「事実関係の一部に誤認がある」と明示
※「火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認」
※海自哨戒機は「当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません」
※海自哨戒機は緊急周波数を含む「3つの周波数」で「英語で計3回呼びかけ」てる。
穏便を旨とする我が国には珍しく、的確な発表を行っているのだが、これには「韓国側の虚偽」に対するものであり、どの様な虚偽を韓国側が言っているのかとペアにすることで、より分かり易くなる。
先ず、最初の12月21日付の発表は、「火器管制レーダーを照射された」との事象のみの発表であった。
これは、分かる人が読めば「韓国駆逐艦が非常識な攻撃的行動をとった」という重大事であることが分かるのだが、それがどういう意味なのかがボンヤリとしか分からないと大したことではない、と誤解されてしまうものである。
この事は、前回の論考「「韓国の反応」は相変わらずの「あの論法」その3・レーダー照射」で詳しく解説しているので、韓国海軍のやった事はあり得ない暴挙であることが分かると思う。
12月21日(金)19:00から岩屋防衛大臣は会見して、12月20日(木)午後3時頃、能登半島沖において、韓国海軍駆逐艦から、海上自衛隊P-1哨戒機が射撃統制レーダーを照射された旨を発表している。
射撃統制レーダーの照射は、実際の発砲・発射と同等の重要事案であることは世界の海軍では常識であることから、早速に韓国海軍は翌22日午前に反応した。
韓国海軍・同国国防部は、「作戦行動中」であり、「レーダーを運用していた」のだが、「日本の哨戒機の追跡を目的にしていない」との内容の発表を行った。
この「作戦行動中」とは、「遭難した北朝鮮の遭難船舶に対する救助活動」だとされていた。
これは、「実際の発砲・発射と同等の射撃統制レーダーの照射」との話を「探査の為にレーダーを使用していたんだニダ」という話にすり替えるものである。
我が国も韓国も、国民の多くは艦艇のレーダーの種類、用途など知らない。
それが普通であるのだが、艦艇のレーダーには、探査用と射撃をする際に使用する射撃統制レーダーがあり、探査をする際には射撃統制レーダーなど用いないことを知っている人が聞けば、韓国海軍・同国国防部の言っている事が真っ赤なウソであることなど瞬時に分かる事である。
案の定と言うか、韓国海軍・同国国防部は「声闘」のお作法通りに、事実がどうであれ取り敢えず何かの反論しているだけである。
「射撃統制レーダーの使用が大問題」であるとの問題点に対して韓国側は「探査していたのだからレーダーぐらい使いますよ」とのすっとぼけをしているのである。
この様な韓国側のすっとぼけに対して、我が国防衛省は、同省HP12月22日付(*1)で、以下を発表している。
↓
<防衛省12月22日付発表から引用>付番は引用者
(前略)①:本件について、種々の報道がなされていますが、防衛省としては、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、
②:海自哨戒機の機材が収集したデータについて、慎重かつ詳細な分析を行い、当該照射が火器管制レーダーによるものと判断しています。(中略)
③:火器管制レーダーは、攻撃実施前に攻撃目標の精密な方位・距離を測定するために使用するものであり、広範囲の捜索に適するものではなく、遭難船舶を捜索するためには、水上捜索レーダーを使用することが適当です。(中略)
④:火器管制レーダーの照射は、不測の事態を招きかねない危険な行為であり、仮に遭難船舶を捜索するためであっても、周囲に位置する船舶や航空機との関係において、非常に危険な行為です。なお、韓国も採択しているCUES(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)において、火器管制レーダーの照射は、船舶又は航空機に遭遇した場合には控えるべき動作として挙げられています。(中略)
⑤:韓国側に再発防止を強く求めてまいります。
<引用終わり>
先ず、①で「なんかゴチャゴチャ行っているが、それ違っているから」と明示している事は珍しい。
実際、韓国海軍・同国国防部がインチキを言っている事を受け、即座に論理的に、そのインチキを指摘する対応をすることは珍しいことだ。
②で、「海自哨戒機の機材が収集したデータ」という物的証拠がある旨を述べ、それが射撃統制レーダー波であったことを示し、その上で、③で艦船レーダーの特性を知らない人にも分かる様に説明している。
更には、「射撃統制レーダーの使用」が危険な行為であるとの共通認識・世界常識が存在していることを④で説明している。
これは、艦船レーダーの特性を知らない人が「レーダー波を受けたぐらいで騒いでいる」との誤解を生じさえない為には必要な情報であろう。
そして、最後の⑤では、再発防止を求めている。
今回の事案だけの問題ではなく、この様な行為を今後も繰り返す様では、一緒に何かをする資格はありませんよ、との警告をしているのである。
日米同盟と日韓同盟があるのだから、朝鮮半島で緊急事態が発生した場合には、在韓邦人や在韓外国人(在韓フィリピン人、タイ人等の我が国と友好関係にある第3国の国民)の退避等で我が国自衛隊が出動することが想定されており(*2)、その際に、韓国海軍が退避作戦に非協力的で、退避する我が国艦艇に対して射撃統制レーダーの照射を行うなどの行為をされたならば、それは退避作戦に対する大きな障害となってしまうのである。
そういう懸念を持つに充分な非常識を韓国海軍艦艇はしているのである。
我が国海上自衛隊は、韓国海軍駆逐艦の非常識行動に対して、この発表をしたのと同じ22日に、戦後初の日米英3ヶ国海軍での対潜訓練を実施している。(*3)
日米英3ヶ国での共同訓練の目的を防衛省は「海上自衛隊の戦術技量の向上並びに米・英海軍との更なる連携の強化及び相互理解の深化」と発表している。(*4)
要するに、日米英は、「一緒に何かをするお仲間」であるということだ。
その一方で、韓国海軍には一緒に何かをする資格はありませんよ、との警告をしているのである。
この様な我が国からの証拠の提示や説明を受け、早速に韓国海軍・同国国防省は反応している。その反応は、「脊髄反射」と称しても良い程の「何も考えてない」ものであり、その反応からは、「事実がどうであれ取り敢えず何かを反論する」との、朝鮮半島伝統の「声闘」そのものであることが分かる。
12月22日の防衛省発表に対して、韓国海軍・同国国防省は、その当日を含め、連日にわたり以下の様なデタラメを述べているのである。
・北朝鮮の遭難船探査の為に一時的に総てのレーダーを作動させた。その時のレーダー波を感知しただけ。騒ぎ過ぎニダ
・海自P-1が低空で迫ってきて、我が国駆逐艦は脅威に感じたニダ
・映像撮影の為にカメラを作動させたら射撃統制レーダーが作動したニダ
・レーダー照射などしていないニダ
・無線での呼び掛けは雑音が酷く聞き取れなかったから、何があったのか知らないニダ
この様に、
韓国側の「連日の「反論」」をまとめると話の整合性など皆無、ただ単に何かを言っているだけであることが分かるであろう。
最初の「北朝鮮の遭難船探査の為に一時的に総てのレーダーを作動させた」も虚偽である。
遭難船を探しているのであるから、同じ探査用レーダーであっても対空レーダーを作動させる必要はないのである。
ましてや、狙いをつける・照準することが目的のピンポイント照射をする射撃統制レーダーは探査用にはまったく不向きであるのだから、「総てのレーダーを作動させた」などあり得ない話である。
この言い訳は、国際ルールに反して射撃統制レーダー波を発信した韓国が、「全力で探査していたのだから仕方がない」と言いたいだけのウソである。
同時に韓国側は「射撃統制レーダー波を受信したとしても、それはたまたまの出来事だ」とも言っている。
別の日には、お得意の「被害者はウリ達ニダ」論法も出てくる。
そして、これまたお得意の「そもそも論法」が登場する。
「レーダー照射などしていないニダ」との開き直りである。
当初、「北朝鮮の遭難船探査の為に一時的に総てのレーダーを作動させた」と射撃統制レーダーの照射をした事を認めていたはずなのに、いきなり「やってない」と言い出したのである。
韓国海軍・同国国防省の話を此処まで聞けば、それがウソ八百であり、何もまともな事を言っていないことが分かるであろう。
防衛省は、韓国側の口から出まかせがある程度揃ってから、12月25日に再度の説明(*5)を公表している。
↓
<防衛省12月25日付発表から引用>付番は引用者
(前略)①:本件について、昨日、韓国国防部が見解を発表していますが、防衛省としては、事実関係の一部に誤認があると考えています。
②まず、防衛省では、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、海自P-1の機材が収集したデータを基に当該駆逐艦から発せられた電波の周波数帯域や電波強度などを解析した結果、海自P-1が、火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認しております。(中略)
③:海自P-1は、国際法や国内関連法令を遵守し、当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません。
④:海自P-1は、国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の計3つの周波数を用いて、「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みました。(中略)
⑤:韓国側に再発防止を強く求めてまいります。(中略)日韓防衛当局間で必要な協議を行っていく考えです。
<引用終わり>
冒頭①の部分で「韓国国防部が見解を発表」と明示している。
これは前回の「種々の報道」との表現から一歩進んでおり、「ウソを言っているのは韓国国防部だろ」との意味になる。
次の②のうちの前半部は、前回のマイルドな表現をやめて、明らかに射撃統制レーダー波であることを確認している、証拠がある、という事を明確化する表現へと進んでいる。
また、後半部の「火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認しております」との記述は、韓国側が言っている「一時的に総てのレーダーを作動させた。その時のレーダー波を感知しただけ。騒ぎ過ぎニダ」との話がウソであることの指摘である。
これは、ピンポイントで狙いをつける射撃統制レーダー波が「一瞬だけP-1にあたっただけニタ」゙との印象操作を完全に否定するものである。
「一定時間継続して複数回照射された」とは、明らかに発砲・発射行為と同等とされる照準高位を韓国駆逐艦が行ったというものである。P-1は我が国が国産した最新鋭哨戒機であり、対潜哨戒を主力に、水上目標の哨戒及び8発もの空対艦ミサイルを搭載できる空中巡洋艦機能を持つ機体である。
その電子機器の性能はそんじょそこらの海軍とは比較にならない程に優秀である。
その機体が射撃統制レーダー波を受けたのだから、その周波数帯・強度・照射開始時間、継続時間等の基礎的記録が残っていない訳はないのである。
そうであるにも関わらず、韓国海軍・同国国防部は、平気でウソを言っているのである。
次の③は、韓国側の「海自P-1が低空で迫ってきて、我が国駆逐艦は脅威に感じたニダ」がウソであるとの指摘である。
我が国防衛省は「当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません。」と真っ向否定している。
次の④は、韓国側がコミュニケーションを拒否していた事の指摘である。
海自P-1は行った問いかけについて、具体的な3つの津周波数を明示して3回も呼び掛けを行った旨を述べ、その問いかけの目的が「射撃統制レーダー照射という準戦闘行為」をしている「意図の確認」であることを述べている。
その様な問いかけをしたのだが、韓国側が応答しなかった事は、コミュニケーション拒否であり、それは「戦闘行為継続の黙示的行為」だと看做されるものである。
要するに、韓国駆逐艦に対して反撃しても、その反撃は正当であるとされる行為を韓国側はしていたとの指摘なのである。
最後の⑤では、前回の「韓国側に再発防止を強く求めてまいります。」から一歩進んで、「日韓防衛当局間で必要な協議を行っていく考えです」となっている。
前回は、「韓国側が自主的に再発防止策を策定し我が国に報告する」という内容だったのだが、韓国側は、その様なことをやる気がなく、更なるウソ話で自己正当化するだけであったので、「必要な協議」との文言が今回は入っているのである。
「必要な協議」とは、ぶっちゃけて言えば「談判に押し掛けるぞ」という意味である。
「再発防止策を出せ!」との要求をするぞ、と言っているのである。
防衛省の発表を見ると、表現自体は穏便なのだが、言っていることはかなり厳しいことを言っており珍しく毅然としている。
今回の防衛省の3つの発表は、韓国お得意の「声闘」の効能を無効化する為には有効だと考えている。
声闘の効能とは、騙される人が幾人か出てくることにある。
あたかも、何かの反論をしているので、もしかしたら、反論している人には正当性があるのかもしれない、との誤解を醸成できれば「声闘」では「負けていない」ことになる。
明確なる加害者が、加害者ではないのかもしれない、という立場になるという事が「声闘魂」の効能なのである。
こういう仕組みを分かった上で、韓国海軍・同国国防部の言い分を見れば、最初からウソ八百を並べているという事が分かる。
国家機関である防衛省が言える事は、現在は、ここまでが限界であろう。
何故なら、証拠があり、公開することに支障がない話は、多分、ここまでだからであろうと思われるからである。
我が国の場合は、韓国と違って、思い込みや未確認のことを公式に発表することはないからだ。
韓国側の「声闘」でのウソ八百にばかり注目していると見えないことが出てくるので注意が必要だ。「声闘」で言っていないことに注目しなければ、韓国側の目的・意図が見えてこない。
我が国海自のP-1哨戒機が射撃統制レーダーの照射を受けた位置は、報道によれば、能登半島沖で、能登半島先端と佐渡島を結んだライン近辺である。報道されているイラストイメージでは、我が国領海内だと思える程に能登半島の近くである。
そんな場所にいるP-1に対して射撃統制レーダーを照射しているのだから、同レーダーの使用最長距離以内に韓国駆逐艦はいたことになる。
広開土王級駆逐艦の射撃統制レーダーの使用最長距離は140kmとされているので、同艦は、能登半島沖から140km以内にいたことになる。
何故、そんなに日本本土に近い海域にいたのか?
何故、非常識な射撃統制レーダーをP-1に向けて発信したのか?
このWhyに対する答を考えることが、むしろ一番大事なことだと考えている。
ネット上での推理では、北朝鮮制裁逃れの瀬取りを行っていたからとの話がチラホラ出ているのだが、それは韓国側の言い分での「北朝鮮の遭難船舶の救難活動」が話の元になっているものである。
面白い推理だとは思うが、何故、ウソ八百を並び立てている韓国側の言い分の内「北朝鮮の遭難船舶」との部分を本当であるとの前提で推理していないか?との疑念がある。
「北朝鮮の遭難船舶の救難活動」自体がウソ話であるとの可能性があるのだから、瀬取り説だけで良いのか?との疑念を持っているのである。
今回は以上である。
何故、そんなに日本本土に近い海域にいたのか?
何故、非常識な射撃統制レーダーをP-1に向けて発信したのか?
との肝心な疑問に対する仮説は、今回は提示しない。もう少し検証したい。
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【文末脚注】
(*1):我が国防衛省12月22日付発表
防衛省HP 平成30年12月22日
見出し:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/22a.html
本文:○12月20日(木)午後3時頃、能登半島沖において、韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦から、海上自衛隊第4航空群所属P-1(厚木)が、火器管制レーダーを照射された旨、21日(金)、防衛省から公表を実施しました。
○本件について、種々の報道がなされていますが、防衛省としては、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、海自哨戒機の機材が収集したデータについて、慎重かつ詳細な分析を行い、当該照射が火器管制レーダーによるものと判断しています。その上で、火器管制レーダーは、攻撃実施前に攻撃目標の精密な方位・距離を測定するために使用するものであり、広範囲の捜索に適するものではなく、遭難船舶を捜索するためには、水上捜索レーダーを使用することが適当です。
○加えて、火器管制レーダーの照射は、不測の事態を招きかねない危険な行為であり、仮に遭難船舶を捜索するためであっても、周囲に位置する船舶や航空機との関係において、非常に危険な行為です。なお、韓国も採択しているCUES(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)において、火器管制レーダーの照射は、船舶又は航空機に遭遇した場合には控えるべき動作として挙げられています。
○以上の理由から、今回このような事案が発生したことは極めて遺憾であり、韓国側に再発防止を強く求めてまいります。
<引用終わり>
(*2):朝鮮半島で緊急事態が発生した場合には、在韓邦人や在韓外国人(在韓フィリピン人、タイ人等の我が国と友好関係にある第3国の国民)の退避等で我が国自衛隊が出動することが想定されている。
2017/09/07投稿:
再度・朝鮮半島有事の際の在韓邦人保護
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-747.html
↓
2017/11/21投稿:
邦人退避計画の位置付け・朝鮮半島有事対応1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-807.html
2017/11/23投稿:
邦人退避計画問題点の現状・朝鮮半島有事対応2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-808.html
2017/11/24投稿:
在韓外国人の避難先・朝鮮半島有事対応3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-809.html
(*3):日米英3ヶ国海軍での対潜訓練を12月22日に実施している。
産経新聞 2018.12.23 17:56
見出し:◆日米英、太平洋で初の共同訓練 中国牽制、「いずも」も参加
https://www.sankei.com/politics/news/181223/plt1812230006-n1.html
記事:○海上自衛隊は23日、本州南方の太平洋で22日に米英の艦艇と共同訓練を実施したと公表した。海自からは、改修して事実上空母化することが決まったヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」が参加した。3カ国による共同訓練の実施は初めてで、連携を示すことで海洋進出を強める中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
○海自によると、米海軍の潜水艦や哨戒機、英海軍のフリゲート艦「アーガイル」などが参加した。米海軍の潜水艦を敵に見立て、日米英で情報交換しながら捜索するなどの訓練を行った。
○いずもをめぐっては、18日に閣議決定した新たな「防衛計画の大綱」と中期防衛力整備計画で、甲板を改修して短距離離陸・垂直着陸のステルス戦闘機F35Bを運用できる事実上の空母とする方針が示された。
<引用>
(*4):日米英3ヶ国での共同訓練の目的を防衛省は「海上自衛隊の戦術技量の向上並びに米・英海軍との更なる連携の強化及び相互理解の深化」と発表している。
<防衛省発表資料(12月18日付)>
PDFファイル注意
http://www.mod.go.jp/msdf/release/201812/20181218.pdf
見出し:◆日米英共同訓練の実施について
海上自衛隊は、次により米海軍及び英海軍との共同訓練を実施します。
1 目 的:海上自衛隊の戦術技量の向上並びに米・英海軍との更なる連携の強化及び相互理解の深化
2 期 日:平成30年12月22日(土)
3 訓練海域:本州南方海空域
4 参加部隊:
(1)海上自衛隊:護衛艦「 いずも 」及び P- 1
(2)米海軍:P-8A及び艦艇
(3 )英 海軍: フリゲート「 アーガイル 」
5 主要訓練項目:各種戦術訓練等
6 その他:日米英3か国で共同訓練を実施するのは、今回が初めてです。
<引用終わり>
(*5):再度の説明
防衛省HP 平成30年12月25日
見出し:◆韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/25b.html
本文:○12月20日(木)午後3時頃、能登半島沖において、韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦から、海上自衛隊第4航空群所属P-1(厚木)が、火器管制レーダーを照射された旨、21日(金)、防衛省から公表を実施しました。
○本件について、昨日、韓国国防部が見解を発表していますが、防衛省としては、事実関係の一部に誤認があると考えています。
○まず、防衛省では、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、海自P-1の機材が収集したデータを基に当該駆逐艦から発せられた電波の周波数帯域や電波強度などを解析した結果、海自P-1が、火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認しております。
○また、海自P-1は、国際法や国内関連法令を遵守し、当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません。
○加えて、海自P-1は、国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の計3つの周波数を用いて、「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みました。
○防衛省としてはこのような事案が発生したことは極めて遺憾であり、韓国側に再発防止を強く求めてまいります。こうした事案によって日韓防衛当局間の連携を損なうことがあってはならず、今後、日韓防衛当局間で必要な協議を行っていく考えです。
<引用終わり>
【ご参考】
※韓国海軍KDX-1広開土王級駆逐艦
2017/06/15投稿:
装備品を見て韓国のドクトリンを推定する(後編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-694.html
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