「韓国の反応」は相変わらずの「あの論法」その1
- 2018/12/12
- 21:41
「韓国の反応」は相変わらずの「あの論法」その1

ここで言う「韓国の反応」とは、韓国紙他の報道、或いは、翻訳サイト等に見られる韓国政府、韓国国会議員等関係者及び韓国人ネットユーザー等の反応の総称である。
また、「あの論法」とは、「朝鮮論法」と総称している非論理的な論法のことで、その目的は、けして「議論や交渉を通じての止揚・解決を目指す」ものなどではなく、ただただ自分達の要求を押し通す為の道具でしかなく、事実や道理が無視されたものである。
その論法として代表的なのは、「問題の出発点を意図的に設定する論法」であったり、事実とは無関係に「主語を入れ換えるだけ論法」や「朝鮮オウム返し」と揶揄される「脊髄反射論法」であったり、問題の前提をすり替える「偽りの土俵を設定する論法」などがある。
この様な論法は韓国だけでなく北朝鮮も使用する。従い、朝鮮半島全土で使用されるものだと認定しており、朝鮮半島の論法だとして「朝鮮論法」と称している。
今回は、最近の「慰安婦合意」及び「徴用工」に関しての「韓国の反応」を題材に、何処が、どの様な朝鮮論法になっているのかを指摘する。
尚、表題に「その1」と付したのは、過去からの事例では、今後も繰り返して用いられる論法であることが容易に想定されることから、番号を付したものである。次回投稿も、このテーマが連続するという訳ではない。
<事例1>韓国外交部(韓国の外務省)の「対抗措置」発言
先般、韓国外交部(韓国の外務省)が「対抗措置」には「対抗措置」だと脊髄反射した事例を最初に取り上げる。(*1)
この事例は「朝鮮論法のデパート」の如くに、多種多様な事例である。
Yahooニュース(韓国・連合ニュース)によれば、韓国外交部は、以下の引用の様に、日本が「対抗措置」を取れば、韓国も「対抗措置」を取るぞという話をしている。
<当該記事より抜粋引用>
○日本が対抗措置に言及したとする報道については、事実であれば、日本側に自制を促してきた韓国政府としては失望を禁じえないとし、「わが政府としても必要な場合、対抗措置に出るしかないという点を日本側が認識する必要がある」との見解を明らかにした。
<引用終わり>
「対抗措置」だから、こっちも「対抗措置」というものだ。
我国が表明した「対抗措置」とは、韓国「最高裁」の判決に基づき、韓国が韓国国内にある我国企業の資産を差し押さえるという「次の段階」に進んだ場合、我国は、日韓基本条約を反故にする不当な「判決」を根拠にした動きは容認できないので、我国にある韓国資産を差し押さえる事になるとの表明だ。
その本意は「従って、そんな無謀な「次の段階」に進むことをしない様に再考しなさい」との要請であり、「日韓の国交の基盤となっている日韓基本条約を反故にする様な事は、韓国の国家としての自殺ですよ」という指摘である。
この間、理を説いても理解しようとしない韓国に対して、理を理解させる為の香辛料が、我国がいう「対抗措置」なのである。
ところが、国交及び国家間信用問題、更には他国との国交関係に与える悪影響等の視点で再考すべき立場にある韓国外交部(韓国の外務省)は、何も考えていない様で、「対抗措置」との言葉に脊髄反射をして「韓国も「対抗措置」だぁ」との朝鮮オウム返しでの反応をしているのである。
この「「対抗措置」への対抗措置」というオウム返しの韓国側の出発点は、「日本が対抗措置を言い出した」時点であり、そもそもの出発点である「国際条約を無視した法理なき韓国「最高裁」の判決」ではなくなっている点も注目いただきたい。
韓国外交部が「問題の出発点を意図的に設定する論法」を用いていることが分かるであろう。
この「問題の出発点を意図的に設定する論法」は、実は朝鮮論法特有のものではなく、世界中で用いられている詐欺論法である。
従い、「朝鮮オウム返し」の様な特有の揶揄表現はしていない。
「問題の出発点を意図的に設定する論法」の典型例が、先の大戦の話の出発点がいつも「真珠湾攻撃」から始まるという論法である。(*2)
当時の我国が石油の8割を輸入していたアメリカが、ルーズベルトによる石油禁輸策を実施したという史実や支那の地の統治責任を果たさない蒋介石等の真珠湾に至る以前の歴史が語られることは極めて稀である。
コンテキストを操作することで、話の本質を歪める論法である。
韓国外交部が用いている論法での「出発点」は「日本の対抗措置発言」であり、その様な発言に至った、それ以前の話への言及はない。
そうやってコンテキストを歪めた上で、決着済みの話を蒸し返すのである。
連合ニュースの当該記事には、記者の感想が含まれているので、その部分を除き、韓国外交部当局者の発言だとされている部分を以下に抜粋引用する。
<韓国・連合ニュースから韓国外交部当局者の発言を抜粋引用>
(付番は引用者)
①:「日本側が韓日関係を重視するのであれば、責任ある姿勢として歴史問題に対して誠意を持って臨むことを期待する」
②:「日本側が、今回の事案を法的な問題とみなし、過去に両国間にあったが不幸な歴史に起因する問題に対して目を閉じてはならない」
③:「特に日本側は今回の事案を過去の歴史問題から抜け出すための好機と考えてはならない」
④:「法的問題はともかく、根本的に韓日関係は法だけでは解決できない道徳的、歴史的背景があるにもかかわらず、日本側が法的に全て終わったことであり責任を負うことではないというふうに問題の根源を度外視する態度をみせるのは両国関係にとって決して望ましくない」
⑤:「わが政府としても必要な場合、対抗措置に出るしかないという点を日本側が認識する必要がある」
⑥:「今回の事案に対するわが政府の検討が進行中であるため、日本側の慎重な対応が重要であることを持続的に伝えている」
⑦:「国務調整室、外交部、行政安全部、法務部、産業資源部、法制処など関係官庁で協議体を構成し、判決に関する内容について綿密な検討を進めている」
⑧:「わが政府としては請求権協定に関する司法の最終判断を尊重するなかで、強制徴用被害者問題に関連するこれまでの経緯、韓日関係などを総合的に勘案し、政府方針を用意するための検討を進めている」
⑨:「政府としては今後、関係官庁による検討、民間の専門家などとの協議を通じ、可能な限り早く政府方針を確立していく計画だ」
<抜粋引用終わり>
付番したところ、当該記事で韓国外交部当局者の発言部分は9つもあった。
これらのうち、①~③及び⑥は「主語を入れ換えるだけ論法」である。
韓国側がなすべき事項なのに、あたかも日本側が成すべき事項にすり替わっているのである。
①:「日本側が韓日関係を重視するのであれば、責任ある姿勢として歴史問題に対して誠意を持って臨むことを期待する」
↓
韓国が、日韓国交開始の際の基盤である日韓基本条約を軽んじて、韓国司法が国際条約を否定する「判決」をしたのが、この問題の出発点である。つまり、この問題を発生させたのは韓国側であり、「日韓関係を重視するのであれば」との命題は、韓国側が負うものである。
そうであるにも関わらず、その責務を負うのが日本側であるかの様な「主語の入れ換え」をしているのである。
「責任ある姿勢として歴史問題に対して誠意を持って臨む」のは韓国側が負うべき責務であるのだが、史実とは異なるウリナラファンタジーの捏造歴史を「正」として、史実を「誤」とする論法を用いているのである。
韓国「最高裁」の判決文の和訳の一部を以前の論考(*3)で紹介しているが、そこに登場する「歴史」とは、韓国側が設定している史実とは異なるウリナラファンタジーの捏造歴史である。
そんな史実と異なる話を基盤にして導かれた、常識はずれの韓国「最高裁」判決は、国際常識では「成り立っていない」ものなのだ。
韓国は、ウリナラファンタジーの捏造歴史などではなく、史実に基づき、本当にあった歴史を責任ある姿勢で誠意を持って向き合うことが必要だ。
②:「日本側が、今回の事案を法的な問題とみなし、過去に両国間にあったが不幸な歴史に起因する問題に対して目を閉じてはならない」
↓
「目を閉じてはならない」のは韓国側である。
韓国は、史実に基づき、本当にあった歴史に対して「目を閉じてはならない」のだが、主語を入れ換えて、あたかも日本側が目を閉じているが如き事を言っているのである。
歴史の事実から目を背け、自身が設定している史実とは異なるウリナラファンタジーの捏造歴史を「正」であるとしているのは韓国側である。
③:「特に日本側は今回の事案を過去の歴史問題から抜け出すための好機と考えてはならない」
↓
典型的な主語入れ換えである。自分達が考えている事を「日本が考えている」と言ってしまうのである。
これは間抜けな反応であるのだが、言っている側は自覚していない。
日本側は「今回の事案を過去の歴史問題から抜け出すための好機」だとは考えていない。そんな発想ではなく、日韓基本条約で解決済みの話を蒸し返している韓国に、ちゃんと国家間の約束事を守りなさいと言っているだけである。
それなのに、韓国側はこれを「過去の歴史問題」だと考えているので、その主語を入れ換えて、あたかも日本側が「過去の歴史問題から抜け出すための好機」だと考えていると言っているのである。
⑥:「今回の事案に対するわが政府の検討が進行中であるため、日本側の慎重な対応が重要であることを持続的に伝えている」
↓
「慎重な対応」を求められているのは韓国側である。
主語を入れ換えて、自分自身の悪い所を相手側に投影する主語入れ換え論法なのである。
「主語入れ換え論法」のメリットは、「あまり深く考えなくても良い」という点にある。
批判をする際に、論理構築する必要がなく、既に存在している「自分の「悪い所」」を、そのまま流用して、「やっているのは相手だ」とするだけだからだ。
これは、「オウム返し」と同様、前頭葉での思考をしなくても良いというメリットがあり、韓国では多用されている論法である。
この様な「前頭葉での思考」を排除した論法は、脊髄反射で行うものなので、口から出てくるスピードが速い。なにしろ、事実とは違うことでも、非論理的でも構わず「取り敢えず何かを言っている」という状態をつくる為の論法だからだ。
これは、朝鮮半島文化での伝統である「声闘」で、相手より優位に立つ為に醸成された論法であり、論理的思考が追いつかない、つまり反論が為される前に次から次へと、繰り出す為の論法である。
「声闘」での勝ち負けは、周りのギャラリーの「判定」による。
その「判定」は、聞いている側も朝鮮半島の人々なので、論理的な正しさを基準にしておらず、雰囲気での優勢・劣勢で行われてきた。
それ故に、次から次へと相手の悪さを指摘する言葉が繰り出した方が「勝ち」とされる訳である。
我国文化の「広く会議を起こし万機公論に決すべし」との「議論を通じての止揚・解決を目指す」という文化とはまったく違い、朝鮮論法では、ただただ自分の要求を押し通す為の道具としての「言葉」でしかなく、事実や道理が無視されているのである。
そういう異文化間の問題なのである。
上記した9つの発言には、指摘した論法以外の朝鮮論法が幾つも存在している。
その中でも、④は悪質である。
④:「法的問題はともかく、根本的に韓日関係は法だけでは解決できない道徳的、歴史的背景があるにもかかわらず、日本側が法的に全て終わったことであり責任を負うことではないというふうに問題の根源を度外視する態度をみせるのは両国関係にとって決して望ましくない」
↓
最初に「法的問題はともかく」などと、問題の本質を除外してしまう論法である。
本件は、「日韓基本条約に反する韓国「最高裁」判決」という法の問題なのである。
そういう本質を除外して、本質とは違う「道徳的、歴史的背景」なる「別の土俵」を設定する論法である。
問題の本質とは異なるものをベースにして議論しても、その問題は絶対的に解決しない。
そういう事なのに、問題の本質を避けるのは、本質論をしても勝ち目がないからである。
長くなったので、今回の「その1」は以上である。
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【文末脚注】
(*1):韓国外交部が「対抗措置」には「対抗措置」だと脊髄反射した事例
Yahooニュース(韓国・連合ニュース)12/4(火) 18:53配信
見出し:◆韓国外交部 日本の「対抗措置」言及に失望=強制徴用判決で
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181204-00000064-yonh-kr
記事:○【ソウル聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)が日本による植民地時代に強制徴用された被害者らへの賠償を日本企業に命じた判決に日本側が反発していることについて、外交部当局者は4日、記者団に対し「日本側が韓日関係を重視するのであれば、責任ある姿勢として歴史問題に対して誠意を持って臨むことを期待する」とし、「日本側が、今回の事案を法的な問題とみなし、過去に両国間にあったが不幸な歴史に起因する問題に対して目を閉じてはならない」と指摘した。
○その上で、「特に日本側は今回の事案を過去の歴史問題から抜け出すための好機と考えてはならない」と強調した。
○また「法的問題はともかく、根本的に韓日関係は法だけでは解決できない道徳的、歴史的背景があるにもかかわらず、日本側が法的に全て終わったことであり責任を負うことではないというふうに問題の根源を度外視する態度をみせるのは両国関係にとって決して望ましくない」と批判した。
○外交部当局者の発言は日本が同問題について法的問題を強調し韓国への攻勢を続けた場合、韓国側は同問題を違法な植民地支配と人権侵害という枠組みで対応することを示唆したものと受け止められる。
○日本が対抗措置に言及したとする報道については、事実であれば、日本側に自制を促してきた韓国政府としては失望を禁じえないとし、「わが政府としても必要な場合、対抗措置に出るしかないという点を日本側が認識する必要がある」との見解を明らかにした。
○また「今回の事案に対するわが政府の検討が進行中であるため、日本側の慎重な対応が重要であることを持続的に伝えている」と説明した。
○同当局者は同問題に対する対策のために政府でTF(作業部会)を構成したとし、「国務調整室、外交部、行政安全部、法務部、産業資源部、法制処など関係官庁で協議体を構成し、判決に関する内容について綿密な検討を進めている」と紹介した。
○その上で、「わが政府としては請求権協定に関する司法の最終判断を尊重するなかで、強制徴用被害者問題に関連するこれまでの経緯、韓日関係などを総合的に勘案し、政府方針を用意するための検討を進めている」と説明。韓国政府は同問題について最大限の知恵を出し、最善の方策を講じるための努力を傾けていると伝えた。
○また、「政府としては今後、関係官庁による検討、民間の専門家などとの協議を通じ、可能な限り早く政府方針を確立していく計画だ」と述べた。政府は官民が参加する共同委員会を構成する案も検討しているという。
<引用終わり>
(*2):「問題の出発点を意図的に設定する論法」の典型例が、先の大戦の話の出発点がいつも「真珠湾攻撃」から始まるという論法である。
2018/03/19投稿:
「東京大空襲への海外の反応」に見る戦勝国の物語(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-885.html
2018/03/20投稿:
「東京大空襲への海外の反応」に見る戦勝国の物語(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-886.html
2018/03/22投稿:
「東京大空襲への海外の反応」に見る戦勝国の物語(後編)Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-887.html
【ご参考】
2016/12/06投稿:
真珠湾攻撃に関する考察
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-557.html
2016/12/08投稿:
真珠湾攻撃にまつわるデマ話
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-558.html
(*3):韓国「最高裁」の判決文の和訳の一部を以前の論考で紹介しているが、そこに登場する「歴史」とは、韓国側が設定している史実とは異なるウリナラファンタジーの捏造歴史である。
2018/11/13投稿:
わざわざ新日鉄住金本社に押し掛ける韓国側原告ら
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1052.html
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ここで言う「韓国の反応」とは、韓国紙他の報道、或いは、翻訳サイト等に見られる韓国政府、韓国国会議員等関係者及び韓国人ネットユーザー等の反応の総称である。
また、「あの論法」とは、「朝鮮論法」と総称している非論理的な論法のことで、その目的は、けして「議論や交渉を通じての止揚・解決を目指す」ものなどではなく、ただただ自分達の要求を押し通す為の道具でしかなく、事実や道理が無視されたものである。
その論法として代表的なのは、「問題の出発点を意図的に設定する論法」であったり、事実とは無関係に「主語を入れ換えるだけ論法」や「朝鮮オウム返し」と揶揄される「脊髄反射論法」であったり、問題の前提をすり替える「偽りの土俵を設定する論法」などがある。
この様な論法は韓国だけでなく北朝鮮も使用する。従い、朝鮮半島全土で使用されるものだと認定しており、朝鮮半島の論法だとして「朝鮮論法」と称している。
今回は、最近の「慰安婦合意」及び「徴用工」に関しての「韓国の反応」を題材に、何処が、どの様な朝鮮論法になっているのかを指摘する。
尚、表題に「その1」と付したのは、過去からの事例では、今後も繰り返して用いられる論法であることが容易に想定されることから、番号を付したものである。次回投稿も、このテーマが連続するという訳ではない。
<事例1>韓国外交部(韓国の外務省)の「対抗措置」発言
先般、韓国外交部(韓国の外務省)が「対抗措置」には「対抗措置」だと脊髄反射した事例を最初に取り上げる。(*1)
この事例は「朝鮮論法のデパート」の如くに、多種多様な事例である。
Yahooニュース(韓国・連合ニュース)によれば、韓国外交部は、以下の引用の様に、日本が「対抗措置」を取れば、韓国も「対抗措置」を取るぞという話をしている。
<当該記事より抜粋引用>
○日本が対抗措置に言及したとする報道については、事実であれば、日本側に自制を促してきた韓国政府としては失望を禁じえないとし、「わが政府としても必要な場合、対抗措置に出るしかないという点を日本側が認識する必要がある」との見解を明らかにした。
<引用終わり>
「対抗措置」だから、こっちも「対抗措置」というものだ。
我国が表明した「対抗措置」とは、韓国「最高裁」の判決に基づき、韓国が韓国国内にある我国企業の資産を差し押さえるという「次の段階」に進んだ場合、我国は、日韓基本条約を反故にする不当な「判決」を根拠にした動きは容認できないので、我国にある韓国資産を差し押さえる事になるとの表明だ。
その本意は「従って、そんな無謀な「次の段階」に進むことをしない様に再考しなさい」との要請であり、「日韓の国交の基盤となっている日韓基本条約を反故にする様な事は、韓国の国家としての自殺ですよ」という指摘である。
この間、理を説いても理解しようとしない韓国に対して、理を理解させる為の香辛料が、我国がいう「対抗措置」なのである。
ところが、国交及び国家間信用問題、更には他国との国交関係に与える悪影響等の視点で再考すべき立場にある韓国外交部(韓国の外務省)は、何も考えていない様で、「対抗措置」との言葉に脊髄反射をして「韓国も「対抗措置」だぁ」との朝鮮オウム返しでの反応をしているのである。
この「「対抗措置」への対抗措置」というオウム返しの韓国側の出発点は、「日本が対抗措置を言い出した」時点であり、そもそもの出発点である「国際条約を無視した法理なき韓国「最高裁」の判決」ではなくなっている点も注目いただきたい。
韓国外交部が「問題の出発点を意図的に設定する論法」を用いていることが分かるであろう。
この「問題の出発点を意図的に設定する論法」は、実は朝鮮論法特有のものではなく、世界中で用いられている詐欺論法である。
従い、「朝鮮オウム返し」の様な特有の揶揄表現はしていない。
「問題の出発点を意図的に設定する論法」の典型例が、先の大戦の話の出発点がいつも「真珠湾攻撃」から始まるという論法である。(*2)
当時の我国が石油の8割を輸入していたアメリカが、ルーズベルトによる石油禁輸策を実施したという史実や支那の地の統治責任を果たさない蒋介石等の真珠湾に至る以前の歴史が語られることは極めて稀である。
コンテキストを操作することで、話の本質を歪める論法である。
韓国外交部が用いている論法での「出発点」は「日本の対抗措置発言」であり、その様な発言に至った、それ以前の話への言及はない。
そうやってコンテキストを歪めた上で、決着済みの話を蒸し返すのである。
連合ニュースの当該記事には、記者の感想が含まれているので、その部分を除き、韓国外交部当局者の発言だとされている部分を以下に抜粋引用する。
<韓国・連合ニュースから韓国外交部当局者の発言を抜粋引用>
(付番は引用者)
①:「日本側が韓日関係を重視するのであれば、責任ある姿勢として歴史問題に対して誠意を持って臨むことを期待する」
②:「日本側が、今回の事案を法的な問題とみなし、過去に両国間にあったが不幸な歴史に起因する問題に対して目を閉じてはならない」
③:「特に日本側は今回の事案を過去の歴史問題から抜け出すための好機と考えてはならない」
④:「法的問題はともかく、根本的に韓日関係は法だけでは解決できない道徳的、歴史的背景があるにもかかわらず、日本側が法的に全て終わったことであり責任を負うことではないというふうに問題の根源を度外視する態度をみせるのは両国関係にとって決して望ましくない」
⑤:「わが政府としても必要な場合、対抗措置に出るしかないという点を日本側が認識する必要がある」
⑥:「今回の事案に対するわが政府の検討が進行中であるため、日本側の慎重な対応が重要であることを持続的に伝えている」
⑦:「国務調整室、外交部、行政安全部、法務部、産業資源部、法制処など関係官庁で協議体を構成し、判決に関する内容について綿密な検討を進めている」
⑧:「わが政府としては請求権協定に関する司法の最終判断を尊重するなかで、強制徴用被害者問題に関連するこれまでの経緯、韓日関係などを総合的に勘案し、政府方針を用意するための検討を進めている」
⑨:「政府としては今後、関係官庁による検討、民間の専門家などとの協議を通じ、可能な限り早く政府方針を確立していく計画だ」
<抜粋引用終わり>
付番したところ、当該記事で韓国外交部当局者の発言部分は9つもあった。
これらのうち、①~③及び⑥は「主語を入れ換えるだけ論法」である。
韓国側がなすべき事項なのに、あたかも日本側が成すべき事項にすり替わっているのである。
①:「日本側が韓日関係を重視するのであれば、責任ある姿勢として歴史問題に対して誠意を持って臨むことを期待する」
↓
韓国が、日韓国交開始の際の基盤である日韓基本条約を軽んじて、韓国司法が国際条約を否定する「判決」をしたのが、この問題の出発点である。つまり、この問題を発生させたのは韓国側であり、「日韓関係を重視するのであれば」との命題は、韓国側が負うものである。
そうであるにも関わらず、その責務を負うのが日本側であるかの様な「主語の入れ換え」をしているのである。
「責任ある姿勢として歴史問題に対して誠意を持って臨む」のは韓国側が負うべき責務であるのだが、史実とは異なるウリナラファンタジーの捏造歴史を「正」として、史実を「誤」とする論法を用いているのである。
韓国「最高裁」の判決文の和訳の一部を以前の論考(*3)で紹介しているが、そこに登場する「歴史」とは、韓国側が設定している史実とは異なるウリナラファンタジーの捏造歴史である。
そんな史実と異なる話を基盤にして導かれた、常識はずれの韓国「最高裁」判決は、国際常識では「成り立っていない」ものなのだ。
韓国は、ウリナラファンタジーの捏造歴史などではなく、史実に基づき、本当にあった歴史を責任ある姿勢で誠意を持って向き合うことが必要だ。
②:「日本側が、今回の事案を法的な問題とみなし、過去に両国間にあったが不幸な歴史に起因する問題に対して目を閉じてはならない」
↓
「目を閉じてはならない」のは韓国側である。
韓国は、史実に基づき、本当にあった歴史に対して「目を閉じてはならない」のだが、主語を入れ換えて、あたかも日本側が目を閉じているが如き事を言っているのである。
歴史の事実から目を背け、自身が設定している史実とは異なるウリナラファンタジーの捏造歴史を「正」であるとしているのは韓国側である。
③:「特に日本側は今回の事案を過去の歴史問題から抜け出すための好機と考えてはならない」
↓
典型的な主語入れ換えである。自分達が考えている事を「日本が考えている」と言ってしまうのである。
これは間抜けな反応であるのだが、言っている側は自覚していない。
日本側は「今回の事案を過去の歴史問題から抜け出すための好機」だとは考えていない。そんな発想ではなく、日韓基本条約で解決済みの話を蒸し返している韓国に、ちゃんと国家間の約束事を守りなさいと言っているだけである。
それなのに、韓国側はこれを「過去の歴史問題」だと考えているので、その主語を入れ換えて、あたかも日本側が「過去の歴史問題から抜け出すための好機」だと考えていると言っているのである。
⑥:「今回の事案に対するわが政府の検討が進行中であるため、日本側の慎重な対応が重要であることを持続的に伝えている」
↓
「慎重な対応」を求められているのは韓国側である。
主語を入れ換えて、自分自身の悪い所を相手側に投影する主語入れ換え論法なのである。
「主語入れ換え論法」のメリットは、「あまり深く考えなくても良い」という点にある。
批判をする際に、論理構築する必要がなく、既に存在している「自分の「悪い所」」を、そのまま流用して、「やっているのは相手だ」とするだけだからだ。
これは、「オウム返し」と同様、前頭葉での思考をしなくても良いというメリットがあり、韓国では多用されている論法である。
この様な「前頭葉での思考」を排除した論法は、脊髄反射で行うものなので、口から出てくるスピードが速い。なにしろ、事実とは違うことでも、非論理的でも構わず「取り敢えず何かを言っている」という状態をつくる為の論法だからだ。
これは、朝鮮半島文化での伝統である「声闘」で、相手より優位に立つ為に醸成された論法であり、論理的思考が追いつかない、つまり反論が為される前に次から次へと、繰り出す為の論法である。
「声闘」での勝ち負けは、周りのギャラリーの「判定」による。
その「判定」は、聞いている側も朝鮮半島の人々なので、論理的な正しさを基準にしておらず、雰囲気での優勢・劣勢で行われてきた。
それ故に、次から次へと相手の悪さを指摘する言葉が繰り出した方が「勝ち」とされる訳である。
我国文化の「広く会議を起こし万機公論に決すべし」との「議論を通じての止揚・解決を目指す」という文化とはまったく違い、朝鮮論法では、ただただ自分の要求を押し通す為の道具としての「言葉」でしかなく、事実や道理が無視されているのである。
そういう異文化間の問題なのである。
上記した9つの発言には、指摘した論法以外の朝鮮論法が幾つも存在している。
その中でも、④は悪質である。
④:「法的問題はともかく、根本的に韓日関係は法だけでは解決できない道徳的、歴史的背景があるにもかかわらず、日本側が法的に全て終わったことであり責任を負うことではないというふうに問題の根源を度外視する態度をみせるのは両国関係にとって決して望ましくない」
↓
最初に「法的問題はともかく」などと、問題の本質を除外してしまう論法である。
本件は、「日韓基本条約に反する韓国「最高裁」判決」という法の問題なのである。
そういう本質を除外して、本質とは違う「道徳的、歴史的背景」なる「別の土俵」を設定する論法である。
問題の本質とは異なるものをベースにして議論しても、その問題は絶対的に解決しない。
そういう事なのに、問題の本質を避けるのは、本質論をしても勝ち目がないからである。
長くなったので、今回の「その1」は以上である。
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【文末脚注】
(*1):韓国外交部が「対抗措置」には「対抗措置」だと脊髄反射した事例
Yahooニュース(韓国・連合ニュース)12/4(火) 18:53配信
見出し:◆韓国外交部 日本の「対抗措置」言及に失望=強制徴用判決で
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181204-00000064-yonh-kr
記事:○【ソウル聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)が日本による植民地時代に強制徴用された被害者らへの賠償を日本企業に命じた判決に日本側が反発していることについて、外交部当局者は4日、記者団に対し「日本側が韓日関係を重視するのであれば、責任ある姿勢として歴史問題に対して誠意を持って臨むことを期待する」とし、「日本側が、今回の事案を法的な問題とみなし、過去に両国間にあったが不幸な歴史に起因する問題に対して目を閉じてはならない」と指摘した。
○その上で、「特に日本側は今回の事案を過去の歴史問題から抜け出すための好機と考えてはならない」と強調した。
○また「法的問題はともかく、根本的に韓日関係は法だけでは解決できない道徳的、歴史的背景があるにもかかわらず、日本側が法的に全て終わったことであり責任を負うことではないというふうに問題の根源を度外視する態度をみせるのは両国関係にとって決して望ましくない」と批判した。
○外交部当局者の発言は日本が同問題について法的問題を強調し韓国への攻勢を続けた場合、韓国側は同問題を違法な植民地支配と人権侵害という枠組みで対応することを示唆したものと受け止められる。
○日本が対抗措置に言及したとする報道については、事実であれば、日本側に自制を促してきた韓国政府としては失望を禁じえないとし、「わが政府としても必要な場合、対抗措置に出るしかないという点を日本側が認識する必要がある」との見解を明らかにした。
○また「今回の事案に対するわが政府の検討が進行中であるため、日本側の慎重な対応が重要であることを持続的に伝えている」と説明した。
○同当局者は同問題に対する対策のために政府でTF(作業部会)を構成したとし、「国務調整室、外交部、行政安全部、法務部、産業資源部、法制処など関係官庁で協議体を構成し、判決に関する内容について綿密な検討を進めている」と紹介した。
○その上で、「わが政府としては請求権協定に関する司法の最終判断を尊重するなかで、強制徴用被害者問題に関連するこれまでの経緯、韓日関係などを総合的に勘案し、政府方針を用意するための検討を進めている」と説明。韓国政府は同問題について最大限の知恵を出し、最善の方策を講じるための努力を傾けていると伝えた。
○また、「政府としては今後、関係官庁による検討、民間の専門家などとの協議を通じ、可能な限り早く政府方針を確立していく計画だ」と述べた。政府は官民が参加する共同委員会を構成する案も検討しているという。
<引用終わり>
(*2):「問題の出発点を意図的に設定する論法」の典型例が、先の大戦の話の出発点がいつも「真珠湾攻撃」から始まるという論法である。
2018/03/19投稿:
「東京大空襲への海外の反応」に見る戦勝国の物語(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-885.html
2018/03/20投稿:
「東京大空襲への海外の反応」に見る戦勝国の物語(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-886.html
2018/03/22投稿:
「東京大空襲への海外の反応」に見る戦勝国の物語(後編)Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-887.html
【ご参考】
2016/12/06投稿:
真珠湾攻撃に関する考察
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-557.html
2016/12/08投稿:
真珠湾攻撃にまつわるデマ話
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-558.html
(*3):韓国「最高裁」の判決文の和訳の一部を以前の論考で紹介しているが、そこに登場する「歴史」とは、韓国側が設定している史実とは異なるウリナラファンタジーの捏造歴史である。
2018/11/13投稿:
わざわざ新日鉄住金本社に押し掛ける韓国側原告ら
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1052.html
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