「識者に聞く」の「識者」の採点がこれか?
- 2018/08/28
- 21:12
「識者に聞く」の「識者」の採点がこれか?

副題:毎日新聞が選んだ「識者」。その顔ぶれを見れば、毎日新聞が偏っていることが分かる。毎日新聞がやっていることは、その本音である「安倍下ろし」に関して、むしろ逆効果だと思う。
今回の題材は、「◆安倍政権5年8カ月 首相の手腕、何点? 識者に聞く」との毎日新聞記事である。当該記事は文末脚注の(*1)に全文引用してある。
記事本文に出てくる「識者」は4名。記事で登場する順番は、片山善博・香山リカ・駒崎弘樹・牛窪恵である。一方、記事外の図表は、各位が採点した点数の順番となっている。
記事に出てくる、この4人の顔ぶれを見て、「首相の手腕、何点? 識者に聞く」との毎日新聞記事見出しとのギャップに苦笑してしまった。
当方が知っている名前は、片山善博・香山リカの2人だけであり、申し訳ないが、後の2名は存じ上げない。そして、片山。香山の両名を「識者」と位置付けることには違和感を持つ。
知らない人物であっても、その意見の内容が適切であれば、その見識は評価されるべし、との基本姿勢を持っているつもりなので、それら4人が、その様な理由で、何点をつけているのか、をポイントに記事を読んでみた。
それでは、最初に、記事外の図表をテキスト化したものを示す。
<引用開始>
<安倍首相の5年8ヵ月の評価は?>
70点:フローレンス代表理事・駒崎弘樹
○予算を投入し、保育政策に力を入れてきた点は評価できる
50点:世代・トレンド評論家・牛窪恵
○若者の就職率向上は評価も社会保障愛作を策送りしている点はマイナス
20点:早稲田大院教授・片山善博
○政治、行政に対する国民の信頼を失わせ、ガバナンス能力を欠いている
15点:精神科医・香山リカ
○問題が起きても閣僚、官僚が責任を取らない政治を造り出した
<引用終り>
図表中にある「○○点」というのが、各「識者」の評価なのであろうが、総じて低い数値となっている。
2012年12月の総選挙で圧勝して以降の第二次安倍政権の5年8か月は、外交防衛・経済政策等で圧倒的な成果を上げており、それは、毎日新聞の当該記事中での最高得点である70点程度で終わるものではない。
安倍政権5年8か月の成果は思いつくだけでも次の様な凄い成果のオンパレードである。
国民が、それを知らないのは、「報道しない自由」という言論統制を行使する偏向マスコミの恣意的「報道」姿勢にあると考えている。
1.外交問題
<対米外交>
ルーピー鳩山のTrust meで一挙に失墜した対米外交の立て直しを米議会訪問しての演説で立て直し、オバマ政権の最終局面では、オバマを広島に訪問させ、また自身が真珠湾を訪問して、日米の間に横たわる戦後レジュームの終焉を促進した。(*2)
<対韓外交>
理不尽なる韓国の慰安婦を利用した強請外交を日韓慰安婦合意で封じ込め、従前の対韓外交の「会談の都度、お土産を用意する」との歪んだ慣例を廃止し、態度をあらためない韓国に対しては、通常の外交慣例に則らない日韓通貨スワップ協定の再開をしない、という正常化を行っている。(*3)
<G7サミット>
毎年開催されるG7サミットでは、その首脳宣言の中に我が国が抱える諸問題を明示し、世界共通の問題との位置付けにしている。中国の国際海洋条約に反する東シナ海・南シナ海での傍若無人、北朝鮮の核・弾道ミサイル問題はG7首脳宣言の中に明示され続けている。
分かり易い例で言えば、今年2018年のカナダG7サミットでの、米トランプ大統領の「シンゾーが言うならば」などを想起いただければ良い。(*4)
2.経済問題
経済問題は、そもそもが経済は生き物であり、時々刻々と変遷する。また、その視点は様々であり、株屋さんや相場屋さんはバブル期の様な相場でなければ「アベは経済が弱い」とかの利己的な感想を述べたりする。同様、財務省の様な自分の責任範囲だけに注目する「財政至上主義者」(*5)にとっては国民経済・景気など二の次の財政一点張りでしか考えておらず、あたかも安倍政権の経済運営ではダメであるかの様なことを言わせている。
しかし、安倍政権の経済政策の基本は国民の生活である。その視点で経済政策を見ると、その成果が分かると思う。
<雇用改善>2013年と2018年の比較
・雇用者数:5,513万人から5,880万人(+367万人・+6.6%)
・就業者数:6,228万人から6,562万人(+334万人・+5.3%)
・有効求人倍率:0.9倍から1.59倍(1.0倍超え・+176%)
・失業率:4.2%から2.4%
<株式相場>全体景気の指標として
・2013年1月:1万0700円程度から2017年11月:2万2900円程度
(+1万2200円・+114.0%)
<名目GDP>全体景気の指標として
・2013年度:503兆円から2017年度544兆円
(+41兆円・+8.1%)
<為替レート>円高によるデフレの悪影響・国際競争力の喪失改善
・2013年1月:\89/US$から2018年8月110円/US$
(△21円・23.5%の円高是正)
経済は生き物であり、今後、どの様な動きをするのかは誰にも分からない。しかし、国民がデフレ・円高不況で苦しめられた民主党政権時に比して、国民経済は明らかに復活している点に注目されたい。
<消費税問題>
消費税の増税による景気回復後退問題を安倍政権の政策ミスだとする誤解があるが、あれは、民主党・野田政権が増税率・増税時期を明示した消費税増税法を成立させ、その増税時期が安倍政権時になったものであり、民主党・野田政権の負の置き土産である。
野田の消費税増税法は法律である。我が国は法治国家なので、同法に基づき2014年4月に消費税率は5%から8%に増税された。
しかし、これにより景気回復が腰折れしてしまった。
民主党政権によりどん底に叩き落されていた我が国経済が折角回復していたのに、民主党の置き土産である消費税増税法による増税で国民経済が、また打撃を受けたのである。
同増税法は、第二段階の増税である10%化の日程が明示されていた。それは2015年10月であり、腰折れ状態から立ち直ったとしても、次の増税が控えており、同様の腰折れが再発し、今度は立ち直れない危険性があった。
安倍政権は、この二段階目の増税時期を延長することを決心し、その信を国民に問うた。
それが2014年12月の総選挙である。
その総選挙でふたたび圧勝した安倍政権は、無事に増税時期の延期を法案の可決で実行し、現在に於いても消費税率は8%のまま据え置かれている。(*6)
一方、消費税増税法案は、その使途が書かれている等の政策財源問題もあり、ただ単に「税率UPをしない」という対応だけでは通用しない問題である。これへの対処に関しては、2017年10月の総選挙時の自民党公約を参照願いたい。(*7)
<対外貿易問題>
TPPは、当初、腰抜け菅直人が横浜APECでオバマにビビッて参加表明したアメリカ有利な印象が強い多国間貿易協定であったが、安倍政権になってからは甘利大臣とそのスタッフ官僚達の絶大なる活躍により、良い協定となった。TPP脱退を選挙公約としていたトランプが大統領に就任すると、アメリカ抜きのTPP協定発効となったが、EU脱退を国民投票で決めたイギリスが参加の意向を表明するなど、対外貿易にプラスに働いている。
また、そのEUとはEPA(貿易協定)を締結するなど、現実世界ではサプライチェーンが国境をまたぎ存在している事実に則り、的確な政策を安倍政権は推進している。
また、これはコインの裏表であるのだが、適切でないものには参加していない。
具体的にはAIIB、一帯一路等の互恵・対等の原則から逸脱する華夷秩序ベースの国際協定にはご遠慮させていただいているのは的確な判断である。
外交と経済だけで、これだけ長くなってしまったので、「3.防衛問題」、「4.法的未整備問題」、「5.憲法問題」などは割愛する。
何を言いたいのかというと、「安倍首相の5年8ヵ月の評価は?」との問いに対して、その実績を虚心坦懐に評価するのだったら、その対象は多岐にわたる、という事実を説明したかったからだ。
当たり前の話なのだが、「○○君」という人物を評価する際には、何か一点がずば抜けている場合を除き、総合的に見て評価するものだ。
例えば、学生であっても、その学力だけが評価対象ではない。その昔、当方が中学生だった時、学力は底辺クラスだったのだが野球では凄いバッターがいた。彼は、その後、甲子園でホームランをかっ飛ばし決勝戦までいった。そういうずば抜けた能力があれば、学力は評価対象項目のトップにはならないのである。
同様、当方がいるオフィスの半径5m以内には東大出のオジサンが3人いる。半径を20m程度に拡大すると2桁になる。所謂「学歴」としては超一流であるが、それらの人物が企画立案能力や業務遂行能力やリーダーシップ等で優れているかというと、そうではない方々も多々いるのである。そして、もう一方では、人間性あふれる「良いオジサン」だったりする。
この様に、「安倍首相の5年8ヵ月の評価は?」との問いに対して、その実績を評価するのだったら、その対象は多岐にわたり、それを総合的に評価するのが当たり前だと思うのである。
ところが、毎日新聞での「識者」達の評価を見ると、そうではない。
香山リカの様に、最初から「安倍下ろし」ありきの低評価をする人物などは論外である。
多分、香山リカの場合、安倍首相が日本人の為の政策を推進すること自体が許せないと考えており、上記した外交政策・経済政策が日本人の為に有用であることが、15点との低評価の理由なのであろう。
毎日新聞記事にある「採点理由」で香山は以下の様に言っている。
<香山リカ発言部分を抜粋引用>
「問題が起きても『国民が忘れてくれる』という態度で閣僚や官僚が責任を取らない。政権批判をすれば、(政権支持者らからインターネット上などで)『非国民』『反日』などと、かつては使われなかった言葉で攻撃されるようになってしまった。良い面を考慮してもあまりある悪影響が社会に起きている」
<抜粋引用終わり>
お読みいただければ分かる通り、「安倍首相の評価」の話の中に、ネット・ツイッター等での自身の不見識発言に対するリプライの話を織り込んでいる。質問主旨を逸脱し、「自分がいいたいこと」を言っているだけなのが分かるであろう。
こういう人物は、普通は「識者」とは言わないのだが、毎日新聞の基準では、「識者」なのであろう。困ったものである。
次に、香山リカの15点と同等の20点との低評価をしたと片山善博であるが、現在の肩書きが「早稲田大院教授」であるが、この人物は、あの菅直人内閣の総務大臣だった人物である。片山の総務大臣在籍期間は、第一次菅直人改造内閣が始まる2010年9月17日から第二次改造内閣で東日本大震災が起こり、まったくの無策が露呈し、国民があきれ返り、菅直人が辞任した2011年9月2日までの約1年である。
片山が総務大臣だった期間の菅直人内閣の異常さを御記憶の方も多々いると思う。
菅直人第一次改造内閣の官房長官は、あの仙谷由人である。尖閣での中国船による海保船への体当たりビデオを隠蔽し、中国人船長をご丁寧に送り返した、あの事件後の国家意識を喪失した行為をしていた内閣である。片山は、その内閣の総務大臣である。
また、菅直人第二次改造内閣の官房長官は、今や立憲民主党の代表となっているあの枝野である。この内閣がスタートしたのは2011年1月14日である。そして、その約2ヶ月後の3月11日に東日本大震災が起こった。
東日本大震災の時の菅直人の言動、その内閣の閣僚達の酷さはご記憶のことだと思う。
東日本大震災の時に注目されたのは枝野のSPEEDI情報隠蔽や菅直人他の東電乗り込み怒鳴りちらし事件や防災担当松本龍の傍若無人発言、辻元汚美の意味なし視察旅行など多々あった中で、片山は野田財務相と同様に目立たなかっただけであり、結局は、そういう内閣の一員だった人物だ。
そうであるから、片山は外交・経済等での安倍首相の実績など一切無視して、ただただ低い点数をつけている。
毎日新聞記事にある「採点理由」で片山は以下の様に言っている。
<片山善博発言部分を抜粋引用>
「安倍政権下で官僚が萎縮し、事なかれ主義に陥ってしまった」と厳しい。「日銀の独立性が失われ、かつては重みのあった内閣法制局の言葉も信頼されなくなった。国民に信頼される要素が、政治や行政の現場からどんどん失われている」
<抜粋引用終わり>
「官僚が委縮し」などと言っているが、それは省利省略・タテ割り行政と言われていた「官僚至上主義」の行政を政治主導に改め、行政が国民の為に機能する様にした結果を悪く表現しているだけである。
安倍政権がやっている「官僚の目線を所属省庁から国民に転換する」ことに反発する官僚は少なからずおり、そういう官僚が色々と言っていると考える方が自然である。
具体的には文科省事務次官だった前川助平の退官後の言動などを見れば良いと思う。
また、「日銀の独立性」も言葉だけのスローガンである。
一般に各国中央銀行の独立性は、「手段の独立性」と「目標の独立性」との2つがあるが、各国中央銀行の「手段の独立性」は認められている。一方、「目標の独立性」は認められていないというのが一般的だ。
当たり前の話なのだが、政府の方針と真逆のことを「中央銀行の独立性」と称して実施してしまうことなどは、民主主義手続きで選ばれた政府に対する反逆であり、国民に対する反逆になってしまうからである。
ところが、片山は、歪な日銀法を逆手にとって、アベノミクスではない民主党政権時のデフレ・円高政策を日銀は採用・推進しろと言っているのである。とんでもない人物である。
片山が言う「かつては重みのあった内閣法制局の言葉も信頼されなくなった」とは、安保法制審議時の話である。集団的自衛権に対する以前の内閣法制局の見解は、「我が国は集団的自衛権を有するが憲法の制約で、その行使が出来ない。尚、日米安保条約は特別・」という実際の状態に後付で理屈をつけた奇妙なものであった。
安保法制は、我々日本人の命、平和・安寧の確保を軸足に置き考えた場合、法的未整備があることで、その確保が法的に難しくなる状況を鑑み、未整備状態を解消するものである。
その中で、従前の奇妙な見解は訂正されたものである。
「集団的自衛権は憲法の制約で行使できないから、日本人は死ね」となってしまうリスクがある情勢になっているにも関わらず、従前の奇妙な見解のことを「かつては重みのあった内閣法制局の言葉」と表現する片山には呆れるしかない。
片山は、最後に「国民に信頼される要素が、政治や行政の現場からどんどん失われている」などと称しているが、いったいどこの国の「国民」の話をしているのであろう?
少なくとも日本国民は、安倍政権の誕生後2014年12月と2017年10月の総選挙(政権選択選挙)で安倍政権を圧勝させている。
国民からの信頼が高いからの選挙結果であることが分からないのであろうか?
あの菅直人政権の閣僚であった片山は、こういう民主主義原則も、日本国民の視点も分からないので、こんな不見識なことを言っているのである。
こういう人物は、普通は「識者」とは言わないのだが、毎日新聞の基準では、「識者」なのであろう。困ったものである。
香山15点、片山20点との恣意的低評価の次に低い50点との点数を付けたのが「世代・トレンド評論家・牛窪恵」であるが、この人物のことを、当方はまったく知らない。
そういう時は、原則通り、その人物の発言内容で判断することになる。
毎日新聞記事にある「採点理由」でこの人物は以下の様に言っている。
<牛窪恵発言部分を抜粋引用>
「若い世代の就職率が上向き、若者の気持ちに余裕が芽生え、希望を持てるようになった」と評価。一方で、「社会保障への将来不安に抜本的な対策を取らず、長期政権なのに成長戦略として大胆な経済政策が取られていない」とした。首相が意欲を燃やす憲法改正にも「改正の先にどのような国を目指すかという理念が見えない」と語った。
<抜粋引用終わり>
この人物は、少なくとも就職率が上向いたとの事実はちゃんと認識している様である。
その一方で、社会保障対策、成長戦略・経済政策がないと言っている。
社会保障対策については上記した消費税増税法案に、その使途の中に社会保障関係が多々あり、社会保障対策の話は構造上、消費税率議論とワンセットになってしまうとの背景がある。
この構造を分かっていると思うが、今の時期に社会保障対策を持ち出すのは、財務官僚のご希望に沿っている様な発言である。消費税増税法案は、無知な民主党政権をうまく乗せて成立させたもので、頭が良い財務官僚自身が望む様に動かざるを得ない仕組みが組み込まれたものである。この軛から脱するには、景気回復・税収増の実績が必要だ。
また、この人は「成長戦略・経済政策がない」と言っているのだが、安倍政権のやっている経済政策のうち、国家がやらないとやれないTPPとかインドとの関係強化(*8)などは、この人にとっては成長戦略・経済政策ではないと認識らしい。
この人物のことを当方は、まったく知らないのだが、毎日新聞記事の発言内容からは、ちょっと如何なものかと思う。
同様、憲法改正に関しては、「改正の先にどのような国を目指すかという理念が見えない」と言っているが、それは「知らないだけ」の様な気がする。
安倍首相は、憲法第96条の規定に則り、行政の長としては発言を控えている、そして、同時に、基本理念については憲法記念日の集会にビデオメッセージ等を通じて述べている、(*9)
この「識者」の話からは、評価の判断基準が一部だけで外交成果等を含む総合的評価をしていない様に感じるのである。毎日新聞記事には記載がないだけかもしれないが、仮にそうだとしても50点は低すぎると思う。
最後に、70点と、毎日新聞記事の中では一番高い評価をしているのが「フローレンス代表理事・駒崎弘樹」であるが、この人物のことも、当方はまったく知らない。
仕方がないので、原則通りに、その人物の発言内容で判断する。
毎日新聞記事にある「採点理由」でこの人物は以下の様に言っている。
<駒崎弘樹発言部分を抜粋引用>
「女性の就労が経済成長につながるとして保育政策に力を入れてきた点は評価できる。待機児童解消も進めている」と話す。ただ、性的少数者(LGBTなど)を「生産性がない」とした杉田水脈衆院議員の発言などを例に、「人権や女性活躍から距離のある発言が与党から出ていることは残念」とした。
<抜粋引用終わり>
この人も「安倍首相の評価」の話の中に、杉田水脈議員の話という主題を関係ない話を織り込んでいる。
また、毎日新聞記事には記載がないだけかもしれないが、評価の判断基準が一部だけで外交成果等を含む総合的評価をしていない様に感じるのである。
今回は以上である。
毎日新聞記事に登場する「識者」のコメントを見てきたが、先ず、この4人を「識者」として選んだ毎日新聞の「基準」には違和感を持つ。
同様、これら「識者」のうち何人かは、「首相の手腕、何点?」と聞いているのに、ネットでの批判だとか杉田水脈だとか、安倍首相の評価にして関係が薄い理由を述べている。こんな記事は、誰が読んでも恣意的な「安倍下ろし」「安倍disり記事」であることが分かるものでむしろ逆効果だと思う。
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【文末脚注】
(*1):毎日新聞記事
毎日新聞2018年8月26日 23時48分(最終更新 8月27日 01時41分)
見出し:◆安倍政権5年8カ月 首相の手腕、何点? 識者に聞く
https://mainichi.jp/articles/20180827/k00/00m/040/106000c
リード文:○自民党総裁選は、安倍晋三首相の26日の出馬表明を受け、6年ぶりの選挙戦になることが決まった。2012年に石破茂元幹事長に勝利し、無投票だった15年をまたいで5年8カ月の長期政権を築いた安倍首相を識者らはどう評価するのか。総裁選を前に、その手腕を採点してもらった。
○12年12月に政権奪還した安倍首相は「アベノミクス」を掲げ、大胆な金融緩和政策などによって株高を実現し、有効求人倍率などの指標を好転させた。一方で、安全保障関連法の整備は憲法解釈変更も含めて強硬に進め、今年の通常国会でも働き方改革関連法などを強引な採決で成立させた。森友、加計学園を巡る問題では昨年来、「お友達優遇」などと厳しい批判を浴びた。
○こうした手法を問題視する旧自治省出身で元総務相の片山善博・早稲田大大学院教授(政治学)は100点満点で20点を付けた。「安倍政権下で官僚が萎縮し、事なかれ主義に陥ってしまった」と厳しい。「日銀の独立性が失われ、かつては重みのあった内閣法制局の言葉も信頼されなくなった。国民に信頼される要素が、政治や行政の現場からどんどん失われている」と話した。
○精神科医の香山リカさんも15点と辛口評価。「問題が起きても『国民が忘れてくれる』という態度で閣僚や官僚が責任を取らない。政権批判をすれば、(政権支持者らからインターネット上などで)『非国民』『反日』などと、かつては使われなかった言葉で攻撃されるようになってしまった。良い面を考慮してもあまりある悪影響が社会に起きている」と懸念した。
○これに対し、子育て問題解決に取り組むNPO法人「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹さんは70点の高評価。「女性の就労が経済成長につながるとして保育政策に力を入れてきた点は評価できる。待機児童解消も進めている」と話す。ただ、性的少数者(LGBTなど)を「生産性がない」とした杉田水脈衆院議員の発言などを例に、「人権や女性活躍から距離のある発言が与党から出ていることは残念」とした。
○世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは50点と採点。「若い世代の就職率が上向き、若者の気持ちに余裕が芽生え、希望を持てるようになった」と評価。一方で、「社会保障への将来不安に抜本的な対策を取らず、長期政権なのに成長戦略として大胆な経済政策が取られていない」とした。首相が意欲を燃やす憲法改正にも「改正の先にどのような国を目指すかという理念が見えない」と語った。
○総裁選にはどのような論戦が望まれるだろうか。片山さんは「安倍政権のガバナンス(組織統治)能力の検証。首相への信頼度も争点」とし、駒崎さんは「人口減少社会で、現実的かつ未来に希望を持てるビジョンについての議論を期待したい」と述べた。【杉本修作】
<引用終わり>
【ご参考】同記事外の画像のテキスト
<安倍首相の5年8ヵ月の評価は?>
70点:フローレンス代表理事・駒崎弘樹
○予算を投入し、保育政策に力を入れてきた点は評価できる
50点:世代・トレンド評論家・牛窪恵
○若者の就職率向上は評価も社会保障作を策送りしている点はマイナス
20点:早稲田大院教授・片山善博
○政治、行政に対する国民の信頼を失わせ、ガバナンス能力を欠いている
15点:精神科医・香山リカ
○問題が起きても閣僚、官僚が責任を取らない政治を造り出した
(*2):外交問題・<対米外交>
○米議会訪問しての演説
2015/05/01:【コラム】アメリカ人に考えさせる演説を読む1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-96.html
2015/05/01:【コラム2】アメリカ人に考えさせる演説を読む2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-97.html
○オバマ大統領を広島に連れてきて戦後レジュームの一部を終焉させた。
※2016年の5月27日に伊勢志摩サミットで来日していた当時のアメリカ大統領オバマが、戦後、初めて広島を訪問した。その時のオバマの広島演説で、オバマは戦後レジュームの終焉を呼び掛けた。
2016/05/28:【コラム】2016年5月27日広島演説
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-424.html
2016/06/11:(資料編)オバマ広島演説・和訳
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-433.html
2016/06/13:【コラム】オバマ広島演説の分析1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-434.html
2016/06/17:【コラム】オバマ広島演説の分析2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-437.html
2016/06/18:【コラム】オバマ広島演説の分析3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-438.html
2016/06/19:【コラム】オバマ広島演説の分析4
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-439.html
2016/06/21:【コラム】安倍首相広島スピーチ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-441.html
○自らが真珠湾に赴き戦後レジュームの一部を終焉させた。
※アメリカ大統領オバマが広島を訪問した年の年末、2016年12月28日には、今度は安倍首相が真珠湾に訪問し、オバマと共に、寛容と和解の力こそが日米・希望の同盟の礎だと呼び掛けた。
2016/12/29:(資料編)真珠湾両首脳ステートメント
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-573.html
2016/12/30:真珠湾・安倍演説1「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-574.html
2016/12/31:真珠湾・安倍演説2「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-575.html
2017/01/03:真珠湾オバマ演説1・2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-576.html
2017/01/04:真珠湾オバマ演説2・2016/12/28 Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-577.html
(*3):外交問題・<対韓外交>
○理不尽なる韓国の慰安婦を利用した強請外交を日韓慰安婦合意で封じ込めた。
<タグ「今北産業慰安婦合意」>
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-category-6.html
【ご参考】
2016/01/17投稿:【コラム】「慰安婦」問題6 今北産業な方への説明
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-317.html
2016/01/19投稿:【コラム】「慰安婦」問題7 今北産業な方への説明2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-320.html
○日韓通貨スワップ協定の再開をしない、という正常化を行っている。
2018/02/28投稿:何時もの「国内向け」発言・韓銀総裁・日韓通貨スワップ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-872.html
(*4):外交問題・<G7サミット>
毎年開催されるG7サミットでは、その首脳宣言の中に我が国が抱える諸問題を明示し、世界共通の問題との位置付けにしている。
2018/06/16投稿:G7カナダ・シャルルボワサミット(関税問題ばかりじゃない)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-959.html
2017/05/30投稿:G7サミット・イタリア2017首脳宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-681.html
2016/06/06投稿:【コラム】伊勢志摩G7サミット首脳宣言の概要(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-428.html
2016/06/07投稿:【コラム】伊勢志摩G7サミット首脳宣言の概要(後編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-429.html
【ご参考】
2016/06/05投稿:【コラム】G7サミットを「報道しない自由」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-427.html
2017/05/26投稿:G7サミットに対するマスコミの印象操作
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-678.html
(*5):自分の責任範囲だけに注目する「財政至上主義者」財務省
2017/04/03投稿:日銀は財務省じゃないとの理屈
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-638.html
(*6):2014年12月の総選挙でふたたび圧勝した安倍政権は、無事に増税時期の延期を法案の可決で実行し、現在に於いても消費税率は8%のまま据え置かれている。
2017/10/10投稿:消費税10%化は民主党・野田政権の置き土産
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-775.html
(*7):2017年10月の総選挙時の自民党公約
自民党公約:「この国を、守り抜く。」(衆議院選挙公約2017)
https://www.jimin.jp/election/results/sen_shu48/political_promise/
同・政策BANK
https://www.jimin.jp/election/results/sen_shu48/political_promise/bank/
(*8):インドとの関係強化
2017/09/17投稿:安倍首相・インド訪問
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-754.html
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副題:毎日新聞が選んだ「識者」。その顔ぶれを見れば、毎日新聞が偏っていることが分かる。毎日新聞がやっていることは、その本音である「安倍下ろし」に関して、むしろ逆効果だと思う。
今回の題材は、「◆安倍政権5年8カ月 首相の手腕、何点? 識者に聞く」との毎日新聞記事である。当該記事は文末脚注の(*1)に全文引用してある。
記事本文に出てくる「識者」は4名。記事で登場する順番は、片山善博・香山リカ・駒崎弘樹・牛窪恵である。一方、記事外の図表は、各位が採点した点数の順番となっている。
記事に出てくる、この4人の顔ぶれを見て、「首相の手腕、何点? 識者に聞く」との毎日新聞記事見出しとのギャップに苦笑してしまった。
当方が知っている名前は、片山善博・香山リカの2人だけであり、申し訳ないが、後の2名は存じ上げない。そして、片山。香山の両名を「識者」と位置付けることには違和感を持つ。
知らない人物であっても、その意見の内容が適切であれば、その見識は評価されるべし、との基本姿勢を持っているつもりなので、それら4人が、その様な理由で、何点をつけているのか、をポイントに記事を読んでみた。
それでは、最初に、記事外の図表をテキスト化したものを示す。
<引用開始>
<安倍首相の5年8ヵ月の評価は?>
70点:フローレンス代表理事・駒崎弘樹
○予算を投入し、保育政策に力を入れてきた点は評価できる
50点:世代・トレンド評論家・牛窪恵
○若者の就職率向上は評価も社会保障愛作を策送りしている点はマイナス
20点:早稲田大院教授・片山善博
○政治、行政に対する国民の信頼を失わせ、ガバナンス能力を欠いている
15点:精神科医・香山リカ
○問題が起きても閣僚、官僚が責任を取らない政治を造り出した
<引用終り>
図表中にある「○○点」というのが、各「識者」の評価なのであろうが、総じて低い数値となっている。
2012年12月の総選挙で圧勝して以降の第二次安倍政権の5年8か月は、外交防衛・経済政策等で圧倒的な成果を上げており、それは、毎日新聞の当該記事中での最高得点である70点程度で終わるものではない。
安倍政権5年8か月の成果は思いつくだけでも次の様な凄い成果のオンパレードである。
国民が、それを知らないのは、「報道しない自由」という言論統制を行使する偏向マスコミの恣意的「報道」姿勢にあると考えている。
1.外交問題
<対米外交>
ルーピー鳩山のTrust meで一挙に失墜した対米外交の立て直しを米議会訪問しての演説で立て直し、オバマ政権の最終局面では、オバマを広島に訪問させ、また自身が真珠湾を訪問して、日米の間に横たわる戦後レジュームの終焉を促進した。(*2)
<対韓外交>
理不尽なる韓国の慰安婦を利用した強請外交を日韓慰安婦合意で封じ込め、従前の対韓外交の「会談の都度、お土産を用意する」との歪んだ慣例を廃止し、態度をあらためない韓国に対しては、通常の外交慣例に則らない日韓通貨スワップ協定の再開をしない、という正常化を行っている。(*3)
<G7サミット>
毎年開催されるG7サミットでは、その首脳宣言の中に我が国が抱える諸問題を明示し、世界共通の問題との位置付けにしている。中国の国際海洋条約に反する東シナ海・南シナ海での傍若無人、北朝鮮の核・弾道ミサイル問題はG7首脳宣言の中に明示され続けている。
分かり易い例で言えば、今年2018年のカナダG7サミットでの、米トランプ大統領の「シンゾーが言うならば」などを想起いただければ良い。(*4)
2.経済問題
経済問題は、そもそもが経済は生き物であり、時々刻々と変遷する。また、その視点は様々であり、株屋さんや相場屋さんはバブル期の様な相場でなければ「アベは経済が弱い」とかの利己的な感想を述べたりする。同様、財務省の様な自分の責任範囲だけに注目する「財政至上主義者」(*5)にとっては国民経済・景気など二の次の財政一点張りでしか考えておらず、あたかも安倍政権の経済運営ではダメであるかの様なことを言わせている。
しかし、安倍政権の経済政策の基本は国民の生活である。その視点で経済政策を見ると、その成果が分かると思う。
<雇用改善>2013年と2018年の比較
・雇用者数:5,513万人から5,880万人(+367万人・+6.6%)
・就業者数:6,228万人から6,562万人(+334万人・+5.3%)
・有効求人倍率:0.9倍から1.59倍(1.0倍超え・+176%)
・失業率:4.2%から2.4%
<株式相場>全体景気の指標として
・2013年1月:1万0700円程度から2017年11月:2万2900円程度
(+1万2200円・+114.0%)
<名目GDP>全体景気の指標として
・2013年度:503兆円から2017年度544兆円
(+41兆円・+8.1%)
<為替レート>円高によるデフレの悪影響・国際競争力の喪失改善
・2013年1月:\89/US$から2018年8月110円/US$
(△21円・23.5%の円高是正)
経済は生き物であり、今後、どの様な動きをするのかは誰にも分からない。しかし、国民がデフレ・円高不況で苦しめられた民主党政権時に比して、国民経済は明らかに復活している点に注目されたい。
<消費税問題>
消費税の増税による景気回復後退問題を安倍政権の政策ミスだとする誤解があるが、あれは、民主党・野田政権が増税率・増税時期を明示した消費税増税法を成立させ、その増税時期が安倍政権時になったものであり、民主党・野田政権の負の置き土産である。
野田の消費税増税法は法律である。我が国は法治国家なので、同法に基づき2014年4月に消費税率は5%から8%に増税された。
しかし、これにより景気回復が腰折れしてしまった。
民主党政権によりどん底に叩き落されていた我が国経済が折角回復していたのに、民主党の置き土産である消費税増税法による増税で国民経済が、また打撃を受けたのである。
同増税法は、第二段階の増税である10%化の日程が明示されていた。それは2015年10月であり、腰折れ状態から立ち直ったとしても、次の増税が控えており、同様の腰折れが再発し、今度は立ち直れない危険性があった。
安倍政権は、この二段階目の増税時期を延長することを決心し、その信を国民に問うた。
それが2014年12月の総選挙である。
その総選挙でふたたび圧勝した安倍政権は、無事に増税時期の延期を法案の可決で実行し、現在に於いても消費税率は8%のまま据え置かれている。(*6)
一方、消費税増税法案は、その使途が書かれている等の政策財源問題もあり、ただ単に「税率UPをしない」という対応だけでは通用しない問題である。これへの対処に関しては、2017年10月の総選挙時の自民党公約を参照願いたい。(*7)
<対外貿易問題>
TPPは、当初、腰抜け菅直人が横浜APECでオバマにビビッて参加表明したアメリカ有利な印象が強い多国間貿易協定であったが、安倍政権になってからは甘利大臣とそのスタッフ官僚達の絶大なる活躍により、良い協定となった。TPP脱退を選挙公約としていたトランプが大統領に就任すると、アメリカ抜きのTPP協定発効となったが、EU脱退を国民投票で決めたイギリスが参加の意向を表明するなど、対外貿易にプラスに働いている。
また、そのEUとはEPA(貿易協定)を締結するなど、現実世界ではサプライチェーンが国境をまたぎ存在している事実に則り、的確な政策を安倍政権は推進している。
また、これはコインの裏表であるのだが、適切でないものには参加していない。
具体的にはAIIB、一帯一路等の互恵・対等の原則から逸脱する華夷秩序ベースの国際協定にはご遠慮させていただいているのは的確な判断である。
外交と経済だけで、これだけ長くなってしまったので、「3.防衛問題」、「4.法的未整備問題」、「5.憲法問題」などは割愛する。
何を言いたいのかというと、「安倍首相の5年8ヵ月の評価は?」との問いに対して、その実績を虚心坦懐に評価するのだったら、その対象は多岐にわたる、という事実を説明したかったからだ。
当たり前の話なのだが、「○○君」という人物を評価する際には、何か一点がずば抜けている場合を除き、総合的に見て評価するものだ。
例えば、学生であっても、その学力だけが評価対象ではない。その昔、当方が中学生だった時、学力は底辺クラスだったのだが野球では凄いバッターがいた。彼は、その後、甲子園でホームランをかっ飛ばし決勝戦までいった。そういうずば抜けた能力があれば、学力は評価対象項目のトップにはならないのである。
同様、当方がいるオフィスの半径5m以内には東大出のオジサンが3人いる。半径を20m程度に拡大すると2桁になる。所謂「学歴」としては超一流であるが、それらの人物が企画立案能力や業務遂行能力やリーダーシップ等で優れているかというと、そうではない方々も多々いるのである。そして、もう一方では、人間性あふれる「良いオジサン」だったりする。
この様に、「安倍首相の5年8ヵ月の評価は?」との問いに対して、その実績を評価するのだったら、その対象は多岐にわたり、それを総合的に評価するのが当たり前だと思うのである。
ところが、毎日新聞での「識者」達の評価を見ると、そうではない。
香山リカの様に、最初から「安倍下ろし」ありきの低評価をする人物などは論外である。
多分、香山リカの場合、安倍首相が日本人の為の政策を推進すること自体が許せないと考えており、上記した外交政策・経済政策が日本人の為に有用であることが、15点との低評価の理由なのであろう。
毎日新聞記事にある「採点理由」で香山は以下の様に言っている。
<香山リカ発言部分を抜粋引用>
「問題が起きても『国民が忘れてくれる』という態度で閣僚や官僚が責任を取らない。政権批判をすれば、(政権支持者らからインターネット上などで)『非国民』『反日』などと、かつては使われなかった言葉で攻撃されるようになってしまった。良い面を考慮してもあまりある悪影響が社会に起きている」
<抜粋引用終わり>
お読みいただければ分かる通り、「安倍首相の評価」の話の中に、ネット・ツイッター等での自身の不見識発言に対するリプライの話を織り込んでいる。質問主旨を逸脱し、「自分がいいたいこと」を言っているだけなのが分かるであろう。
こういう人物は、普通は「識者」とは言わないのだが、毎日新聞の基準では、「識者」なのであろう。困ったものである。
次に、香山リカの15点と同等の20点との低評価をしたと片山善博であるが、現在の肩書きが「早稲田大院教授」であるが、この人物は、あの菅直人内閣の総務大臣だった人物である。片山の総務大臣在籍期間は、第一次菅直人改造内閣が始まる2010年9月17日から第二次改造内閣で東日本大震災が起こり、まったくの無策が露呈し、国民があきれ返り、菅直人が辞任した2011年9月2日までの約1年である。
片山が総務大臣だった期間の菅直人内閣の異常さを御記憶の方も多々いると思う。
菅直人第一次改造内閣の官房長官は、あの仙谷由人である。尖閣での中国船による海保船への体当たりビデオを隠蔽し、中国人船長をご丁寧に送り返した、あの事件後の国家意識を喪失した行為をしていた内閣である。片山は、その内閣の総務大臣である。
また、菅直人第二次改造内閣の官房長官は、今や立憲民主党の代表となっているあの枝野である。この内閣がスタートしたのは2011年1月14日である。そして、その約2ヶ月後の3月11日に東日本大震災が起こった。
東日本大震災の時の菅直人の言動、その内閣の閣僚達の酷さはご記憶のことだと思う。
東日本大震災の時に注目されたのは枝野のSPEEDI情報隠蔽や菅直人他の東電乗り込み怒鳴りちらし事件や防災担当松本龍の傍若無人発言、辻元汚美の意味なし視察旅行など多々あった中で、片山は野田財務相と同様に目立たなかっただけであり、結局は、そういう内閣の一員だった人物だ。
そうであるから、片山は外交・経済等での安倍首相の実績など一切無視して、ただただ低い点数をつけている。
毎日新聞記事にある「採点理由」で片山は以下の様に言っている。
<片山善博発言部分を抜粋引用>
「安倍政権下で官僚が萎縮し、事なかれ主義に陥ってしまった」と厳しい。「日銀の独立性が失われ、かつては重みのあった内閣法制局の言葉も信頼されなくなった。国民に信頼される要素が、政治や行政の現場からどんどん失われている」
<抜粋引用終わり>
「官僚が委縮し」などと言っているが、それは省利省略・タテ割り行政と言われていた「官僚至上主義」の行政を政治主導に改め、行政が国民の為に機能する様にした結果を悪く表現しているだけである。
安倍政権がやっている「官僚の目線を所属省庁から国民に転換する」ことに反発する官僚は少なからずおり、そういう官僚が色々と言っていると考える方が自然である。
具体的には文科省事務次官だった前川助平の退官後の言動などを見れば良いと思う。
また、「日銀の独立性」も言葉だけのスローガンである。
一般に各国中央銀行の独立性は、「手段の独立性」と「目標の独立性」との2つがあるが、各国中央銀行の「手段の独立性」は認められている。一方、「目標の独立性」は認められていないというのが一般的だ。
当たり前の話なのだが、政府の方針と真逆のことを「中央銀行の独立性」と称して実施してしまうことなどは、民主主義手続きで選ばれた政府に対する反逆であり、国民に対する反逆になってしまうからである。
ところが、片山は、歪な日銀法を逆手にとって、アベノミクスではない民主党政権時のデフレ・円高政策を日銀は採用・推進しろと言っているのである。とんでもない人物である。
片山が言う「かつては重みのあった内閣法制局の言葉も信頼されなくなった」とは、安保法制審議時の話である。集団的自衛権に対する以前の内閣法制局の見解は、「我が国は集団的自衛権を有するが憲法の制約で、その行使が出来ない。尚、日米安保条約は特別・」という実際の状態に後付で理屈をつけた奇妙なものであった。
安保法制は、我々日本人の命、平和・安寧の確保を軸足に置き考えた場合、法的未整備があることで、その確保が法的に難しくなる状況を鑑み、未整備状態を解消するものである。
その中で、従前の奇妙な見解は訂正されたものである。
「集団的自衛権は憲法の制約で行使できないから、日本人は死ね」となってしまうリスクがある情勢になっているにも関わらず、従前の奇妙な見解のことを「かつては重みのあった内閣法制局の言葉」と表現する片山には呆れるしかない。
片山は、最後に「国民に信頼される要素が、政治や行政の現場からどんどん失われている」などと称しているが、いったいどこの国の「国民」の話をしているのであろう?
少なくとも日本国民は、安倍政権の誕生後2014年12月と2017年10月の総選挙(政権選択選挙)で安倍政権を圧勝させている。
国民からの信頼が高いからの選挙結果であることが分からないのであろうか?
あの菅直人政権の閣僚であった片山は、こういう民主主義原則も、日本国民の視点も分からないので、こんな不見識なことを言っているのである。
こういう人物は、普通は「識者」とは言わないのだが、毎日新聞の基準では、「識者」なのであろう。困ったものである。
香山15点、片山20点との恣意的低評価の次に低い50点との点数を付けたのが「世代・トレンド評論家・牛窪恵」であるが、この人物のことを、当方はまったく知らない。
そういう時は、原則通り、その人物の発言内容で判断することになる。
毎日新聞記事にある「採点理由」でこの人物は以下の様に言っている。
<牛窪恵発言部分を抜粋引用>
「若い世代の就職率が上向き、若者の気持ちに余裕が芽生え、希望を持てるようになった」と評価。一方で、「社会保障への将来不安に抜本的な対策を取らず、長期政権なのに成長戦略として大胆な経済政策が取られていない」とした。首相が意欲を燃やす憲法改正にも「改正の先にどのような国を目指すかという理念が見えない」と語った。
<抜粋引用終わり>
この人物は、少なくとも就職率が上向いたとの事実はちゃんと認識している様である。
その一方で、社会保障対策、成長戦略・経済政策がないと言っている。
社会保障対策については上記した消費税増税法案に、その使途の中に社会保障関係が多々あり、社会保障対策の話は構造上、消費税率議論とワンセットになってしまうとの背景がある。
この構造を分かっていると思うが、今の時期に社会保障対策を持ち出すのは、財務官僚のご希望に沿っている様な発言である。消費税増税法案は、無知な民主党政権をうまく乗せて成立させたもので、頭が良い財務官僚自身が望む様に動かざるを得ない仕組みが組み込まれたものである。この軛から脱するには、景気回復・税収増の実績が必要だ。
また、この人は「成長戦略・経済政策がない」と言っているのだが、安倍政権のやっている経済政策のうち、国家がやらないとやれないTPPとかインドとの関係強化(*8)などは、この人にとっては成長戦略・経済政策ではないと認識らしい。
この人物のことを当方は、まったく知らないのだが、毎日新聞記事の発言内容からは、ちょっと如何なものかと思う。
同様、憲法改正に関しては、「改正の先にどのような国を目指すかという理念が見えない」と言っているが、それは「知らないだけ」の様な気がする。
安倍首相は、憲法第96条の規定に則り、行政の長としては発言を控えている、そして、同時に、基本理念については憲法記念日の集会にビデオメッセージ等を通じて述べている、(*9)
この「識者」の話からは、評価の判断基準が一部だけで外交成果等を含む総合的評価をしていない様に感じるのである。毎日新聞記事には記載がないだけかもしれないが、仮にそうだとしても50点は低すぎると思う。
最後に、70点と、毎日新聞記事の中では一番高い評価をしているのが「フローレンス代表理事・駒崎弘樹」であるが、この人物のことも、当方はまったく知らない。
仕方がないので、原則通りに、その人物の発言内容で判断する。
毎日新聞記事にある「採点理由」でこの人物は以下の様に言っている。
<駒崎弘樹発言部分を抜粋引用>
「女性の就労が経済成長につながるとして保育政策に力を入れてきた点は評価できる。待機児童解消も進めている」と話す。ただ、性的少数者(LGBTなど)を「生産性がない」とした杉田水脈衆院議員の発言などを例に、「人権や女性活躍から距離のある発言が与党から出ていることは残念」とした。
<抜粋引用終わり>
この人も「安倍首相の評価」の話の中に、杉田水脈議員の話という主題を関係ない話を織り込んでいる。
また、毎日新聞記事には記載がないだけかもしれないが、評価の判断基準が一部だけで外交成果等を含む総合的評価をしていない様に感じるのである。
今回は以上である。
毎日新聞記事に登場する「識者」のコメントを見てきたが、先ず、この4人を「識者」として選んだ毎日新聞の「基準」には違和感を持つ。
同様、これら「識者」のうち何人かは、「首相の手腕、何点?」と聞いているのに、ネットでの批判だとか杉田水脈だとか、安倍首相の評価にして関係が薄い理由を述べている。こんな記事は、誰が読んでも恣意的な「安倍下ろし」「安倍disり記事」であることが分かるものでむしろ逆効果だと思う。
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【文末脚注】
(*1):毎日新聞記事
毎日新聞2018年8月26日 23時48分(最終更新 8月27日 01時41分)
見出し:◆安倍政権5年8カ月 首相の手腕、何点? 識者に聞く
https://mainichi.jp/articles/20180827/k00/00m/040/106000c
リード文:○自民党総裁選は、安倍晋三首相の26日の出馬表明を受け、6年ぶりの選挙戦になることが決まった。2012年に石破茂元幹事長に勝利し、無投票だった15年をまたいで5年8カ月の長期政権を築いた安倍首相を識者らはどう評価するのか。総裁選を前に、その手腕を採点してもらった。
○12年12月に政権奪還した安倍首相は「アベノミクス」を掲げ、大胆な金融緩和政策などによって株高を実現し、有効求人倍率などの指標を好転させた。一方で、安全保障関連法の整備は憲法解釈変更も含めて強硬に進め、今年の通常国会でも働き方改革関連法などを強引な採決で成立させた。森友、加計学園を巡る問題では昨年来、「お友達優遇」などと厳しい批判を浴びた。
○こうした手法を問題視する旧自治省出身で元総務相の片山善博・早稲田大大学院教授(政治学)は100点満点で20点を付けた。「安倍政権下で官僚が萎縮し、事なかれ主義に陥ってしまった」と厳しい。「日銀の独立性が失われ、かつては重みのあった内閣法制局の言葉も信頼されなくなった。国民に信頼される要素が、政治や行政の現場からどんどん失われている」と話した。
○精神科医の香山リカさんも15点と辛口評価。「問題が起きても『国民が忘れてくれる』という態度で閣僚や官僚が責任を取らない。政権批判をすれば、(政権支持者らからインターネット上などで)『非国民』『反日』などと、かつては使われなかった言葉で攻撃されるようになってしまった。良い面を考慮してもあまりある悪影響が社会に起きている」と懸念した。
○これに対し、子育て問題解決に取り組むNPO法人「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹さんは70点の高評価。「女性の就労が経済成長につながるとして保育政策に力を入れてきた点は評価できる。待機児童解消も進めている」と話す。ただ、性的少数者(LGBTなど)を「生産性がない」とした杉田水脈衆院議員の発言などを例に、「人権や女性活躍から距離のある発言が与党から出ていることは残念」とした。
○世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは50点と採点。「若い世代の就職率が上向き、若者の気持ちに余裕が芽生え、希望を持てるようになった」と評価。一方で、「社会保障への将来不安に抜本的な対策を取らず、長期政権なのに成長戦略として大胆な経済政策が取られていない」とした。首相が意欲を燃やす憲法改正にも「改正の先にどのような国を目指すかという理念が見えない」と語った。
○総裁選にはどのような論戦が望まれるだろうか。片山さんは「安倍政権のガバナンス(組織統治)能力の検証。首相への信頼度も争点」とし、駒崎さんは「人口減少社会で、現実的かつ未来に希望を持てるビジョンについての議論を期待したい」と述べた。【杉本修作】
<引用終わり>
【ご参考】同記事外の画像のテキスト
<安倍首相の5年8ヵ月の評価は?>
70点:フローレンス代表理事・駒崎弘樹
○予算を投入し、保育政策に力を入れてきた点は評価できる
50点:世代・トレンド評論家・牛窪恵
○若者の就職率向上は評価も社会保障作を策送りしている点はマイナス
20点:早稲田大院教授・片山善博
○政治、行政に対する国民の信頼を失わせ、ガバナンス能力を欠いている
15点:精神科医・香山リカ
○問題が起きても閣僚、官僚が責任を取らない政治を造り出した
(*2):外交問題・<対米外交>
○米議会訪問しての演説
2015/05/01:【コラム】アメリカ人に考えさせる演説を読む1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-96.html
2015/05/01:【コラム2】アメリカ人に考えさせる演説を読む2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-97.html
○オバマ大統領を広島に連れてきて戦後レジュームの一部を終焉させた。
※2016年の5月27日に伊勢志摩サミットで来日していた当時のアメリカ大統領オバマが、戦後、初めて広島を訪問した。その時のオバマの広島演説で、オバマは戦後レジュームの終焉を呼び掛けた。
2016/05/28:【コラム】2016年5月27日広島演説
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-424.html
2016/06/11:(資料編)オバマ広島演説・和訳
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-433.html
2016/06/13:【コラム】オバマ広島演説の分析1
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-434.html
2016/06/17:【コラム】オバマ広島演説の分析2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-437.html
2016/06/18:【コラム】オバマ広島演説の分析3
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-438.html
2016/06/19:【コラム】オバマ広島演説の分析4
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-439.html
2016/06/21:【コラム】安倍首相広島スピーチ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-441.html
○自らが真珠湾に赴き戦後レジュームの一部を終焉させた。
※アメリカ大統領オバマが広島を訪問した年の年末、2016年12月28日には、今度は安倍首相が真珠湾に訪問し、オバマと共に、寛容と和解の力こそが日米・希望の同盟の礎だと呼び掛けた。
2016/12/29:(資料編)真珠湾両首脳ステートメント
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-573.html
2016/12/30:真珠湾・安倍演説1「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-574.html
2016/12/31:真珠湾・安倍演説2「和解の力」2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-575.html
2017/01/03:真珠湾オバマ演説1・2016/12/28
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-576.html
2017/01/04:真珠湾オバマ演説2・2016/12/28 Final
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-577.html
(*3):外交問題・<対韓外交>
○理不尽なる韓国の慰安婦を利用した強請外交を日韓慰安婦合意で封じ込めた。
<タグ「今北産業慰安婦合意」>
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-category-6.html
【ご参考】
2016/01/17投稿:【コラム】「慰安婦」問題6 今北産業な方への説明
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-317.html
2016/01/19投稿:【コラム】「慰安婦」問題7 今北産業な方への説明2
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-320.html
○日韓通貨スワップ協定の再開をしない、という正常化を行っている。
2018/02/28投稿:何時もの「国内向け」発言・韓銀総裁・日韓通貨スワップ
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-872.html
(*4):外交問題・<G7サミット>
毎年開催されるG7サミットでは、その首脳宣言の中に我が国が抱える諸問題を明示し、世界共通の問題との位置付けにしている。
2018/06/16投稿:G7カナダ・シャルルボワサミット(関税問題ばかりじゃない)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-959.html
2017/05/30投稿:G7サミット・イタリア2017首脳宣言
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-681.html
2016/06/06投稿:【コラム】伊勢志摩G7サミット首脳宣言の概要(前編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-428.html
2016/06/07投稿:【コラム】伊勢志摩G7サミット首脳宣言の概要(後編)
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-429.html
【ご参考】
2016/06/05投稿:【コラム】G7サミットを「報道しない自由」
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-427.html
2017/05/26投稿:G7サミットに対するマスコミの印象操作
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-678.html
(*5):自分の責任範囲だけに注目する「財政至上主義者」財務省
2017/04/03投稿:日銀は財務省じゃないとの理屈
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-638.html
(*6):2014年12月の総選挙でふたたび圧勝した安倍政権は、無事に増税時期の延期を法案の可決で実行し、現在に於いても消費税率は8%のまま据え置かれている。
2017/10/10投稿:消費税10%化は民主党・野田政権の置き土産
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-775.html
(*7):2017年10月の総選挙時の自民党公約
自民党公約:「この国を、守り抜く。」(衆議院選挙公約2017)
https://www.jimin.jp/election/results/sen_shu48/political_promise/
同・政策BANK
https://www.jimin.jp/election/results/sen_shu48/political_promise/bank/
(*8):インドとの関係強化
2017/09/17投稿:安倍首相・インド訪問
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-754.html
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