ヘゲモニーチャレンジャー中国・事大主義小中華韓国
- 2018/10/11
- 20:16
ヘゲモニーチャレンジャー中国・事大主義小中華韓国

副題:新たなる冷戦が始まっている。米ソ・東西冷戦はドンパチこそ発生しなかったが軍事力競走であったが、新冷戦は中国が標榜する超限戦。その分野は法律戦・情報戦が主であり、軍事力は前面には出てこないので分かり難い。
今回は、題と副題で書いたことが総てである。
副題だけで何の事かお分かりの方は認識の再確認に留まると思う。
一方、何の事か分からない方は是非とも、提示する視点を各自で考えていただきたい。
先ず、「ヘゲモニーチャレンジャー」とは、ヘゲモニー=「指導的地位」の座に就こうとするチャレンジャー=挑戦者というものだが、これは、現在の世界の建て付け・制度・正邪判断基準・価値観が西欧文明(Western(*1))を基盤として成り立っており、そのヘゲモニー=指導的地位は米英等が握っているのだが、そういう現状の正邪判断基準や価値観の変更を求める動きをしている国のことをいう。
ここで注意しなければならない事は、ヘゲモニーを握っているWhoの話と、そのヘゲモニー下での正邪判断基準や価値観=パラダイムWhatは時代の変遷Whenに伴い変化するものだということである。とは言え、各時代のパラダイムが、ヘゲモニーに握っているWhoの文明的根本から外れることはない。
具体的に言えば、21世紀現在の世界のヘゲモニーは米英等西欧文明国が握っており、そのパラダイムは自由・平等・互恵・法治等々が「正しい」と考えるものである。
一方、19世紀から20世紀中盤までの世界では、そのヘゲモニーは今と変わらず、米英等の西欧文明国が握っていたのだが、その西欧文明が「正」とする自由・平等・互恵・法治等は「白人限定」というパラダイムであり、植民地現地人は、そういう正邪判断の対象外として扱っていたものである。
我が国は、1919年の時点でパリ講和会議・国際連盟で「人種差別撤廃」を提案しているのだが、それを否定したのは「自由の国アメリカ」のウィルソン大統領である。(*2)
「白人限定」のパラダイム(*3)が崩れ、有色人種も人間・民族自決が新たなパラダイムとなったのは大東亜戦争後の20世紀中盤以降である。
西欧文明に基盤を置くパラダイムの基本は自由・平等・互恵・法治等々であるが、今や「当たり前」である民族自決・有色人種も人間を含めて、現在のパラダイムへと変換していったのである。(*4)
「民族自決・有色人種も人間」がパラダイムではなかった時代の白色人種の有色人種の扱いは、スペインの南米大陸での振る舞い、イギリスのインドでの振る舞い、オランダのインドネシアでの振る舞いなどを見れば、その変換が顕著であることがわかるであろう。
現在は、以前の「白人限定」がなくなったパラダイムとなったと理解すると分かり易い。
現在の世界は、各民族、同じ理念や同じ歴史を共有する人々が国家を形成・維持して、その国家が主権を持ち、最高主権とするものである。その国家を造り支えている国民の人種は問われないし、各国が、その主権下で、どの様な体制で国家統治をしていようと、それ自体を否定するものではない。
中東に位置するイランはイスラム文明圏(Islamic)の国で「イスラム共和制」という国家体制であり、西欧文明社会や我が国日本文明(Japanese(*5))社会の目から見れば、随分と違った価値観に基づく社会・国家である様に見える(*6)のだが、それは「民族自決・国家主権を最高主権とする現在の世界の建て付けからは、彼等の自由の範疇であり、彼等の自己決定権に委ねるものである。
同様、現在、中国共産党が統治する支那の地にある中華人民共和国も、自由民主主義国から見れば、まったくに非民主的な国家体制であり、チベット・ウィグルでの民族浄化策はもっとも非道なる人権毀損・人権侵害事例なのだが、そんな非民主的・非人道的なことをやっていても、強制的にやめさせることは原則に反するのである。
とは言え、そうであるからこそ国連人権ナンチャラ委員会は正論を言うべき立場にあるのになぁと思うのである。実際は違っているのである。
話を戻す。
そういう自由・平等・互恵・法治等のパラダイムの上に築かれているのが「国際法」と称される各種条約や議定や、それを実行する国際機関である。
幸にして、我が国日本文明は、これらの基礎的理念の基盤となっている西欧文明との親和性がある部分が多いく、国際的な取り決めに対して激しい違和感を持つものは多くはない。勿論、全然違う部分もあるのだが、比較的に親和性があるという事だ。
一方、我が国日本文明での価値観・正邪判断基準は、地理的には近いシナ大陸や朝鮮半島のシナ文明(Sinic)とは根本部分で違っており、歴史的文化的な影響は地理的に近いので「似ている」と思われるが、むしろ、親和性は高くない。
この様な「学校では習わない事柄」が話の背景にあるので「分からない人」もいると思うが、現在の世界は、西欧文明の価値観で出来ており、それに違和感を持っていても、それに則って外交を行うことが必要な場面が多々出て来る。
例えば、サウジアラビアはイスラム文明圏の国であり、西欧文明とはかなり違った価値観を持っているのだが、産油国との恵まれた国土があるので、国際社会の仕組みを否定しておらず、それに則って自分達の国益に利用している。
一方、イスラム文明圏の「本音」が最悪の形で顕在化したのがISIS団であると見ている。
サウジの様な、ある意味賢明な態度は良くあることで、現在の様なGDP額や軍事力が時代遅れであった以前の中国は、国際社会の仕組みが自己の価値観・正邪判断基準とは違っていても、それに反するのではなく、むしろ、それを利用して恩恵を得るとの対応をしてきた。
ところが、経済的に増進し、それに伴い、毎年10%以上の軍事費投入及び西側軍事技術の導入により強化された軍事力が揃うと、中国は本音を隠さなくなってきたのである。
経済と軍事は、国力の両輪であり、その両方で自信をつけた中国は、国際社会の仕組みや価値観が自分にとって不利と見るや、平然と、それらを無視して、自分達の価値観で行動し始めたのである。
中国は「4000年の歴史」を持つのだと自称しているのだが、これを西欧文明の学問基準で見ると、中国の歴史は1949年から始まった建国約70年の国である。
王朝と民族に連続性がないのだから、シナの地での「中国の歴史」は「中華人民共和国」の歴史であり、約70年となる。
一方、シナ文明圏での基準は違っている。彼等は易姓革命思想で以て4000年を自称しているのである。この事は以前、詳しく論考している(*7)ので、それをお読みいただきたい。
自分達の価値観で行動し始めた中国の存在は、自由主義vs共産主義との東西冷戦構造でのソ連とは違う相手であるのだが、ずっとヘゲモニーを握り続けた西欧文明の視点では、その違いが実感できていないと考える。(*8)
中国の価値観は、中華思想・華夷秩序にある。
その視点からは、中華が世界のヘゲモニー(覇権)を握るのが当然であり、そうなっていない世界は「違っている」となるのである。
トランプが大統領になって以降の米国は、中国の本音が何処にあるのかに気が付いた様である。
米国は、その根本価値観への挑戦を許さない。米国は自己の価値観を至上と考えており、世界は、それに基づいて回るべきだと考えている。我々日本人から見ると随分と独善的なのだが、それ点は、我々日本文明との差異がある部分の1つなのである。
昨今の米中関係は、この様な価値観の違いに基づく、中国による自文明に基づくヘゲモニー把握を目指した動き、即ち、ヘゲモニーチャレンジャ-中国と、それを許さぬ米国による新たな冷戦が始まっていることの表れだと認識している。
そして、その舞台は、米ソ冷戦時の「体制競争・軍事競走」ではなく、以前から中国が標榜していた超限戦という無差別・非限定の法律戦・情報戦となっているのである。
今、米中で行われている様々なコンフリクトは、新たな冷戦の一部が表面に表れているものだと考えている。
ところで、題名に登場した韓国が、ここまで記事に登場していないことを怪訝に思った方も多いと思うが、それは、韓国は目立つのだが、実際のところはシナ文明圏の1国である韓国は、その価値観「事大」の一言で御仕舞だからである。
彼等の根本原理は一言で言えば「生き残り」である。事大は、その為の手段である。
「有利な方につく」、「勝者につく」ことが、自分の生き残りの為には必須だとの原理があるので、我々日本人の価値観から見れば、そういう行為は「手の平返し」「裏切り」という邪悪な行為になるのだが、彼等の価値観では「正当な行為」なのである。
「事大」には主体性はないのである。
現在の韓国の事大先は軍拡及び経済成長著しい中国であり、それは彼等が歴史上ずっと事大してきた相手であることもあり、それが「自然」なのであろうが、一旦中国が揺らぐと、韓国は自身の原理に則り、「新しい事大先に事大する」だけである。
そういう事なので「事大主義小中華韓国」と題に書いた次第である。
現状の世界情勢は、この様な文明間のコンフリクトが深まり、それが表面に出てきているものだと思うのだが、如何であろう。
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【文末脚注】
(*1):世界の文明圏
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E6%98%8E%E3%81%AE%E8%A1%9D%E7%AA%81#/media/File:Clash_of_Civilizations_mapn2.png
Western(西欧文明圏)
Orthodox (東方正教文明圏(スラブ文明))
Islamic(イスラム文明圏)
Buddhist(仏教文明圏)
Hindu(ヒンズー文明圏)
African(アフリカ文明圏)
Latin American(ラテンアメリカ文明緬)
Sinic(シナ文明圏)
Japanese(日本文明圏)
(*2):我が国は、1919年の時点でパリ講和会議・国際連盟で「人種差別撤廃」を提案しているのだが、それを否定したのは「自由の国アメリカ」のウィルソン大統領である。
2015/11/23投稿:
「日本人は好戦的民族」? それ違いますから。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-271.html
2015/08/18投稿:
【コラム】安倍談話を読む2-1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-190.html
(*3):「白人限定」のパラダイム
2015/11/07投稿:
【コラム】「人類」「全世界」の範囲
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-256.html
(*4):今や「当たり前」である民族自決・有色人種も人間との現在のパラダイム
<民族自決>
2015/03/26投稿:
【コラム】戦後の新世界秩序<民族自決・自存自立>
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-65.html
※多くの民族を抑圧の鎖のもとにおいた植民地体制は完全に崩壊し、民族の自決権は公認の世界的な原理という地位を獲得し、百を超える国ぐにが新たに政治的独立をかちとって主権国家となった。
<有色人種も人間>
2016/05/27投稿:
【コラム】1905年5月27日は人類史の転換点
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-423.html
(*5):我が国日本文明
2015/12/25投稿:
【コラム】我が国の文化背景
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-292.html
2015/09/12投稿:
【コラム】記紀と聖書
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-207.html
(*6):イスラム文明圏(Islamic)の国は随分と違った価値観に基づく社会・国家である様に見える。
2016/11/27投稿:
定義捻じ曲げ「立憲主義」の笑止千万
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-551.html
2017/07/19投稿:
続・「立憲主義」は現行憲法では成り立たない
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-715.html
(*7):シナ文明圏での基準は違っている。彼等は易姓革命思想で以て4000年を自称しているのである。
2017/07/04投稿:
シナ大陸の歴史観・易姓革命
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-708.html
(*8):自分達の価値観で行動し始めた中国の存在は、自由主義vs共産主義との東西冷戦構造でのソ連とは違う相手である。
2017/12/21投稿:
情勢認識が冷戦時代のままではダメでしょ。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-829.html
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副題:新たなる冷戦が始まっている。米ソ・東西冷戦はドンパチこそ発生しなかったが軍事力競走であったが、新冷戦は中国が標榜する超限戦。その分野は法律戦・情報戦が主であり、軍事力は前面には出てこないので分かり難い。
今回は、題と副題で書いたことが総てである。
副題だけで何の事かお分かりの方は認識の再確認に留まると思う。
一方、何の事か分からない方は是非とも、提示する視点を各自で考えていただきたい。
先ず、「ヘゲモニーチャレンジャー」とは、ヘゲモニー=「指導的地位」の座に就こうとするチャレンジャー=挑戦者というものだが、これは、現在の世界の建て付け・制度・正邪判断基準・価値観が西欧文明(Western(*1))を基盤として成り立っており、そのヘゲモニー=指導的地位は米英等が握っているのだが、そういう現状の正邪判断基準や価値観の変更を求める動きをしている国のことをいう。
ここで注意しなければならない事は、ヘゲモニーを握っているWhoの話と、そのヘゲモニー下での正邪判断基準や価値観=パラダイムWhatは時代の変遷Whenに伴い変化するものだということである。とは言え、各時代のパラダイムが、ヘゲモニーに握っているWhoの文明的根本から外れることはない。
具体的に言えば、21世紀現在の世界のヘゲモニーは米英等西欧文明国が握っており、そのパラダイムは自由・平等・互恵・法治等々が「正しい」と考えるものである。
一方、19世紀から20世紀中盤までの世界では、そのヘゲモニーは今と変わらず、米英等の西欧文明国が握っていたのだが、その西欧文明が「正」とする自由・平等・互恵・法治等は「白人限定」というパラダイムであり、植民地現地人は、そういう正邪判断の対象外として扱っていたものである。
我が国は、1919年の時点でパリ講和会議・国際連盟で「人種差別撤廃」を提案しているのだが、それを否定したのは「自由の国アメリカ」のウィルソン大統領である。(*2)
「白人限定」のパラダイム(*3)が崩れ、有色人種も人間・民族自決が新たなパラダイムとなったのは大東亜戦争後の20世紀中盤以降である。
西欧文明に基盤を置くパラダイムの基本は自由・平等・互恵・法治等々であるが、今や「当たり前」である民族自決・有色人種も人間を含めて、現在のパラダイムへと変換していったのである。(*4)
「民族自決・有色人種も人間」がパラダイムではなかった時代の白色人種の有色人種の扱いは、スペインの南米大陸での振る舞い、イギリスのインドでの振る舞い、オランダのインドネシアでの振る舞いなどを見れば、その変換が顕著であることがわかるであろう。
現在は、以前の「白人限定」がなくなったパラダイムとなったと理解すると分かり易い。
現在の世界は、各民族、同じ理念や同じ歴史を共有する人々が国家を形成・維持して、その国家が主権を持ち、最高主権とするものである。その国家を造り支えている国民の人種は問われないし、各国が、その主権下で、どの様な体制で国家統治をしていようと、それ自体を否定するものではない。
中東に位置するイランはイスラム文明圏(Islamic)の国で「イスラム共和制」という国家体制であり、西欧文明社会や我が国日本文明(Japanese(*5))社会の目から見れば、随分と違った価値観に基づく社会・国家である様に見える(*6)のだが、それは「民族自決・国家主権を最高主権とする現在の世界の建て付けからは、彼等の自由の範疇であり、彼等の自己決定権に委ねるものである。
同様、現在、中国共産党が統治する支那の地にある中華人民共和国も、自由民主主義国から見れば、まったくに非民主的な国家体制であり、チベット・ウィグルでの民族浄化策はもっとも非道なる人権毀損・人権侵害事例なのだが、そんな非民主的・非人道的なことをやっていても、強制的にやめさせることは原則に反するのである。
とは言え、そうであるからこそ国連人権ナンチャラ委員会は正論を言うべき立場にあるのになぁと思うのである。実際は違っているのである。
話を戻す。
そういう自由・平等・互恵・法治等のパラダイムの上に築かれているのが「国際法」と称される各種条約や議定や、それを実行する国際機関である。
幸にして、我が国日本文明は、これらの基礎的理念の基盤となっている西欧文明との親和性がある部分が多いく、国際的な取り決めに対して激しい違和感を持つものは多くはない。勿論、全然違う部分もあるのだが、比較的に親和性があるという事だ。
一方、我が国日本文明での価値観・正邪判断基準は、地理的には近いシナ大陸や朝鮮半島のシナ文明(Sinic)とは根本部分で違っており、歴史的文化的な影響は地理的に近いので「似ている」と思われるが、むしろ、親和性は高くない。
この様な「学校では習わない事柄」が話の背景にあるので「分からない人」もいると思うが、現在の世界は、西欧文明の価値観で出来ており、それに違和感を持っていても、それに則って外交を行うことが必要な場面が多々出て来る。
例えば、サウジアラビアはイスラム文明圏の国であり、西欧文明とはかなり違った価値観を持っているのだが、産油国との恵まれた国土があるので、国際社会の仕組みを否定しておらず、それに則って自分達の国益に利用している。
一方、イスラム文明圏の「本音」が最悪の形で顕在化したのがISIS団であると見ている。
サウジの様な、ある意味賢明な態度は良くあることで、現在の様なGDP額や軍事力が時代遅れであった以前の中国は、国際社会の仕組みが自己の価値観・正邪判断基準とは違っていても、それに反するのではなく、むしろ、それを利用して恩恵を得るとの対応をしてきた。
ところが、経済的に増進し、それに伴い、毎年10%以上の軍事費投入及び西側軍事技術の導入により強化された軍事力が揃うと、中国は本音を隠さなくなってきたのである。
経済と軍事は、国力の両輪であり、その両方で自信をつけた中国は、国際社会の仕組みや価値観が自分にとって不利と見るや、平然と、それらを無視して、自分達の価値観で行動し始めたのである。
中国は「4000年の歴史」を持つのだと自称しているのだが、これを西欧文明の学問基準で見ると、中国の歴史は1949年から始まった建国約70年の国である。
王朝と民族に連続性がないのだから、シナの地での「中国の歴史」は「中華人民共和国」の歴史であり、約70年となる。
一方、シナ文明圏での基準は違っている。彼等は易姓革命思想で以て4000年を自称しているのである。この事は以前、詳しく論考している(*7)ので、それをお読みいただきたい。
自分達の価値観で行動し始めた中国の存在は、自由主義vs共産主義との東西冷戦構造でのソ連とは違う相手であるのだが、ずっとヘゲモニーを握り続けた西欧文明の視点では、その違いが実感できていないと考える。(*8)
中国の価値観は、中華思想・華夷秩序にある。
その視点からは、中華が世界のヘゲモニー(覇権)を握るのが当然であり、そうなっていない世界は「違っている」となるのである。
トランプが大統領になって以降の米国は、中国の本音が何処にあるのかに気が付いた様である。
米国は、その根本価値観への挑戦を許さない。米国は自己の価値観を至上と考えており、世界は、それに基づいて回るべきだと考えている。我々日本人から見ると随分と独善的なのだが、それ点は、我々日本文明との差異がある部分の1つなのである。
昨今の米中関係は、この様な価値観の違いに基づく、中国による自文明に基づくヘゲモニー把握を目指した動き、即ち、ヘゲモニーチャレンジャ-中国と、それを許さぬ米国による新たな冷戦が始まっていることの表れだと認識している。
そして、その舞台は、米ソ冷戦時の「体制競争・軍事競走」ではなく、以前から中国が標榜していた超限戦という無差別・非限定の法律戦・情報戦となっているのである。
今、米中で行われている様々なコンフリクトは、新たな冷戦の一部が表面に表れているものだと考えている。
ところで、題名に登場した韓国が、ここまで記事に登場していないことを怪訝に思った方も多いと思うが、それは、韓国は目立つのだが、実際のところはシナ文明圏の1国である韓国は、その価値観「事大」の一言で御仕舞だからである。
彼等の根本原理は一言で言えば「生き残り」である。事大は、その為の手段である。
「有利な方につく」、「勝者につく」ことが、自分の生き残りの為には必須だとの原理があるので、我々日本人の価値観から見れば、そういう行為は「手の平返し」「裏切り」という邪悪な行為になるのだが、彼等の価値観では「正当な行為」なのである。
「事大」には主体性はないのである。
現在の韓国の事大先は軍拡及び経済成長著しい中国であり、それは彼等が歴史上ずっと事大してきた相手であることもあり、それが「自然」なのであろうが、一旦中国が揺らぐと、韓国は自身の原理に則り、「新しい事大先に事大する」だけである。
そういう事なので「事大主義小中華韓国」と題に書いた次第である。
現状の世界情勢は、この様な文明間のコンフリクトが深まり、それが表面に出てきているものだと思うのだが、如何であろう。
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【文末脚注】
(*1):世界の文明圏
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E6%98%8E%E3%81%AE%E8%A1%9D%E7%AA%81#/media/File:Clash_of_Civilizations_mapn2.png
Western(西欧文明圏)
Orthodox (東方正教文明圏(スラブ文明))
Islamic(イスラム文明圏)
Buddhist(仏教文明圏)
Hindu(ヒンズー文明圏)
African(アフリカ文明圏)
Latin American(ラテンアメリカ文明緬)
Sinic(シナ文明圏)
Japanese(日本文明圏)
(*2):我が国は、1919年の時点でパリ講和会議・国際連盟で「人種差別撤廃」を提案しているのだが、それを否定したのは「自由の国アメリカ」のウィルソン大統領である。
2015/11/23投稿:
「日本人は好戦的民族」? それ違いますから。
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-271.html
2015/08/18投稿:
【コラム】安倍談話を読む2-1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-190.html
(*3):「白人限定」のパラダイム
2015/11/07投稿:
【コラム】「人類」「全世界」の範囲
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-256.html
(*4):今や「当たり前」である民族自決・有色人種も人間との現在のパラダイム
<民族自決>
2015/03/26投稿:
【コラム】戦後の新世界秩序<民族自決・自存自立>
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-65.html
※多くの民族を抑圧の鎖のもとにおいた植民地体制は完全に崩壊し、民族の自決権は公認の世界的な原理という地位を獲得し、百を超える国ぐにが新たに政治的独立をかちとって主権国家となった。
<有色人種も人間>
2016/05/27投稿:
【コラム】1905年5月27日は人類史の転換点
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-423.html
(*5):我が国日本文明
2015/12/25投稿:
【コラム】我が国の文化背景
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-292.html
2015/09/12投稿:
【コラム】記紀と聖書
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-207.html
(*6):イスラム文明圏(Islamic)の国は随分と違った価値観に基づく社会・国家である様に見える。
2016/11/27投稿:
定義捻じ曲げ「立憲主義」の笑止千万
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-551.html
2017/07/19投稿:
続・「立憲主義」は現行憲法では成り立たない
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-715.html
(*7):シナ文明圏での基準は違っている。彼等は易姓革命思想で以て4000年を自称しているのである。
2017/07/04投稿:
シナ大陸の歴史観・易姓革命
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-708.html
(*8):自分達の価値観で行動し始めた中国の存在は、自由主義vs共産主義との東西冷戦構造でのソ連とは違う相手である。
2017/12/21投稿:
情勢認識が冷戦時代のままではダメでしょ。
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