新冷戦状態にあるとの宣言・ペンス米国副大統領演説(前編)
- 2018/10/13
- 14:13
新冷戦状態にあるとの宣言・ペンス米国副大統領演説(前編)
<ヘゲモニーチャレンジャー中国2>

副題:新たなる冷戦が始まっている。米ソ・東西冷戦はドンパチこそ発生しなかったが軍事力競走であった。新冷戦は中国が標榜する超限戦。その分野は法律戦・情報戦が主であり、軍事力は前面には出てこないので分かり難い。
前回論考「ヘゲモニーチャレンジャー中国・事大主義小中華韓国」にて提示した「新冷戦が始まっている」との認識を確信させたのは、10月4日のペンス米大統領の演説である。
同演説を報じた産経ニュース(*1)の見出しは「◆ペンス米副大統領「尖閣は日本の施政権下」中国政策演説、中間選挙への干渉を非難」であり、「尖閣列島問題」が強調されているのだが、ペンス副大統領の演説の主旨は尖閣に限定されておらず、むしろ、上記した様に「中国を相手にした新冷戦が始まっている」旨を宣言したものだと認識している。
同演説のテキストはホワイトハウスHPに記載がある(*2)ので、それに基づき、「新冷戦宣言」だと理解した理由を述べる。
先ず、この演説が行われた場所が、ワシントンの「ハドソン研究所」だという点に関して、少々述べておきたい。
「ハドソン研究所」と聞いて「ファミコンの高橋名人」を思い出してはいけない(笑)
その昔、東京12chで日曜の午後にやっていた「日高のワシントン・リポート」を思い出していただきたい。
当時では珍しく、軍事関係のレポートが多く、放送がある度に見ていたのだが、その番組のキャスターの日高氏の当時の肩書が「ハドソン研究所・客員研究員」だったと記憶している。その「ハドソン研究所」はペンス演説でも「advancing global security, prosperity, and freedom(世界の安全保障、繁栄、そして自由を進める)」と称されている様に、安全保障問題の演説に相応しい場所であるということだ。
要するに、ハドソン研究所で副大統領が「米国政府の対中政策に関する演説」をするのだから、その内容が「安全保障関係」であるということなのだ。
ペンス演説は、冒頭の導入挨拶等を述べた直後の本論冒頭で、かなりストレートに以下の様に述べている。
<ペンス演説のテキストから抜粋引用>
○Over the course of the past two years, our President has forged a strong personal relationship with the President of the People’s Republic of China, and they’ve worked closely on issues of common interest, most importantly the denuclearization of the Korean Peninsula.
○But I come before you today because the American people deserve to know that, as we speak, Beijing is employing a whole-of-government approach, using political, economic, and military tools, as well as propaganda, to advance its influence and benefit its interests in the United States.
○China is also applying this power in more proactive ways than ever before, to exert influence and interfere in the domestic policy and politics of this country.
(勝手に和訳:○過去2年間に、我々の大統領は、中国の主席との強い個人的関係を築き、共通の関心事の最も重要なことである朝鮮半島の非核化問題について緊密に協力してきました。
○しかし、私(ペンス)が皆さんの前に今日出てきたのは、アメリカ国民が知っておくべきことを述べるためです。それは、北京(中国政府)がアメリカ国内で、彼等(中国)の国益の為に、政治的、経済的、軍事的な手段やプロパガンダ(情報戦)を用いて、アメリカの政府機構全部に対して、その影響力と利益を高めるアプローチをしているのです。
○同様に、中国は、かつてないほどに積極的な方法でこの様なパワーを利用して、その影響力を及ぼし、この国(アメリカ)の国内政策と政治に干渉しているのです。
<引用終わり>
↓
本論の出だしでアメリカの副大統領が、「中国からの政治干渉」が「かつてないほど」であると言っている事に注目いただきたい。
その上で、次の様に述べ、中国の政治干渉がパックスアメリカーナの世界を変革しようとする目的だと看過している。
<ペンス演説のテキストから抜粋引用>
○In our National Security Strategy that the President Trump released last December, he described a new era of “great power competition.” Foreign nations have begun to, as we wrote, “reassert their influence regionally and globally,” and they are “contesting [America’s] geopolitical advantages and trying [in essence] to change the international order in their favor.”
(勝手に和訳:トンプル大統領が去年12月に発表した国家安全保障戦略で、彼は「巨大な権力競走(ヘゲモニー争い)」という新たな時代の到来を描き示した。諸外国は、その「地域や世界への影響力を再主張」し始めており、アメリカの地政学的優位性に異議を唱え、(現在の)国際秩序を自分達に都合の良い様に変更しようと試みていると。)
<引用終わり>
↓
ここで注目すべき点は、最後の部分の「国際秩序を自分達に都合の良い様に変更しようと試みている」の部分である。現在まで続く20世紀中盤以降の現在の国際秩序は、所謂「戦後の体制」そのものであるのだが、その国際秩序は、前回論考で書いた様に、西欧文明(Western)を基盤として成り立っており、そのヘゲモニー=指導的地位は米英等、特に戦後はアメリカが握っているものである。
我が国の場合は、安倍首相がオバマ時代からずっと国際秩序の基本的枠組みを維持したままで、そのパラダイムの悪しきものを、より良きものへと導く路線であることを表明し続けている。(*3)「国際秩序の変換」を目指してはいないのである。
現在の国際秩序は、先に述べた通り、西欧文明(Western)を基盤として成り立っており、我が国日本文明(Japanese)は西欧文明との親和性があることは前回論考で述べた通りである。これは、西欧文明側からみた場合も同じであり、日本文明の価値観・正邪判断に彼等が共感する部分が多々あるという事だ。
そういう事なので、現在の「国際秩序の変換」の必要性は我々日本人にとっても必要はなく、戦後体制のうち、我々日本人にとって望ましくないものの破棄・改善をしていくとの方向性である。そして、その個別の破棄・改善理由は西欧文明側からみた場合にも納得性があるものにしているのが安倍外交の神髄である。
この様な背景から、ペンスが言う「国際秩序を自分達に都合の良い様に変更しようと試みている」の対象国に我が国が含まれてはいないし、ペンス演説のお題が「対中政策」なのだから、主たる対象国は中国であることは明らかである。
その中国がやっていることが「国際秩序を自分達に都合の良い様に変更しようと試み」であるとの本質を、演説の初期に国民に向けて提示することは、アメリカ政府が、現在の中国を東西冷戦時・ソ連と同じだと見ていると宣言していることを意味する。
東西冷戦時のソ連は、自由民主主義を基調とする国際秩序に対して、社会主義の旗手としてのヘゲモニーチャレンジャーであったことは衆知であり、歴史的事実である。
今の中国が、そういう存在なのだとペンスはアメリカ国民に提示してみせたものである。
ペンス演説は、この様な認識を示した後にRevolutionary War(アメリカ独立戦争)の時の話に飛ぶ。18世紀後半(1700年代後半)からの米中関係の話は、一挙に「第二次世界大戦」「朝鮮戦争」の話になるのだが、この部分は歴史的事実を誤認しており「アメリカ人の歴史認識の浅さ」には、あらためて呆れるものである。
アホくさいのだが、重要な演説で、こんな間違いをしているのも困ったものなので紹介しておく。
<ペンス演説のテキストから抜粋引用>
○When the Second World War arose, we stood together as allies in the fight against imperialism. And in that war’s aftermath, America ensured that China became a charter member of the United Nations, and a great shaper of the post-war world.
○But soon after it took power in 1949, the Chinese Communist Party began to pursue authoritarian expansionism. It is remarkable to think that only five years after our nations had fought together, we fought each other in the mountains and valleys of the Korean Peninsula. My own father saw combat on that frontier of freedom.
○But not even the brutal Korean War could diminish our mutual desire to restore the ties that for so long had bound our peoples together. China’s estrangement from the United States ended in 1972, and, soon after, we re-established diplomatic relations and began to open our economies to one another, and American universities began training a new generation of Chinese engineers, business leaders, scholars, and officials.
(勝手に和訳:○第二次世界大戦が起こったときに、我々(米中)は、帝国主義との戦いで同盟国関係にありました。そして、その戦争での影響の中で、アメリカは、中国が戦後世界の創成を担う国連の創設メンバーの一員となること保証した。
○しかし、1949年に中国共産党(中共)が中国の権力を握った直後から、中共は権威主義的(毛沢東共産主義絶対思考)な膨張政策(隣国侵攻政策)を追究し始めた。(第二次世界大戦から)たった5年しか経っていないのに、我々(米中)は朝鮮半島の山々や谷間で戦う事になったのは驚くべき事態であった。私(ペンス)の父は、その戦争を自由主義の最前線で見た(参戦した)のである。
○しかし、あの残忍なる朝鮮戦争でさえも、両国民の長い絆を取り戻すとの思いを消す事は出来ませんでした。中国の米国との疎遠な関係が終わったのは1972年のことである。そして、その直後から、我々(米中)は外交関係を再開し、経済関係を開き、アメリカの大学は中国の新しい世代のエンジニア、ビジネスリーダー、官僚達の留学・研修を開始しました。)
<引用終わり>
↓
お読みいただければ分かる通り、ペンス演説では、第二次世界大戦をともに戦った、蒋介石・中華民国を含めて「China(中国)」だとする考え方である。
その連続する「China(中国)」での「政権交代が1949年にあった」との建て付けになっているのである。
第二次世界大戦時の「China(中国)」は、アメリカから見れば重慶国民党・蒋介石の「中華民国」である。
当時のアメリカ大統領ルーズベルトとイギリス首相チャーチルが重慶国民党の蒋介石を呼び出して開催した「カイロ会談」との史実からは、ペンスが言う「我々(米中)は、帝国主義との戦いで同盟国関係にありました」の「China(中国)」は重慶国民党・蒋介石の「中華民国」であることは間違いがない。
現在の「中華人民共和国」は当時の中国共産党・毛沢東の八路軍であり、重慶国民党・蒋介石の「中華民国」とは明らかに違う。
尚、当時の支那大陸には、南京国民党・汪兆銘の「中華民国」が存在しており、我が国は汪兆銘の南京国民党とは友好関係にあったことも念の為に付記しておく。
ペンス演説では、「China(中国)」での「政権交代が1949年にあった」となっているが、蒋介石の中華民国は、台湾に逃れ、そこで「存続」していることになっているのだが、ペンス演説では、その事は脇に置かれている。
第二次世界大戦・欧州戦域でのシャルル・ド・ゴール亡命政権は、連合軍の勝利により、戦後の正統政府とされたが、大戦中はフランス本国にはドイツ占領下ビシー政権があり、ド・ゴール亡命政権とは別の存在であった。要には「戦争勝者(勝てば官軍)」なのである。
敗軍の汪兆銘・中華民国と蒋介石・中華民国は雲散霧消しているのである。
現在の中国(中華人民共和国)が国連の場に登場したのは、1971年である。
毛沢東・共産党の中国が正統政府とされ、それ以前の「China(中国)」政府であった蒋介石・国民党・中華民国は国連の場から排除された。
これが史実であるのだが、その際に中共が主張していた「1つの中国」との戦略から、ペンス演説では、あの様な言い方をいているのであろうが、それでは、「時間を国連創設時に遡り、そもそも中共が中国」だとする原則を逸脱したものになっており、既に中国の術中に嵌っているのである。実に困ったものである。
話を本論に戻す。
間違ってはいるが、この部分は、実はペンス演説の本旨へとつなげる為の枕でしかない。
多分に史実誤認があるのだが、「米中の友好の歴史」を「枕」にして、ペンスが言いたいことは、米中国交回復後から現在に至るまで、ずっと中国が利己的であり、国際秩序の反してきたことの事実指摘である。それを強調する為に、対称的な「米中の友好の歴史」を述べたものだと思われる。
しかし、それが間違っていては台無しである。
ペンス演説で指摘されている中国の利己的で国際秩序に反する行為は多々あり、その40分に及ぶ演説の多くを、それに費やしている。
最初は経済関係、次に軍事関係、そして、中国での人権問題、一帯一路が経済を用いた侵略であること等々である。
<ペンス演説のテキストから中国の現状指摘冒頭部分を抜粋引用>
○Previous administrations made this choice in the hope that freedom in China would expand in all of its forms -– not just economically, but politically, with a newfound respect for classical liberal principles, private property, personal liberty, religious freedom — the entire family of human rights. But that hope has gone unfulfilled.
(勝手に和訳:○これまでの政権は、中国での自由が総ての面で拡大することを希望するものだった。それは経済分野に留まらず、政治的分野に於いても。しかし、私有財産制、個人の自由権、信教の自由、民族の自決権等の古典的な基礎的自由主義の原則、それらは基本的人権なのだが、それさえも未だに達成されていない。)
<引用終わり>
<ペンス演説のテキストから経済関係部分を抜粋引用>
○Over the past 17 years, China’s GDP has grown nine-fold; it’s become the second-largest economy in the world. Much of this success was driven by American investment in China. And the Chinese Communist Party has also used an arsenal of policies inconsistent with free and fair trade, including tariffs, quotas, currency manipulation, forced technology transfer, intellectual property theft, and industrial subsidies that are handed out like candy to foreign investment. These policies have built Beijing’s manufacturing base, at the expense of its competitors -– especially the United States of America.
○China’s actions have contributed to a trade deficit with the United States that last year ran to $375 billion –- nearly half of our global trade deficit. As President Trump said just this week, in his words, “We rebuilt China” over the last 25 years.
<引用終わり>
(勝手に和訳:○過去17年間、中国のGDPは9倍に成長した。それは世界第2位の経済規模である。この成功の大部分はアメリカの中国への投資によってもたらされたものだ。そうであるにも関わらず、中国共産党は、片務的関税、恣意的生産割当、為替操作、強制的な技術移転条項、知的財産権の侵害・無断使用、及び中国の対外投資に対して支給される「キャンディーの様な」政府補助金など、自由かつ公平な貿易慣行とは異なる政策を(自国経済の発展の)武器として使用してきた。中国は北京を「世界の工場」にする為に、これらの政策を、競争相手、特にアメリカを犠牲にして実行したものである。
○中国のこれらの行動は、昨年は3,750億ドルに達したアメリカの対中貿易赤字の発生原因である。アメリカの対中赤字額は、これは世界的な貿易赤字のほぼ半分に相当する規模である。この事をトランプ大統領は、今週の発言で「私たちは過去25年間に「中国を再建しました」と揶揄している。」
<引用終わり>
↓
ペンスは、対中経済問題に関して、この様に述べているのである。
アメリカの巨額な対中貿易赤字は、中国の不公正な貿易政策によるものだ、との指摘である。
ここで具体的事例として掲げられているものは、多少経済が分かる方ならば、説明の必要がない程に、以前から指摘され続けてきた事項である。
特に、人民元のドルペグ政策などは、随分と以前から指摘され続けており、また、知的財産権に関しての「強制的な技術移転条項」、「知的財産権の侵害・無断使用」は、ロイヤリティー収入を得ている先進国側から見れば大問題であるし、製品価格にロイヤリティーが含まれていない中国製品が市場で不当に価格競争力が高くなるとの問題である。
<長くなったので項を分けます。>
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【文末脚注】
(*1):ペンス米副大統領の中国政策に関する演説を報じるニュース
産経ニュース 2018.10.5 00:54更新
見出し:◆ペンス米副大統領「尖閣は日本の施政権下」 中国政策演説、中間選挙への干渉を非難
https://www.sankei.com/world/news/181005/wor1810050003-n1.html
リード文:○【ワシントン=黒瀬悦成】ペンス米副大統領は4日、ワシントンの政策研究機関でトランプ政権の中国政策に関し演説した。ペンス氏は、「中国は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺で恒常的に監視活動をしている」と指摘した上で「尖閣諸島は日本の施政権下にある」と強調し、東シナ海や南シナ海で覇権的な進出姿勢を強める中国に対抗していく姿勢を打ち出した。
記事:○ペンス氏は、南シナ海で9月末に「航行の自由」作戦を実施していた米駆逐艦に中国の艦船が異常接近したことにも言及し、米国が国際法で認められた全ての場所で「自由に航行し飛行し続ける」と表明した。
○ペンス氏は、中国が11月の米中間選挙で共和党の勝敗を左右する重要州で干渉を画策していると強調。対中貿易の不均衡是正に向けて中国製品に制裁関税をかける政策を推進するトランプ大統領が1期で退任するのを画策した動きであるとの認識を示し、「中国は米国の内政に干渉しようと、これまでにないほどの力を行使している」と訴えた。
○また、中国が米国内で反中的な中国人留学生を対象に「嫌がらせ行為」などを展開する一方、中国に批判的な研究機関にサイバー攻撃を仕掛けたり一部の米学者にビザを発給しないなど、「学問の自由を侵害している」と非難した。
○台湾情勢に関しては「一つの中国」原則を踏まえた政策を今後も尊重するとしつつ、「台湾で確立された民主体制は中国の国民により良い道筋を示している」と指摘。米国として台湾の体制を擁護していく姿勢を打ち出した。
○ペンス氏はその上で、「中国がトランプ大統領の米国第一主義を挫折させようとしているが、大統領は決して屈することはない」と強調した。
○同氏はまた、韓国との自由貿易協定の改定に続き、「日本とも歴史的な自由貿易協定の交渉を近く始める」と語った。
<引用終わり>
(*2):ペンス演説のテキスト
ホワイトハウスHP Issued on: October 4, 2018
見出し:◆Remarks by Vice President Pence on the Administration’s Policy Toward China
(勝手な意訳:ペンス副大統領による、対中政策に関しての方針演説)
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-vice-president-pence-administrations-policy-toward-china/
※当然ながら全文英語なので、全文引用はしていない。注目点は本稿の中で適宜引用している。
(*3):安倍首相がオバマ時代からずっと国際秩序の基本的枠組みを維持したままで、そのパラダイムの悪しきものを、より良きものへと導く路線であることを表明し続けている。
以前に本ブログで取り上げた、その事例を紹介する。
●<米国議会演説>:日本時間2015年4月29日深夜
・安倍首相の上下両院合同会議での演説
22015/05/01投稿:
【コラム】アメリカ人に考えさせる演説を読む1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-96.html
2015/05/01投稿:
【コラム2】アメリカ人に考えさせる演説を読む2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-97.html
●<戦後70周年談話>:平成27年(2015年)8月14日
2015/08/15投稿:
【コラム】安倍談話を読む
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-188.html
2015/08/18投稿:
【コラム】安倍談話を読む2-1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-190.html
2015/08/19投稿:
【コラム】安倍談話を読む2-2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-191.html
●<伊勢志摩G7サミット首脳宣言>:.2016年5月26‐27日
2016/06/06投稿:
【コラム】伊勢志摩G7サミット首脳宣言の概要(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-428.html
2016/06/07投稿:
【コラム】伊勢志摩G7サミット首脳宣言の概要(後編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-429.html
●<オバマ広島訪問時演説>:.2016年5月27日
※2016年の5月27日、伊勢志摩サミットで来日していた当時のアメリカ大統領オバマが、戦後、初めて広島を訪問した。その時のオバマの広島演説で、オバマは戦後レジュームの終焉を呼び掛けた。そのオバマ演説後の安倍演説
2016/06/21投稿:
【コラム】安倍首相広島スピーチ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-441.html
【ご参考】
2016/08/06投稿:
8月6日広島・オバマ演説を振り返る【コラム】
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-476.html
●<真珠湾演説>:.2016年12月28日
※2016年の年末に安倍首相は真珠湾を訪問しメッセージを発信している。これは、その年の5月のオバマ訪問と対を成すものである。目的は戦後パラダイムの終焉である。
2016/12/30投稿:
真珠湾・安倍演説1「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-574.html
2016/12/31投稿:
真珠湾・安倍演説2「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-575.html
【ご参考】
2017/01/03投稿:
真珠湾オバマ演説1・2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-576.html
2017/01/04投稿:
真珠湾オバマ演説2・2016/12/28Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-577.html
2016/12/29投稿:
(資料編)真珠湾両首脳ステートメント
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-573.html
●<日印首脳会談・日印共同声明>2017年9月14日
2017/09/17投稿:
安倍首相・インド訪問
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-754.html
●<日米首脳会談>:現地時間2018年4月19日
2018/04/22投稿:
日米首脳会談・両首脳記者会見スピーチ1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-912.html
2018/04/23投稿:
日米首脳会談・両首脳記者会見スピーチ2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-913.html
●<2018年国連総会演説>:現地時間2018年9月25日
2018/10/21投稿:
安倍首相・国連演説2018(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1025.html
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<ヘゲモニーチャレンジャー中国2>


副題:新たなる冷戦が始まっている。米ソ・東西冷戦はドンパチこそ発生しなかったが軍事力競走であった。新冷戦は中国が標榜する超限戦。その分野は法律戦・情報戦が主であり、軍事力は前面には出てこないので分かり難い。
前回論考「ヘゲモニーチャレンジャー中国・事大主義小中華韓国」にて提示した「新冷戦が始まっている」との認識を確信させたのは、10月4日のペンス米大統領の演説である。
同演説を報じた産経ニュース(*1)の見出しは「◆ペンス米副大統領「尖閣は日本の施政権下」中国政策演説、中間選挙への干渉を非難」であり、「尖閣列島問題」が強調されているのだが、ペンス副大統領の演説の主旨は尖閣に限定されておらず、むしろ、上記した様に「中国を相手にした新冷戦が始まっている」旨を宣言したものだと認識している。
同演説のテキストはホワイトハウスHPに記載がある(*2)ので、それに基づき、「新冷戦宣言」だと理解した理由を述べる。
先ず、この演説が行われた場所が、ワシントンの「ハドソン研究所」だという点に関して、少々述べておきたい。
「ハドソン研究所」と聞いて「ファミコンの高橋名人」を思い出してはいけない(笑)
その昔、東京12chで日曜の午後にやっていた「日高のワシントン・リポート」を思い出していただきたい。
当時では珍しく、軍事関係のレポートが多く、放送がある度に見ていたのだが、その番組のキャスターの日高氏の当時の肩書が「ハドソン研究所・客員研究員」だったと記憶している。その「ハドソン研究所」はペンス演説でも「advancing global security, prosperity, and freedom(世界の安全保障、繁栄、そして自由を進める)」と称されている様に、安全保障問題の演説に相応しい場所であるということだ。
要するに、ハドソン研究所で副大統領が「米国政府の対中政策に関する演説」をするのだから、その内容が「安全保障関係」であるということなのだ。
ペンス演説は、冒頭の導入挨拶等を述べた直後の本論冒頭で、かなりストレートに以下の様に述べている。
<ペンス演説のテキストから抜粋引用>
○Over the course of the past two years, our President has forged a strong personal relationship with the President of the People’s Republic of China, and they’ve worked closely on issues of common interest, most importantly the denuclearization of the Korean Peninsula.
○But I come before you today because the American people deserve to know that, as we speak, Beijing is employing a whole-of-government approach, using political, economic, and military tools, as well as propaganda, to advance its influence and benefit its interests in the United States.
○China is also applying this power in more proactive ways than ever before, to exert influence and interfere in the domestic policy and politics of this country.
(勝手に和訳:○過去2年間に、我々の大統領は、中国の主席との強い個人的関係を築き、共通の関心事の最も重要なことである朝鮮半島の非核化問題について緊密に協力してきました。
○しかし、私(ペンス)が皆さんの前に今日出てきたのは、アメリカ国民が知っておくべきことを述べるためです。それは、北京(中国政府)がアメリカ国内で、彼等(中国)の国益の為に、政治的、経済的、軍事的な手段やプロパガンダ(情報戦)を用いて、アメリカの政府機構全部に対して、その影響力と利益を高めるアプローチをしているのです。
○同様に、中国は、かつてないほどに積極的な方法でこの様なパワーを利用して、その影響力を及ぼし、この国(アメリカ)の国内政策と政治に干渉しているのです。
<引用終わり>
↓
本論の出だしでアメリカの副大統領が、「中国からの政治干渉」が「かつてないほど」であると言っている事に注目いただきたい。
その上で、次の様に述べ、中国の政治干渉がパックスアメリカーナの世界を変革しようとする目的だと看過している。
<ペンス演説のテキストから抜粋引用>
○In our National Security Strategy that the President Trump released last December, he described a new era of “great power competition.” Foreign nations have begun to, as we wrote, “reassert their influence regionally and globally,” and they are “contesting [America’s] geopolitical advantages and trying [in essence] to change the international order in their favor.”
(勝手に和訳:トンプル大統領が去年12月に発表した国家安全保障戦略で、彼は「巨大な権力競走(ヘゲモニー争い)」という新たな時代の到来を描き示した。諸外国は、その「地域や世界への影響力を再主張」し始めており、アメリカの地政学的優位性に異議を唱え、(現在の)国際秩序を自分達に都合の良い様に変更しようと試みていると。)
<引用終わり>
↓
ここで注目すべき点は、最後の部分の「国際秩序を自分達に都合の良い様に変更しようと試みている」の部分である。現在まで続く20世紀中盤以降の現在の国際秩序は、所謂「戦後の体制」そのものであるのだが、その国際秩序は、前回論考で書いた様に、西欧文明(Western)を基盤として成り立っており、そのヘゲモニー=指導的地位は米英等、特に戦後はアメリカが握っているものである。
我が国の場合は、安倍首相がオバマ時代からずっと国際秩序の基本的枠組みを維持したままで、そのパラダイムの悪しきものを、より良きものへと導く路線であることを表明し続けている。(*3)「国際秩序の変換」を目指してはいないのである。
現在の国際秩序は、先に述べた通り、西欧文明(Western)を基盤として成り立っており、我が国日本文明(Japanese)は西欧文明との親和性があることは前回論考で述べた通りである。これは、西欧文明側からみた場合も同じであり、日本文明の価値観・正邪判断に彼等が共感する部分が多々あるという事だ。
そういう事なので、現在の「国際秩序の変換」の必要性は我々日本人にとっても必要はなく、戦後体制のうち、我々日本人にとって望ましくないものの破棄・改善をしていくとの方向性である。そして、その個別の破棄・改善理由は西欧文明側からみた場合にも納得性があるものにしているのが安倍外交の神髄である。
この様な背景から、ペンスが言う「国際秩序を自分達に都合の良い様に変更しようと試みている」の対象国に我が国が含まれてはいないし、ペンス演説のお題が「対中政策」なのだから、主たる対象国は中国であることは明らかである。
その中国がやっていることが「国際秩序を自分達に都合の良い様に変更しようと試み」であるとの本質を、演説の初期に国民に向けて提示することは、アメリカ政府が、現在の中国を東西冷戦時・ソ連と同じだと見ていると宣言していることを意味する。
東西冷戦時のソ連は、自由民主主義を基調とする国際秩序に対して、社会主義の旗手としてのヘゲモニーチャレンジャーであったことは衆知であり、歴史的事実である。
今の中国が、そういう存在なのだとペンスはアメリカ国民に提示してみせたものである。
ペンス演説は、この様な認識を示した後にRevolutionary War(アメリカ独立戦争)の時の話に飛ぶ。18世紀後半(1700年代後半)からの米中関係の話は、一挙に「第二次世界大戦」「朝鮮戦争」の話になるのだが、この部分は歴史的事実を誤認しており「アメリカ人の歴史認識の浅さ」には、あらためて呆れるものである。
アホくさいのだが、重要な演説で、こんな間違いをしているのも困ったものなので紹介しておく。
<ペンス演説のテキストから抜粋引用>
○When the Second World War arose, we stood together as allies in the fight against imperialism. And in that war’s aftermath, America ensured that China became a charter member of the United Nations, and a great shaper of the post-war world.
○But soon after it took power in 1949, the Chinese Communist Party began to pursue authoritarian expansionism. It is remarkable to think that only five years after our nations had fought together, we fought each other in the mountains and valleys of the Korean Peninsula. My own father saw combat on that frontier of freedom.
○But not even the brutal Korean War could diminish our mutual desire to restore the ties that for so long had bound our peoples together. China’s estrangement from the United States ended in 1972, and, soon after, we re-established diplomatic relations and began to open our economies to one another, and American universities began training a new generation of Chinese engineers, business leaders, scholars, and officials.
(勝手に和訳:○第二次世界大戦が起こったときに、我々(米中)は、帝国主義との戦いで同盟国関係にありました。そして、その戦争での影響の中で、アメリカは、中国が戦後世界の創成を担う国連の創設メンバーの一員となること保証した。
○しかし、1949年に中国共産党(中共)が中国の権力を握った直後から、中共は権威主義的(毛沢東共産主義絶対思考)な膨張政策(隣国侵攻政策)を追究し始めた。(第二次世界大戦から)たった5年しか経っていないのに、我々(米中)は朝鮮半島の山々や谷間で戦う事になったのは驚くべき事態であった。私(ペンス)の父は、その戦争を自由主義の最前線で見た(参戦した)のである。
○しかし、あの残忍なる朝鮮戦争でさえも、両国民の長い絆を取り戻すとの思いを消す事は出来ませんでした。中国の米国との疎遠な関係が終わったのは1972年のことである。そして、その直後から、我々(米中)は外交関係を再開し、経済関係を開き、アメリカの大学は中国の新しい世代のエンジニア、ビジネスリーダー、官僚達の留学・研修を開始しました。)
<引用終わり>
↓
お読みいただければ分かる通り、ペンス演説では、第二次世界大戦をともに戦った、蒋介石・中華民国を含めて「China(中国)」だとする考え方である。
その連続する「China(中国)」での「政権交代が1949年にあった」との建て付けになっているのである。
第二次世界大戦時の「China(中国)」は、アメリカから見れば重慶国民党・蒋介石の「中華民国」である。
当時のアメリカ大統領ルーズベルトとイギリス首相チャーチルが重慶国民党の蒋介石を呼び出して開催した「カイロ会談」との史実からは、ペンスが言う「我々(米中)は、帝国主義との戦いで同盟国関係にありました」の「China(中国)」は重慶国民党・蒋介石の「中華民国」であることは間違いがない。
現在の「中華人民共和国」は当時の中国共産党・毛沢東の八路軍であり、重慶国民党・蒋介石の「中華民国」とは明らかに違う。
尚、当時の支那大陸には、南京国民党・汪兆銘の「中華民国」が存在しており、我が国は汪兆銘の南京国民党とは友好関係にあったことも念の為に付記しておく。
ペンス演説では、「China(中国)」での「政権交代が1949年にあった」となっているが、蒋介石の中華民国は、台湾に逃れ、そこで「存続」していることになっているのだが、ペンス演説では、その事は脇に置かれている。
第二次世界大戦・欧州戦域でのシャルル・ド・ゴール亡命政権は、連合軍の勝利により、戦後の正統政府とされたが、大戦中はフランス本国にはドイツ占領下ビシー政権があり、ド・ゴール亡命政権とは別の存在であった。要には「戦争勝者(勝てば官軍)」なのである。
敗軍の汪兆銘・中華民国と蒋介石・中華民国は雲散霧消しているのである。
現在の中国(中華人民共和国)が国連の場に登場したのは、1971年である。
毛沢東・共産党の中国が正統政府とされ、それ以前の「China(中国)」政府であった蒋介石・国民党・中華民国は国連の場から排除された。
これが史実であるのだが、その際に中共が主張していた「1つの中国」との戦略から、ペンス演説では、あの様な言い方をいているのであろうが、それでは、「時間を国連創設時に遡り、そもそも中共が中国」だとする原則を逸脱したものになっており、既に中国の術中に嵌っているのである。実に困ったものである。
話を本論に戻す。
間違ってはいるが、この部分は、実はペンス演説の本旨へとつなげる為の枕でしかない。
多分に史実誤認があるのだが、「米中の友好の歴史」を「枕」にして、ペンスが言いたいことは、米中国交回復後から現在に至るまで、ずっと中国が利己的であり、国際秩序の反してきたことの事実指摘である。それを強調する為に、対称的な「米中の友好の歴史」を述べたものだと思われる。
しかし、それが間違っていては台無しである。
ペンス演説で指摘されている中国の利己的で国際秩序に反する行為は多々あり、その40分に及ぶ演説の多くを、それに費やしている。
最初は経済関係、次に軍事関係、そして、中国での人権問題、一帯一路が経済を用いた侵略であること等々である。
<ペンス演説のテキストから中国の現状指摘冒頭部分を抜粋引用>
○Previous administrations made this choice in the hope that freedom in China would expand in all of its forms -– not just economically, but politically, with a newfound respect for classical liberal principles, private property, personal liberty, religious freedom — the entire family of human rights. But that hope has gone unfulfilled.
(勝手に和訳:○これまでの政権は、中国での自由が総ての面で拡大することを希望するものだった。それは経済分野に留まらず、政治的分野に於いても。しかし、私有財産制、個人の自由権、信教の自由、民族の自決権等の古典的な基礎的自由主義の原則、それらは基本的人権なのだが、それさえも未だに達成されていない。)
<引用終わり>
<ペンス演説のテキストから経済関係部分を抜粋引用>
○Over the past 17 years, China’s GDP has grown nine-fold; it’s become the second-largest economy in the world. Much of this success was driven by American investment in China. And the Chinese Communist Party has also used an arsenal of policies inconsistent with free and fair trade, including tariffs, quotas, currency manipulation, forced technology transfer, intellectual property theft, and industrial subsidies that are handed out like candy to foreign investment. These policies have built Beijing’s manufacturing base, at the expense of its competitors -– especially the United States of America.
○China’s actions have contributed to a trade deficit with the United States that last year ran to $375 billion –- nearly half of our global trade deficit. As President Trump said just this week, in his words, “We rebuilt China” over the last 25 years.
<引用終わり>
(勝手に和訳:○過去17年間、中国のGDPは9倍に成長した。それは世界第2位の経済規模である。この成功の大部分はアメリカの中国への投資によってもたらされたものだ。そうであるにも関わらず、中国共産党は、片務的関税、恣意的生産割当、為替操作、強制的な技術移転条項、知的財産権の侵害・無断使用、及び中国の対外投資に対して支給される「キャンディーの様な」政府補助金など、自由かつ公平な貿易慣行とは異なる政策を(自国経済の発展の)武器として使用してきた。中国は北京を「世界の工場」にする為に、これらの政策を、競争相手、特にアメリカを犠牲にして実行したものである。
○中国のこれらの行動は、昨年は3,750億ドルに達したアメリカの対中貿易赤字の発生原因である。アメリカの対中赤字額は、これは世界的な貿易赤字のほぼ半分に相当する規模である。この事をトランプ大統領は、今週の発言で「私たちは過去25年間に「中国を再建しました」と揶揄している。」
<引用終わり>
↓
ペンスは、対中経済問題に関して、この様に述べているのである。
アメリカの巨額な対中貿易赤字は、中国の不公正な貿易政策によるものだ、との指摘である。
ここで具体的事例として掲げられているものは、多少経済が分かる方ならば、説明の必要がない程に、以前から指摘され続けてきた事項である。
特に、人民元のドルペグ政策などは、随分と以前から指摘され続けており、また、知的財産権に関しての「強制的な技術移転条項」、「知的財産権の侵害・無断使用」は、ロイヤリティー収入を得ている先進国側から見れば大問題であるし、製品価格にロイヤリティーが含まれていない中国製品が市場で不当に価格競争力が高くなるとの問題である。
<長くなったので項を分けます。>
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【文末脚注】
(*1):ペンス米副大統領の中国政策に関する演説を報じるニュース
産経ニュース 2018.10.5 00:54更新
見出し:◆ペンス米副大統領「尖閣は日本の施政権下」 中国政策演説、中間選挙への干渉を非難
https://www.sankei.com/world/news/181005/wor1810050003-n1.html
リード文:○【ワシントン=黒瀬悦成】ペンス米副大統領は4日、ワシントンの政策研究機関でトランプ政権の中国政策に関し演説した。ペンス氏は、「中国は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺で恒常的に監視活動をしている」と指摘した上で「尖閣諸島は日本の施政権下にある」と強調し、東シナ海や南シナ海で覇権的な進出姿勢を強める中国に対抗していく姿勢を打ち出した。
記事:○ペンス氏は、南シナ海で9月末に「航行の自由」作戦を実施していた米駆逐艦に中国の艦船が異常接近したことにも言及し、米国が国際法で認められた全ての場所で「自由に航行し飛行し続ける」と表明した。
○ペンス氏は、中国が11月の米中間選挙で共和党の勝敗を左右する重要州で干渉を画策していると強調。対中貿易の不均衡是正に向けて中国製品に制裁関税をかける政策を推進するトランプ大統領が1期で退任するのを画策した動きであるとの認識を示し、「中国は米国の内政に干渉しようと、これまでにないほどの力を行使している」と訴えた。
○また、中国が米国内で反中的な中国人留学生を対象に「嫌がらせ行為」などを展開する一方、中国に批判的な研究機関にサイバー攻撃を仕掛けたり一部の米学者にビザを発給しないなど、「学問の自由を侵害している」と非難した。
○台湾情勢に関しては「一つの中国」原則を踏まえた政策を今後も尊重するとしつつ、「台湾で確立された民主体制は中国の国民により良い道筋を示している」と指摘。米国として台湾の体制を擁護していく姿勢を打ち出した。
○ペンス氏はその上で、「中国がトランプ大統領の米国第一主義を挫折させようとしているが、大統領は決して屈することはない」と強調した。
○同氏はまた、韓国との自由貿易協定の改定に続き、「日本とも歴史的な自由貿易協定の交渉を近く始める」と語った。
<引用終わり>
(*2):ペンス演説のテキスト
ホワイトハウスHP Issued on: October 4, 2018
見出し:◆Remarks by Vice President Pence on the Administration’s Policy Toward China
(勝手な意訳:ペンス副大統領による、対中政策に関しての方針演説)
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-vice-president-pence-administrations-policy-toward-china/
※当然ながら全文英語なので、全文引用はしていない。注目点は本稿の中で適宜引用している。
(*3):安倍首相がオバマ時代からずっと国際秩序の基本的枠組みを維持したままで、そのパラダイムの悪しきものを、より良きものへと導く路線であることを表明し続けている。
以前に本ブログで取り上げた、その事例を紹介する。
●<米国議会演説>:日本時間2015年4月29日深夜
・安倍首相の上下両院合同会議での演説
22015/05/01投稿:
【コラム】アメリカ人に考えさせる演説を読む1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-96.html
2015/05/01投稿:
【コラム2】アメリカ人に考えさせる演説を読む2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-97.html
●<戦後70周年談話>:平成27年(2015年)8月14日
2015/08/15投稿:
【コラム】安倍談話を読む
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-188.html
2015/08/18投稿:
【コラム】安倍談話を読む2-1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-190.html
2015/08/19投稿:
【コラム】安倍談話を読む2-2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-191.html
●<伊勢志摩G7サミット首脳宣言>:.2016年5月26‐27日
2016/06/06投稿:
【コラム】伊勢志摩G7サミット首脳宣言の概要(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-428.html
2016/06/07投稿:
【コラム】伊勢志摩G7サミット首脳宣言の概要(後編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-429.html
●<オバマ広島訪問時演説>:.2016年5月27日
※2016年の5月27日、伊勢志摩サミットで来日していた当時のアメリカ大統領オバマが、戦後、初めて広島を訪問した。その時のオバマの広島演説で、オバマは戦後レジュームの終焉を呼び掛けた。そのオバマ演説後の安倍演説
2016/06/21投稿:
【コラム】安倍首相広島スピーチ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-441.html
【ご参考】
2016/08/06投稿:
8月6日広島・オバマ演説を振り返る【コラム】
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-476.html
●<真珠湾演説>:.2016年12月28日
※2016年の年末に安倍首相は真珠湾を訪問しメッセージを発信している。これは、その年の5月のオバマ訪問と対を成すものである。目的は戦後パラダイムの終焉である。
2016/12/30投稿:
真珠湾・安倍演説1「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-574.html
2016/12/31投稿:
真珠湾・安倍演説2「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-575.html
【ご参考】
2017/01/03投稿:
真珠湾オバマ演説1・2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-576.html
2017/01/04投稿:
真珠湾オバマ演説2・2016/12/28Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-577.html
2016/12/29投稿:
(資料編)真珠湾両首脳ステートメント
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-573.html
●<日印首脳会談・日印共同声明>2017年9月14日
2017/09/17投稿:
安倍首相・インド訪問
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-754.html
●<日米首脳会談>:現地時間2018年4月19日
2018/04/22投稿:
日米首脳会談・両首脳記者会見スピーチ1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-912.html
2018/04/23投稿:
日米首脳会談・両首脳記者会見スピーチ2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-913.html
●<2018年国連総会演説>:現地時間2018年9月25日
2018/10/21投稿:
安倍首相・国連演説2018(中編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-1025.html
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